ドジョウ胚における成長因子遺伝子の検索とcDNAライブラリーの作製
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(2) 目次 ■一 序論. 皿一材料と方法 (1)・実験材料. 一 一 一 “ 一 “ 一 一 一 一 一 一 一 一 “ 一 一 一 一 一 1. …………・・……2. 。実験魚、. ・大腸菌株. 表1.本研究に使用し炬、大腸菌K−12由来の菌株 ・プラスミド、ファージ. ・大腸菌培養培地 表2.大腸菌培地組成. (2)実験方法 ○ドジョウの飼育 ・ドジョウの人工受精と初期胚の回収. 図1.mRNAの抽出に使用したドジョウの胚体 ・tOtaI RNAの調製 。01igetexTM−dT30を使っ;た、t}tal RNAからのPoly(A)+mRNAの精製. ・Poly(A)+mRIVAからのcDNAの合成 ・cDNA断片のUni−zap XR V㏄torへの組み込み 図2.Zap−cDNA Synthesis Kitを使用しta c D NAの合成. 図3.cDNAのUni−Zap XR vectorへの組み込み ・λファージへのin vit’oパッケージング. ・cDNAライブラリーのタイター(ファージ溶液1ml中のファージ数) の測定. ・ドジョウ初期胚cDNAライブラリーの増幅 ●Un卜Zap XR v㏄tor(λファージベクター)からの. pBluescript(プラスミド)のin vivoでの切り出し. ・cDNAライブラリーに含まれる断片の鎖長の測定.
(3) 皿一実験結果 ・ドジョウの人工受精. ………………・10. ・ドジョウ初期胚からのbOtaI RNAの抽出. 。total RNAからのPoly(A)+mRNAの精製. ・Poly(A)+mRNAからのcDNAライブラリーの作製 図4.合成されfa cDNAの電気泳動パターン. 図5.作製したcDNAライブラリーに含まれるcDNA断片 表3.cDNAライブラリーのクローンに含まれるcDNA断片の解析結果. ■V一考察. ・………・・…・…12. ・真核生物のcDNAライブラリー作製のためのmRNA抽出について. ・FGFの研究材料としての魚類の胚体 ・ドジョウの人工受精及び胚発生について. ・cDNAライブラリーに必要なプラーク数 ・ドジョウFGFのクローニングについて. ・c’DNAライブラリーに含まれるcDNA断片の長さ. V一 謝辞. ’・...…. V■一 弓1用文献. .・・…. @ .・・・…. ..…. .・.・17. ...・...・18.
(4) ■一 序論 線維芽細胞増殖因子(Fibroblast Growth Factor,FGF)に関する研究は、1974年に Gospodarow i czが、線維芽細胞を増殖させる塩基性線維芽細胞増殖因子(bas i c FGF)を牛. の脳下垂体より発見した事から始まる了)。以来、FGFは多くの研究室で発見され、命名. されてきた。現在では、FGFはヘパリンに結合し、中胚葉由来細胞に増殖活性を持ち、. 血管新生作用のあるポリペプチドと定義され10)、FGF−1からFGF−7の7つの因子 (FGFファミリー)として整理され3)、その機能、構造の解明が進んできている。 ヒト1)、ウシ了)、ラット13)等の研究結果から、FGFファミリーは、哺乳類間ではよ. く保存されており、アミノ酸配列にして約40%の相同性を持つことが明らかになってい. る。中でも、FGF−2は多くの中胚葉由来の組織から分離されており、最も広範な組織 に分布していると考えられる。. また、アフリカツメガエル(Menoρ〃s)の初期胚よりFGF−4あるいはFGF−6に最. も近いと推定できるFGFが2種類9)19)とメダカ(Oryzia51atipes)のFGFレセプタ ーが報告されており6)脊椎動物一般にFGFは存在すると考えられる。. 一方、当研究室では、数年前から魚類の尾鰭の完全再生(色素胞の完全再生は、尾鰭の 形態再生完了からかなり遅れる)に着目し、尾鰭構成の主要素である中胚葉性線維芽細胞. (骨芽細胞など)を増殖させる魚類FGFの研究を比較的人工受精の容易なドジョウを用 いて行ってき彪。. 現在までに、ドジョウ初期書中のヘパリン結合性タンパク質画分には、キンギョ (Caras5i〃s aurat〃s)の尾鰭再生芽由来培養細胞(柿1990】D、森1991iS)らにより確立). の増殖を促進するタンパク質が存在する事、また、ヒトFGF−1のモノクローナル抗体 を用いたウエスタンプロッティングめ実験から、ドジョウ初期胚中にはヒトFGF−1と 抗原抗体反応を示すタンパク質が存在する事が浦井らの実験19922i). により明らかになっ. ている。. 本研究では、この魚類卵由来のFGFについて、核酸レベルでの解析を行うことを目的 とする研究の第1段階として、ドジョウを人工受精させ、FGFが存在すると考えられる. ドジョウ初期胚からmessenger RNA(mRNA)を抽出し、complementary DNA(c DNA)ライブラリーを作製した。. 1.
