経営 と経済 第
87巻 第
3号 2007年12月
43外部経済とシュタッケルベルグゲームの均衡
村 田 省
Abstract
lnthispaperweconsidertheoutputlevelattheequilibrium ofCour‑ notduopolygameandStackelberggamewithperfectinformation.
Whenfirstmoverhasdecreasingcostbecauseofextenaleconomy,first moveradvantagebecomesgreaterthanitinthecasethereisnoexter‑ naleconomy.Andfromtheanalysisoftllispaperitiseasilyverifiedthat thepointofParatodominanncetoNashequilibiriaislocatedtotheright sideofCournotpoint.Inthiscaseonlythereactioncurveofthefirm whichhassmallercostunderexternaleconomyexistintheParetofield.
keyword:firstmoveradvantage,Stackelberggame
1 序
同時手番のクール ノー複 占ゲームの均衡 とシ ュタッケルベルグ複 占ゲーム の均衡 を比較する とき,完全情報下の均衡 においては,価格はシ ュグッケル ベルグゲーム よりクール ノーのほうが大 き くな り,逆 に,生産量合計は,クー ル ノーゲーム よ りシ ュタッケルベルグゲームの ほうが大 き くなる といわれ る。 また,シ ュタッケルベルグ先手の獲得利潤はクール ノーゲームの均衡か らえ られる利潤 よ りも大 きくな り, したがって先手有利であるといわれ る。
不完全情報 を想定するな どのわずかな例外を除けば,事実上,この結論 は不
動の もの と考 えられている。ただ し,その ことが敷宿 されて,この先手有利
性の程度 もまた状況によって変化 しない性質 と思われているか もしれない。
これは正 しくない。
本稿は,この先手有利性の結論 が外部経済の存在 によって どの程度まで左 右 されるかを検討する。シ ュタッケルベルグ後手にたいして外部経済効果が はた らき,その効果 として後手企業の費用水準低下があるケースは,先手有 利性が相当程度 に縮減 され,数値上ほ とん ど先手有利性がない状態 になるこ とをすでに確認 している。 したがって, ここでは,逆 にシ ュタッケルベルグ 先手 にたい して外部経済効果がはた らいた場合の効果を検討す る。ただでさ え先手有利である ところに,先手 にたい して外部経済が有利 にはた らくので あるか ら,先手の有利性が圧倒的なものになると予想 され る。 これは結論的 には正 しい予想である。 ところが,同時手番 クール ノーゲームのナ ッシ ュ均 衡 における均衡生産量は実際 には微増 に とどま り, したがって均衡価格は予 想に反 してほ とん ど変化 しないことがあるか もしれない。 また,外部経済の 効果 によって,
Hamilton, ∫ .
,andS,Slutsky.(1990)のなかで示 されている, 最適反応 曲線 と等利潤線の形状組合せについての総括的分類
(Fig.5Reac‑ tionfunctionsandParetosets)の どれにも属 さない組合せがある可能性は 否定できないのである。
か りにそ うであれば,はば完全 に分析 し尽 された感のあ る完全情報複 占
ゲームに もいまだ未開拓の領域が含 まれていることが明確 にな り,そこには
本稿の分析結果が もつ意義 も存在するわけである。なお, ここでの分析結果
は,ただちに先手有利性を くつがえす具体的反例を もた らす ことはないが,
外部経済効果を具体的に検証 しているか ら,外部経済が後手有利性につなが
る可能性 を暗示することはあると思われ る。なお,本稿での分析のなかで も
っとも重要な結論は,外部経済効果の恩恵を受ける企業が先手の場合,クー
ルノー均衡 よりもシ ュタッケルベルグ均衡のほ うがパ レー ト優位 になってい
