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内外 均衡 とマ ク ロ経済 政 策

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Academic year: 2022

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(1)内外 均衡 とマ ク ロ経済 政 策. 内外 均 衡 とマクロ経 済 政 策 横山. 目. 次. 1は. じめ に. 2基. 本 モ デ ル と分 析 の 枠 組 み. 3内. 外 均 衡 の 実 現 と財 政 ・金 融 政 策 の 役 割. 4経. 常 収 支 と為 替 レ ー トの 判 別 式. 5経. 常 収 支 、 為 替 レ ー トと財 政 ・金 融 政 策. 6ま. とめ. 1は. 将義. じめ に. 本 稿 の 目的 は、 標 準 的 なMundell(1963)とPleming(1962>σ)モ. デ ル に基 づ き、 国 内 均. 衡 と対 外 均 衡 とい う政 策 目標 を 同 時 に実 現 す る た め に、 財 政 政 策 と金 融 政 策 を どの よ うに 発 動 す べ きか を考 察 す る と と もに 、 口本 経 済 に 対 す る 政 策 的 な 含 意 を導 き出 す こ と に あ る(C。 「国 内 均 衡 」 は完 全 雇 用 の 実 現 ま た は 物 価 の 安 定 を意 味 す る。 他 方 、 変 動 為 替 レ ー ト制..Fで は 、 為 替 レ ー トの 速 や か な変 動 に よ り国 際 収 支 の 均 衡 が 維 持 され る た め 、 こ こで い う 「 対外 均 衡 」 と は経 常 収 支 の 目標 値 の 実 現 また は実 質 利 子 率 の 特 定 水 準 の 維 持 を意 昧 す る。 本 稿 の 構 成 は 次 の とお りで あ る。 第2節. で は、 基 本 モ デ ル と分 析 の 枠 組 み を提 示 す る。 第. 3節 で は、 国 内 均 衡 と対 外 均 衡 を 圃 時 に 実 現 す る た め に 、 財 政 政 策 お よび 金 融 政 策 の 発 動 を 理 論 的 な側 面 か ら考 察 す る と と もに、 日本 経 済 の 現 状 を 考 え る。 続 く第4節. では、経常収 支. と実 質 為 替 レ ー トの 判 別 式 を導 出 し、 第5節 で は 、 それ らの 判 別 式 に基 づ き、 国 内 均 衡 と対 外 均 衡 の 実 現 に 対 す る財 政 政 策 と金 融 政 策 の 割 り当 て の 有 効 性 を検 討 す る。. 2基. 2‑i基. 本 モデ ル と分 析 の枠 組 み. 本 モデル. は じ め に基 本 モ デル を提 示 す る。 小 国 、 不 完 全 資 本 移 動 、 静 学 的 な 為 替 レ ー トの 予想 、 資. 一z一. 一.

(2) 内外均衡 とマ クロ経済 政策. 産 効 果 の 捨 象 を仮 定 す れ ば、 基 本 と な る連 立 体 系 は 次 の よ う に示 され る。. (1)Y=D(Y,r)+G+NX(t,Y). ̀=eP*〆P,0〈Dy<1,ρ,.<0,NXr>0,2>Xr〈0. (・)P=G(Y,r+π)Ly>o,L,〈. ・. (3)6P=NX(r,め+F(r‑Y*)F'>0 (4)}7=r'(ノV,K)/v>0,f(>o.∂'fv!∂1Vくo,∂fK/∂t(く0 (・)罵. ρ(WP・ 幻D/VwiE〈. 各 記 号 は、Y:実. 質 所 得(実. 曜. ・〉・. 質GDP)、D:実. 質 民 間 支 出 、G=実. 経 常 収 支 、ズ 実 質 利 子 率 、i:実 質 為 替 レ ー ト、el自 価 水 準 、M;名 本 収 支 、fマ. 質 政 府.支出 、NX:実. 質. 国 通貨 表 示 の 名 目為 替 レー ト、P:物. 目貨 幣 供 給 、乙=実 質 貨 幣 需 要 、π:期 待 イ ン フ レ率 、別)=国 際 収 支 、F:資 ク ロ 的 生 産 関 数 、N:労. 働 投 入 量 、K:資. 本 ス トッ ク、1>D=労 働 需 要 、W=名. 目賃 金 率 で あ り、 外 国 の 変 数 に は 記 号 の 右 上 に*を 添 えて い る。 (1)式 は生 産 物 布 場 の均 衡 条 件 で あ る。 実 質 民 間 支 出 は 、 実 質 所 得 の 拡 大 と と もに 増 加 し 限 界 支 出性 向 は正 で1よ の 減 価(名. り小 さ く、利 子 率 の 低 下 と と もに 増 加 す る。 ま た 、 実 質 為 替 レ ー ト. 目為 替 レ ー トの 減 価 、 自 国 物 価 の 下 落 、外 国 物 価 の 上 昇)に. よ って 実 質 経 常 収 支. は 改 善 す る。 自国 の 所 得 拡 大 は 、 輸 入 の 拡 大 を通 じて経 常 収 支 を 悪 化 させ る。 (2>式 は貨 幣 市 場 の 均 衡 条 件 で あ る。 実 質 貨 幣 需 要 は 、 実 質 所 得 の 増 加 お よび 名 目利 子率 (i=r+π)の. 低.下に応 じて増 加 す る。 名 目貨 幣 供 給 量 と期 待 イ ン フ レ率 は与 件 とす る(2;。. (3>式 は国 際 収 支 の 均 衡 条 件 で あ る 。 国 際 収 支 は経 常 収 支 と資 本 収 支 か ら構 成 され る。 