江差追分の楽譜についての考察
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(2) . 第 18 巻 第 1 号. 北海道教育大学紀要 (第一部C). 昭和42年8月. 江差追分の楽譜についての考察 <音楽鑑賞教育の立場から>. 野. 公. 村. 北海道教育大学岩見沢分校音楽研究室. f ES K6 NOMURA ; A Study on the Score o -oiwake a Shi ”Fro i iation in ・nus tand cal teaching” ‐point of apprec ]m the s. 目. 次. まえがき 第1章 生徒は江差追分をどのように受けと めている力 ) 1 1曲)についての調査 . 鑑賞共通教材(2 2 日本音楽についての調査 . 3 , 共通教材の興味調査 第2章 鑑賞指導における楽譜使用の意味 1 . 「鑑賞能力を高める」 ということ 2 . 鑑賞指導の二面 3 . 楽譜を使用する鑑賞指導. ま. え. 4 . 分解演奏. 第3章 江差追分の分析 1 . 図 譜 2 , 音階と調子 3 . 拍子とリズム 4 . 形 態 第4章 江差追分の楽譜 . 採譜土の問題 .1 2 . 参考楽譜 あとがき. が. き. (日本音楽について). 従来の音楽教育における教材は, 洋楽における古典時代・ロマ ン時代のものが大部分を占め, あ るいは諸外国の民謡が数多くとりあげられていたという実状であり, 日本の伝統音楽 (日本音楽) は あ ま り 注 目 さ れ て い な か っ た と い え よ う, しか し, こ の 注 目 さ れ て い な か っ た 日 本 音 楽 も, い ま. では音楽教育における重要な教材になっていることは言うまでもない. さて, 音楽教育 の中で 「日本音楽」 という言葉 が盛んに使われる の で あ る が, 日本音楽とは, 1 )であり 日本の伝統音楽 と同義語に解訳され ”日本 国民 の文化の歴史に添 って発展 してきた音楽” , ) て い る, こ れ は ま た, 邦 楽 と 呼 ば れ る も の と も 同 じで, 具 体 的 に は 次 の よ う に 分 類さ れ て い る,2 o. 古代音楽と しての雅楽・声明など. c 中世音楽と しての能楽・平曲など o. 近世音楽 と しての三味線音楽・琴曲・尺八楽・琵琶楽など. o. 近代現代音楽と しての新日本音楽o現代邦楽な ど. 以上は歴史的にみた分類でいずれも芸術音楽であるが, このほかに民俗音楽 (郷土芸能ともいえる) - 74 -.
(3) . 江差追分の楽譜についての考察. の中に はいる 「わ らべ うた」「民謡」「里神楽」 などがある,. これ らの日本伝 統音楽は, いわゆる西洋音楽と 「音楽」 という点では同 じであるが, そ の歴史の. 相違か らくる特色が存在することは否定できない,. その特色の最も大きなものは, 総合芸術つまり演劇 や舞踊 と結合された音楽が多く, 純音楽 がき. わ め て 少 な い と い うこ と で あ る,. 次に, 声楽と器楽に分けた際に, その大部分は声楽で, 純粋の器楽は ごく一部にすぎないという. 点 で あ る.. さ らに, リズムや ピッチにおける自由性という点でも許容度が高く, テンポも曲 の途中で臨時に 変化 し, しだいに速くなったりおそくな ったりするものが多いということも特 色と し て あ げ ら れ る.. 本稿 は, 中学校2年の鑑賞共通教材となっている日本音楽の中の民謡江差追分に関する研究であ. る. では, 音楽学習指導要領における中学校各学年の指導目標 の中か ら, 日本音楽に関する指導目標 と鑑賞共通教材の中の日本音楽をとりだ してみよう, 日本音楽に関する指導目標 〔第一学年〕 郷土の音楽や, わが国およ び世界の有名な民 謡, 民族音楽を取 扱い, それ らの違いや共通性を 感 じさ せ る,. 〔第二学年〕. 郷土の音楽, 各種の民謡および民族音楽などについて, それぞれの音楽の特色ある美 しさを味 わ わ せ る.. 〔第三学年〕 時代別および民族別による音楽 の特長や音楽の組立てを理解させ, とくに日本音楽に対する関 心 を 高 め る.. 鑑賞共通教材の中の日本音楽 〔第 一 学 年〕. 春 の道. 々 域 道雄 道雄 宮域. 今. 日本民謡. 〔第二学年〕. 江差追分. 日本民 謡. 越後獅子 (長うた). 杵屋六左衛門. 雅楽 「越天楽」. 古曲 日本古曲. 〔第三学年〕. 様. 以上の日本音楽の中で, 教科書や指導書にまとま った楽譜の示さ れ て い な い教材は第二学年の 「江差追分」 だけである. このことか ら本稿では, 鑑 賞教育の立場で 「江差追分の楽譜」 に関する問題をとりあげてみた,. ) 尚, 「江 差 追 分 の歴 史」 につ い て は 既 に 述 べ た と こ ろ で あ る,3. 第1章. 生徒は江差追分をどのように受けとめているか. ) は 「指導のね らいが どの位生徒の心に定着 し内面化 しているか」「生 ここに掲げる引用資料4 , ,. 徒は日本音楽に対 して, どのような考えをもっているか」 などを知るためになされた 調 査 で あ る. が, この中か ら, 「生徒は江差追分をどのように受けとめているか」 という一面をも知ることがで きると思う,. - 75 一.
