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GPS干渉測位装置による海面力学高度場の精密測定とその黒潮研究への応用

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Academic year: 2021

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(1)

GPS干渉測位装置による海面力学高度場の精密測定

とその黒潮研究への応用

著者

花輪 公雄

(2)

GPS干渉測位装置による海面力学高度場の精密測定と

その黒潮研究への応用

(094401 65)

平成9年度∼平成11年度

科学研究費補助金(基盤研究(B) (2))

研究成果報告書

平成12年3月

研究代表者 花輪公雄

(東北大学大学院理学研究科教授)

(3)

は しがき

今やGPS(Global Positioning System :汎地球測位システム)は測地学・測量

学にとってなくてはならない観測機器となった.地殻の水平・鉛直変動をcm

のオーダでほぼ定常的に観測できるこの測器は,日本で約千点もの地点に配置

されるに至っている.さらに, GPS電波遅延の情報から大気中の水蒸気量をリ

アルタイムに評価する「GPS気象学」なる試みも組織的に行われている.

このGPSを用いて,航走する船舶により海面高度を精密に測定できないでき

ないものであろうか.これが本研究のモチーフである.もし, GPSにより,港

面高度をある測地基準系から精密に計測することができ,かつジオイド成分を

差し引くことができれば,海水の流れに伴う海面の高さの分布が分かることに

なる.大規模スケ一一ルでゆっくりとした海水の流れは,地衡流平衡にあるので,

海面力学高度場を知ることは,表層の流れの場を知ることに等しい.このGPS

を,黒潮を横切る定期航路船に搭載し黒潮表層流速場を定期的に計測すること

により,黒潮の変動の実態を把握するのが本研究の目的である・

詳しい研究経過は本報告書に述べられるが,結果的にこの試みは失敗であっ

たと総括しなければならない.その理由は,現在のGPS設置環境では,目的と

する計測精度を達成することができないことにつきる.しかし,本研究の試み

の中から得られた知見は,今後のこの分野の発展に大いに役立つものと信じて

おり,その礎になると自負している.

なお,本研究遂行にあたり,研究協力者として参加してくれた本研究室の学

生・院生諸君,並びに観測の便宜を与えてくれた小笠原海運(樵),およびおが

さわら丸乗組員,さらには,多くの方々の協力があって始めてなされたもので

ある.ここに心からの謝意を表する.

平成12年3月

研究代表者 花輪 公雄

00010139942

「二

(4)

part I.研究の概要

1.研究組織

研究代表者:花輪公雄(東北大学大学院理学研究科教授)

研究分担者:江淵直人(東北大学大学院理学研究科助教授)

研究分担者:須賀利雄(東北大学大学院理学研究科助教授)

研究分担者:木津昭一(東北大学大学院理学研究科助手)

2.研究経費

平成9年度    5,900千円 平成10年度   3,900千円 平成11年度   2,000千円 計     11,800千円

3.研究発表

(1)学会誌等

<既に印刷されたもの>

1. Yasuda, T.and K. Hanawa, 1999: Composite analysis ofNorthPaciGc subtropical

mode water propertieswith respect to the strengthofthe wintertime East

Asianmonsoon. J. OcemogT:, 55, 531-541.

2. Ebuchi, N. and K. Hanawa, 2000: Mesoscale eddies observed by TOLEX-ADCP

and TOPEX伊OSEIDONaltimeter in the KLLrOShio recirculation reglOn south

ofJapan. J・ Ocemog7:, 56, 43-57・

<現在投稿中のもの>

1. Taneda, T・, T・ Suga and K・ Hanawa, 2000: Subtropicalmode water variation in the

northwestem part of the North Pacific subtropical gyre・ Submitted to

J. GeoFPhys. Res.

2. KiZu, S., T. Taneda and K. Hanawa, 2000: Estimation oftidalCurrent in

Toky0-0gasawata area using TOLEX-ADCP data・ Submitted to J・ Ocemogr・

<投稿準備中のもの>

(5)

-1.木津昭一・花輪公雄, 2000: GPS干渉測位に基づく海面高度計測の実験.

「海の研究」投稿予定.

2. Ebuchi, N.and K. Hanawa, 2000: Trajectory ofmesoscale eddies in the Kuroshio recircuhtion reglOn. To be submitted to i. Ocemog7:

(2)口頭発表 1.種子田雄・花輪公雄, 1997: TOLEX-ADCPモニタリング(Ⅵ)-潮流成分の 推定一.日本海洋学会1997年度春季大会, 1997年4月21-25日,つくば. 2.須賀利雄, 1997:黒潮輸送水塊の平均構造と時間変動(1)一等密度面平均 気候値データによる概観-.日本海洋学会1997年度春季大会, 1997年 4月21-25日,つくば. 3.木津昭一, 1997:海洋計測におけるGPSの利用.海洋音響学会, 1997年6 月25日,東京. 4.三寺史夫・吉川泰司・花輪公雄・KERグループ, 1997:黒潮の流量・流速 と流路-TOLEX/ADCP,トカラ海況での黒潮変動調査,黒潮・親潮シ ステムモデルの結果から-.日本海洋学会1997年度秋季大会, 1997年 10月6-10日,鹿児島. 5.花輪公雄・小橋史明・須賀利雄・吉川泰司・三寺史夫, 1998 :海面高度

変動による海洋内部構造の変動の推定.日本海洋学会199各年度春季大

会, 1998年4月5-9日,横浜.

