• 検索結果がありません。

雑誌名 同志社法學

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "雑誌名 同志社法學"

Copied!
39
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

「二〇〇五年オーストラリア・ニューサウスウェー ルズ州民事訴訟法」第八章及び「二〇〇五年オース トラリア・ニューサウスウェールズ州統一民事訴訟 規則」第三九・四〇章の翻訳

著者 寺村 信道

雑誌名 同志社法學

巻 68

号 3

ページ 1151‑1188

発行年 2016‑07‑31

権利 同志社法學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000016880

(2)

同志社法学 六八巻三号三四三     一一五一

           

はしがき

  この翻訳は、﹁二〇〇五年オーストラリア・ニューサウスウェールズ州民事訴訟法 1

﹂及び﹁二〇〇五年オーストラリア・ニューサウスウェールズ州統一民事訴訟規則

)2

﹂のうち、強制執行を定める同法第八章と同規則第三九・四〇章の全訳(試訳)である。同州の民事訴訟法と統一民事訴訟規則の関係について、後者は、前者の下位規範であるといえる

)3

  二〇一六年二月四日に環太平洋経済連携協定(TPP)が調印された。TPPには、紛争解決に関する規定が設けられている。特に、TPP第二八・二二条は、国際商事紛争が生じた際に国際商事仲裁による紛争解決を当事者に推奨することを、T PP加盟国に義務づけている。したがって、今後、同地域において、国際商事仲裁の利用が益々増加することが見込まれる。その際、仲裁判断の強制執行の手続については、基本的には承認執行国の判決強制執行に関する法に従うことになる 4

。国際商事仲裁に関連して、例えば、わが国企業が諸外国の執行・保全法に関する問題に直面する事態が生じることも、十分に起こり得るのである。

  とりわけ、TPP諸国の中でも、オーストラリア、特に、ニューサウスウェールズ州を軽視することはできない。二〇一五年時点で、日本は、オーストラリアの第三位の輸入相手国であり、かつ、第二位の輸出相手国でもある

)5

。そして、同国最大のGDPを誇るニューサウスウェールズ州の、最大の輸出相手国

(3)

    同志社法学 六八巻三号三四四 一一五二 は、日本である 6

。今後、TPPによる両国間の貿易取引の促進に伴い、日本企業が同州の裁判所に仲裁判断の承認執行ないし強制執行を求める案件が増加することも予想される。同州の執行・保全法も、その重要性を増すであろう。

  それにもかかわらず、これまで日本では、オーストラリアの倒産手続については、紹介がなされてきたが、強制執行法の領域については、ほとんど紹介がなされてこなかった。よって、本稿で紹介することを通じて、取引社会の一助となれれば、幸いである。

A28o N0520ctreduceroil PivC1) 

ce0520s ule Rreduroil Piv CmornifU2) 

20050520ce under the Civil Proredu Act ules 3 R CreUniformivil Procedu) 、﹁ l naioatrnteIn 4、日法()  Arbitration Act1974

)。 //wwwhttpaliof.mara.go.jp/mofaj/atea/aa/dusa.htrltm mComlthonweaa of Ausalitr5) 

n e and Trad oaif Australiarsfft DnigreoFf o Anetmarpe6)  Government, Trade and economic fact sheets for countries and regions-New South Wales, Australia,viewed13 June 2016,︿https://dfat.gov.au/trade/resources/Documents/nsw.pdf

(4)

同志社法学 六八巻三号三四五     一一五三

「 二 〇 〇 五 年 オ ー ス ト ラ リ ア ・ ニ ュ ー サ ウ ス ウ ェ ー ル ズ 州 民 事 訴 訟 法 」 第 八 章

   ⒝分益農場主又は分益労働者の給与財産の差押えを目的とする令状とは、第一〇六条第一項第a号に定める令状をいう。動産引渡し令状とは、第一〇五条に定める令状をいう。執行令状とは、動産引渡し令状、財産の差押えを目的とする令状、又は占有令状をいう。占有令状とは、第一〇四条に定める令状をいう。注記。その他の文言及び表現(例えば土地及び財産)は、一九八七年解釈法に定めるところによる。第一〇三条  判決執行一般本章において、裁判所の判決又は命令の執行手続は、裁判所の規則に定めるところによる。第一〇四条  土地の占有を目的とする判決    ⑴  土地の占有を目的とする判決は、占有令状により執行することができる。

