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不適応感をもつ児童のロールシャッハ特性 : クロッパーの自我の強さの測定法の適用

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(1)Title. 不適応感をもつ児童のロールシャッハ特性 : クロッパーの自我の強さの 測定法の適用. Author(s). 鈴木, 正義. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 17(1): 42-53. Issue Date. 1966-06. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4543. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 第 17 巻. 第1号. 北海道教育大学紀要 (第-部C). 1年6月 昭和4. 不適応感 をも つ 児童 のロー ル シャッハ特 性 -- クロ ッパーの自我の強さの測 定法の適用 -- 木. 鈴. 義. 正. 北海道教育大学函館分校教育心理学研究室. ldren i SUZUK工: R0rschach Characterisdcs of Chi M[ asayosh i 1 th Fee ngs of M[aladjustment wi ’ l f ing sca 1 i i f K oP er e of Ego Strength --- 1 s Rat 一一一 APP cat on o. 1.. 題. 問. 現在, ロールシャッハ反応の解釈に関する十分に信頼できて一貫 した理論体 系は存在してい な. い が, K1 opfer ら (1954, 1956) は,. i ogy) c ego psychol 精神分析的自我心理学 (psychoanalyt. を理論的枠組と して, p‐ルシャッハ反応の解釈の理論体系を確立しようと企てている. この企 l f ) に関心を持つ臨床心理学研究者の興味をひきつ けるもので e s ては, 自我 (ego) または自己 ( あ る,. Rogers (1951, 1959) は, 個 人 の 意 識 さ れ た 水 準 に お け る 行 動 は, 主 と して, 現 実に つ い て の. 彼の知覚によっ て決定される と主張する. そ して, 最も安定し, 最も中核的な知覚は, 自分につ l f) と 呼 ん で い る, 詳 しく 言 えを , 自己概 い て の知 覚 で あ っ て, こ れ を自 己 概 念 (concept ofse 念とは個人が行なう自分の特性, 能力, 態度, 欲求な どについての知覚 と, 自他の関係について. の知覚と, それ らに附随している価値とか ら構成されている体制を指す. つまり, 個人が意識さ れた水準で採用 する行動の大部分は, この自分についての意識 の体制である自己概念と首尾一貫 していると, 主張 している, この自己概念を維持し, 防衛 し, 自己概念と一致した行動の生起を l f actualizingtendency) と 呼を れ, この傾向は, 全体 e s 規定する 心理的機能は, 自己実現傾向 ( l i i t ua z ngtendency) の 下 部 組 織 と し c と しての有機体を維持 し, 成長させようとする実現傾向 (a 965) が考察しているよ うに, 自己概念は, 個人がそれを通して て位置 づけ られている. 鈴木 (1 経験を処理する対象であるのに対 して, その対象に向 かう主体的機能は, これ ら2つの傾向とし て 把え られているものの, その機能についての分析は十分では ない. i l 960) は, 自我を, 内容か らと らえた自我と, 構造か らと らえた自我とに区 最近, Ko r c ・ n (1 分して論 じている. 前者は, 価値観, 態 度, 意識された欲求, 目標, 理想の統合された もので, パ ー ソ ナ リ テ ィ 体 制 の 中 核 と も 言 う べ きも の で あ る, こ れ は, 個 人 が, そ こ か ら自 分 に つ い て の i t dent i i ty) と 時 間 的 連 続 感 (cont nui y) と を 得 て い る と さ れ て い る も ので あ る. こ れ は 同一感 (. f l ) と呼ぶ べ きものとされている, 構 豊 Korchin に よれ ば, 自我 ( e s ego) と呼ぶよりも, 自己 ( か らと らえた自我とは, 経験を統合 し, 知覚 し, 記憶 し, 計画 し, 行動を統制する能力である. - 42 -.

(3) . 不適応感をもつ児童のロール シャッハ特性. 自我の強さとは, このような諸機能の適切性, 健全性を指すとされている . in の言う内容か らと らえる自我は Kor ch , Rogers の言う自己概念に相当すると考えることが. できる, この意味の自我は, 内省によってと らえ られる自己, あるいは, 知覚された自己であ っ て, われわれは, 一般に, 質問紙法によっ てそれに接近することが可能である ま た 構造か ら , , とらえる自我は, 精神分析的自我心理学の言う自我に相当し, 主体的諸機能として把握されるも ので あ る, こ の よ う な 構 造 と して の 自 我 へ 接 近す る 1 方 法 と して, わ れ わ れ は ロ ー ル シ ャ ッ ・ , ・ テ ス トを あ げ る こ と が で き よう. ロ ー ル シ ャ ッ ハ ・ テス トの 施 行 事 態 に お い て 被 験 者 は 自 , , 分に つ い て の 内 省 を 行 な う こ と なく, 自 分 と は無 関 係 なイ ンク ・ プ ロ ッ トを 対 象 と し パ ー ソ ナ ,. リティ の諸機能を活動させる, したがって, 検査者は, 外部的準拠枠か ら, 被 験者 の パーソナリ テ ィ の 諸 機能 へ 接 近 で きる こ と に な る.. ロールシャッハ反応を自我心理学へ関連づけて解釈 しようとする種々なる試みは, 精神分析的 自我 心理学の立場に立つ臨床心理学研究者によっ て, 精力的に行なわれている (Scha f e 1954;. l l Ho t tand Hav l 61 ) が, 自我の強さの 実際的測定法の試案としては, K1opfer 9 e ,1 ,1960; Ho (1951) が, 「ロー ル シ ャ ッ ハ予後評定尺度」 (Ror i schach Prognosdc Rat ng Scal e . 