.
プリント中の
¤
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佐本
¢はテキスト,“佐川,本間, 「力学」(シュプリンがー)”を示します。
¤
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高木
I ¢は参考文献,“高木隆司, 「力学
(I)」(裳華房)”を示します。¤
£
¡
高木
II ¢は参考文献,“高木隆司, 「力学
(II)」(裳華房)”を示します。¤
£
¡
戸田
¢は参考文献,“戸田盛和, 「力学」(岩波)”を示します。
オフィスアワー: 火曜の昼休みと
3講時
url: http://www.math.ryukoku.ac.jp/ iida/lecture/lecture.html
1 仕事とエネルギー (1 次元 )
¤
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佐本
Lec. 5¢ ¤£
¡
戸田
3-4¢¨§
¥
高木
I p.92¦ここでは
x軸上を動く質点の運動を考える。質点の質量を
m,時刻tでの質点の位置を
x(t),時刻tで質点に働 く力
(の x成分) を
Fx(t)とする。運動方程式
(のx成分) は
md2x(t)
dt2 =Fx(t) (1.1)
となる。
【注】物体の運動を記述するとき,その大きさが無視できる場合,その物体を 質点
¤ (質量を持った点)と呼ぶ。
£
¡
¢
佐本
3.1.1¨
§
¥
戸田
p.25¦¨
§
¥
高木
I p.2¦【注】運動方程式
md2 dt2
x(t) y(t) z(t)
=
Fx(t) Fy(t) Fz(t)
(1.2)
で,y(t) = 0
, z(t) = 0,Fy(t) = 0, Fz(t) = 0の場合を考えている。
簡単な力に対しては,運動方程式の解を式で表すことができる。
・ 調和振動
(単振動):フックの法則に従う復元力がはたらく質点の運動
¤
£
¡
¢
佐本 図
4.5¤
£
¡
¢
戸田 図
3.4x
は,ばねの自然長からの伸び
(x >0の場合),
または縮み
(x <0の場合) を表す。
ばねの一端を固定し,他端に質量
mの物体をつないで摩擦のない水 平な面上に置く。ばねの伸び
(縮み)が小さい時は,ばねによる力の 大きさはばねの伸び
(縮み)に比例する
(フック(Hooke)の法則)。
ばねの力がちょうど
0になるときの物体の位置
(つりあいの位置)を 原点とし,ばねの伸びる向きを
x軸の正の向きにとる。ばねの力
F~は
x軸に平行であり
(F~ = (Fx,0, 0))Fx(t) =−kx(t) ¨
§
¥
佐本
(4.33)¦¨
§
¥
戸田
(3.25)¦¨
§
¥
高木
I (4.1)¦ (1.3)となる。k は ばね定数 と呼ばれるばねに固有の正の定数である。
ばねの力のように,物体をつりあいの位置
(x= 0)に引き戻そうと する力を 復元力 と呼ぶ。運動方程式
(1.1)は
d2x(t)
dt2 =−ω2x(t), ω=
√k m
¨
§
¥
佐本
(4.35)¦¨
§
¥
戸田
(3.26)¦(1.4)となる。ω を 角振動数 と呼ぶ。
力学.2
.