   ⑵  占有令状の執行は、当該土地から動産を取り除くことを要しない。第一〇五条  動産の引渡しを目的とする判決動産の引渡しを目的とする判決又は命令は、動産引渡し令状により執行することができる。第一〇六条  金銭の支払を目的とする判決(一九七三年法律第 第八章  判決及び命令の執行

  第一節  序文第一〇二条  定義(一九七三年法律第九号第九九条

。次賃金は俸給には、又にを掲含む与給るげ 。うい はすと令命る尋と的目を問第、項一定を〇命るめ令に一第条八 は七〇第、命と令第賦割条一一命。うを令いるめ項定に 以動産とは、不動産外の動産をいう。 。う と〇一第、は禁令弁命止条済六る第め一いを令命定に号b第項 なの対象と命る者をいう。令止債済弁、はと者務三第禁 の金預入認公受等関金融機をいう。 ・はンモコ、銀と関機融金ェウ定ル行、るめス法に年九五九一 。う 一と第、は第令命課賦担負六〇号条め第い令命るを定c一項に と担、は賦者課担負課被賦負命令の対象となる者をいう。 本章において、 法律第一一号四第九条参照)年 七九〇 ・ 一

   ⒜雇用契約によらない、賃金若しくは俸給の性質を有する、又はそれらに類する給与

(5)

    同志社法学 六八巻三号三四六 一一五四

九号第一〇九条

)四照参条五第び及条第九号八第律法年一〇 ・ 一

   ⑴  判決債務は、次に掲げる方法のうち、一以上の方法により執行することができる。

    ⒜財産の差押えを目的とする令状     ⒝弁済禁止命令     ⒞最高裁判所又は地方裁判所の判決の場合の負担賦課命令    ⑵  統一規則に基づき、財産の差押えを目的とする令状は、執行官が次に掲げる行為をするための根拠となる。

    ⒜判決債務者が有する、有することができる、若しくは権利を有する、又は判決債務者が法若しくはエクイティに基づき譲渡若しくは処分することができる動産の差押え及び売却     ⒝判決債務者が有する金銭の差押え     ⒞判決債務者が有する小切手、為替手形、約束手形、債券、流通証券、又はその他の有価証券の差押え又は換価     ⒟判決債務者が有する、取得する、若しくは権利を有する、又は判決債務者が法若しくはエクイティに基づき譲渡若しくは処分することができる土地の占有の開始及び売却

    ⒠無体財産又は判決債務者の保持する動産若しくは土地の債権に対するエクイティ上の権利の取得及び売却

   ⑶  第二項第a号により執行官に付与された権限は、次に 掲げる動産に行使することはできない。

    ⒜衣類     ⒝寝室又は台所の家具     ⒞職業上欠くことのできない、統一規則に定められた総額以内の価値の道具(乗り物、植物、機器、及び参考書を含む)ただし、当該衣類、家具、又は道具が判決債務者又はその家族に使用されている場合に限る。

   ⑷  第二項第d号において、提示された土地の販売の通知が統一規則に従い発せられた時に、執行官がその土地の占有を開始したものとみなす。

   ⑸  第二項第d号の規定により執行官に与えられた権原は、当該判決に基づく債務が地方裁判所の少額訴訟部の管轄要件を満たさない場合、土地について行使することができない。

   ⑹  国王に対して発せられた弁済禁止命令又は負担賦課命令は、当該事件に照らして必要な場合、その国王を被負担賦課者又は第三債務者として効力を生じる。注記。第二、第三、及び第四節は、財産の差押えを目的とする令状、弁済禁止命令、及び負担賦課命令について適用する。第一〇七条  支払遅延及び割賦払    ⑴  判決裁判所は、統一規則の規定に従い、次に掲げる行為を許可する命令を発することができる。

(6)

同志社法学 六八巻三号三四七     一一五五     ⒜当該命令に表示された期間内の、当該判決債務の支払     ⒝当該命令に表示された金額及び回数で支払うことができる、当該判決債務の割賦払注記。右に掲げる命令は、一九八七年解釈法第四三条第二項に従い、変更又は取消しできる。命令の変更又は取消しの事情、及び命令の変更又は取消しのための手続は、統一規則に定めるところによる。

