となる。従つて ,0∈ Rの 周 りで局所的に
バ→―ズ→=:くのが十ズめ
となるが ,正 の螺旋であることか ら κ′ (0)>0な ので zが 増加するとき
∫
(″)一θ
(″)は原点を境に負から正に符号を変えることがわかる。これは γ
(s)が曲率円の右から左へ接するように交わることを意味している .従 つ て ,螺 旋 γ
(s)は曲率円の右か ら左へ接するように交わる。負の螺旋の場 合も同様に示される。
□ この定理 の意味 を上で述べた車の運転の場合 にあてはめて解釈 してみ よう。正 の(負の)螺旋 の道路 を走 る車 の運転者 は
,常
にハ ン ドル を左 に(右に)回し続 けてい る。途 中でハ ン ドルを固定す る と
,車
は円運動 を してその固定 した地点 にお ける曲率円を描いている と解釈で きる。
螺旋 を螺旋 に写 す変換 について述べ るために
,次
の用語 と補題 を用 意 す る。定義 4。
1.3座
標平面R2を
複素平面Cと
同一視 す る。複素数 α,b,c,α(α
α―
bC≠ 0)を用いて平面上の点
z∈Cを
z tt υ
=T(z)=
αz―+b
CZ+α
で与えられるυ∈Cに 写す変換 Tを メビウス変換または1次分数変換 と いう。
メビウス変換は複素平面Cに 無限遠点を付け加えてできる ,2次 元球面 s2に 同相なリーマン球面 Cか ら Cへ の微分同相写像を誘導することが知
られている。詳しくは松本幸夫
b]を参照のこと
.メビウス変換は
,50
平行移 動 回転
拡大 ・縮小
Z卜→
Z+α
(α ∈C) ,Z tt c2θ
z (θ
∈R) ,z tt γz (r∈ R\
{0}),
共役 と反転 の合成 z吟 ―Z1 ,
の
4つ
の変換 の合成 で表 され ることが計算 によって容易 に示 され る。 こ の事実 を用 いて次 の補題 を示す。第
4章
螺旋 の大 域 的性 質 51補題 4。
1.4メ
ビウス変換 に よって円 は円に写 され る。 さ らに円の左側 の 領 域 は,写
った先 の 円の左側 の領 域 に写 され る。 ただ し直線 は半径 無 限 大 の円 と解釈 す る。証 明 定理
131と
定理213よ
り,平
行移動,回
転,拡
大・縮小 に よって 円 は円 に写 され る。従 つて,変
換z吟
ゥにつ いて示 す。″ν平面上 の円は一般 に
α(″
2+ν 2)+2b%+2cν
+α =0(α,b,C,α ∈lR,b2+c2̲α
α>0) (412)
とい う形 で表 す こ とが で き る。 と くに α=oの ときは直線 を表 す。 これ が変換
z⇒ :で
円 に写 され る こ とを示せ ば よい。 式(412)を z=″
+Oν(o=√ 1)と して書 き換 え る と
α l z 12+(b̲OC)Z十 (b+OC)2+α =0(2=χ 一 Zν)
とな る。l z 12=z″ ょ り
,両
辺 をl z 12で割 る と,α
I(b‑00:―
十(b tt zC):―十沸 =0
を得 る。υ=:とお くと
αl υ 12+(b+OC)υ 十(b― oc)う +α =0
とな る。 こ こで υ=z tt zν と置 き直 す と
α(″
2+ν
2)+2b″ ‑2cν +α =0b2+(̲c)2̲α
α=b2+c2̲α
α>0で あ るか ら
,写
った先 の曲線 も円で あ る こ とが わか る。 ただ し,元
の 円の中心 は写 った先 の円の 中心 に写 る とは限 らない こ とに注意 してお く。
次 に
,与
え られ た 円の左側 の領 域 が,写
