螺旋の幾何学
兵 庫 教 育 大 学 大 学 院 教 育 内容・ 方 法 開 発 専 攻M13144B
学 校 教 育 研 究 科 認 識 形 成 系 教 育 コ ー ス 三宅
彩
香
自然界における様々な生き物の形は
,成
長を規則的 としていな くても
,結果 として成長の中で数学的な規則性を保持 していることがある。その
規則性は人工的に考えられたものよりも
,数
学的に考察 しやすい規則性
であつた りする。ただ単純に貝の形や
,花
びらの並び方などを眺めてい
るだけでは気づかないが
,数
学的な規則性 という着眼点を持って観察す
れば
,違
う観点か らの生き物の美 しさに気づ くことができる。そのよう
なものの一つが本論文で取 り上げる螺旋である。
螺旋は
,自
然界の現象の中に多 く現れているが
,本
論文ではそれだけ
でな く
,数
学的な意味で人工的に創 り出されたものも含む螺旋 とよばれ
るものを取 り扱 う。様々な文献で螺旋の性質や自然界に現れる螺旋の規
則性などが取 り上げられているが
,螺
旋のみを扱つて
,ま
とめて書かれ
ている文献を見つけることができなかった。アルキメデス螺旋に見 られ
るように, 自然界に現れた り
,人
工的に創 られた りしている螺旋につい
ては
,古
代か ら研究されてはいるものの
,そ
れに特化 している文献がな
いことに筆者は疑間を感じていた。そのことが
,大
学院で螺旋を研究 し
,修士論文でまとめてみようと思った理由である。
筆者は小学校教員になる予定であり
,算
数・数学を身近なものと結び
つけて理解 し
,指
導する力が必要であると考えている。そのような観点
から
,算
数・数学の身近なものを与える教材 として螺旋の性質について
まとめることを本論文のねらいとした。
以下
,論
文の構成について述べる。
構成 に入 る前に
,本
論文では集合論における基本的な概念や性質につ
いては既知のものとしていることを断っておく。特に,内 田伏一
[」の前
半で扱 われてい る近傍,連
続写像,同
相写像等の概念 は定義 な しに用 い ることにす る。 第1章「平面曲線 の基本的性質」では,平
面曲線 の基本的な性質 として, 曲線 の特徴や性質,定
理 について取 り上 げる。平面上の螺旋 は平面曲線 として考 え られ るので
,こ
こで扱 われ る道具が後 の章 での螺旋 の解析 に用 い られ る。第 1節で は,本
論文で主 として扱 う正則平面 曲線 を定義 し,写
像 のタイ プをその微分 の情報 か ら与 え る逆関数定理,陰
関数定理 につ いて取 り上 げる。また,弧
長 とよばれ る曲線 の長 さを定義 してい る。第2節
では, 単位速度曲線 にお ける単位接ベ ク トル,単
位法線ベ ク トルを与 え,こ
れ ら を用 いて曲線 の曲率や 曲率 円,そ
して フルネの公 式 を与 えてい る。 また, 接触 の定義 を用 いて曲線 にお ける曲率 円の特徴や,2つ
の曲線 が1次
(ま たは2次
)の 接触 をす るための必要十分条件,接
触 の次数 は座標変換で変 わ らない ことを示 してい る。第3節
では,ま
ず E G Rees1111を もとに,平
面の等長変換 に関す る用語や基本 的性質 を復習 している。そ して,正
格等 長変換 を用 いて,曲
線 の分類 と曲線論 の基本定理 を述べてい る。次 に,閉
曲線 の概念か ら卵形線 を取 り上 げ,卵
形線 の4頂
点定理 を述べてい る。第4節
で は,第
2節
で定義 した単位速度曲線の単位接 ベ ク トル,単
位法線ベ ク トルの概念 を,単
位速度曲線 とは限 らない一般 の正則曲線 について も定 義 し,曲
率 と曲率 円も定義 している。そ して,後
の章で扱 う一般 の正則曲線に対する曲率の計算公式を
,」 W Bruce,P J Glblln Fl,J W Rutter[1司 を参考 に述べて い る。 また,曲
率の導関数か ら螺旋 の定義 を与 えてい る. 第2章
「対数螺旋」では,自
然界の現象 に現れ るほ とん どの螺旋が対数 螺旋であることか ら,古
くか ら多 くの研究がなされてお り,こ
の章で はそ れ らについて紹介 す る。第1節
では,ま
ず:対
数螺旋 の定義 を述べ,対
数 螺旋 は等角螺旋 ともよばれ る理 由について考察 し,後
の グノモ ンで も触 れている対数螺旋 の 自己相似性 について取 り上 げている。そ して,第
1章 第4節
で与 えた,曲
率の導関数か らの螺旋 の定義 を用 いて,対
数螺旋が螺 旋か どうか を判定 してい る。次 に,対
数螺旋 の持つ微分幾何学的性質 について取 り上げ
,自
ら証明を与えた。第 2節 では,D'Arcy Thompson[1劉
で述べ られているグノモンについて取 り上げている。グノモンは対数螺
旋 と関連のある概念で, 自己相似性を通 してその関連性について解説 し
ている。また
,11鋼の中で扱われている例や考察をまとめるとともに
,対
数螺旋が現実世界に現れ る例 についてもまとめている。
第 3章 「その他の螺旋」では
,対
数螺旋以外の重要な螺旋を取 り上げ
ている。第 1節ではアルキメデス螺旋
,第
2節 では双曲螺旋
,第
3節 では
フェルマー螺旋を取 り上げている。それぞれの節で
,螺
旋の定義を与え
てか ら
,曲
率の導関数か ら螺旋の定義を判定 している。また
,そ
れぞれ
の螺旋に対 して述べ られている性質に関して, 自ら証明を与えた。螺旋
の現れる例があるものについては
,例
も取 り上げている。第 4節 では平
面 曲線 で はないが螺旋 と同 じように渦 を巻 く空間曲線 として
,つ
るまき 線 を取 り上 げてい る。 第4章
「螺旋 の大域 的性質」で は,螺
旋 の微分幾何学的性質 とその性 質 を応用 した定理 を述べてい る。第1節
で は,螺
旋状 の道路が あ る と仮定 して
,そ
の道路を車の運転に例えるとどのように考えられるか
,ま
た
その考えを数学的に定式化するとどうなるのかを考察 している。そして
,メビウス変換によって螺旋は螺旋へ とうつされることを示すために,メ
ビウス変換を構成する基本変換を考察 し
,メ
ビウス変換によって円が円
にうつされることを考えている。第 2節 では
,第
1章第 3節 で示 している
卵形線に対する4頂 点定理定理に
,螺
旋の性質を利用 して
,卵
形線 とは
限らない単純閉曲線に対する4頂 点定理の証明を述べている。
第
5章
「螺旋の局所分類」では
,S Kolb,L Paunescu p],[lq,S Kolke,
L L6 Lol,L Paunescu,M Shlota plの
中で導入された集合芽の接方向
的性質 を用 いて
,螺
旋 の局所分類 を与 えている。第1節
で は,ま
ず螺旋 を 局所 的に考 え る上で必要 にな る芽 の概念 を与 え,方
向集合 の定義 を与 え てい る。例 として対数螺旋,双
曲螺旋,ア
ル キメデス螺旋 の方 向集合 に ついて考察 してい る。次 に,条
件(SSP)を定義 し,双
曲螺旋が条件 (SSP) を満たす ことを,μ
qで
取 り上 げ られてい る間接 的な証明 とは別 に,直
接 的な証 明を与 えて い る。第2節
で は,螺