   ⑵  第一一九条の規定に従い、金銭の支払を目的とする判決の執行は、その判決が本章に基づき有効な命令の対象となる期間中、停止される。

   ⑶ 条一九   一九七三年律法令第九号第(る命条第一〇八尋問を目的とす   (削)除

九七〇年法律第一一号第四一条 ・ 一

)第照参条一第章三四則規所判 九裁高最年〇七 ・ 一

   ⑴  裁判所は、統一規則に従い、判決又は命令の対象となる者に対して、次に掲げる行為をすることを命ずることができる。

    ⒜重要な質問について口頭審問を受けるために裁判所に出廷すること。

    ⒝重要な質問に関係する、その者が所有する文書又はその他の物を提出すること。

   ⑵  本条の規定に基づく、法人に関する命令は、

    ⒜当該法人の役員又は前役員に対して発することがで き、かつ、

    ⒝当該役員又は前役員に対して、その者を判決又は命令の対象者として効力を生じる。

   ⑶  第一項の規定にかかわらず、統一規則は、判決債務について、判決債務者の財務状況に関する情報を(当該情報を提供することを判決債務者に求める通知その他の方法で)、判決債権者が本条の規定に基づく命令を申し立てる前に得るよう努めることを求めることができる。    ⑷   (削除)    ⑸  本条において、判決又は命令についての重要な質問とは、次に掲げる質問のことをいう。

    ⒜対象となる者に金銭の支払いを求める場合、      ⒤その者が債務者であるかについての質問。債務者であるときは、その債務についての質問。

     ⅱその者が当該判決又は命令を履行するためのその他の財産又は方法を有しているかについての質問。有しているときは、その財産又は方法についての質問。

    ⒝対象となる者に金銭の支払いを求めない場合、当該判決又は命令に関する執行の補助又は履行のための質問で、本条の規定に基づく命令で特定することができるもの。

(7)

    同志社法学 六八巻三号三四八 一一五六   第二節  財産の差押えを目的とする令状    第一款  動産及び担保執行第一〇九条  動産執行令状の効果(一九二三年法律第一号第二九条参照)

   ⑴  動産に対する執行令状は、当該令状が執行官に送達された時から、当該動産に対してその効力を生じる。

   ⑵  第一項にかかわらず、執行令状は、人が信義誠実に有価約因により取得した動産の所有権に影響を与えない。ただし、その者が当該所有権を取得する際に、令状が執行官に送達されておらず、かつ、未執行であることを知っていた場合を除く。第一一〇条  条件付き売買証書の対象となる動産の処分(一九〇一年法律第八号第一六条参照)

   ⑴  財産の差押えを目的とする令状の対象となる動産(判決債務者に占有されている動産)が条件付き売買証書の対象となる場合、執行官は、当該判決債務者が当該動産に対して有している権利を、占有を経ずに売却することができる。

   ⑵  当該売買証書について利益を有する者(証書の保持者)は、判決債務者の権利を購入した旨の書面による通知の受領により、当該動産の占有を取得することができ、かつ、その場合、その者は、当該売買証書に基づき購入者が支払うことができる金額で、購入者のためにその動産 を保持しているとみなされる。

   ⑶  売買証書に基づき動産が売却され、かつ、当該証書の保持者に対する債務が履行されてもなお売却益からの剰余金がある場合、その証書の保持者は、その剰余金を購入者に支払わなければならず、そのために、その剰余金をその保持者から債務として回収することができる。    ⑷  本条は、競合権利者確定手続により売買証書の効力を審査するための判決債務者の権利に影響を及ぼさない。第一一一条  担保の処分(一九〇一年法律第八号、第六条、第七条、及び第八条参照)

   ⑴  執行官は、小切手、為替手形、約束手形、債券、流通証券、又はその他の有価証券を、当該判決の債務の担保として保持することができ、そして、それらの支払期日が到来した場合、執行官の名で、担保された金額を回復することを求める訴えを提起することができる。

   ⑵  前項の担保について義務を負う者の執行官に対する支払、又はその者からの執行官による回復は、その支払又は回復を限度にその者を免責する。

   第二款  土地に対する執行第一一二条  土地に対する執行判決及び令状の効力(一九〇一年法律第八号第一三条参照)

   ⑴  土地に対する執行令状は、動産に対する執行令状が当

(8)

同志社法学 六八巻三号三四九     一一五七 該動産に対し効力を生ずるのと同様に、その令状が執行官に送達された時から、当該土地に対して効力を生じる。

   ⑵  第一項の規定にかかわらず、執行令状は、人が信義誠実に有価約因により取得した土地の所有権に影響を与えない。ただし、当該所有権を取得する際に、令状が執行官に送達されており、かつ、未執行であることをその者が知っていた場合を除く。