(5) ■■ 一材料と方法 (1)実験材料. 実験魚、. 鳥取県東伯町加登脇川魚店で・11代以上の近親交配飼育が続けられてきた近交系 ドジョウ(btisgurnus anguiilioaudat〃S)を購入し使用した。. 購入したドジョウの平均体長は、雄は約15cm、雌は約20cmであった。 大腸菌株 大腸菌(Eseher ichia oo〃)K=12由来の菌株を使用した(表1)。. 表1. 本研究に使用しta、大腸菌K−12由来の菌株 菌株. 遺伝子型. 参考文献. CSH26 F一, ara, A(pro−lae’7, met, thi (14) SOLR e14一 rmcri;7, A(mcrCB−hsdSti)?一mrr7171, (22) sbcら rθcEi ノ・ecノ; 〃〃〃C”Tn 5(k’∂〃『ノ, 〃蕃!rら. 1∂ら9卿9携’elA1, thノ.一ノ, endRl,λR,[F’, P♪oAE, ノ∂(》1q Z△卜115], Su一, (non−suppress i ng). XLI−Blue 棚ノ,. endM,9.・・R96, thi−1, h・dRI・7, s・・pE“, (8). relρZ, ノ∂c, [F, ρroAS,. !∂c 1[’Z△門15, Tnlθ(tet『ノ] XLI−Blue MRF, △(mt>’ρノ183, △(〃orCB−hb“dS〃潅r−nirr/173, endnl,. (8). supEdi, thi−1, recPl, .ar.uAgb”, reZAI, lac, [F’,. proAE, ノaclq Z△M15,Tn lθ(tet「ノ. プラスミド、ファージ Zap−cDNA Synthesis Kit22)(Stratagene社製)付属のpBIuescript、 Uni−Zap XR. vector及びExAss ist helper phageを使用しte。. 一2一.
(6) 大腸菌培養培地 LB broth, LB agar, VT broth, YT agar,2YT broth,2Y↑agar, NZY agar:を使用しta. (表2)。なお、大腸菌の選択培地には、必要に応じてアンピシリン50μg/ml及び、テ トラサイクリンを12.5μglm 1の濃度で加えta。また、遺伝子組み換え体の選択 (lacZのα一相補性テスト)には、5−Bromo−4−Chloro−3−1ndoly1一β一D−Galactoside (X−Gal)40μg/mlと、O.5M lsopropyl弔一D−thiogalactopyranoside(1PTG)を使用した。. 表2.. 大腸菌培養培地組成. 培地. LB−broth. LB−agar. YT−broth. 組成(llittle用) pH. Tryptone 10g. 7.2. NZY−broth Tryptone 10g. Yeast Extract 5g. Veas七 Extrac七 59. NaCl 5g. NaCl 5g. LB−broth IL. agar 15g. NZY−agar. Tryptone 8g 7.4. NZY−soft. Z5. NZY−broth IL. 7.5. agar 7.5g 2YT−broth Tryptone 16g. agar 15g YT−soft. NZY−broth IL. agar 15g. NaCl 5g YT−broth , IL 7.4. 7.5. MgSO4 . 7H20 2g. 7.2. Yeast EXtract 5g. YT−agar. 組成(11ittle用) pH. 培地. Yeast Extract 10g. NaCl 5g. YT−broth IL 7.4 agar ’ 7.5g. 一3一. 7.4.
(7) (2)実験方法. 組み換えDNA実験における基本的な操作は、Corrent Protocol inMolecular Biology2)、及びMoIecular CIoni㎎mの方法:を使用しta。ドジョウ初期胚のcDNAラ イブラリーの作製には、Zap−cDNA Synthes i s K i t22)(Stratagene社製)を使用した。以下、. それぞれの方法について記述する。. ドジョウの飼育. 水温は、20∼24℃で年間を通して一一定に保った。飼育水槽は、市販の(600rnmX. 295mmX360mm)水槽に、浄化装置として散水式上部フィルターをセットしたものを 使用した。飼育密度は、水槽あたり30匹以下。なお、ドジョウの生態を考慮して、水槽 の底が隠れる程度の砂を加えte 20)。. ドジョウの人工受精と初期胚の回収. 雌の腹部が十分に膨らみ、婚姻色を示すのを待って人工受精2ωを行った。人工受精の. 前日に、排卵促進ホルモン(ゴナトロピン、帝国臓器K.K.)を腹腔に注射しta。ホル. モン投与量は、雌(平均体長20㎝)、雄(平均体長15 crn)に対して、それぞれ500 国際単位、200国際単位であった。ホルモン投与から採卵までは平均10時間を要した。 雌の腹部を軽くしごいて卵が出るようになるのを確認して人工受精を開始Uta。まず、 雄を背開きに解剖し精巣を乳鉢に取り出した後に、沓工したリンゲル氏液 (NaCl 7.5g、. KC 10.2g、 CaC 120.4gを、水11に溶かしたもの)を加え、押しつぶして精子液を調製 した。. その後、雌を4一アミノ安息香酸エチルで麻酔し、卵を絞り出す。絞り出した卵に精子 液をかけてスリガラス上に均一に滴下した。少量の水を加え受精を完了させた後、静かに 水を加え、エアレーションを行った。なお、卵の入った水槽の水は水温に留意しながら数 回出水した。. 受精から約15時間後、4∼8体節期に達Utaドジョウ卵(図1)を回収し、リン酸緩 衝液 (NaC 18.Og、 KC 10.2g、 Na2HPO41.15g、 KH2PO40.02gを、水11に溶かした物). で洗浄しte。これを全卵のままマイクロチューブ(2皿1用)に移し、水分をできるだけ. 取り除いて一80℃で保存した。. 一4一.
(8) 図1. mRNAの抽出に使用し;た ドジョウの胚体(4∼8体節期).