【問】t
= 0での初期条件
x(0) =x0, dx(t) dt
¯¯¯¯
t=0
=v0 (2.1)
を満たす運動方程式
(1.4)の解を求めなさい。(
dx(t) dt¯¯¯¯
t=0
は
dx(t)dt
に
t= 0を代入するという意味。)
【答】
x(t) =x0cos(ωt) +v0
ω sin(ωt). ¨
§
¥
佐本
(4.39)¦¨§
¥
戸田
(3.39)¦¨§
¥
高木
I (4.7)¦ (2.2)【問】調和振動で次の量
E= m 2
(dx(t) dt
)2
+k
2x(t)2 ¨
§
¥
戸田
(3.73)¦ (2.3)が 保存する
(時間によらず一定になる)ことを示しなさい。ここで,
K(t) =m
2vx(t)2, vx(t) =dx(t) dt
¨
§
¥
佐本
p.77¦¨
§
¥
戸田
(3.62)¦¨
§
¥
高木
I (5.24)¦ (2.4)は時刻
tの, 運動エネルギー ,
U(t) =k2x(t)2 ¨
§
¥
佐本
(5.17)¦¨
§
¥
戸田
(3.71)¦¨
§
¥
高木
I (5.15)¦ (2.5)は,時刻
tの,ばねの力による 位置エネルギー または ポテンシャルエネルギー と呼ばれる。
また, ,E
=K+Uは 力学的エネルギー と呼ばれる。力学的エネルギーが運動の過程で一定になることを,
力学的エネルギーが保存する という。
【答】
(2.3)
に
(2.2)を代入すると
E= m2
(−x0ωsin(ωt) +v0cos(ωt) )2
+k 2
(
x0cos(ωt) +v0 ω sin(ωt)
)2
= m 2 v20+k
2x20 (2.6)
となり,E
=一定 であることがわかる。
実は,力学的エネルギーが保存することは,運動方程式の解
(2.2)を使わなくても,運動方程式
(1.4)だけから示 すことができる:運動エネルギーの時間変化は
dK(t) dt = m
2 d
dtvx(t)2=mvx(t)dvx(t)
dt =−kvx(t)x(t) (2.7)
となる。最後の等式で運動方程式
(1.4)を用いた。一方,位置エネルギーの時間変化は
dU(t)dt = k 2
d
dtx(t)2=kx(t)dx(t)
dt =kx(t)vx(t) (2.8)
なので,
dK(t)dt =−dU(t) dt
より
d dt
(
K(t) +U(t) )
= 0 (2.9)
が得られる。この式は
K(t) +U(t)の
tに対する変化率が常に
0,つまりK(t) +U(t)が一定であることを意味
する。
力学.3
.
【問】
初期条件
(2.1)を満たす物体が
x軸上のどの範囲を運動するかを求めなさい。
【答】力学的エネルギー保存則を書き換えると
E−k2x(t)2= m
2vx(t)2 (3.1)
となるが,この式の右辺は負にならないので,
E−k
2x(t)2≥0 (3.2)
より
−
√2E
k ≤x(t)≤
√2E
k (3.3)
という不等式が運動の過程で常に成り立っている。初期条件より
E= m 2v02+k2x20
なので,この物体は
−√
x20+ v02 ω2
から
√ x20+ v02
ω2
の範囲を運動することがわかる。
x 0 v =
x 0 v =
vx =
ᦨᄢ
a=
√ x20+ v20
ω2
¤
£
¡
佐本 図
5.2¢¤
£
¡
戸田 図
3.9¢解
(2.2)をは次の形,
x(t) = x0cos(ωt) +v0
ω sin(ωt) =asin(ωt+δ) (3.4)
a =
√
x20+v02/ω2, sin(δ) =x0
a , cos(δ) = v0
aω, (3.5)
に書き換えることができるので,確かに物体が
(3.3)の領域を全て運動することがわかる。
【注】一般には,力学的エネルギー保存則から得られる不等式
(3.3)を満たす領域の全てを物体が運動するとは限 らない:
(物体が運動する領域)⊂(力学的エネルギー保存則から得られる領域). (3.6)
しかし,この場合は
(3.4)からわかるように物体は領域
(3.3)を全て運動する。
力学的エネルギーは他の運動でも保存する。
・ 自由落下
¨§
¥
佐本
2,2¦¨§
¥
高木
I§2.3¦重力のみが働く落下運動を考える。x 軸を鉛直上向きにとると,運動方程式は