変 動 為 替 レ ー ト制 σ)もとで は、BP=0と が っ て 、 国 際 収 支 の 黒 字(赤. な る よ うに 名 目為 替 レ ー トが 速 や か に変 動 す る。 した. 字)は 名 目為 替 レー トの 増 爾(減 価)を. 引 き起 こす 。 い ま不 完. 全 資 本 移 動 を仮 定 す れ ば 、 自国 と外 国 の利 子 率 の格 差 が 拡 大 す る につ れ て 資 本 移 動 が有 限 の 率 で 活 発 化 す る。 た だ し、 国 際 的 なIII子率 の 裁 定 は生 じず(r≠r*)、. 外 国 利 子 率 を所 与 と し. て扱 えば 、 自国利 子率 の上 昇 に応 じて 資 本 収 支 が改 善 す る。 (4)式 は マ ク ロの 生 産 関 数 で あ る。 生 産 量 は労 働 投 人 量 と資 本.ス トッ ク に依 存 し、 各 生 産 要 素 の 投 入 が 増 え る につ れ て 生 産 量 も増 え る と い う関係 が 成 立 す る。 生 産 要 素 に 関 す る限 界 生 産 力 は 正 で あ るが 、 生 産 要 素 の 投 入 が 増 加 す る につ れ て 限 界 生 産 力 は 逓 減 す る。 ⑤. 式 は 労 働 需 要 関 数 で あ る。 ケ イ ン ジ ァ ンの モ デ ル で は、 物 価 は伸 縮 的 で あ る と考 え る. が 、名 目賃 金 率 は与 件 と して 扱 わ れ る 。 こ こで は実 質賃 金 率 の 下 落(物. 価 水 準 の上 昇 や 名 目. 賃 金 率 の 下 落 〉 が 生 じ る と、 企 業 は、 労働 供 給 の制 約 を受 けず に労 働 需 要 を増 加 させ 、 自 ら の利 潤 を増 や す こ とが で き る。 ま た 、 資 本 ス トック の増 加 は 労 働 需 要 の 増 加 を誘 発 す る。. 一2一.

(3) 内 外均 衡 とマ クロ経済 政策. 2‑2分. 析 の 枠組 み. 次 に 、 基 本 モ デ ル の うち(1>式. 〜(3)式. で 与 え られ る需 要 サ イ ドに着 目 し、 分 析 の 枠 組. み と な る 「国 内 均衡 曲 線 」、 「対 外 均衡 曲 線Jお. 図1内. よ び 「均衡 為 替 レ ー ト曲 線 」 を導 出 す る(3}。. 外 均 衡 の 実 現 と財 政 ・金 融 政 策 の役 割. M r. Y ノ. 貨 幣供 給. E C △. . . レ. ρ. 8 ^ . ● A. Y. r. G. 政 府支 出. い ま、 図1に お い て 、縦 軸 に 貨 幣 供 給 量Mを. 、 横 軸 に政 府 支 出Gを. 表 す こ と とす る.国. 内均 衡 曲 線 γγは右 下 が りに描 か れ る。 不 完 全 資 本 移 動 の も と で は 、 財 政 政 策 と金 融 政 策 は と も に景 気 の 調 整 に 効 力 を 発 揮 す る こ とに な る か ら、 所 得 を完 全 雇 用 下 の 水 準 に維 持 す る に は、 政 府 支 出 の 増 加 に 伴 う所 得 の 拡 大 が 、 貨 幣 供 給 の 減 少 に 伴 う所 得 の 縮 小 に よ っ て相 殺 さ れ る こ とが 必 要 で あ る。 ま た 、YY曲. 線 よ り右 側 の 領 域 で は過 剰 雇 用(イ. あ り、 それ よ り左 側 の領 域 で は 過 小 雇 用(デ. ン フ レ)の 状 態 に. フ レ)の 状 態 に あ る。. 対 外 均 衡 曲 線rrは 右 上 が りに 描 か れ る。 不 完 全 資 本 移 動 の も とで 、 政 府 支 出 の 増 加 は 経 常 収 支 の 悪 化 を引 き起 こ し、 貨 幣 供 給 の増 加 は経 常 収 支 の 改 善 を生 じ させ る 、,この た め 、 経 常 収 支 を.・定 の 水 準 に 保 つ に は 、 政 府 支 出 の 増 加 に伴 う経 常 収 支 の悪 化 を、 貨 幣 供 給 の増 加 に伴 う経 常 収 支 の改 善 に よ って 打 ち消 す こ と が 要 請 され る。rr曲 線 よ り右 側(左. 側)の 領 域. で は 、 経 常 収 支 の 目標 値 に対 して 、 実 際 の 経 常 収 支 が悪 化(改 善 〉 した 状 態 に あ る 。 な お、 対 外 均 衡 曲 線 は 、 資 本 収 支 を.淀. に維 持 す るGとMの. 与 件 とす れ ば 、rr曲 線 は 自 国利 子 率 を.定. の 水 準 に 保 つGとMの. 持 つ 。 この 場 合 、rr曲 線 よ り右 測(左 側)の 子 率 は 高 い(低. 組 み 合 わ せ で もあ る。 外 国 利 子 率 を 組 み 合 わ せ とい う側 面 を. 領 域 で は 、 利 子 率 の 目標値 と比 較 して 実 際 の利. い)水 準 に あ る。. 資 本 移 動 性 が 高 い場 合 、 均 衡 為 替 レ ー ト曲',fixeeは右 上 が りに 描 か れ る。 資 本 移 動 性 が 高 い 場 合 、 為 替 レ ー トを 一 一一 定 の 水準 に 維 持 す るた め に は 、 政 府 支 出 の増 加 に伴 う為 替 レー トの 増 価 が 貨 幣 供 給 の 増 加 に伴 う為 替 レ ー トの減 価 に よ っ て相 殺 され る こ と が求 め られ る。 図1 は、 資本 移 動 性 が 高 い場nを. 想 定 し た 召ε曲 線 を表 し、ee曲 線 よ り上 方(下. ̲3̲. 方)の. 領域 にお.