(9) total RNAの調製 ドジョウ初期胚のtotal RNAの抽出には、比較的抽出が容易な、グアニジンチオシア ネート/フェノール/クロロホルム法4)を使用しだ。. 凍結保存しておいた卵(4∼8体節罫引、7.3g)に、予め65℃に加温しておい拒 4Mグアニジンチオシアネー一一 “(Guanidine Thiocyanate)液を22m1加えて卵を溶かす。. さらにこの懸濁液を、ホモゲナイズし卵を完全につぶした。これに等量のフェノール/ク ロロホルム(phenol:chlorofor面:lsoamyl alcohol=25:24:1)溶液を加え良くかくはんした. 後、遠心分離を行い上清を回収しta。卵に含まれていた多量のタンパク質及び脂質を除去. するteめに、フェノール/クロロホルム処理を3度繰り返し行なつta。その後、2倍量の エタノールを加え、核酸を沈澱させて遠心分離機にかけ回収した。沈澱を少量のグアニジ ンチオシアネート液に溶かUてマイクロチューブに移し、再度エタノールで沈澱させta後、 洗浄及び乾燥処理を行っte。これ:を、Diethyl Pyrocarbonate(DEPC)を0.2%含む蒸留. 水を蒸気滅菌した滅菌水に溶解してtotal RNA溶液とした。. OI i gotexT)e一・dBOを使っta、 tOtal RNAからのPoly(A)+mRNAの精製 Ol igotex’”・一dT30(宝酒造株式会社):を用いて、 total R醤AからPoly(A)+mRNA. を分離精製しだ2)。 total RNA溶液390μ1に、 Elu七ion buffer(IM Tris・・HCI pH 7.510ml .0.25M 2Na−EDTA 4m 1、20X SDS srn 1 eこ滅菌蒸留水を加え11にした後、蒸気滅菌しte)液. 410μ 1を加え、等量のOl lgotex脳一dT30:を加えた。この液を、65℃で5分間保温しだ. 後、急冷してRNAを変性させた。次に、1/10量の3岡Sodium Acetate(pH 7.0)を. 加え、37℃で10分間保温して、01igotex’M−dT30のPoly(T)鎖とmRNAのPoly(A). 鎖をアニーリングさせた。これlt 12000rpmで10分間、室温で遠心し、 Ol igotexTM−dT30とPoly(A)+mRNAの複合体を回収しte。この沈澱をTE buffer (IM Tris−Hcl pH 7.5、0.IM 2Na−EDTAに滅菌蒸留水:を加え100mlにしta後、蒸気滅菌. した)700μ1に溶解した後、再び65℃で5分間保温しta後遠心分離して、Po t y(A)+. mRNAを01 i gotexTM−dT30から分離した。この上清:をエタノール沈澱し、洗浄及び乾燥. 処理の後、TE buffer 33μ1に溶解し、Poly(A)+mRNAを精製した。. Poly(A)+mRNAからのcDNAの合成 Poly(A)+mRNAからのcDNAの合成には、Stratagene社のZap一・cDNA Synthesis Kitを使用し、instruction manuaRこ従って操作を行った(図2)。 精製しtamRNArS液に、 xlO Fi rst strand Buffer 5μ1(末端加工の際に、作製し距. 一5一.
(10) cDNA断片が制限酵素Xholで切断されないように、dCTPの代わりに5−methyl dCTP が使われている)、0.IM DDT 5μ1、10mM Firs七strand nucteo−mixture 3μ1、. Linker−Primer 2μ1とRNase Block l 1μ1を加え、室温で10分間保温した。ここに、 Moloney−Murine Leukemi a Virus由来の逆転写酵素(M−Mu 1 v Reverse transcript)22》を. 2.5μ1加え、37℃で1時間の酵素反応をさせた(図2、①)。 次に、mRNAとFirst strand c DNAの複合体にxlO Second s七rand buffer 401t 1. 0.lm DTT 15itt 1. 10rnM Second strand nucteo−mixtu re 61t 1. sterile water. 273μ1、RNase tt(RNA−DNAハイブリッドのRNA鎖のみを特異的に分解する酵素) 4.5μ1とDNA polymerase l 11.5μ1を加えて、16℃で2.5時間反応させた(図2、 ②)。反応後は酵素を失活させるためにフェノール/クロロホルム処理を行なつta。さら. に、次の操作のだめにエタノール沈澱、洗浄及び乾燥処理を行い、滅菌水39μ1へ溶解し た。.また、合成したcDNAを濃度の解っているD NArs液とともに、エチジウムブロマ. イドを含んだ寒天上に滴下しte後、ゲルにUVを照射し比色によりDNA量を測定した。. cDNA断片のUni−Zap XR V㏄torへの組み込み 作製したcDNA断片をKl i t添付のUni−Zap Vectori8》に組み込むために、 cDNA 断片の両端を加工した。ただし、cDNA合成の為のプライマーとして使用したPoly(↑) の一方の端は、double strand cDNA合成時に、制限酵素 A’holの切断部位ができるよ. うに設計されているので、作製したcDNA断片には、制限酵素A’holの切断部位がすで. に存在している(図2、①)。このcDNA断片を含む液39μ1に、xlO ligase buffer 5μ1、2.5mM dNTP mix 2.5μ1とKSenow flagment(DNA polymerase lの5,→3,. exonuclease活性を全く含まないもの)2μ1を加えて37℃で30分間保温し、断片末 端の平滑化を行った。反応後は、次の反応の為に、フェノール/クロロホルム処理とエタ ノーノレ沈澱を誓テつた。. 次に、このcDNA断片のエタノール沈澱物を洗浄後、乾燥させてから、Ec・Rl adap七〇rs液7μ1に溶解しだ。これに、x101igase buffer 1μ1、10剛rATP 2μ1、. sterile water 6μ1とT4 DNA ligase Iμ1を加えて、37℃で30分間ライゲーション. 反応させた(図2、③)。70℃で30分間保温してライゲースを失活させ』た後、x10 1igase buffer lμ1、lemM rATP 2μ1、sterile water 6μ1とT4 Polynucleotide. Kinase lμ1を追加して、37℃で30分間保温し、Ee’oRl末端(5’末端)のリン酸化を行. った(図2、③)。再び、70℃で30分間保温して酵素:を失活させた後、Xhol buffer supp 1 esnent 28μ1と制限酵素A’ho l(120U、3μDを追加して37℃で90分間反応させ、. CTCGAGの塩基配列を↑とCの間で切断しだ(図2、④)。再び、フェノール/クロロホ 一6一.
(11) ルム処理、エタノール沈澱後、滅菌水10 Pt 1への溶解を行っte。. 末端加工の終了したcDNA溶液0.5μ1(∼100ng DNA:を含む)に対して、xlO ligation buffer O.5μ1、10mM rATP O.5μ1、Uni−Zap XR vector 1μ1及び. sterite water 2μ1を加え反応液を4.5μ 1にした。さらに、ここへT4 DNA ligase O.. 5μ1を加えて、12∼16℃で8時間保温して、cDNA断片とUni−Zap XR vectorを 連結させた(図3)。. 一7一.