6.花輪公雄・村田和合・須賀利雄・吉川泰司・三寺史夫, 1998 :海面高度

変動による海洋内部構造の推定P)-.日本海洋学会1998年度秋季学

会, 1998年9月26-28日,京都. 7.木津昭一・花輪公雄, 199S : TOLEX-ADCPモニタリング(ⅤⅡ)一続・潮流 成分の推定-.日本海洋学会1998年度秋季学会, 1998年9月26128日, 京都. S.後藤聡・須賀利雄・花輪公雄, 1998 :黒潮輸送水塊の平均構造と時間変

動P)一黒潮域定線観測資料を用いて-.日本海洋学会1998年度秋季

学会, 1998年9月26-28日,京都. 9.後藤聡・須賀利雄・花輪公雄, 1998:黒潮が輸送する水塊についての研

究一気象庁定線観測資料を用いて一.東京大学海洋研究所大槌臨海研

究センターーシンポジウム「北太平洋亜寒帯域およびその周辺お海域の

循環と水塊過程」, 1998年各月19-20日,大槌. 10.花輪公雄, 1998:海況予報に資する定期フェリーによる黒潮変動のモニ

タリング.東京大学海洋研究所共同利用シンポジウム「縁辺海観測国

際協同研究計画」, 1998年11月6日,東京. ll.江淵直人・花輪公雄: TOLEX/ADCpと衛星高度計で観測された日本南方海

域の中規模渦.九州大学応用力学研究所共同利用研究集会「人工衛星

アルテイメータ・データを用いた海洋および固体地球の研究」, 1998 年11月12-13日,春日. 12.江淵直人・花輪公雄: TOLEX-ADCPおよび衛星高度計で観測された日本南 方海域の中規模渦, 1999年度日本海洋学会春季大会,

(6)

1999年3月27-31日,東京. 13.花輪公雄・木津昭一・城田清弘:日本一-ワイモニタリングプロジェク ト(JHAMP), 1999年度日本海洋学会春季大会, 1999年3月27-31日, 東京. 14.江淵直人・花輪公雄, 1999:船舶搭載ADCPおよび衛星高度計で観測された 日本南方海域の中規模渦, 1999年度海洋理工学会春季大会, 1999年5 月20-21日,東京.

15.江淵直人・花輪公雄:日本南方黒潮再循環流域の中規模渦の発生・移動・

消滅, 1999年度日本海洋学会秋季大会, 1999年9月16-20日,函館.

16.花輪公雄・川村宏, 1999:人工衛星による縁辺海と黒潮変動のモニタリ

ングの研究.東京大学海洋研究所,共同利用シンポジウム「縁辺海に

おける海洋環境モニタリング」, 1999年11月11-12日,東京.

4.研究成果の概要

本研究では, (1) GPSを定期航路船に搭載し,実際に海面高度場を計測する

こと, (2)既存のADCP資料とTOPEX/POSEIDON高度計資料を解析し,対象海域

の中規模渦の実態を把握すること, (3)既存の海洋資料から対象海域の水塊構

造とその変動を把握すること,以上の3つの項目について行った.以下,これ

ら3項目について成果の概要を述べる.

(1) GPS干渉測位に基づく海面高度計測の実鼓 1999年9月,東京と小笠原を結ぶ定期航路船「おがさわら丸」 (小笠原海運(樵), 131m, 6679トン)を利用してGPS連続キネマティック観測を1往復分行った.

固定観測点は,東京都江東区の東京商船大学のキャンパスに設置した.また,

おがさわら丸が二見港に停泊中は,二見港そばにも固定観測点を設置した.こ

の結果,停泊中・航行中とも,基線長(2つのGPS観測点の距離)が短い範囲内

では有効なデータが得られた.しかし,基線長が長くなると,停泊中・航行中

いずれの場合も解の整数不確定が解かれず,定量的な解析に耐えうるデータは

得られなかった.一方,二見港停泊時のデータから,二見港における潮位変化

を,十分な精度で抽出することができた.なお,詳しくは添付資料の(1)木津・

花輪(2000)を参照されたい. (2) TOLEX-ADCPとTOPEX/POSEIDON高度計資料を用いた黒潮再循環系における

中規模渦の解析

1991年2月から1996年11月までのTOLEX-ADCP資料6年分と, 1992年10 月から1997年10月までのTOPEX/POSEIDON高度計資料6年分を用いて,日本

(7)

-3-南岸黒潮再循環域における中規模渦の実態を調べた.対象海域には多くの高気

圧性・低気圧性の中規模渦が見出された.空間・時間ラグ相関解析から,これ

らの渦は円形であり,直径約500kmの空間スケールと約80日の時間スケール

を持っていることが分かった.双方のタイプの渦とも,典型的な最大流速は

15-20cm/ら,高度偏差は15cmであった.渦の発生の頻度は双方のタイプともほ

ぼ同じで,孤立波的というよりも波動的な様相で酉に伝播している.この移動

速度は平均6.8cm/Sと見積もられ,理論的に得られる傾圧第1モードのロスビ

一波よりも早い伝播速度であった.また,対象海域の海面高度変動強度の分布

から,これらの渦は黒潮続流域で形成されていると示唆される・なお,詳しく

は添付資料(3)Ebuchi and Hanawa (2000)を参照されたい.

