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雲生成時に空間変化する粒子数と雲水量の関係

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Academic year: 2021

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(1)

修士論文要旨(2006 年度)

雲生成時に空間変化する粒子数と雲水量の関係

Relation of Cloud Droplet Number and Volume Variation in Space on Cloud Formation

土木工学専攻  17 号  笹尾  将登 SASAO Masato

1.はじめに 

立坑を用いた雲物理実験の主な利点は,気温,水蒸気 量が一年を通して安定している条件下で実現象に近い時 空間スケールの雲物理現象を実測することができること にある.本研究の位置づけを図-1 に示す.本研究の解析 対象としている 2003 年から立坑内に粒子数濃度計を複 数設置することにより,雲粒数濃度の時空間分布を観測 した.この観測手法による結果では,粒子数濃度と気温 の鉛直分布から立坑内に発生する雲の雲底を観測するこ とが可能となり,過飽和層における粒子数濃度変化を観 測することで,雲発生時の粒子数濃度の挙動を明らかに することに成功した.坑頂においては雲水サンプラーで 雲水量を計測することにより,異なる条件下での雲水発 生量を評価した.これは,硫酸アンモニウムや塩化ナト リウムなどの吸湿性のエアロゾルにおける凝結効率を考 慮した気象モデル

1)

の雲物理項の実証と成り得る結果を 得たと考えている.また高度変化する粒径分布から,大 粒径と小粒径の粒子数濃度が増加していくことを観測よ り得ることができた結果を踏まえ,雲粒の凝結成長式と して頻繁に用いられる Kohler

2)

の理論との比較を行う.

 

2.実験概要

実験施設の概要図を 図-2 に示す.雲物理実験施設には 岩手県釜石市にある廃坑になった鉱山内の立坑(面積約 15m

2

,高さ約 430m)を用いた.立坑の下部(以降坑底)

から溶液を噴霧し,一方で上部(以降坑頂)から大型フ ァンで坑内に上昇風速を発生・変化(0.3〜 1.5m/s)させ ることにより,人工的に雲を生成し,各高度の粒子数濃 度,気温,坑頂において粒子数濃度,雲水量

を計測している. 表-1 は本論文において解析 対象とした 2003〜 2006 年の実験において用 いた観測機材と設置地点を示す. 2003 年の実 験は,洋上大気レベルから汚染大気レベルの

長大立坑を用いた実スケール雲物理実験 による実験値と理論値との比較 気象現象

集中豪雨・台風

地球規模の気候現象 地球温暖化

雲の微物理・力学過程に関する現象 雲の微物理過程は未だ不確定なところが多い

災害を誘発する気象・気候現象

微物理過程の詳細なモデル化・検証 制御された小規模実験

→自然の化学的・物理的 ばらつきの表現が困難 実大気での観測

→非再現性の問題

長大立坑を用いた実スケール雲物理実験 による実験値と理論値との比較 気象現象

集中豪雨・台風

地球規模の気候現象 地球温暖化

雲の微物理・力学過程に関する現象 雲の微物理過程は未だ不確定なところが多い

災害を誘発する気象・気候現象

微物理過程の詳細なモデル化・検証 制御された小規模実験

→自然の化学的・物理的 ばらつきの表現が困難 実大気での観測

→非再現性の問題

図-1  研究の位置づけ

Φ=3.0m 横坑(坑底)

横坑(坑頂) ファン(2基)

H=425.5m

5.5m×2.8m 気流方向

溶液噴霧装置 坑頂に設置した観測機材

・パーティクルカウンター

・雲水サンプラー

・白金抵抗式温度計

坑内に設置した観測機材

・パーティクルカウンター

・白金抵抗式温度計

坑底に設置した観測機材

・白金抵抗式温度計

昇降機(0~80m,2006)

・パーティクルカウンター

・白金抵抗式温度計 白金抵抗式温度計 (130m〜430m 2005,2006) 鉄棒で作成した棹で

気温計を下ろした

Φ=3.0m 横坑(坑底)

横坑(坑頂) ファン(2基)