(12) ①First s』trandの合成. 5’ CTCGAGTTTTTTTTTTTT 3’(Linker−Primer) 3’. AAAAAAAAAAAA一一…一一…一9. 一・一 5’(精製されたPo l y(A)’mRNA). M−Mu l V Reverse transcriptase. First strand nucieotide−mixture (5−methy l dCTP, dATP, dGTP, dTTP). CII. C匪董3 Ct量3 CII3 C聾13 5’. CTCGAGTTTTTTTTTTTT一. 3’. AAAAAAAAAAAA一一・一・…一・・・・・・・・・・・…一・一・一・・・・…‘・…一一…一・・・・・・…一・. (合成されたFirs七一strand cDNA、 C. 3’の部分が修飾されている) 5,(Poly(A)+mRNA). ②Second strandの合成と末端の平滑化 RNase H. DNA polymerase. Second strand nucleotide−mixture (dATP, dCTP, dGTP, dTTP). Klenow ’f l agment. dNTPs m i xture (dATP,. A’hol. dCTP, dGTP, dTTP). の.切断部位(iii il部)CH, Cil, CH, Cl13 CM.. 5, 1謬鍾藪婆薮螢TTTTTTTTTTTT」山. 3’( First−strand cDNA). 3,.i簾磁i奪AAAAAAAAAAAA. 5’(Second−strand cDNA). (図2、次ページに続く).
(13) ③EcoR I末端作製 (Adaptorの付加). EeoR l Adapto rs T4 DNA 1 i gase. EcoR I adaptors (IIIiiilg3). EcoR l CH. CH, CH. CH, CH. EcoR l 5, :鷹碑寝ミiゴ購r「TTTTTTTTTTT」一一L一一L一一⊥一一一」一一一一L一一iミiぎ窃. 3’( First−strand cDNA). 3’. 5’(Second−strand cDNA). 艦≒蕪難難AAAAAAAAAAAA. ④Xhol末端作製. 馨鱗緬. 1 xhoi. (A’holによる切断). Ai,hol CH3 Cll, CH. CH3 CM. EccR l 5’. 3’. 羅鱗TTTTTTTTTTTT一」一」一一一一一一L≒垂i鶉. 鋸AAAAAAAAAAAA. l轟鰍酪. 3’( First−strand cDNA). 5’(Second−strand cDNA). 図2. Zap−cDNA Synthesis Kit:を使用しta c DNAの合成 一一■一. A一 A↓はそれぞれRNA鎖、DNA鎖、CH3修飾されたDNA鎖を示す。.
(14) 末端加工したcDNA断片. Un i−Zap XR vectors. CEI. CH, CH. CH. 嚢i二二TTTT」一」一L−L−L・一一・i三i類. 十. 蜘AAAA. ベクターアームとの連結. 避¢甥麟. Un i−Zap XR vector T4 DNA 1 i gase. Uni−Zap XR Vector DNA(ii§部) CH。 CH。 C腿。 C闘。 C笹13「. 総灘籍TTTTT一」一」一⊥一一一」一i護右醸囎iiiiiii .蓑轍藪灘AAAAA. ilil三寿Giiiiiii. 図3. cDNAのUni−Zap XR vector(ファージベクター)への組み込み. 一、↓は、それぞれ、DNA鎖、CH3修飾されたDNA鎖を示す。.
(15) λファージへの’nvitroパッケージング. ファージベクターに連結されたcDHAの増幅(cDNAライブラリーの作製)のため に、in vitroのパッケージングをGigapack皿Gold packaging extract (Strategene社製)を用いて行うte 22)。図3のライゲーション溶液とye l l ow tubeの内. 容液15μ1を、Kitのred tu beに手早く加え泡立てないようにかくはんした後、室温 で2時間保温してUni−Zap XR vectorに組み込まれだcDNAを、ファージのタンパク満 々にパッケージングした。使用時までの雑菌の混入:を避けるために、SU buffer(NaC1 5.8g、 MgSO.2.Og、 IM Tris−HCI(pH 7.5)50m1、2%gelatin sm1を滅菌水1Rこ加え蒸. 気滅菌した)500μ1とクロロホルム溶液(Chloroforrn:i soarny l Alcoho1=49:1)20μ1を. 加えて軽く混ぜて、4℃で保存した。. cDNAライブラリーのタイター(ファージ溶液1ml中のファージ数)の測定 上で作製したファージ溶液をSM bufferで10’i、10’2、10−3に希釈し、その1μ1を 対数増殖期(0.D.6eo=O.5)の支持菌に (XL−l Blue MRF’、merA、〃orEのため5−methyl. Cを含むDNAを切断できない)2eO pt 1に加え、37℃で15分間吸着させた後、0.5M 且PTG l5μ1と250mg!ml X−Gal 50μ1を含むNZY−soft sm1に加え重層しta。. 寒天平板は、37℃で8時間培養しだ後、透明な溶時評(プラーク)と青色のプラーク. を形成した。この系ではcDNA断片がベクターに組み込まれるとLac一の表現型(透明 なプラーク)を示すため容易にcDNAライブラリーの総数を調べることができる。そこ で、総プラーク数及びcDNA断片の入っていないことを示す青色プラーク数を計測し、. ドジョウ初期胚cDNAのタイター測定を行っだ。. ドジョウ初期胚cDNAライブラリーの増幅 タイター測定の結果を踏まえ、寒天培地1枚あだり約1000個のコロニーが出現する. 濃度のcDNAライブラリー溶液を、10mMマルトースを含むLB培地で培養した対数 増殖期の支持菌(Xレ1Blue MRF’)液200μRこ、37℃で15分間吸着させta後、 0.5M IPTG l5μk250mg!mt X−Gal 50μ1を含むNZY−soft sm1と混ぜ重層した。37℃. で8時間保温しプラークを形成させた。その後、寒天培地にSM bufferを4∼10m1加え、. さらに、4℃で12時間保温(ファージ粒子をSM buffer中に拡散させる)した。寒天培 地上のSM bufferを回収し、5%のクロロホルム溶液を加えてかくはんし、室温で15分 間静置しta。遠心して上清を長期保存可能な容器に移し、最終濃度7%になるように. DMSOを加え、一80℃で保存した(一部は、 DMSOの代わりに、最終濃度0.3% になるようにクロロホルム溶液を加え、4℃で保存した)。. 一8一.