(4) . 野. 1.. 村. 公. 鑑 賞 共 通 教 材 (21曲) に つ い て の 調 査. 調査内容 「1年生の時か ら, つ ぎの21曲を鑑賞 してきま したが, あなたがもっとも印象深か った順に5 位まで順位をつけて下さい, かな らず しも5位までつけなくともよい. 1位の曲につい ては理 由をかきなさい」. 対象と方法 00 3 年 生 約 500名 (男30 0 女2 ) 10ク ラ ス, ク ラ ス ご と 授 業 に実 施, ひ と 通 り21曲 を きい て か ら. 調査 した,. 調査結果. 順位. 曲. 名. 男. 女. 計. 1. 中 央 ア ジ アの 広 原 に て. 167. 88. 255. 2. 交響曲第六番 「田園」. 140. 87. 7 22. 3. ボ レロ. 136. 79. 215. 4. 春の海. 5. ガイ ー ヌ. 6. 96. 109. 205. 109. 57. 166. ピアノ ソ ナタ イ 長 調 K331. 66. 61. 127. 7. 皇. 67. 48. 115. 8. あ る 晴 れ た 日に. 61. 54. 115. 9. チ ゴイ ネ ル ワイ ゼ ソ. 66. 46. 112. アル ル の女. 57. 46. 103. 10. 帝. 11. 魔. 37. 37. 74. 12. 動 物 の 謝 肉祭. 41. 26. . 67. 13. 狩 人の 合 唱. 39. 25. 64. 14. バ イ オ リ ン協 奏 曲 ホ 短 調. 30. 32. 62. 15. 越 天楽. 31. 22. 53. 16. 今. 様. 19. 14. 33. 王. 17. 子 ども の 領分. 20. 10. 30. 18. 組曲第二番 「ロ短調」. 16. 5. 2 1. 19. 越 後獅 子. 9. 3. 12. 20. 江差 追 分. 6. 6. 12. 21. 管 弦楽 入 門. 9. 3. 12. 結果につい ての考察 型解されやす ( 1 ) 「中央アジアの広原にて」「ボ レロ」「田園」「ガイ ーヌ」 などのように内容が1 い標 題音楽に関心が深い,. これ らの曲は, 多彩な管弦楽法, 明確な曲の構成, 近代的なリ ズムと音色, 幅広い表現, 民 族性等において深く印象づ け られている.. 2 ) 日本の音楽は, 「春の海」 を除き他の4曲は, いずれも下位に集中 している. (. 「春の海」 については, 標題音楽と しての内容も理解されやすいので好まれている,. - 76 -.
(5) . 江差追分の楽譜についての考察. 日本音楽につ いての調査. 2.. 調査内容 「今様・江差追分◎越後獅子などの日本音楽を学習 して 1. 意 義があった. 2. 意義がなかった. こ れ らの 日 本 音 楽 につ い て, 感 想 文 を か き な さ い,」 対象. 3年生. 結果. 意 義 があ った. 161名 (男96 女6 5 ). 意 義がな か った. 41 ,4% 58,6%. 感想文 (主なもの). ) した しみ にく い. な じみ が な い. 理 解 しにく い. 聞 く 機 会 が な い, よく わ か らな い. ( 1. 2 ) 西 洋 音 楽 と 比 較 して単 調 で あ る, テ ンポ が おそ い, 迫 力 が な い. リ ズ ム が わ か らな い, 一 (. 般にく らい, じめ じめ した感 じかする, 楽器の音が単調で聞きなれていない, 同 じ旋律の反 復 が多く変化にとぼ しい. 外国の音楽のように心か ら感動しない, なるほどと思うかすむ ら しい と は 思 わ な い, 現 代 の 感 覚 に あ わ ない. 何 を 表 現 しよ う と して い る の か わ か らな い.. ( 3 ) 優 美 で 上 品 で あ る, 情 緒 が こ も っ て い る. 奥 床 しい. お ち つ い て い る, 静 か で ゆ っ た り し. ている, 日本の各時代の特徴がよくわかる, 五音音階に興 味がある, 外国の楽器にないす ば らしい楽器 (隼) などがあるか ら, 宮中の雅楽など誇るものがあるから, 日本音楽に しかな い 独 得 の も の が あ る か ら,. 考察. 2 )の者が非常に多か った. これは, 生徒だけでな 1 )と( 以上のような感想文の中で, とくに( く一 一般的に伝統音楽 が現代の社会といかに遊離 していて, な じみがうすいかを示 している. )の文にあるように, 多くの感想は日本 音楽の特色をよくとらえてはいる が, 外国 つぎに,( 1 の音楽 と比較 している点に注意 したい, そ の特色のと らえ方には問題があろうが, それが, 日 3 )のような長 所として理解するものもあるのである, 本音楽の短所としてではなく)(. 3 , 共通教材の興味調査 ) では 「江差追分」 が, 「嫌い」 「わか 静岡県東部の中学校17校における鑑賞共通教材 の興味調査5 , 越後獅子 18%) 「 」 (22%) 39%) らない」 という理由で圧倒的に敬遠され ( , 「越天楽」( , ついで. であり, その理 由は 「テンポ」 のこと, 「歌詞」 のこと,「発声」 のこと,「美を感 じない」「滑稽だ」 などの言葉で述 べていると報告され, これ らの曲をそのまま生徒に与えたのでは, 生徒は理解でき ない も の で あ る, と結 ん で い る,. 第2章 1 ,. 鑑賞指導における楽譜使用の 意味 「鑑賞能力 を高める」 ということ < た だ 聞く だ け で よい のか >. 鑑賞指導にあた って教師 がまずなすべ き仕事は, 教材とする楽曲を十分に研究して, そ の音楽美 の所在や様相を明確にとらえておくことである. - 77 -.
