小学校算数における代数的推論に関する研究
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(2) 目次 --. 算 数 ・数 学 教 育 の現 状 と本 研 究 の 目的. 第1章. 2. 第1節. 算 数 ・数 学 教 育 の 現 状 1.小 2. 第2節. 新 学 習 指 導 要 領 にみ られ る改 訂 の 特 徴 本 研 究 の 目的 と本 論 文 の 構 成. 1.本. 研 究 の 目的. 2.本. 論 文の構成. 代 数 的 推 論 とそ の促 進 代 数 的推 論 とそ の分 類 1.代. 数 的推論. 2.代. 数 的 推 論 の分 類. 第2節. 代 数 的推 論 の 導 入 1."プ. レ 代 数"ア. プ ロー チ. 2."早. 期 代 数"ア. プ ロー チ. 代 数 的 推 論 を促 進 す る要 因 教 授 ・学 習 に 関す る要 因 1.教. 師 の 専 門的 発 達. 2.効. 果 的 な 道 具 の使 用. 第2節. カ リキ ュ ラ ム に 関す る要 因 "=(等. 1 2.パ. 7` 2. 第1節. 20. ρ0 2. 第3章. 9旧 ¶⊥. 第1節. 8. 1 ーム. 第2章. 33. 号)"の 相 等 性 の 意 味 理 解. タ ー ンの 発 見. 代 数 的推 論 を取 り入 れ た授 業 実 践. 研 究 授 業 の 目 的 ・展 開. 第3節. 研 究授 業の考察. 3 5. 第2節. Qu 44. 事 前 調 査 とそ の結 果. 9一 4. 第1節. -⊥ 4. 第4章. 中連 携 の 現 状. 本 研 究 の ま とめ 1.各. 章 の ま とめ. 2.全. 体 的 な ま とめ. 7・ 5. 第1節. 本 研 究 の ま とめ と今 後 の課 題. 6 5. 第5章.
(3) 今後 の課題. n り 6. 巻末 資料. 9一 ハ b. 引 用 ・参 考 文 献. 1 nり. お わ りに. 0 ハ b. 第2節.
(4) は じめ に 「中1ギ. ャ ップ の 問題 」. これ は,広. 義 の 意 味 で は 学校 生活 や 授 業 内 容 で 生 じる小 学 校 と 中学 校 の様 々. な 違 い が 原 因 で,中. 学1年. 生 で 不 登 校 や 暴 力 行 為,学. ど が 急 増 す る と い う 問 題 で あ る 。 こ の 問 題 は,算 っ て い る 。 文 部 科 学 省 は,算. 習 意 欲 が 低 下 す る 生徒 な. 数 ・数 学 教 育 に お い て も 起 こ. 数 ・数 学 教 育 に お け る 「中1ギ. ャ ッ プ の 問 題 」 を,. 小 学校 算 数 は 内 容 が理 解 で き た の に 中学 校 数 学 に な る と内容 の 理 解 が 難 しくな り 学 習 が 楽 し く な く な る と い う 問 題 と 捉 え,そ. の 解 決 策 の1つ. と し て,小. 学校. と 中 学 校 の 接 続 を よ り 明 確 に し て お く こ と が 大 切 で あ る と して い る 。 私 が 勤 務 す る 姫 路 市 で も,こ. の. 「中1ギ. ャ ッ プ の 問 題 」 を 解 決 す る た め に,平. 度 か ら 小 中 一 貫 教 育 が 開 始 さ れ る 。 こ れ は,義. 務 教 育 の9年. 間 を 見 通 し,子. も の 発 育 と 学 習 の 連 続 性 を 重 視 し た 教 育 を 行 う こ と に よ っ て,学 を 円 滑 に し,子 に は,従 を,前. ど. 校 種 間 の接 続. ど も の 心 理 的 段 差 の 解 消 を 図 る こ と を 目的 と し て い る 。 具 体 的. 前 は 小 学 校6年 期4年. 成21年. ・中 期3年. 間 と 中 学 校3年 ・後 期2年. 協 働 で 指 導 し て い く こ とで. 「中1ギ. 間 と2分. の3つ. か っ た た め,今. に 分 割 し,小. 間. 学 校 と中学 校 の 教 師 が. ャ ップ の 問題 」 を解 決 し よ うとい うも ので. あ る 。 こ の 体 制 に お い て 小 学 校 教 師 は,中 る と し て い る 。 し か し 私 自 身,算. 割 さ れ て い た 義 務 教 育9年. 学校 教 育 を 見 据 え た 指 導 が 大 切 で あ. 数 ・数 学 教 育 に 関 す る 知 識 や 指 導 技 術 が 乏 し. ま で の 算 数 学 習 に お い て,そ. の よ うな 指 導 を 行 う こ とが で き な. か っ た 。"中 学 校 教 育 を 見 据 え た 指 導"と は 果 た し て ど の よ う な も の な の か?こ の 疑 問 を 解 消 し た い とい う の が 研 究 動 機 で あ る 。 本 研 究 で は,こ. の よ うな. 推 論(AlgebraicReasoning)に. 「中1ギ. 着 目 す る 。 そ し て,そ. る 時 期 や 促 進 す る た め の 要 因,さ. 数的. れ を 小 学 校 算 数 に 取 り入 れ. ら に は 代 数 的 推 論 を 取 り 入 れ た 授 業 を 構 成 し,. そ れ を 実 践 及 び 考 察 す る こ と で,算 題 」 を 解 決 し,中. ャ ッ プ の 問 題 」 を 解 決 す る た め に,代. 数 ・数 学 教 育 に お け る 「中1ギ. ャ ップ の 問. 学校 数 学 に 円滑 に接 続 で き る よ うな 算 数 教 育 につ い て 探 って. い くこ とに す る。. 2008年12月22日. 北村 純 一.
(5) 第1章. 算 数 ・数 学 教 育 の 現 状 と本 研 究 の 目的. 本 章 で は,ま. ず,算. 数 ・数 学 教 育 の 現 状 を,小. 要 領 の視 点 か ら述 べ る。 次 に,そ め に,代 て,本. 中連 携 の視 点 及 び 新 学 習 指 導. の現 状 か ら明 らか に な っ た 課 題 を改 善 す るた. 数 的 推 論 を小 学 校 算数 で促 進 す る理 由 に つ い て 述 べ,そ. れ らを踏 ま え. 研 究 の 目的及 び 本 論 文 の構 成 に つ い て 述 べ る。. 本 章 の 構 成 は,以. 第1節. 第2節. 下 の 通 りで あ る。. 算 数 ・数 学 教 育 の 現 状 1.小. 中連 携 の現 状. 2.新. 学 習 指 導 要 領 に み られ る 改 訂 の 特 徴. 本 研 究 の 目的 と本 論 文 の構 成 1.本. 研 究 の 目的. 2.本. 論 文 の構 成. 1.
(6) 第1節. 算 数 ・数 学 教 育 の 現 状. 本 節 で は,算. 数 ・数 学 教 育 の現 状 を,小. 視 点 か ら述 べ る。 まず,近. 中連 携 の視 点 及 び 新 学 習 指 導 要 領 の. 年 実 施 され た調 査 等 にお け る児 童 ・生 徒 の 達 成 状 況. か ら小 中連 携 に 関 す る現 状 を述 ぺ る。 次 に,平. 成20年3.月. に 告 示 され た小 学. 校 学 習 指 導 要 領 に お け る改 訂 の 特徴 を概 観 し,算 数 教 育 の今 後 の方 向 性 につ い て 述 べ る。. 1.小. 中連 携 の現 状. 近 年,小. 学 校 算 数 で は 内 容 が 理 解 で き た の に,中. 学校 数 学 に な る と内容 の理. 解 が 難 し く な り 学 習 が 楽 し く な く な っ た と い う 「中1ギ か に な っ て い る(文. 部 科 学 省,2007a)。. こ れ は,小. 中 間 で 円 滑 な 接 続 が な され. て い な い こ と に 一 因 が あ る と 考 え ら れ る 。筆 者 は,特 量関係 」領域 及 び. ャ ップ の 問 題 」 が 明 ら. に 中 学 校 数 学 に お け る 「数. 「数 と 式 」 領 域 の"文 字 式"の 内 容 理 解 に お い て,こ. の ギャ ッ. プ が 大 き く生 じ て い る と考 え る。 ま ず,中. 学 校数 学の. 「数 量 関 係 」 領 域 に 関 す る 現 状 を 述 べ る 。 平 成16年2. 月 に 実 施 さ れ た 小 ・ 中 学 校 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 の ペ ー パ ー テ ス ト調 査 で は, 「数 量 関 係 」 領 域 に お い て,通 が 小 学6年. 過 率 が 設 定 通 過 率1を 下 回 る と 考 え ら れ る 問 題 数. 生 で は 皆 無 で あ っ た(次 頁 表1・1)。. が 全 設 問 数 の 半 数 近 く に な り,中 学2年 1-2)。. し か し,中. 学1年. 生 で はそ れ. 生 で は 半 数 以 上 に の ぼ っ て い る(次 頁 表. 国 立 教 育 政 策 研 究 所(2005a)は,こ. の 調 査 結 果 を 踏 ま え,小. 量 の 関 係 の 規 則 性 を 捉 え て 考 え を 式 に 表 す 等,数. 学 校 で は数. 学 的 な考 え 方 を読 み 取 った り. そ の 考 え を 表 現 し た りす る 力 を 高 め る 指 導 の 工 夫 を 進 め る こ と が 大 切 で あ る と,小. 学 校 で の 指 導 改 善 を 提 起 し て い る 。 ま た,平. 1設 定 通 過 率 と は. 成19年. ,学 習 指 導 要 領 に 示 さ れ た 内 容 に つ い て,標. 度 実 施 され た全 国. 準 的 な 時 間 を か け,. 学 習 指 導 要 領 作 成 時 に 想 定 さ れ た 学 習 活 動 が 行 わ れ た 場 合,個 正 答,準. 々 の 問 題 ご とに. 正 答 の 割 合 の 合 計 で あ る通 過 率 が どの 程 度 に な る か を 示 した 数 値 で あ. る 。 そ し て,設. 定 通 過 率 を 中 心 に 上 下 そ れ ぞ れ5%の. 幅 を 設 定 し,通. 過 率が こ. の 幅 に 収 ま っ て い れ ば 「設 定 通 過 率 と 同 程 度 と 考 え ら れ る も の 」,そ の 幅 を 超 え て い れ ば 「設 定 通 過 率 を 上 回 る と 考 え ら れ る も の 」,そ の 幅 ま で に 達 し な け れ ば 「設 定 通 過 率 を 下 回 る と 考 え ら れ る も の 」 と し て い る(国 立 教 育 政 策 研 究 所, 2005c,pp.5-6)。. 2.