(16) Uni−Zap XR vectOr(λファージベクター)からの. pBluescript(プラスミド)の;〃vi・voでの切り出し Uni ・一Zap XR vectorは、 pBluescriptプラスミドを持つλファージベクターで、ヘルパー. ファージ(ExAssist helper phage)を感染させる事によって、λファージ内に組み込まれ. taf1。M13ファージ由来の遺伝子の働きにより、cDNA断片を含んだ繊維状ファー ジ粒子を形成する。この時、λファージ部分は切り捨てられる。ExAssist helper phage. は、ファージゲノムの複製を妨げる突然変異を持っており、これを補うサプレッサー変異 を持たない宿主細胞に感染した場合には、宿主細胞内のファージミッドの複製のみがおこ る。さらに、ExAssist helper phageは、 SOLR株中では不安定であるため一本鎖ファージ. として、宿主細胞から出る事ができない。その結果、二本鎖のpBluescriptプラスミドと. して取り出す事ができる。cDNAライブラリー液100μ1を、ExAssist helper phage. 液1μ1とあわせて、支持菌(XLI−Blue)200μ1に加え、37℃で15分間保温して吸着 させた。これを、2YT−broth 3m 1に加え、37℃で2時間振とう培養し遊。70℃で20 分間保温して支持菌を殺した後、遠心して上清を取り出し繊維状ファージを回収した。こ. のファージ液1111を、supE(アンバー突然変異:を抑える)遺伝子を持たないSOLR株. 液200μ1に加えて、37℃で15分間保温し、感染させた。これ:を、アンピシリン及び X−Ga l、1PTGを含んだLB−agarに撒いて、37℃で8時間培養しte。形成され彪コロニ. ーの内からcDNA断片を含むと考えられる白色コロニー(60個)を無作為に取り出し、 それぞれをアンピシリンの入ったLB−broth sm 1で、37℃で8時間振とう培養した。. cDNAライブラリーに含まれる断片の鎖長の測定 それぞれの培養液を遠心して大腸菌を回収した後、アルカリSDS法で処理し様々な断 片を含んだ、pBluescriptプラスミドを取り出しta。これらのプラスミドを、プラスミド. のクローニングサイトの両端に位置するK’pnlと58dの両制限酵素で処理し切断した。 これらを、0.8%アガロースゲル及び6%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動を行った後、. 1μg/mlエチジウムブロマイド溶液で染色しゲルにUVを照射し検出しプラスミド に含まれるcDNA断片の戸長を測定しta。. 一9一.
(17) ■江L 実験結果 ドジョウの人工受精. ホルモン剤の投与によって、ほとんどの個体が放卵を行った。野草されte卵の中には発. 生初期で停止する過熟卵及び未熟卵も含まれた。以後の実験には、受精率が約95%の受 精卵を使用した。受精卵は分裂及び分化を繰り返し、約15時間で4∼8体節期に達しte。. ドジョウ初期胚からのtOtaI RNAの抽出. ドジョウ初期胚からのtotal RNAの抽出は、ヒトFGF−1の抗体を用いtaウエスタ ンプロット解析によりヘパリン結合性タンパク質の存在が確認されている4∼8体節期の. 胚から行った。4∼8体節日(受精後15時間)に達しta胚体(図1):を、全卵(7.3 g)のまま回収しグアニジン法で処理してtotal RNAを抽出した。抽出されたtotal. RNAは、分光光度計:を用いて260nmの波長で吸光度を測定しta。その結果、ドジョ. ウ初期胚のtotal RNAの抽出量は約0.7mg(1 0.D.2。。=40μg/mlで 換算)であった。. 加tal RNAからのPoly(A)+mRNAの精製 totalRNAh>らのPoly(A)+mRNAの分離には、オリゴdTのついたラテックス粒子 を使用し、Poly(A)+mRNAとオリゴdTを結合させラテックス粒子を沈澱させる事によ り回収した。分離し距Poly(A)+mR NAの量は確認していないが、 Ol i gotex’”・一d’1’30の. 性能(1mgのtotal RMAから10∼50μgのPoly(A)+mRNAが分離できる)か ら判断して、数∼数10μgのPoly(A)+mRNAが回収できたと考えられる。. Poly(A)+mRNAからのcDNAライブラリーの作製 Uni−Zap cDNA Synthesis Kitを用いて、上記で精製しta Poly(A)+mRNAから、 c D. NA断片が合成されだ。 cDNA断片の合成確認のために6%ポリアクリルアミドゲルで 電気泳動を行っte(図4)。尾をひいtaような不明瞭なバンドパターンは、様々な大きさ. のcDNA断片が、多量に合成されていることを示している。データは示してないが、. エチジウムブロマイドを使っta簡易測定の結果、合成されたcDNA断片の量は約2μg であった。. このcDNA断片をUni−Zap XR vectorに組み込み、 in vitroのパッケージングを行. いcDNAライブラリーを作製した。このcDNAライブラリーのクローン数を測定する ために、XLl−Blue MRF’の宿主株を用いてタイター測定を行った。その結果、ドジョウ. 一10一.