(3)既存ファイル水温資料,並びに典洋およびTOLEX-XBT資料による亜熱帯循

環系北西部における亜熱帯モード水経年変動の研究

はじめに,既存のファイル水温資料を時間・空間的に格子化して,亜熱帯モ

ード水の経年変動を,冬季東アジアモンスーンの強弱との関係に着目して合成

図解析手法により調べた.北太平洋亜熱帯循環系北西部における風応力の場は,

経年(2-4年)変動と数十年(10-20年)変動が卓越している.このうち経年変動

は,ロシアのイルクーツクと根室の海面気圧差で定義される季節風指数(Mo二)

で良く表現できることが分かった.そこで,高MOIと低MOIという2つのカテ

ゴリで,水温場に対する合成図解析を行った.その結果,強い(弱い)モンスー

ンの冬季は,冷たく(温かく)厚い(薄い)亜熱帯モード水が形成されていること

が分かった.同時に海面熱フラックスとエクマン層による水平熱収束を2つの

カテゴリで解析したところ,強い(弱い)モンスーンの冬季は,大量(比較的少

量)の熱を海面から放出していることが分かった.なお,詳しくは,添付資料

(2)Yasuda and Hanawa (1999)を参照されたい.

次に,小笠原水産センター「興洋」が小笠原諸島近海で観測してきた水温資

料と,この間我々が行ってきた同海域のTOLEX一皿T資料を用いて,亜熱帯モー

ド水の経年変動に着目して解析した.亜熱帯モード水は,黒潮続流域において

冬季の厚い混合層で形成される.対象海域は,亜熱帯モード水が直接形成され

る海域の西側にあたっており,移流経路からは下流域にあたる.同海域では,

4月ごろに比較的水温の高いモード水が, 6月ごろからは冷たいモード水が出

現し,この水温は翌年まで継続する.この後者の水温は,他の資料との比較か

ら,形成域におけるコア水温と一致しており,この海域が亜熱帯モード水コア

水温の良い監視域であることを示している.さらに,モード水コア水温の経年

変動は,上記冬季東アジアモンスーンの強弱を表すMOIと高い相関を持ち,コ

ア水温は,冬季の海面冷却のメモリでることが分かった.なお,詳しくは添付

資料(4)Taneda et al. (2000)を参照されたい.

(8)

5.添付資料

part Ⅱとして以下に挙げる4つの論文(投稿中・準備中を含む)を採録する.

(1)木津昭一・花輪公雄,2000: GPS干渉測位に基づく海面高度計測の実験. 「海

の研究」投稿予定.

(2) Yasuda, T. and K. Hanawa, 1999: Compositeanalysis ofNorthPacifiC subtropical

mode water properties with respect to the strength of the wintertime East

Asianmonsoon. J. Oceanogr., 55, 531-541.

(3) Ebuchi, N.and K. Hanawa, 2000: Mesoscale eddies observed by TOLEX-ADCP

and TOPEX仲OSEIDONaltimeter in the Kuroshio recirculation reglOn south

ofJapan. J・ Ocem70gr・, 56, 43-57・

(4) Taneda, T., T. Sugaand K. Hanawa, 2000: Subtropicalmode water variation in the

northwestern part of the North Pacific subtropicalgyre・ Submitted to

J. Geozpkvs・ Res・

(9)

-5-part Ⅱ.添付資料

1.木津昭一・花輪公雄, 2000: GPS干渉測位に基づく海面高度計測実験.

「海の研究」投稿予定.

2. Yasuda, T.and K. Hanawa, 1999: Composite analysis of North Paci鮎subtropical

mode water properties with respect to the strengthofthe wintertime East

Asianmonsoon. J. Ocem70gr., 55, 531-541・

3. Ebuchi, N.and K. Hanawa, 2000: Mesoscale eddies observed by TOLEX-ADCP

and TOPEX伊OSEIDONaltimeter in the Kuroshio recirculation reglOn south

ofJapan. J. Ocem20gT:, 56, 43-57・

4 ・ Taneda, T., T. Suga and K・ Hanawa, 2000: Subtropicalmode water variation in the

northwestern part of the NorthPacifiC subtropicalgyre・ Submitted to

(10)

GPS干渉測位に基づく海面高度計測の実験

木津昭一・花輪公雄

東北大学大学院理学研究科 ( 〒 980-8578仙台市青葉区荒巻字青葉) 日本海洋学会誌「海の研究」 -投稿の予定

(11)

一7-1 はじめに

GPS干渉測位は, GPS衛星から発せられる電波を2地点で同時に受信し,その搬送波位相差 を精密に測定することによって,一方の受信点(以下,既知点または基準点)に対する他方の受信点 (以下,未知点または被軌位点)の相対的な座標を決定する測位技術である・原理的に現在航法分野 で普及している単独測位や所謂トランスロケーション(コードDGPS)法よりも造かに精度が高く, 近年,測地・測量分野で急速に普及している.ちなみに"干渉測位"や"トランスロケーション"と いう名称は日本のみで用いられ,英語ではどちらも"ディファレンシャル(差動)GPS (DGPS)"と 呼ばれている. 干渉親任と,過去・現在の主な航法技術(ロランC,デッカ等や, GPSの中でもコード情報の みによる単独測位やコードDGPS法)との最大の違いは,前述の通り測位精度が極めて高い点にあ る.このため,従来のように海上での経緯度を決定するのみならず, GPSを用いて船の姿勢(船首