(7) 学 力 ・学 習 状 況 調 査 に お い て も,中 関 係 を 理 想 化 し た り,実 に 課 題 が あ る 」(文 か ら,中. 学校の. 「数 量 の. 際 の デ ー タ を単 純 化 した り して数 学 的 に表 現 す る こ と. 部 科 学 省,2007b,p.9)と. 学校 数学 の. 「数 量 関 係 」 領 域 に 関 し て. して い る。 こ れ らの結 果 及 び考 察. 「数 量 関 係 」 領 域 及 び そ の 領 域 と 関 連 し て い る 小 学 校 算 数. の 内 容 の 教 授 ・学 習 に 課 題 が あ る と 考 え ら れ る 。. 表1-1小. 問題数. 6 年. 学6年. 生 の各 領 域 の 通 過 状 況. 上 回 る と考 え ら. 同程 度 と考 え ら. 下 回 る と考 え ら. れ る もの. れ る もの. れ る もの. 数 と計 算. 33. 15(45.5%). 12(36.4%). 6(18.2%). 量 と測 定. 18. 11(61.1%). 3(16.7%). 4(22.2%). 図形. 10. 3(30.0%). 7(70.0%). 0(0.0%). 数量 関係. 18. 5(27.8%). 0(0.0%). 13(722%). (国 立 教 育 政 策 研 究 所,2005a,p.小 表1・2中. 問題数. 算2). 学生の各領域 の通過状 況 上 回 る と 考 え. 同程 度 と考 え. 下 回 る と 考 え. られ る もの. られ る もの. られ る も の. 数 と式. 39. 8(20.5%). 12(30.8%). 19(48.7%). 図形. 15. 6(40.0%). 4(26.7%). 5(33.3%). 数量 関係. 15. 4(26.7%). 4(26.7%). 7(46.7%). 数 と式. 29. 7(24。1%). 図形. 21. 6(28.6%). 5(23.8%). 10(47.6%). 数量 関係. 15. 1(6.7%). 6(40.0%). 8(53.3%). 1 年. 12(41.4%). 10(34.5%). 2 年. (国 立 教 育 政 策 研 究 所,2005b,p.中. 次 に,中. 学校数 学 の. 「数 と 式 」 領 域 の 現 状 を 述 べ る 。 前 述 し た 平 成16年2. 月 実 施 の 小 ・中 学 校 教 育 課 程 実 施 状 況 調 査 の ペ ー パ ー テ ス ト調 査 で は,「 式 」 領 域 の 問 題 の 中 で 分 析 す る と,形 き て い た が,中. 学1年. 数2). 生 では. 数 と. 式 的 に 計 算 し て 答 え を 出 す 問 題 は よ くで. 「文 字 と 式 」 に 関 す る 問 題 が よ く な か っ た(国. 3. 立.
(8) 教 育 政 策 研 究 所,2005b)。. こ の 結 果 を 受 け,国. 立 教 育 政 策 研 究 所(2005b)は,「. 文. 字 式 が 表 す 意 味 を 読 み 取 っ た り,文. 字 式 を使 っ て あ る事 柄 が 成 り立 っ こ とを説. 明 し た りす る 等 の 活 動 を 重 視 し,文. 字 や 文 字 式 の 有 用 性 を 味 わ い な が ら学 習 を. 進 め て い け る よ う に す る こ と が 大 切 で あ る 」(国 立 教 育 政 策 研 究 所,2005b, p.10)と. し て い る 。 そ し て,「. 改 善 す る に は,児. 数 や 文字 の概 念 の 理 解 や そ の計 算 に 関 す る課 題 を. 童 の 抵 抗 感 が で き る だ け 少 な く な る よ う,中. の つ な が り を 踏 ま え,あ が 必 要 で あ る 。 」(国 起 し て い る 。 さ ら に,「. 学 校 と小 学 校 と. る程 度 長 い期 間 を 見 通 した指 導 計 画 等 を 立 案 す る こ と. 立 教 育 政 策 研 究 所,2006,p.40)と. 小 中 連 携 の 重 要 性 を提. 「計 算 に 関 す る 力 」 だ け で な く,帰. を 見 つ け そ の 根 拠 を 説 明(証 明)す る こ と,数. 納 的 に き ま りな ど. 学 的 に表 現 す る こ とな どに っ い て. も 同 じ 視 点 か ら の 検 討 が 必 要 で あ る 」(国 立 教 育 政 策 研 究 所,2006,pp.40・41)と 述 べ,説. 明 す る 力 や 表 現 す る力 の 育 成 に 関 して も小 中 連 携 の 重 要 性 を 提 起 して. い る。 こ の よ う な 結 果 ・報 告 か ら,特. に 中 学校 数 学 の. 式 」 領 域 の"文 字 式"の 学 習 に お い て,小. 「数 量 関 係 」 領 域 及 び. 「数 と. 学校 の 段 階 か ら 中学 校 数 学 の 理 解 を促. 進 す る よ う な 指 導 が 必 要 で あ る と 考 え る。. 4.
(9) 2.新. 学 習 指 導 要 領 に み られ る 改 訂 の 特 徴. 平 成20年3月,新. し い 小 学 校 ・中 学 校 学 習 指 導 要 領 が 告 示 さ れ た 。 現 行 の. 中 学 校 学 習 指 導 要 領 で は 数 学 の 領 域 構 成 は3領 で は 「資 料 の 活 用 」領 域 が 新 設 さ れ て4領 量 関 係 」 領 域 は,「. 域 で あ っ た が,新. 域 に な り,前 述 し た 中 学 校 数 学 の 「数. 関 数 」 領 域 と 改 め ら れ る(中 央 教 育 審 議i会,2008,p.86)。. 学 校 算 数 と 中 学 校 数 学 の 領 域 間 の 関 連 は 表1・3の. 表1-3小. と計 算. 学 校 と中学 校 の 領 域 間 の 関 連. と測 定. 中学校数 学 の領域. ・数 の 概 念 ・整 数 ,小. B量. 小. 通 りで あ る 。. 小 学 校 算 数 の領 域 と主 な内 容 A数. 学 習 指 導 要領. ・重 さ. 数,分. ,速. 数 の 計算. A数. と式. B図. 形. A数. と式. C関. 数. D資. 料 の活用. さ な ど生 活 に 必 要 な 量 と. 測定 ・長 さ ,面. 積,体. C図. 形. ・図 形 の 性 質. D数. 量 関係. ・口. ,△,a,xな. 積 な ど図形 の 計 量. ど を 用 い た 式. ・伴 っ て 変 わ る 数 量 の 関 係 ・比 例 ,反. 比 例. ・場 合 の 数 ・資 料 の 整 理. (文 部 科 学 省,2008a,p.32). こ の 表 か ら わ か る よ う に,筆. 者 が 小 中 間の ギ ャ ップ が 大 き く生 じて い る と考 え. て い る 中 学 校 数 学 の 「数 量 関 係 」領 域(新 中 学 校 学 習 指 導 要 領 で は 「関 数 」 領 域) 及び. 「数 と 式 」 領 域 の"文 宇 式"は,ど. ち ら も小 学校 算 数 の. 関 連 し て い る こ と が わ か る 。 そ こ で,本 れ る 改 訂 の 特 徴 を,「. 「数 量 関 係 」 領 域 と. 小 節 で は新 小 学 校 学 習 指 導 要 領 にみ ら. 数 量 関係 」領 域 に焦 点 を絞 っ て 述 べ る。. 「数 量 関 係 」領 域 の 改 訂 の 特徴 と して,3点. を挙 げ る。 まず,平. 示 され た 現 行 の 小 学 校 学 習 指 導 要領 で は こ の領 域 が 小 学3年. 5. 成10年. に告. 生 か ら設 け られ て.
(10) い た が,新 従 前 の. 学 習 指 導 要 領 で は 小 学1年. 生 か ら 設 け ら れ た こ と で あ る 。 こ れ は,. 「数 と 計 算 」 領 域 に 位 置 付 け ら れ て い た 内 容 の う ち,"式. の 表 現 と 読 み". 及 び"資 料 の 整 理 と 読 み"に 関 す る 内 容 を 「数 量 関 係 」 領 域 に 移 す こ と に よ っ て, そ の 整 理 と 充 実 を 図 る た め で あ る 。 こ れ に よ っ て,加 算 法 則 を 理 解 す る こ と や,も た り す る こ と が,「 次 に,"関. 減 や乗 除の相 互関係や計. の の 個 数 を絵 や 図 な ど を 用 い て 表 し た り読 み 取 っ. 数 量 関係 」 領 域 の 内容 と して指 導 され る こ とに な っ た。. 数 の 考 え"を 重 視 し て い る こ と で あ る 。 新 学 習 指 導 要 領 解 説 で は,. 「 「数 量 関 係 」 領 域 で は ,数. 量 に っ い て の 事 柄 を,言. な ど に よ っ て 表 現 す る こ と,二. 葉 や 数,式,表,グ. つ の 数 量 の 間 の 変 化 や 対 応 を 調 べ る な ど関 数 の. 考 え を 育 て る こ と を 重 視 す る 」 と い う平 成20年1月17日 か ら の 答 申 を 引 用 し て,"関 2008c,p.7)。. ま た,そ. て い る(文. 数 の 考 え"の 育 成 を 重 視 し て い る(文 部 科 学 省, い だ した 規 則 性. 明 し た りす る こ と に 配 慮 す る こ との 大 切 さ が 述 べ られ. 部 科 学 省,2008c,p.50)。. け る だ け で な く,そ. 付 の 中央 教 育 審 議 会. の 関 数 の 考 え を 生 か し て い く た め に,見. の 結 果 を 表 現 し た り,説. ラフ. こ の こ と か ら,二. つ の 数 量 の 規 則 性 を見っ. の 結 果 を 一 般 的 に 表 現 す る こ と も 重 視 し て い る と 考 え られ. る。 最 後 に,中. 学 校 の 文 字 式 や 方 程 式 の 理 解 に つ な が る"式 の 表 現 と 読 み"の 内 容. が 充 実 さ れ た こ と で あ る 。 新 学 習 指 導 要 領 解 説 で は,小. 学 校 の複 数 学 年 で 口 な. ど の 記 号 や 文 字 の 意 味 が 明 記 さ れ る よ う に な っ た 。 具 体 的 に い え ば,ま 2年. 生 で 口 を 用 い た 式 が 取 り 入 れ ら れ る 。 こ の と き の 口 は,数. す も の と し て 指 導 さ れ る(文. 部 科 学 省,2008c,p.52)。. 小 学3年. 数 量 を 表 す 記 号 と し て 用 い る 場 合 を 中 心 に 指 導 し,口 し た り,図. に 表 す こ と と 関 連 づ け た り し て,数. で き る よ う に す る こ と を ね ら い と し て い る(文 て,小. 学4年. 生 で は,変. 生 で は,文. 部 科 学 省,2008c,p.179)。 小 学4年. を 口,△. 知 の. な どの 記 号 を用 い て 立式. そ し. な どを 用 い た式 を適 切 に用 部 科 学 省,2008c,p.137),. な ど の 代 わ り の も の と し て 学 習 す る(文. こ の こ と が,充. 生 の 公 式 に つ い て,平. 生 で は,未. 部 科 学 省,2008c,p.111)。. 量 を 表 す 記 号 と し て 口,△. 字a,x等. を か く場 所 を 表. 量 の 関 係 を 的 確 に 捉 え る こ とが. い る こ と が で き る よ う に す る こ と を ね ら い と し(文 小 学6年. ず小学. 成10年. 実 さ れ た 内 容 の1つ. で あ る 。 ま た,. に 告 示 され た 小 学 校 学 習 指 導 要 領 の 解. 説 に は み ら れ な か っ た 次 の 内 容 が 付 け加 え られ た 。. 6. 「公 式 に つ い て は,幾. つ も.