md2x(t)dt2 =−mg (4.1)
となる。g は重力加速度の大きさを表す。重力による位置エネルギーを
U =mgx ¨
§
¥
高木
I (5.13)¦¨
§
¥
戸田
(3.64)¦ (4.2)とすると,力学的エネルギー
E=K+U =m
2vx(t)2+mgx(t) (4.3)
が保存する。
【問】力学的エネルギー
(4.3)が保存することを,運動方程式
(4.1)から示しなさい。
【答】運動エネルギーの時間変化は
dK(t)dt =m 2
d
dtvx(t)2=mvx(t)dvx(t)
dt =−mgvx(t) (4.4)
となる。最後の等式で運動方程式
(4.1)を用いた。一方,位置エネルギーの時間変化は
dU(t)dt =mgd
dtx(t) =mgvx(t) (4.5)
なので,
dK(t)dt =−dU(t) dt
より
d dt
(
K(t) +U(t) )
= 0 (4.6)
が得られる。この式は
K(t) +U(t)が一定であることを意味する。
【問】位置
x= 0から,初速度の大きさ
v0で質量
mの物体を鉛直上向きに投げ上げた。物体の到達する最大の 高さを求めなさい。
【答】物体は
m
2 vx(t)2=E−mgx(t) (4.7)
が非負の範囲を運動する。初期条件より力学的エネルギーは
E= m2v20 (4.8)
なので,物体の運動する範囲は
m
2v02−mgx(t)≥0 (4.9)
となる。従って,物体の到達する最高点
xmは
xm= v20
2g (4.10)
となる。
運動エネルギーの形は常に
m2vx2
だが,位置エネルギーの形は働く力によって異なる。
1
次元の運動における位置エネルギー
物体に働く力
(のx成分) が,物体の位置
(x)の関数である場合,つまり
Fx(t) =Fx(x(t)) (5.1)
である場合,位置エネルギー
U(x)を,等式
−dU(x)
dx =Fx(x) ¨
§
¥
佐本
(5.12)¦¨
§
¥
高木
I (5.35)¦¨
§
¥
戸田
(3.60)¦ (5.2)を満たす関数とする。このとき,力学的エネルギー
E=K+Uは保存する:
m
2vx(t)2+U(x(t)) =
時間に依らず一定
. ¨§
¥
佐本
(5.14)¦¨
§
¥
戸田
(3.64)¦ (5.3)U(x)
は 力のポテンシャル とも呼ばれる。
【問】1 次元の運動の力学的エネルギー保存則
(5.3)を,位置エネルギーの定義
(5.2)と運動方程式
(1.1)から示し なさい。
【答】運動エネルギーの時間変化は
dK(t)dt = m 2
d
dtvx(t)2=mvx(t)dvx(t)
dt =vx(t)Fx(x(t)) (5.4)
となる。最後の等式では,運動方程式
(1.1)と力が
xを通して時刻
tに依存すること
(5.1)を用いた。一方,位置 エネルギーの時間変化は
dU(x(t))
dt = dU(x) dx
¯¯¯¯
x=x(t)
dx(t)
dt =−Fx(x(t))vx(t) (5.5)
となる。最後の等式で,(5.2) を用いた。
dK(t)dt =−dU(t) dt
より
ddt (
K(t) +U(t) )
= 0 (5.6)
が得られる。この式は
K(t) +U(t)が一定であることを意味する。
U(x)
は
(5.2)の積分
U(x) =−
∫ x x0
Fx(x0)dx0 ¨
§
¥
佐本
(5.14)¦¨§
¥
戸田
(3.64)¦ (5.7)によって得られる。ただし,(5.7) では
U(x0) = 0となるように位置エネルギーの基準点を選んだ。
【注】U
(x)に定数を加えても
(5.2)を満たすので,位置エネルギーには定数だけの不定性がある。
【問】位置
xの物体に働く力
(のx成分) が
Fx(x) =−4x3+ 4x (5.8)
となる場合の,力のポテンシャル
U(x)を求めなさい。ただし,x
= 1を位置エネルギーの基準点
U(1) = 0とする。
【答】(5.7) より
U(x) =
∫ x 1
(
4(x0)3−4x0 )
dx0 =[
(x0)4−2(x0)2]x0=x
x0=1 =x4−2x2+ 1. (6.1)
【問】
x
軸上を力
(5.8)を受けて運動する質量
mの物体を 考える。時刻
t= 0での初期条件が
