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コンピュータによる素因数分解

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Academic year: 2021

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(1)

コンピュータによる素因数分解

楕円曲線法アノレゴ

P

ズムへの展開について

教科・領域教育専攻 自然系(数学)コース 広 瀬 靖 弘

はじめに

素因数分解とは,合成数を素数の積に表すこ とである.近年ではRSA暗号に使用されてい て,その信頼性は大きな数の素因数分解の困難 さに基づいている.また,楕円曲線暗号の副産 物として,楕円関数を使用した素因数分解法で ある楕円曲線法が 1985年にレンストラによ って開発された.楕円曲線法は,暗号にとって 大した脅威を与えたわけではない.しかし,予 想もしないような斬新な工夫から開発されたこ とから,素因数分解の劇的な方法が見つかるか もしれないと暗号研究者は関心を寄せている.

研究内容としては,初等整数論,素数判定法,

素因数分解法,コンピュータによる多倍精度計 算について挙げられるが,論文では初等整数論 から見た楕円曲線法を含む素因数分解法アルゴ、

リズム及びその過程について述べている.

1素因数分解

ユークリッド互除法及び初等整数論の基礎定 理について述べている.これらは,素因数分解 に欠かせないものである.

初等整委主論の基礎定理合成数nは素数の積に 分解される.そこで,同じ素数の積を1つのベ キにまとめれば次が成り立つ.

(1)相異なる素数p,q, T,…と α,b, c,…ε  Nにより,合成数n

指 導 教 員 丸 林 英 俊

a  b 

n=p q T. 

と表される.

(2)素数 p,q, T,…と対応する指数 a,b, c, 

…はnによりIJ填序を除いて一意的に定まる.

2合同式

余りのある割り算の性質を深く追求する為の 準備として,合同式を取り扱っている.また,

素数判定法の1つであるフェルマーテストやオ イラーの定理は素因数分解法を述べる上で基盤

となるものである.

合同式 n E Nとα,b 

Z

に対して,差。‑

bがnの倍数であるとき aとbはnを法とし て合同であるといい,

α b(mod n)  と書き表し,この式を合同式という.

フェノレマーの小定理 素数pとaEZに対して,

(1)  aP三 α (modp) 

(2)  (a, p) = 1 =aP‑1

= =  

1 (mod p)  が成り立つ.

フェノレマーテスト (a, n) = 1かつan‑l若1 (mod n)となるGが存在するならば nは合成数

となる.この合成数判定法をフェルマーテスト という.これは,フェルマーの小定理の対偶か ら得られるものである.

AA

nHd n べ

U

(2)

オイラーの関数 nENに対して, {L 2, 3, 

,n}の中でnと互いに素となる数の個数を

φ

(n) 

で表す.この

φ

をオイラーの関数という.

オイラーの定理 nE N, m =

φ

(n), (a, n) =  1となる a E Zに対して,

αφ(n) = am 1(mod n) 

が成り立つ n=p=素数のとき

φ か)

=p‑1  であるから,フェルマーの小定理はオイラーの 定理に含まれる。

3さまざまな素因数分解法

素因数分解法としてp‑1法,p+1法,楕 円曲線法の理論的な展開及びそのアルゴリズム について述べている.また, UBASICというプ ログラミング言語を用いて,素因数分解のプロ グラムを作成している.

p‑l法 1974年,ポラードによって考え出さ れた素因数分解法である.フェルマーテストな どでnが合成数であると分かっているとき n

= pn(Pは大きな素数)となっていたとしても,

p‑lが小さな素数の積になっていれば,以下 のような理論より nの素因数が見つかる可能性 があると説明できる.

e e

P ‑1 Pl‑P2‑L.

Pr‑r iMt<M)

となっていると仮定する .

q j < M

となるすべて

の素数に対して

qf<M

qF+1となる五を求 め,

K  =  I I   q f  

とおく.よって ,p ‑ 1は K の約数である .(a,  n) 

1となる αに対してい,p) 

1となるので

フェルマーの小定理から,

aK 1(mod p) 

となる.よって ,a:1はpで割り切れる.し かし nでは割り切れないかもしれない.つま

り,

(a L n) 

となる可能性がある.これが成り立てば,nの 真の約数は見つかったことになる.そして,真 の約数が素数ならば nの素因数が見つかった ことになる.

p‑l法は楕円曲線法の理論の一部に組み込 まれている.

p+l法 p‑l法と同様に楕円曲線法の理論 に関わっている素因数分解法であるが,実際に p+l法を使用することはほとんどない.

楕円関数微積分でよく知られている式として,

(Z 

d

y

諸んゾ τ

(‑1 ~季~ç ;i. 1) 

とおくと, y=sin‑ix,つまり x= sin yとなる.

同様に,

r dz

w んぜ

(1‑x2){1 ‑k2:t/1) 

とおく.この式を楕円関数という.また,

(0 語~k < 1, ‑1 ~ :t ;;& 1) 

x = sn (y,  k) = sn y  sn (y,  0) = sin y  とする.これは,楕円曲線法の元となるもので ある.

楕 円 曲 線 法 複 数 多 項 式 2次ふるい法と並び,

素因数分解の代表的な方法である.特徴として,

楕円曲線上の点がアーペル群になっていること を利用したものである.また,楕円曲線法は運 が良ければ短時間で素因数が見つかるという魅 力的な点がある.

﹁ ﹁

Un y

 

U

参照

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