H=425.5m

5.5m×2.8m 気流方向

溶液噴霧装置 坑頂に設置した観測機材

・パーティクルカウンター

・雲水サンプラー

・白金抵抗式温度計

坑内に設置した観測機材

・パーティクルカウンター

・白金抵抗式温度計

坑底に設置した観測機材

・白金抵抗式温度計

昇降機(0~80m,2006)

・パーティクルカウンター

・白金抵抗式温度計 白金抵抗式温度計 (130m〜430m 2005,2006) 鉄棒で作成した棹で

気温計を下ろした

図-2  実験施設概要図 表-1  観測機材一覧

サーミスタ式温湿度計(ONSET社製) 雲水サンプラー

坑底,20m,40m,

60m,80m,坑頂

坑底から200m地点まで の計38地点,300mから 坑頂までの計13地点

2006年 10m,40m,50m,

100m,150m,400m,

坑頂

10m,40m,400m condensation particle counter 3007(TSI社製)

(粒径0.01<d<1.0μmの数濃度を計測) 30m,60m 15m,36m 移動観測で0〜80m,

固定観測で400m

2004年 2005年

30m,45m,60m,75m,

90m,200m,300m,

400m,坑頂

5m,15m,26m,36m,

46m,56m,67m,77m,

410m,坑頂

400m,坑頂

particle counter kc-01d(リオン社製)

(粒径0.3<d<10μmの数濃度を計測)

particle counter kc-20(リオン社製)

(粒径10<d<200μmの数濃度を計測)

2003年

particle counter kc-12(リオン社製)

(粒径0.3<d<10μmの数濃度を計測) 坑底,18m,32m,

53m,74m,坑頂

移動観測で0〜80m

坑頂 坑頂 坑頂 坑頂

坑底から90m地点までの 計25地点,130m地点か ら坑頂までの計31地点

130mから坑頂までの 計16地点

(2)

修士論文要旨(2006 年度)

範囲において噴霧数濃度を変化させることにより,溶液 噴霧数濃度による雲生成量変化を明らかにすることを目 的とした.2004 年は 2003 年より溶液噴霧数濃度を高濃 度にし,粒子数濃度が過多な大気における雲の発生・成 長の解明を目的とした. また 2005 年は微弱な上昇流条件 に保つことにより,層雲内での雲生成機構を想定した実 験を行った.噴霧する粒子の化学組成は,主に雲核とし て陸上起源・洋上起源で代表的なエアロゾルである硫酸 アンモニウム((NH

4

)

2

SO

4

)と塩化ナトリウム(NaCl)

を用いた.噴霧粒子の粒径分布は直径 50nm 以上で 70〜

80nm にピークを持つ.本論文では主に硫酸アンモニウ ムを噴霧した実験の考察を行う.また,図中の back

ground とは溶液を噴霧せずに上昇風速を変化させて実験

を行ったことを示している.

3.観測結果 

(1)立坑内における気温の鉛直分布 

図-3 は立坑内で計測した気温の鉛直分布を示す.実験 開始当初から近年において,各高度の気温は安定した気 温減率を示していることがわかる.また,異なる季節に おける同高度の気温を比較すると, 1.0℃以下となってお り,一年を通して安定した条件が保たれていることがわ

かる.2005 年 11 月 22 日では,坑底から 0m 〜30m 地点 まではほぼ乾燥断熱減率に従って気温が減少し,坑底か ら 30m〜 60m 付近までは一定の値を示し, 60m 以上は湿 潤断熱減率に近い気温減率を示している.坑底から 30m

〜60m 地点において,過飽和層における雲粒の凝結によ り発生した潜熱の影響と考えられ, 2005 年はこの高度付 近から雲が発生していると考えられる.