(4) 内外 均衡 とマク ロ経済 政策. け る為 替 レー トは 均衡 為 替 レ ー トの 水 準 よ りも減 価(増 図1に. お い て 、fr曲 線 とeedHは. 働. した状 態 に あ る。. と も に右 上 が り に な る が、 前 者 の ほ うが よ り急 勾 配 に. 描 か れ て い る。 い ま、E点 か ら貨 幣 供 給 が増 加 す る ケ ー ス を考 えて み る。 貨 幣供 給 の 増 加 に 伴 う経 常 収.支の 改 善 は 、 政 府 支 出 の 増 加 に よ る 経 常 収 支 の悪 化 に よ っ て 相 殺 され 、J点 に お い て 対 外 均 衡 を 回 復 す る。 経 常 収 支NX(t,Y)を. 見 る と、E点 か ら/点 へ の 変 化 の 過 程 に お. い て 、 貨 幣供 給 の 増 加 と政 府 支 出 の 増 加 は 、 所 得 γの 増 加 を通 じて経 常 収 支 を悪 化 させ る効 果 を持 つ 。 つ ま り、J点 で は、 対 外 均 衡 を実 現 す る た め に 、所 得Yの. 増 加 に伴 う経 常 収 支 の. 悪 化 が 、 為 替 レー ト!の 減 蜥 に伴 う経 常 収 支 の 改 善 に よ って 打 ち消 され る必 要 が あ る。 言 い 換 え れ ば 、ノ点 に お け る 為 替 レー トは 、EJに. お け る 均 衡 為 替 レ ー トの 水 準 よ り も減 価 して. い な けれ ば な らな い 。 再 び 均 衡 為 替 レ ー トを実 現 す るた め に は、 政 府 支 出 がKl;1ま で 拡 大 し、 為 替 レ ー トを増 価 させ る こ とが 必 要 で あ る。 こ の よ う に、 資 本 移 動 性 が高 い場 合 、YY曲 線 はee曲 線 よ り急 勾 配 に描 か れ る こ とに な る。. 3内. 3‑1理 図1に. 外 均 衡 の 実現 と財 政 ・金 融 政策 の 役 割. 論 的考 察 基 づ き、 内外 均 衡 の 実 現 と財 政 ・金 融 政 策 の 役 割 を考 え る。 当初 の 経 済 がA点. 置 し、 不 完 全 雇 用 、 目標 値 以 上 に 改 善 した経 常 収 支(目. に位. 標 値 を 下 回 る利 子 率)、 均 衡 値 よ り. も増 価 した 為 替 レー トとい う状 況 に置 か れ て い る。 こ こ で は 、金 融 政 策 を為 替 レー ト調 整 に、 財 政 政 策 を経 常 収 支(利 子 率)の 補 正 的調 整 に 用 い る こ とに よ り内外 均衡 が 実 現 す る。 ま ず 、B点 に お い て 均 衡 為 替 レー トを実 現 す る よ う に 、 中 央 銀 行 が 貨 幣 供 給 を増 加 させ る こ とが 必 要 で あ る。貨 幣 供 給 増 大 の 規 模 は 国 内 均 衡 の実 現 に は不 十 分 で あ るが 、 利 子 率 の低 ..Fによ る民 間 支 出 の 増 加 と資 本 収 支 の 悪 化(為 替 レ ーhの 減 価 に よ る経 常 収 支 の 改 善 〉 を 通 じて 、 所 得 の 増 加 と雇 用 の 拡 大 に寄 与 す る。 しか し、 経 常 収 支(利 遠 ざか っ て し ま う。 政 府 支 出 の 増 加 を図 り、利r率 ゆ え 、 次 にC点. 子 率)は. そ の 目標 値 か ら. を 引 きf.げ る余 地 が残 され て い る。 そ れ. に お い て 対 外 均 衡 を実 現 す るよ うに、 政 府 支 出 の 拡 大 をnる こ と が要 請 され }. る。 こ こで は、 国 内 需 要 の 拡 大 と為 替 レ ー トの 増 価 に よ っ て経 常 収 支 の 悪 化 が 生 じ、 対 外 均 衡 が 実 現 す る。 ま た 、 国 内 需 要 の 拡 大 は、 所 得 ・雇 用 の 拡 大 と利 子 率 の 上 昇 を引 き起 こす 。 た だ し、C点 で は為 替 レ ー トが 均衡 値 よ り も増 価 して しま うか ら、 次 に貨 幣 供 給 の 増 加 を図 り、D点. に お い て 均 衡 為 替 レ ー トを 回復 す る こ と が 必 要 と され る。 この よ う に、 金 融 政 策 は. 利 子 率 の 変 更 を通 じて 為 替 レ ー トを調 整 す る こ と に 効 果 を 発 揮 す る。 他 方 、 財 政 政 策 は金 融 政 策 を補 完 し、 経 常 収 支 ま た は利 子 率 を補 正 的 に 調整 す る こ と に効 力 を持 つ 。 これ らの 政 策 に よ り、 内 外 均 衡 を実 現 す るE点. に 経 済 は収 束 す る。. 一「一.