旋 の局所分類 を考 え るた めに局 所 的性質 に合 った螺旋 の定義 とリプシ ッツ特性 の定義 を与 えてい る。 そ して,対
数螺旋 は リプシ ッツ同相写像 を誘導す ることを示 してい る。第3 節で は,前
節 まで に述べた定義 を用 いて螺旋 の局所分類 の定理 を与 えて い る。 また,実
際 にそれ ぞれ の螺旋が どの ように分類 され るか を考察 し てい る。 最後 にな りま したが,本
研 究 を進 め るにあた って,学
部 時代 に数学科 を卒業 して いない筆者 に,一
か ら丁寧 に手厚 くご指導頂 いた小池敏 司先 生 に心 よ り感謝 申 し上 げます。多 くの助言 を して いただいた数学 の多 く の素敵 な先生方 に深 く感謝 申 し上 げます。第
1章
平面曲線 の基本的性質11
曲線 とは何か12
曲率 とフルネの公式13
曲線論の基本定理 と4頂
点定理14 -般
の正則 曲線 の曲率 第2章
対数螺旋21
対数螺旋22
グノモ ン 第3章
その他 の螺旋31
アル キメデス螺旋32
双 曲螺旋33
フエルマー螺旋34
つ るまき線,
第4章
螺旋 の大域的性質41
螺旋 の微分幾何学的性質42
螺旋 の性質 の4頂
点定理への応用 第5章
螺旋の局所分類51
螺旋 の接方 向的性質511
集合芽 の方 向集合512
条件 (SSP)52
リプシ ッツ同相写像53
螺旋 の局所 的分類 の定理 参考文献 5 5 9 ・7 2︲23
23 2936
36 40 42 44 48 48 54 56 56 56 59 6 . 65本章で は平面で の曲線 の基本 的な性質 として
,曲
線 の特徴 や性質,曲
線 に関す る基本定理 と4頂
点定理,曲
線 の曲率 につ いて述べ る。 1。1
曲線 とは何か
最初 に,曲
線 の特徴 や性質 を調べ る上での道具 とな る逆関数定理・陰 関数定理 について述べ る。定理
1。 1。1(逆
関数定理)(1)点 αを含む数直線の開区間上で定義された
θ∞級関数 ∫
(%)が∫
′
(α)≠0を 満たすならば
,∫(α)を含む区間で定義さ
れた
0∞級関数 θ
(ν)で g(∫(π))=Z,∫
(g(ν))=ν を満たすものがただ一
つ存在する。さらに
,θの導関数ノは
1 g′(ν)=
∫′
(θ (ν))定理
1.1.2(陰
関数定理)R2の
点P=(Pl,p2)を
含 む領域D上
で定義 さ れた θ∞級 関数F(πl,Z2)が・ 0=Q轟ば
)≠ 0を満たしているならば,(Pl∈
R)のある近傍 びで定義された σ∞級関数
∫が存在 して
, F(χl,∫(Zl))=0(″
1/2)∈ 1/を満たす。さらに点
Pの
十分小さい近傍では,F(χ
lメ2)=0を
満たす点
(■1,″2)はπ
2=∫
(“1)を満たすものに限る。
ここでは逆関数定理
,陰
関数定理の証明は省略する。逆関数定理の証
明については松本幸夫 卜],陰 関数定理の証明については野口広
,福
田拓
生 降
]または卜
]を参照せよ。
θ∞級 2変数関数
F(χ,ν)を用いて
,F(・,ν)=0と
陰関数で表示されて
いる図形を考える。この図形上の点
(■0,νo)C("o,νo)=0を
満たす点
)において
,ら
し
ぃ
ν
め
=舒
0ぃν
め
≠
0が成 り立っているならば
,陰
関数定理
112よ
り, この図形 は
(■0,νo)の近 くで自己交叉を持たず
,ν=∫
(″)のグラフで表すことができる。
開区間 f上 で定義された θ∞級写像 γ 」→
R2,γ(ι)=(γ
l(ι),第(ι))を滑らかな平面曲線 という。この とき
,変
数
tを曲線 γのパラメータ という。
定義
1.1.3γ」→ R2を 曲線 とする。このとき
,任
意の
t∈Jに 対 し
γ
′
(ι)=(%′(ι),ν′
(ι))≠ (0,0)となるとき
,γを 」上の正則曲線 という。
本修士論文では主 として滑 らかな正則平面曲線のみを扱 うので
,断
ら
ない限 り
,曲
線 といえば滑 らかな正則平面曲線を表すことにする。
定義
1.1.4γI→
R2を滑 らかな平面曲線 とする。曲線 γに対するパラ
メータ変換 とは
,次
を満たす θ∞級写像 ι
」→
I(ただ し
,Jは
開区間
)のことである。
(1)任 意の 色∈
Jに
対 しι′(鶴)≠0が
成 り立つ。 (2)tは全射で ある。 この とき,δ(し)=γ
(ι(υ))に よって定義 された曲線 δ 」→ R2をパ ラメー タ変換tによって γか ら得 られた曲線 とい う。 逆関数定理111(1)よ
り,パ
ラメータ変換 は微分 同相写像,す
なわち, ιは全単射,t,「
1は θ∞級であることがわか る。 次 に,曲
線 の長 さを定義 しよう。曲線 γ(ι)につ いて ιか ら微小 な量 △ι だ け変化 した とき,対
応 す る曲線 の微小部分 の長 さは γ(ι)と γ(ι 十△(ι)) の距離 lγ(ι 十△ι)一 γ(ι)│ にお よそ等 しい。 ここで ″(ι),ν(ι)の 変化量 を △Z=″
(ι 十 △t)一 ″(ι), △ν=ν(t十 △t)一 ν(ι) とお くと, lγ(ι 十 △ι)― γ(ι)│=ャ
/(△″)2+(△
ν)2 とな る。 この区間全体での総和 を とる と,求
める長 さ とな る。従 つて,曲
線 の弧長 (長さ)を 次の ように定義す る。 定義 1。1.5パ
ラメータ表示 された曲線 γ(t)=(″(ι),ν(ι))(α ≦ι≦ b)の 曲線 の 弧長 を L(γ)=ノ
∫
、
││(1#)2+(1等
)2洗
=ノ
∫
ν
/(“′
)2+(ν′
)2(111)
で定義す る。 命題1.1.6曲
線 の弧長 は曲線 のパ ラメータ表示の取 り方 によらない。証明
ι
降
,司→ レ
,司をパラメータ変換 とし
,t=ι
(し)とする。
△ ι (各 )2+ (各 )2 =ノibγ
(雀:)2+(後
1)2 Ⅱ=∫
lγ
(劣
)2+c努
)2
αt, ご鶴とお く。 合成 関数の微分法則 よ り
,劣 =争
洗,劣=窃
洗 とな るので,Ⅱ
=ノ
Iャ
││(害;:)2+(解
;:)2αし
=/a〈
((争
)2+(各
)2)(幾
)2α
υ
も 方 2 建 、 ↓ ノ ;ヽ ¨︱ プ て り 山 一 洸 じ 肛 澪 ﹁ \ を の 換 示 ふ ギ 九 〓︲ ・夕変 ・夕表 メ メ ラ ラ ノ ノ ま リ さ な 長 と の ヽ ︱ ′ ノぬ
而
/ 1 t \ 十 で の る な ア ﹂ じ 同 L c洸
ば
﹂
一 訓 な 換 ら 変 よ こ 曲線 □式
(111)の
被積分関数は速度ベクトルγ
′
の大きさ
│ダ │に等しいから
,殉
=IbrO口 t ll 1 21
と書き直すことができる。とくにν
=∫
(″)(α≦χ≦
b)のグラフはγ
(ι)=
(t,∫(ι))とパラメータ表示されるので
,式
(112)は
L(γ)=Ibvttα
ι とな る。 また,平
面 の極座標(r,θ)においてrが
θの関数 としてr=γ
(θ)と表 さ れて い る とき,対
応 す る点の軌跡 は曲線 を表す。 これ を曲線 の極座標表 示 とい う。γ=r(θ)(α ≦ θ≦ b)で 与 え られ る曲線 は γ(θ)=(γ(θ)COS θ,γ(θ)sln θ) とパ ラメー タ表示 され るか ら,そ
の曲線 の長 さは L(γ)=ノ