るという事実である。 この ことは,この ようなゲームがは じめか ら先手 ・後
手ゲーム としておこなわれることを意味 している。いわゆる先手後手の決定
外部経済 とシ ュタッケルベルグゲームの均衡
問題 に光を与 えている。
45
2
モデルとその解析
本稿では,需要関数 ( 1 )が想定 される。 ここで
, ∬1は第 1企業の生産量で あ り
, x2は第
2企業の生産量である。需要切片
(a)は本稿 を通 じて常 に正値 を とるもの とす る。 また,需要 曲線の傾 き
(∂)も本稿 をつ うじて常 に正値 で あると仮定す る。
p‑a‑b(x
l +
xz) = 1第 1企業お よび第
2企業の費用関数は
(2), (3)である と仮定する。後半の 式の右辺第 2項が本稿モデルの特徴である。 この項は外部経済の効果を示す ものであるが,第二項の係数
(β2)が正値であれば外部経済効果を示 し,負値 であれば外部不経済効果を示す ことになる。通常は右下が りの最適反応曲線 が,外部経済係数のために仮 に右上が りになるとすれば,その効果はただ各 企業の獲得利潤を変動 させ るとい うことに とどま らない。本稿では,外部経 済係数 ( β 2 )は正定数 と仮定する。 したがって,第
2企業 は第 1企業の生産拡 大 とともに, 自企業生産 についての費用を縮小 してい くことが想定 されてい
る。
Cl(xl,x2)‑CIXI
C2(xl,x2)‑C2X2‑e2x2Xl
この結果,第 1企業お よび第
2企業の利潤関数 は
(4), (5)とな り,最適反 応関数は
(6), (7)になる。
7Tl‑ (a‑b(xl+x2))xl‑ CIX1
7T2‑ (a‑b(xl
+
x2))x2‑(C2X2‑e2x2Xl)旦 塑
‑(a‑clト 2bxr bx2‑0axl
一 旦
史 ‑(a‑C2)+(e2‑b)
xl‑2bx2‑0 axe( t U
LT、)ここで,第 2企業の最適反応曲線上で,第 2企業の生産数量 を拡大するほ ど第 2企業の利潤拡大が実現で きるか どうか確認する。第 2企業の最適反応 関数 か ら,最適反応 曲線上での第 1企業 と第
2企業の生産数量関係は
(8)に な り, これを第
2企業の利潤関数 に代入する と
(9)が得 られ,単調な利潤拡 大が確認できる。
xl‑
i
3 2・ 話 芸
打2‑(a‑b(i3 2・言莞 )+
x
2)x2‑(C2X2‑e2(
諾 x2・芸莞)
x2)‑bxe
(8)
(9)
同様 に,第
1企業 に とって も,やは り,最適反応 曲線上 にそって生産拡大 す ることが利潤拡大 につながることがわかる。 これは
,e2が正値あるいは負 値 であるか どうかにかかわ らず常 に成立する。 この ことは,外部経済効果を 考 えるときにはまった く不 自然な ことではないけれ ども,外部不経済効果を 想定する ときにはかな らず Lも自明なことではない。外部不経済 によって幾 何級数的 に費用がかさむ こととなるか らである。
3
ゲーム均衡 と最適反応曲線
第 1企業および第
2企業の両方 に,外部経済がまった く影響ない場合
(β2‑0)
,第 1企業および第
2企業の最適反応 曲線
(10),( ll )は図 1で示 される
ものになる。第
1企業の最適反応 曲線の傾 きのほうが第
2企業の最適反応 曲
線の傾 きより ( 絶対値 で)おおきい。 これは通常の ( 外部経済効果のない)
クール ノー複占ゲームおよびシ ュタッケルベルグ複 占ゲームの状況 とまった
外部経済 とシ ュグ ッケルベルグゲームの均衡 47
く同じである。第 1企業の最適反応曲線の傾 きと第
2企業の最適反応曲線 の 傾 きは互いに逆数 になっているが これも通常の関係であ る。第 1企業の等利 潤線は第 1企業の最適反応曲線 を頂点 として,一方の漸近線が縦軸である。
もう一方の漸近線 は以下の等利潤線 を示す式の右辺第
3項を除いた ものにあ る。なお,第
2企業の等利潤線 を示す関数は
(12)である。なお,次の不等式 の成立 を仮定する。
a‑cl≧0,a‑C2≧0
, b‑
e2≧Ox2‑ 隻手 ‑2
x
Ix2‑管 ‑ixl
打2
x1‑等 ーx2一
房
x2
埜 =o
ax.