   ⑶  いかなる訴訟における判決も、それ自体で土地に対し効力を生ずることはない。第一一三条  命令の影響を受ける土地の、判決債務者による売却又は譲渡担保(一九七〇年法律第五二号第九八A条

三年法律第九号第一一二条 九七 ・ 一

)照参条 号A二六第一九一第律法年〇七 ・ 一

   ⑴  本条は、財産の差押えを目的とする令状の対象となる、次に掲げる土地に適用される。

    ⒜一九〇〇年不動産法に基づき保管される登記簿に、同法第一〇五条の規定に基づき登記される土地     ⒝一九一九年土地分譲法の規定に基づき保管される不動産譲渡証書の一般登記簿に、同法第一八六条の規定に基づき登記される土地

   ⑵  期間は、     ⒜関連する登録簿に令状が登録された時から進行を始め、

    ⒝関連する登録簿に令状が登録されてから六个月が経過 するか又は令状が失効した時に満了する。ただし、令状の対象となる土地は、本条に定める場合を除き、判決債務者により売却又は譲渡抵当権を設定されることはない。

   ⑶  判決債務者による土地の売却又は譲渡抵当設定前に、     ⒜判決債権者は、      ⒤書面による通知により、判決債務者によるその土地の売却又は譲渡抵当設定に同意しなければならず、かつ、

     ⅱ同意の通知中に、その土地の売却の収益又はその土地の譲渡抵当設定に基づき得られる金銭から執行官に対して支払われるべき金額を表示しなければならず、かつ、

    ⒝判決債務者は、同意の通知を執行官に提出せねばならず、かつ、

    ⒞執行官は、適切な調査の後、その同意の通知中に、その土地がその令状に基づき売却されていない旨を裏書きしなければならない。

   ⑷  執行官が同意の通知に裏書きした日から起算して八週間は、第三項第c号に定めるところにより、

    ⒜判決債務者は、土地の売却又は譲渡抵当設定に合意することができ、かつ、

    ⒝執行官は、その土地の売却を誘導することを禁じられる。

(9)

    同志社法学 六八巻三号三五〇 一一五八    ⑸  土地の売買契約に基づき支払われた保証金は、執行官に支払われ、利害関係者としての執行官によって管理される。

   ⑹  執行官への支払に際し、土地の売却の収益又は土地の譲渡抵当設定に基づき得られる金銭から、第三項第a号ⅱに定められた最低金額以上(保証金とともに)で、

    ⒜当該収益からの判決債務者に対する支払についての購入者若しくは譲渡抵当権者の債務、又は、当該利益が消滅した場合、執行官に支払われる金額を限度とし、

    ⒝執行官は、売買契約の締結時又は譲渡抵当設定時に、次に掲げる事項を裏書きしなければならない。

     ⒤売買の場合のその売買を目的とする合意      ⅱ譲渡抵当の場合のその譲渡抵当の設定    ⑺  購入者又は譲渡担保権者が土地に関して有する権利は、契約で証明され又は譲渡抵当設定により裏書きされるように、同意の裏書きの先後にかかわらず、令状に基づきなされた行為に影響されない。

   ⑻  第六項に定める執行官に支払われる金銭は、次に掲げる順番で支払われる。

    ⒜一、令状の執行に関係して執行官に生じた費用に対して。

    ⒝二、判決債務の減少に対して。

    ⒞三、当該金額から執行官の費用と判決債務を控除して 残額がある場合は、判決債務者に対して。

   ⑼  本条における同意の通知とは、第三項第a号iに規定する通知をいう。第一一四条  競売のための土地への立ち入り(一九〇一年法律第八号第一七A条参照)

   ⑴  裁判所は、執行令状に基づき公売で売却される土地について、次に掲げることを命じることができる。

    ⒜土地の買受を希望する者に見学させる目的で、当該土地に執行官が(必要な場合は強制的に)立ち入ることを許可すること。

    ⒝執行官立会いのもとで、買受希望者が当該土地に立ち入ること。

   ⑵  前項の目的で、前項の命令は、執行官に次に掲げる行為のいずれか又は両方をする権限を与える。

    ⒜当該土地への立ち入りを可能にすること(必要な場合は、岩石、障害物、及びその他の立ち入りを制限する道具の破壊又は移動を含む)。

    ⒝当該土地への人の立ち入りを制限すること。    ⑶  本条は、右に掲げる事項について裁判所が命令を発する権限に影響を及ぼさない。

   ⑷  本条に定める土地には、建物も含む。    第三款  総則

(10)