(11) の 数 量 の 組 を 作 っ て,数. 量 と 数 量 の 間 に 共 通 す る き ま り や 関 係 を 見 付 け 出 し,. そ れ を 一 般 化 さ せ て 言 葉 を 用 い て 表 し,公 す る 必 要 が あ る 」(文 部 科 学 省,2008c,p.136)。. 式 を つ く り 上 げ て い く過 程 を 大 切 に こ の こ と か ら,生. り や 関 係 を 一 般 化 し て い く プ ロ セ ス を 大 切 に す る こ と も,充 っ と して 挙 げ られ る 。. 7. 徒 自身 が き ま. 実 さ れ た 内 容 の1.
(12) 第2節. 本 研 究 の 目的 と本 論 文 の 構 成. 本 節 で は,ま の. ず 前 節 で 示 した 小 学 校 算 数 の. 「数 量 関 係 」 領 域(新 学 習 指 導 要 領 で は. 「数 量 関 係 」 領 域 と,中. 「関 数 」 領 域)及 び. 学校数学. 「数 と 式 」 領 域 の. 文 字 式 の 内 容 と の 間 に 生 じ て い る と 考 え ら れ る ギ ャ ッ プ を 改 善 す る た め に, Blantol1&Kaputの. 述 べ る 代 数 的 推 論 に 着 目 し た 理 由 に つ い て 述 べ る 。 次 に,. そ れ ら を 踏 ま え て,本. 1.本. 研 究 の 目的 及 び 本 論 文 の 構 成 に つ い て 述 べ る 。. 研 究 の 目的. Blanton&Kaput(2005a)は,国 年 に 行 っ た 第3回 ア メ リ カ は4年. 際教育到達度評 価学会. 〈略 称:IEA>が1995. 国 際 数 学 ・理 科 教 育 動 向 調 査 〈略 称:TIMSS1995>に 生 に 比 べ て8年. お い て,. 生 の 到 達 度 が 低 か っ た こ と を 根 拠 と し て,従. の カ リ キ ュ ラ ム に よ る 教 授 ・学 習 で は,中. 来. 学 校 の 生 徒2の 理 解 度 が あ ま り 良 く な. か っ た と 述 べ て い る(表1-4)。. 表1・4TIMSS1995に. お け る4年. 生 と8年. 生の数学 の平均 点. 4年 生 ア メ リカ 合 衆 国. 545点(12位/26力. 国際平均. 529点. 8年 生 国). 500点(28位/41力. 国). 513点. (U.S.DepartmentofEducation&NationalCenterforEducationStatistics, 1998a,p.16;1998b,p.20か. 彼 ら は,こ. ら 抜 粋). の 原 因 は小 学校 と中学 校 の 指 導 の 流 れ が 分 離 され て しま って い る従. 来 の カ リ キ ュ ラ ム に あ る と し,こ. の 問 題 を 改 善 す る に は,小. 学 校 段 階 か ら中学. 校 の 学 習 に つ な が る よ うな 内 容 の 指 導 を 取 り入 れ る べ き だ と 述 べ て い る 。 彼 ら は,そ. の 具 体 例 と し て,数. 的 ・幾 何 学 的 な パ タ ー ン を 見 つ け そ れ を 表 現 し た り,. 文 字 式 や 等 式 が 表 す 意 味 を 読 み と っ た り す る よ う な 内 容 を 挙 げ,こ 2筆 者 は. ,"Student"を. 訳 す 場 合,そ. れ ら を"代 数. の言 葉 が原 文 で 我 が 国 の 中 学 生 以 上 に相 当. す る 人 を 指 し て い る 場 合 は"生 徒"と 訳 し,小 合 は"児 童"と 訳 す 。. 8. 学 生 に 相 当 す る 人 を 指 し て い る場.
(13) 的(algebraic)"な. 内 容 と 表 現 し て い る(Blanton&Kaput,2005a,P.437)。. 彼 ら は,. こ の よ う な"代 数 的"な 内 容 の 指 導 を 可 能 に す る 代 数 的 推 論(AlgebraicReasoning)を 小 学 校 で 促 進 す る こ と を 提 案 し た 。 そ し て,代 導 を1年. 間 受 け た 小 学3年. 生 が,学. 数 的 推 論 を 取 り入 れ た 指. 年 末 学 力 調 査 で"代 数 的"な 内 容 を 含 む 問 題. の 到 達 度 が 大 き く伸 び た こ と を彼 ら は 観 察 し て い る 。 Blanton&Kaputが が国の. 「中1ギ. 問 題 視 し たTIMSS1995に. お け る ア メ リ カ の 結 果 は,我. ャ ッ プ の 問 題 」 に よ く 似 て お り,彼. ら が そ の 原 因 と した 小 学 校. と 中 学 校 に お け る 分 離 し た 指 導 の 流 れ も前 章 で 述 べ た 我 が 国 の 現 状 と似 て い る 。 ま た,こ. の 問 題 を 解 決 す る た め に 小 学 校 算 数 で 促 進 し た 代 数 的 推 論 は,筆. 者が. 我 が 国 の 算 数 ・数 学 教 育 に お い て 大 き な ギ ャ ッ プ が 生 じ て い る 部 分 の1つ. と捉. えた. 「数 量 関 係 」 領 域 及 び. 「数 と 式 」 領 域 の 文 字 式 に 相 当 す る 内 容 を 含 ん で い. る と考 え ら れ る 。 そ こ で,筆 とが. 者 は 代 数 的 推 論(AlgebraicReasoning)を. 「中1ギ. と か ら,本. 小 学 校 算 数 で促 進 す る こ. ャ ッ プ の 問 題 」 の 改 善 に 有 効 で は な い か と考 え た 。 こ の よ うな こ 研 究 の 目 的 を,以. 下 の2点. とす る 。. ①. 小 学 校 算 数 で 代 数 的 推 論 を促 進 す る 必 要 性 と そ の 方 法 を 明 ら か に す る こ と. ②. 代 数 的 推 論 を 取 り 入 れ た 授 業 を 構 成 し,そ. の 実 践 及 び 効 果 に つ い て 考 察す. るこ と こ れ ら の 目 的 を 達 成 す る た め に,①. に 関 し て は,ま. ず 代 数 的 推 論 を,前. 節 で. 概 観 し た 我 が 国 の 算 数 ・数 学 教 育 の 現 状 と 関 連 づ け な が ら 述 べ る こ と に よ っ て, 小 学 校 算 数 で 代 数 的 推 論 を 促 進 す る 必 要 性 を 明 ら か に す る 。 次 に,代 を 導 入 す る 時 期 に つ い て,Schliemannθ`θZが い て 考 察 し,さ. ら に,小. 述 べ る2種. 数 的推 論. 類 の ア プ ロー チ を 用. 学 校 低 学 年 か ら促 進 す る た め の 要 因 を 考 察 す る こ と で. 代 数 的 推 論 を小 学 校 算 数 で促 進 す る方 法 を 明 らか にす る。. ② に 関 して は,① で述 べ た 先行 研 究 を参 考 に して 代 数 的 推 論 を 取 り入 れ た授 業 を筆 者 が 構 成 し,実 践 す る。 ま た,小 わせ て 行 うこ とに よ っ て,そ. 学 生 を対 象 と した ア ン ケ ー ト調 査 もあ. の 結果 を代数 的 推 論 の 授 業 を構 成 す る時 の参 考 資. 料 及 び研 究 授 業 の 効 果 に つ い て 考察 す る と き の根 拠 とす る。. 9.
(14) 2.本. 論文 の構成. 本 論 文 は,5つ. の 章 か ら な る 。 本 章 で は ま ず,我. 状 に つ い て,「 中1ギ. が 国 の 算 数 ・数 学 教 育 の 現. ャ ッ プ の 問 題 」 に 係 る 小 中 連 携 の 視 点 及 び 平 成20年3月. に 告 示 さ れ た 新 学 習 指 導 要 領 の 視 点 の 二 面 か ら 述 べ た 。 次 に,こ 踏 ま え て,本. 研 究 の 目的 が. れ らの課 題 を. 「小 学 校 算 数 で 代 数 的 推 論 を 促 進 す る 必 要 性 と そ の. 方 法 を 明 ら か に す る こ と」 及 び. 「代 数 的 推 論 を 取 り 入 れ た 授 業 を 構 成 し,そ. の. 実 践 及 び 効 果 に つ い て 考 察 す る こ と」 で あ る こ と を 述 べ た 。 第2章. で は,Blanton&Kaputの. 述 ぺ る 代 数 的 推 論 に っ い て 概 説 し,彼. 捉 え に 従 っ て 代 数 的 推 論 を3つ. に 分 類 す る 。 そ し て,代. 期 に つ い て,Schliemannθ63Zが ア プ ロ ー チ の2種 第3章. らの. 数 的推 論 を 導 入 す る時. 述 べ る"プ レ 代 数"ア プ ロ ー チ 及 び"早 期 代 数". 類 の ア プ ロー チ を 用 い て 考 察 す る 。. で は,第2章. で 述 べ た"早 期 代 数"ア プ ロ ー チ を 支 持 す る 立 場 か ら,小. 学 校 低 学 年 か ら 代 数 的 推 論 を 促 進 す る た め の 要 因 に つ い て,教. 授 ・学 習 場 面 及. び カ リキ ュ ラ ム 面 か ら考 察 す る。 第4章. で は,ま. ず,授. 業 を構 成 す るに あ た っ て事 前 に 小 学 生 の 実 態 を把 握 す. る た め に 行 っ た ア ン ケ ー ト調 査 に つ い て 述 べ る 。 次 に,筆 推 論 を 取 り 入 れ た 授 業 に つ い て 述 べ,最. 後 に,前. 者 が 構 成 した 代 数 的. 述 し た ア ン ケ ー ト調 査 と そ の. 授 業 後 に 行 っ た 同 じ ア ン ケ ー ト調 査 の 結 果 を 比 較 し な が ら,実. 践 した授 業 を考. 察 す る。 そ し て,第5章. で は,本. 研 究 の ま と め を 行 い,今. 10. 後 の課 題 に っ い て 述 べ る。.
(15) 第2章. 代 数 的 推 論 とそ の促 進. 本 章 で は,ま. ずBlanton&Kaputの. 推 論 を 定 義 し3っ. 捉 え に 従 っ て,本. の タ イ プ に 分 類 す る 。 次 に,代. い て 考 察 す る 。 そ の 考 察 に あ た っ て,"プ ロ ー チ の2つ. 第1節. 第2節. 下 の 通 りで あ る 。. 代 数 的推 論 とそ の 分 類 1.代. 数 的推論. 2.代. 数 的 推 論 の分類. 代 数 的 推 論 の導入 1."プ. レ 代 数"ア. プ ロ ー チ. 2."早. 期 代 数"ア. プ ロ ー チ. 11. 数 的 推 論 を導 入 す る時期 につ. レ 代 数"ア プ ロ ー チ と"早 期 代 数"ア プ. の ア プ ロ ー チ につ い て 述 べ る。. 本 章 の 構 成 は,以. 研 究 の 核 と な る代 数 的.
