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アスファルト廃材の有効利用技術に関する研究

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Academic year: 2021

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全文

(1)

アスファルト廃材の有効利用技術に関する研究

研究予算:運営費交付金 研究期間:平

26

~平

30

担当チーム:寒地地盤チーム

研究担当者:畠山 乃、林 宏親、

佐藤 厚子、守田 穫人

【要旨】

環境問題や廃棄物の有効利用促進の観点から、アスファルト廃材の適用範囲を拡充することを目的として、室 内試験および現場試験施工を行い土木材料としての適用性を検証した。その結果、アスファルト廃材は、盛土材、

不良土の改良材として有効利用できることがわかった。また、実物大試験盛土により、アスファルト廃材による 盛土は、沈下による変状を発生するものの、締固め度を大きくすること、土砂を混合することにより沈下を抑制 できることがわかった。

キーワード:アスファルト廃材、盛土材、締固め度、不良土改良

1

.はじめに

本研究は、舗装補修の切削作業にともない発生す るアスファルト廃材(以降

As

廃材)をリサイクル して有効利用するために、土木材料としての有効性 や適用性について室内試験および現場試験施工より 検討を行った。

2

.研究方法

2

1

室内試験

室内試験では、土粒子密度、自然含水比、粒度分 布、締固め曲線、トラフィカビリティ、凍上性など の土質基本物性値やカドミウム、鉛、六価クロム、

ヒ素、総水銀、セレン、ホウ素、フッ素などの有害 物質の溶出量を求めた。

2.2 現場試験施工

苫小牧施工試験フィールド(苫小牧市柏原)にお いて、

As

廃材、

As

廃材と高含水不良土との混合土

(混合比

4:3

) により高さ

1.8m

の試験盛土を施工し、

施工性、締固め後の密度、盛土の強度、盛土の高さ などを測定した。 なお、 不良土は、 自然含水比

68.7%、

コーン指数

57kN/m2

で軟弱な材料である。

3.研究結果

3.1 室内試験結果 3.1.1 基本物性値1)

As

廃材の物理特性のうち、土粒子密度は

2.465

2.522g/cm3

の範囲で、日本の代表的な土砂の土粒子

密度である

2.6

2.8g/cm3

と比較して小さい。 これは、

土粒子に付着しているアスファルト成分によるもの

と考えられる。自然含水比は

2.8

6.2%

で日本にお ける代表的な含水比の測定例よりも低く岩の含水比 に近い。

As

廃材の粒度特性は、細粒分をほとんど含 まない礫に分類される。

As

廃材について凍上性判定 試験を行ったところ、凍上性が低い材料であり、凍 上抑制層として利用できる可能性がある。

As

廃材の締固め曲線を一般土砂とともに図-1 に 示す。

As

の種類に関わらず、最適含水比がほぼ等し い。また、最大乾燥密度を求めることができ、盛土 を施工した場合、締固め度により品質管理できる材 料である。

ほとんどの試料でコーン指数が

1200kN/㎡以上あ

り、ダンプトラックの走行性を確保できる

2)

。この ことより、

As

廃材は、適切に締固めれば盛土材とし て十分使用できる材料であることが示された。

3

1

2

有害物質溶出量

すべての

As

廃材について、カドミウム、鉛、六価 クロム、ヒ素、総水銀、セレン、ホウ素、フッ素の

図-1 アスファルト廃材の締固め曲線

(2)

溶出量を測定したところ、これらの項目では環境基 準値以下

3)

であったことを確認した。

3.2 現場試験施工結果

3.2.1

試験盛土の沈下量

施工からの時間と盛土の天端の沈下量を図-2 に示 す。 苫小牧

No.1

As

廃材と不良土との混合土であり、

No.2

No.3

As

廃材のみの盛土である。

No.2

は敷き 均しのみ、

No.3

は敷き均しのあと転圧して施工した。

最初の夏期での沈下量が大きく、その後は冬期に隆起 が確認されたものの、沈下がこれ以上進むことはな かった。また、苫小牧

No.1

は最大沈下量が約

7cm

で 最も小さく、

As

廃材のみによる盛土の最大沈下量の

1/3

から

1/4

程度であり、 不良土を混合することにより、

As

廃材による盛土の沈下を抑制できるといえる。

3.2.2

試験盛土の密度

施工から

3

年経過した盛土の締固め度を図-3 に示す。

苫小牧

No.1

では、深さ

30cm

地点の締固め度が大きい が、深さによる締固め度の差はほとんどなかった。一 方、苫小牧

No.2

盛土、苫小牧

No.3

盛土では盛土の表 面から深くなるにしたがい締固め度が高くなる傾向を 示している。この傾向は盛土の高さ別の沈下量を示し た図-2 の沈下量が大きかったことと一致している。

3

2

3

試験盛土の強度の変化

盛土の強度としてスウェーデン式サウンディング 試験を行った。図-4 に苫小牧

No.3

1m

あたりの半 回転数の経時変化を示す。深さが大きくなるほど、時 間が経過することにより、1m あたりの半回転数は大 きくなっている。苫小牧

No.1、2

のいずれにおいても 同様な傾向が見られた。このことより、

As

廃材による 盛土の強度は時間の経過により増加するといえる。

4.まとめ

本研究では、室内試験および現場試験施工により、

As

廃材を土木材料として有効利用するための検討を 行った。その結果、次のことがわかった。

1) As

廃材の土粒子密度や自然含水比などの物性値

は、日本の一般的な土砂と異なっている。しかし、

締固め特性に関しては良質な土材料と同様に、締 め固めることにより密度と強度が増加する材料で あり、盛土の品質は締固め度で管理できる。

2) As廃材からは、有害物質の溶出が認められない。

以上によりAs廃材は土木材料として十分利用でき る可能性がある。

3) As廃材による盛土は沈下する場合がある。土砂を

混合すること、締固め度を大きくすることなどに より、沈下を抑制できる可能性がある。

4) As

廃材による盛土の強度は、時間の経過により増

加している。このことより、現場で発生する不良 土の改良材としての利用の可能性も考えられる。

今後は、実際の道路断面に近い道路構造で施工を行 い、盛土材として有効利用するための具体的な手法に ついてとりまとめる必要がある。

参考文献

1)地盤工学会:地盤材料試験の方法と解説2009.11

2)日本道路協会:道路土工要綱、p.287、2009 3)

環境省

http://www.env.go.jp/kijun/dt1.html

-10 0 10 20 30 40

2015/12/1 2016/12/1 2017/12/1

盛土沈下量(cm)

測定日(年/月/日)

苫小牧No.1 苫小牧No.2 苫小牧No.3

図-2 盛土沈下量

80 85 90 95 100 105

0 30 60 90 120

・・

・ ゚・

xD c (

%)

天端からの深さ(cm)

苫小牧No.1 苫小牧No.2 苫小牧No.3 施工時

図-3 開削時の締固め度

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

0 200 400 600

盛土天端からの深さ(m)

1mあたりの半回転数Nsw(回)

施工直後 半年後 1年後 0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

0 0.25 0.5 0.75 1 荷重Wsw(kN)

No.2

図-4 1mあたりの半回転数の経時変化(苫小牧No.3)

参照

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