同志社法学 六八巻三号三五一     一一五九 第一一五条  財産の売買の効果(一九〇一年法律第八号第一二条参照)

   ⑴  本章に基づく執行官による財産の売買は、当該財産が判決債務者により個人的に購入者に売却されるのと同様の効果を有する。

   ⑵  第一項の規定は、取引の捺印証書及び購入者への売却が執行官により適切に執行される場合を除き、土地に関するエクイティ上の受戻権又はその他のエクイティ上の財産権に適用されない。

   ⑶  土地に関して執行官により執行される財産移転証書について、次に掲げる旨のいずれかの記述を、いかなる手続においてもそれらの事実の証拠として用いることができる。

    ⒜当該土地が財産の差押えを目的とする令状に基づき売却されたこと。

    ⒝財産の差押えを目的とする令状が、当該令状に示された手続に関する裁判所の判決に従って出されたこと。第一一六条  令状の失効の効果第一三五条において、

    ⒜財産の差押えを目的とする令状の失効は、失効前にその令状により与えられた権原に基づき締結された売買契約又はその他の取引に影響を及ぼさず、かつ、

    ⒝当該売買を完了するために必要な行為又は当該取引を 有効にするために必要な行為は、令状が有効であるものとしてされる。

  第三節  弁済禁止命令    第一款  債務に対する執行第一一七条  弁済禁止命令の効果(一九七三年法律第九号第九七条参照)

   ⑴  統一規則の規定に従い、弁済禁止命令は、判決に基づく債務の額を限度に、期限の到来時又は命令の送達時に、判決債務者に対して第三債務者から生じた全ての債務を差し押さえる効果を有する。

   ⑵  本節における判決債務者の、金融機関への預金は、当該機関が判決債務者に対して負う債務とみなされる。第一一八条  支払期限(一九七三年法律第九号第九七B条

・ 一

九七〇年法律第一号第四七B条参照)弁済禁止命令により差し押さえられる債務に関する金銭の支払は、次に掲げるいずれかの期間中にされなければならない。

    ⒜その命令が第三債務者に送達された日から一四日以内     ⒝その命令が送達日の後に満期となる債務を差し押さえる場合の当該債務の満期の日から一四日以内    第二款  収入に対する執行第一一九条  収入に関する弁済禁止命令の効果(一九七三年法

(11)

    同志社法学 六八巻三号三五二 一一六〇

律第九号第九七条参照)

   ⑴  第一二一条、第一二二条、及び統一規則の規定に従い、弁済禁止命令は、判決に基づく債務の額を限度に、次に掲げる金銭を差し押さえる効果を有する。

    ⒜命令の有効期間内に第三債務者から判決債務者に支払可能な賃金又は俸給     ⒝判決債務が割賦命令の対象となる場合は、第三債務者により判決債務者に支払うことができる賃金又は俸給のうち割賦命令に基づく割賦額に相当する金銭

   ⑵  弁済禁止命令の対象となる判決債務に関する割賦命令は、当該割賦命令が第三債務者に送達された時から、当該弁済禁止命令に基づき支払われるべき金銭について効力を生じる。

   ⑶  弁済禁止命令は、判決債務者に支払われるべき賃金又は俸給について、当該債務が履行された場合、その効力を失う。

   ⑷  本条の規定に基づく命令が第三債務者たる国王に対して発せられる場合は、その国王に対して効力を生じる。第一二〇条  支払の期限(一九七三年法律第九号九七B条

・ 一

九七〇年法律第一一号四七B条参照)弁済禁止命令により差し押さえられる賃金又は俸給についての金銭の支払は、その賃金又は俸給の支払期限が到来する日から一四日以内にされなければならない。 第一二一条  競合する複数の弁済禁止命令のうちの一つの命令に基づく支払の限度額(一九七三年法律第九号一〇一条

)号照参条一五第一一第律法年〇七 九 ・ 一

   ⑴  本条は、賃金又は俸給が一以上の弁済禁止命令で差し押さえられ、かつ、その命令のうちの一以上(ただし、全てではない)が限定的弁済禁止命令である場合に適用する。

   ⑵  裁判所が別に命令する場合を除き、限定的弁済禁止命令ではない弁済禁止命令に基づき第三債務者により支払われるべき金銭は、弁済禁止命令で差し押さえられた賃金又は俸給に関して、同一の賃金又は俸給を差し押さえる限定的弁済禁止命令で第三債務者により支払われるべき金額を超えてはならない。