(18) 4∼8体節期胚から作られたcDNAライブラリーは、2×105個のクローンを含んでい た。 次に、これらのクローンに含まれるcDNA断片の鎖長を調べだ。ライブラリーの 一部をpBluescriptプラスミドとして取り出し、その中から60個のク[1一ンのプラスミ. ドDNA:を抽出した後、ベクター内に含まれるcDNA断片の長さを電気泳動により調べ. た(図5及び表3)。その結果、含まれていた最長のcD因A断片は、13950塩基対 (base pair、 bp)で、最短のものは80bpであった。また、平均鎖長は、2074 bpであった。. 11 一.
(19) 1. 2. ’一. P632bp 517bF). 一 504bp ” 396bp. 344bp 298bp x 220bp. x154bp. 図4. 合成されたcDNAの電気泳動パターン mRNAから、Zap−cDNA Synthesis Kitを使用して合成したcDNAを、 6%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動した。レーン1は、合成された. 様々な大きさのcDNAの泳動パターン。レーン2は、サイズマーカー (pBR322 DNAを〃i,7{ 1で切断したもの)。.
(20) (a)0.8%アガロースゲルによる電気泳動. ’試料1∼10. 78910. 1 2 3 4 5 6. 一 試料11∼20. 23130bp. 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20. /. 9416bp/ 6557bp /. 4361bp /. 1瀦ここ. 試料21∼25. 一 21 22 23 24 25. 23130bp 一E一一. 91!SPpxt 4361bp 2322bp 2027bp. 一 (図5、次ベージに続く).
(21) 試料26∼30. 灘璽 llll噛 xge431 一一4111fii. 撃奄戟^一1!llstl11iilllE IVIP32 33 34 3s 36 37 3s 36 40 41 42 43 44 4s. 23130bp 9416bp 6557bp 4361bp 2322bp 2027bp. 試料46∼60. ,e一一一一一一一一一. 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60. 23130bp/ 9416bp一一一i. 6557bp 436 1 bp 一一一一一一. 1謙こモ. 二 (図5、次ページに続く).
(22) (b)6%ポリアクリルアミドゲルによる電気泳動. 試料 1∼10. 1 23456789 10. 1632bp/ 517bp so4bb /’:. lili多. 試料11∼20 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20. 1632bp/ 517bp ×. 504bp/. ii彰 7. 220bp. rgwbx/ 75bp ‘一N.. (図5、次ベージに続く).
(23) 試料21∼30 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30. 1632bp / 517bp. ×. ;ll霊. ll鑑ジ 220bb / 154bp / 75bp. ×. 試料31∼40. 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40. 1632bp / 517bp 一一一s. 504bp/ 396bp::乏. 344bp. ;撫/. (図5、次ページに続く).
(24) 試料41∼50. 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50. 1632bp /. il葬. 試料51∼60. 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60. /. 1632bp. l臨7 灘多. 図5. 作製したcDNAライブラリーに含まれるcDNA断片 cDNAライブラリー由来のコロニーからプラスミドを回収し、ベクター側のクローニン グサイトのκlpnlとSa clで切断し2種類のゲルで電気泳動した。サイズマーカーとして、. 0.8%アガロースゲルによる電気泳動(a)には、λDNAをHi ld皿で切断したものを、 6%ポリアクリルアミドゲルによる電気泳動(b)には、pBR322 DNAを〃’〃r Iで切断し たものを使用した。(a)、(b)に共通なバンドはベクター(2,957base pair、 bp)の. バンドであり矢印(←)で示した。両ゲルでの電気泳動のレーン番号は、試料番号と一致. させた。ここに示した60個の試料内には、制限酵素による切断が不完全である試料が存 在している(3、13、14、54)。これらは、解析結果(表3)から除外されている。.
(25) 表3. cDNAライブラリーのクローンに含まれるcDNA断片の鎖長の解析結果 番号は、図5に示した60個の電気泳動パターンの各レーン番号に対応している。 一一一 ヘ、制限酵素による切断が不完全なことを示す。. クローン DNAの鎖長 番号. (bp). クローン DNAの鎖長 番号. (bp). クローン DNAの鎖長 番号. (bp). 1. 1700. 21. 1330. 41. 170. 2. 160. 22 23 24 25 26 27 28 29 30. 20e. 4000 7100 2700. 160. 42 43 44 45 46 47 48 49 50. 31. 5650. 51. 32 33 34 35 36 37 38 39 40. 230. 52 53 54 55 56 57 58 59 60. 3. 4. 130. 5. 90. 6. 8. 450 490 130. 9. 80. 10. 420 530 240. 7. 11. 12 13 14 15 16 17 18 19. 20. 1700. 13950 6700 230 510. 6430. 190. 880 520 240 470 330 1200. 4000 3220 230. 3900 200. 10100 250 250. 13310 22e 190 220. 6470 5800 3600 170 240. 3530 230 210 190 190 140.