(16) 第1節. 代 数 的 推 論 とそ の 分 類. 本 節 で は,ま 論 を 定 義 し,次. 1.代. ずBlanton&Kaputの. 捉 え に従 って 本 研 究 の 核 とな る代 数 的推. に 代 数 的 推 論 を3っ. の タイ プ に分 類 す る。. 数 的推 論. 前 章 第2節. で 述 べ た よ う に,Blanton&Kaput(2005a)は. 校 数 学 へ 円 滑 な 接 続 を し,中. 小 学 校 算 数 か ら中学. 学 校 数 学 の 理 解 を 確 か な も の に す る た め に,小. 校 算 数 で 代 数 的 推 論 を 促 進 す る こ と を 提 案 し た 。 彼 ら は,代 が 特 定 の 例 の 集 ま り か ら 数 学 的 ア イ デ ア を 一 般 化 し,児. 数的推 論 を. 「児 童. 童 の 年 齢 相 応 の方 法 で. 形 式 的 に 表 現 す る プ ロ セ ス 」(Blanton&Kaput,2005a,p.413)と 本 研 究 で も そ れ に 従 っ て,あ. 捉 え て い る。. る 数 学 的 ア イ デ ア を 含 む い く つ か の 例 か ら,児. が そ の ア イ デ ア を 見 つ け 一 般 化 し,そ. 学. 童. れ を彼 ら の 年 齢 あ る い は 学 年 に 応 じた 方. 法 で 文 字 や 記 号 等 を 使 っ て 表 現 す る プ ロ セ ス を 代 数 的 推 論3と 捉 え る 。 数 量 と 数 量 の 問 に 共 通 す る き ま り や 関 係 は 一 種 の 数 学 的 ア イ デ ア で あ り,前 章 第1節. で 述 べ た よ う に,そ. の ア イ デ ア を児 童 が 一般 化 して い くプ ロセ ス を新. 学 習 指 導 要 領 は 重 視 し て い る 。 ま た,こ. れ も 前 章 で 述 べ た が,新. で は 関 数 の 考 え を 生 か し て い く た め に,見 り,説. い だ し た 規 則 性 の 結 果 を 表 現 した. 明 し た りす る こ と も 重 視 し て い る 。 こ の よ う な こ と か ら,上. 推 論 を 小 学 校 に 取 り 入 れ る こ と で,中 な く,新. 学 習指導要領. 述 の代数的. 学校 へ の 円 滑 な 接 続 が 期 待 で き る だ けで. 学 習 指 導 要 領 で 重 視 され て い る こ と も 実 践 す る こ と が で き る と 考 え. る。. 3こ. こ で い う"代 数 的"と は. 節 で 述 べ たBlanton&Kaputの っ け そ れ を 表 現 し た り,文. ,い わ ゆ る 代 数 学 の 内 容 を 指 す の で は な く,前. 章 第2. 捉 え に 従 っ て,数 的 ・幾 何 学 的 な パ タ ー ン を 見 字 式 や 等 式 が 表 す 意 味 を 読 み と っ た り す る よ うな 内. 容 を 指 す も の と捉 え る 。. 12.
(17) 2.代. 数 的 推 論 の 分類. Blanton&Kaput(2005a)は,代 ①. 数 的 推 論 を 以 下 の3つ. 一 般 化 さ れ た 算 術4と. に 分 類 して い る。. し て の 代 数 的 推 論(AlgebraicReasoningasGenera一. lizedArithmetic) ②. 関 数 的 思 考. と し て の 代 数 的 推 論(AlgebraicReasoningasFunctional. Thinking) ③. 一 般 化 や 正 当 化 に つ い て の さ ら な る 代 数 的 推 論(MoreAboutGeneraliza一. tionandJustification) 本 研 究 で は こ れ ら を ① 「一 般 化 さ れ た 算 術 」② 「関 数 的 思 考 」③ 「発 展 的 推 論 」 と よ び,以. (1)一. 下 に そ れ ぞ れ の具 体 的 内容 を述 べ る。. 般 化 され た 算 術. ま ず,一. 般 化 さ れ た 算 術 で は,児. 童 は数 の性 質 や 計 算 等 に 関す る数 学 的 アイ. デ ア を い く つ か の 例 か ら 一 般 化 し,そ. れ を 表 現 す る 。 例 え ば,小. 学 生 が 奇 数+. 偶 数 の 偶 奇 性 を 調 べ る と い う 場 面 で は,3+8=11,5+2=7,7+10=17等 数 式 か ら,奇. 数 と 偶 数 の 和 は 奇 数 で あ る と い う数 学 的 ア イ デ ア を 見 つ け,「 奇 数. と 偶 数 を 足 す と,答. え は 必 ず 奇 数 に な る」 とか. る プ ロ セ ス で あ る 。 ま た,101+100=201の い て も,児. 「奇+偶=奇. 」 の よ うに表 現 す. よ うに 具 体 的 な 数 を 使 っ て 表 現 して. 童 が そ の 数 を 一 般 的 な 意 味 を 含 む 擬 変 数(藤 井,1998;2002;2006)と. し て 使 用 し て い れ ば,そ vi(2000)は,以. れ も 一 般 化 さ れ た 算 術 と 捉 え る 。Carpenter&Le-. 下 の よ う な 小 学 校 の 授 業 を 観 察 し て い る 。 そ の 授 業 で は,初. 0+5869=5869や0+7=7等,0+a=aと か ら,0が. の. め. い う形 の 等 式 を 児 童 に 挙 げ させ た 。 そ こ. 加 法 に お い て どの よ うな 特 性 が あ る か ク ラ ス 全 体 で 話 し合 わ せ た 。. そ の 結 果,最. 終 的 に0に. 発 見 し,「 あ る 数 と0を. 何 を 足 して も も との 数 に な る と い う数 学 的 ア イ デ ア を 足 し て も,あ. る数 と 同 じ に な る 」 と 表 現 し た 。 こ の プ. ロ セ ス は 代 数 的 推 論 と 同 定 す る こ と が で き る 。Blanton&Kaput(2005a)は 他 に,「"=(等 4本 論 文 で は. この. 号)"の 意 味 を 探 求 す る 」 「 数 の 特 性 を 一 般 化 す る 」 「数 の 合 成 や 分 ,"Arithmetic"を"算. 術"と. 訳 し,教. とよぶ 。. 13. 科 と し て の 算 数 科 を"算. 数".
(18) 解 の 構 造 を 調 べ る 」 場 面 等 で こ の 推 論 が 行 え る こ と を 示 し て い る 。 ま た, a+b=(a±c)+(b午c)等. の 加 法 の 性 質 を 探 求 す る 場 面 で も 代 数 的 推 論 を 行 う こ とが. で き る と 考 え る 。 な お,一 入 れ た 具 体 的 な 事 例 は 第5章. 般 化 され た算 術 に 相 当す る代 数 的 推 論 を授 業 に取 り で 述 べ る。. 14.
(19) (2)関 次 に,関. 数 的 思考 数 的 思 考 で は,児. 童 は 数 的 ・幾 何 学 的 な パ タ ー ン 等 に 関 す る 数 学 的. ア イ デ ア を い く つ か の 例 か ら 一 般 化 し,そ. れ を 表 現 す る 。 例 と し て,小. 下 記 の 問 題 を 考 え る 場 面 を 考 え る 。 そ の 問 題 と は,台 な い で 図2-1の. よ う な 座 り 方 を し た と き,任. の 場 合 か ら,座. 台 増 え る た び に5人 そ し て,5ず 人 数7,12,17を. 形 の 机 の 端 と端 を 横 に つ. 意 の 数 の 机 に 座 る こ との で き る. 人 数 を 求 め る 問 題 で あ る(Blanton&Kaput,2005a)。 数 が1台,2台,3台. 学生 が. 児 童 は ま ず,テ. ー ブル の. れ る 人 数 が7人,12人,17人. と 机 が1. ず っ 増 え る と い う 数 的 パ タ ー ン を 見 つ け る(図2・2左. つ 増 え る と い う こ と か ら 乗 法 九 九 の5の 図2・2右. 「座 れ る 人 数 は,5を. 部)。. 段 と 関 連 づ け て,座. れ る. 部 の 数 式 で 表 す と い う ア イ デ ア を 発 見 し,そ. れ を,. 机 の 数 倍 し て2を. 足 し た 数 」 と か,「5×. □+2」. の よ うに. 表 現 す るプ ロセ ス で あ る。. 図2・1机. が3台. の場合. 図2・2. 筆 者 は,新. 学 習 指 導 要 領 にお い て も,関 数 的 思 考 を取 り入 れ る こ とは 可 能 で. 15.
(20) あ る と 考 え る 。 そ の い く つ か の 具 体 例 を 以 下 に 示 す(北 村,2008a)。 例① 現 行 の 学 習 指 導 要 領 で は,角 指 導 要 領 で は 小 学5年. 柱 の 学 習 は 小 学6年. 生 で 行 っ て い た が,新. 学習. 生 で 行 う こ と に な る。 そ の 場 面 に お い て 関 数 的 思 考 を 取. り 入 れ た 活 動 が 考 え ら れ る 。 現 行 の 学 習 指 導 要 領 で は,三 や 直 方 体)の 頂 点,面,辺. の 数 等,角. 角 柱 や 四 角 柱(立 方 体. 柱 の 性 質 を 調 べ る 学 習 は,そ. ご と に 単 独 で 学 習 す る こ と が 多 い 。 あ る い は,あ て そ の 性 質 を 調 べ る 場 合 も あ る 。 し か し,従. る1つ. れ ぞれの角柱. の 角 柱 だ け を 取 り上 げ. 来 の そ の よ う な 授 業 展 開 で は,代. 数 的 推 論 を 取 り入 れ る こ と は 難 し い 。 そ こ で,新. 学 習 指 導 要 領 で は 小 学5年. で 多 角 形 を 新 し く 学 習 を す る こ と に な る の で,三. 角 柱 や 四 角 柱 だ け で な く五 角. 柱 や 六 角 柱 等 も 取 り 入 れ,そ. れ ら 数 種 類 の 角 柱 の 性 質 を 比 較 し な が ら,以. 生. 下に. 示 す よ う な 展 開 に す る こ と で 代 数 的 推 論 が 取 り入 れ ら れ る の で は な い か と 考 え る 。 口 角 柱 の 口 の 数 と 頂 点,面,辺. の 数 の 関 係 は 表2-1の. よ うな 関係 に あ る。. こ の 関 係 に 着 目 さ せ る授 業 展 開 に 変 え る の で あ る。. 表2-1多. 角 柱 の 頂 点,面,辺. 口角柱. 3. 4. 5. 頂点 の数. 6. 8. 10. 面 の数. 5. 6. 7. 辺の数. 9. 12. 15. 展 開 例 を も う 少 し 具 体 的 に 述 べ る 。 ま ず,三 面,辺. の 数 を 調 べ 関 数 表 に ま と め る 。 そ こ で,教. 面,辺. の 数 は そ れ ぞ れ い く つ だ ろ う?」. る と,関. の数 の関係 100. 口. ?. 2× 口. ● ●o. ?. 口+2. ● ■o. ?. 3× 口. 9■9. `8σ. 角 柱,四. 角 柱,五. 角 柱 の 頂 点,. 師 は. 「で は,百. 角 柱 の 頂 点,. と い う質 問 を 投 げ か け る 。 百 角 柱 に な. 数 表 を 書 き た し て 求 め る こ と は 非 常 に 手 間 が か か る の で,児. 柱 の 口 の 数 と 頂 点,面,辺 口 の 数 と 頂 点,面,辺. 童 は口 角. の 数 の 関 係 を 調 べ 始 め る で あ ろ う。そ の よ う に し て, の 数 と の 関 係 に 注 目 さ せ る の で あ る 。 例 え ば,口. 口 の 数 と 頂 点 の 数 と の 関 係 を み る と,口. の 数 が1ず. っ 増 え る と 頂 点 の 数 は2ず. っ 増 え る と い う 共 変 の 見 方 を し た 数 学 的 ア イ デ ア や,頂. 16. 角柱の. 点 の 数 は 口 の 数 の2倍.