以 後 R.. P ung , R,S, と 略 称 す る) を 提 出 して い る. R. P. R.S, は K1opfer が, 自我心理学, 就中, J ,. C , の自我理論に根拠を置いて, 自我機能を表わすと推定されるロール シャッハ指標を集め, ,G 予後評定を目的として作製 した尺度である. 彼は, 患者が心理治療過程において どれ程利用 でき. る自我の強さを有 しているかを知ることによっ て, その患者の治癒可能性を予測で きると主張 し て い る. した が っ て, R, P, R.S 1 )現 在 の 適 応 水 準, . に よ っ て 評 定 しよ う と して い る も の は, (. すなわち, 患者が現在利用 している自我の強さと,( 2 )適応潜在力, すなわち, 患者が未だ利用 し てい ない潜在的自我の強さの両方である. 本研究の被験者は, 精神疾患者ではなく, 適応の水準は異なるが正常 範囲の日常生活を送っ て. い る 2 つ の 児 童 群 で あ っ て, こ れ らの 児 童 が, こ の 自 我 の 強 さ を 測 定 す る と い う R. P. R. S こ .し. 対して, いかなる特性を示すかを明らかにする ことが, 本研究の直接の目的である. 加えて, こ れ ら両群, すなわち, 不適応感をもつ児童群と適応感をもつ児童群の, ロールシャッハ形式分析. の主な指標, および, ロールシャッハ解釈仮説のうち重要と思われる統制型と体験型において表 われる特性をも, 明 らかに しようとする. 2,. 方. 法. ) 被 験者 1 ( 函館市立五稜中学校1年6学級の児童24 2名 (内女子99名) か ら, 質問紙法性格検査によっ て 抽出された不適応感をもつ児童28名 (内女子11名) と, 適応感をもつ児童2 6名 (内女子9名). 2 ) 調査期間 { 昭和4 0年9月 から11月.. ) 手 陽. 続. i) 全児童に. , 長島 らによる適応性診断テス ト, 田研式不安傾向診断検査, 教研式性格診断テ ス トの3種の質問紙法検査を実施 した,. 長島 らによる適応性診断テス トは, 1 . 異常傾向, 2 , 神経質傾向, 3 . 自尊感情, 4 , 退避的傾 向, 5 家庭関係 9 学校関係 1 0 近隣関係の 10個 . 自己統制, 6 , 社会的技術, 7 , 統率性, 8 , , , , , の下位尺度か らなっ ている, この検査は, これ らの尺度の結果を総合 して, 個人の適応状態を診 - 43 -.

(4) . 鈴. 木. 正. 義. 断 しよ う と す る も の で, 結 果 は パ ー セ ソタイ ル で 示 さ れ る.. 田研式不安傾向 診断検査は, A, 学習不安傾向, B, 対人的不安傾向, C. 孤独傾向, D, 目罰 傾向, E, 過敏傾向, F, 身体的徴候, G, 恐怖傾向, H, 衝動傾向の8個の下位尺度か らなって いる. この検査は, これ らの尺度の結 果を総合 して, 個人の一般的不安傾向の程 度を明 らかにす ることを意 図して作製されたもので, 結果は不安傾向偏差値で示される. 教研式性格診断テス トは, 補助的な意味において用い られた, このテス トを構成 している下位. 尺度は, 1 , 指示性の5個で, 適応性診断テス ト , 社会性, 5 . 自律性, 4 , 神経質, 3 . 異常性, 2 パ ごと 下位尺度 に ーセ ソタイ ルで 示されるようになっ て の構成尺度と殆 ど同 じであり, 結果は各 いる. 本研究では, 児童の回答の信用性を調 べるために, このテス トに含まれているL尺度が利. 用された. i i) これ らの検査の結果, 2種の検査のいずれに おいても, 不適応を意味する結果を示 した児 童, すなわち, 適応性診断テス トでは適応 性 パーセ ソタイ ルが低く, 不安傾向診断検査では不安 傾向偏差値が大きい児童を抽出した. 具体的には, 2種の検査の上述の値の方向か ら順に, いず. れの検査に おいても不 適応を意味する段階に共通 して含まれている児童28名を抽出 した, この際, 性格診断テス トのL尺度得点が8以下, 不安傾向 診断検査の検証尺度得点が6以下であることを 条件と した. これ らの尺度に おいて高得点をとり, その回答に信用 性なしと判定される児童は, それなりに問 題をもつ児童であるが, 本研究の目的には適合 しない児童であるので, 排除した, 抽出された28名の児童を, 不適応感をもつ 児童群 (M群) と名 づ ける.. 次に, 2種の検査において, 不適応 感をもつ児童の抽出の際とは逆の値の方向か ら順に, いず 6名を抽出した. 性格診断 れの検査に おいても共通 して良好な適応状態にある と判定される児童2 する条件は 検査の検証尺度得点に関 テス トのL尺度得点と, 不安傾向診断 , 不適応感をもつ児童 6名の児童を適応感をもつ 児童群 (A群) と名 づ ける, の抽出の場合 と同 じである, 抽出された2 これ ら2種の検査 は, いずれも質問紙法検査であって, 児童に自己 評価させて, 自分と環境と の間に心理的に 調和 した関係を維 持しているか, 不安傾向 が強いかを検査するもので ある, すな わち, 第三者 が外部的準拠枠か ら児童の適応状態を判定するのではなくて, 児童が行なう自分の 行動についての認知の仕方, つ まり, 自己意識の構造を通 して, 適応状態を調 べるものである. したがっ て, これ らの検査によっ て, 不適応状態あるいは適応状態にあると判定された児童を, 本研究においては, 不適応意識 または不適応感をもつ児童, あるいは, 適応意識または適応感を もつ児童と呼ぶことにする.. i i) M 群, A 群 の 児 童 に, ロ ー ル シ ャ ッ ハ ・ テ ス トを, 標 準 ロ ー ル シ ャ ッ ハ 図 版 (東 京 ロ ー ル i. シャッハ研究会監修) を用いて, 個別的に実施 した. 実施方法, 分類体系, 形態水準評価法は, K1 opf er 法に したがっ た. 次に, 反応を R. P. R.S . の 計 算 法 に よ っ て 評 点し, 加重得点を求め 964 ) の方法に したがっ て, 分類, 形態水準評 た, さ らに, 両群の児童の反応に対 して, 片口 (1 価を行ない, R+%と P反応を算出した.. 3 . 結 果 と 考 察. u ) 質問紙法性格検査. 先ず, 被験者と して抽出されたM群とA群の児童, および, 全児童の適応性診断テス ト, 不安 傾向診断検査の平均値と標準偏差を示すと, 第1表の通りで ある. 中学校側が, 昭和40年9月 に 実施 した教研式学年別知能検査の結果の うち, M群とA群に含 まれる児童の平均値な らびに標準 一 44 -.