(26) ■v’一 考. 察. 真核生物のcDNAライブラリー作製のteめのmRNA抽出について cDNAライブラリー:を作製する場合には、mRNAができるだけ物理的破損を受けな. いように、RNaseが働かないような処理:をする事により完全長のmRHAを抽出する ことが必要となる。抽出されtamRNAの質は、できあがるcDNAライブラリーの質を 決定し、含まれるcDNA断片の多様性に対応する。しかし、質の良いmRNA:を多く集 めるためには、できるだけ多くの細胞から損傷の少ないmRNAを回収する必要がある。 原核生物に比べてはるかに多くの遺伝子を持つ真核生物のDNAは、個々の細胞で全て の遺伝子が発現しているわけではない。真核生物の分化した細胞で発現している遺伝子は. ある程度限られている。従って、特定の遺伝子を研究する目的で真核生物のcDNAライ ブラリー:を作製する場合には、目的の遺伝子のmRNAが含まれる細胞を材料に選ぶ必要. がある。だだし、目的のmRNAを発現している細胞であっても環境によっては発現して いない場合もある。真核生物を材料とする場合でも、大量培養可能な細胞で発現している. mRNAの場合には、これらの培養細胞系を利用する事で量的な問題を回避する事ができ る。しかし、FGFのように限られta細胞でしかも限られた時期にしか発現していない遺. 伝子のmRNAを抽出する場合には、量的な困難を伴うと考えられる。そこで、あらかO. めFGFのmRNAが含まれている細胞を調べ、最も多く含まれている組織からRNA抽 出を行う必要がある。. FGFの研究材料としての魚類の胚体 一般に哺乳類のFGFのmRNA:を抽出する際に用いられるのは脳下垂体である。脳下 垂体は小さく、牛のような大型哺乳類以外から必要量を集めることは入手・操作ともに困 難である。まta、使用する動物を小型にすればするほど、その個体数が多く必要になる。. 今、FGFのmRNAを含んだ、 tOtal RNA:を1mg抽出しようとすれば、牛で1頭、 マウスで数匹程度、魚類だと十匹程度の脳下垂体が必要である。. そこで、魚類FGFを研究するに際しては、脳下垂体と同じくFGFを発現する胚体を 利用した。哺乳類の場合、胚体は脳下垂体同様に入手しにくい材料であるが、魚類の場合 は容易に入手できる。一般に魚類の具体は小さいが多量に得られるので、量的な問題は解 決される。この際にドジョウのように完全養殖法、周年採卵法20)が確立された魚種を用い れば、さらに便利である。. 今回、4∼8体節期の胚体を含むドジョウ卵を材料とし、卵7.3gから0.7mgの totaI RNAを得る事ができた。この胚体からtotal RNAlmgを抽出するためには、 一12一.
(27) ドジョウ卵10.4gが必要であるが、これは体長20cm程度の雌1∼2匹分の産卵量 にすぎない。. これらを総合的に考えて、魚類FGFの研究にあたって、胚体は量的な問題を解決しう る有望な材料であると考えられる。. ドジョウの人工受精及び胚発生について. 十体の発生は、卵成熟に過不足があれば発生途中で停止する。実験材料に胚体を使用す るだめには、適度に成熟し炬卵を確保する必要がある。しかし、残念な事に卵が十分に成 熟しているかどうかの判断には、明確な指標がなく不確かな経験に頼る部分が大きい。自 然産卵を待てば成熟を見きわめる必要はないが、計画的な実験の拒めには、ホルモン剤使 用による人工受精が必要となる。特に、自然産卵期以外の時期に産卵させる場合には、成 熟の見きわめが非常に重要な要因になる。. ドジョウ、フナ、タナゴなどの鯉目の魚は、性的成熟に伴う2次性徴が明きらかであり、 高い確率で成熟卵を見きわめる事ができる。事実として、今回の人工受精では、最終的に 稚魚として艀化する個体が得られta。しかし一方で、親魚によっては、発生が胞胚期から のう胚期で完全に停止する卵しか産まなかっta例もあっk。このような卵でも受精率は高. かった。このような卵を材料として使用しだ場合には、目的のmRNAが得られる望みは 薄くなる。卵成熟が原因の発生の停止は胞胚期∼のう胚期の前後で起こる事が多いので、 これより前の事体を採集する場合には、卵成熟の確認tzめその一部をとり、発生が止まら. ない事を確認する必要がある。確実な胚体の確保の為には、卵成熟を確実に確認できる生 化学的な指標が必要とされる。なお、人工受精法については、自然産卵期の魚を用いて行 った鰐化実験において、高い鱒化率を収めていることから、ほぼ完成されていると判断で きる。. cDNAライブラリーに必要なプラーク数. 作製し拒ドジョウ初期胚cDNAライブラリー中にFGFのcDNAが含まれているか どうかについて検討してみた。. 一般lt !cDNAライブラリーに必要なプラーク数は、以下のように計算する事ができ る5)16)。. ln(1−p) N=. N:集団中のクローン数 n:目的のクローンを含むのに必要な最小のクローン数. 1,n{1一(1/n)} p:目的のクローンを含む確率 この式は、ある事象が1/nで起こるときの確率についての関係式である。. 一13一.
(28) ヒト繊維芽細胞で発現しているmRNAの種類数は1×104種で、発現率が最低のmR NAの頻度は0.003%(105個に3個)であると言われている16)。今、ドジョウの. 導体(4∼8体画期)で発現するmRNA量を、ヒト繊維芽細胞で発現するmRNA量と 等しいと仮定する。まta、FGFのmRNAが最低頻度で発現しているとする。この時、. n=mRNAの種類数/(mRNAの種類数X出現頻度)=33333である。つまり、. 33333個のmRNAがあれば、 FGFのmRNAが1個あることになる。まta、. 33333個のmRMAを取れば、99%の確率でFGFのmRNAが含まれている事を 望むならば、p=0.99である。これらを代入し、Nを求めた時、 N=約153000 クローンとなる。. 今回作製したcDNAライブラリーでは、 N=208000であっta。これは、計算式. で求めta最低頻度のmRNA:を確率99%で得るのに必要なクローン数153000を大 きく超えている。もし、4∼8体節期の胚体が前述の設定通りにFGFを発現していたな. ら、今回作製したcDNAライブラリーは99%以上の確率でFGFの遺伝子を含んでい る事になる。. そこで、モデルとして使用しta繊維芽細胞と研究に使用しtaドジョウ胚体の違いを考慮. して、4∼8体節期の胚体で発現する目的のmRNAの発現頻度と発現しているmRNA の種類数について再検討しta。仮定では、目的のmRNAの発現頻度を最低頻度として設 定したが、4∼8体節器が中胚葉性の細胞を盛んに誘導している時期であることを考慮す. ると、発現率が最低頻度であるとは考えにくい。最低でも、最低頻度のmRNAの数倍は. 発現していると考えられる。もし、発現頻度2倍ならN= 77000、3倍ならN==51. 000、5倍ならN=31000となり、作製したcDNAライブラリーが目的の遺伝子 を含む確率は更に高くなる。まte、4∼8体節期の玉体で発現するmRNAの種類数につ いては不明であるが、n=(1/発現頻度)と変形できる事から、仮定より多くても少な. くてもNには無関係である。従って、いずれの場合に於いても、今回作製したcDNAラ. イブラリーは、99%以上の確率でFGFの遺伝子を含んでいる事になる。. ドジョウFGFのクローニングについて. 作製しtaドジョウ初期胚cDNAライブラリーが、目的のcDNA断片を含むと予想で きた。そこで次にドジョウFGFの遺伝子のクローニングについて考えてみる。遺伝子産 物が精製できている場合や、遺伝子の塩基配列が決定している場合には、これらのアイソ. トープ等で標識された核酸プローブや抗体を用いてcDNAライブラリーとプラークまた はコロニーハイブリダイゼーションを行い検出する事ができる。またこの方法は、塩基配 列まtaはアミノ酸配列である程度の相同性が予想される遺伝子問での応用が可能(例えば、 一 14 一.