(5) .﹂ ︑. 内外 均衡 とマク ロ経済 政策. 3‑2a本. 経 済 へ の応 用. こ こ で は 日本 経 済 の 現 状 に焦 点 を当 て る。 図2は. 、完全失業率 、実質利 子率、実質為替 レ. ー トの 動 向 を 示 して い る。 そ れ に よれ ば 、 完 全 失 業 率 は1990年. 以L昇. し、 デ フ レ経 済 が. 進 行 した こ とが 読 み とれ る。 こ れ は 国 内 均 衡 と 関連 す る指 標 で あ る が、 同 時 期 の 実 質 為 替 レ ー トは1995年. まで 円 高傾 向 を示 し、1995年 以 降 は 円 安 傾 向 を 示 して い る。 また 、 実 質 利 子. 率 は趨 勢 的 に 低.ド傾 向 を示 して い る が 、1995年. まで は高 め に推 移 し、1995年 以 降低 め に 推. 移 して い る 。 と く に 、1995年 以 降 、 デ フ レ傾 向 を示 す 口本 経 済 に 対 して 、 為 替 レー トと利 子. 図2完. 全 失 業 率 、 案 質 利 子 率 、 実 質 為 替 レー ト. % 6. 2000年=ioO 160. 5. 150. 4. 140. ソ. \. 実130 質. \. 3. 印 、 、\ ノ. 12・ 暮. ,《\. \き. \ '. \/. ノへ. レ 、. ノ. !.「. \. F 魑. " ,. ﹁. .K. !. \. ﹁ .. 幽 ﹁ ¶. 門 /. 魑. 2. ノ. ㌦. 〆〆 \/\ ノ(/\/\. ,、. '. '. '. \. ﹁. ン︑. \. 鋼. ﹁. ℃︑. 完 全 失 業 率 ・実 質 利 子 率. /へ!\. 、. 1. \). 一 完全失 業 一一一 実 質 利 子 ・ … 一・実 質 為 替. 1寸OI. ハ. ト ioa. 、! 、!. 90. \// v. 80. 0. 2005年. 1985199019952000 資 料 汀 経 済 財 政 白 書(2006年. 版 〉』、 日 本 銀 行 ホ ー ム ペ ー ジ 、 総 務 省 ホ ー ム ペ … ジ. 図3経. 常収支 と利子率. % 0 6 一 名 目経 常 収 支/名 一門一 実 質 利 子 率. 5.Of. 目GDP. 4.0. 3.C ノへ、. 2.0. !r一 !. !、. \/\ ノ. 、、. /. i.a. o.a 19851990799520002005年 (注)実. 質 利 子 率 は 国 債 流 通 利 回 り と 前 年 の 消 費 者 物 価 一ヒ昇 率(2000年. 資 料:『 経 済 財 政 白 書(2006年. 版)』. 一5一. を100;の. 差 と して計測.

(6) 内外 均衡 とマ ク ロ経済 政 策. 図4購. 買 力 平 価 と為 替 レ ー ト. 35C "、. 隔=ト の実勢値1 一一一 消 費者物価 に基づく購買力平価. 、. !!、. 30C. 、 ・チ 辱. \ 冒.‑「 噛. ì二 二迎 麹 価に基づく韻. 、. 空畳唖. 、 、. 円250 / ド Ib2。. 。. ㍗ ト15C. ioc. SC i97374757677787980ei82838485BE87888990919293949596979E990cO102030aO506年 資 料;IMF,lntern「tionalFinanci「1Statisticsか. ら 計 算. 率 に よ る調 整 が 行 われ て い た こ とが 理 解 で き る 。 実 質 利 子 率 と実 質 為 替 レ ー トの 間 に一 定 の 相 関 関 係 が読 み とれ 、 実 質 利 子 率 の 低 下 と同 時 に実 質 円 安 が生 じて い る.2001年. 以降 、金 融. の 量 的 緩 和 政 策 が 実 施 され 、実 質利 子 率 の低 下 と実 質 円安 が 失 業 率 の 低 下 に 貢 献 した と 考 え る こ と が で き る。 この 時 期 、 公 共 事 業 関連 費 は縮 小 して お り、 金 融 政 策 に依 存 した 経 済 運 営 が 行 わ れ て い た とい う事 実 も指 摘 で き る 。 図3は 、 経 常 収 支 と利 子 率 の 関 係 を表 し た もの で あ る。 理 論 上 、 利 子 率 の低..ト は、資 本収 支 の 悪 化 す な わ ち 為 替 レ ー トの減 価 に伴 う経 常 収 支 の 改 善 を 招 く こ と に な る。 変 動 為 替 レ ー ト制 に お い て 、 経 常 収 支 あ るい は利.f率 の 目標 値 の 維 持 を 対 外 均 衡 の 指 標 と して 挙 げ た が 、 両 者 の 関 係 を 見 た 場 合 、 実 質 利 子 率 の 上 昇(低. 下)と. 経 常 収 支 の 悪 化(改 善)の. 間 に一定 の. 相 関 関 係 が 観 察 され よ う。 図4は 、 購 買 力'F価 に 基 づ く為替 レ ー トの 水 準 を 求 め た もの で あ る.こ れ は均 衡 為 替 レ ー トと関 連 した 指 標 で あ る が 、近年 、為 替 レ ー トの趨 勢 値 と卸 売 物 価 指 数(国. 内企 業 物 価 指 数). に基 づ く購 買 力平 価 が ほ ぼ 一..・ 致 して い る こ とが わ か る。 最 近 の 口本 経 済 を見 た場 合 、 と りわ け金 融 政 策 を重 視 した 経 済 運 営 の 結 果 、 利 子率 の 低 下 と為 替 レー トの 減 価 が もた ら され 、 国 内 均 衡 の 実 現 に 向 け た調 整 が 行 わ れ て い る とい うこ とが で き る。. 4経. 4‑1経. 常収 支 と為 替 レー トの 判別 式. 常収支判別式. は じめ に 「経 常 収 支 判 別 式 」(経 常 収 支 の 対GDt'比 外 生 変 数 で あ る 独 立 的 な 国 内需 要(独. 率 の 変 化 に 関 す る判 別 式)を 導 出 す る。. 立 的 な 民 間 需 要 お よび 政 府 支 出Gの. 一6一. 合 計)Eo、. 名目.