(2)溶液噴霧前後の各高度における粒子数濃度変化  各高度で計測した粒径が 0.3µm 以上の粒子数濃度の時 系列を図-4 に示す.坑底からの溶液噴霧は午前 10 時か ら開始された.溶液噴霧の開始に伴い, 5m 地点から 77m 地点の計 8 地点において粒子数濃度は減少し,410m 地 点及び坑頂(430m 地点)における粒子数濃度は増加し

11 12 13

0 200 400

temperature[°C]

height from bottom[m]

:moist adiabatic lapse rate :dry adiabatic lapse rate

:2005/11/22 :2000/10/24

:1996/9/4 :1995/10/3 observed data

dry adiabatic lapse rate(1.0[°C/100m])

moist adiabatic lapse rate(0.5[°C/100m])

図-3  立坑内における気温の鉛直分布

100 101 102

AEROSOL NUMBER (0.3 µm<d)[Count/cm3 ]

TIME(23 November 2005) 0.5 [m/s]

0.6 [m/s]

0.5 [m/s]

0.3 [m/s]

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24

ascending velocity

(NH4)2SO4 10(g/l) 3(jet)

:5m :15m :26m :36m :46m

:56m :67m :77m :410m :430m

図-4  粒子数濃度の時系列

100 102 104

0 200 400

2005年

高度[m]

雲水体積濃度[μm3/cm3] 上昇風速[m/s]

background :0.3[m/s]

:0.5[m/s]

:0.6[m/s]

=∑(4/3)πri3Ni(i=1〜5) 雲水体積濃度[μm3/cm3]

ri:代表粒径[μm]

Ni:半径riの粒子数濃度[count/cm3]

100 102 104

0 200 400

2003年

高度[m]

雲水体積濃度[μm3/cm3] 上昇風速[m/s]

:0.8[m/s]

:1.0[m/s]

:1.5[m/s]

雲水体積濃度[μm3/cm3]

ri:代表粒径[μm]

Ni:半径riの粒子数濃度[count/cm3]

=∑(4/3)πri3Ni(i=1〜5)

100 101 102 103

0 200 400

2005年

高度[m]

粒子数濃度(0.3[μm]<d)[count/cm3] 上昇風速[m/s]

background :0.3[m/s]

:0.5[m/s]

:0.6[m/s]

100 101 102 103

0 200 400

2003年

高度[m]

粒子数濃度(0.3[μm]<d)[count/cm3] 上昇風速[m/s]

:0.8[m/s]

:1.0[m/s]

:1.5[m/s]

図-5  雲水体積濃度(左),粒子数濃度 (右)の鉛直分布

(上段 2003 年実験,下段 2005 年実験)

(3)

修士論文要旨(2006 年度)

た.また,上昇風速の増加に伴い,5m 地点から 77m 地 点での粒子数濃度は減少し,坑頂付近においては増加し ていることがわかる.また,噴霧終了時間である 16:00 以降の粒子数濃度は,坑頂付近で噴霧開始前の粒子数濃 度に戻っている一方,5m から 77m 地点においては噴霧 前に比べ約 1/10 に減少している.溶液噴霧により過多に なったエアロゾルが水蒸気を奪い合い成長が抑制され,

0.3µm 以下のセンサーでは感知できない粒径の粒子数が

増大し, 0.3µm 以上の粒径の粒子数が減少しているため,

総粒子数が減少しているように表されていると考えられ る.

(3)立坑内における粒子数濃度(粒径 0.3µm 以上)と 雲水体積濃度の鉛直分布 

図-5 は 2003 年(上段)と 2005 年(下段)の実験にお いて観測した粒径 0.3µm 以上の粒子数濃度(右)と,粒 子数濃度から算出した雲水体積濃度(左)の鉛直分布を 示す.2003 年に着目すると,粒子数濃度は 20〜 60m に おいて増加し始める一方,雲水体積濃度については 5m から増加し始める.粒子数濃度の増加は,小粒径が 0.3µm に凝結成長するためである. 2005 年の実験における粒子 数濃度及び雲水体積濃度の鉛直分布について,両者共に 60m 付近において粒子数濃度の減少が見られる. 2003 年 の実験からは見られない現象であることから,微弱な上 昇風速が凝結効率を抑制しているものと考えられる.