ib と表 す ことがで きる。 αθ (%)21.2
曲率 とフルネの公式
前節で定義 した弧長 を用 いて,始
点か らの曲線 の長 さをパ ラメー タ と す る と曲線 のパ ラメー タ表示が,以
下の ように得 られ る. パ ラメー タ表示 された曲線 γ(ι)(α ≦ι≦b)に対 して,(121)
によつてγ
(ι)の区間レ
,」に対応する部分の弧長が与えられる。式
(121)
を微分してγ′≠
0に
注意すれば
,霧 判 側
│
←
2のとなる。よつて
,区
間レ
,切間の曲線γ
(ι)の弧長を
:とすると
,s(ι)は閉区間
レ
,切から
p,司への狭義単調増加関数なので
,逆
関数ι
=ι(s)Ю
,司→ レ
,切 が存在 す る。逆関数定理111よ
りこの逆関数 ι(s)もsで
微分可能で ある か らこれ を用 いて, γ(S)=γ (t(S))(0≦ S≦ 1)(123)
のように曲線 を新 しいパ ラメータsで表す ことがで きる。 この sを 曲線 の 弧長パ ラメータ とい う。1曲
線 は単位速度 曲線 に 命題 1。2.1弧
長パ ラメータを用 い ることによ り, なる。 証明 曲線 を γ(ι),弧
長パ ラメータを sと す る。式(123)を
微分 す る と 合成 関数の微分法則 と式(122)よ
り, αγαγ
αι
γ′(ι)
γ
(S)=冨
=而
冨
=再
で
)│ (ただ し はSで
の微分,
′ は ιで の微 分 とす る) とな るので lγ(s)│=1で
あ る こ と,す
なわ ち弧長 パ ラメー タ曲線 の速 さ (曲線 の速 度 ベ ク トル の大 きさ)は常 に1で
あ る こ とが わか る。 よつて弧 長パ ラメー タを用 い る こ とに よ り曲線 は単位速度 曲線 とな る。 □銅
=ItrOい
以下
,曲
線 γに対 してパ ラメータsを 用 いるときは,断
らない限 り,弧
長パ ラメー タを用 いてい ることにす る。従 つて,曲
線 γ(s)は単位速度曲 線で ある。 定義 1。2.2弧
長 をパ ラメー タ として曲線 γ(s)=(″(S),ν(S))と表示す る とき,γ(S)にお ける曲線 γの単位接ベク トル を L(S)=γ(S)=(χ(S),ν(S)) (124)
と定義す る。 さ らに,L(s)に
直交 し,L(s)の
方 向に対 して反 時計周 りに 90° 回転 したベ ク トルn(S)=(一
ν(S),"(S)) (125)
を,曲
線上 の点 γ(s)にお ける曲線 γの単位法線ベク トル とよぶ。 いまγ(s)=(π(S),ν(S))を弧長パ ラメータによる曲線 のパ ラメータ表示 とす る と,速
度ベ ク トル γ(s)に ついて γ(S)γ(S)=lγ(S)12=1 (126)
で ある。 ここで γ γはγとγの内積 を表す。 式(126)の
両辺 をsで微分 す る と発は→
71Sll=個
《
⇒
+《
⇒ズ
⇒
=2γ
(s)・ γ(S)=0
となるので
,加
速度ベク トル γ
(s)はγ(S)=L(S)に 直行する。 このこと
は
,γ(S)が単位法線ベクトル
n(s)の実数倍であることを意味する。以上
より曲線の曲率は次のように定義する
.定義 1.2.3曲 線 γ
(s)の曲率を
,加
速度ベクトル
γ(S)=κ(S)ln(S) の比例定数 κ(s)と して定義す る。曲率 はパ ラメータ sの 値 ご とに決 まる値 であ るか らsの関数 と見 なせ るので,κ(s)を曲率関数 とい うこ ともある。n(S) L(S)=γ(S) 、∪Vノ
CC 121κ
>0の
とき 図11曲
率の符号 と曲線 の曲が り具合 121κ>0の
とき [1lκ <0の
とき 図12曲
率の符号 と曲率 円S)=γ
(S)S)=γ
(S) )nC)=γ
(S)κ
O)nO)
[1lκ<0の
とき ι(S)=γ
(S)お
nO)
お
TO)
上の定義 よ り
,曲
率 と接ベ ク トルの変化率の間 には関係がある。 この こ とよ り,曲
率 の符号 の情報か ら曲線 の曲が り具合がわか る。(図 1.1参照) 次 に,曲
線上 のあ る点の近 くで,
この曲線 を最 もよ く近似 す る円の概 念を考 える。 定義 1。2.4曲
線上の点 γ(s)にお ける曲線の曲率が κ(s)≠ 0と す る。 この ときγ(S)で曲線 に接す る半径 需齢 の円を曲線の進行方向の左側 と右側 に 1つ ずつお くことがで きる。κ(s)>0の
ときは曲線 の進行方 向に向かって 左側 の円を,κ(s)<0の
ときは右側 の円を曲線 の γ(s)にお ける曲率円 と よぶ。 この とき,半
径 需断 を曲率半径 とよび,曲
率円の中心 の位置ベ ク ト,レはγ
O+鳥
n0
で与 え られ る。 この点 を曲率 中心 とよぶ。(図12参
照) 単位接 ベ ク トル と単位 法線 ベ ク トル の導 関数 を も との単位 接 ベ ク トル と単位法線 ベ ク トルで表 す のが フルネ の公 式で あ る。 定理 1.2.5(フル ネ の公 式)パ
ラメー タ表 示 され た単位 速 度 曲線 γ(s)=
(χ(S),ν(S))に つ いて, ι(5)=κ
(S)n(5), n(S)=― κ(S)L(S) が成 り立つ。 証 明 定義123と
n(s)=(―
ν(S),″(S))よ り γ(S)=κ
(S)n(S)=κ
(S)(― ν(5),"(S))=(―
κ(S)ν(S),κ(S)χ(S)) である。 また,
γ(s)=(∬(S),ν(S))なので (・(S),ν(χ))=(―
κ(S)ν(5),κ(S)%(S))(127)
と表せ る。従 つて,ι
(S)=γ
(S)=(Z(S),ν (S))よ り ι(S)=γ(S)=("(S),ν(S))=(―
κ(S)ν(S),κ(S)Z(S))=κ
(S)(―ν(S),″(S)) =κ (S)n(s)n(S)=(―
ν(S),π (S))=(―
κ(S)χ(S),一 κ(S)ν(S))=―
κ(S)(・ (S),ν (S))=―
κ(S)ι(S) を得 る。□ 曲率 中心 の軌跡 を曲線 γの縮 閉線 とよぶ
.こ
れ は γの法線族 の包絡線として定義される
(F]参照
)。 定義1.2.62つ
の曲線 γl(ι)と 能0)が
点Pで
1次
の接触 をす る とは,2
曲線が ともに点Pを
通 り,そ
の点 にお ける接線 と進行方 向を共有す るこ とで ある。 この ときPを
原点 とし,進
行方 向にz軸
,左
向 き法線方 向に ν軸 を とれ ば,γl(ι)お よび 第(Z)は それ ぞれ関数 ν=∫
(π),y=θ
(“)の グラフで表 す ことがで き,即
)=ク
(0)=0,%(0)=傷
(0)=0
が成 り立つ。 さ らに,一
般 に多
0=弊
0,,寡
0=弊
0
が成 り立つ とき,2つ
の曲線 はPで
n次
の接触 をす る とい う。 定義126よ
りπ>η
≧1に対 し鶴 次の接触 をす るものは η次 の接触 もす る とよんで い ることに注意す る。 定理1.2.7曲
線 γ(ι)上 の 1点 γ(tO)における曲率円は,そ
の曲線 に点 γ(ιO) において2次
の接触 をす る。逆 に点 γ(ιO)で 曲線 に2次
接触 をす る円は曲 率円に限 る。証明 γ
(tO)において
,接