   ⑶  本条において、限定的弁済禁止命令とは、割賦命令の対象となる判決債務に関する弁済禁止命令をいう。第一二二条  全弁済禁止命令に基づく支払の総限度額(一九七三年法律第九号第九九条

)号照参条九四第一九一第律法年〇七 ・ 一

   ⑴  一以上の弁済禁止命令に基づき差し押さえられる金銭の総額は、第三債務者から判決債務者に支払われるべき賃金又は俸給の週当たり正味金額を、平均的労働者の週当たり補償給付未満に減額してはならない。

   ⑵  本条において、週当たり正味金額とは、判決債務者に対して支払われるべき賃

(12)

同志社法学 六八巻三号三五三     一一六一 金又は俸給に関して、毎週判決債務者に支払われるべき金額から、税又はその他の法律に従い(コモンウェルス法も含む)賃金等から差し引かれるべき金額を控除した額をいう。平均的労働者の週当たり補償給付とは、一九八七年労働者災害補償法第三七条第一項第a号iに定める、同法第三章第六節に基づき調整された週当たり補償給付に相当する金額をいう。

   第三款  総則第一二三条  第三債務者による支払(一九七三年法律第九号第一〇五条

方裁判所規則第三三章第七条 ・ 地

一一号第四七D条 九七〇年法律第 ・ 一

)規照参条三第則章裁九二第則規所判 ・ 郡

   ⑴  弁済禁止命令に基づく支払は、その命令に従い、その命令に表示された債権者に対してされなければならない。

   ⑵  弁済禁止命令の対象とならない金銭について、第三債務者は、

    ⒜第一一八条又は第一二〇条に定められた期間内にされた残高の支払については、場合に応じて、弁済禁止命令を履行する際に第三債務者に生じた費用に充てるために、統一規則に定める金額を限度に保持することができ、かつ、

    ⒝判決債権者に残高を支払わなければならない。

   ⑶  判決債務者に対する支払には、次に掲げる事項を示す 証書が付されなければならない。

    ⒜弁済禁止命令に基づき差し押さえられた金額     ⒝その金額のうち第三債務者によって保有されていた金額     ⒞判決債権者に支払われた金額    ⑷  第三債務者と判決債務者の関係では、弁済禁止命令に基づき差し押さえられた金銭は、裁判所の命令に従い、第三債務者によって判決債務者に支払われたものとみなす。注記。例えば、当該命令は、第三債務者が第三項の要件を満たさなかった場合に出される。

   ⑸  判決債権者と判決債務者の関係では、判決債権者に支払われるべき金銭は、判決の履行の際に、その限度で、判決債務者により判決債権者に支払われたものとみなす。第一二四条  弁済禁止命令不履行の場合の手続(一九七三年法律第九号第一〇二条

)号照参条二五第一九一第律法年〇七 ・ 一

   ⑴  弁済禁止命令が履行されていないとする判決債務者の申立てに際し、裁判所は、

    ⒜第三債務者の弁済禁止命令により差し押さえられるべき債務、賃金、又は俸給の支払について負う責任に関する質問及び判断をすることができ、また、

    ⒝第三債務者が有責であると認める場合、第三債務者に

(13)

    同志社法学 六八巻三号三五四 一一六二

対して、次に掲げる事項について、判決債権者に有利な判決を出すことができる。

     ⒤債務、賃金、又は俸給の金額      ⅱ未払いの判決債務のうち、最も少額な債務    ⑵  裁判所は、判決をする必要を認めない場合、判決をすることを拒否することができる。

   ⑶  第二項の規定にかかわらず、裁判所が判決をする必要を認めない理由には、次に掲げる理由を含む。

    ⒜判決に基づく債務が少額であること。     ⒝差し押さえられる債務、賃金、又は俸給が少額であること。

   ⑷  第三債務者と判決債務者の関係では、本条の規定に従い出された判決に基づき第三債務者により判決債権者に支払われた金銭は、判決債務者に支払われたものとみなす。第一二五条  超過額の返還(一九七三年法律第九号第一〇六条

)号照参条六五第一九一第律法年〇七 ・ 一

   ⑴  判決債権者が、判決を履行するために求められる金額を超える金銭を、弁済禁止命令に基づき受領する場合、判決債権者は、

    ⒜その事実を判決債務者及び第三債務者に遅滞なく知らさなければならず、かつ、

    ⒝判決債務者の求めにより、超過額を判決債務者に返還 しなければならない。

   ⑵  超過額は、判決債務者又は第三債務者が、判決債権者から、管轄裁判所において債務として回収することができる。

  第四節  負担賦課命令第一二六条  特定担保に関する負担賦課命令の効果(一九〇一年法律第八号第二七条参照)