(4)雲底付近の粒子数濃度変化 

図-6, 7 は立坑内における粒子数濃度の鉛直分布を示 している.小型ゴンドラに粒子数濃度計を設置し立坑内 を 1m 間隔で計測した.溶液噴霧前後共に坑底から 15〜

25m において粒径が 0.5µm 以上の粒子数濃度が増加し始

め , 20 〜 25m におい て雲粒の粒 径といわれ て い る 5.0µm 以上 が増加し始 めている.

また粒径が 0.5〜5.0µm,

溶液噴霧前の粒径が 5.0µm 以上の粒子数濃度は高度上昇 に伴いある一定値になる傾向があるのに対し, 粒径が 0.3

〜0.5µm,溶液噴霧後の 5.0µm 以上の粒子数濃度は高度 上昇に伴い増加している.飽和度付近に達したエアロゾ ルが水蒸気と凝結し活性化する粒子と,急激な水蒸気の 相変化に伴う過飽和度の低下により成長が停止したか,

蒸発して小粒径に戻った粒子が存在すると考えられる.

0.01〜 1.0µm の粒子数濃度において,溶液を噴霧するこ

とにより粒子数濃度が約 10 倍に増加している. 溶液噴霧 前は坑底から 10m〜30m において約 1800count/cm

3

から 約 1500count/cm

3

に減少している.粒子が過飽和層に到達 し,凝結成長することにより小粒子が減少したものと考 えられる.一方溶液噴霧後は坑底から 20m までに粒子数 濃度が約 22000count/cm

3

から約 23000count/cm

3

に増加し ている.溶液噴霧により十分な粒子数が立坑内に供給さ れていることがわかる.

(5)雲底付近の粒径分布 

図-8, 9 は坑底から 60m までの粒径分布を示している.

坑底から 10m〜 21mにおける粒径が0.5〜5.0µmの粒子数

0 20 40 60

0 20 40 60 80

1500 2000 2500 3000 particle number[count/cm3]

height from bottom[m]

:0.3〜0.5[μm]

:0.5〜0.7[μm]

:0.7〜1.0[μm]

:1.0〜2.0[μm]

:2.0〜5.0[μm]

:5.0[μm]〜

back ground ascending velocity

1.5[m/s]

:0.01〜1.0[μm]

2006/11/28

0 100 200

0 20 40 60 80

20000 25000 30000 particle number[count/cm3]

height from bottom[m]

:0.3〜0.5[μm]

:0.5〜0.7[μm]

:0.7〜1.0[μm]

:1.0〜2.0[μm]

:2.0〜5.0[μm]

:5.0[μm]〜

solution density ascending velocity

1.5[m/s]

:0.01〜1.0[μm ]

(NH4)2SO4 10[g/l]

2006/11/29

    図-6  粒子数濃度の鉛直分布      図-7  粒子数濃度の鉛直分布

(無霧噴霧時)      (霧噴霧時)

1 10

10–2 100 102

height from bottom[m]

2006/11/29

diameter[μm]

particle number[count/cm3]

ascending velocity 1.5[m/s]

:16〜18m :19〜21m :22〜24m :25〜27m :28〜30m

:1〜3m :4〜6m :7〜9m :10〜12m :13〜15m

(NH4)2SO4 10[g/l]

solution density

図-8  粒径分布(0〜30m)

1 10

101 102

height from bottom[m]

2006/11/29

diameter[μm]

particle number[count/cm3]

ascending velocity 1.5[m/s]

:46〜48m :49〜51m :52〜54m :55〜57m :58〜60m :31〜33m :34〜36m :37〜39m :40〜42m :43〜45m

solution density (NH4)2SO4 10[g/l]

図-9  粒径分布(31〜 60m)

(4)

修士論文要旨(2006 年度)

0 100 200 300

0 10000 20000

雲水体積濃度[µm3 /cm3 ]

粒子数濃度[count/cm3] :0〜30[m]

:30〜60[m]

:60〜90[m]

:坑頂付近 坑底からの高さ

:200[m]

:300[m]

噴霧溶液 (NH4)2SO4

図-10 粒子数濃度と雲水体積濃度の関係

0 1000 2000 3000

20 40 60

溶液噴霧数濃度[count/cm3] 雲水量[mg/m3]

上昇風速[m/s]

