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センシングデータを活用したオフィスリニューアルの効果検証 - 個人と組織のWell-being -

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 82 回全国大会. 5F-05. センシングデータを活用したオフィスリニューアルの効果検証 ― 個人と組織の Well-being - 渋谷. 恵†. 吉田. 日本電気株式会社 中央研究所. 万貴子†. バイオメトリクス研究所†. W20 を装着するよう依頼した.Silmee W20 は, 装着者の周囲の人の声を会話量としてデータ化 働き方改革を支援する情報活用のひとつは, する. 働き方を見直すために企業内で実施される施策 2.2. アンケート の効果を検証することである.本稿では,Well主観的な会話量を取得するため,実験期間中, being という概念で働き方を捉え「オフィスリニ 終業前に表 1 のアンケート項目に毎日回答させた. ューアル施策」の効果を検証する. 回答方式の 0~200 は数値入力,7 件法は「1: 近年のオフィスリニューアルでは,Activity Based Working(ABW)[1]に代表されるように, 全くあてはまらない」~「7:非常にあてはま 目的(Activity)別の環境提供が重視されている. る」とした.終業定時の 15 分前に毎日アンケー ト回答を促すリマインドメールを送信した. 本稿で効果測定の対象としたオフィスリニュー アルも,従業員のコミュニケーション活性化や 表1 アンケート項目 集中の向上を促す目的別の設計による働きやす カテ 回答 い環境提供を目的とした.さらに,今まで話さ 項目略称 質問項目 ゴリ 方式 なかった人と出会う,気軽でありながら密なコ 標準的な一日(平日)で ミュニケーションへの変化を狙いとして,固定 行った会話量を 100 とし アンケート 0 ~ 席からフリーアドレス制に変更した. たとき、今日行った対面 (業務) 200 企業内の従業員 Well-being の重要な要素とし での業務に関する会話量 はどの程度ですか? て,心身の健康,関係性とコミュニケーション, 会話量 標準的な一日(平日)で 集中,幸福などが挙げられている[2][3].特に, 行った会話量を 100 とし 関係性とコミュニケーションはオフィス設計と アンケート 0 ~ たとき、今日行った対面 (雑談) 200 フリーアドレス制の影響を受けると考えられる. での雑談を含む気軽な会 本研究では,従業員 Well-being に重要なコミ 話量はどの程度ですか? ュニケーションに着目し,ウェアラブルセンサ 業務を遂行する上で必要 十分なコミュニケーショ とアンケートから得られる会話量により「オフ ンをとることができた ィスリニューアル施策」の効果を検証する. 業務遂行 7 件法. 1.. はじめに. 2. 方法 NEC の部門 X に実験協力を依頼した. 実験参加者 部門 X から抽出した 20 名 実験期間 オフィスリニューアル前(事前)が 2019 年 6 月 17 日~2019 年 6 月 28 日の 10 営業 日,オフィスリニューアル後(事後)が 2019 年 8 月 21 日~2019 年 9 月 3 日の 10 営業日.なお, 部門 X は 2019 年 8 月 19 日にリニューアルされ たオフィスに移転した. 2.1. ウェアラブルセンサ 客観的な会話量を取得するため,就業時間中 に TDK 製のリストバンド型生体センサ Silmee Measuring the effect of office renovation using sensor data - Personal and Organizational Well-being †Kei Shibuya, †Makiko Yoshida NEC Corporation, Central Research Laboratories, Biometrics Research Laboratories†. 4-9. 会話の 質 関連部門. (対面、メールやチャッ ト等すべてのやりとりを 含みます) 関連部門、上司部下との 業務方針共有のためのコ ミュニケーションをとる ことができた(対面、メ ールやチャット等すべて のやりとりを含みます). 7 件法. 3. 分析 実験期間中のウェアラブルセンサの延べ装着 日数は事前 N = 179,事後 N = 128 で,アンケー トの延べ有効回答は,事前 N = 134,事後 N = 91 であり事前,事後のどちらかのデータが 0 の参加 者は分析から除外した.参加者ごとに事前と事 後の平均値を算出し各参加者の代表値とした. 代表値から事前と事後の平均値と標準偏差を算 出した.. Copyright 2020 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 82 回全国大会. 