方位など; King adAd Cooper, 1993; Gridiths, 1994)や鉛直位置を測ることが現実的になってきた

(移動体の姿勢を測るためのGPS装置は既に商品化されている)・喫水の変化や船体の動揺に伴う 上下動を無視すれば,船の高さを近似的に海面の高さ(海面高度)と見なすことが出来るので,こ れにより航路上の海面高度分布が測られることになる.凪いだ海面は一見平らに見えるが,大規 模に見ると海面は地球の重力場の不均一や潮汐,海の流れなどのため決して平坦ではなく,地球全 体では高さ150m以上の凹凸があると言われている.この海面高度を計測できれば,ジオイド(海 水が静止している時の海面形状と等価)を考慮することにより,海洋潮汐や,より海洋学的に重要 な力学的海面高度を算出することが可能である.沿岸潮位に比べると外洋の潮位変化の実態には 現在も不明な点が多く残っており,また,もし精度良く力学的海面高度を計軌できれば,地衡流 の仮定の下,これからさらに海洋表層の流速場を推定することができるので,海洋監視に大きく 貢献できると期待される.このようなGPSによる海面高度の観測例は,世界的にもまだ報告され ていない.以上のように海面高度は海の流れや構造を研究する上で重要なパラメータであるため, 我々は海上を航行する船舶にGPS干渉親任装置を搭載することによって,航路上の海面高度を計 軌することを発案,具体化するに至った. 本研究の開始時点では,船舶のような移動体の上で干渉測位を行う試み(連続キネマティック 執位)自体の歴史が浅く,実際にどの程度これが可能であるかも明らかではなかった・したがって 我々は先ず,研究計画に先立ち,他機関の機材を借用して何度か予備実験を行った(木津・花輪,

(12)

1995a; 1995b; 1995C; 1996).そして,三ヶ年の研究計画の初年度に搬送波位相の積算処理能力を 持つGPS受信機を2台購入し,次年度に掛けてその測位能力を更に数回にわたり試験した.計画 の最終年度には,東京一父島間の定期運航船にこれを搭載して,陸上の固定点に対する船の相対測 位を行うことにより,往復航路および父島二見港停泊中における海面高度の計軸実験を実施した.

2 干渉測位の原理

GPSでは,軌道が分かっている複数の衛星から発せられる信号を受信し,各衛星と受信点の 間の距離を3次元幾何学的に決定することによって測位が可能となる.この時,単独測位やコード DGPS法ではGPS衛星の電波に乗っているコード情報を用いて電波の伝搬時間を計測する仕組み になっているが,いわゆる干渉軌位ではGPS衛星が発する信号の搬送波(Ll帯1575.42 MHzと L2帯1227.6 MHzの2周波)そのものを物差し代わりにして,その位相角を精密に(波長の100分 の1程度の分解能で)測定する.すなわち,衛星と受信機の間に含まれる搬送波の波数を整数部分 と1波長以下の端数に分け,まず後者を精密に軌定することによって最終的な測位精度を飛躍的に 高めている(GPSの測位原理については,土屋・辻(1995)等が詳しい). 干渉測位では,基準点(固定点)と被測位点(移動体)の双方において最低4個以上の共通衛星を 描捉し続けることが必要である.これは,基準点と被測位点の間の3次元的な距離(基線)を独立 な3対の衛星の組み合わせを用いて算出するためである.また干渉測位では長い基線でもコード DGPS法に比べて精度の低下が小さく,よく管理されたスタティック(静的)測量(固定点同士の間 の測量)では数百血の基線でもcmオーダーあるいはそれ以下の精度を達成できると言われてい る.さらに,コード情報-の依存度が相対的に低いことから, SA(選択利用性)の影響も受けにく いとされている. この干渉軌位を船舶の位置決定に応用する場合の大きな問題点の一つが,整数波数部分の決定 にある.既に述べたように,原理上,波数の小数部分の軌定精度は非常に高いのだが,搬送波位 相の測定だけでは波長の整数倍離れた場所と真の解をまったく区別できない(里呈)・実際にはこれ が3次元空間で起こるので,縦横高さ各1mの空間の中にも数百個の"解の侯梓'が存在することに なる.したがって,ここのような無数の解の候補の中から如何に精度良くかつ効率的に真の解を 決定するかが非常に重要となる. この整数波数部分(または整数不確定と呼ばれる)はコード情報の併用により決定される.基本

(13)

-9-的には,単独軌位もしくはコードDGPS等により初期推定値を与え,その周囲の解の候補の中か ら真の解を見つけ出すことになる.実際の整数不確定の解き方には用途に応じて様々な流儀があ り,また種々の基線処理ソフトウェアが腕を競う部分でもある.固定点間の静的測位の場合には, 3次元的な解の格子が時間的に移動することを利用する場合が多い.各瞬間の測定値には前述のよ うに非常に多くの不確定性があるのだが,時間が経つと偽の解が次々に移動するのに対して真の 解だけは動かないことを利用するのである(図2(a)).また,多くの衛星の組み合わせを併用する ことによっても同様の解の絞り込みが可能である(堅王坦)・ただし,このような方法だけでは基 本的に真の解が決定するまで被測定点が移動しないことが必要なので,船や車のように連続的に 移動する移動体の親任(連続キネマティック測位) -の適用は難しい. 連続キネマティック軌位では,原則として計測中の何処かで静止して整数波数を確定し,その 他では専ら端数部分の連続的な位相測定に頼る以外にない.しかし,この方法は元の場所に戻る ことも同じ場所に正確に留まることもできない海上の計測では大変困難を伴う.なぜなら,せっ かく一旦は整数不確定を解いても,移動中にサイクルスリップ(障害物などによる受信の中断)が 起こるとそこで新たな整数不確定を生じ,これを再度確定するためには再び静止したり既知点に 戻って計軌をやり直さなければならないからである. ところが最近,移動中でも整数不確定を解くための"On-thBFly"(OTF)という技術が開発さ れ,既にいくつかの基線処理ソフトウェアに実装されている.詳細は省略するが,基本的にはカ ルマンフィルタを利用して解の予軌を行いながら多衛星同時挿捉等によって波数バイアスの不確 定性を排除しているらしく,これを用いると万一移動中にサイクルスリップがあっても移動中に 整数波数を再確定できる可能性が高まる.本研究で目的とするような海上での船舶の精密測位を 可能とするためには,このようなOTFに基づく整数波数確定技術が必須である.