(7) 内外 均衡 とマ ク ロ経済 政策. 貨 幣 供 給M.名. 目賃 金 率 凧. 資 本 ス ト ッ クKの. を 調 べ る 〔h;。 そ こ で 、(1>式. 〜(5)式. dr/dM、dr./dW、dr/dKを. 求 め 、 当 初rvx=F罵0と. 変 化 が 経 常 収 支 に い か な る影 響 を 及 ぼ す か. を 全 微 分 し 、NX=一Fと. い う 関 係 を 考 慮 し てdr/4石o、. し て 整 理 す れ ば(do=0、4r*=0と. す. る)、 経 常 収 支 判 別 式 は 、. (・〉 睾 ・穿. ≡ 詣1今. 》)【響. 一dWW・(へ 岬 。+fK)1 P・K̲dKYK]. と して 導 出 され る。 経 常 収 支 判 別 式 の 基 本 構 造 は 以 下 の と お りで あ る。 ① こ の 式 の 左 辺 が右 辺 よ り大 きい 場 合 、(経 常 収 支/GDP)は. 低 下 す る,. ② 左 辺 は 外 生 的 内需 寄 与 度 を表 し、 そ れ が 高 い ほ ど、(経 常 収 支/GDP)は ③ 名 目貨 幣 供 給(マ. 低 下 す る。. ネー サ プ ラ イ)の 増 加 率 が 高 い ほ ど、(経 常 収 支/GDP)は. ④ 名 目賃 金 率 の 上 昇 率 が高 い ほ ど、(経 常 収 支/GDP>は. 低 下 す る。. ⑤ 資 本 ス トッ クの 増 加 率 が 高 い ほ ど、(経 常 収 支/GDP>は お よび 資 本 の 生 産 性(却>DK+fK)が ⑥ 限 界 貯 蓄 性 向U‑Dy)が. 上 昇 す る。. 上 昇 す る,資 本 係 数(K/Y). 大 き い ほ ど、 資 本 ス トッ クの 影 響 度 が大 き くな る。. 大 き い ほ ど所 得 循 環 か らの 漏 れ が 発生 し、(経 常 収 支/GDP). の 上 昇 要 因 に な る。 ⑦ 貨 幣 需 要 の 所 得 弾 力 性Kが. 大 きい ほ ど 、(経 常 収 支/GDP>は. 低 下 す る傾 向 に あ る。 貨. 幣 需 要 の 所 得 弾 力 性 が 大 きい 場 合 、 実 質 所 得 が 増 加 す れ ば 貨 幣 需 要 の 拡 大 幅 が 大 き くな り、 貨 幣 市 場 の 均 衡 を回 復 す る た め の利 子率 の上 罫幅 も大 き く な る。 そ れ ゆ え、 資 本 収 支 の 改 善 幅 と実 質 為 替 レー トの増 価 幅 も大 き く な り、(経 常 収 支/GDP)は ⑧ 総 供 給 の 物 価 弾 力 性 ρ が 大 き い ほ ど、(経 常 収 支/GDP)の. 低 下 す る。 低rは. 抑 制 され る。 総 供 給. 曲 線 が 緩 や か な ほ ど物 価 のr.昇 は抑 制 さ れ 、 自国 生 産 物 の 価 格 競 争 力 の低 下 は小 さ くな る。 それ ゆ え、(経 常収 支/GDP)の. 4‑2実. 低 ドが抑 制 され る 。. 質 為 替 レ ー ト判 別 式. 次 に 「実 質 為 替 レ ー ト判 別 式 」 を導 出 す る 。 独 立 的 な 国 内 需 要 、 名 目貨 幣 供 給 、 名 目賃 金 率 、 資 本 ス トック が実 質 為替 レ ー トに及 ぼ す 影 響 を個 別 に 求 め 、 それ ら を整 理 す る と、 〈7)一E̲Y・穿. ≡1‑Dr‑ x+(1矯rL(差. 妻{ヲ鍔)}rdMM一. 望+(∫. 撒+fK一)iP一. を得 る 。 こ こか ら、 実 質 為 替 レ ー ト判 別 式 の 主 要 な特 徴 は以rに. ・一K̲Y・dKK]. 要 約 され る。. ① 右 辺 が 左 辺 よ り大 きい場 合 、 実 質 為替 レ ー トは減 価 す る。 ② 外 生 的 内需 寄 与 度 の.r昇 は、 実 質 為替 レ ー トの 増 価 を引 き起 こす 。 ③ 名 目貨 幣 供 給 の 増 加 、 名 目賃金 率 の 下落 、 資 本 ス トック の増 加 は実 質 為 替 レ ー トを減 価 させ る 。. ̲7一.