埜
=o a
x ,̲ X
/ \ 1
図 1:外部経済がない場合
次に,第 1企業の生産活動が第
2企業の生産費水準 にたい して,外部経済
効果を もた らす と仮定す る。 これまで と同様 に
a‑cl≧0
,a‑ C2≧0を仮定す
るが,外部経済効果 によって e
2‑b垂0が成立 している と仮定すれば,第
1企業の最適反応が
(13),第
2企業の最適反応が
(14),第
1企業の等利潤線 が
(15)
第
2企業の等利潤線が(
16)にな り,図
2が得 られる。わずかではあるが, シュタッケルベルグ均衡のほうが後手第
1企業生産量は大 きく,先手第
2企 業生産量は小さ くなる。 この大小関係が成立する根拠は以下で示す。
次式は後手第
1企業の最適反応関数,次次式は先手第
2企業の最適反応関 敬,その次は第 1企業の等利潤線,その次は第
2企業の等利潤線である。な お,この漸近線はひ とつは横軸, もうひとつは
x1‑ ‑高覧 x2・筈莞である が,この漸近線は最適反応曲線 と同一切片をもち,傾 きが 2倍になっている。
(a‑cl)‑2bxl‑bx2‑0
(a‑C2)+(e2‑b
)
xl‑2bx2‑07 T I
x2‑
管 ‑
xl一房
a‑C2 b xl=盲=石‑百二石x2
7r2
( ∂一
g2)
∬2a‑cl≧0,a‑C2≧0,e2‑b垂0
X2
旦 a 生
x2=o ‑ Xl図2:先手第2企業にのみ外部経済効果
(13)
(14) (15) u6)
外部経済とシュタッケルベルグゲームの均衡
49ここで第
2企業の行動に注 目すると,先手であるにもかかわ らず,わざわ ざクールノー均衡 より低い生産量を選択 していることに気づ く。外部経済が ない ときには,先手は生産量を拡大 して利潤増をはかるとい うことが知 られ ているから,表面的な行動はここではまった く逆 になっている。 この大小関 係は,外部経済効果の恩恵を受ける先手第 2企業の最適反応曲線をその等利 潤線が通過するところでの傾 きが無限大 ( 以下の式を参照)にな り,後手第 1企業の最適反応曲線の傾 き (‑
2)より,絶対値で大 きいことか ら確認で きる。
(e2‑b
)
x2・dxl +
((a‑C2)十 (e2‑b)
xl‑2bx2)・dx2‑0 dx2̲ e2‑bdxl (a‑C2)
+
(e2‑b)‑2bx:本稿の仮定の もとでは,後手第 1企業の最適反応曲線の懐 きの絶対値は
1より小さ くなるから,このシュタッケルベルグ均衡点では,クール ノー均衡
より合計生産量が大 きくな り価格は低 くなる。パ レー ト効率性の観点か らす
れば消費者に とって条件の良い均衡になっていることが明らかである。 この
点で外部経済の恩恵を受けない企業が先手であった場合 と大 きく異なる。外
部経済の恩恵を受けない企業が先手であった場合は,第
1企業 と第
2企業の
両方の ( クールノー ‑ナ ッシュ均衡に比べて)生産縮減を発生 させる。なお,
本稿モデルにおけるシュタッケルベルグ均衡では,第
1企業 と第
2企業の両
方 に とってクール ノー均衡点 との対比でパ レー ト改善 となるような領域 は
クール ノー点の右側に広がっている。つま り,外部経済効果を受ける第 2企
業の生産量拡大 よりも外部経済効果を受けない第 1企業の生産拡大 によって
両企業はパ レー ト改善 されるのである。ただ し,そのパ レー ト優位集合のな
かを通過する最適反応曲線は第 1企業 と第
2企業の両方の反応 曲線であるこ
とに とくに注 目しなければな らない。 このため,パ レー ト改善 に向かう誘引
は非常に強い もの となるであろう。 この点で,通常句 ( 外部経済効果を考慮
しない) クール ノー複 占ゲームでは,パ レー ト優位集合が原点 よりに位置 し ていて,そのなかを両企業の どち らの最適反応 曲線 も通過 していない状況 と はまった く根本的に異なっている。本稿の ような複 占ゲームはは じめか ら先 手後手ゲーム としておこなわれ,けっして同時手番 クール ノーゲーム とはな