(6) . 野. 村. 公. 次には, そ の音楽美をどのようにすれば児童生徒に感得させることができるかを考えなけれも な らな い ので あ る が, そ の 手 が か り と な る の は, 「音 楽 は 音 の 動 き に よ っ て 美 を 表 現 す る」 と い う 事 実 で あ る,. 音楽は, それ自体が人間に感動を与えるのであるが, 一つの音だけでは何等の意味内容も表わす. こ と が で き な い. こ れ が 高 低 o長短◎強弱など を変えて, いくつか 結合 し, それ が 演奏を 通 して. 「音の動き」 と して表現されると, そこに, ある意味や内容を人に感 じさせるようにな ってくる.. こ の こ と は, 音 楽 が, 楽 音 とそ の 動 き と に よ っ て 美 を 表 現 す る も の で あ る こ とを 示 す も の で あ る, した が っ て, 音 楽を 聞 か せ て そ の 美 しさ を 感 得 させ, 理解 さ せ る た め に は, 楽 音 の 美 しさ と, そ の 動 き を と らえ さ せ れ ば よ い と い う こ と が 一 応 い え る.. しか し, 音 の 動 き は, そ れ 自 体 意 味 を 持 っ て い る も の で あ る か ら, 音 の 動 き を と らえ る と い うこ. と は, そ の 動 き の も っ て い る 意 味 を 感 得 す.る こ と で あ る.. 音 楽 に お け る 「音 の 動 き の形」 は, 次 の よ う に 分 析 して み る こ と が で き る. o 旋 律 リ ズ ム (拍子) o. 和. 声. o. 強. 弱. o. 速. 度. ) これ 以上のような 「音の動き」 をと らえて, その意味を感得する力 が 「音楽的感覚」 であり,6. を 伸 ば し高 め て いく こ と が, ひ い て は 「鑑 賞 能 力 を 高 め る」 と い う こ と に 結 びつ い て い く の で あ ,. る.. 鑑賞能力は, 音楽の美 しさに感動 し反応するよろこ びを体験するこ とか ら出発 し, これ らの音楽 的経験が動機づけとな って, さらに次の段階へと発展して創造的に高め られるべき能力で, 音楽の. 表現活動をもふくめた積極的能力である, した がって, 名曲を聞くことの鑑賞だけによって鑑賞能 力が高まるとは考え られない. む しろ, 歌唱・器楽o創作などの 「表現」 を通 して鑑賞能力の素地 がつちかわれるのである. 2 . 鑑賞指導の二面. 鑑賞指導をする場合, 次の二つの面の指導が考え られる 一つ は, 音楽全体が作る気分的 o 感情的・精神的な面, いいかえれば内容面で の指導であり 他 , 方は, 音楽を構成 しているリズム・拍子e旋律・和声・形式o速さ・強弱・ 音色等の面, いいかえ れば形成面での指導である. 勿論, この一つの面は相伴 って行われるべ きものであることはいうま で も な い.. 鑑賞指導で の重要な課題は, 「形成の美」 すなわちリズム・旋律 o和声などの要素とその構成 の. 美 を 感 得 さ せ る こ と で あ る, そ の た め の 最 も よ い 方 法 は, 実 際 の 演 奏を 聞 く こ と で あ る が そ のよ , う な 機 会 は 少 な い. した が っ て レコ ー ド鑑 賞 が 主 に な る.. 中学生にもなると, 感覚面の発達 はすばらしく, 音を と らえることもすば らしいが, この時代 の 生徒の心理と して, ただ感覚だけによる学習 には 「頼りなさ」 「物足りなさ」 を感 じる傾向がある よ う で あ る. 例 え ば, 「日 本 音 楽 の よ さ は, そ の 味 わい で あ っ て 理 屈 で は な い」 とい え る か も 知 れ. 7 ) 勿論 こ ない が, そこに何か プラスされる理論がなければ, かれ らに受入れ られない面がある, , れは理論偏重ということではない,. 形成面の要素は具体的で客観性が強い ので, そ の指導方法は多く の工夫がなされている 今ここ . - 78 -.
(7) . 江差追分の楽譜についての考察. で, リズムと旋律をとりあげてみると, 常識的に次のような取 扱いが考え られる o 音楽に合わせ て手拍子を打たせる , o. 音楽に合わせ てリズムを打たせる.. o 音 楽 に 合 わ せ て, あ る い は 必 要 な 部 分 を と り 出 して リ ズ ム 唱 を させ る o o. 音楽に合わせて, 指揮のまね・摸擬演奏などの身体反応をさせる. 旋律を口ずさませたり, 楽器で演奏させたりする,. 3 , 楽譜を使用する 鑑賞指導 楽曲をただ聞く だけでは, 形成面の聞きとり・聞きわけがなかなか難 しいものである.. しか し, 楽譜 を み る こ と に よ っ て, 旋 律 の 流 れ や 音 の 動 き を と らえ る こ と が で き, 楽 譜 を 追 う こ. とによって次の音への期待ももてる し, 曲全体の把握, 演奏者の違いによる表現 の違い, 声部や楽 ▼ 器の種類などにまでも, 考えを進めることができよう. 又, 楽譜を通 して聞いた音の動き, 旋律の 流れなどは, 表現活動にも大い に生かすことができるのである. 音楽を聞い て 「わかる」 ということは, 音楽を形 づく っている美的要素が, 共感をもって, 聞く ) といえるが 音楽をより深く 味わ って鑑 賞 者の心の中で再創造の形で受入れ られることである,8 , す る に は, そ の 曲 を 自 分 で 演 奏 す る の が い ち ば ん よ い,. しか し, す べ て の 曲 を 自 分 で 演 奏 す る こ と は で き なし・ , だ か ら, そ の曲 の主 要 な 旋 律 の 一 部 を 口. ずさんだり, 手近かな楽器でひいてみることは, 曲全体がどのように展開されていくかを理解する 糸口と して, 容易かつ効果的な方法であ る, 0曲にはこの効果的な方法が適用されるが, 江差追 分だけ 1曲) の中で, 2 中学校鑑賞共通教材 ( 2 ) は旋律の複雑性や適当な楽譜の明示がないなどの理由で, 指導面の困難性が指摘されている,9 旋律を口ずさんだ り 楽器で演奏 したりする時に, その楽曲 の楽譜の必要性がでてく る の で あ る が, 楽譜を使うとい うことは, あくまで形成面指導の一方法であり, 楽譜を通 しての形成面の読み と り が 感 覚 に 生 か さ れ, そ れ が 鑑 賞 の 一つ の よ り どこ ろ に な らな け れ ば な らな い.. しか し, 楽譜使用の効果をあ げるためには, 生徒の読譜力をつけなければな らないことは勿論で ある し, あまり専門 的な複雑な取扱いや, 単なる分析に終るようなことも避けなければな らない, 4 , 分解演奏 鑑賞の指導で主要な旋律の一部を口ずさんだり, 楽器で演奏 したりする方法は効果的であると述 べたのであるが, 主要な旋律 の一部に限らず, このような分解演奏はどのような効果をもたらすか 考 え て み よ う. o 一 つ の 旋 律 の ま と ま りを 感 得 さ せ る と, そ れ と は 異 な っ た 他 の旋 律 の ま と ま り も. , か な り正 しく と らえ る こ と が で き る よ う に な る, 旋 律 の ま と ま り を, ピ アノ や オ ル ガ ンな どで 印 象 的 に 回 を 重 ね て 聞 か せ る こ と に よ り, 異 な っ た 旋 律 を も 正 しく と らえ る こ と が で き る よ う に な っ てく る,. o 主 題 を 口 ずさ む こ と に よ っ て, そ の 曲 に い っ そ う 愛 着を 感 じさ せ る . o. 主題旋律の反復・再現に気づかせる,. o リズムの変化や旋律の反復◎模倣 ◎ 発展と変化・対象と統一の美 しさ等を感 じとらせる. o. o. 和声の美 しさを感 じとらせる.. 楽器の種類と特長をとらえさせる. - 79 -.