3 測位実験

我々は1999年9月,東京と小笠原諸島父島の間を往復する定期旅客船「おがさわら丸」 (小笠 原海運(樵),全長131m,総トン数6,679t,巡航速度22.5ノット;図3(a))を利用して, GPSによ る海上での連続キネマティック測位の実験を行った.移動体の測位のためには固定点における同時 観測が必要なので,東京都江東区の東京商船大学キャンパス内(図4(a))と父島二見港そばの草地 (図4(b))の2箇所に固定点を設営し,これら各々に対する船(図4(C))の相対位置を計測した・以

(14)

下では, 2つの固定受信点を各々"東京局"と"二見局",船の上の受信点を"船上局"と呼ぶことに する. 各受信点でのデータの取得期間は表1の通りである.実験は,船が9月5日午前10時に東京港 を出航して父島までの約900km(図3(ち))を約25時間半かけて航行し, 9月6日正午前に父島二見 港に入港した後, 3晩停泊して,再び9月10日午後に東京港へ戻るまでの一往復航海で行われた. 東京局はこの期間中ずっと運営されたが,二見局は船が二見港に停泊していた3日間のみの設営で あったため,後者のデータの期間は他に比べて短い. すべての受信点では, Ashtech社製の2周波Yコード対応GPS受借機を使用してGPS電波を 受信した.データの記録間隔は5秒とした.また,受信機内のメモリの容量では今実験のような 長時間かつ高時間分解能から来る大量のデータを保持できないため,パーソナルコンピュータを 接続してそのハードディスクにデータを記録させた(図4(d)).さらに,観測中の不慮のトラブル により全ての観測データが失われるという事故が予備実験段階で何度かあったので,危険分散の ため,往路は数時間∼半日毎に観測を中断・再開し,測位データの安全を確保した.復路では船 上局のみ,途中で観測を中断せず,継続してデータを取得した.実験中の生データの量は, 1日1 地点当たり約10MB(メガバイト)であった.

航海終了後,全てのデータを回収し,Ashtech社のPNAV(Precise NAVigation software)vcr.2. 1

(Ashtech, 1994)を用いて基線解析を行った・衛星軌道としては広報暦を用い,所定のモデルに基 づいて電離層や大気による電波の伝搬遅延を補正した. 前述のような各受信局のデータ取得状況により,観測データ全体は概ね"往路(東京一二見)'', "二見停泊中", "復路(二見-東京)''の3つの部分に分けられる.したがって以下では,往復航路上 (航行中)と父島(停泊中)の2つに分けて結果を整理し,順に報告する・

3.1往復航路上での結果

往路,復路とも船の航行中は東京局が唯一の固定局であったので,この東京局に対する船上局 の相対測位を行って航路上の海面高度を推定した.なおこの際,東京局の座標を同局での単独親 任に基づいて決めたので,その絶対値はあまり正確ではないと考えなければならない.したがっ て,以下で示すグラフや蔑論においても, "高ぎ'の数倍そのもの(絶対値)は余り重要な意味を持 たない.後に示すようなジオイドとの比較においても,同様の理由により縦軸を任意にずらして 表示するが,ここでは本質的に問題ないことをお断りしておく. ll

(15)

-里呈出と里空地に,各々往路と復路における船の高さの変化を示す・双方の下に並置した(b)

