3.検証方法
3Dスキャナや3Dスキヤニングデータ処理ソフトウェアは、
工業分野において製品の品質管理にも広く利用されているも ので、Rapidfbrmも2つのデータを比較し、その差を表示す る機能を備えている。一方、文化財における複製の評価手法 というものはなく、再現の精度を数値で表した例はまだない。
そこで、すでにソフトウェアにある機能を利用しながら、最 善の手法を模索し、その精度を評価することにした。
比較範囲は、全体と特徴的な凹凸のある部分に設定した。
また、XYZの座標軸における差を誤差とし、精度評価とした。
3.1全体
まず、Z方向における誤差を計測するため、Rapidfbmの偏 差機能を用いて、XY座標が同じ点におけるZ座標の差を色 で示すことにした。ソフトウェア自体に備わっている機能な ので、これが一般的な精度評価の方法と考えられる。
さらに、XY軸においても誤差を導出することにした。Fig.2 のように、比較範囲全体を縦に15本、横に24本の線を等間 隔に引く。このグリッド上における点データを抜き出し、折 れ線グラフで断面図のように表すことにする。この断面をオ リジナルと複製陶板とで比較することにより、その点におけ るZ方向の差だけでなく、X、Y方向における凹凸のずれに ついても検証することが可能となる。なお、グラフ化、誤差 の計算等には、統計処理ソフトのMatlabを用いた。このほか、
ピークとなる点(断面の凸部分と凹部分の頂点)の位置の比 較や数についても考察する。
Fig.2比較範囲(全体)
3.2部分
特徴的な凹凸のある部分として、Fig.3に示した4ケ所を選 んだ。
(1)目:筆で強く描かれたためか、目の輪郭が凹部分として表 現されている。
(2)口ひげ:口や顎にあるひげには鋭く尖った道具で引っ掻い たような刻線(インチジオーネ)が凹としてとして施されて いる。
(3)襟元:円光同様に襟元には石灰白による盛り上げ装飾がな されており、凸の代表部分とした。
(4)左手:粘性のある顔料を使用したためか、筆跡に沿って両 側がわずかに盛り上がっており、指の輪郭を凸として確認す
ることができる。
この4ヶ所において、全体の検証方法と同様にソフトウェ アの偏差機能で、Z方向における誤差を色で表す。なおここ では、全体の平面のゆがみではなく、特定部分の凹凸に着目 するため、各部分で再度5点によるデータの重ね合わせを行 った。
また、X軸およびY軸それぞれで断面を作るにあたり、目 の部分では縦に24、横に15等分、口ひげ部分では縦に10、
横に10等分、襟元部分では縦に24,横に15等分、左手部分 では縦に15、横に10等分した断面で分析を行った。
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…
Fig.3比較範囲(部分)
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座。 3Dスキャニング画像(左:オリジナル壁画、右:複製陶板)
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スキヤニングデータによるオリジナル壁画と複製陶板の比較
(黄色ほど誤差が少なく、赤色ほど誤差が大きい)
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口ひげ部分のスキヤニングデータ(左:オリジナル壁画、右:複製陶板)
襟元部分のスキャニングデータ(左:オリジナル壁画、右:複製陶板)
左 手 部 分 の ス キ ャ ニ ン グ デ ー タ オリジナル壁画、右:複製陶板)
(左
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