x(0) = 1, vx(0) =v0 (6.2)
である場合,物体は
x軸上のどの範囲を運動する かを答えなさい。
-2 -1 1 2
1 2
1 E>
1 E<
x ( )
U x
A B
C D E F
【答】
力学的エネルギー
EE= m
2 v20+U(1) = m
2v02 (6.3)
が保存するので,任意の時刻
tで
m
2vx(t)2+U(x(t)) =E (6.4)
が成り立つ。
運動エネルギーは負にならないので,物体が運動できるのは,不等式
U(x)≤E (6.5)
を満たす領域となる。
(6.5)
で決まる領域の端点では運動エネルギーが
0,すなわち,物体の速度が0となり,物体は折り返す。この位
置は
U(x) =E (6.6)
より求めることができる;
x4−2x2+ 1 = (x2−1)2=E (6.7)
より,E >
1の場合は
x=±
√ 1 +√
E (6.8)
となる
(図の点A,B)。また,0≤E <1の場合は
x=±√ 1 +√
E , ±
√ 1−√
E (6.9)
となる
(図の点C,D,E,F)。従って,物体の運動する範囲はE= m
2v20>1
の場合
, −√ 1 +√
E≤x≤
√ 1 +√
E (6.10)
E= m
2v20<1
の場合
,√ 1−√
E≤x≤
√ 1 +√
E (6.11)
となる。
【注】E
= m2v02<1
の場合に,点
Cと点
Dの間の領域は,不等式
(6.5)を満たし,エネルギー的には運動が可 能。しかし,出発点
x= 1から
CDの領域に到達するには点
Dと点
Eの間の領域を通らなければならな いので,実際にはこの領域には物体は到達できない。
【注】力は
U(x)が減少する向きにはたらく。
力学的エネルギーが保存しない場合の例
【問】力のポテンシャル
U(x)から導かれる力
Fx(x) =−dU(x)/dxに加えて,速度の大きさに比例する空気抵抗
Fx0 =−bvx¨
§
¥
佐本
(8.1))¦¨
§
¥
高木
I (3.12)¦¨
§
¥
戸田
p.55¦ (7.1)が働く場合に,力学的エネルギー
E= m2vx(t)2+U(x(t))
が減少することを示しなさい。b は物体の形によって 決まる正の定数である。
【答】運動方程式は
mdvx(t)
dt =Fx(x(t))−bvx(t) (7.2)
となる。力学的エネルギーの時間変化を計算する:
dE
dt = m 2
d
dtvx(t)2+dU(x(t))
dt =mvx(t)dvx(t)
dt + dU(x) dx
¯¯¯¯
x=x(t)
=vx(t) (
Fx(x(t))−bvx(t)
)−Fx(x(t))vx(t)
= −bvx(t)2. (7.3)
従って,物体が運動している限り
(vx6= 0),力学的エネルギーは減少する。【問】x 軸上の位置
xを速度
(のx成分)
vxで運動している物体にはたらく力
(のx成分) が
Fx=−4x3+ 4x−bvx (7.4)
であるとする。時刻
t= 0での初期条件が
x(0) = 1, vx(0) =v0
ただし,
m2v02<1 (7.5)
である場合,時間か十分経過した後の物体の位置
xe= limt→∞x(t)
を求めなさい。
【答】時刻
tの力学的エネルギーを
E(t)とする。
E(t)−U(x(t)) = m
2vx(t)2≥0 (7.6)
より,時刻
tで物体は領域
U(x(t))≤E(t) (7.7)
の中に存在することがわかる。t とともに
E(t)は減少するので,物体の存在できる領域の範囲は狭まり,物体は 位置エネルギー
U(x)が極小となる位置に近づいていく。E(0)
<1より,時刻
t= 0で物体の運動できる領域内 に
U(x)の極小は1つしかないので,x
e= 1であることがわかる。尚,E(0)
>1の場合は,時刻
t= 0で物体の 運動できる領域内に
U(x)の極小が2つ
(x=±1)あるので,時間の経過とともに物体がどちらの極小に近づくか はエネルギーの考察だけからはわからない。
(参考)空気抵抗や摩擦力が働く場合には,力学的エネルギーは保存しないが,熱エネルギーまで含めて考えると
エネルギー保存則が成り立っている。
¨§
¥
佐本
p.96¦¨
§
¥
高木
I (5.33)¦力学.8
.