(5) . 不適応感をもつ児童のロール シャッハ特性. 偏差を附記 した, ここに見 られる程度の両群間の知的水準の差は, ロールシャッ ・反応に問題と なる程の影響をお よぼさないと考え られる. 第1表 両群の性格検査と知能検査の平均値ならびに標準偏差. 全児童 被 (. 験 者 数 ) = 女 子. 適 応性 診断検査. S.. 不安傾向. 偏 差値. 診断テスト. 知能検査. D,. S. D,. 偏 差値 S, D,. M. 群. A. 群. 242. 28. 26. (99). (11). (9). 62 .9 25.6. 21.3 9.3. 93 ,5 5 .7. 45 .2 10,2. 58.8. 35 ,6. 7,6. //. 51.8 6,5. 4 ,8. 56 .3 5 .5. 2 ) R, P. R,S ( . 第 2 表 は, R ,P .R.S . を構成 している各下位項目の加重得点 および合計得点を各被験者 ごと. に算出 し, M群とA群の別に示 したも のである, 〔M〕 l 〕 〕 〕 , 〔FM〕 . , 〔m〕 , 〔Sh . , 〔Co , 〔F.L. P S R の記号は, それぞれ, R の下位項目であ 人間運動反応 て ., ., っ , , 動物運動反応, 無生物 運動反応, 濃淡反応, 色彩反応, 形態水準評価を意 味し, 〔Sum〕 は, 各項目の加重得 点の合計を 指す, また, 段階とは, 心理治療に おける治癒可能の程度を表わすもので, 換言すれば全体的自. 我の強さの指標である, これ らの項目ごとに得点基準を定めて児童を分類し 両群間の差を ズ 2 , 検定を行なった結果, 〔Sh 〕 〕 におい ては, M群の児童は, A群よりも低い得点をとる者 , , 〔F,L,. が多く, 表に示 した通り, いくつかの基準に関して, その差は統計的に有意であっ た 〔Sum〕に . おいては, M群の児童は, A群に比較 して, 口段階に含 まれる者が少なく 逆に l v段階に含ま , , れる者が多く, 両群間の差は有意であっ た. 第2表 R.P,R,S.項目別加重得点の度数の群間比較 R,P,R.S.. 下 位 項 目 〔M〕. 〔FM〕. 〔m〕. 〕 〔Sh ,. l 〕 〔Co .. 得. 点. 基. 準. 〔M〕 ≦ O 〔M〕 = 1 2 ≦ 〔M〕 〔FM〕 < O 〔FM〕 = O 〔FM〕 = 1 〔m〕 ≦ O. M群 A群 篇 6 12. 11. 3. 9. 4. 0. 20. 19. 4. 7. 14. 11. 1 ≦ 〔m〕. 14. 15. 〕 ≦ 0 〔Sh , 0 < 〔Sh 〕 < 2 , 2 ≦ 〔Sh 〕 ,. 7. 3. 13. 6. 8. 17. l 〕 ≦ 0 〔Co ,. l 0 < 〔Co 〕 ≦ 2 , l 2 < 〔Co 〕 .. 11. 6. 11. 12. 6. 8. -4 5-. 2 Z. P. 3 ,224. < 0.1. 3 ,180. < 0.I. N.S.. N.S, N,S, N,S, N,S.. 3 ,224 7,348. N,S. < 0,1. < 0,01 N.S, N,S. N.S..

(6) . 鈴. 11. 〔F.L,〕< O. 〔F.L,〕. 義. 正. 木. 0. 14 1 2. 0 ≦〔F.L,〕< 1. 13 7. . 一言 〔F・L.〕<1 ,20 < 1 .20に〔F,L.〕. 1 亘 m W V 班. 〔Sum〕. 段 段 段 段 段 段. 階 階 階 階 階 階. 6 0. 0. 3. 11. 16. 14. 9. I. 0. 0. 0. 0. 4 .122. < 0,005 < 0,005 < 0,05. 7 .007. < 0,01. 5 .402. < 0,025. 10 ,520 f 1 9 ,979. N,S.. N,S,. 2 テストにおいて頻数の少ない場合は Ya t es の修正式を用いた, 注 ズ. 第3表は, 各項目の加重得点の平均値について, 両群を比較したものであるが, t検定を行な. 〕 お よ び 〔Sum〕 に お い て は, A 群 の 加 重 得 点は, 5 〕, 〔F.L. っ た 結 果 は, 〔M〕, 〔FM〕, 〔Sh.. 〕 %以下の有意水準で, M群のそれよりも, 大きいと言える, 特に 〔F.L, , 〔Sum〕 および〔M〕 l 〕 における t は, t 分 における両群の加重得点の差は, 高い信頼度で有意であっ た, なお, 〔Co . が存在するとみてよい 布表のPが0 ,05の場合の値に極めて近 似しているので, 両群間に有意な差 かも知れない.. 第3表 R.P,R,S.項目別加重得点の平均値の群間比較 M. 加重得点 〔M〕 〔FM〕 〔m〕 〕 〔Sh . 〕 〔CoL 〔F.L,〕 〔Suロリ. 0 ,57 -0 ,04 0 ,57 1,17 0 ,80. 0 ,29 3 .35. 群 S.. A D.. 加重得点. 0 ,78 0 ,63. 1 ,27 0 ,27. 0 ,62 1,28 1.41. 0 .69 1 .96 1 .48. 0 .61 2 ,78. 0 .96 6 .62. 群 S.. D.. 0 .98 0 .44 0 .67 1 .09 1 ,03 0 ,24 2 ,40. t 2 .869 2 ,067. <0 .01 <0 .05. 2 .387 1 ,977. <0 ,I. 5 .154 4 .529. N.S, <0 .05 <0 .001 <0 ,001. 1, 皿, I Vの段 全体的自我の強さを示すという第2表の合計得点の段階をみると, 両群とも, 1 ば 966) の研究によれ , 大学 階に全員が属 し, 半数以上の児童が田段階に 含まれている, 鈴木 (1. 8名, V段階1 生は, 1段階1名,口段階24名, 皿段階5名と散 らばり, 分裂病者は, 皿段階4名, I V段階5名, W段階1名と散 らばっている. 本研究の被験者である別名の児童は, 低段階の大学 生と, 高段階の分裂病者とに, 丁度重複するかたちで散 ら まっ て い る わ け で あ る. こ の 尺 度 の下. 〕 は, 平均点が1以上の場合は知的能力と関係をもっと しても, 全体の合 位項目のうち, 〔F.L. kne 953) の研究か ら理解され r r ら (1951 計得点は, 余り知的能力の影響を受けないことが Ki ,1 が S 知的能力以外の要因 R P R 得点の差異 るので, 大学生と中学生の . , . . の合計 , 例えを , 年 , ・るのかも知れ な 齢の変化による, 自我の強さの発達水準の差異をと らえているこ とを示唆してし. い. これは, 今後確かめ られる必要のある問題であろう, f K1 op e rは, 他の精神分析学派の主張と同様に, 自我を, 多数の仮説的過程 ない し機能に対 して 与え られた集合名詞と して用いている. すなわち, 自我という概念は, 相亙に関連を持っている ing), l i t r ea ytest 多数の構成概念を包括 している, この構成概 念の主なものとしては, 現実検証 ( - 46 -.

