観測変量と無次元変量の関係に
基づくシステム構造変化について
鷲尾 隆
大阪大学産業科学研究所
The 2nd Workshop on Latent Dynamics
June 22, 2011, Tokyo, Japan
システム内の機構
• システム内の機構の直接観測は難しい. – 機構・メカニズム (大辞林)機械の装置。仕掛け。メカ。物事の仕組み。組織。 (Wiki) 構造、仕組み • 観測変量関係から機構・その変化を推定する. からくり飛び蛙と内部 細胞 原子力プラント H=H1+H2 ΔT1=Tf-Tw1, ΔT2=Tf-Tw2 h1=ΔT1-1/4ω, h 2=ΔT2-1/4ω H1=2πγLh1ΔT1, H2=2πγLh2ΔT2機構と同型な観測変量関係モデル
• システムの機構を表すモデルとは?
– システムを構成する機構を表すモデルは観測変量同士 の関係と同型な数学的関係式である. – 現実の制約を満たす数学的関係式のみが許容される.• モデリングには数学的制約や背景知識制約に
よって許容される特殊な関係式を用いなければ
ならない.
2 2 1 r M M G F = sin{( / ) ( 0)} 2 / 1 max g t -t =q l q科学的法則式発見システムの研究
• 数学的制約や背景知識制約に許容される範囲内で 観測変量間の関係式を探索する.
1980~90年代に人工知能関係の会議やジャーナ ル(IJCAI, AAAI, MLJなど)で盛んに発表された.
• BACON系:BACON, FAHRENHEIT, ABACUS, IDS, KEPLER
– NP-困難,実験上のノイズや誤差に敏感
• 次元解析手法導入:求解のcomplexity減 COPER, ABACUS – 単位次元が不明の非物理系への適用困難
• しかし,観測データ以外に多くの背景知識を用いる必要 があり,未知ないしは不確かな対象のモデル化という大 きな現実のニーズに十分応えられたとは言えない.
機械学習の枠組み
• 学習に用いるモデルの高い汎用性や汎化能
力を得るため,観測変量間の任意の関係を
表すことができる制約の少ない関係式が用い
られる.
例)線形モデル,ニューラルネットワーク,
SVR
• 前述の議論から必ずしも対象システムの機
構をモデル化し,その変化を明示的に捉える
ために適した方法とは言えないかも。
数学的制約のみを用いるモデリング
• 対象システムに関する背景知識は用いずに,
測定
論を用いて観測変量の測定量としての性質から導
いた数学的許容条件と観測データのみから,シス
テムの機構を表すモデルを導出
[Washio IJCAI97]
• はじめに測定論の立場から観測変量および無次
元変量の性質に基づくシステムの一般的構造に
ついて振り返る.
• 次にこのようなシステム構造の監視によって,観
測データが示すシステムを支配する機構の変化を
捉える可能性について論じる.
観測変量に関する数学的制約
– 測定論(measurement theory)[S.Stevens 1946] • 比例尺度(ratio scale) – 絶対的原点を有し、測定値の比が不変(invariant) – 単位変換: Similarity group: x’ = kx – 質量、絶対温度、圧力、時間間隔、周波数、金額 • 間隔尺度(interval scale) – 原点は任意で、測定値の差の比が不変(invariant) – 単位変換: Generic linear group: x’ = kx + c– 摂氏や華氏の温度、エネルギー、エントロピー、音程
• {絶対尺度(absolute scale)}
– 測定値自体が不変(invariant)
– 単位なし: Identity group: x’ = x
観測変量に関する数学的制約
– 尺度間の数学的許容関係
[R.D.Luce 1959]
• 例えば2つの比例尺度量x, yの関係: y = log x =>単位変換 x’=kx
=> y’ = log x + log k (y’の比例尺度と矛盾)
independent dependent admissible formula
x: ratio y: ratio y=axb
x: ratio y: interval y=axb+c or a log x+b
x: interval y: interval y=ax+b
Admissible Relation under Scale
観測変量に関する数学的制約
• 物理学における単位次元解析
– 比例尺度に関する次元解析定理
[Buckingham 1922, Buckingham 1914]
• Product Theorem: x,y,...が比例尺度である時、そ れらの関係を表す関数rは P=r (x,y,z,...)=Cxaybzc... である。ただし、Pは従属変数、C,a,b,c,...は定数。 • Buckingham P-theorem: 1つの完全制約式 f(x1,x2,...xn)=0は、常に F(P1,P2,...,Pn-r)=0 と書き換え可能である。ここでrは基礎単位の数、 各Pは無次元量である。
観測変量に関する数学的制約
• スケールタイプ制約
– 定理を間隔尺度に拡張[Washio IJCAI97]
• Extended Product Theorem:Rを比例尺度量の集合、Iを
間隔尺度量の集合としたとき、それらの関係を表す関数 rは以下の何れかである。
• Extended Buckingham P-theorem:1つの完全制約式
f(x1,x2,...xn)=0は、常に F(P1,P2,...,Pn-r-s)=0 と書き換え可能である。ここでrは基礎単位の数、 sは間隔尺度の基礎原点の数、各Pは無次元量である。 P=(