触の定義を用いた座標系
(",ν)により
,曲
線を
関数のグラフν=∫
(π)で表す と
,∫
(0)=0,
ノ
′
(0)=0
である。
一方
,ν=∫
(″)の曲率の式は
,後
に述べる系
143よ
り
,κ=馘
である
.ゆ
えにκ
(ιO)=∫
″
(0)となる。∫
(")のχ
=0で
のテイラー展開を
考 え る と,八
→
=ズ
の
十
六の
″
十
響ノ十
∝
め
=写
ノ
+∝
め
と表す ことがで きる。ただ し,ο ("2)はランダウの記号である。すなわち,正の定数
Pに
対し
,hmα
→
09=0が
成り
立つとき
,bし)=ο
(τ p)(τ→①
とか く。 ここで κ
(ιo)=0の
ときとκ
(ιo)≠0の ときで場合分 けをする。
(1)κ(ιo)=0の
とき∫
(″)のグラフが χ軸 と2次 の接触をすることは同値
なので曲率円は無限大の半径を持つ円
,す
なわちχ軸に限る。
(11)κ(ιo)≠
0の とき
,κ(to)<0の ときも同様なので κ
(ιO)>0と
する。曲
線に接する半径 αの円はν=α ―ν乞
2_z2と
かけ
α 〓 ν ″ 2_ν′
α
2_″
2ょりν
(0)=0
=写
砺
ヂ
≡
可
戸
よ
り
真の
=0
ν′=
2∼/α2_″
2ノ
=満
よ吻 η
=:
と計算される。ゆえに円 とγが 2次 の接触をするための必要十分条件は
κ
(ιo)=:で
ある。従って
,接
触する円の半径は α
=π
齢 と
一意に定ま
る。 つまり
,円
が曲線 と2次 の接触をするための必要十分条件は曲率円
であることがわかる。
□ 命題1.2.82つ
の曲線 γl(ι),第
(Z)が点Pに
お いて1次 (2次)の 接触 をす るための必要十分条件 は,能
のパ ラメー タを うま く選 べ ばt=ιO,色=υ
0にお い て
η
O=預
り
=二
争
0=難
;
(2次
の
接
触
の
場
合
は
さ
ら
に等渉←
め
=手
渉
←
が成 り立つ ようにで きることで ある。 証明 まず,必
要性 を示す。,能
がP=0(R2の
原点)と して点Pに
おいて1次
の接触 簡単 のため γl‐ 接触 の定義 の ときの ように,γl(%)=(″
,∫(・)),能(″)=
を した とす る。 (・ ,θ (χ))と表 す と定義126よ
り∫
(0)=g(0),勇 (0)=傷
(0) と表せ る。 この とき 次 に十分性 を示 す.範
(ι)=("(ι),ν(ι)),能
(Z)=(■(し),ク(Z))とおき上 と同様に
,そ
れぞれを
ν=∫
(χ),ν=θ
(∬)で表 してお く。ν=∫
(“(t)),夕(し)=gけ
0))が
成 り
立つから
,合
成関数の微分法則より
,イ
げ α
ι
ν
′
α
g α
g
α
lじι
タ
ノ
α
χ
=扇
扇
=フ
'扇
=扇
I扇
=フ
なので
0錦
π
> 〓却
綸
リ
>〓
軌
静
痢
ん
︶
0 , 〓 一 一 > >0
静
C
ん
ビ
一 一 〓 の の つ傾
L
フ
吋
成 で の る な し cα
一
あ
ヽ 、い
〃
就司
¨
一ノ
げ
蕩
何
扇
綸
判
k rd
一
山
淘
扇
α
T
t r 〓 一 一 〓 〓々
形
同様 に して
α
2g
発
′
ク
″一カ″グ
ご
"2
■′3 とか け る。γ
l(ιo)=能
(ιo),γl(ιo)=t(υ
o),(γr(ιO)=《
(lo))なので
P=0と
してお くと
(0,ν(0))=(0,9(0))
ゆえにν
(0)=ク(0) (χ′
(0),ν′
(0))=(奎′
(0),J′(0))
ゆえに″
′
(0)=力′
(0),ν′
(0)=クノ
(0) ((χ″
(0),ν″
(0))=(■ノ
′
(0),ク〃
(0))
ゆえに
z″(0)=力
″
(0),ν″
(0)=ク″
(0))となる。以上より
∫
0=θ
O,勇
0=傷
0,(寡
0=弊
0)
とな るので十分性 も成 り立つ。□ 命題
1.2.9開
集合D⊂
R2か
らψ(D)⊂ R2へ
の微分 同相写像 ψが与 え られてい る とす る。 この とき,D内
の2つの曲線 γl(ι)と 能(ι)がDの
点Pで
1次
(2次 )の 接触 をす るための必要十分条件 は,71(ι)=ψ
O γl(ι)と %(し)=ψ
O飽
し)が点 ψ(P)で 1次
(2次 )の 接触 をす ることで あ る。証明
まず
,十
分性を示す。写像ψをψ
(χ ,ν)=(ξ
(″ ,ν),η(Z,ν))とかい
てお く。領域
D内
の曲線 γ
(t)=(χ(t),ν(t))に対 して
予
(ι)=ψ
Oγ(ι)=(ξ(χ(ι),ν(ι)),η("(t),ν(ι)))とお くと
,合
成 関数の微分法則 よ り,∝
一
釣
+ 山 一 & ∝ 房 〓礎
肩
鉤
而
と
フ
窃
=a″
′
十もν
′
=ηω″′+Ъ
ν′ =携 (新 )=携
(%争
十
%解
)
=:争
(争
)2+荒
害解
+:'弊
十
弊鰐
)2+競
解害十
%・
1努=aノ
2+26ν
z′ν
′
+aZ〃
十もν
ν
′
2+も
ν
″
==ηωαノ2+2η
αγzノν′+97″∬″+77tJυν′2_十 ηυν″め
フ
を得 る。γ
lと能 が点
Pで
1次 の接触をした とすると
,命
題
128よ
り
γl(lo)=t(Oo)と なる。従つて
"1(ιo)=″ ち
(υo),νl(to)=ν'(Zo)と
なるの
で
,7 71(ιO)=抒
′
2(υO)を得 る。よつて
,∼1と物 はψ(P)で 1次 の接触を
する。
次に必要性を示す。■
(ι)=ψ
Oγ
l(ι)と %(υ)=ψ
O能
(し)において
予
1をγ
lに,物
を能 に,ψ をψ
lに置き換えると
,%=ψ
10ψ
O%=
ψ
10t(0=1,2)よ
り従 う。
2次 の接触についても同様に示される。
□
1.3
曲線論の基本定理 と
4頂
点定理
最初 に,E G Rees[11を
も とに,平
面 の等長変換 に関す る用語や基本 的性質 を復 習す る。一般 に距離空間の部分空間上 の等長変換 とは,距
離 を変 えない上へ の写像 の こ とで ある。平面R2上
の等長変換 の場合 には, 自動的に上への写像 とな るので,距
離 を変 えない写像 として定義 され る。R2上
の等長変換 は平行移動 と直交変換 の合成で表 され るこ とが知 られて い る。 この とき,直
交変換 を表現す る直交行列 の行列式が正 (負)の とき 等長変換 は,正
格(変格)と よばれ る。従 つて,正
格等長変換 は平行移動 と回転 の合成で表 され る変換 と言 つて よい。定理
1.3.1パ
ラメータの範囲が同 じ単位速度曲線 の正格等長変換 による 分類 は,曲
率 によって完全 に与 え られ る。 証明 曲線 γlに回転 をほ どこして 物 が得 られた とする。 ここで曲線の接 線 を ″軸,法
線 を ν軸 とす ると,回
転 と平行移動 の合成 は,π 軸 とν軸の 向きに影響 を与 えない。 笥 の曲率 円 の に正格等長変換 を施 して得 られ る円を の とす る。定理127よ
りγlの 曲率円 の はγlに 少な くとも2次
の接触 を して い る。 よつ て,命
題129よ
り円 の は 能 に少な くとも2次
の接触 を してい ることが わか る。従 つて,定
理127よ
りの は 能 の曲率円である。 一方,回