∼(e)のグラフは各々,各航路航行時の捕捉衛星数(ち), PDOP (e),整数不確定が解けたかどうか

を示すフラグ(d),およびRMS (e)を表している. PDOP (Position Dnution of Precision)紘,

衛星配置の幾何学的な"強さ"を表す数値的指標の一種で,値が小さいほど高い測位精度が期待で きることを意味する.また,フラグ(d)は, "0''であれば整数不確定が解けた解であることを表 し,それ以外は不確定が解けていないことを意味する.フラグが"2"になっている所は解の予測 に用いられるカルマンフィルタのパラメータが初期化された場所で,概ね記録データの切れ目に 対応する. 干渉測位では,原理的には最低4つの衛星を捕捉していれば測位計算が可能であるが,それ以 上の数の衛星が利用できる場合は最も高精度を期待できる(DOPが小さくなる)組み合わせが選ば れる.したがって,挿捉衛星が多ければ多いほど選択肢が広がるので好都合である.さらに,多 衛星同時捕捉は整数不確定を解く際にも有力な手がかりとなるため,結局,挿捉衛星数は多けれ ば多いほど良い.現在, GPS衛星の配備は既に完成しているので,時間帯などによっても多少変 わるとは言え,周囲に障害物のない場所ならば最大8-10個の衛星が挿捉できる.本実験では,往 復の航路とも捕捉衛星数は概ね5つ以上であったが,一部区間では4つ以下(3つ以下の部分は結 果に載せていない)になっていて,測位条件としては極めて厳しい状態である.その原因札アン テナ周囲の構造物などによって受信が妨げられたことにあると考えられる.同様に,データ時系 列に見られる"飛び"も,修復できなかったサイクルスリップに因るもので,その原因は矢張りア ンテナ周辺の構造物による遮蔽やマルチパス(周囲の障害物などで電波が反射して直接波以外の経 路の電波がアンテナで受信されること)にあると考えられる. フラグを見ると,航路上で波数の整数不確定が解けているのはせいぜい北緯33度以北であり, またその領域でも解けたり解けなかったりを断続的に繰り返す不安定な状態であったことが分か る.外洋の海洋潮汐や海流による海面高度変動の振幅はせいぜい1皿塩度であるので,それらの 定量的な評価を目指すのであればcmオーダーの測位精度を維持することが望まれる.しかるに, 波数の整数不確定が解けていない部分は解けた部分に比べて精度が劣る(極論すれ古淵脊度の保証が 無い)ので,定量的な議論の対象とすることすら危険である.したがって,本実験の観測条件の下 で意味のある海面高度の測定が出来る範囲は,東京基準の場合,多く見積もってもせいぜい北緯 33度より北側に隈られると言える.これは基線長にして約300km以内の範囲に相当する.しかし, これは最低限の必要条件であり,決してこの範囲内なら精度の良い測位結果が保証されるという

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意味ではない. 図5(a)と図6(a)は共に,この航路に沿って海面に数十mの起伏が存在すること,そしてその起 伏がジオイド(福田, 1995;国中の滑らかな実線)の分布に概ね沿っていることを示唆している・こ れは即ち,海面の起伏の大部分が地球の重力場の不均一によって生じていることを意味するので, 少なくとも定性的には合理的な結果に見える.しかし,往復航路で各々測定海面高度とジオイド (福田(1994)のモデルによる)の差をとって比べてみると(畢ヱ),その緯度分布は往路と復路でか なり異なる.その原因としては, ①計測誤差, ◎往復経路の違いによるジオイドの違い, ③潮汐 が挙げられるが, RA4Sの図で示されるように長基線域では解の安定度が精々数十センチ程度なの で,一度のみの観測ではこれを判断できない. 3.2 父島停泊中の結果 前述の通り,父島停泊中は固定局を父島にも設置したので,東京局と父島局の各々に対する船 上局の相対軌位を試みた.この際には,まず前述のように単独測位によって決めた東京局の位置に 相対的な父島局の位置を静的干渉測位によって決め,それから各々に対する連続キネマティック軸 位で船の時々刻々の船の座標を決めた.したがって父島局と東京局の相対位置関係はcmのオー ダーまで正確であるが,元々の東京局の座標がそれほど厳密ではないので,停泊中の船の位置の 絶対値にも任意の固定バイアスが含まれているものと解釈しなければならない.よって,後に示 す検潮所の潮位データとの比較でも,縦軸の借は適宜平行にずらして表示してあるが,以下の議 論では全く問題ない. 畢旦に,父島停泊中の船の高さの時間変化を示す・開いた丸が父島の検潮所における一時間毎 の潮位掛値(気象庁海洋課提供)を表し,それらにほぼ沿って分布している点が父島局基準の船 上局の鉛直座標を表す.一方,潮位変化と交差するように縦長に分布している点は,東京局基準の 船上局の鉛直座標を表している.また,前節と同様に,各々の固定局基準で解いた時の捕捉衛星 数, PDOP,整数波数の固定の成否を表すフラ?, RMSを畢旦(父島局基準)と里些(東京局基準) の(a)∼(d)に示す・ちなみ与哩で払いずれの固定局基準の場合も, PDOPが4未満でフラグ が"o''(すなわち整数波数不確定が解けている場合)の解のみを示してある・ 父島局基準(基線長約1血)の場合, GPSによる観測高度は潮位観測と極めて良く一致してお り,大変合理的な結果であると言える.しかしながら,東京局基準(基線長約900kn)の象合は有効 な結果が全く得られなかった.両固定局基準についての受信状況を比べてみると,どちらかと言えば

(17)

ー13-父島局基準よりもむしろ東京局基準の方が衛星数(里坐主と里坐)I PDOP (里当塑と里些坦) ともに安定している.それにも関わらず父島局基準より東京局基準の方が解の収束も精度も造か に悪くなってしまった原因は,図9(C)と図10(C)との比較で明らかなように,後者では大半の時間 帯で整数波数不確定が解けていないことにある. 航行中の結果でも示されたように,基線長がある程度の限界を超えると,たとえ受信状況にさ ほど変化がなくとも,短基線では解けていた整数波数不確定が解けなくなる.その原因を詳細に 検討することは,ソフトウェアの中身が完全には明らかでないこともあり本研究の範噂では不可 能である.しかしながら,波数不確定を解く際には何らかの手段(恐らくはコードDGPSや単独測 位)で与えた初期推定値の周囲で解を探索すると考えられることと,電離層や大気の空間分布が一 定と見なせる範囲(おおよそ数十km亀度)を超えるとコードDGPSの測位精度が低下することか ら,恐らくは長基線になると解の探索を行う際の初期推定値が的確でなくなるために此のような 結果になるものと推測される. 二見港内で停泊中の船の揺れは極めてゆっくりであり,また振幅も小さかった.そのような"大 人しい''動きの移動体の親任の場合でも千km近い基線では満足な解が得られなかったこと札 ア ンテナ周辺の構造物の影響を割り引いて考えたとしても,長基線では連続キネマティック測位が大 変困難であることを示していると言える.