(7) . 不適応感をもつ児童のロール シャッハ特性. 情緒的統合. l i lint i l f i i t t (emot ‐rea ery ona egra on), 自 己 実 現 (se zat on), 現 実 事 態 の 支 配 (mas l i f t i i t t ) があげ られて おり, これ らは, 自我を組成する諸機能と見倣されているわ o rea y s ua ons. けである. 現実検証とは, 個人の欲求構造と環境の刺激条件とを正確に知覚 し, 批判的に評価 し て, それ らの間に安全な平衡を確立する機能を指す, 情緒的統合とは, 換言すれも , パ ー ソ ナ リ ティ の統合とい う意味に近く, 生活領域間, 欲求間, 経験間に意味のある結合を確立する機能 で ある, さ らに, 情緒的統合は, 超自我と欲求 や願望との調停という機能をも含む, これ らの達成. t - されている程度は, 情緒の上に最も明瞭に表われ, 例えば, 感情の仕切り化や分裂 (compa r ion or d i i i i f zat men協l s on) は, 情緒的統合機能の損傷の顕著な表われとされている, K1 v op e rの. i on) 過程 の 最 終段 階 と して の そ れ で は なく て 言う自己実現は, Jung の 言う個性化 (individuat 自己受容に近い意味に用い られている. 現実事態の支配は, 未知の事態に対処するときのような. 途方に暮れなが らもともかく自分を適応させようとする受動的支配か ら, 積極的に事態へ働きか. ける能動的支配に至る機能を含んでいる, R ,S ,の各下位項目が, どのように自我の諸機能と関係を持ち, いかに してそれ らが測定 .P .R. さ れ 得 る か とい う こ と に つ い て の K1 opf er の主張と, それ らについての考察は, 鈴木 ( 1 966) の. opfer は〔M〕 は情緒的統合, 自己実現という自我機能を示 し, 〔F 論文に述べ られている, K1 M〕 は自我の強さの1つの規定要因である衝動の強さ, その衝動の統制, あるいはフラストレー 〕 は情緒的統合機能 の基 ショ ン耐性の程度を表わ し, 〔m〕は葛藤の意識や予期能力を示 し, 〔Sh .. l 本的な発達状態を表わ し, 〔Co 〕 は情緒的刺激に対する反応の仕方と関係が深く, 〔F.L. 〕 は現 . ‐ 実検証の能力を示すとしている. これ らの仮説を認めるとすれば, M 群は, A群よりも, 自我の 強さ, すなわち, 自我機能の健全性において劣っ ていると言えよう,. 自我心理学の立場か らは自我機能が低下 していると見徴される 分裂病者 や神経症者に対 して, R,P 962; 小川, 1 965; 鈴木, 1 966)は, .S . を適用 し正常者との比較を試みた研究(斎藤, i .R これ らの精神疾患者と正常者との間に, この尺度の下位項目の得点および合計得点に関して, 統 計的に有意な差を見出している, さ らに, 合計{得点に基 づいて6段階に分類 した場合, 分裂病者 と正常者とは, 一部重複する段階が見 られるものの, かなり明確に弁別されている, 9 しか し, 鈴木 (1 66) が指摘しているように, R, P, R.S, の 理 論 的 根 拠 に は, 従 来 の ロ ー ル. シャッハ反応に関する研究によって, ある程度実証されている比較的確実なデータのほかに, 洞 察的で示唆に富んでいるものの, うがち過ぎていて首肯し難い仮説も存在している. したがっ て 本研究の結果も, 直ちに, 不適応感をもつ児童の自我の諸機能, すなわち, 情緒的統合, 衝動の. 強さとその統制, 現実吟味の能力の低下を示しているとは言い難い, む しろ, 本研究の結果か ら 理 解 さ れ る こ と は, R ,P .R,S , の理論的根拠の正当性を別と しても, 不適応感をもつ児童は,. 〕 〕 および 〔Sum〕 において, 適応感をもつ児 この尺度の下位項目 〔M〕 . , 〔FM〕 , 〔Sh , 〔F,L. 童よりも, 低い得点をとる傾向があることであり, 換言すれば, この尺度の得点は, 少くとも, 児童の人格的適応の1つの指標である適応感の程度を表わすと考え られることである,. R,P . が自我 の強さを測定し得るとする K1opfer の主張は, 今後, 各下位項目と自我の .R.S 諸機能との関係, 合計得点と全体的自我の強さとの関係について, 理論的, 実験的に検 討される. べ きである. そのためには, 精神分析的自我心理学に拠るロー ル シャッハ研究者によっ てその用. い る 意 味 が 異 な る 自 我 そ の も の の 定 義 に つ い て, さ らに, 定 義 さ れ た 自 我と ロ ー ル シャ ッ ハ ・ テ. ス トによっ て把 え られる自我との関係について, 明確化される必要があるだろう, 3 1 情緒の統制型 (. - 47 -.