転 と平行移動で 円の大 きさ と回転方 向は変 わ らないので,0
との の円の半径 は同じで,■ ,飽
か らの,の
上 に誘導 され る向 きは同 じなので,能
の曲率 は γlの 曲率 と一致す る。□ 与 え られた曲率 をもつ曲線 は
,存
在すれば一意的であることは定理131
か らわか る。 ここで,あ
る滑 らかな関数が与 え られた とき,そ
の関数 を 曲率 とす る曲線 はいつで も存在 す るのか を考 える。 定理 1.3.2(曲線論の基本定理)区
間0≦ s≦ Jで 定義 された滑 らか な関 数 κ(s)(0≦
S≦ ι)に 対 して,sを
弧長 としκ(s)を曲率 とす る平面 曲線 γ(S)(0≦ S≦ ι)が
存在 す る。 さ らに,
この ような曲線 は正格等長変換 で 写 り合 うものを除いてただ一つで ある。 証明 定理131よ
リパ ラメー タの範囲が同 じ単位速度 曲線 の正格等長変 換 による分類 は曲率 によ り与 え られ るので,一
意性 は明 らかで あ る。 次 に存在性 を示 す。 と:6け}ゴ, α ヽ l l ノ ヽ ︱ ′ ノ υ α υ κ √ 九 / 1 1 ヽ n S ヽ l j ノ 鶴 α 鶴 κ √ 九 / 1 1 ヽ 0 C / 1 t \ √ 九 〓 S γ ヽ ︱ ′ ノ \ l l ノ Z α し κ √ 九 / 1 1 ヽ n S \ ︱ ′ ノ υ α 色 κ √ ノ o / 1 1 \ S O C / 1 1 \ 〓鉤
冨
■ ■ 〓 ヽ ︱ ′ ノ 色 α Z κ f 九 / f t \ n 十 \ ︱ ′ ノ山
鶴 κ √ 九 / 1 1 \ S O C 〓鉤
房
h ソ な と とな るのでsは γ(s)の 弧長パ ラメー タで あ る。また
,lcoSl∬
<00,鈍
<∬
く
00)は
γ
ι
(s)である。ここで∬κ
(し )αZ=θ
(S)とすると
のsで
の単 位 接 ベ ク トル S n S θ 〓 S S n υ D κ ↑纂
げ
L
岬
<
c
。
α
房
↑
一 一 一 一 〓鉤
冨
0
み
願
(*) とな るので,θ (s)は γのsで
の曲率で あ り,(*)よ
りこれ は与 え られた関 数 κ(s)であ る。□ 1周 して元 に戻 る曲線 を開曲線 とい う。長 さ:の閉曲線が γ(s)(0≦ S≦ J) と表示 されてい る とき,「閉曲線 である」 とい う条件 は
,s=0と
s=ι に おいてrの
任意次数 の導関数が一致 してい ることで あ る。すなわちズの
=γ 101,s雪
Oγ°
0=s摯
Oγ00 C=1,2,3,。
) が成 り立つ ことである。この とき,γR→
R2,た ∈zと し,7(s+た ι)=γ
(S) と定 め るこ とに よ りγはR全
体 で定義 された周期 :の滑 らか な関数 に拡 張す るこ とがで きる。 さ らに,曲
率 κ(s)もR全
体で定義 された周期 ιの 関数 とみなす ことがで きる。 自分 自身 と交叉 しない閉曲線 を単純閉曲線 とい う。単純 閉曲線上 の任 意の2点
を結ぶ線分が 曲線 の外部 の点 を含 まない とき,そ
の曲線 を卵形 線 とい う。例 えば円や楕 円は卵形線で ある。曲率が符号 を変 えない閉曲 線 は卵形線 で あることが知 られてい る。(第4章
の定理421参
照) 図13卵
形線 図14リ
ロ形線 でない単純閉曲線定義
1.3.3-般
に曲線 の曲率 κ(s)が極大値 また は極小値 を とる点 を頂 点 とい う。 閉曲線 は周期関数 としてみなせ るので,そ
の1周期 の中に少 な くとも 2つの頂点 を持つ。 また,周
期関数が1周期 において極大値 を とる個数 と 極小値 を とる個数 は,そ
れ らが有限個 で あれ ば等 しいか ら,一
般 に閉曲 線 は偶数個 の頂点 を持つ。 卵形線 について は以下 の定理が成 り立つ。 定理 1。3.4(卵
形線の4頂
点定理)円
でない卵形線 には少な くとも4個
の 頂点が存在 す る。 証明 背理法 によ り証 明す る。以下,頂
点が2個
で あ る と仮定 す る.閉
曲線 が γ(s)(0≦S≦
ι)と 表示 されて い る とす る。2つ
の頂 点 を γ(0), γ(υ)(0<υ<:)と
し,さ
らに曲率 κ(s)はS=0で
最大値,s=υ
で最小値 を とる として も一般性 を失わない。す ると,区
間 Ю,司 で は κ(S)≧ 0と な る。 とくに κ(s)が恒等的 に0な
らば κ(s)は定数で ある。その ような閉曲 線 は円 とな り仮定 に反 す る。 したが って κ(s)は恒等的 に0で
はない.い
ま,2点
γ(0)と γ(υ)を結ぶ直線 の方程式 を αz+bν
+c=0(α
,b,Cは定数) (131)
とお くと,
この直線 は γ(0)と γ(υ)の間で卵形線 の内部 にな らな けれ ば な らないか ら,γ (s)=("(S),ν(S))は式(131)の
直線 で2分
され,0≦
s≦
υで一方 の側,υ ≦s≦
ιで反 対倶1に あ る こ とが わか る。 よつてα
″
(S)十 bν(S)+Cは
2つ
の区間Ю
,」とレ
,司では異なる符号をとる
.以
上
より
,κ(s)(α″
(S)+bν(S)+C)は
0≦ S≦ι
で符号を変えず
,ま
た恒等的
に
0にはならないから
,積
分
」
=ガ
tlSll粥0+頃
→
十
の
お
は 0に な ら な い 。 一 方 ,部 分 積 分 と “ (s)=一 κ(S)ν (S),ν (S)=κ (S)π (S), さ らに κ(s),χ (S),ν(S),"(S),ν (S)は 周 期 ιの関数 よ り, S α ハ ノ 0 ズ お 〓蜀
0
日
卸
m
¨
Ш
/
ノ
o
ι
↑
颯
一 √ ノ o l . 一 一 一 一 〓 Jとな るので仮定 に矛盾 が生 じた(上式 の最後 の結果 は曲線 が閉 曲線 で あ る こ とに よる)。 よつて 円で ない卵形線 には少 な くとも
4個
の頂 点が存在 す る。 □ 1。4 -般
の正則曲線の曲率
パ ラメー タが弧長 とは限 らない,一
般 の正則平面 曲線 γ 」→R2に
対 す る単位接 ベ ク トル,単
位法線 ベ ク トル,曲
率 を定義 しよう。定義
1。4。1区
間 」
=レ
,切とし
,Sを
γ
(α)からのγ
(b)の弧長関数 とする。
命題
121よ
り。α=γ o「
1=γ
Oιは
,単
位速度曲線にな り
,そ
の単位
接ベクトルを
1,単
位法線ベク トルを品
,曲
率をたとする。
s∈∬におけるγの単位接ベク トルを
L(s)=こ(t(S)),単位法線ベク ト
ルをn(s)=品
(t(S)),曲率をκ
(s)=え(ι(S))で定義する。
定義
124と
同様 にγ上の点
sにおける曲率が κ(s)=え
(ι(S))≠ 0とす
ると曲線 γ
(s)における曲率円が定まり
,そ
の半径は 面論 と定義される。
このとき曲率円の曲率中心のベクトルはγ
(s)+召
翫
n(S)で与えられる。
また単位速度曲線の ときと同様に
,曲
線 γに対 しても縮閉線の概念が
定義されるし
,η次の接触の概念 も定義される。
次に
,一
般の正則曲線に対する曲率の計算公式を証明抜きで述べる。証
明については
J W Bruce,P」
