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ノカルジア症に関する研究について

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Academic year: 2021

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(1)

ノカルジア症に関する研究について

水産食品部 研究専門員 柳 宗悦

【目 的】

ノカルジア症はブリ属養殖魚で最大被害の感染症であるが有効なワクチンが未開発 で,サルファ剤の治療薬があるに過ぎない。本症は近年,増加傾向にあり,カンパチ で は 新 し い タ イ プ の ノ カ ル ジ ア 症 も 確 認 さ れ て い る こ と か ら , 承 認 薬 の スルファモノメトキシン

の薬剤感受性も含めた早急な特性把握が必要不可欠である。

(SMM-Na)

本 研究 で は, 酵 素 作用 を 応 用し た α -グルコシダーゼの 活性 と 薬 剤 感 受 性 と の 関 連 性 に 着目し,県内養殖場で発生している本症の野外分離株について,両者の関係を調査す

SMM-Na (EM) (OTC)

るとともに, の最適治療方法の検討とエリスロマイシン ,塩酸オキシテトラサイクリン の治療の可能性を探索した。また,血液中のノカルジア症原因菌

Nocardia seriolae

の 抗体価測定により,感染時期の予測による治療対策の検討を行った。

【材料及び方法】

(1)野外分離株のα-グルコシダーゼ活性と薬剤感受性(MIC値)の関連性に関する調査 県内養殖場で発生した本症の野外分離株について α-グルコシダーゼ活性の有無 今, (

SMM-Na EM OTC

回は活性有りを「陽性株 ,無しを「陰性株」として整理)と」 , , の3製剤に対する薬剤感受性(

MIC

値)の関連性を調査した。

(2)SMM-Na投薬方法の整理とEM,OTCの治療効果の探索

カ ン パ チ 当 歳 魚 に

Nocardia seriolae

の 生 菌 を 10

CFU/fish

と な る よ う 接 種 し ,

, , に つ い て 治 療 試 験 を 行 い , 生 残 率 等 の 比 較 か ら 有 効 な 治 療 投

SMM-Na EM OTC

薬方法の検討と

EM

OTC

の治療の可能性について調査した。

(3)ノカルジア症感染時期の予測の試み

県内養殖場において,ブリ・カンパチの当歳魚・2歳魚から血液を採取し,分離 した血清から

Nocardia seriolae

の 抗体価を測定し,発生時期の予測を試みた。

【結果及び考察】

(1)野外分離株のα-グルコシダーゼ活性と薬剤感受性(MIC値)の関連性に関する調査 α グルコシダーゼ活性と

- SMM-Na OTC EM

, , の薬剤感受性には密接な関連性があ

, , , ,

り(陽性株は

SMM-Na OTC

に対し低感受性

EM

に対し感受性 陰性株は

SMM-Na

に対し感受性, に対し低感受性 ,当該活性のモニタリングは既承認薬耐

OTC EM

性菌の出現の有無を評価する上で有益な指標に成り得るものと推察された(図1)。

(2)SMM-Na投薬方法の整理とEM,OTCの治療効果の探索

の投薬方法では,投薬→休薬→投薬→休薬のパターンが,最も治療効果

SMM-Na

EM SMM-Na OTC

が高いことがわかった また。 , は とほぼ同等の治療効果が 図2( ),

は治療効果が低いことが示唆された(図3 。)

(2)

(3)ノカルジア症感染時期の予測の試み

ブリでは当歳魚・2歳魚で6~7月に,カンパチでは当歳魚が5月に,2歳魚が 6 月 に そ れ ぞ れ 抗 体 価 の 上 昇 が確 認 さ れ ( 図4 , カン パ チ当 歳魚 は 5月 以 前 ,そ) の他は5~7月に感染していると推察され,それぞれ早期の治療対策が必要と考え られた。

(成果の活用面)

本 研 究 に よ り ノ カ ル ジ ア 症 の 既 承 認 以 外 の 薬 剤 の 治 療 効 果 が 示 唆 さ れ た こ と か ら,効能拡大に向けた今後の研究開発が期待される。

図1 野外分離株

Nocardia seriolae

の α グルコシダーゼ活性と薬剤感受性(- MIC分布)の関係

図2 SMM-Na EMの治療効果試験の生残率推移 図3 SMM-Na OTC の治療効果試験の生残率推移

図4 養殖カンパチ(当歳魚,2歳魚)の血清中の

Nocardia seriolae

に 対する抗体価の推移

0 5 10 15 20 25

<0.5 1 2 4 8 16 32 64 128 256 >512 MIC(μg/ml)

α-グルコシダーゼ陽性株 α-グルコシダーゼ陰性株

0 5 10 15 20 25

<0.5 1 2 4 8 16 32 64 128 256 >512 MIC(μg/ml)

α-グルコシダーゼ陽性株 α-グルコシダーゼ陰性株

0 5 10 15 20 25

<0.5 1 2 4 8 16 32 64 128 256 >512 MIC(μg/ml)

α-グルコシダーゼ陽性株 α-グルコシダーゼ陰性株

SMM-Na

OTC EM

N=62 N=62 N=62

感受性(高) 感受性(低) 感受性(高) 感受性(低) 感受性(高) 感受性(低)

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

【カンパチ当歳】

Control 5月 6月 7月 8月 9月 10月 12月 1月 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

【カンパチ2歳】

Control 5月 6月 7月 8月 9月 10月 12月 1月 0%

20%

40%

60%

80%

100%

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 生

残 率(

%)

攻撃後日数

試験区1 試験区2 試験区3 試験区4 試験区5

0 20 40 60 80 100

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 生

残 率(

%)

攻撃後日数 SMM-Na OTC 対照区

【試験区の概要】

試験区 内  容 投 薬 パ タ ー ン 試験区1 投薬→休薬→投薬→休薬 試験区2 投薬→休薬→休薬→投薬 試験区3 投薬→休薬→休薬→休薬 試験区4 EM区 投薬→休薬→投薬→休薬 試験区5 対照区 無   投   薬

SMM-Na区

吸光度 吸光度

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