(8) . 鈴. 正. 木. 義. 次に, 情緒の統制型について両群を比較する, 一般に, ロールシャッハ・テス トは, 情緒の統 f e 制の診断において, 優れた特徴を発揮すると言われる. K1 r は, この情緒の統制の様式を, op tdc l t l ま t t た は 抑 圧 的 統 制 (cons i t 外 統 制 ( ) 収 縮 的 ed or ) 的 o u e rc o r o r o n 内的統制 (nne rcon , , ive cont ) の 3つ に 分 け て い る. 本 研 究 に お い て は, 内 的 統 制 と 外 的 統 制 と に 大 別 し, repress rol. 各々を良好型, 欠如型, 貧弱で収縮的な抑圧型に分類 して, 両群を比較 した. 各型に分類する際 er の考 えに基 づいているが, 本研究の被験者が児童であることを考慮して, の基準は, K1 opf. Ames (1952), 辻 ら (1958) の 児 童 の ロ ー ル シ ャ ッ ハ 反 応 に 関 す る 研 究 を 参 照 し, あわ せ て, 本. 研究の被験者児童の反応を調 べ た上, 若干の変更を加え てある, 第4表は, 内的統制と外的統制 の各型の分類基準を示 している. 第4表 各 統 制 型 の 分 類 基 準 基. 準. 良. 好. 型. i) M>FM. 欠. 如. 型. 抑. 圧. 型. 但し, M≧1 .5 i i) M;FM 但し, M,FMが1 ,5以上 i i i ) 2M≧FM>M. 2M〈FM. 第2基準. 30<F% <60. F%<:30. F%〉60. 第3基準. ) %<70 40< (F十FK十Fc. (F十FK十FC) % ≦40. ) % ≧70 (F十FK十Fc. 第4基準. )≦ き C 古F<(FK十F. (FK十Fの 考 F. )≦÷F (FK十F c. 第1基準. 第1基準. FC>CF十C. 但し, (CF十C) ≧0 .5. FC〈CF十C. CF十C= O. 但し, (CF十C) ≧0 .5. 第2基準. 30<F%<60. F%<: 30. F%〉60. 第3基準. ) %<70 40く (F十FK十Fc. (F十FK十Fc) % ≦40. 0 (F十FK十Fc) % ≧7. 第4基準. 30< (皿十区十×) %<40. (孤十広十×) %≧40. (棚十K十X) %≦3 0. これ らの基準の適用による各統制型への分類は, 具体的には次のような規則に したがっ て行な っ た. 括弧内は, その規則に したがっ て分類されたケースの数である. 第1規則; 第1基準に適合するほかに, 第2, 第3, 第4の基準のうち, 1つ以上の基準に適合 して い る こ と (内 的 統 制, 35ケ ー ス; 外 的 統 制, 36ケ ー ス).. 3 第2規則: 第1基準に適合 しないが, 残りの3基準のすべてに適合 していること (内的統制, 1 ケ ー ス; 外 的 統 制, 8ケ ー ス).. 第3規則: 第1基準に適合 しないが, 残りの3基準のうち2つの基準に適合 していること (内的. 統制, 6 ケ ー ス ; 外 的 統 制, 10ケ ー ス). 第5表は, 上述の基準に基 づいて分類 した両群の各型ごとの児童数を示 している. 内的統制の. 抑圧型を示すM群 の児童は, A群のそれよりも, 5%の有意水準で多いと言える, 良好型に含ま 0%の水準においてとりあげ得る程度のものである. 外的統制の各型 れる両群の児童数の差は, 1 の児童数については, いずれも両群間に有意差は認め られなかっ た, 個人は, 現実の対人関係か ら生ずる危険を避け, しかも, 自分の願望, 欲求をみたす方法を見 出すためには, 自分の欲求, 衝動そのものと, それ らの欲求, 衝動を外面的行動へ表現する仕方 一 48 -.

(9) . 不適応感をもつ児童のロールシャッハ特性 第5表 各統制型の度数の群間比較 統 制 型. 内的 統 制 外的 統 制. 良 好 型 欠 如 型 抑 圧 型. 良 好 型 欠 如 型 抑 圧 型. M. 群. A 群. 13. 18. 2. 3. 13. 5. n ・ 7. 7 11. 10. 8. 2 Z. P. 2 ,867. < 0,I. 4 ,488. < 0.05. N,S.. N.S. N.S, N.S,. との両方を, 適‐ 切に統制 しなければな らない. K1opfer は, こ の 過程 を統 制と 呼 び, ロ ー ル シ ャ ハ反応か ら ッ , 上述の3種の統制型を明 らかにしようと した. 彼によれば, 内的統制とは, 情緒. 的刺激を受けても, 直ちに反応を起さず, 必要に応 じて遅延させ, 統制する内的資質 (inner ) を指す. この統制の状態は, 主と してM (人間運動反応) の量と質とか ら把握可能と r e our e s c s され, 一般に,自我機能を代表するものと考え られている, この統制機能が発達 している個人 は , 内的衝動や外部か らの情緒的衝撃によって生じた緊張を, 直ちに外面的行動へと表現することな く, 行動する前にその結果を想像するというように, ー旦想像力によって処理 して, 行動を遅延 させ, 結果と して, 感情の安定, 思考の統一をもた らすことができるとされている. 外的統制とは, 社会的基準 や要求に合致するように, 外部的行動や表現を調節 し, 統制する機. 能を指す. いわば, 社会化された統制とも言うべきこの外的統制が発達 している個人は, ロール シャッハ反応においてFC>CF十C (形態色彩反応 >色彩形態反応 十純粋 色彩反応) のサイ ン. を示し, 実際場面においては, 社会的規範の範囲内で行動 し, 他人か ら合理的と見徴される反応 をするとされる, 収縮的または抑圧的統制とは, 内的想像活動も外部的行動へ の表現もともに抑制 し, 自我機能 を制限し硬直させて, 現実に適応 しようとする機能 を指す. この統制の状態にある個人は, ロー. ルシャッハ反応においてF% (形態反応の全反応に対する比) が極めて大きくなり, また, 実際 場面においては, 他人と深い情緒的 関係を持つことが 困難であり, 内面生活が貧困で, パーソナ リ テ ィ も 硬 い と さ れ て い る,. 以上のロールシャッハ 解釈仮説を認めるな らば, 不適応感をもつ児童は, 適応感をもつ児童と 比較 して, 内的統制において抑圧的統制を用いる場合が多く, 良好な内的統制も稲欠ける傾向が. あると言えよう, すなわち, 不適応感をもつ児童は, 内的衝動や外的な情緒的衝撃によっ て生じ た緊張を, 想像力によっ て内的に処理すること が梢むずか しく, 想像活動も外部的行 動への表現. も, ともに制限している傾向があると言えよう, また, 外的統制の各型に含まれる児童数に関 し て両群間に差が認められないということは, 両群の児童とも, 社会的基準や事態の要求条件に合 致する行動については, それほ ど差異は認められないということを意味しよう. K1 opf er の分類基準に採用 されているロールシャッハ指標が情緒の統制を表わすという仮説は. , 比較的実証されているものであっ て, 自我心理学以外の立場の研究者によ っ て相当広く認められ. ている. したがっ て, 不適応感をもつ児童が, 情緒の統制に関 して, 柔軟性に欠け て抑制的な傾 向があるということは, 認められるものであろう, 雑 体験型 ience t l typ: exper 体験型 (Er ebni s schach (1921) の 構 想 によ る も の ype) と い う 概 念 は, Ror. - 49 -.