(8) . 野. 公. 村. しか しな が ら, こ こ で 次 の よ う な こ と に 留 意 しな け れ ば な らない.. 楽曲のある一部分をとり出 して生徒に与えるのであるが, どんな小部分をとり出 してみても, そ. れは, 全体を構成するための必然か らそこにあるので, その部分に意味を 与えようと しても, それ だけでは意味をもち得ないというこ とである, 即ち, 楽曲を分析するということが, ともすると,. 無意味な, また無価値なものに なるおそれがあるということである,. そ の 部 分 が, 全 体 の 中 で ど の よ うな 役 割 で, ど の よ う に は た らい て い る か とい う こ と は, 実 際 に. その音楽全体の流れの中か ら汲みと らなければな らないものである, 分析は, 常に全体の構成を背景と して行なわれなければな らない し, かりに一部を取りだ したと しても, それは結合されて, ふたたび全体の中に組入れな ければな らない, 全 曲 鑑賞. (曲全体の流れや特長の把握). 11. 経. .マ. 分 解 演奏 に 111. 過. よる鑑賞. (意識化・分析化). IY. 全 曲 鑑賞. (分析した内容の位置づけ・曲 全体の流れの中における分析内. 容の把握) 江差追分の分析. 第3章 1,. 図. 譜 1の. グレゴリオ聖歌を集成 した西ローマのグ レゴリ ウス大教皇が教会音楽学校を始めた頃は, まだ楽 譜が使われていなかった. しか し, 記憶だけで音楽 (聖歌) を伝えたのでは, 長い年月 のうちに自 .しまう訳である, 然と変化する し, 場所 がち がえばそう した変化は一増大きな差を生 じて ら て正確に音を書きとどめる必要か ても楽 どう 譜を使 そこで, し っ , カ トリ ック 教会の音楽家た l ) とい う 符 号 を 使 い だ した ち は, 9 世 紀 頃 か ら, 不 完 全 な が らも 「ネ ウ マ」 Neumal .. 江差追分も, 口承という方式に よって伝承されてきたのである が, それを担 った人たちは, やは り, 江差追分を楽譜に書きとどめようと努力 した の で あ る. その現れ が今日に残された図譜であ る,. ) の記譜法をとっ たものと考え られる. 5 図譜は中世歌謡の神 楽歌・僅馬楽等1 催馬楽の譜は, 音階名の宮・商・角・徴・羽 (次項音階と調子参照) などを用いて音の高低だけを. 表わすものである が, 近世にな って, 文字に大まかな声の抑揚を示す曲線を添えて, 歌詞の左側に 記 す よ う に な っ て い る. (譜2). 江差追分の尺八分譜 (譜1) を催馬楽譜の手法で記譜 したもの が図譜 (譜3) であると考えられ. る が, こ れ は, 音 の高 低を 表 わ して い て も, 音 の 長 短 (リズム) は表 わ さ れ て い ない.. )現在残されている古い ものは, 大正 6 .1 図譜は, 明治44年平野源三郎が考案 したとされ ているが, ” 9年村田弥六の 「村田式図式音譜」 ) である.. - 80 -.
(9) . 鞠 久 紬 爺孔亀 川 舟朝 副均 江差追分の楽譜についての考察. 前肌. 3 ) 譜 2 催 馬 楽 譜1. 2 ) 譜 1 前歌の尺八譜7. も艶. . ・. . ‐. . 0. . 1る i D鮫 ノ. . .. . ・. . ・. . ・ .. . ‐. . 4 ) 譜 3 前 歌 の 図 譜1 一. 節. ニ. 節. ミ ニ ー 2 . 音階 と調子 ILa s i の七段階があるが, 日本音楽は洋楽 洋 楽 で は, 一 オ ク タ ー ブ の 間 に DO Re Mi Fa so. と 異 な り, 一 オ ク タ ー ブ の 間 が 五 段 階 に 分 け られ, 宮 (き ゅう) , 商 (しょう) , 角 (かく) , 徴 (ち) ,. 羽 (う) の階名 がつけ られている. した がって, 洋楽を七音音階と呼び, 日本音楽を五音音階と呼 んで い る の で あ る, こ の 一 つ の 音 階 を 楽 譜 の上 で 対 照 して み る と次 の よ う に な る-. - 81 -.