Glblln『1,J W Rutter μ制を参照せよ。
定理
1.4。2正
則平面曲線 γ
(t)=(∬(ι),ν(ι))における曲率 κ
(ι)は次の式
を用いて与えられる。
det(γ′,γ′′)lγ
′ 13 ″′ν〃― "〃ν ′ κ(ι)=
(″ノ
2+ν′
2)3 この定理 の系 として以下の計算公式 を得 る。 系1.4.3グ
ラフ表示 された滑 らかな曲線 ν=∫
(χ)の 曲率 κ(″)はκ
O)=←
+め
:(ノ
=島
,υ″
=夕
)
である。
系
1.4.4単
位速度 曲線 γ(s)=(π(S),ν(S))にお ける曲率 κ(s)は κ(S)="(S)ν(S)一 ・ (S)ν(S)である。
系 1.4.5極座標表示された滑 らかな曲線
r(θ)の曲率 κ
(θ)はκ
(の=生
嬌
│十(筋)2_γ多
(第)2): で ある。 系1.4.6複
素平面上の滑 らか な曲線z(ι)=χ
(ι)+Oν(t)の 曲率 κ(t)は次 の式 を用 いて与 え られ る。 Om(Z′Z″) κ(ι)=―
lz′ 13 ここで曲率 の導 関数か ら螺旋 を定義 しよう。 定義1.4.7曲
率 の導関数が0に
な らない曲線 の ことを螺旋 とよぶ.そ
の うち,曲
率が単調増加 で あ る曲線 を正の螺旋,曲
率が単調減少で あ る曲 線 を負の螺旋 とよぶ. 本章 に引 き続 く次 の2つ
の章で具体的な螺旋 の例 を述べ ることにす る。第
2章
対数螺旋
対数螺旋 は,オ
ウムガイな どの巻 き貝の形状や 台風 の渦 の ような 自然 界 の現象 に多 く現れ るこ とが知 られて いる。従 つて,
この螺旋 は多 くの 科学者 の興味 を引 き,古
くか ら様 々な研究がなされてい る。第2章
で は, その対数螺旋 の種 々の性質 とそれ を持つ意味 につ いて述べ る。対数螺旋 の種 々の性質や その意味 について文献 に記載 はあつたが,そ
の性質 の証 明につ いて は見 当た らなか ったので,自
分で考 えてつ けておいた。 2。1
対数螺旋
最初 に定義 を述べ る。 定義 2。 1。1極
座標 (Ъθ)を用 いてr=α
cbθ (α>0,b>0)
と表 され る螺旋 を対数螺旋(また は等角螺旋)と よぶ. 12ザ J∫ 図21対
数螺旋対数螺旋が等角螺旋 ともよばれ る理 由は
,次
の命題 の性質 による。 命題 2.1。2対
数螺旋 とその中心か ら伸 ば した半直線がなす角,す
なわち 対数螺旋 と半直線 との交点 にお ける曲線 の接線 と半直線 のなす角 は一定 である。 証明 定義211よ
り対数螺旋 はr=α
cbθ と表せ,rを
ベ ク トル として考 える と眸(θ)=("(θ),ν(θ))と表せ る。 この とき, ″(θ)=α
θbθ Cos θ,ν(θ)=α
θわθ Sln θより‖
『
(θ)‖=αebθとなる。
次に〆
(θ)を考える。〆
(θ)=C(θ
),ν′
(θ))と表せるので
, χ′==α b♂θ COs θ一αcbθ sln θ, ν′=二 αbebθ sln θ―αθ bθ cos θ よ り‖眸
′
(θ)‖=ャ
/′ (″′
(θ))2+(ν′
(θ))2 _ν α2′θbθ _卜 α2cbθ =αθ
bθyb2+1
となる。ここで
P(θ)と r′(θ)のなす角を口とすると
くのぼ
0)
COS 9=Tttθ
)‖‖眸
′
(θ)‖ α2be2bθ α2′bθへ /′b2+1
1 √+1
であ るので,tan 9=:と
な る。従 つて,角
′は一定 の値 ψ=tan 1(:)
を とるので,対
数螺旋 とその中心か ら伸 ば した半直線が なす角 は一定で ある. □ 命題2.1.3対
数螺旋 を極 を中心 に拡大 して得 られ る曲線 は,も
との螺旋 を極 を中心 に回転 した もので ある。証 明 も との対数 螺旋 を
r=α
θとす る。 この螺旋 を た倍 (ん>0)す
る と γ=λ
αθとか ける。b=logα たとお けば αb=た
と表せ る。 よつて たαθ=αbαθ=αθ+b を得 る。従 つて,上
の式 は も との対数螺旋 のパ ラメー タを θか ら θ+bに
取 り替 えた ものな ので,対
数螺旋 を極 を中心 に拡大 して得 られ る曲線 は, も との螺旋 を極 を中心 に回転 した もので あ る. □ 注意2.1.4上
の命題 よ り,対
数螺旋 は 自己相似 性 を持 つて い る。 螺旋 は曲率 の導 関数 を用 いて定義 され るので,対
数 螺旋 の 曲率 の導関 数 を調 べ る こ とにす る。 命題 2。1.5対
数螺旋 の 曲率 は 1くの
=
であり
,曲
率の導関数κ
′
(θ)は定符号で定義
147の
条件を満たしている。
証明
系
145を
用いるとκ
(θ)=生
≦土を築狙 ょり対数螺旋の曲率
くの
=
を得 る。 次 に曲率 の導関数 を考 える。上記の曲率の式 を微分 す る と αb、/b2+_lcωκ
′
(θ)==―一
て
α
∼
/′b2_卜 lebθ )2 b α ∼//b2+lebθ を得 る。 これ は θ=(一
∞ ,∞)で常 に負で あ る。 よつて 曲率 の導関数 は定 符号 で あ る。 □ 次 に対数 螺旋 の持 つ微 分 幾何 学 的性質 を述べ る。命題
2.1.6任
意 の対数螺旋 の曲率円の中心の軌跡(縮閉線)は,対
数螺旋 で ある。 証明 定義211よ
り対数螺旋 は γ(θ)=α
θ bθ と表せ るので,対
数螺旋 の 第1次
導関数 と第2次
導関数 はそれぞれ γ′(θ)=α
bebθ,γ ″ (θ)=α
b2cbθ と なる。γ(θ)をパ ラメータ表示す るとr(θ)=(α
θ わθ COS θ ,αθbθ sln θ)とな るの で,こ
れ を微分 して γ′(θ)=(α
bCbθ COS θ_αcbθ sln θ,α bebθ sln θ+αθ bθ COS θ) を得 る。 よつて│ノ(θ)│=ν
′ α2b2c2bθ +α2θ2bθ =αθbθ ν′b2+1ょ
り,対
数螺 旋 の単位接 ベ ク トルL(θ)は L(θ)=lr′ (θ)│ =(R)
α
θ
bθ∼
/′b2+1 '
α
θ
bθν
b2+1
=( ) で ある。定義122,141よ
り対数螺旋 の単位法線ベ ク トルn(θ)はく
の
=←
)
で あ る。一 方,系
145よ
り対数螺旋 の曲率 κ(θ)は α2θ2bθ +2α2b2c2bθ +2α2b2cαbθ _α2b2c2bθ κ(θ)=
(α2′ bθ +α2b2c2bθ )3 α2♂bθ(1+b2)
α
3c3bθ(1+b2):
1α
θbθ ャ/1+b2
で ある。 ここで対数螺旋 の曲率 円の中心のベ ク トル を σ(θ)とす る と,σ
O=rO+潟
n0
=(αθbθCOS θ,α ebθ sln θ
)+α
θbθ(―bSln θ一COs θ,b cos θ―sln θ)=αbcιθ(―sln θ,COs θ)
=励
´
θ
いω
+レ
m<θ
+卸
を得 る。 ここで θ
+3を
θと取 り替 えた σ(θ)を δ(θ)と す る と, δ(θ)=α
bC 与ebθ(cOS θ,Sln θ) とな るので,ケ(θ)を極座標表示す る と F(θ)=α
bC 等θbθ を得 る。従 つて,任
意 の対数螺旋 の曲率円の中心 の軌跡 は対数螺旋で あ る。 □ 命題218を