(10) . 鈴. 正. 木. 義. である. 彼は, 運動因子が内面的活動の活発さという内拡的要素を, 色彩因子が外部的活動への 関心という外拡的要素を示すと考えて, 運動因子と色彩因子との比率か ら, その個人が精神活動 においていずれの要素が一層強いかを知ること ができると した, 彼は,これを体験型と名 づけて, l i typus), 両 iver Er l i t rat ens ebni s ver Er 内拡的体 験型 ( rover ebni s nt s ypus), 外 拡 的 体 験 型 (ext l i l t l i i 1 ebni t t er Er aequa s stypus), 両 拡 的 体 験 型 (amb ebn 貧的体 験型 ( 〈oar er er Er ypus) の 4 類. 型に分けた, K1opfer の言葉を引用すると, 内拡型の人は 「内部か ら動かされる 人」 であり, 外 拡型の人は 「外部か ら刺激される人」 である. 第6表 各 体 験 型 の 分 類 基 準 基. 準. 第1基準. 内. 拡. 型. 外. M>SumC 但し, M≧2で, 差が 1 .5以上. 型. 拡. M<SumC 但し, SumC≧2で, 差が1 .5以上. 両. 型. 貧. 0≦(M十SumC)≦2 但し, M≦1 ,5 , Sum 儀1 5 ,. 両. 拡. 型. D d↓÷sumc. 但し, (M十SumC)≧3 で, 差が1以内. ′ ) (FM十m)キ(Fc十c+C F F M十 ( 十 ( + ) c 但し m , 5 但し, (FM十m)≦1 . , ′ (Fc十c+C′ c+C )≧3で差が1以内 )≦1.5. (FM十m)>(Fc十c+ (FM十m)<(Fc十c十 ′ ′ C 第2基準 C ) ) 但し, 差が2以上 但し, 差が2以上. 0≦(FM十m)+(Fc十. 0 (皿十以十×)%>40 第3基準 25<(皿十広十X)%<3. X+×)%≦25 (V m十I. 3 0≦(皿十区+×)%≦40. 第4基準 45<F% <65. F%≧と 65. 45 3αくF%≦≦. F% <30. )≦ 2 c+C′. opfer の考 第6表は, 各体験型の分類基準を示している. 各基準は, 統制型の基準 と同 じく K1 えに基 づいているが, 本研究の被験者が児童であることを考慮して, 若干の変更を加えたもので ある, これ らの基準による 各体験型への分類は, 統制型の分類の場合と同 じ規則に したがって行 な っ た. 第 1 規 則, 第 2 規 則, 第 3 規 則 に した が っ て 分 類 さ れ た ケ ー ス の 数 は, そ れ ぞ れ, 46ケ ー ス, 1 ケ ー ス, 5 ケースであっ た.. このほかに, 4つの基準においてそれぞれ別 の体験型を示. す ケ ー ス が, M 群 に 1 ケ ー ス, A 群 に 1ケ ー ス あ っ た が, そ の 場 合 は, 適合 した 第 1 基 準 を 重 視. し, あわせて, 万M:メC (人間, 動物, 無生物運動反応の絶対数: 色彩反応の絶対数) , (F+ を参考にして分 ) 反応の和の全反応に対する比 ( 形態反応と通景反応と分化材質 ) % FK十Fc 類 した.. 2検定を行なった結 第7表は, 各体験型を示す児童数について, 両群を比較 したものである. ズ 果, いずれの体 験型の児童数に関 しても, 両群間の差は有意でなかっ た, 第7表. 体験型 内 外 両 両. 菰 拡 貧 娘. 型 型 型 型. 各体験型の度数の群間比較. M 群. A. 群. 12. 15. 3. 2. 10. 6. 3. 3. 2 Z. P N.S, N,S,. N.S. N.S.. 各体験型についての Rorschach と K1opfer の 解 釈 仮 説 を 要 約 して 述 べ る と, 次 の 通 り で あ る. 内拡型の人は, 想像力が豊かで, 自分自身の明確な考えや価値体系を持っているので, 現実を. そのまま受容せず, 自分の考えや欲求によ って世界を再構成する傾向が強い. この型の人は, ロ ー ル シ ャ ッ ハ 反 応 に お い て, M >SumCの サイ ンを示 す と さ れて い る. SumC は, (F C 十 2 C F. - 50 -.