@ Ay
Az
A×@ By
Bz
A=@ AzBx−AxBz
Ax By−AyBx
A
2 仕事とエネルギー (3 次元 )
¨
§
¥
佐本
§6,7¦¤
£
¡
戸田
3-5¢¨
§
¥
高木
I p.92¦質量
mの質点の運動方程式は
md2 dt2
x(t) y(t) z(t)
=
Fx(t) Fy(t) Fz(t)
(8.1)
となる。
F(t) =~ (Fx(t), Fy(t), Fz(t) )
は時刻
tに物体にはたらく力を表す。
3
次元の運動における位置エネルギー
位置
~r= (x, y, z)にある物体にはたらく力が物体の位置の関数である場合,つまり
F(t) =~ F~(~r(t)) (8.2)
である場合を考える。3つの関数
Fx(~r),Fy(~r),Fz(~r)が1つの関数
U(~r)から次式
Fx(~r) =−∂U(~r)
∂x , Fy(~r) =−∂U(~r)
∂y , Fz(~r) =−∂U(~r)
∂z
¨
§
¥
佐本
(7.1)¦¨
§
¥
高木
I (5.38)¦¨
§
¥
戸田
(3.153)¦(8.3)によって導かれるとき,U
(~r)を位置エネルギーあるいは力のポテンシャルと呼び,力学的エネルギー
E=m
2|~v(t)|2+U(~r(t)) (8.4)
は保存する。(運動の過程で一定の値をとる。) 関係式
(8.3)を満たす
Uが存在するような力を 保存力 と呼ぶ。
【注】ベクトルの形をした微分演算子
(ナブラ演算子)∇~ = ( ∂∂x, ∂
∂y, ∂
∂z )
を用いると,(8.3) は次のように書ける:
F~(~r) =−∇~U(~r). (8.5)
∇~U(~r)
は
U(~r)の勾配
(gradient)と呼ばれ,gradU
(~r)とも書かれる。
【注】力
F~が位置
~rの関数であっても,いつでも保存力になるわけではない。
位置
~rの関数である力
F~(~r)が保存力である
(力のポテンシャルを持つ)ための必要十分条件は
∂Fx(~r)
∂y =∂Fy(~r)
∂x , ∂Fy(~r)
∂z =∂Fz(~r)
∂y , ∂Fz(~r)
∂x =∂Fx(~r)
∂z
¨
§
¥
佐本
(7.25)¦ (8.6)である。
【注】
∇~を用いると,条件
(8.6)は
∇ ×~ F~(~r) =~0 (8.7)
と書ける。
∇ ×~ F~(~r)は
F~(~r)の回転
(rotation)と呼ばれ,rot
F~(~r)とも書かれる。
【問】位置の関数である力が
F(~~ r) = α
r3 ~r (8.8)
であるとき,力のポテンシャルを求めなさい。ただし,α は定数,r
=|~r|である。
【答】(8.3) を積分する。まず,
∂U∂x =−αx
r3
を
xについて積分する:
U =−α
∫ x
r3dx . (9.1)
積分変数を
xから
r=(x2+y2+z2)1/2
に変換しよう。
∂r
∂x = ∂
∂x
(x2+y2+z2)1/2
= ds1/2 ds
¯¯¯¯
s=x2+y2+z2
∂(x2+y2+z2)
∂x =
(1 2
) s−1/2¯¯
¯¯s=x2+y2+z2
2x=x
r (9.2)
より,
U =−α
∫ x r3
1
∂r
∂x
dr=−α
∫
r−2dr=αr−1+C1(y, z) (9.3)
が得られる。ここで,C
1(y, z)は
xの積分に対する積分定数なので,y や
zの関数である可能性がある。次に,上 式を
∂U∂y =−αy
r3
の左辺に代入する:
∂U
∂y =α∂r−1
∂y +∂C1(y, z)
∂y =−αr−2∂r
∂y+∂C1(y, z)
∂y =−αy
r3 +∂C1(y, z)
∂y . (9.4)
ここで,
∂r∂y = y
r
を用いた。これより,C
1(y, z)が満たすべき条件
∂C1(y, z)
∂y = 0 (9.5)
が得られる。この式を
yについて積分して
C1(y, z) =
∫
0dy=C2(z) (9.6)
が得られる。C
2(z)は
yの積分に対する積分定数なので,z の関数である可能性がある。さらに,得られた結果
U =αr−1+C2(z)を
∂U∂z =−αz
r3
の左辺に代入すると
∂U
∂z =α∂r−1
∂z +∂C2(z)
∂z =−αr−2∂r
∂z +∂C2(z)
∂z =−αz
r3 +∂C2(z)
∂z (9.7)
となる。ここで,
∂r∂z = z
r
を用いた。従って
∂C2(z)∂z = 0,つまりC2
は定数になることがわかる。以上より,力
のポテンシャルは
U(~r) =α
r +C (9.8)
となる.(C は定数。)
(参考) α=−Gm1m2
の場合,(8.8) は,原点に固定された質量
m2[kg]の物体が,位置
~rにある質量
m1[kg]の物体に及ぼす 重力
(万有引力
)を表す。G は 万有引力定数 で以下の値を持つ:
G= 6.67· · · ×10−11m3/(s2kg).