(21) で あ る と い う対 応 の 見 方 を し た 数 学 的 ア イ デ ア を 見 つ け る こ と が で き る。 そ こ か ら,例. えば. 「頂 点 の 数 は □ の 数 の2倍. 」 と見 つ け た 数 学 的 ア イ デ ア を表 現 す. る こ と が で き る 。 同 様 に し て,「 面 の 数 は □ の 数+2」. 「辺 の 数 は[コ の 数 の3倍. 」. と い う数 学 的 ア イ デ ア を 見 つ け 表 現 す る こ と も で き る 。さ ら に 発 展 的 に 考 え て, 「ど の 角 柱 に お い て も 頂 点 の 数+面 の 数 辺 の 数=2」. と い う数 学 的 ア イ デ ア を 見. つ け 表 現 で き る 児 童 も い る か も し れ な い 。 こ の よ う に,角. 柱 の 学 習 をす る場 面. に お い て も 授 業 展 開 を 工 夫 す る こ と で 関 数 的 思 考 を 取 り入 れ る こ と が で き る と 考 え る。. 例② 前 述 し た よ う に,新. 学 習 指 導 要 領 で は 小 学5年. 入 さ れ る こ と に な る が,そ. 生 に 新 し く多 角 形 の 学 習 が 導. こ で も 関 数 的 思 考 が 取 り入 れ られ る と考 え る 。 以 下. に そ の 具 体 例 を 述 べ る 。 ま ず,正. 方 形 の 折 り 紙 を 用 意 し,そ. れ を直 線 で 切 る活. 動 を考 え る。 こ こで 直 線 の数 とそ れ らの 直線 で切 っ て で き る 多 角 形 の 最 大 数 と の 関 係 に 着 目 さ せ る(図2-3)。. この 場 合 の 多 角 形 の 最 大 数 は 直 線 の 数 の 関数. に な っ て い る が(次 頁 表2-2),一. 次 関 数 に は な っ て い な い の で 両 者 の 関係 を. 式 で 表 す こ と は 難 し い か も し れ な い 。 し か し,直 関係 を. 「直 線 の 数 が2本,3本,...と1ず. の 増 加 量 が+2,+3と1ず. 線 の 数 と多 角 形 の 最 大 数 との. つ 増 え れ ば,多. つ 増 え な が ら4っ,7つ. 角 形 の 最 大 数 は,そ. と増 え て い く 」 と表 現 す る. こ と は 小 学 生 で も 可 能 で あ ろ う。 こ の よ う に 折 り 紙 を 切 っ て い ろ い ろ な 図 形 を 作 る と い う 「図 形 」 領 域 に お け る 活 動 で も,展. 開 を 工 夫 す る こ と で,代. 論 を 取 り入 れ る こ と が で き る と考 え られ る 。. 図2-3折. り紙 の 切 断. 17. 数 的推.
(22) 表2-2直. 線 の数 と多角 形 の 最 大 数 との 関 係. 直線 の 数. 1. 2. 3. o●. ●. 多角 形 の 最 大 数. 2. 4. 7. ● ●. ●. 以 上 の よ うに,新. n n(n十1)+1 2. 学 習 指 導 要 領 の 「数 量 関係 」 以 外 の領 域 に お い て も,授 業. 展 開 を 工 夫 す る こ とに よ って 関数 的 思 考 に相 当す る代 数 的 推 論 を 取 り入 れ る こ とが で き る と考 え る。. 18.
(23) (3)発. 展 的推論. 最 後 に,発. 展 的 推 論 で は,児. 童 は 既 に 一 般 化 し た 数 学 的 ア イ デ ア か ら,よ. 発 展 的 な 数 学 的 ア イ デ ア を 一 般 化 し,そ. れ を 表 現 す る 。 例 え ば 小 学 生 が,2つ. の 整 数 の 和 の 偶 奇 性 を 一 般 化 し た 後 で3つ と い う こ と に な っ た と き,既 ア か ら,3つ. に 一 般 化 し た2数. の偶 奇 性 に 関す る数 学 的 アイ デ. 」 の よ う に 表 現 す る プ ロ セ ス で あ る 。 こ の 推 論 は,既. 化 し た 数 学 的 ア イ デ ア か ら,よ. に 一般. り発 展 的 な 数 学 的 ア イ デ ア を 一 般 化 し 表 現 す る. な り高 度 な 推 論 で あ る。. Blanton&Kaputは,前 た算術」 及 び. 述 し た2っ. 「関 数 的 思 考 」 が,小. の 代 数 的 推 論 の う ち,特. 説 と 照 ら し 合 わ せ て み る と,「 表 現 と 読 み",「. に. 「一 般 化 さ れ. 学 校 に お い て 最 も 実 践 しや す い 代 数 的 推 論. で あ る と し て い る 。 我 が 国 に お い て も,前. 章 で 述 べ た よ うに新 学 習 指 導 要領 解. 一 般 化 さ れ た 算 術 」 は 「数 量 関 係 」 領 域 の"式 の. 関 数 的 思 考 」 は 同 領 域 の"関 数 の 考 え"の 内 容 と 関 連 し て い る 。. こ の こ と か ら,本 研 究 で は 上 述 の3つ 及 び. の 整 数 の和 の 偶 奇 性 も調 べ て み よ う. の 奇 数 の 和 は 奇 数 で あ る と い う 発 展 的 な 数 学 的 ア イ デ ア を 見 っ け,. 「奇+奇+奇=奇. た め,か. り. 「関 数 的 思 考 」 の2つ. の 代 数 的 推 論 の う ち 「一 般 化 さ れ た 算 術 」. に 焦 点 化 し,こ. 考 察 し て い く。. 19. れ ら を 小 学 校 算 数 で 促 進 す る方 法 を.
(24) 第2節. 代 数 的 推 論 の導 入. 本 節 で は,代 て,"プ. 数 的 推 論 を導 入 す る 時 期 に つ い て 考 察 す る 。 そ の 考 察 に あ た っ. レ 代 数"ア プ ロ ー チ と"早 期 代 数"ア プ ロ ー チ の2つ. の ア プ ロー チ につ い. て 述 べ る。. 1."プ. レ 代 数"ア. 算 術 と 代 数 は,そ 方 に 従 え ば,児. プ ロ ー チ. の 大 部 分 を 別 の も の と 捉 え る 見 方 が 一 般 的 で あ る 。 この 見. 童 が 算 術 か ら 代 数 ヘ ス ム ー ズ に 移 行 す る た め に,算. 術 の終わ り. 部 分 と 代 数 の 始 ま り 部 分 に お い て,そ. れ ら を う ま く 橋 架 け る 指 導 を 行 う必 要 が. あ る 。Schliemannθ6aZ(2007)は,こ. の 橋 架 け 部 分 を プ レ 代 数(pre-algebra)と. よ び(図2-4),プ. レ 代 数 の 指 導 に 重 点 を お い た ア プ ロ ー チ を プ レ代 数 ア プ ロ. ー チ と捉 え て い る. 。. 図2・4算. 術 と代 数 の 関 係 の 一 般 的 な 見 方 (Schliemannθ. 孟ヨZ,2007,p.xi). プ レ 代 数 ア プ ロ ー チ を 支 持 す る 人 々 は,代 る 学 習 を 行 う こ と で,代. 数 を 学 習 す る 直 前 に,そ. の 準 備 とな. 数 の 導 入 時 に 児 童 が 示 す 困 難 性 を 和 ら げ る こ とが で き. る で あ ろ う と 考 え た 。 そ こ で,代. 数 を 学 習 す る た め に 必 要 な 内 容 を,代. 20. 数学習.
(25) に 入 る 少 し 前 に あ ら か じ め 学 ん で お く と い う 方 法 が と ら れ た 。 し か し, Carraher&Schliemann(2007)に. よ れ ば,こ. 代 の ア メ リ カ で 盛 ん に 実 践 さ れ た が,そ と の こ と で あ る 。 そ の 理 由 の1つ. の ア プ ロ ー チ は1980年. ∼1990年. の どれ も が 顕 著 な 効 果 を 示 さ な か っ た. と し てSchliemann碗. ∂Z(2007)は,プ. レ代 数. ア プ ロ ー チ に よ る移 行 方 法 は 児 童 に と っ て 容 易 で は な い とい う こ と を挙 げ て い る 。 例 え ば,"=(等 味 を も ち,算. 号)"は,算. 術 では. 「∼ に な る 」 と い う 計 算 結 果 を 表 す 意. 術 で は 等 号 が 主 に こ の 意 味 で 使 わ れ る 。 し か し,代. 結 果 を 表 す 意 味 だ け で な く,相. 算. 等 性 の 意 味 も も つ よ うに な る。 今 ま で 理 解 して. い た 意 味 の こ う し た 再 構 築 は 容 易 で は な く,結 式 を 認 め た り,「3x濡5x-14」. 数 で は,計. 果 と して. の方 程 式 を解 くた めの. 「8=3+5」. 「両 辺 か ら5xを. の よ うな 等 引 く」 と. い うよ うな 代 数 的 操 作 を理 解 した りす る こ とが 困 難 な も の に な っ て しま う と の こ と で あ る。 "=(等. 号)"の 意 味 は. ,我. が 国 に お い て も 小 学4年. 生 ま で は 主 と して. と い う計 算 結 果 を 表 す 意 味 で 使 わ れ る 。 し か し,現 学5年. 「∼ に な る 」. 行 の カ リ キ ュ ラ ム で は,小. 生 で 計 算 の き ま り を 学 習 す る 場 面 が あ る 。 そ こ で は,図2-5の. よ うに. ○ ・△ ・口 の 記 号 を 使 っ て 交 換 ・結 合 ・分 配 法 則 を 示 す こ と で,等. 号 が相 等性. を 表 す もの と して使 わ れ る。 この 時 点 で児 童 は今 ま で の 等 号 の意 味 を 再構 築 し な けれ ば な ら な い。. 図2-5整. この よ うに 小 学5年. 数. ・小 数 の 計 算 の き ま り(清 水. 船 越 他,2004a,p.93). 生 で 等 号 が 相 等 性 を表 す もの と して 使 わ れ る指 導 が行 われ. て い る に もか か わ らず,児. 童 に は そ の こ とが 十 分 理 解 で き て い る と は い え ない. の で は な い か と危 惧 され る。 筆 者 は,代. 数 的 推 論 を 取 り入 れ た 授 業 を構 成 す る. に あ た っ て 事 前 に児 童 の 実 態 を調 査 す るた め に"=(等. 21. 号)"の 意 味 に 関 す るア ン.