(11) . 不適応感をもつ児童のロールシャッハ特性 十 3C)/2の公式により. , 色彩反応 に重み づけを与えたも のである. タ ト拡型の人は, 環境か らの刺激に敏感に反応 し, 現実をそのまま受 容し易く 外界 に見出 した , 目標に向っ て行動する傾向が強い, すなわち, 内拡型 の人は, 行動の基準を自分の内部に置く の に対 して, 外拡型の人は, 行動の基準 を現実場面か ら引き出す傾向が強いと言える この型の人 . は, M <SumC の ロ ー ル シ ャ ッ ハ ・ サイ ンを 示 す と さ れ て い る .. 而貧型とは, Mと SumC がともに著 しく減少 し, F%が増大する型で この型の人は 現実生 , , 活への積極的関心に欠け, 精神内容が空虚 で杓子定規な考え方をする傾向が強いとされている , 両拡型とは, 多く のMと多く の SumC を示 し, 両方がほぼ等 しい状態にある型で この型の人 , は, 創造性, 情緒的に人に訴える能力, 模倣能力に優れているとされている しか し F%の少 , , ない極端な両拡型の人は, 激 しい情緒の変動性を示 し 理性に欠けた行動を起す可能性があると , さ れ て い る,. 本研究で用いた基準による限りは, 不適応感をもつ児童に, 特定 の体験型が多くみ られるとい うことはない. 第1基準による体験型の分類の妥当性は, 多くのロールシャッハ反応の研究によ. っ て 支 持 さ れ て い る と 言 っ て よ い が, 第 2, 第 3基 準 に 採用 さ れ て い る ロ ー ル シ ャ ッ ハ 指 標 は, K1 opf er 独自の考えによるものである, 本研究の各体験型 を示す被験者 の大部分は 第1基準に. , 適合 しているが, 今後, 第2, 第3基準のみによる分類 の妥当性は確かめられる必要がある , 5 ( ) 形式分析の主な指標. 第8表は, 形式分析において重要と考え られている指標について両群を比較 したものである . R (反応総数) , T/R.(初発反応時間 の平均) , M, F%, P (平凡反応) , 片口法P, 片口法 R 第8喪 主な形式分析指標の度数の群間比較 指 標 R. 基. 準. 14<. R. ≦14. R. <30. 30一r R. M. T/R, F%. P. M ≦1 1< M く4 4≦ M ′ ′ T/RI く: 30. 7 15. 9. 6. 7. 7. 10. 21 7. 20. 23. 10. 3. P ≦3 3< P <6. 10. 13. 16. 11. 2. 2. <3. 7. 6. P <6 P. 14. 14. 7. 6. 「 R + %<: 65. 14. 6. 14. 20. 3<. 65く R +%. 2 Z. 1- -5. P N.S. N,S. N,S. N,S, N,S, N,S, N,S,. 6 18. 6≦ R + %. 16. A 群 6 ” 3. F% <70 70< F %. P. 片 口 法. 5. 30″< T/R.. 6 ご: P. 片口法P. M 群. 4 .311. <0 ,05 N.S, N.S, ,N,S. N.S. N,S. N.S,. 4 .190. く0 .05.

(12) . 鈴. 木. 正. 義. 各項目 +% (良質な一次的形態反応の全一次的形態反応に対する 比) を各被験者 ごとに算出 し, 有意な差 に 含まれる両群の被験者数の差を検 定 した. その結果, F% とR+%に おいて両群間に が認められた.. lar に出 現する o u K1 opf er 法 に よ る P の ほ か に,片 口 法 に よ る P を算 出 した の は,P す な わ ち p p. 作 反応は, 文化の差異によ って影 響を受けるもの と推定されるので, 被験者の所 属する文化内で f K 1 e r 片口法Pは o p 製され たリス トに したがうのが適当と考えたか らである, 表の示すように, おいて 3 5 後者に 前者において4 反応数は ,8で ,, , 法Pより も, 出現 し易い傾向 があり, その平均 あっ た. しか し, いずれのPの項目においても, 両群の児童数には, 統計的に有意な差は認 め ら れなかっ た. 比較的確実な従来のロール シャッハ解釈 仮説によれ ば, 大きいF% は, 情緒的抑制, 感受性の 乏 しさ, 情緒 生の平板さを示 し, 低い形態水 準は, 現実把握の不 適確さ, 情緒的不安定さを意味 感 する, したがっ て, この形式分析の結果か ら理 解し得るこ とは, 不適応 感をもつ児童は, 適応 条件と をもつ児童よりも, 情緒が抑制的で不安定で あり, 自分のパーソナリティ体制と環境の諸 の関係についての理 解の程度が劣る傾向 があるというこ とである, 4,. 約. 要. M群) と適 本研究は, 3種の質問紙法性格検査によ っ て抽出 された不適応 感をもつ児童28名 ( 応感をもつ 児童26名 (A群) を対象と して, ロール シャッハ・テス トを実施 し, 得 られた反応に. がこ の尺度に 対 して K1opfer の 自 我 の 強 さ の 測 定 法 で ある R. P. R. S. を適 用 し, こ れ らの 児童 対 して示 した特性について報告した, さ らに, ロール シャッハ形式分 析の主な指標, 情緒の統制 型およ び体験型において 表われたこれ らの児童の特性についても, あわせて, 報告した,. 本研究の結果は次の通りである, 〕に 〕 〔Sh . , 〔 F.L. 1 ) R.P ( , の各項目に おいて得点基準を定めて児童を分類 した結果, , R,S おいて は, M群の児童は, A群よりも, 低得点をとる者の数が有意に多かっ た, 〕 および〔Sum〕 の各平均得点に関 し 〕 } R .L . ( 2 . , 〔F , 〔Sh , 〔FM〕 . R,S . の下位項目 〔M〕 .P ては, A群はM群より高く, その差は統計的に有意であっ た.. R. P, R.S. の合 計 得 点 に よ っ て 分 類 さ れ る 段 階 に 関 して は, 丙 群 の 児 童 は, い ず れ も, ′ 階 V, の 段 階 に 散 らば っ た. そ の う ち, 口 段 階 に 含 ま れ る 児 童 は A 群 の方 が 多く, n 段 1 1, 皿, I 圏. に含 まれる児童はM群 の方が多く, い ずれの場合も, 両群間に 有意な差 が認められた, . の理論的根拠については今後 ) 以上の結果か ら, 自我の強さを測定するとい う R,P ,R.S 柊 多く の検 討を必要とするに しても, この尺度が, 少くとも, 児童の 人格的適応の1つの指標で あ る適応 感の程度を把える有力な方法になり 得ると考え られる. } 情緒の統制型に関 しては, 内的統制の抑圧型を示すM群の児童は,A群のそれよりも多く, ( 5. その差は統計的に 有意であっ た, 1 体験型に関 しては; いずれの型においても, 両群の児童数の差は有意で なかっ た. { 6 } 形式分析の主 な指標に関 しては, F%, R十%において, 両群の児童数の間に有意な差が { 7 認め られた. M群は, A群よりも, F%が大きく形態水準の低い児童が多いという結果が得 られ た.. 敵 女 s ds ′γ ’ ‘ ! ‘ば かのz D om 為仰 ごoZB ,ン餌γ ル ′ 2 . New York: / e 〃 e o 珍mB C e s / “ ′ 〆 R 鵜 s めの , Ames s c/ ”c メc oγ , L, B.etaL. -5 2-.