:0.3 :0.5

:0.8

:1.5 :0.7

:1.1 :0.6

:1.0

噴霧溶液 (NH4)2SO4 10[g/l]

図-12 溶液噴霧数濃度と雲水量の関係 が高度上昇に伴い急激に増加し,粒径が 5.0µm の粒子数

も坑底から 13m から増加し始めている.高度上昇に伴う 粒子数濃度の増加は,付近に相対湿度が不飽和−飽和−

過飽和へと変化する層が存在し,相変化する水蒸気が小 粒子と凝結し粒径が成長しているものと考えられる.ま た,坑底から 30〜 60m では粒径が 0.3〜0.7µm と 5.0µm が増加し,粒径が 0.7〜5.0µm の粒子数が減少している.

Kohler の理論で示されている様に粒子の溶質含有率や,

過飽和度により活性化した粒子と活性化せず過飽和度が 減少した際に小粒径に移行していく粒径があることを示 している.

(6)粒子数濃度と雲水体積濃度の関係

坑内で測定した粒子数濃度と粒子数濃度から算出した 雲粒体積濃度の関係を図-10 に示す.粒子数濃度と雲水 体積濃度は,全高度共に各高度の実験条件における平均 値を用い,雲粒は球形と仮定した.低高度においては粒 子数濃度が高く雲水体積濃度が低い一方で,高高度では 粒子数濃度が低く体積濃度が高いことから,高度上昇に 伴い雲粒が大粒径に成長していくことがわかる.また高

度 60〜90m では体積濃度のばらつきが大きいことから,

雲底付近で凝結過程が活発に起きており,高度上昇に伴 う粒径の成長率が高いことがわかる.高度による粒径分 布の特徴が表された.

(7)上昇風速と雲水量の関係 

坑頂において雲水サンプラーで採取した雲水量と上昇 風速の関係を図-11 に示す.噴霧溶液数濃度の増加に伴 い,雲水量が増加している.雲水量は上昇風速に対して ほぼ線形関係にあり,上昇風速が強くなるほど雲水量も

増加することがわかる.上昇風速増加による水蒸気フラ ックスの増加が雲粒の成長を促進すると考えられる.

(8)噴霧数濃度と雲水量の関係 

坑底での溶液噴霧数濃度と坑頂で採取した雲水量の関 係を図-12 に示す.坑底における溶液噴霧数濃度が 500count/cm

3

以上になると坑頂で採取される雲水量が一 定になることがわかる.また上昇風速が強くなると雲水 量は増加するが,雲水量が一定となるエアロゾル供給量 の閾値は,風速によらず一定であることがわかる.

4.まとめ 

本論文は雲物理現象の実験的解明を目的とし,雲粒数 濃度・雲粒体積濃度の鉛直構造特性,雲底付近の粒子数 濃度変化の解釈,また上昇風速・溶液噴霧数濃度が雲水 発生量に与える影響について述べた.雲底付近では雲粒 が過飽和層において凝結成長・活性化し,大粒径へと成 長していく過程を観測した.また生成された雲の粒径分 布において,粒径が 0.3µm〜 0.7µm と 5.0µm 以上に偏る ことに対する理論的考察から,雲粒の溶液含有率と過飽 和度変化率が粒径の凝結速度に強く影響することが実験 的に証明された.

  参考文献 

1) 山田正ら : 大気中のエアロゾルが降雨現象に及ぼす影響に関する研究 , 土木学会論文集, No.614,Ⅱ -46,pp.1-20,1999.2

2) H. Kohler: The Nucleus in the Growth of Hygroscopic Droplets Trans. Faraday Soc. 1152-1161, 1936

0.8 1 1.2 1.4

20 40 60

上昇風速[m/s]

雲水量[mg/m3]

:0[count/cm3] :30[count/cm3] :90[count/cm3]

:200[count/cm3] :600[count/cm3] :1200[count/cm3]

:2400[count/cm3] :3000[count/cm3] :3600[count/cm3] 溶液噴霧量[count/cm3]

噴霧溶液 (NH4)2SO4

図-11 上昇風速と雲水量の関係

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