¨
§
¥
佐本
(10.2)¦¨
§
¥
高木
I (5.7)¦,¨
§
¥
戸田
(4.50)¦ (9.9)また,α
= q1q24πε0
の場合,(8.8) は,原点に固定された電荷
q2[C]を持つ物体が,位置
~rにある電荷
q1[C]を持つ物体に及ぼ す クーロン力 を表す。ε
0は 真空の誘電率 で以下の値を持つ:
ε0= 8.85· · · ×10−12kg−1m−3s2. (9.10)
【注】中心力
¨§
¥
佐本
p.136¦¨
§
¥
高木
I (6.1)¦¨
§
¥
戸田
(3.144)¦位置の関数である力が
F(~~ r) =f(r) ~r
r, r=(
x2+y2+z2)1/2
(10.1)
で与えられるとき,力は常に原点
(中心)の方向を向いている。このような力を 中心力 と呼ぶ。力のポテ ンシャルは
U(r) =−g(r),
ただし
g(r)は
dg(r)dr =f(r)
を満たす関数
, (10.2)となる。
【問】
¨§
¥
佐本
p.103¦以下に与えられる力が保存力かどうかを判定しなさい。また,保存力の場合は力のポテンシャルを求めなさい。
(1) F~(~r) = (
ayz , azx , axy )
, a
は定数
(10.3)(2) F~(~r) = (
ky ,−kx ,0 )
, k
は定数
(10.4)【答】
(1)
∇ ×~ F(~~ r) =
(∂(axy)
∂y −∂(azx)
∂z , ∂(ayz)
∂z −∂(axy)
∂x , ∂(azx)
∂x −∂(ayz)
∂y )
= (ax−ax , ay−ay , az−az) =~0 (10.5)
となるので,この力は保存力である。
次に,力のポテンシャルを求める。まず,
∂U∂x =−ayz
を
xについて積分する:
U =−a
∫
yzdx=−axyz+C1(y, z) (10.6)
が得られる。ここで,C
1(y, z)は
xの積分に対する積分定数なので,y や
zの関数である可能性がある。次 に,上式を
∂U∂y =−azx
の左辺に代入する:
∂U
∂y =−ayz+∂C1(y, z)
∂y . (10.7)
これより,C
1(y, z)が満たすべき条件
∂C1(y, z)
∂y = 0 (10.8)
が得られる。この式を
yについて積分して
C1(y, z) =∫
0 dy=C2(z) (10.9)
が得られる。C
2(z)は
yの積分に対する積分定数なので,z の関数である可能性がある。さらに,得られた 結果
U =axyz+C2(z)を
∂U∂z =−axy
の左辺に代入すると
∂U
∂z =−axy+∂C2(z)
∂z (11.1)
より,
∂C2(z)∂z = 0,つまりC2
は定数になることがわかる。以上より,力のポテンシャルは
U(~r) =−axyz+C (11.2)
となる.(C は定数。)
(2)∇ ×~ F~(~r) = (∂0
∂y −∂(−kx)
∂z , ∂(ky)
∂z −∂0
∂x, ∂(−kx)
∂x −∂(ky)
∂y )
= (0, 0, −2k)6=~0 (11.3)
となるので,この力は保存力ではない。
保存力ではないので,力のポテンシャルは存在しないが,無理に
(1)と同じように積分してみる。まず,
∂U
∂x =−ky
を
xについて積分する:
U =−k
∫
ydx=−kxy+C1(y, z) (11.4)
が得られる。次に,上式を
∂U∂y =kx
の左辺に代入する:
∂U
∂y =−kx+∂C1(y, z)
∂y . (11.5)
これより,C
1(y, z)が満たすべき条件は
∂C1(y, z)
∂y = 2kx (11.6)
となるが,C
1(y, z)は
yと
zの関数なので,この等式を満たすことはできない。従って,
F(~~ r) =−∇~U(|V r)となる
Uは確かに存在しない。
保存力のはたらく物体の力学的エネルギーが一定になることは
1次元の運動と同様に示すことができる:
dK(t)
dt = d
dt m
2|~v(t)|2=m~v(t)·d~v(t)
dt =~v(t)·F~(~r(t)) =−~v(t)·∇~U(~r)|~r=~r(t) (11.7) dU(~r(t))
dt = ∇~U(~r)|~r=~r(t)· d~r(t)
dt (11.8)
より,
d dtE= ddt (
K(t) +U(t) )
= 0
となることがわかる。
質点が保存力を受けて運動する場合,力学的エネルギー
E= m2|~v(t)|2+U(~r(t)) (11.9)
は保存する。(運動の過程で値が一定となる。)
運動エネルギーは負にならないので,保存力のはたらく,質点が運動できるのは,不等式
U(~r)≤E (12.1)