(13) . 不適応感をもつ児童のロールシャッハ特性 Hoeber . ,1952 i l i l i l i R R R l i i Hol t t t c ego psycho ogyandthe rimp ca entdeve opmen【 sin psychoana onsf ord agnos c e c yt , . , t i t es ng ./ . , Pγ噂. Tg物. ,254一266 ,1960 ,24 l l i imary and secondary proces Ho l es s t s sinthe Ror s chach 1odforas ng pr .ln ,} . A met , R, R. & Have iank ina Ri l ) Roγ総力qc為 力sy物oかgy -ovs ohn wi cker ey & Sons s , . New York:J , M. A,(Ed , ,1960 263-315 .. 4 6 片口安史 ロールシャッハ・テスト心理診断法詳説, 牧書店, 19 . iminary repor l he Ror i . i i tab t ton the predi Ki sham, W, W. A pr e c schaCh Prog- rkner y oft , F,J , & u′. i l i t e ng sca nos c Rat .ノ . か げ・ re物リ ー951 , ,15 ,421一422 ft i l d h Ror l F l A l i i i Ki l t t t ヒo ブ rg物. ta e s chach Prognos c Ra ngsca e J r e r nt e v a o {ner e o l r p y .′ ,ゑγo , . . , , 1953 . ,465‐470 ,17 ing s t i l K1opf ta e schach prognos crat cal er .ノ . か け. redz . . , Ror ,1951 ,15 ,425一428 , B.e Te d Book R 々 / み 房〆 1 ! 灯 l f l D 納 K1 B t め 加 毎 財 c 沈 ” β : c z f eq or er e o r 稀 ” z ” z , ”〆 動のデン e a e 泥 吻脚 s opf り . , / , . . , ,. Co , . ,1954 ′ Z d K1 B l d Book l e s物qc産Z so f 物馴化のめ’ zf彰 Ror er ひαoか細 川si e c霧2中畑 o r ’ z opf . 口,: F! , De . Wo , ,eta Co , . ,1956 i iankina i Korchin,s,J ) たりγ邪 加 物 oni ng cker s…〇vs on and ego funct , ln Ri , M, A,(Ed. .Form PercePヒ ア v i l ! 1 1 9 0 9一2 9 ey & sons 6 0 ohn \ カリメ 2 0 。gy . New York:j , , ,. h) の測定に関する研究, 東京教育大学教育学部紀要,1965 t engt 小川捷之 自我の強さ (Bgos r ,第11巻,107-. 122 , ぞの鵜 t Roger C ≧ ヒ ヱヂ あげ”カツ f G B Gq とげ招財 力γαα/ on:日ought on s i z加餐 , Bos , 茸sG ,!削がZ ,α“” 放けαPy , , R, α如け B ル ー f 手 i i i n ,1951, f l l l i l re i Roger t sona nt erper s ona at onships oped in the s y ,and i ,per , as deve , C, R, A theory o therapy S, (Bd A ′ d P ル メ ′ Z l i Z ) f : c c S er ed f ramework s z ‘ αs e g c ent{ent c o i z y 増y y , ln Koch . . m, , VO , l l Fo粉?鑑海z sof 豹βPe s伽 伽〆 豹βs o c湖 cの“錆ヂ γ , New York: McGraw‐Hi , (酒 ,184-256 ,1959. 井汀他訳, クライエソト中心療法の立場から発展した治療, パーソナリティおよび 人間関係につい . 4 290 7一 ての理論, 来談者中心療法, 岩崎書店, 196 .) , 15. F Z ! ′ Ror sd z s焔 豹のz方潔Pe s万た:ル御紬o霞形””d E〆どめ”鳶s ee粥臨 閉 ”力γ”物“””砲 ”gf o r彰7 g chach,H,Psyc加d ”g”o ;“s s r . Bern: Hans Hu be 東京ロールシ ハ研究会訳 精神診断学--知覚診断的実験の方法 1 9 2 1 ( r ャッ , , .. 8 と結果 ÷」牧書店, 19 5 ,) 斎藤久美子 ロール シャッハ・テストと一質問紙法 (自己評価法) による適応の研究, ロール シャッハ研究. V, 1962 . , 66-86 scha f ! Z“i 歩 t rat er ci g γカデe奴”のzZ z 只oγ s G 2 q吻 加肌“g, New York: Grune and st on,1954 7 2 7 . , R. PsyGル○α”α. 人格変容に関するクライエソト中心理論と社会的学習理論との比較考察,北海道学芸大学函館人女 6 128 - 学会人女論究, 1965 , , 第25号, 8 66 鈴木正義 クロッパーの自我の強さの測定法についての一検討,北海道学芸大学函館人文学会人文論究,19 ,. 鈴木正義. 辻. 第26号, 53-73 .. 2-3 26 5 8 ・・浜中董番 児童の反応, ロールシャッハ・テスト, 中山書店, 19 憎 . , 27. 後記 調査の実施に当って種々便宜をはかっていただいた 調査校校長藤川光夫先生, 学年主住佐々陽先生 ならびに学級担任の諸先生に深謝の意を表します,. - 53 -.

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