(10) . 野. 村. 公. 譜4 洋 音 階 と 日 本 音 階. .. DO. Re. 羽. 宮. 質. Fa. 商. So I. La. 角. 徴. S i. Do 羽. 日本の音楽では, 調子や調号につい ての一般的な約束がないので, ここでは, 江差追分の調子 ・. 8 ) を と っ て みる 調 号 を 求 め る の に 次 の 方 法1 ,. 洋楽では, ある音楽の主音(長調ではDo ) の位置によ って, その音楽の調子がわかる. このことを 9 ) を見つければ, 江差追分 江差追分にあ て はめ てみるのである. 即ち, 江差追分の主音 (Do=羽)1 の調子がわかるという訳である.. 江差追の旋律の中か ら異な った一つ一つの音をとりだ してな らべると, 「譜5」 のような音列 が. 0 ) で き る,2. 譜5 江 差 追 分 の 音 列. 羽. 宮. 商. このような音列の中か ら, 「羽音」 を見つけだせば調子が判明するのであるが, 江差追分の 同ョ」. は 「変 ロ」 に あ た っ て い る こ と が わ か る,. その理由を述 べて 教よう, 「譜5」 をみると, 音が音階的に連続 して配置されているのであるが,. 「変 ロ . ハ ・ 二」 の 三個 の 音 の連 続 と, 「へ ・ ト」 の 二 個 の 音 の 連 続 が 見 られ る,. 「譜 4」 の 音 階 で は, 三 個 の 音 の 連 続 が 「羽 ・ 宮 ・商」 と な っ て い る の で, これ を 「譜 5」 にあ. て は め る と, 「羽 o 宮 ・ 商」 は 「変 ロ 9 ハ ・ 二」 に な る.. 以上のことか ら, 江差追分の 「羽音」 は 「変ロ音」 にあたるので, 調子は 「変ロ長調」 となる, 3,. 拍 子 と リ ズム. 拍 子 は 「拍」 が 問 題 と な り, リ ズ ム は 拍 の 中 の 分 割 (分割しないもの, 2等分するもの, 3等分するも. の………)が問題となる. 即ち, 拍子は音の強弱 (強拍, 弱拍) の組み合わせ, リズムは音の長短の組 み 合 わ せ (この中に要素として強弱も入ってくる) が主体となる,. 民謡の拍子やリズムについて考えてみると, 三味線や太鼓の伴奏を伴わないものの 大部分は, 明 確な拍子やリ ズムを持たない場合 が多い. るものを除いて, その使用目的や郷土性か ら遊離 しないで, 真の 労働や踊 りと密接に結 ばれてい・ - 82 一.
(11) . 江差追分の楽譜についての考察. 民衆の生活の中で歌われている場合には, 非常に自由なリズムで歌われ, 小さな拍節の単位に分割 1 ) す る こ と は 難 しい も の で あ る.2. 江差追分は労働の歌でない か ら, 仕事のリズムに合わせて歌うものなどと異なり, リズムは明確. 性 を 欠 き, 感興 に 任 せ て 比 較 的 自 由 に 歌 わ れ て い る, 更 に, そ れ が 非 常 にメ リ ス マ (Me l i sma-声楽 における旋律の装飾) 的 で あ る,. しか し, 自由なリ ズムで歌われるということは, 言葉の各音が決定 した音符価値をもたないとし、. うことであるが, すべて無制限で歌われていたというわけではない, 江差追分では, メリスマを 「振 り」 と呼ぶ. 現在行われている振りは複雑であるが, 昔は比較的 簡単な規範で行われていたようである, 2 ) は 「振 り の 唄 い 方」 2 3 ) で次 のよ うに述 べ てい る 三 木 如 峰2 , ,. 4 )であ って 本唄の三節及び六節の四段下りの振 りは前振り 「正調追分の振 りはすべて三つ振り2 ,. 2 )と し 他 は 全 部 後 振 り を 以 っ て 唄 う べ き も の で あ る 」 - 譜6 参照 5 , ,. 譜6 本 歌 3 節 の 図 譜. 樵‐繍 び) ‐僻希焔も‐ 赫オ ー 榊才 一 新 一 4,. 形. 端. 薪. 態. 江差追分は, 通常前歌 (まえうた)・送り螺子 (おくりばやし) o本歌 ○まんうた) o 後 歌 (あとうた) の順序で, 尺八伴奏 (三味線伴奏もある) によ って演奏されるが, 元来この歌は, 本 歌だけ しかなか っ た も の で あ る,. 7 )三味線伴奏がつけられていて 歌のリズム この歌が信濃の追分宿で信濃追分と呼を れに頃は,2 , も比較的明確であ ったと考えられるが, 江差に伝え られ変化を重ね る う ち に, リズムは自由にな り, メリスマも複雑にな ってきたので, 三味線は, 江差追 分の伴奏楽器と しての価値がうすれ こ , れにかわ って登場 してきたのが尺八である. しか し, 尺 八 の 出 現 に よ っ て こ そ, 江 差 追 分 の リ ズ ム は, よ り 自 由 に な り, メ ロ デ ィ ー は よ り , 8 ) メ リ ス マ 的 に な っ て き た と 考 え られ る の で あ る.2. 明治21年. 明治2 3年 明 治36年. 小路豊太郎が尺八伴奏を創案 した,. 島田大次郎が前 歌をつけた,. 各 派 統 一 「正 調 追 分 節」 が 確 立 さ れ た. に れには前歌がつけられていない),. 大正7年 三浦為七郎が後歌をつけた, 前歌は, 本歌を歌う前の声な らしのためにつけ られたものであるといわれているが, 尺八による 前吹き (前奏)’と してつけ られたのが始ま りのようである,. 送り螺子については, 由来は不 明であるが, 昔は本歌の後に三味線や尺八で演奏されていたもの が, 今では, 前歌の後に演奏されるのが通例 になっている.. 後 歌 は, 前 歌 の 後 半 を そ の ま ま も っ て き た も の で あ る (清水きょにょれば, 大正1 5年頃は, 後歌のかわ (しんな を歌うことも行なわれて うであ りに新内 い) いたよ る).. - 83 -.