4. 結果. アンケート(業務). ウェアラブルセンサとアンケートから得られ た会話量と,アンケートから得られた会話の質 の分析結果を示す. 4.1. 会話量 データ傾向の確認のため,参加者ごとの代表 値を用いて,横軸をセンサデータ,縦軸をアン ケートデータとして散布図を作成した(図 1-2). 可視化された散布図から,特に雑談の図 2 にでは, 全体的に事後が事前のデータよりも外側に分布 している様子が見て取れた. 140 120 100 80 60 40 20 0 50. 100. 150. 200. 5. 考察と今後の展望. 250. センサ. アンケート(雑談). 図 1 センサとアンケート(業務)の散布図 140 120 100 80 60 40 20 0. 事前 事後. 0. 50. 100. 150. 200. 表 3 会話の質の平均値と標準偏差 事前 事後 5.27 4.96 業務遂行 (0.73) (0.69) 5.09 4.90 関連部門 (0.70) (0.48) ※ ( ) 内が標準偏差を示す. 事前 事後. 0. 4.2. 会話の質 アンケートで取得したコミュニケーションの 質の平均値と標準偏差を表 3 に示す.会話の質も 事後は事前よりも平均値が小さかった.. 250. センサ. 図 2 センサとアンケート(雑談)の散布図 ウェアラブルセンサで取得した客観的な会話 量,アンケートで取得した主観的な業務および 雑談の会話量の平均値と標準偏差を表 2 に示す. 表 2 の結果より,全ての会話量に関して,事後は 事前よりも平均値が小さく,散布図が示すよう に標準偏差が大きくなった.. オフィスリニューアルとフリーアドレス化に より,主観値,客観値とも会話量が減少するこ と,会話量の個人間のばらつきが大きくなるこ とが示唆された.まず,全体の会話量が減少傾 向にあることは,コミュニケーション活性化を ひとつの目的としたオフィス設計により単純に 会話が増えるわけではないことを示している. また,会話量の個人間のばらつきが大きくなっ たことについては,働く場所の選択が自分の会 話量の調整を可能にしたと考えられる.これは, 会話が必要な人は話す,集中を必要とする人は 会話を避けるという ABW の狙いに沿ったオフィ ス活用がなされていると捉えることができる. また,新しく導入されたフリーアドレス制を 上手く運用できていない可能性もあるが,全体 の会話量の減少,個人間のばらつきの増加,会 話の質が低下傾向にあることを踏まえて考える と,会話を好まない人を起点に業務連絡に支障 がでてしまうかもしれない.この点に留意した 運用支援が求められよう. 上述した解釈は,本稿の分析から導かれた仮 設段階であるため,今後さらなるデータ取得と 分 析 が 求 め ら れ る . そ の 上 で , 従 業 員 Wellbeing 向上のため,どのようなコミュニケーショ ン状態が最適か,その状態の支援を実現するた めのデータ活用方法を検討してゆきたい. 参考文献 [1] 山下 正太郎「職場環境におけるウェルビーイング」,サー ビソロジーvol.5(4),pp.10-15(2019). [2] Van De Voorde, K., Paauwe, J., and Van Veldhoven, M.: Employee well ‐ being and the HRM–organizational performance relationship: A review of quantitative studies, Internation-al Journal of Management Reviews, 14(4), pp. 391–407 (2012). [3] Kei Shibuya, Makiko Yoshida, Back Q. Ho : Problem structure for employee well-being in the workplace – Personal and organizational well-being, The 7th International Conference of Servicelogy (in press).. 表2. 会話量の平均値と標準偏差 事前 事後 142.16 125.28 センサ (32.49) (51.55) 101.23 91.65 アンケート(業務) (11.47) (24.16) 81.97 73.45 アンケート(雑談) (25.84) (34.46) ※ ( ) 内が標準偏差を示す. 4-10. Copyright 2020 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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