   ⑴  本条は、判決債務者に関して、次に掲げる財産に適用する(本節では担保とする)。

    ⒜公開会社の保有する株式     ⒝金融機関の保有する預金のうち、      ⒤判決債務者の名義で判決債務者自身の権利に基づき保有される金銭      ⅱ他の者の名義で判決債務者のために保有される金銭     ⒞エクイティ上の財産権    ⑵  統一規則の規定に従い、負担賦課命令は、その命令に表示された各担保に関して、次に掲げる効果を有する。

    ⒜判決の履行に必要な限度において、判決債権者のために担保を課す効果。

    ⒝判決債権者に指定された方法以外の方法で被負担賦課者が担保を処分することを禁止する効果。

   ⑶  負担賦課命令は、その命令が出された時に効力を生じ

(14)

同志社法学 六八巻三号三五五     一一六三 る。

   ⑷  第三項の規定にかかわらず、判決債権者は、負担賦課命令が失効してから三个月が経過しなければ、その命令に基づき生じる負担賦課債務の収益を得るための手続を開始することができない。

   ⑸  負担賦課命令は、その命令で課された担保に関して、判決債権者のために判決債務者により担保が課されていれば判決債権者に付与されていた救済を得る権利を、判決債権者に与える。第一二七条  負担賦課命令に基づく担保の無権限移転又は処分(一九〇一年法律第八号第二九条参照)

   ⑴  負担賦課命令が出されたことを知っていた被負担賦課者又はその他の者で、判決債権者に指定された以外の方法でその命令により課された担保を処分する者は、その判決の履行に必要な金額について(その担保の価額を限度に)、判決債権者に対し、責任を負う。

   ⑵  本条は、被負担賦課者又はその他の者が担保を処分した結果として、裁判所が本条以外に定める救済を判決債権者に付与することを妨げない。第一二八条  判決債務者による担保の無効な処分(一九〇一年法律第八号第三〇条)負担賦課命令の有効期間中、その命令で課された担保の判決債権者による移転又は処分と称するもので、判決債権者に指定さ れた以外の方法でされた移転又は処分は、判決債権者に対して効力を生じない。

  第五節  雑則第一二九条  中間令状に基づく逮捕の禁止(一九七〇年法律第五二号第一〇条参照)

   ⑴  いかなる者も、裁判所により発せられた中間令状に基づき逮捕されない。

   ⑵  本条は、本法律又はその他の法律に基づき発せられた逮捕状に従い行使することができる逮捕権に影響を及ぼさない。第一三〇条  特定の方法による執行ができない判決(一九七〇年法律第五二号第九八条参照)判決は、人に対して次に掲げる方法で執行することができない。     ⒜人の収監を目的とする手続     ⒝人の拘禁を目的とする手続     ⒞弁済のための拘禁令状第一三一条  侮辱罪による収監本法律又は統一規則の規定は、裁判所が侮辱罪を理由に人を収監する権限を制限せず、また、その他の影響を及ぼさない。第一三二条  動産管理人を選任する執行官の権限(一九七三年法律第九号第一〇九条(九)参照)

   ⑴  引渡し令状又は財産の差押えを目的とする令状に従い

(15)

    同志社法学 六八巻三号三五六 一一六四

判決債務者の動産を差し押さえた後、執行官は、次に掲げるいずれかの者に対する書面による通知により、判決債務者又はその他の者を、引渡し又は令状に基づき売買が行われている動産の管理人として選任することができる。

    ⒜判決債務者     ⒝動産の管理権を有する者    ⑵  前項の方法で選任された管理人又は管理人が前項の規定に従い選任されたことを知っていたその他の者は、次に掲げる行為をすることを禁じられる。

    ⒜動産の売却、贈与、又はその他の方法による処分     ⒝当該動産への損害付与又は破壊     ⒞当該動産の隠匿又は回収     ⒟当該動産の売却、贈与、その他の方法での処分、損害、破壊、隠匿、又は回収の惹起又は許可ただし、裁判所の許可又は執行官の書面による同意がある場合を除く。罰金の最高額・五〇単位。