(26) ケ ー トを 行 っ た 。 そ の ア ン ケ ー トは,簡. 単 な数 式 を 示 しそ の 数 式 が 正 しい か否. か 問 う も の で あ る(巻 末 資 料 参 照)。 こ の 調 査 結 果 に よ る と,等 表 して い る と捉 え られ る. 「3+5=8」. と い う 等 式 は,全. が 正 し い 等 式 で あ る と 回 答 し た が,等 「3+5=2+6」. は,上. 学 年 で ほ ぼ100%の. 児童. 号 が 相 等 性 を 表 し て い る と 捉 え られ る. と い う 等 式 を 正 し い と 回 答 し た 小 学6年. い う 等 式 を 正 し い と 回 答 し た 小 学6年. 号 が計 算 結 果 を. 生 は66.1%し. 生 は71. .2%,「8=8」. か い な か っ た 。 小 学6年. 述 の 計 算 の き ま り の 学 習 を 終 え て い る に も か か わ ら ず,全. と 生. 体 の 約1/3の. 児 童 が 等 号 を 相 等 性 を 表 す 記 号 と し て 理 解 で き て い な い の で あ る 。 こ れ は,等 号 の 意 味 の 再 構 築 が 困 難 で あ る こ と を 示 して い る と 考 え られ る 。 我 が 国 で 試 み ら れ て い る 小 学 校 と 中 学 校 の 連 携 の 中 に も,"=(等. 号)"の 意 味. を 小 学 校 の 高 学 年 で 扱 う と い う こ う した プ レ代 数 的 な ア プ ロ ー チ が 多 い よ う に 思 わ れ る 。 し か し,等. 号 の 意 味 の 再 構 築 が 児 童 に と っ て 困 難 で あ る と い う上. 述 の ア ン ケ ー ト結 果 が 示 し て い る よ う に,こ る よ うに 思 わ れ る 。. 22. う した ア プ ロー チ で は 不 十 分 で あ.
(27) 2."早. 期 代 数"ア. プ ロ ー チ. Carraher&Schliemann(2007)は,早. 期代数 を. 「お よ そ6歳. か ら12歳. まで. の 若 い 学 習 者 が 代 数 的 推 論 や 代 数 に 関 す る 教 育 を 受 け る こ と 」(p.670)と. 捉 えて. い る 。Schliemannθ`ヨZ(2007)は,数. 数的表. 記 を 使 っ た りす る 機 会 は,算. 学 的 ア イ デ ア を 一 般 化 し た り,代. 術 の 終 わ り 部 分 や 代 数 の 始 ま り 部 分 だ け で な く,. 初 等 教 育 全 般 に お い て 豊 富 に あ る と 述 べ,そ. の う ち の い く っ か は,中. 学 校 ・高. 等 学 校 の 数 学 に お け る そ れ ら の 用 法 と 一 貫 性 の あ る 方 法 で 早 期 か ら扱 わ れ るべ き で あ る と 主 張 し て い る 。っ ま り,「 算 術 は 代 数 の 一 部5で あ る 」(Schliemannθ6 ヨZ,2007,p.xii)と. 捉 え て い る(図2・6)。. 図2・6本. 質 的 に 代 数 的 特徴 を も つ算 術. (Schliemannθ. 筆 者 は,プ. レ代 数 ア プ ロー チ の よ うに代 数 の 準備 とな る学 習 を 橋 架 け部 分 だ. け で 行 う の で は な く,初 ア イ デ ア を,以. 孟aZ,2007,p.xii). 等 教 育 の 始 め か ら 行 う こ と で,初. め に獲 得 した数 学 的. 降 の 教 育 で 再 構 築 す る 必 要 が な く な り,小. 学 校 と中 学 校 の連 携. が 円 滑 に 進 む と 考 え る 。Carraher&Schliemann(2007)は,青 数 に 示 す 困 難 性 は,算 Booth(1988)も,将 5斜. 年 期 の 児 童 が代. 術 の 導 入 部 分 に そ の 一 因 が あ る と 指 摘 し て い る 。 さ ら に,. 来 児 童 が 経 験 す る 数 学 の 困 難 性 は,改. 体 は 原 文 通 りで あ り. ,そ. の 趣 旨 は,教. 材 の 包 含 関 係 で は な く,算. が 代 数 の 特 徴 の 一 部 で あ る と捉 え る とい う こ と で あ る 。. 23. 善 され な い ま ま の算. 術 の特 徴.
(28) 術 に あ る と 指 摘 し て い る 。 ま た,NCTM(2000)は,小 一般 に は 聞 か な い が ま れ,こ. ,児. 学 校 で 代 数 と い う言 葉 は. 童 の活 動 や 学 習 内容 に しば しば 代 数 的 推 論 の 要 素 が含. れ ら の 経 験 は よ り深 い 数 学 理 解 を 与 え,中. 代 数 学 習 へ の 重 要 な 先 駆 け に な る と し,初. 学 校 で の よ り形 式 化 さ れ た. 等 教 育 か ら代 数 的 推 論 を促 進 す る こ. と を 提 唱 し て い る 。 さ ら に,RAND6(2003)は,数. 学 学 習 に 関 す る 報 告 書 で,代. 数 は 数 学 の み な ら ず 科 学,工. 学 等 の ほ とん ど の 領 域 で 基 礎 的 な 役 割 を 果 た して. い る た め,幼. 生 ま で の 数 学 に お い て 研 究 開 発 を 焦 点 化 し,整. 稚 園 か ら12年. 理. す る 初 め の 話 題 選 択 は 代 数 で あ るべ き で あ る と述 べ て い る 。 こ の よ う な 考 え や 指 摘 か ら,Carraher&Schliemann(2007)は,代. 数 的 推 論 は 幼 稚 園 か ら12年. 生 ま で の 数 学 的 ア イ デ ア を 考 え る す ば ら し い 機 会 を 提 供 し て い る と 述 べ,初. 等. 教 育 の 始 ま り か ら 代 数 的 推 論 を 取 り入 れ る こ と の 重 要 性 を 指 摘 し て い る 。 我 が 国 に お い て も,第1章 小 学1年. で述 べ た よ うに新 学 習 指 導 要 領 で は. 生 か ら 設 け ら れ,中. 学 校 数 学 の 確 実 な 理 解 を 目指 し て 長 期 的 な 指 導 計. 画 を 立 案 す る こ と を 大 切 に し て い る こ と か ら,筆 ー チ を支 持 し. ,小. 「数 量 関 係 」 領 域 が. 者 は こ う した 早 期 代 数 ア プ ロ. 学 校 算 数 に 低 学 年 か ら代 数 的 推 論 を 取 り入 れ る こ と を 提 案 す. る。 "=(等. 号)"の 意 味 理 解 に 関 し て 考 え て み る と. 述 し た よ う に 小 学5年. 生 で,「. ,プ. レ 代 数 ア プ ロ ー チ で は,前. ∼ に な る 」 と い う 計 算 結 果 を 表 す と い う 意 味 を,. 相 等 性 を 表 す と い う 意 味 へ 再 構 築 し な け れ ば な ら な か っ た 。 し か し,早 ア プ ロ ー チ で は,小 10=4+6の. 期代数. 学 校 低 学 年 の 整 数 の 加 法 ・減 法 を 学 習 す る 場 面 な ど で. よ う に 相 等 性 の 意 味 を 導 入 す る 方 法 が 考 え ら れ る 。 こ う した 導 入 を. 行 う こ と に よ っ て,"ニ(等. 号)"の 意 味 を 再 構 築 す る 必 要 が な く な り,小. 学5年. 生 に お け る計 算 の き ま りを 学 習 す る場 面 や 中学 校 で の方 程 式 や 式 の 展 開 を学 習 す る場 面 で ス ム ー ズ に児 童 の 理解 を 促 進 す る こ とが で き る と考 え る。 さ ら に,第5章. で 述 べ る よ う にa+b=(a・c)+(b+c)等,加. 法 の 性 質 を 探 求 す る よ うな. 代 数 的 推 論 を 小 学 校 低 学 年 か ら行 う こ と も 可 能 と な る 。 こ の よ う に"早 期 代 数"ア プ ロ ー チ は 小 学 校 と 中 学 校 の 連 携 を 円 滑 に す る が,. 6RANDと と し,ビ. は. ,"ResearchandDevelopment(調. ジ ネ ス,教. 育,健. 康,法. 査 及 び 結 果)"と 律,科. い う言 葉 を 語 源. 学 な ど の 分 野 に お い て 洞 察 を 提 供 して. い る機 関 で あ る。. 24.
(29) 小 学 校 低 学 年 か ら代 数 的推 論 を 取 り入 れ る の は,発 面 も あ る。 そ こ で,代. 達 面 か ら考 え る と困 難 な一. 数 的推 論 を小 学 校 算 数 に取 り入 れ る た め に効 果 的 な道 具. の 活 用 が必 要 に な って く る。 次 章 は,そ 要 因 につ い て述 べ る。. 25. の こ とを含 ん だ 代 数 的 推 論 を促 進 す る.
(30) 第3章. 代 数 的推 論 を促 進 す る要 因. 本 章 で は,代 数 的 推 論 を 促 進 す る 要 因 に つ い て2つ. の 面 か ら 考 察 す る 。ま ず,. 教 授 ・学 習 面 か ら 教 師 の 専 門 的 発 達 及 び 効 果 的 な 道 具 の 活 用 の 重 要 性 に つ い て 述 べ る 。 次 に カ リ キ ュ ラ ム 面 か ら,"=(等. 号)"の 相 等 性 の 意 味 の 理 解 及 び パ タ ー. ン の 発 見 の 必 要 性 に つ い て 述 べ る。 本 章 の 構 成 は,以. 第1節. 第2節. 下 の 通 り で あ る。. 教 授 ・学 習 に 関 す る 要 因 1.教. 師 の 専 門的 発 達. 2.効. 果 的 な道 具 の活 用. カ リ キ ュ ラ ム に 関す る要 因 1."=(等 2.パ. 号)"の. 相 等 性 の 意 味 理 解. タ ー ン の発 見. 26.