(8) 内外均衡 とマ ク ロ経済 政策 き. ④ 輸 入 需要 の 所 得 弾 力 性Nが. 大 きい ほ ど、 輸 入 拡 大 を通 じ た国 際収 支 の 悪 化 幅 が大 き くな. り、 実 質 為 替 レー トは減 価 す る傾 向 に あ る。 ⑤ 貨 幣 需 要 の利 子 弾 力性 η が大 きい ほ ど、 利 子 率 の上 昇 に対 して貨 幣 市 場 を均 衡 させ る た め の 所 得 拡大 幅 が 大 き く な る。 した が っ て、 輸 入 の 拡 大 幅 が大 き くな り、 実 質 為 替 レー トを 減 価 させ る要 因 に な る。 ⑥ 資 本 移 動 の利 子 弾 力性 λ が 大 き い ほ ど、 資 本 収 支 の改 善 幅 が大 き くな り、 実 質 為 替 レー トは増 価 す る傾 向 に あ る 、 あ るい は実 質 為替 レー トの 減 価 が 抑 制 され る, ⑦ 民 間 支 出 の利 子 弾 力 性 εが 大 き い ほ ど 、利 子 率 の 低 下 に伴 う民 間 支 出 の増 加 は 大 きい 。 この た め、 所 得 拡 大 と輸 入 拡 大 の 効 果 が 大 き くな り、 実 質 為 替 レー トの 減 価 が 促 進 され る, ⑧ 貨 幣 需 要 の 所 得 弾 力性Kが. 人 き い ほ ど、 所 得 の 増m,に 対 して 貨 幣 市 場 を均 衡 させ る た め. の 利 子 率 の上 昇 幅 は大 き く な る。 この た め、 国 際 収 支 の 改 善 が進 展 し、実 質 為 替 レー トの 減 価 が 抑 制 され る。 ⑨ 総 供 給 の物 価 弾 力 性 ρ が 大 きい ほ ど 、物 価 の 上 昇 が抑 制 され る た め に 、 実 質 為 替 レ ー ト の 減 価 が進 展 す る、 あ る い は 増 価 が 抑 制 され る 。 ⑩(6)式. と ⑦ 式 の 右 辺 の 係 数 を比 較 す れ ば 、 前 者 の ほ うが 小 さ い(s)経 常 収 支 に 与 え る. 影 響 は財 政 政 策 の ほ うが 相 対 的 に大 き く、 実 質 為 替 レ ー トに及 ぼ す 影 響 は 金 融 政 策 の ほ う が 相 対 的 に大 き い。 理 論 上 、 内 外 均 衡 を実 現 す る た め に は 、 金 融 政 策 を 為 替 レ ー トの 調 整 に 、 財 政 政 策 を経 常 収 支(利. 5経. 子率 〉 の 調 整 に 割 り当 て る こ とが 有 効 と な り得 る。. 常 収 支 、 為 替 レ ー トと財 政 ・金 融 政 策. 経 常 収 支 判 別 式 と実 質 為 替 レ ー ト判 別 式 に基 づ き、表1に. お け る若 干 の 経 済 資 料 を 用 い て. 経 常 収 支 と実 質 為 替 レー トの 動 き を 考 え る。 経 常 収 支 の 動 向 に つ い て 、 表1か. ら、 経 常 収 支 の 対GDP比. 率 と外 生 的 な 内需 寄 与度 が 強. い連 動 関 係 に あ る こ とが読 み とれ る 「6;。1980年代 後 半 に は 、外ft'な 経 常 収 支 の対GDP比 常 収 支 の 対GDP比. 内需 寄 与 度 が 高 い ほ ど、. 率 が低 下 して い る こ と が わ か る。 この よ うな 外 生 的 な 内需 寄 与 度 と経 率 と の 柑 関 関 係 は、 名 目貨 幣 供 給 の 増 加 率 、 名 日賃 金 率 の 上 昇 率 、 資 本. ス トック の 増 加 率 な ど、 経 常 収 .支判 別1¥の 右 辺 の 動 きか ら説 明 す る こ と もで き る。1980年 代 後 半 の 名 目貨 幣 供 給 は 、 急 激 な 円 高 に対 応 す る た め に 高 い 伸 び 率 を示 し、 これ は経 常 収 支 の 対GDP比. 率 を上 昇 させ る 効 果 を 持 つ 。 ま た、 名]賃. 金 率 は 上 昇 して い る もの の 、 資本 ス ト. ック の 増 加 や 生 産 性 の..ヒ 昇 に よ って 、 それ は か な り相 殺 され て い る と考 え られ るω。 右 辺 の. 率 が 低 下 して い る と い う事 実 は 、 そ れ が 外 乍 的 な 内. 一8一. 1. らず 、 この 期 間 に 経 常 収 支 の対GDP比. 率 を.上昇 させ る効 果 を持 つ 。 そ れ に も か か わ. .亡. 変 数 の 動 きは い ず れ も、 経 常 収 支 の 対GDP比.

(9) 内.外均 衡 とマ ク ロ経 済政策. 表1経. \ \INX. eY*. 1. .「一一. \. ㌔. 1985. 常 収 支 判 別 式 、 実 質 為 替 レー ト判 別 式 と経 済 変 数. Y 3.7. KdK 一 ・一 YK. 互.…1E‑,亟dW. ÷ 摩 耳鱒LL. P. E. 148.7. .「一ヤiヒ7..「. 8.4. 2.8. 14.8 12.5. 198614.2. 113.5. 1.3. G.7. 0.6. 8.7. 2.7. 198ア3.4. 708.1. 1.3. o.a. os. 10.4. 1.9. 9.8. 198812.7. 112.7. 4.0. 3.2. Q.6. 112. 3.5. 11.7. 4.2. 15.4. 4.7. 16.5. 1989. zi. 103.8. 3.1. 2.7. 0.4. 7990. 1.5. 123.4. 2.3. 1.6. 0.7. 1991. z.o. 115.7. 1.7. to. O.7. 3.6. 3.5. 17.8. 7992. 3.0. 113.1. 一〇s. 1.2. os. 1.7. 13.6. 1993. 3.0. ioo.マ. 一〇.ア. 一z .o. 1.3. ,.,. os. 9.0. 1994. 2.7. 95.1. 一〇.5. 一1. os. 2.1. 1.8. 7.2. 1995. 2.1. 94.6. 7.e. ,.,. 0.7. 3.0. 1.6. 8.0. 7996. 1.4. 112.4. i.2. 0.3. os. 3.3. 1.6. ア.4. 1997. 2.3. 119.0. os. ,.,. 一 〇s. 3.1. 2.0. 9.1. 1996. 3.1. 7iss. 一i .o. 一i. .o. o.o. 4.0. 1999. 2.6. 103.8. 一〇 .6. 一1. .7. ,.,. 3.6. 一1. 2000. 2.6. 100.0. 1.7. 1.8. 2.1. 一〇.3. nz.a. 0.7. o.a. 0.3. 2.8. 一〇s. O.1. 3.3. 一2 .9. 一1. 一〇.3. 1.7. 一〇. ・7 .7. 一〇. 1.9. 一〇.a. 20012.1 2002. 2.9. 118.9. 2003. 3.2. 118.4. 2004. 3.8. 2005. 3.6. 