   ⑶  第二項の規定に違反した者に対する訴追は、その者が動産の管理人として選任されたことで生じる義務にその者が違反したことについて、その者に対して申立てられるその他の手続を妨げるものではない。第一三三条  判決及び命令の登録前執行不能    ⑴  判決又は命令は、統一規則に従い登録されるまで執行することができない。

   ⑵  本条の規定の効力は、次に掲げる事項のうち、他の法律若しくは法に基づき、裁判所に申し立てることができる若しくは登録することができるもの、又はその証書を裁判所に申し立てることができるものにも及ぶ。

    ⒜裁判所の判決、命令、決定、並びに指令     ⒝裁定又は判断をする権限を有する者の裁定又は判断    ⑶  第二項において、法には次に掲げるものを含む。     ⒜コモンウェルス法     ⒝他の州又は領土の法     ⒞最高裁判所に関して外国の法第一三四条  許可を要する判決及び命令の時効(一九七三年法律第九号第八四A条参照)

   ⑴  次に掲げる事項についての判決債権者による申立ては、判決がされてから、又は(第一三三条第二項に定める判決、命令、又は決定の場合)第一三三条第二項に定める方法で判決が登録されてから指定された期間を経過した場合は、裁判所が許可するときを除き、することができない。

    ⒜執行令状     ⒝弁済禁止命令     ⒞負担賦課命令

(16)

同志社法学 六八巻三号三五七     一一六五     ⒟尋問を目的とする命令    ⑵  本条において、指定された期間とは、一二个月、又は異なる期間を統一規則に定める場合は、その期間をいう。第一三五条  執行に関する指示

   ⑴  裁判所は、命令により、判決又は命令の失効について指示を出すことができる。

   ⑵  第一項の規定にかかわらず、裁判所は、次に掲げる命令をすることができる。

    ⒜執行令状に基づき動産の占有を取得する目的で不動産に立ち入る権限を執行官に付与する命令     ⒝令状に関して執行官が追加的な措置を講ずることを禁止する命令     ⒞恒久的に又は特定の期日まで裁判所の判決又は命令を執行する目的で他の者が追加的な措置を講じることを禁ずる命令

    ⒟一九〇〇年不動産法第一〇五条の規定に基づき一般的に又は特定の土地についてされた、財産の差押えを目的とする令状の記録の取消を戸籍本庁長官(Registrar-General)に要求する命令。第一三六条  判決債務者への支払の充当裁判所が別に命ずる場合を除き、判決債務に対してされる支払は、次に掲げる順序で充当される。

    ⒜一、第一〇一条に基づき支払可能な利息に相当する判 決債務

    ⒝二、判決債務の残高第一三七条  費用判決又は命令の執行    ⑴  判決は、費用について、費用以外の事項に関する執行と別に執行することができる。

   ⑵  裁判所が別に命ずる場合を除き、執行令状、弁済禁止命令、又は負担賦課命令に基づき回復可能な費用には、次に掲げる費用を含む。

    ⒜同一判決についての事前の執行令状、弁済禁止命令、又は負担賦課命令に関する費用(その事前の令状又は命令の有効性にかかわらず)

    ⒝一九九二年コモンウェルス送達・執行手続法第一〇七条第一項に基づき回復可能な金銭第一三八条  判決執行のその他の方法    ⑴  本章は、本法律とは別に定める方法での裁判所の判決又は命令の執行を制限しない。

   ⑵  第一項の規定にかかわらず、本章は、裁判所の次に掲げる行為を妨げない。

    ⒜同一の判決債務に関し、同一の判決債務者に対して連続して財産の差押えを目的とする令状を出すこと、又は同一の判決債務について連続して弁済禁止命令若しくは負担賦課命令を出すこと。

    ⒝同一の判決債務に関し、異なる被負担賦課者について

参照

関連したドキュメント

熊 EL-57m 本坑の6.8,,730mx1条 -0.3% 防波堤 -- ̄ --- -8.0% 80N 111. x2条 24m

 TABLE I~Iv, Fig.2,3に今回検討した試料についての

一丁  報一 生餌縦  鯉D 薬欲,  U 学即ト  ㎞8 雑Z(  a-  鵠99

父母は70歳代である。b氏も2010年まで結婚して

 中国では漢方の流布とは別に,古くから各地域でそれぞれ固有の生薬を開発し利用してきた.なかでも現在の四川

16)a)最内コルク層の径と根の径は各横切面で最大径とそれに直交する径の平均値を示す.また最内コルク層輪の

[r]

部を観察したところ,3.5〜13.4% に咽頭癌を指摘 し得たという報告もある 5‒7)