った先 の 円 の左側 の領 域 に写 るこ とを示 す。平行移動 と回転 と拡大・縮小 で この性質 が保 たれ るこ とは 明 らかで あ る。原 点 を中心 とす る円 と,原
点 を通 る直線 につ いてのみ,変
換
z吟
ゥに対 して この性 質 を調 べれ ば よい。共役 に よって 円の左側 の領 域 は,写
った先 の円の右側 の領 域 に写 され る。 さ らに反転 によって,写
った先 の円の左 側 の領 域 に写 され るた め
,変
換z吟
ぅに対 して も性質 が成 り立つ。□
第
4章
螺旋 の大域 的性質上の補題 を用 いて
,螺
旋 に関す る次の定理 を示 す。定理 4。
1.5メ
ビウス変換 によって,正
の螺旋 は正 の螺旋 に,負
の螺旋 は 負の螺旋 に写 され る。さらに,こ
の対応で,元
の曲線 の曲率円は,写
った先 の曲線 に対応 す る点 にお ける曲率円に写 され る。
証明 弧長 をパ ラメータ とす る曲線 γ(s)が正の螺旋であった とす ると
,曲
率 κ(s)は κ
(S)>0を
満 た してい る。 いま z tt T(Z)を メ ビウス変換 とす る。最初 にメ ビウス変換Tで
曲率 円は曲率 円に写 され るこ とを示す。 こ の とき,曲
線 γ上の点 γ(s)にお ける曲率円aを考 え る と,補
題414よ
り,T(a)は円で あ る。定理
127よ
り,aは 曲線 γ と点 γ(s)で少 な く とも2次
の接触 を してい る唯一の円である。Tは
微分 同相写像であ り,命
題
129よ
り接触 の次数 は微分 同相写像で保たれ るか ら,円 T(a)は
曲線roγ
と点Toγ
(s)で少 な くとも2次
の接触 を してい る唯一 の円 とな り,点
Toγ
(s)での曲線Toγ
の曲率 円で ある。次 にメ ビウス変換
Tで
正 の螺旋 は正 の螺旋 に写 され ることを示す。 も し,Toγ
上 に曲率 κ(s)の導関数が消える点が存在 した とす ると,円 T(a)
は曲線
Toγ
と点Toγ
(s)において少 な くとも3次
の接触 をす ることに な る。 ここでTの
逆変換T‑1を
ほ どこす と,上
で述べた ように,メ
ビウ ス変換T‑1で
接触 の次数 は保 たれ るので円 色 は曲線 γと点 γ(s)で少 な くとも3次
の接触 をす るこ とにな り,κ(s)=0と
なって,仮
定 に矛盾 す る。従 って,Toγ
の曲率 は単調増加か単調減少 となるか らToγ
は螺旋 である。 さ らに,γ(s)は正 の螺旋 で もあったか ら定理412よ
り,γ は点γ(s)において 色 の右か ら左 に接 す るように交わ る。補題
414よ
り,曲
線
Toγ
も点Toγ
(s)において,T(亀
)の右か ら左 に接 す るよ うに交わ る ので,曲
線roγ
は正 の螺旋 であ る。負の螺旋 の場合 も同様 に示 され る。□ 正 の螺旋状 の道路 を走 る車 を考 える。運転者が途 中でハ ン ドル を固定 す る と
,車
は円運動 をす る。 その円が曲率円であるか ら,ハ
ン ドル を左に回 し続 けると
,車
はさらにその円の内側 に入つてい く。つ ま り,さ
らに 先 に進 んだ ときの曲率 円 は,現
在 の曲率 円の中に完全 に入 るこ とが直感 的予測で きるで あろう。定理 4。1.6γ(s)(α ≦S≦ b)を弧長パ ラメータで表 された正 の (負の)螺 旋 とし
,各
点sにお ける曲率円の左側 (右側)にあ る開領域 をDsと
す るとDb⊂
Dα52
第
4章
螺旋 の大域 的性質 53 が成 り立つ。 とくに螺旋 は自己交叉 を持たない。証明 κ(α