注(i)外. 一1. 一1. 一1. .1. 0.8 し117. .7. 125.2. .8. .1. .2. 1.1. 0,410.5 1,211.2. 一〇. .i. .i. o.a. 9.9 ,1.ア. 1.9. 一1. 一.. 8.8. .4. 3.6. .4. S.fi 5.4. .1. .4. ss. 1.07.5. 生 的 な 内需 寄 与.度は民 間最 終 消 費 支 出 と住 宅 投 資 を 除 く民 間需 要 の 寄 与 度 と公 的需 要 の寄 与 度 の合計. (2)(dM/M)はM2+CDの. 対前年比. (3)(dW/W)は 名 目現 金給 与 総 額 の対 前年 比. (4)(K/r;は 製 造業 の 資 本 係 数,(dK/Kは 製 造:業にお け る資 本 ス トック の対 前 年 比 資 料1「 国 民 経済 計 算 年報1内 閣府 経 済 社 会 総合 研 究 所 、 『 経 済 財 政 白書(2006年 版)』、 内 閣府 ホー ムペ ー ジ、 口本銀 行 ホ ー ムペ ー ジ. 需 寄 与 度 と強 い柑 関 関 係 に あ る こ と を裏 づ け る こ とに な る。 1990年 代 前 半 を 見 た 場 合 に も、 外 生 的 な 内需 寄 与 度 と経 常 収 支 の 対GDP比. 率 との間 に一. 定 の 関 係 が あ る こ と が うか が え る。 こ の 期 問 中 、外 生 的 な 内 需 寄 与 度 が 弱 含 み にな る につ れ て 、 経 常 収 支 の対GDP比. 率 は 反 転 して 上 昇 傾 向 に あ る。 また 、 こ の 期 間 の 右 辺 の 動 き を 見. る と、 名 目貨 幣 供 給 の 増 加 率 と資 本 ス トッ クの 伸 び 率 は と も に鈍 化 して い る 、 これ らは い ず れ も、 経 常 収 支 の対GDP比. 率 を大 幅 に 上 昇 させ るだ け の要 因 に は な り得 な い 。 こ の よ うな. 状 況 ドに お い て 、 経 常 収 支 の 対GDP比. 率 が 一.h.昇 して い る の は 、 外 生 的 な 内 需 寄 与 度 の 落 ち. 込 み に よ る もの とい え る。 さ ら に1990年. 代 後 半 以 降 を見 た 場 合 に も、 外 生 的 な 内需 寄 与 度. が 弱.含み に 推 移 し、経 常 収 支 の対GDP比. 率 は..ヒ 昇傾 向 に あ る こ と が わ か る。. 次 に、 実 質 為 替 レ ー トと経 済 変 数 との 関 係 を考 え る。 実 質 為 替 レ ー1・の 動 きは 主 に、 実 質 #aレ ー ト判 別 式 に お け る 右 辺 の 変 数 の 動 き に 連 動 す る と い う こ とが で き る。 た と え ば 、. 一9一.

(10) 内外 均衡 とマ クロ経済 政策. lyaa年 代 後 半 に は 、 外 生 的 な 内需 寄 与 度 が 上 昇 し、 こ れ は 実 質 為 替 レ ー トの 増 価 を も た らす 要 因 に な.るが 、 実 際 に は、 それ は減 価 の 傾 向 を示 して い る。 こ れ は 、 名 目貨 幣 供 給 が 大 幅 に 増 加 し た こ と、 そ して 、 資 本 ス トック の 伸 び 率 が 高 か っ た こ と に よ る もの と考 え られ る。 ま た 、1990年 代 前 半 で は、 外 生 的 な 内需 寄..与 度 がitlち込 み 、 これ は実 質 為 替 レ ー トを減 価 させ る要 因 に な る が 、 そ れ に もか か わ らず 、実 際 に 、 それ は 増 価 傾 向 を示 して い る。 これ も右 辺 の作 用 に よ る もの と考 え られ 、 名 目貨 幣 供 給 の 増 加 率 が 落 ち込 ん だ こ と と、 資 本 ス トッ ク の 伸 び 率 が鈍 化 した こ と が主 な 原 因 と して 挙 げ られ る。 さ らに 、ig90年 代 後 半 に お い て 、 実 質 為 替 レー トが 減 価 傾 向 を示 して い る こ と は、 実 質 為 替 レ ー トの 増 価 を もた らす 外 生 的 な 内 需 寄 与 度 の 回 復 以.t.に、 名 目貨 幣 供 給 と資 本 ス トック の 伸 び率 が 回 復 し、 そ の 効 果 が 相 対 的 に 大 きか っ た こ と を意 昧 して い る。2000年 以 降 で は 、 名 目貨 幣 供 給 の 伸 び 率 は低 い もの の 、 金 融 の 量 的 緩 和 の 効 果 が 作 用 し、実 質 為 替 レ ー トは減 価 して い る。 以 上 か ら、 経 常 収 支 の動 きは 生 産 物 市 場 に相 対 的 に 依 存 し、 実 質 為 替 レー トの 動 き は貨 幣 市場 や 供 給 サ イ ドに相 対 的 に依 存 す る とい う関係 が 見 い だ され る。. 6ま. とめ. 本 稿 の 内容 は お お よ そ 次 の よ うに 要 約 され る。 (1).変 動 為 替 レ ー ト制 下 に お い て 内外 均 衡 を実 現 し よ う とす る場 合 、.金融 政 策 は利 子 率 の 変 更 を通 じて 為 替 レ ー トを調 整 す る こ とに 効 果 を発 揮 す る 一 方 、 財 政 政 策 は 経 常 収 支 ま た は 利.子率 を補 正 的 に 調 整 す る こ と に効 力 を 持 つ とい う こ とが で きる。 (2)経 常 収 支 の 判 別 式 お よ び 実 質 為 替 レー トの 判 別 式 か ら、 経 常 収 支 の動 向 は 生 産 物 市 場 の動 きに 連 動 し、 実 質 為 替 レー トの 変 動 は貨 幣 市場 や 供 給 サ イ ドの 影 響 を よ り受 けや す い と い え る,.と くに 、 近 年 、 金 融 政 策 に依 存 した 経 済 運 営 が 行 わ れ 、 内 外 均 衡 の実 現 に対 して 、 金 融 政 策 を発 動 し、 利 子 率 の 調整 を 通 じて 均 衡 為 替 レ ー トを 目指 す と と も に 、財 政 政 策 に利 .子率 や 経 常 収 支 の 目標 値 に 向 け て補 正 的 な 役 割 を負 わ せ る こ と が有 効 で あ る こ とを 裏 づ け る こ と に な る。 た だ し、 これ らの 目標 値 の 設 定 に は さ らな る検 証 が 必 要 と され る。 (3)こ こ で は 、 供 給 サ イ ドを詳 し く検 証 して い な い が 、 最 近 の 物 価 上 昇 に対 して名 目賃 金 率 は低 下 傾 向 を示 し、 実 質 賃 金 率 が低 下 して い る こ とが い え る。 景 気 回 復 に は名 目賃 金 率 の 動 向 に も注 目す る こ とが 必 要 で あ る。. 一10一.