(12) . 野. 公. 村. 「ソ ィ 掛 け」 に つ い て. 前歌, 本歌, 後歌それぞれの歌い始めと, 各節の切れ目に 「ソ ィ 掛け」 が行われる. これは, 螺子言葉, かけ声, ソェ 掛けなどという名 称がつけ られている が, 江差地方では 「ソ ィ」. と 発 音 さ れ て い る の で, 通 常 「ソ ィ 掛 け」 と 呼 ば れ て い る,. これの語源につい ては, 次のようにい われている. 9 2 J 江差追分 が本歌だけ しかなか った明治の中頃は, 歌の後に,次のような螺子がつけられていた, 真 媒 百でバ ッタパ タ. ハ ーソ ィ. ァ ブ ラコ 鮮. ハ ーソ ィ. 売 って 媒買っ た馬鹿イ サバ. ン ィソ ィソ ィ. 呑 ん でく だ ま き ゃ 尚 可 愛 い. こ の 難 子 の 中 の 「ソ ィ」 と い う 言 葉 が, 現 在 の 「ソ ィ 掛 け」 と して 残 っ て い る. ェ ソ ェ」 しか し, これ と 別 に, 信 州地 方 で 馬 を 後 か ら追 う 時, 右 へ 向 き を 変 え さ せ る か け声 は 「ソ. て が これ 「ソ の ソ で あ 」 「ヘ ヘ ソ」 ッ ッソ っ , ェ ェ で, 左 へ 向 き を 変 え さ せ る か け 声 は , 現在 ) 0 行 わ れ て い る 「か け声」 で あ る と もい わ れ て い る.3 「ソ ィ 掛 け」 は, こ れ を 受 持 つ も の が, 歌 の 始 め や 節 の 切 れ 目 で, 拍 (はく) を 数 え て や る こ と で 1 ) あ り, こ れ に よ っ て, 歌 い 易く な る と い う 意 味 が あ る,3. 「ソ ィ 掛」 に は, 一 声 掛 (ソイ) 、 二 声 掛 け (ソイーソイ), 三 声 が け (ソイ.ソイーソィ) が あ る.. 第4章 1,. 江差追分の楽譜 採譜 上 の 問 題. 江差追分は, 自由なリ ズムで歌われているということは前述 したのである が, この歌には, 単純 な拍子とい う意味での拍節法 が存在 しないと 考え られる. だか ら, 無理に何拍 子かに分割すると, 本来のいきいき した旋律 が殺されて しまう お そ れ が あ る.. も し、 洋楽一般に行われているような, きちんと した拍節に分 割 して記譜する とすれば, 各音符 の時価に多小の増減を加えな ければな らないであろ う し, ま た, 小節の第一拍 (おょび第三拍) に. は, 通 常 強 い ア ク セ ン トがく る か ら, 江 差 追 分 の もつ の び の び した リ ズ ムを 寸 断 し, 型 に は め て し. まう危険性 がでてくる.. しか しな がら, 今ここで 求めようとする楽譜は, 現存する 民俗芸能保存のための忠実な記録と し 1 ) 参照 ての楽譜ではない, --記録としての楽譜3 求めるものは, 鑑賞指導の効果をあ げるために, 旋律を口ずさませたり楽器で演奏させたりする ことのできる単純 化されたメロデ ィーの骨組であり, それはまた, あ らゆる検討を加えた結果の平. 易な楽譜である. 2 . 参考 楽譜 かつて筆者は, 追 分師匠 数人の歌を数多く テー プに採録 し, 師匠連の意見もいれて採譜編曲 し, 2 3 ) その中か ら 「本歌」 の楽譜を発表 した. だけ原曲に近 づけるような 今回は, 前歌, 送り ,螺子, 後歌をもつけ, 全曲を加筆補修 し, できる 4 ) ) 3 3 配慮を してま とめた楽譜 を次に掲 げてみる. また同時に, 中学生にあたえるための適無な解説3 も掲げてみよう.. - 84 -.