らない といって差 し支 えないか もしれない。
また,先手第 2企業は,均衡 より生産数量 を減少 させて利潤拡大を図るか ら,せっか くの天恵である外部経済はその効果を抑 えられる結末 とな るが, 第 1企業の最適反応 曲線の傾 きの絶対値が 1より小 さい ことが功を奏 して, 両企業による生産量合計は若干ではあるが拡大 している。 このあた りの具体 的な数値例は次節で与 えられる。
4
後手有利の数値例
本節では,先手有利性 に外部効果による典型的な影響 を与 えるゲームを具 体的に表示する。ひ とつの例は,第
1企業お よび第
2企業が,以下の利潤関 数をもつ場合である。 この ときは,第
2企業の生産活動 が第
1企業の費用水 準を減少 させ る効果を もっているが,その外部効果の程度は,両企業の生産 増大 とともに幾何級数的におお き くなることが想定 され る。
7Tl‑(20‑3(xl
+x2 ))
xl‑(5xl)7T2‑(20‑3(xl
+
x2))x2‑(5x214xIx2)この ときの最適反応関数および等利潤関数は以下のようになる。最初が第 1企業の最適反応関数であ り, これは外部経済の影響はないか ら右下が りで ある。一方,第
2企業のほ うは外部経済の影響によって最適反応曲線 が右上 が りになる。
15‑6xl‑3x2‑0 15+x1‑6x2‑0
外部経済 とシ ュタッケルベルグゲームの均衡
∬2
X;C 姓∂∬ = o
Ec 2
E:sta c k e lb erg
‑ Xl
x ;C
慧
‑ o\51
図3:外部経済効果の数値例
クール ノーゲーム としての均衡生産量を,第 1企業
x;C,第
2企業
x昌C, 均衡価格を
Fc,第 1企業利潤 を
ポC,第
2企業利潤 を
扇Cとす る。 これ に たい して,シ ュタッケルベルグゲーム としての均衡生産量を,後手第 1企業
x
; S,先手第
2企業
x昌S,均衡価格 を
P;,後手第 1企業 の利潤 を,
ポSお よ び後手第
2企業の利潤を T C 昌 Sとすると, これ らは各 々,以下の ような数値 に なる。 クール ノー均衡 よりシ ュタッケルベルグ均衡のほ うが圧倒的に先手有 利である。ただ し, この とき,先手第 2企業の費用水準はち ょうどゼ ロにな
る。
ところで,第 2企業 についてみると,同時手番ゲーム としてのクール ノー 複 占ゲーム均衡生産量のほうがシ ュタッケルベルグ先手 としての均衡生産量 よ り大 きくな っていることに気づ く。また,生産数量の絶対値 だけでな く, 後手第 1企業の生産量 との比率で もクール ノーゲームのほうが大 きい。ただ, 利潤だけがシ ュタッケルベルグ先手のほ うが大 き くなるだけ という状況であ
る。ただし, どち らの企業 も利潤拡大を実現 している。
XIC ‑詣≒ 1 ・15 4
■
x2C‑ X i 2 ・6
9
2辛
F
c ‑#
8・461打1C‑ 諾 主 3・99 4
*
打 昌 C
‑ 慧 主21・745XIS‑吾‑ 1 ・2 5
■
x2S‑i‑ 2 ・5
*
p
;
‑! ‑8
・75ポ S‑莞主 4 ・687
ポS等
‑(5×喜
‑4×粕 等
‑37・5ここで,クール ノー均衡 よ りもシ ュタッケルベルグ均衡のほ うがパ レー ト 優位 にな っているこ とにもっ とも注意 したい。 この ことは, このゲームが最 初 か ら先手後手ゲームでお こなわれ ることを意味 してい るか らであ る0
5
結
語本稿では,外部経済が存在す る場合 には,完全情報下の均衡 においては, 先手企業の生産量はシ ュグ ッケルベルグゲームのほ うが クール ノーゲームの ときよ り大 き くな り,後手企業 については逆 にシ ュタッケルベルグゲームの ほ うで生産縮小 に追 い こまれる とい う意味での先手有利性 にひ とつの反例 を 与 えた。外部経済効果を考慮す る とき,シ ュタッケルベルベルグ先手企業 が