(31) 第1節. 教 授 ・学 習 に 関 す る要 因. 本 節 で は,小. 学 校 算 数 にお い て低 学 年 か ら代 数 的推 論 を取 り入 れ,促. 進 して. い くた め に 重 要 で あ る と考 え られ る要 因 に つ い て,教 授 ・学 習 面 か ら考 察 す る。 まず,教. 師 の 専 門 的 な発 達 の重 要 性 に つ い て 述 べ る。 次 に,代. 数 的 推 論 を取 り. 入 れ た 授 業 を行 う とき に 効 果 的 な道 具 を活 用 す る こ との 重 要 性 につ い て 述 べ る。. 1.教. 師 の専 門的発達. 代 数 的 推 論 を 小 学 校 低 学 年 か ら 取 り 入 れ,促 門 的 な 発 達 が 重 要 な 要 因 の1つ. 進 し て い く た め に は,教. 師の専. で あ る と 考 え る 。Blanton&Kaput(2005a)は,. GEAAR(GeneralizingtoExtendArithmetictoAlgebraicReasoning;算. 術 を. 代 数 的 推 論 へ 拡 張 す る た め の 一 般 化)プ ロ ジ ェ ク ト の 一 員 で あ っ た 教 師Juneを 例 に 挙 げ て,教 師 の 専 門 的 発 達 の 重 要 性 を 指 摘 し て い る 。こ の プ ロ ジ ェ ク トは, 幼 稚 園 就 学 前 ∼5年. 生 ま で の 教 師 を 対 象 と し,代. 数 的 推 論 を 促 進 す る教 室 活 動. を 設 計 す る 能 力 を 発 達 さ せ る こ と を 目 的 と し た 。 そ こ で は,様 が 一 緒 に な っ て 数 学 的 課 題 を 解 き,そ. 々な学年の教師. の課 題 の 代 数 的 特 徴 や 教 育 的 効 果 を検 討. し た 。 そ し て 彼 ら の 担 任 す る 学 年 の レ ベ ル に 合 わ せ て 課 題 を 再 開 発 し,教 実 践 し た 。Blanton&Kaput(2004)に 下 の3点. よ る と,こ. 室で. の プ ロ ジ ェ ク ト で は 特 に,以. に重点 を置い ていた。. 1. 現 存 の 教 材 か ら,代. 数 的推 論 を促 進 す る教 材 を構 築 す る. 2. 授 業 か ら,一. 般 化 す る機 会 や 体 系的 に 表 現 す る機 会 を 同 定 す る. 3. 児 童 の 活 発 な 一般 化 や 形 式 化 を支 援 す るた め の 教 室 活 動 や 教 室 文化 を創 造す る. 教 師Juneも,GEAARプ. ロ ジ ェ ク ト で1年. 間 取 り 組 み,そ. の 後 小 学3年. 生. で 代 数 的 推 論 を 促 進 す る 授 業 を い ろ い ろ と試 み た 。 彼 女 が 児 童 に 求 め た 代 数 的 推 論 に は2種. 類 あ っ た 。1つ. た 代 数 的 推 論)で,も. う1つ. は,PAR(PlannedAlgebraicReasoning;計 はSAR(SpontaneousAlgebraicReasoning;即. 27. 画 され 応 的.
(32) な 代 数 的 推 論)で あ る7。 前 者 は,児. 童 に 代 数 的 推 論 を さ せ よ う と教 師 が 事 前 に. 計 画 し た 教 室 活 動 か ら 生 起 し た 代 数 的 推 論 で あ る 。 例 え ば,「 ル ー プ で 全 員 が 自 分 以 外 の 人 全 員 と1回 手 の 総 数 は い く ら か?」 指 導 計 画 を 立 て,そ 一方後者 は. ,教. 任 意 の人数の グ. ず つ 握 手 を す る 場 合,グ. ル ー プ 内 の握. と い う握 手 問 題 を 使 っ て 代 数 的 推 論 を 行 お う と事 前 に. の 計 画 に 基 づ い て 児 童 に さ せ る 代 数 的 推 論 がPARで. あ る。. 師 の 事 前 の 計 画 な し に 生 起 し た 代 数 的 推 論 で あ る 。 例 え ば,簡. 単 な 足 し 算 の 学 習 を 行 っ て い る と き に,計. 算 を す る こ と か ら2つ. の 数 の 和 が偶. 数 に な る か 奇 数 に な る か を 決 め る こ と に 学 習 の 焦 点 が 即 応 的 に 移 行 し た と き, こ の 後 半 の 学 習 に み ら れ る 代 数 的 推 論 がSARで (2005a)は,1年. 間 を 通 し て 教 師Juneに. 察 し た 。 そ こ か ら 彼 ら は204も JuneがGEAARプ. あ る 。Blanton&Kaput. よ る 小 学3年. 生 の57の. 算 数 授 業 を観. の 代 数 的 推 論 を 同 定 し た8。 こ れ は ま さ に 教 師. ロ ジ ェ ク トに よ っ て 専 門 的 発 達 を 遂 げ た 成 果 だ と述 べ て い. る 。 ま た,彼. 女 が 児 童 に さ せ た204の. 半 数 以 上 がSARで. 代 数 的 推 論 の う ち の132,っ. あ っ た こ と に 注 目 し(表3・1),こ. ま り全 体 の. れ は 授 業 か ら代 数 的 推 論. の 機 会 を 直 ち に 同 定 す る こ と が で き る 教 師Juneの. 柔 軟 性 と能 力 の 高 さ を 表 し. て い る と して い る。. 表3・1教. 師Juneの. 代 数的推論 の頻度. SAR. PAR. 132(65%). 代数的推 論 の種類. 72(35%). (括 弧 内 は 総 数 に 対 す るSAR及. し か し,関. 数 的 思 考 の 型 は,PARの. 総. 数. 204(100%) びPARの. 割 合). 方 が 多 く 生 起 し て い る(次 頁 表3・2)。. こ. の 原 因 に つ い て 彼 ら は,数. 的 ・幾 何 学 的 パ タ ー ン を 一 般 化 し そ れ を 表 現 す る 活. 動 は,デ. タ ー ン を 同 定 し,そ. ー タ を 記 述 し,パ. 7"Spontaneous"は. ,通 常 rSpontaneousAlgebraicReasoning」. は な く,授. して 関 数 的 関係 を記 述 す る よ う. 「無 意 識 的 な 」 と 訳 さ れ る が,Blanton&Kaputは, を 教 師 が 無 意 識 的 に 生 起 させ た も の で. 業 中 瞬 時 に 判 断 して 即 応 的 に 代 数 的 推 論 を さ せ た も の と い う意 味 で. 述 べ て い る の で,「 8Blanton&Kaputは. 即 応 的 な 」 と訳す 。 ,あ. る 課 題 の 中 で 行 わ れ た 一 連 の プ ロ セ ス を,代. 論 の 一 単 位 と 同 定 し て い る 。 よ っ て,同 短 い も の か ら,30分. 定 さ れ た 代 数 的 推 論 は2∼3分. も しくは そ れ 以 上 か か った も の ま で 範 囲 が 広 い 。. 28. 数 的推 とい う.
(33) な事 前 の ス テ ップ が必 要 で あ る た め,教. 師 の 事 前 の計 画 に従 うこ とが 多 い か ら. だ と述 べ て い る。 そ して 最 後 に彼 らは,代. 数 的 推 論 を促 進 す る に は,そ. れ を教. 室 活 動 に 計 画 的 に 組 み 込 む 能 力 と,即 応 的 に組 み 込 む 能 力 の 両方 が 必 要 で あ る こ とを 主 張 して い る。 教 師Juneは,GEAARプ 達 を遂 げ た こ とで,小. ロ ジ ェ ク トに参 加 し専 門 的発. 学 校 低 学 年 の教 室 で も計 画 的 か っ 即 応 的 に 代 数 的 推 論 を. 促 進 す る こ とが で き た の で あ る。. 表3-2教. 代数 的推 論 の型. 師Juneの. 代 数 的 推 論 のSARの. SAR. 頻度. PAR. 合. 計. 一 般 化 され た 算 術. 64(89%). 8(11%). 72(100%). 関数 的思考. 46(46%). 53(54%). 99(100%). 発 展的推 論. 22(67%). 11(33%). 33(100%). 合. 計. 132. 72. (括 弧 内 は 各 型 の 合 計 に 対 す るSAR及. 筆 者 も,小. 204. びPARの. 割 合). 学 校 算 数 に お い て 小 学 校 低 学 年 か ら代 数 的 推 論 を取 り入 れ,促. 進. して い くた め に は,こ の よ うな 教 師 の 専 門 的 発 達 が 必 要 で あ る こ とを主 張す る。. 29.
(34) 2.効. 果 的 な 道 具 の使 用. 小 学 校 の 低 学 年 か ら 代 数 的 推 論 を 取 り入 れ,促. 進 し て い く に は,効. 具 や 数 学 的 プ ロ セ ス を 活 用 す る こ と も 重 要 な 要 因 の1つ Blantol1&Kaput(2005a)は,代. で あ る と考 え る。. 数 的 推 論 を促 進 す る こ とが で き る道 具 や 数 学 的. プ ロ セ ス を,TSAR(ToolsthatSupportAlgebraicReasoning;代 援 す る 道 具)と よ ん で い る 。 そ し て,TSARに 直 線 や,図,表,線. 果 的 な道. グ ラ フ 等 の 道 具,あ. 数 的 推 論 を支. な り 得 る も の の 具 体 例 と し て,数 る い は,デ. ー タ の 記 録 や 体 系 づ け等 の. 数 学 的 プ ロ セ ス を 挙 げ て い る。 Carpenterθ6θZ(2003)は,代 い る 。 そ の 教 室 で は,教. 数 的 推 論 に 関 わ る 次 の よ う な 実 践 例 を 報 告 して 師 は 児 童 に"=(等. 号)"の 相 等 性 の 意 味 を 理 解 さ せ た 後,. 等 式 の 両 辺 の 数 値 を 関 係 的 に 捉 え さ せ る た め に,等 る 活 動 が 行 わ れ て い た 。 ま ず,等 児 童 は,7+6が13で. 式 の 口 に 入 る 数 を 探 求 させ. 式7+6=口+5の,口. あ る こ と を 計 算 し,次. た ら よ い か を 計 算 す る こ と に よ っ て,そ. に 入 る数 を考 え させ た 。. に13を. 得 る た め に は5に. 何 を足 し. の 問 題 を 解 決 し た 。 こ の 時 点 で は,こ. の 児 童 は ま だ 等 式 の 両 辺 の数 値 に つ い て 関係 的 な 捉 え方 を して い な い 。 そ の 後,同. じ よ う な 問 題 を 出 す が,児. め て い た 。 そ こ で 教 師 は,ブ. 童 は 依 然 と して 計 算 に よ っ て 口 に 入 る 数 を 求. ロ ッ ク を 児 童 に 与 え て 等 式28+32=27+□. る 数 を 考 え さ せ た 。 す る と 児 童 は28個 後,直. ち に33と. の ブ ロ ッ ク と32個. 答 え た 。 以 下 の プ ロ ト コ ル は,児. の □ に入. の ブ ロ ッ ク を並 べ た. 童 が 答 え を 出 した 場 面 の一. 部 で あ る。. ノ9重 ノ. 33だ. ま、 蟹 ク よ。. 教 訪'. ど ラ し τ そ ラ 塚 ラ の9と. 班董 ノ. な ぜ っ で,忍 ノ が32よ. 教砺'. ク1大. ま っ で らお 方 法 な,と. 、 が33っ. っ で ら速 の カ 。 で 言 っ た の な,27が28よ. ク14・. さ ぐ で,33. き い か ら よ。 ち し ろ 〃、 考 え ね 。 ナ ご ぐ い い よ!あ. な た が や っ た よ ラな. っ τ ら か 〃、ど 、 蟹 ラカ 。 (Carpenterθ. 30. 孟∂2㌦,2003,p.30).