示 すために,正
則 曲線 のペダル曲線 を定義す る。 定義 2.1.7γ を 」→R2へ
の正則 曲線 とす る。γのペグル曲線 とはЮ
=粽
ば
0州
―刺 州
X刊
00
で与 え られ る曲線で あ る。 lγ(t)ln(ι)│図
22ペ
ダル曲線
命題2.1.8対
数 螺旋 のペ ダル 曲線 も対数螺旋 で あ る。 証 明 定 義211よ
り対数 螺旋 はr=α
θbθ と表せ る。γ (θ)=(・
(θ),ν(θ)) と表 す と,χ(θ)=α
Cbθ COS θ,ν(θ)=α
Cbθ Sln θよ り "′ (θ)=α
bθ bθ cos θ一 αθbθ sln θ,ν′(θ)=α
bθ bθ sln θ+αθbθ COS θ γ(ι)を得 る。 よつて
‖
r′(θ)││ =αyb2+lθ
bθ(211)
となる。
一方
,定
義
217よ
り
,対
数螺旋 γのペダル曲線 δ
(θ)はЮ
=粽
『
0ズ
の一ズの動
←弓くら くの
である。ここで
,"′(θ)ν(θ)一“
(θ)グ(θ)と (一ν
ノ
(t),"(ι))はそれぞれ
χ′(θ)ν(θ)一 "(θ)ν ′ (θ)=(abθ bθCOS θ一 αebθ sln θ)α ebθ sln θ ― αCbθ COS θ(α ttbθ sln θ+αcbθ cos θ) =_α 2♂bθ
(212)
(一ν ′ (ι),χ(ι))=(一
αbebθ sln θ一 αθ bθCOS θ,α bebθ cos θ一 αθbθ sln θ
)(213)
とな るの で
,式 (211),(212),(213)を
用 い る と δ(θ)=
α
202+1》
2bθ( α 2♂bθ)(――αbebθ sln θ一 αcbθ cos θ,α bebθ cos θ― αcbθ Sln θ)
=ら2+1(bSln
θ
tt cosθ
,一 b cosθ
+slnθ
)=珈
Oαくθ十¨
い
0
=騰
いい
,岬
の
(ただし
COSα
=7≒
7 Slnα =ν
′
b2+1)となる。○
=θ+α とお くと
D=辮
い ⑩
=講
師 ¨ を得 る。ス=論
とお くとδ
(O)=ACb°
(COS O,sln O)とな るので
,
これ を極座標表示す る とr(O)=ACb°
を得 る。 ゆえに,対
数螺旋 のペ ダル曲線 も対数螺旋 にな る。 2。2
グノモン
生物の成長過程の中で対数螺旋が現れることは古 くから知 られている。
実際
,100年
程前に書かれた
,D'Arcy Thompson口
刻には
,そ
れらの関
連について
,グ
ノモンという用語を用いて詳 しく述べ られている。グノ
モンという用語 。概念を最初に導入 したのはアリス トテレスである。
定義
2。2.1正
方形 に
L字
形の図形を加えて
,そ
の結果 として生じた図形
もまた正方形である。この付け加えられる図形をギリシヤ語でグノモン と
よぶ。
図 2.3:グ ノモ ンの例 上 のア リス トテ レスの定義 をユー クリッ ドは,全
ての平行 四辺形 を合 ヘロンは任意の図形 に任意 の図形 を む場合 まで拡張 してい る。 さ らに, 加 える と,元
の図形 に相似 にな るような図形 とグノモ ンを定義 している。 好奇心 をそそ るグノモ ンの図形 の例 は,他
にも多 くあ る。 例2.2.22つ
の辺 の比が1:ャの で あ るような長方形 の紙 を作 り,そ
れ を2つ
に折 る と相似 な図形 を得 る。 さらに,4つ
折 り判,8つ
折 り判 の紙 も 全て相似 な図形 とな る。 この操作 を何回 も続 けた後,開
いて元 に戻す と, 辺 の比が最小 の1:νつの長方形 に合 同な長方形 が付 け加 え られて相似 な □長方形 がで きてい る。 同様 に合 同な長方形が付 け加 え られて相似な長方 形が順 にで きてい る。 この とき元 の長方形 に付 け加 え られ る合 同な長方 形が グノモ ンで あ る。 例
2.2.3図
の長方形 スの辺が1{■
で あ る「黄金分割」の比率,黄
金 比の とき,
この長方形 の長辺 を一辺 `と す る正方形 を付 け加 え る と,元
の 長方形 に相似 な長方形 がで きる。 さ らに,で
きた長方形 の長辺 を一辺 と す る正方形 を付 け加 える と,同
様 に元の長方形 に相似 な長方形がで きる。 この操作 は連続 して続 けることがで きる。 この とき,付
け加 え られ る正 方形が グノモ ンで ある。μ
]例222の 図
p]例
223の 図
図24長
方形 の場合 三角形で は,1つ
の部分 はいつ も他 の部分 のグノモ ンにな るような もの が存在 す る。 例2.2.4△
スBθ
で,∠
σB'と
∠スが 同 じにな るよ うに辺BDを
か く。 その とき,3と
Dで
区切 られた θ側 の部分 は全体 の △ABσ
と相似 な三 角形 にな り,△
ABDは
△BθDの
グノモ ンであ る。 例2.2.5三
角形 の中で,
とて もみ ご とな場合 は,元
の △ABθ
の頂角が 36° で,底
角が それぞれ72° の二等辺三角形 の ときで ある。 この とき,底
角の1つを2等
分す ることで,大
きな二等辺三角形 を2つの二等辺三角形に再分割 す る と
,そ
の モ ンで あ る。 1つは全体 の図形 と相似で あ り, 他 の もの は グ ノB
口
]例224の
図
pl例
225の 図
図25三
角形 の場合 注意2.2.6例
225の
三角形 は,ピ
タゴラスによつて特 に研究 された。そ の理 由 として,例 225が ,正
五角形や正十二面体 の ように結果的 に正則 で あるユー クリッ ド幾何学 の象徴で あ り,正
五角形や神秘 的な 「五亡星」 の ような古代 の数学者 に愛 されてい る図形で あ るので,多
くの幾何学的 構成 の根源 とみなされてい ることが あげ られ る。 上の4つ
のグノモ ンの例 の中で,例 225の
二等辺三角形 の ものを考 え てみ よう。二等辺三角形 に連続 した一連 のグノモ ンを加 える(また は取 り 除 く)とだんだん大 きい(また は,だ
んだん小 さい)三角形 に変形 し,そ
の 全 て は最初 の もの と相似 にな る。従 つて,一
連 の グノモ ンは 自己相似性 を持 つてい るこ とがわか る。一方,そ
れ らの全 ての三角形 の頂 点,ま
た は対応 す る点 は等角螺旋(対数螺旋)の 軌跡の上 にあることが知 られてい る。 この こ とは注意214と
うま く調和 してい る。 上の二等辺三角形 の例 で,連
続す る三角形 の θ とスBの
中点のy,D
とBθ の中点の Ⅳ をそれぞれ結ぶ ことによつてで きる中線 を考 えるとき, 螺旋 の極,ま
たは △スBθ
と△BσDの
相似の中心 は,そ
れ らの中線 σν とDNの
交点で ある。 次 に,図
26の
ように大 き くなってい く直角二等辺三角形 の例 を考 える。 等角螺旋 は連続 した三角形 の中で対応す る点の軌跡で ある。更 に,図
27
図
26対
数螺旋 と直角二等辺三角形 の ように,相
似 な図形 の集 ま りで平面 を敷 き詰 め る とき,対
応 す る点 を 結ぶ といつで も等角螺旋 を見つ けることがで き,そ