(13) . 江差追分の楽譜についての考察. 〔解説〕 江 差 追 分 に つ い て. 中仙道の岐路確氷峠で発生 した馬子歌が, 麓の追分宿で芸者達に歌われる うち 人々はいつかこ , の歌を追分節と呼ぶようになりま した,. この追分節は信濃追分ともいわれ, やがて旅 人達によ って北国の越後 (新潟) に 伝 え られ る と , ここでは越後追 分と呼ばれ, 更にこの歌 は, 船乗り達 によって越後から北海道に伝えられて 今の , 江差追分となりま した. 昔, 北海道は蝦夷地と呼ばれて松前藩の統治下にあ っ たことか ら この歌は 蝦夷追分 松前追 , , , 分などとも呼ばれていま した, しか し当 時本州との交通の最も盛 んだ った江差が この歌発展の中 , 心地 で あ っ た た め, 人 々 はい つ か こ の 歌 を 江 差 追 分 と 呼 ぶ よ う に な り ま した ,. 江差追分は, 前歌, 送り螺子, 本歌, 後歌か らできていますが 明治中頃まで は本歌だけ しかな , く, その後, 前歌 や後歌, 送り螺子などもつけ られ, 更に尺八の伴奏もつけられるようになりま し た.. 「忍路高島 およびもないが, せめて歌棄磯谷まで」 は 古くか ら歌われている本歌の代表 的な歌 , 詞です, こ の 歌 詞 に つ い て 説 明 しま し ょ う ,. 江差の歴史は漁業の歴史 といわれ, 江差の人 たちの生活は 膝漁の上に築かれて きた とも ,. い わ れ て い ま す.. と こ ろ が, 今 か ら170 年 程 前, い ま だ か っ て な い 凶 漁 に み ま わ れ 全く 鯨 の とれ な い 年 が , 北海道西南部 何 年 も 続 き, 鯨 漁 に 生 活 を ゆ だ ね て い た 江 差 の 人 々 は, 非 常 に 苦 しみ ま した ,. 神. 踏. ◎. 霧島 ◎. モ. ;. ◎ 磯. 藁. 岬. 谷. 練が北上 し, 場所(漁場)がゴヒヘ北へと移るため 江 ,. 差 の 漁 民 は, 追 練 (おいに しん一遠くへ出かけて錬をとる ). 漁にたよるほかあ りません. 江 差か ら北 へ 歌 棄 ・ 磯谷 あ た り ま で を 近 場 所 そ こ , か ら北 へ 忍 路 ・高 島 あ た り ま で を 遠 場 と 呼 び 江 差 か ,. ら遠くへ行けば行く程練は多く とれるので した ・. しか し, 松 前 藩 で は, 高 島あ た り ま で の 追 鯨 を 許 可. したのですが, 漁船の使用を制限 し 追鯨漁民には , ,. 5 )の 使用 しか 許 可 しなか た の で 遠く 小 さ な 船3 へ出 っ ,. 漁する時は, 途中のモ ッタ岬 や神威岬 の通過が非常に 危険で, 全く 命がけの航海をせねばなり ま せ ん で し た. 蓬. この歌は’ その頃の江差漁民が 凶漁の苦 しみや追 , 腺への願い を歌ったもので, 詞意は次のようです , 「江差の海では全く 鯨がとれなく なって しま った , 遠くコヒヘ行けば行くほ ど陳は多くとれる のだが 途 , m 中のモ ッタ1 pや神威岬を小さな船で越えるのは非常姿 - 85 -.
(14) . 野. 村. 公. 困難である.. 忍 路 ・ 高 島 (遠場所の最遠地でこのあたりの最良港) ま で 行く の は 容 易 で なし・が, せ め て, モ ッ. タ岬を 越 え, 歌棄・磯谷 (近場所の最遠地で追鯨の寄港地) あたりまで行 って, 少 しでも鯨をと っ て き た い も の だ,」. (前歌) 荒 海 に 船 出 す る 遅 しし・男 た ち の 心 意 気 と祈 り を 表 わ し, 伴 奏 の 中 に, ド ドー ソ. ド ドー ソと. 船端をたたく荒波が表現されています, (送り螺子) この螺子は, 遠く 追陳に旅立つ男たちの壮行に鏡 け られます, (後歌) 江差の浜か ら男たちを送り出 し, 後に残った女や子供老人たちが, 男たちの無事帰還を祈る 気 持 を 表 わ してし・ま す.. あとがき 家元 制度のなかで限 られた人たちによって受継 がれてきた江差追分も, 昭和38年度から, 中学校 2年の音 楽鑑賞共通教材と して義務教育の場に躍りでたのであるが, 爾来, この教材につい ては, 「どのようにすれば生徒は受入れるのか」「どのように取扱うのが効果的なのか」 などと苦 しんでい る現場の先生 が少くない. この現状に立脚 し, 次のような焦点をもって本稿をまとめた, ) 音楽鑑賞指導におい て, 楽譜の使用は, 指導上効果的である. ( 1. ( 2 ) 生徒の江差追分に対する理解度はうすく, これを補うための楽譜使用が必要であるにも かかわ らず, 教科書や指導書には, まとま った楽譜が示されていない, ( 3 ) 旋 律 を 口 ず さ ん だ り, 楽 器 で ひ い た りす る た め に, 全 曲 に わ た っ てメ ロ デ ィ ー の 骨 組 み を 採 譜 編 曲 した.. 4 ( ) 取扱い上の利便か ら, 伴奏譜を作 製 した, 現場に於 て音楽鑑賞指導の実践にあた っている先生方に, 本 稿 が参考資料 と して少 しでも役立つ な ら甚だ幸である.. 最後に, この研究のために, 特に貴重な資料や意見をあたえて下された追分師匠千葉北洲先生, 国原洲月 先 生, 吉田洲鵬先 生に深く感謝申 し上げる. 1967. 2, 20. - 86 -.
(15) . 江差追分の楽譜についての考察. 江 )廟 圭 4 もと-. 追. 差. 8 )E1髪 表 櫛 ≧充ちて く」 $8位). ・. 分. 野村泉公 採.編 ”… ハ. が… (. 前 歌〕力狭く. - #認弐 一 --- . ・ .. //〆. -. うき. よ. ま -. /÷. る ‐ ‐ - ー「 8. - 87 -. に. 〆 し. ・ ゎ. ひが. ・ノ し. が -.
(16) . ,. 〔送り螺子〕 少いコずん. 野. 村. 公. (」=80位). -””ず .・ .・ ・…----”- “ --”-. - - ” -- ↓ ------- -”→-- - ‐”- ‐“-- “”- 8… … …--‐… … … ”- -”-“・. ざ のe :- -. (町. 1 . 、. - - -. ’. .”ト.-. ・. ‐ - - ・ - -糖‐冊一冊★.------冊一. -. --晴目.- 平一--一冊鴫--・”- . ≠柵.・槽 , ‐ . ・胃 ・ ‐ ・一・晴.r.・ - - . ‐.‐”.-. . ・ - ・ . . ・ ▼. - 88 -.
(17) . 江差追分の楽譜についての考察. 体 歌〕 悲 調 飼って. よ. び. 一. 考. -. ー 89 -. -. オ) (. な.
(18) . 野. 村. 公. を. そ. ぎ. -. ま. --. -. ) (ア. /{ /. - 90 -. -. -. で. -.