4 議論と結論

本研究では,定期運航船「おがさわら丸」に搬送波位相の積算処理能力を持つGPS受信機を 搭載し,陸上の固定点に対する船体の相対測位を行うことを通じて航路上の海面高度の推定を試 みた.その結果,停泊中,航行中ともに,基線長が短い範囲内では有効なデータが得られた.し かし基線が長くなると,停泊中,航行中のいずれの場合も解の整数不確定が解かれず,定量的な 解析に耐えうるデータは得られなかった.このように基線長によって成否を分けた原因の一つに 紘,基線がコードDGPSが有効に機能する範囲を超えて長くなると解の探索の出発点となる初期 推定値の精度が急速に悪くなることが挙げられる. 船舶は上下左右に動揺しながら高速( rおがさわら丸」の場合は秒速約10m)で航行する・甲板 上に構造物の多い船で干渉測位を実施する際には,天空が開けている方向が狭められるため,継 続して受信できる衛星の数が少なくなったり,受信の中断やマルチパスが起こりやすくなる.ま

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た,船体の動揺に伴い障害物が天空に対して動くので,これらの障害物の影響は地上の固定局が 同じ障害物に囲まれた場合よりも更に大きくなる.本実験において望むような良い測位結果が得 られなかった第一の原因は此のような受信環境の悪さにあり,したがって船舶上で干渉測位を実 施する場合は出来るだけ周囲にアンテナより高い構造物がない船および場所を選んでアンテナを 設置することが重要であると言える.また,本実験では民間の旅客船を利用したために厳密に取 り扱うことは叶わなかったが,海面高度を精度良く測るためには当然の事ながら船体動揺や喫水 の変化に対しても十分な注意を払う必要がある. 海上でディファレンシャルGPSを実施しようとすると,固定点の配置が陸上に限られるため 必然的に基線長が長くなりがちである.しかし,陸上よりも制約の多い船舶上等において現在の GPS干渉軌位システムで安定した海面高度の測定を行えると考えられる範囲は,多く見積もって も岸(すなわち固定局)からせいぜい数百km以内に隈られると考えられる・具体的な基線長の限 界は移動体のキネマテイクス(被測位点がどのような運動をするか)や受信条件にも依存すると考 えられ,わずか一度の観測でこれを判断することは出来ないが,より安定した測位結果を得るた めには,恐らくはコードDGPSが十分有効に働く範囲,すなわち数十km以内に基線を保つこと が必要なのではないかと推測される. 干渉軌任用の受信機はまだまだ高価であり,また処理すべきデータ量も膨大なので,システム を船舶等に実装し運用すること自体が簡単ではない・ 「しかしながら,これまで主に水平方向の航 法技術として普及してきたGPSが,海上の鉛直測位を通じ一定の条件内でではあるが海面高度の 測定においても能力を発揮し得ることが本研究で示されたことは,今後のGPSの新たな有効利 用法-のヒントになるかも知れない.

謝辞.

本報告にあるGPS軌位実験は,小笠原海運(樵)および「おがさわら丸」の乗組員の御厚意の 下に行われた.また一連の観測とデータ解析に当たっては,三浦哲氏,日野亮太氏(ともに東北大 学理学部附属地震予知・噴火予知研究観測センター),岩坂直人氏(東京商船大学),倉本千恵子氏 (東京水産大学大学院),川合俊二氏(信州大学)ほかの各氏,および,太平洋フェリー(樵),トリ ンプルジャパン(樵),日立造船情報システム(樵)の各社の御協力を得た(所属は全て当時).潮位 データは気象庁海洋課からの提供によるものである.これら各位に謹んで謝意を表したい.

(19)

ー15-引用文献

Ashtech,hc・ (1994): Precise DiqerentialGPS Nawi伊tion弧d StLrVeying (PNAVIPrism)

soft-W打e uSer's guide, Document Ntlnber 600248, Revision A, 297pp.

福田洋一(1995):日本およびその周辺のジオイドの精密決定,測地学会誌, 41, 1-16.

G・GriGths (1994): Using 3DF GPS heading for improving underway ADCP data. J. Atmos.

Oceanic Technol., ll, 1135-1143.

B・A・Kizlg and E・B・ Cooper (1993): Comparison of ship's heading determizLedfrom an array of

GPS antenzLaSwith heading from conventionalgyrocompas measurements. Deep-Sea Res., 40,

2207-2216. 木津昭一・花葡公雄(1995a):海洋モニタリングにおけるGPS干渉測位の利用(ⅠⅠ)予備観測結果. 日本海洋学会1995年春季大会要旨集217. 木津昭一・花輪公雄(1995も):海洋モニタリングにおけるGPS干渉測位システムの利用(ⅠⅠⅠ)仙 台一苫小牧航路における海面高度の計測,日本海洋学会1995年秋季大会要旨集136-137. 木津昭一・花倫公雄(1995C):搬送波位相測定に基づく差動GPS (干渉測位)とその海洋研究に おける利用について.日本航海学会誌,第126号, 21-28. 木津昭一・花輪公雄(1996):海洋モニタリングにおけるGPS干渉測位の利用(Ⅳ)東京一父島航 路における海面高度反復計測の試み.日本海洋学会1996年秋季大会要旨集134. 土屋浮・辻宏道(1995): GPS測量の基埠, 274pp.,日本測量協会.