れ ぞれの等角螺旋 は 相似 の関係 にあ る。いつで もそれ らの連続 した倍数 とな る一連 の等角螺 旋 を見つ けるこ とがで きる。 図27相
似 な図形 の集 ま りと対数螺旋 最後 に,生
物学への応用 も考慮 した,新
しい見方か らグノモ ンの定義 を改良 した ものを文献 μ列 をも とに紹介 しよう.そ
の とき,定
点(ま たは 極)か ら始 ま り,扇
型 のベ ク トルの領域が常 に前 の図形全体 の グノモンに なってい る平面 曲線 は,等
角螺旋 また は対数螺旋 とよぶ こ とにす る。こ \ ヽ \ \/
\ \ \ 9 ゞ \ \ / \ / \ \/
/ \ / /の新 しい考 え方 は
,オ
ウムガイの貝殻 の形態 と関連 す る他 の生物形態 を 解釈 す るために導入す るもので ある。 (1)成長過程が,連
続 した部分 として,形
態の中で相似 に形成 され,等
比 数列的 に拡大 し,相
似 の中心 に関 して相似 になってい るのな ら,そ
れ は 等角螺旋 の対応 す る点 を通 つて跡付 け られ る。 (2)等角螺旋が認 め られ る角や貝殻な どの,全
ての生物 の形態 の成長 の特 性 とは,そ
れ ぞれ の成長 の連続 す る増加が相似で あ り,定
点(ま た は極) か ら相似 的 に拡大 し,元
の ものに相似 的な状態で あ り,そ
の結果 として 全体 の中で以前か ら存在 す る構造への グノモ ンで ある と定義で きる。 (3)貝殻,ま
たは角 の螺旋 の外形 の中に,自
然 また は実際の構造 の成長方 法 と必然 的な関係 を もたないが,数
学的な偶然 として保持 してい る,数
えきれない さまざまな他 の グノモ ンの図形 が刻 まれ ることも従 う。 正方形 の グノモ ンは,任
意 の大 きさの増加 を形成 して もよい。 同 じこ とは ミミガイの貝殻 の グノモ ンにつ いて も正 しい。 しか し,部
屋 にわ け られたオウムガイや,図
26の
中の連続 した三角形 の よ り高 い対称性 の中 で は,成
長 はグノモ ンのひ とつ ひ とつが,他
の ものの グノモ ン とな りな が ら,進
行 的な一連 の グノモ ンによつて進 む。 対数螺旋 (等角螺旋)の
現れる例 ・ 生物 の成長 アンモナイ ト,ブ
ロッコリー,有
子L虫,羊
の角 な ど多 くの生物 (図28)
・ 生物 の成長 で はな く,生
物が力 を加 えた結果 として現れ る例 カメ レオ ンの尾,象
の鼻な ど ・ 生物 で ないが,生
物 と同様 の成長 台風 の渦,銀
河 の星雲 な ど(図 29) ・ 等角螺旋 として現れ る例 夜に光源 に集 まる虫の動 き(図210)
小学校の教材 としての対数螺旋 対数螺旋 はオ ウムガイな どの巻貝 に現れ るこ とか ら,臨
海学校 な どの 折 に海辺 の生 き物 を取 り扱 う時間を設 けて対数螺旋 を取 り上 げ ることが で きる。 また,生
物が力 を加 えた結果 としてカメ レオ ンの尾や象 の鼻な どに現れ るこ とか ら,動
物園見学 な どの授業 の折 に取 り上 げ るこ とがで きる。図 2.10:光源 に集 ま る虫の動 き
虫の動 きは
,光
源 に向か つて一定 の角度 を保 ちなが ら進 む 習性 が あ る,そ
のため,虫
の動 いた軌跡が等角螺旋 にな る。第
3章
その他の螺旋
本章で は対数螺旋 以外 の他 の螺旋 につ いて,そ
れ らが螺旋 の定義 の条 件 を満 た してい るか と,そ
れ らの持つ性質 について述べ る。第2章
の対 数螺旋 と同様,
これ らについての証明 は文献 には見 当た らなか ったので, 自分で考 えてつ けておいた。 3。1
アルキメデス螺旋
最初 に定 義 を述 べ る。 定義3.1.1極
座標 (Ъθ)を 用 いて γ=α
θ―卜b
し>0,b≧
0,θ ≠ ― :) と表 され る螺旋 をアル キメデス螺旋 とよぶ。 図31ア
ル キメデス螺旋 アルキメデス螺旋 は原点 を極 とし,回
転 す る半直線 を半径 ベ ク トル と す る と,一
様 に回転 させ る ときに,半
径 ベ ク トル上 の同点Pが
一様 の速度ベ ク トル を持 つて
,原
点か ら動 いて描 く螺旋 と定義 され るので一様螺 旋 とよばれ ることが あ る。 対数螺旋 と同様 に曲率の導関数 を調べ ることにす る。 命題3.1.2ア
ルキメデス螺旋 の曲率 は κ(θ)=
(αθ+b)2+2α
2 ((αθ
tt b)2+α2)3であり
,曲
率の導関数 〃
(θ)は (―∞
,一:),(―:,∞)の範囲で定符号である
.証明
系
145を
用いることにより
,対
数螺旋 と同様にアルキメデス螺旋
の曲率
硼
=
を得 る。
次に曲率の導関数を考える。上記の曲率の式を微分すると
くの
=
I十が切
b)2+α2)3け
が響
狐♂
J
-α(αθ+b)((α θ tt b)2+4α2)((α
θ
tt b)2+α2)3を得る。κ′
(θ)=0と
するとθ
=―
:とな り
,κ′
(θ)はθ
=―
:の 前後で符
号が変化 している。従つて
(一∞
,一:),(一:,∞ )の範囲で曲率の導関数は
定符号である。
アル キメデス螺旋 は θ>一
:と θ<―
:の 2本
の枝 を持つ。命題31
よ り,そ
れ ぞれの枝が定義147の
条件 を満 た してい る。 次 にアル キメデス螺旋 の持つ幾何学的性質 を述べ る。 命題 3.1。3動
径 が1回
転 して通過 す る図形 の面積 は,1回
転 目の動径 を 半径 とす る円の面積 の3分
の1で
ある。 証明 定義311よ
リアルキメデス螺旋 はr(θ)=α
θ+bで
表 され る。 ここ では上記の式 を ν軸方向にbだけ移動 した式,γ(θ)=α
θについて調べ る。 □ 2γ(θ
)=α
θの動径が1回
転 して通過す る図形 の面積Sは
とな るので命題 が成 り立 つ。 図 3.2:命題 3.1.3の 図s==ノ
12π :γ (θ)2αθ=:ノ
12πα
2θ 2αθ
=: │:α
2θ3117r =:α 273 である。1回
転 目の動径 の半径 は θ=2π
の ときの点 と原点の距離 なので 2απで ある。Sを
変形 す る と, s=:α 2π 3=:π
(2απ)2 □命題
3.1.4動
径が1回転 した点Pで
引いた接線 と0に
お けるOPの
垂線 との交点を の とす る。 この とき,線
分0の の長 さはOPを
半径 とす る円 周 の長 さに等 しい。 証明 γ(θ)=α
θよ り χ(θ)=α
θ COS θ,ν(θ)=α
θ Sln θ で ある。 これ を微分 す る と ″′(θ)=α
COS θ―αθ Sln θ,ν ′ (θ)=α
Sln θ+αθ cos θ を得 る。点Pに
お ける接線 の傾 き姜努=27を
用 いて0の の長 さ 0の=2π
×OP
を得 る。 これ はOPを
半径 とす る円周 に等 しい。 よつて,命
題 が成 り立 つ 。 □図
33命
題
314の
図
アルキメデス螺旋に関する命題
313,314に
ついては
,佐
々木重夫 卜
]と山下純一 Ю
]を参考にした。
アルキメデス螺旋が用 い られている例 対数螺旋 が 自然 の中に多 く現れ るのに対 し