(29) ヒトFGF−1のプローブを使用して、ヒトFGF−2:を検出する事が可能)であるが、 一般的には、プローブとの相同性が低くなるにつれて検出しにくくなる。この点で遺伝子 のどの領域をプローブにするかにより検出結果に差がでてくる。. ドジョウFGFに関して言えば、FGFは脊椎動物に広く分布し、良く保存され彪遺伝 子であると考えられるため、既に塩基配列が決定しているヒトFGF1)、ラットFGF13)、 カエルFGF9)をプローブにして検出することは可能なはずである。しかし、本実験に先. 駆けて行ったヒトFGF−1及びFGF−2のプローブ(コーディング領域)と、ドジョ ウのtotal RNA(群体由来)を使用したノーザンプロッティング実験では、 FGFは 検出できなかっta。もっとも、この実験は、使用したtotal RNAの量が十分であったか どうか、ハイブリダイゼーションの条件として適当であったかどうか検討する余地がある. ため、ドジョウのtotal RNA中にFGFのmRNAが無いと判断することはできない。 むしろ常識的に考えて、ドジョウの胚体中にFGFが全く存在しないことは考えられない ので、相同性が低くて検出できなかっ拒と考えta方が良いのかもしれない。相同性につい. て考察するならば、ヒトFGF−1とアフリカツーメガエルのFGFの相同性は52%9)で あり、進化系統樹から考えてヒトとドジョウではおそらくこれ以上の開きが存在すると考. えられる。しかし、FGF遺伝子のコア領域に関してははるかに高い相同性があると予想 されるため、コア領域のような相同性の高い領域からプローブを作製し、検出能を高める. 必要がある。今後は、この点を考慮にいれてドジョウFGFのクローニングを試みたい。. cDNAライブラリー・一 IZ含まれるcDNA断片の長さ. 前述では、統計的な処理法を用いて、完成したcDNAライブラリー(クローン数20. 8000個)が、ドジョウFGFのcDNA断片を含むのに十分なクローン数を含むと推 察された。これを質的に確かめるtzめに、以下のような考察を行った。. 真核生物の遺伝子は、95%程度のイントロンと残り数%のエキソンから構成されてい. る。イントロンは成熟したmRNAを合成する際に除去されるので、成熟したmRNAは エキソンのみから構成されている。このため、真核生物の成熟したmRNAの長さは、長 くても数k:塩基対程度である。そこで、今回作製したcDHAライブラリーが、どのよう. な長さのcDNA断片を含んでいるかを検証しだ。結果は表3に表し拒。 cDNA断片の長さを検討する前に、考慮するべきことがある。それは、完成したcD NAライブラリーは、1度だけ増幅してから保存してあることである。増幅は完成したc. DNAライブラリーが量的に不安定(発現量の少ないmRNA由来のcDNA断片ほど、 操作の過程で失われ易い)であるtaめに行った。2度以上の増幅をしないのは、増幅を繰. り返すほどDNA複製の点で有利な、短いcDNA断片:を含んだλファージの割合が増え 一15一.
(30) るからである。しかし、実際の実験操作上の問題として溶菌性のλファージは扱いにくい. ので、この実験ではヘルパーファージを使用し、λファージからpBluescriptプラスミド として取り出し実験に使用しta。これは、実質的には、2回目の増幅に相当する。このta. め、遺伝子が存在しているとは考えられないほど短いcDNA断片を含んだプラスミドの. 割合が多くなっていると考えられる。この短いcDNA断片は、操作上で生じたmRNA の断片に由来すると考えられる。. 60個のcDNA断片を含んだpBluescriptプラスミドを調べk結果、最長13.95 k塩基対∼最短80塩基対のcDNA断片が検出されている。60個のcDNA断片の内、 明らかに小さい100塩基対以下のものは、前述の通り、mRNAの切断された短い断片 に由来すると考えられる。これは合成したcDNAの損失を少なくするため、cDN’Aの 末端の加工が終了した時点でのカラムの使用を省いたためと思われる。もっともこの結果. は、2回増幅しtaライブラリー:を調べたため、最初に検討したcDNAライブラリーに含 まれている、短い断片の数は、これよりはるかに少ないと思われる。. 以上の事:を総合的に考えると、作製したcDNAライブラリーは完全長のmRNA由来. のcDNA断片を十分に含んでおり、今後のFGFの研究に利用可能であると結論する事 ができる。. 16 一.
(31) V一 謝辞 本研究は、兵庫教育大学自然系動物学研究室で行っだものである。この間、終始適切な 助言と、懇切丁寧な御指導を賜った稲葉 耕三教授、笠原 恵博士に、謹んで感謝の意を 表します。. また、本研究について、適切な助言を賜った岡山大学工学部生体機能研究室の 妹尾 昌治博士に、謹んで感謝の意を表します。. 17 一.
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