(11) 内外 均衡 とマク ロ.経 済政策. 【注. 】. 〔1.>Mundell(1962)、Argy(1994;chapters34・3H.清 (2)期. 川(2001;、. 横L〔1〔2003/第7章. 待 イ ン フ レ 率 が 不 変 で 、 か つ ゼ ロ で あ る と仮 定 し、 実 質 利 子 率 と 名a利. (3)2国. モ デ ル や 資 産 効 果 を 考 慮 した 場 合 も,国. を参照 。. 子 率 を区 別せ ず 論 述す る。. 内 均 衡 曲 線 、 対 外 均 衡 曲 線 、 均 衡 為 替 レ ー ト曲 線 は ほ ぼ1司. じで あ る 。 (4>民. 間 支 出 と 政 府 支 出 の 合 計(国 松 永(1993>第2章. では. つ い て 松 林(2008>も (5)経. 済 企 画 庁(当. 内 需 要 の 合 計)をEと. 「貿 易 収 支 判 別iと. 時)に. よる. 「.第4次 版EPA世. 界.経 済 モ デ ル..1(1991)、. ら 、n,0.71、K=i..i6、. 0..Lλ=11.49,η=os,ε=O.5と. ⑥. い う概 念 が/オJflさ れ て い る。 さ ら に 、 経 常 収 文 の 決 定 に. 参 照.. 〔1995)、 「経 済 白 書 」(200Q)か. 右 辺 の 係 数 は0.051で. し、 そ の 外 生 的 な 部s=をE〔 、と し て い る。 ま た 、. 「第5次. 版EPA世. 界 経 済 モ デ ル..1. ρ=o̲i〈 、 μ ≡2.82(1.992年. さ れ る 。 こ れ ら を代 入 す れ ば 、(6)式. 〜1999年},〃XFミ. の 右 辺 の 係 数 は0.037、(7>式. の. あ る.. 民 間 投 資 の う ち 住 宅 投 資 の 利 子 弾 力 性 は 高 い が 、 設 備 投 資 は利 子 に 非 弾 力 的 で あ る と い わ れ る 。 こ の た め 、外 生 的 内 需 寄 与 度 を住 宅 投 資 を 除 く民 間 投 資 支 出 の 寄 与 度 と政 府 支 出 の 寄 与 度 の 和 と して 定 義 す る 。. (7)『 国 際 比 較 統 計 』(日 本 銀 行)に 年 代 後 半 に 低 下 し 、1990年. よ れ ば 、 名 目 貸 金 率 と 労 働 生 産 性 を 加 味 し.た 「単 位 労 働 コ スr」. は ユ980. 代 前 半 に 上 昇 を 示 して い る 。. 【参 考 文 献 】 Argy,,V(1994),Ixteramtioroalル(acroecanom「cs:Thaory「ndPolacy,Roufledge Fleming,J.M.(1962),"DomesticFinancialPoliciesunderFixedandFloatingF7cchangeRates",IMFStaff Papers,Vol.9No.3,November,pp.369‑379 清 川 義 友(ZOOヱ)「 社 大 学)第52巻 松 林 洋 一(2008)「 松 永 嘉 夫(1993)『. 変 動.為 替 第4号. レ ー 、3月. ト制 下 の 対 内. ・対 外 均 衡 と 財 政. ・金 融 政 策 の.再 穣 討 ゴ 鰹. 済 学 論 叢 』((Rle,. 、pp,'L6‑38. 経 常 収 支 の 理 論 」 藤 田 誠..一・・小 川 英 治 編[.r金. 融 理 論 」;(第3章)有. 斐 閣. 日本 貿 易 論 』 有 斐 閣. Mundell,R.A.(196̀L),"TheAppropriateUseofMonetaryandFiscalPolicyforInternalandCxternalStabilitジ, IMFSt「f}Papas,Vol.9Na1,March,pp.70…77 Mundell,RA.(1963),"CapitalMobilityandStabilizationPolicyUnderFixedandFlexibleExchangeRates", (bnadi「n/buruo(ofEconomics「mdPoletica7ScienceVo],29No.4,November,pp.475‑485 横 山 将 義(2003)r開. 放 マ ク ロ 経 済 学 とR本. 経 済 一 開 放 経 済 下 に お け る 経 済 政 策 の 効 果 一 』 成 文 堂. ii一.

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