外部経済とシュグッケルベルグゲームの均衡
53生産縮小 して,後手企業の生産拡大を図ろうとすることを確認 したからであ
る。また,複 占企業の生産量合計については,シ ュタッケルベルグゲームの ほうがクール ノーゲームの ときより大 きくな りるという通説 にたいして,ひ とつの反例を与えた。外部経済効果を考慮すれば,クールノー ‑ナ ッシ ュ均 衡 よりシュタッケルベルグ均衡 における複 占企業の生産量合計のほうが大 き くなることを具体的な数値例によっても確認 したからである。 これにより, 均衡価格の大小に関するこれまでの常識的な理解についての反例 もまたあた えたことになる。 とくにこれ ら結果を不完全情報 を仮定 しないで,完全情報 下で論証 した ところに意味があると思われる。なお,ただでさえ先手有利で あるところに,先手にたいして外部経済が有利にはた らくのであるか ら,先 手の有利性が圧倒的なものになると予想されたことについては,先手有利で あることだけは正 しいが,同時手番 クール ノーゲームのナ ッシ ュ均衡にたい してシュタッケルベルグ先手による均衡生産量は実際には微増にとどま り, したがって均衡価格は予想に反 してほ とん ど変化 しないことが明らかになっ た。
一方,ここでの分析結果は,先手有利性その ものについての反例を与えて いるわけではないが,先手有利性が利潤にどの程度まで出現するか とい うこ
との検討をおこな うなかで,利潤をささえる生産数量および価格 という変数 が, 外部経済効果の導入によってはおどろ くほど変化 しないことも確認 した。
そればか りでな く,シュタッケルベルグ後手企業の利潤 も,クール ノー ‑ナ ッシュ均衡におけるより大 きくなっていることは,本稿分析においてもっと も重要視されてよいであろう。 このことは,外部経済効果を ともな うゲーム が,クールノー型の同時手番ではな く,外部経済効果の恩恵を受ける企業先 手でおこなわれる可能性を論証 しているか らである。 クールノー均衡 よりも
シュタッケルベルグ均衡のほうがパ レー ト優位になっている。
また,外部経済の効果 によって,
Hamilton, ∫.
,andS,Slutsky.(1990)のな
かで示 されている,最適反応曲線 と等利潤線の形状組合せについての総括的
分類 (Fig.5ReactionfunctionsandParetosets)の どれにも属 さない組合せ がある可能性を提示 した。本稿モデルにおけるシ ュタッケルベルグ均衡では, 第 1企業 と第2企業の両方に とってクール ノー均衡点 との対比でパ レー ト改 善 となるような領域はクール ノー点の右下側 に広がっている。つま り,外部 経済効果 を受ける第2企業の生産量拡大 よりも外部経済効果を受けない第 1 企業の生産拡大 によって両企業はパ レー ト改善 されるのである。ただ し,そ のパ レー ト優位集合のなかを通過する最適反応曲線 は第 1企業 と第2企業の 両方の反応 曲線であ ることに注 目しなければな らない。 これは,Hamilton, J.,andS,Slutsky.(1990)では見落 とされている分類に属 している。
か りにそうであれば,はば完全 に分析 しつ くされた感のある完全情報複 占 ゲームに もいまだ未開拓の領域が含まれていることが明確 にな り,そこには 本稿の分析結果が もつ意義 も存在するわけである。なお, ここでの分析結果 は,ただちに先手有利性を くつがえす具体的反例を もた らす ことはないが, 外部経済効果を具体的に検証 しているか ら,外部経済が後手有利性につなが
る可能性 を暗示することはある と思われる。
参 考 文 献
[1
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