)>0と
して一般性 を失 わない。実際,κ(α)≦0の
ときγ(s)のs=α
にお ける曲率円cは時計回 りの円で あるが,cの 右側 の領域か らQ上 にない点
0を
とり,そ
れ を原点 としてメ ビウス変換T(z)=:を
ほ どこす と,T(a)は反 時計回 りの円 とな り,7oγ
(S)のs=α
にお ける曲 率円は正 とな る。以下,κ(α)>0と し
,正
の螺旋 の場合 を証明す る。負の螺旋 の場合 も 同様で ある。γ(s)の曲率 円の中心の軌跡 をσ O=《 → +お n0
f言 :∬ T,ll等 聰畠 盤翼精海 f緯 哺
る と
,積
分 の三角不等式 よ り,lσO―
σ
OI=1/bσ Oお│=匡b発
(お
)n。ぉ
│
イ
bl発(お
)n。│ぉ― お
― 鳥
=γα ― rb
を得 る。 ここで
,lσ
(b)一σ(α)│=γα―rぅ とす る と,こ
の不 等 式 の等号条 件 よ り,n(s)が
定 ベ ク トルで あ る こ とが わか るが,
これ は γ(s)の 曲率が 単調増加 で あ る こ とに反 す る。 よって lσ(b)一 σ(α)│<γ
α―rbが成 り立つ。従 って,
rb<γ
α―lσ(b)一 σ(α)│ (*)とな る。まず
t曲
率円aをか く。次 に,σ(α)を中心 に半径 lσ(b)一σ(α)│の円をか くとσ(b)は円上 にあ る。一方
,曲
率 円Qは σ(b)を中心 に半径 rbの円 よ り(*)か らの はcの 中にすっぽ り入 るか ら,瓦 ⊂Dα が示 さ れた。□
第
4章
螺旋 の大域 的性質4。
2
螺旋の性質の4頂
点定理への応用第
1章
第3節
で,卵
形線 に対 し4頂
点定理が成 り立つ ことを示 した。螺 旋 の性質 を利用 す ると,卵
形線 とは限 らない単純閉曲線 について も,4頂
点定理が成 り立つ ことを証明す ることがで きる。
定理 4。2。
1(卵
形線 とは限 らない)単純閉曲線上 には,少
な くとも4個
の 頂点が存在 す る。証明 背理法 に よ り証 明す る。以下
,頂
点が2個
で あ る と仮定 す る。閉 曲線 の弧長 によるパ ラメー タ表示 を γ(s)と す る。2つ
の頂点 をP,の
と す る。 曲線上Pか
ら のへ向か う経路 を γl,の
か らPへ
向か う経路 を 統とすれ ば
,■ ,能
の曲率 は一方が単調増加で他方が単調減少で あるか ら,■ を正 の螺旋
,能
を負 の螺旋 として も一般性を失わない。いまPに
お け るγの曲率 円を θ とす る。頂点が2個
であ る と仮定 した こ とよ りγは円 で はないので,θ
上の点で γ上 にない点0を
とることがで きる。 さらに,この点が原点 にあった として も一般性 を失わない。
ここで T(Z)=ウ のメビウス変換をほどこす と ,T(θ
)は無限遠点を通 る円となるから直線である。直線
rc)は家 P)に おける
roγの曲率円で あることより ,Toγ は安 P)で 曲率が
0になることがわかる。定理
415より To範 上では曲率は単調増加なので
,To範上で曲率は0以 上 ,ま
54
第
4章
螺旋 の大域 的性質た,To範 上 で は曲率 は単調減 少 にな るので,To範 上 で も曲率 は
0以
上 で あ る。 よってToγ
上 で 曲率 は負 にな らな い。 す る とToγ
は卵形線 と な るが,
これ は卵形線 の4頂
点定理134に
矛盾 が生 じる。 よって単純 閉 曲線 上 には,少
な くとも4個
の頂 点が存在 す る。□ 55
56