(19) . 江差追分の楽譜についての考察. 〔後 歌〕 魁ぃをごめて (J 締 め. \\\. 後. 浜 垂. をこ く. や 思 真蚕. 来 夜ょ て. い を. ば 波. め. . 砂ご に. て. お. で. が. た だ. . は て. な い. 海 原. し・. 東 か. の り. は し. 船 は. ャ ソ. 波 の ネ. 浮 世 丸. ノ エ l. も. - 91 -. 別 荒 い 波風. 西. 路圭. 奉書 謡曇. . ′ 、 ) ′. . . - せ. の. ノ. ら. サ. も とより. 江 差 追 分. か く ご. ヂ ′ ● 、 ● ′ ● ′ 、 ● ′ ・ 、 ′ ● < 、 . ● ′ ● ● ● ● ノ.
(20) . 野. 公. 村. (註) 96頁. 1 ) 東洋館出版社:音楽教育辞典 2) 同. 上. :同. 上. 9) 同. 上. :同. 上. 66頁. 3 ) 北海道学芸大学紀要第15巻第2号 4) 音楽の友社 :日本の音楽教育65 5) 同 上 :同 上 6) 東洋館出版社:音楽教育辞典 7) 音楽の友社 :日本の音楽教育65 40年7月号) 8) 同 上 :教育音楽増 刊号 (. 9頁 3 9頁~5 14頁 1 70頁 (この調査における対象, 方法な どの発表はない) 82頁 38頁 2 95頁 96頁. 0年頃 10 ) 西紀59 11 ) 教会礼拝用書の言葉の上に莫然とした符号を書いた 12 ) 京文社 :日本音楽の研究 (田辺尚雄) より 13 :同 上 )同 上 4) 小島大盛堂 :江差追分節撰集 (清水きよ女) より 1 5) 民謡が雅楽の影響で歌曲となったもの 1 44頁 16) 金門堂 :正調追分節 (三木如峰) 17) 小島大盛堂 :純粋の江差追分節 (村田弥六) に掲載されている 2 6頁 18) 音楽の友社 :日本旋律と和声 (坊田寿真) 19) 坊田寿真によれば, 日本音階の主音は宮音であるが, この場合便宜上羽音としておく 20 ) 譜5の音列は, 「1尺8寸のウラ」 といっ て, 1尺8寸の尺八で, 実音より完全四度低く演奏した場合 の音列である. 初心者には, この音列 (音域) が多く用いられる. 尺八の種類 (長さ) によっては, 江差追分の音域が次のようになる. 1尺8寸. 尺1寸 2. 寿. ≧ゴ. 21 ) 音楽の友社 :日本伝統音楽の研究 (小泉文夫)65頁 22 ) 平野源三郎派家元で, 著書 「正調追分節」 がある 101頁 23 :正調追分節 (三木如峰) ) 金門堂. - 92 -.
(21) . 江差追分の楽譜についての考察. 瀞 三つ振りの「前振り」を記譜すると次の 蹴 こなる, 11. .. 2 6 ) 金門堂 :正調追分節 (三木如峰) より 751~1 771 2 7 1 ) 以降し ) 宝歴, 明和 ( 28 尺八の奏法そのものがメリスマ的である ) 87頁 29 :正調追分節 (三木如峰) ) 金門堂 “月) 1 9頁 30 ) 全音出版社 :江差追分 (国原汚 リ 31 “鵬 (岩見沢) の歌を, 採譜したものである ) 次の楽譜は, 吉田マ. 江 差 追 分 本 歌 謡繋嚢. . . rソ )お L よ ィー ソ ィ ィ・ ソ. . - - … ・ ‐ - --… - - --- ‐ ‐ - - -- - -ろ. 4 一 もご i 千. . . . β “. bb 倖. . メ ー i. . . 器. .. ー. , 、-. .. . . ,. ( ソi を ま. 手 y Eご ,. ・.. ォ ( ). ( i E. . . . , 獣 メ 』 一日f β 穆ぬF i. . . ,. 山. , ,. 6 \. ⑩ 会. . ヒ {. △. . ザ 圭 一Jメ 自 宅Fi i 芋 甲 ). 恥F F三貫 、. “ D S .. 32 7頁に掲載されているが, この楽譜の調子は, 採譜時の音をそのまま ) 北海道学芸大学紀要第15巻第2号5 五線上に記載したものであり, 拍子は, できるだけメリスマを生かそうとして%としたものである, し かし, 音階論, 旋律論からすれば, i 1ず .・ ズ Jし ヲ メ られる. 3 3 生徒にあたえるのはメロデ ) ィーだけでよいと思うが, 歌唱のために伴 奏を考えてみた前歌だけを単独で 取扱うならば, 低く 移調することも可能である. 34 ) 江差追分の歴史は, 大体本歌の歴史であると考えてよいが, 本歌の歌詞 (忍路高島) についての解訳は 創作や伝説によるものがいろいろある, ここに掲げた解説は, 追陳説 (仮称) をとった私見である. 35 ) 乗替船 (梁5尺4寸~6尺) , 図合船 (同6尺~8尺) の ・舟を使用していたが追陳の遠乗りに適せず, 1 甲の通過は, 非常に難儀であった, 後に中道船 (同8尺~9尺) が許可されたが, この船で神成1. -北海道漁業史より. - 93 -.
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Bでは両者はだいたい似ているが、Aではだいぶ違っているのが分かるだろう。写真の度数分布と考え
これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,
共通点が多い 2 。そのようなことを考えあわせ ると、リードの因果論は結局、・ヒュームの因果
とディグナーガが考えていると Pind は言うのである(このような見解はダルマキールティなら十分に 可能である). Pind [1999:327]: “The underlying argument seems to be
「欲求とはけっしてある特定のモノへの欲求で はなくて、差異への欲求(社会的な意味への 欲望)であることを認めるなら、完全な満足な どというものは存在しない
能率競争の確保 競争者の競争単位としての存立の確保について︑述べる︒
2) ‘disorder’が「ordinary ではない / 不調 」を意味するのに対して、‘disability’には「able ではない」すなわち