(35) こ の 会 話 か ら,児. 童 は28個. の ブ ロ ッ ク か ら1つ. の ブ ロ ッ ク を32個. のブ ロッ. ク へ 移 動 さ せ て,33を. 得 た と 考 え ら れ る 。 児 童 は,初. め は 計 算 して答 え を求 め. よ う と し て い た が,ブ. ロ ッ ク を 使 う こ と に よ っ て 両 辺 の 数 の 関 係 に 着 目 し,計. 算 す る こ と な く 答 え を 見 つ け る こ と が で き た 。 児 童 は こ の 後,こ の 例 を い く つ か 考 え,そ の 集 ま り か らa+b=(a-c)+(b+c)と. の よ うな 特 定. い う加 法 の 性 質 を 見 つ. け 一 般 化 しそ れ を 自 分 の 言 葉 で 表 現 し て い る 。 こ れ は ま さ に 代 数 的 推 論 で あ り,こ. の と き 使 わ れ た ブ ロ ッ ク はTSARで. ま た,Blanton&Kaput(2005b)が. あ る とい え る 。 観察. し た 授 業 を 例 に 挙 げ る 。 そ の 授 業 で は,教 師 が 代 数 的 推 論 を 児 童 に さ せ る と き,課. 題. か ら 挙 げ ら れ た い く つ か 特 定 の 例 を T-chartと. よ ば れ る 表 に ま と め さ せ(図. 3・1),そ. の 表 か らパ タ ー ン を 見 つ け 一 般 化. さ せ た 。 こ の 表 は,独. y -^. 2. う β. 5. 3 4. 韮◎ 17. ,. 立 変 数 デ ー タ(x)の 右. 側 に 従 属 変 数 デ ー タ(y)が あ る 表 で,我 で は 通 常,関. κ. が国. 数 を学 習 す る とき に使 わ れ る 図3-1T-chart. 関 数 表 に 相 当 す る もの で あ る とい え る。 こ の よ う な 関 数 表 も,代. 数 的推 論 で パ ター ン を 見 つ け一 般 化 す る た め に使 わ れ る. 場 合,TSARに. る と考 え る。. なb得. ま た 別 の 例 と し て,Blanton&Kaput(2004)が 挙 げ る 。 そ の 授 業 は,握 全 員 と1回. 手 問題. 観 察 した 代 数 的 推 論 の 授 業 を. 「 任 意 の 人 数 の グル ー プ で 全 員 が 自分 以 外 の 人. ず つ 握 手 を す る 場 合,グ. ル ー プ 内 の 握 手 の 総 数 は い く ら か?」. を児. 童 に考 え させ る もの で あ っ た 。 ま ず,教. 師 は児. 表3-3グ. ル ー プ の 人 数 と握 手 の 総 数 を 求 め る 式. 童 に い くつ か 特 定 の グル ー プ の人 数 に お け る握 手. グル ー プ の 人 数. 握 手 の総 数 を 求 め る式. 2. 1. 3. 1+2. 4. 1+2+3. 5. 1+2+3+4. の 総 数 を 考 え させ た 。 そ の 後,そ. れ ら の総 数 で は. な く,総. 数 を求 め る式 に. 注 目 さ せ た(表3-3)。. 児. 31.
(36) 童 は,式. に注 目 した こ とで握 手 の 数 の 増 え方 のパ タ ー ン に 気 付 く こ とが で き. た 。 最 終 的 に 児 童 は,任 の 大 き さ よ り1少 考 え た り,総. 意 の 人 数 の グル ー プ の握 手 の 総 数 を. な い 数 ま で の 和 」 と一 般 化 す る こ と が で き た 。 頭 の 中 だ け で. 数 か ら 考 え た りす る だ け で は,グ. 系 化 で 終 わ っ て し ま い,握. ル ー プ の 少 な い 人 数 の 範 囲 の体. 手 の数 の増 え方 に は気 付 い た と して も一 般 化 ま で は. で き な か っ た で あ ろ う と 彼 ら は 述 べ て い る 。 こ の よ う に,パ 見 さ せ る と い う 数 学 的 プ ロ セ ス も,TSARの 筆 者 は,小. タ ー ン を 式 か ら発. 一 例 で あ る と い え よ う。. 学 校 低 学 年 か ら 代 数 的 推 論 を 取 り 入 れ 促 進 し て い く に は,問. 決 の 補 助 と し て 使 わ れ る こ う し た ブ ロ ッ ク や 関 数 表,数 TSARと. 「1か ら グ ル ー プ. 学 的 プ ロセ ス等 を. し て 有 効 に 活 用 し て い く こ とが 不 可 欠 で あ る と考 え る 。. 32. 題解.
(37) 第2節. カ リキ ュ ラ ム に 関す る 要 因. 代 数 的推 論 を小 学 校 低 学 年 か ら促 進 して い くた め に は,教 け で は な く,カ. 授 ・学 習 面 か らだ. リキ ュ ラ ム 面 か ら も考 慮す る必 要 が あ る と考 え る。 本 節 で は,. ま ず 一 般 化 され た算 術 に相 当 す る代 数 的推 論 を促 進 す る た め の 重 要 な要 因 の1 つ と考 え る"=(等. 号)"の 相 等 性 の意 味理 解 につ い て述 べ,次 に 関数 的 思 考 に相 当. す る代 数 的 推 論 を促 進 す る た め に 重 要 な 要 因 の1つ. と して考 え るパ ター ンの発. 見 に つ い て 述 べ る。. 1."=(等 "=(等. 号)"の. 相 等 性 の 意 味 理 解. 号)"を 相 等 性 を 表 す も の と し て 理 解 し た り. ,等 式 に 含 ま れ る 口 の 意 味 を. 理 解 し 口 に 入 る 数 を 探 求 し た りす る 活 動 を 取 り 入 れ る こ と は,小 ら 代 数 的 推 論 を 促 進 し て い く た め の,重 Falknerθ`ヨZ(1999)は,小 い て,口. 要 な 要 素 の1つ. 学校 低学年か. で あ る と 考 え る。. 学 生 が等 号 の意 味 を ど の よ うに理 解 して い るか につ. が 含 ま れ た 等 式 を 使 っ て 調 査 し て い る 。 調 査 内 容 は,等. 式8+4=口+5. の 口 に 入 る 数 は 何 か を 児 童 に 答 え さ せ る も の で あ る 。 学 年 別 の 解 答 結 果 は,表 3・4の. 通 りで あ る 。. 表3・4児. 童 が 答 え た8+4ニ. 学 年. 解 7. 12. ロ+5の. 解 答 の割合. 答(%). 児童数. 17. そ の他. 12と17. 1. 0. 79. 7. 2. 6. 55. 10. 3. 10. 60. 20. 4. 7. 5. 7. 6. 0. 9. (人). 0. 14. 42. 14. 15. 174. 5. 208. 5. 44. 30. 11. 57. 48. 45. 0. 0. 42. 84. 14. 2. 0. 145. (Falknerθ. 33. 孟 ヨZ,1999,p233).
(38) Falknerθ6θZは,□. に 入 る 数 を12,あ. 通 し て 多 い こ と に 注 目 し て い る 。12と. る い は17と. 答 え た 児 童 は,等. う 意 味 を も つ 記 号 と し て 捉 え て い る た め,口 と 認 識 し12と. 解 答 し て い る 。17と. い る た め,8+4+5を. 計 算 し17と. て,Falknerθ'∂Zは,「. だ 」(p.236)と. に は8+4の. 答 え た 児 童 も,同. 号 を"計 算 を す る"と い 計 算 結 果 を書 け ば よい. 様 に 等 号 の意 味 を捉 え て. 解 答 して い る 。 こ の よ うに 誤 答 した 原 因 と し. 児 童 は,等. る よ う 学 ん だ の で は な く,主. 誤 答 した 児 童 が 全 学 年 を. 号 を主 と して 関係 を記 述 す る記 号 と して み. と し て"∼ を す る"記 号 と し て み る よ う 学 ん だ か ら. 分 析 し て い る 。Carpenterθ`∂Z(2003)は,こ. 「こ の 誤 解 は,彼. の 結 果 に 対 し て,. らが 代 数 学 へ と進 ん だ と き に 非 常 に 重 大 な 問 題 を 引 き 起 こ し. さ え す る も の で あ る 」(pp.9・10)と. 述 べ,小. 学 校 に お い て 低 学 年 か ら等 号 の意 味. を 正 し く理 解 す る こ と の 重 要 性 を 指 摘 して い る 。 そ こ でCarpenterθ6∂Zは,小 す る た め の4つ. ①. 学 校 低 学 年 で"=(等. の 過 程 を 示 し た 。 以 下 が そ の4つ. の 過 程 で あ る。. 児 童 が 考 え る 等 号 の 意 味 を 言語 化 させ る. ②a+b=cと. い う形 式 で な い 数 式 を正 しい と理 解 させ る. ③. 等 号 は,等. ④. 計 算 せ ず に,等. 彼 女 ら は,こ. しい数 量 間 の 関係 を表 す こ とを 理 解 させ る 式 の 両 辺 を 比較 させ る. の 過 程 を 踏 ん で 実 際 に 授 業 を 行 い,小. 号)"の 相 等 性 の 意 味 を 獲 得 さ せ て い る 。 故 に,こ を 構 成 す れ ば,小. 学 校 低 学 年 の 児 童 で も"=(等. る と 考 え る 。 以 下 に,そ. ①. 号)"の 相 等 性 の 意 味 を 獲 得. 学 校 低 学 年 の 児 童 に"=(等. れ ら4つ. の過 程 を踏 ん で授 業. 号)"の 相 等 性 の 意 味 を 獲 得 で き. れ ぞれ の過 程 の具 体 的 な 内容 を述 べ る。. 児 童 が 考 え る等 号 の 意 味 を言 語 化 させ る 第1過. 程 は,等. 念 に つ い て,児. 号 に 限 らず 児 童 に 獲 得 さ せ よ う とす る 数 学 的 記 号 の 意 味 や 概 童 が ど の よ うに 捉 え て い る か を 教 師 が 事 前 に 調 査 す る も の で あ. る 。 こ れ は 後 の 授 業 で,児 め で も あ る し,後. 童 の 間 違 っ た 捉 え 方 と比 較 し た り対 比 し た りす る た. の 意 味 理 解 の 深 化 を 示 す た め で も あ る 。 そ こ で,"=(等. の 相 等 性 の 意 味 獲 得 に 向 け て,Carpenterθ'θZ(2003)は. 34. 号)". ま ず 授 業 に 先 立 っ て,.
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