(20)

表1:各受信局の設営期間. 受信地(設置場所) 侘Y. 昆: 設営期間 東京(東京商船大学) 侘Y.鮎r 9月4日18時∼9月10日18時 父島(二見港そばの草地) 侘Y.鮎r 9月6日12時∼9月9日11時 船(「おがさわら丸」上部甲板) ゥ:霈r 9月5日10時∼9月10日14時 図1‥ 干渉測位における整数不確定(土屋・辻(1995)より)・この図では簡単のため,未知点が紙面 上の1次元にあると仮定してある・真の解の周囲には,整数波数分だけ無数の偽の解が存在する. 図2:整数波数バイアスの解き方の概念図(土屋・辻(1995)より). (a)解の時間的移動を利用す る場合, (b)多数の衛星組による解の一致点を探す場合・

(21)

ー17-136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 Longitude (oE) 図3‥ 実験を実施した(a) 「おがさわら丸」と(b)航路および陸上固定局の配置(●印). 5     4     3     2     1     0     9 3       3       q U       3       3       3       2 ( N o ) O P n l ! l t 2 1

(22)

図4:実験における各受信局の設営状況・ (a)東京局と(ち)父島局のアンテナ.

(23)

ー19-図4:実験における各受信局の設営状況(続き).船上局の(C)アンテナと(d)受信機,コンピュー

(24)

27  28  29  30  3 1 32  33  34  35  36 Latitude (○) 10 8 ._ 6 互 u) ≡ ⊂ 4 2 27 28 29 30 31 32 33  34  35 36 Latitude ∩ 27  28  29  30  3 1 32  33  34  35  36 Latitude ∩ (d) i 白 27  28  29  30  3 1 32  33  34  35  36 LalitLlde 0 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 Latitude ∩ 図5:往路における(a)船上局の高さ(SSH)と航路に沿うジオイド(福田, 1995)の分布(GEOID)・ (ち)-(e)は受信の解析の指標を示す各パラメータで,各々, (ち)捕捉衛星数, (C) PDOP, (d)フラ グ(e) RMS.詳細は本文を参照.いずれも東京局基準.ただし, (a)の縦軸は見やすいように任 意にずらしてある. 21 -6               4 S ^ の J O J O q ∈ n N

(25)

27  28  29  30  31 32  33  34 Latitude (つ 27  28  29  30  3 1 32  33  34  35  36 Latitude (つ 27  28  29  30  3 1 32  33  34  35  36 Latitude ∩ 27  28  29  30  3 】 32  33  34  35  36 Latitude ∩ (d 鳴 l 27  28  29  30  3 1 32  33  34  35  36 Latitude ∩ 図6:図5に同じ.ただし,復路の場合. S ^ S J ○ L O q u J n N

(26)

-2.0 -3.0 -4.0 -5.0 -6.0 26  27  28  29  30  3 1  32  33  34  35  36 Latitude 図7:往路(濃い線)と復路(薄い農)における船上局の高さとジオイド(福田, 1995)の差・ 82.0 81.0 80.0 79.0 号 = 78・0 ∽ ∽ 77.0 76.0 75.0 74.0 12:00 18:00 0:00 6:00 12:00 18:00 0:00 6:00 12:00 18:00 0:00 6:00 12:00 9/6         9〝         9/8         9/9 Hour(JST) 図8= 父島停泊中の船上局の高さ・ ○は父島の観執潮位(気象庁海洋課提供).潮位に沿って分布 する点が父島局基準の結果で,これと交差するように縦長に分布している点が東京局基準の結果. -23-2       1       0       1 l ( ∈ ) Q L O u 9 ・ H S S 0     0     0 0

(27)

10 8 7/】 読 6 0 a § 4 Z 2 15 21 3  9 15 21 3  9 15 21 3  9 15 9/6      9/7      8/8      9/9 Hour (JST) 15 21 3 9 15 2) 3 9 15 21 3 9 15 9/8      9′7      9/8      9/9 Hour (JS¶ 9 15 21 3  9 15 21 3  9 15 21 3  9 15 9/6      9/7      9/8      9/9 Hour (JST) 9 15 21 3 9 15 21 3 9 15 21 3 9 15 9/6      9/7      9/0      9/9 Hour (JST)

図9:父島局基準の場合の, (a)捕捉衛星数, (b) PDOP, (C)フラグ, (a) RMS.

2                         0 B e L j A ) ! r ) 6 ! q ∈ V

(28)

10 8 th >u7 6 0 0 ■⊃ § 4 ≡ 2 15 21 3  9 15 21 3 9 15 21 3 9 15 9/6      9/7      9/8      9/9 Hour (JST) 15 2】 3 9 15 21 3 9 15 21 3 9 15 9/6      9/7      9/8      9/9 Hour (JST) 15 21 3 9 15 21 3 9 15 21 3 9 15 9/6      9/7      9/8      9/9 HoLJT (JST) 15 21 3  9 15 21 3 9 15 21 3 9 15 9/6      9 /7      9/8      9/9 Hou- UST) 図10:図9に同じ.ただし,東京局基準の場合. 125-2 0 6 e J j A t ! n B ! q L J J V 4 )             一 〇               ▲ . ( t A J ) S V l t J

(29)

TOUR : Tohoku University Repository コメント・シート 本報告書収録の学術雑誌等発表論文は本ファイルに登録しておりません。なお、このうち東北大学 在籍の研究者の論文で、かつ、出版社等から著作権の許諾が得られた論文は、個別にTOUR に登録 しております。 TOUR http://ir.library.tohoku.ac.jp/

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