香 川 大 学 経 済 論 議 第74巻 第4号 2002年 3月 91-134
F
C
革
メ合、ロ
ロ
コラボレーション型ビジネスモデルの創造戦略一
原 田
保
奥 村
憲
1
.
FC
ビジネスを巡る動き
日本経済の停滞が続いて久しい。官民の努力にもかかわらず再生のきっかけ がつかめずにいる。IT
分野のように一部には将来に期待が持てる分野が存在す るものの,多くの産業分野では成長への突破口が見えてこない。こうした状況 において,1
9
7
0
年代以降,年々成長を続け注目を集めているビジネスシステム が存在する。それがFCビジネスである。最近ではハンバーガーショップやコン ビニエンスストア,ピザの宅配,居酒屋,喫茶庖,ファミコンショップ,リフォー ム,中古車買い取り,古本等,非常に多くの業種に FCビジネスが導入されてい る。繁華街や駅前,ロードサイド等あらゆる場所に FC屈舗があふれ,もはや FCを抜きにしてリテール分野は語れない。さらに,最近は各種FC支援事業や FC本部を評価する格付けどジネスも誕生する等FCビジネスを巡る環境は大 きく変化しつつある。 L1 FCシステムとは 日本フランチャイズチェーン協会によれば, rFCシステムとはFC本部が加 盟庖と契約を結び,自己の商号・商標等を使用させて同一性のイメージのもと に事業を行う権利を与えると共に,経営に関する指導を行い,場合によっては 継続的に加盟底に商材・ノウハウ等を提供し,その対価として加盟庖から加盟 金・保証金・ロイヤルティー等の金銭を受け取る両者の継続的な関係」と定義804 より具体的に
FC
本部と加盟庖の基本的な関係を示すと図表1-1
のようになる。つまり,FC
本部は商標やノウハウといったものを一体化した (1)FC
パッケージを提供し,加盟庖はその対価を加盟金やロイヤルティーという 香川大学経済論叢 92ー している。ili
寸i
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形で支払うのである。図を見ても分かるとおり,FC
システムは基本的にFC
本 部と加盟居という独立した事業者が契約による対等な関係を持つことにより成 り立っている。 なお,日本フランチャイズチェーン協会では,FC
成立のポイントとして, つのFC
本部と複数の加盟屈により構成される,という要件もあげているため,FC
本部と加盟庖が1
体1
ではチェーンとしては認められないことも付け加え ておく。 1i
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-一 自 主FC
ビジネスとは加盟屈によるFC
本部への 上記の図や要件から考えると, FCシステムの概要図 図表1ー 1加盟庖
FC
パッケーメ注
1)FC
本部
“資本 労働力約
契
ゆ成功実績 h 革新カ加盟金・ロイヤルティー
お互い独立した事業者
(1) フランチャイズパッケージ:日本フランチャイズチェーン協会の定義によると「十分 に組み立てられた一連の,あるいは一体としてのプログラムまたはプランであって,詳細 によく準備されていて,一組の体系的なサービスとして直ちに提供されるようになって おり,一定の価格で販売されるもの」である。OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
3 円 切 J A ロ ロ 革 C F 805 信頼, FC本部による加盟庖への信頼,という相互の信頼により生まれたコラボ レーションビジネスであることが理解できる。競争の激しい時代においては, お互いの経営資源を有効に活用しあって新しい価値を生みだすコラボレーショ ン経営こそが生き残りのポイントとなるだけに, FCビジネスの他形態に対す る優位性が窺える。既に日本においても 1,000を超える FC本部が誕生してお 今後も産業界におけるシェアを伸ばすことは間違いない。 り, FCシステムの導入 12 加盟庖としてのFC導入 ) 1 ( ト 'Y メ ① 加盟庖になる最大の目的は低リスクでしかも短期間のうちに未知の事業に参 入できることである。つまり,一定の加盟金やロイヤノレティーを支払うことで, 独自にその事業に参入した場合に必要となる期間をかけることなし低リスク しかもその場合にはFC本部の知名度や そのため,個人が初めての事業を 継続的に更新されるノウハウも利用できる。 開始する場合や,企業が多角化や業態転換を行う際に適した手段といえる。 でその事業を行うことが可能になる。 以下では具体的にメリットを項目化しておく。 事業リスク低減 FC本部が直営屈で成功した実績をもとにパッケージ化した事業であるた め,失敗確率が低い。
a
b “短期間での事業開始 業務がマニュアル化されていることやFC本部が事業参入に必要な教育を 効率的に実施することで,短期間での事業開始が可能である。 資金準備面でのフォロー 事業計画の精度が高いため融資が受けやすい, 旋が受けられる等資金面でのメリットが大きい。 C あるいは,提携リースの斡 継続的ノウハウの更新 スーパーパイザー(以下SV)
制度等により,継続的に更新されるノウハウ d-94 香川大学経済論議会 806 が受けられるため,経営環境に適合しやすい。
e
,スケールメリットの享受 商材の仕入れ,広告宣伝等多くの分野でチェーンとしての強みを得ること ができる。 f 事業拡大の容易性 パッケージ化された業務であるため,FC
本部と加盟屈の間で業務分担が できており多庖舗化による事業拡大が比較的容易に実施できる。 ② デメリット(リスク&コスト) ただし,加盟屈になるにあたっては,以下のようなデメリット(リスク)に も留意しておく必要がある。特に,失敗確率の低さは100%の成功を意味しない ということは十分認識しておくべきだろう。以下に具体的なデメリットやリス クの項目をあげておく。a
,モデJレプランからのかい離 加盟庖の運営力や出庖地等により,必ずしも本部のモデルプラン通りには ならないケースがある。 b 。独自性の排除 契約により「事業形態」が細かく規定されている場合が多いため,独自の 工夫や地域に合わせた形態の変更は難しいケースが多い。 C引チェーンリスクFC
本部の倒産や直営庖・他加盟庖の失敗の影響を受ける場合がある等, チェーンであるがゆえのリスクを負う。 d,撤退不能リスク 多くの場合契約期間が決まっているため,業績不振でも撤退できず赤字を 出し続ける可能性がある。e
コスト負担FC
パッケージ使用料として,加盟金やロイヤノレティーといったコストを 負担する必要がある。OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-95-メ色、 ロ ロ 革 C F 807 本部としての
FC
導入(
2
)
トFC
本部になる最大の目的は少ない資金で大きな事業を運営する, 事業拡大の時聞を大幅に短縮することである。FC
本部になると,1
つの事業ノ ウハウで,巨大な事業ネットワークの経営が可能となり,加盟金収入やロイヤ ルティー収入等,事業としてのメリットを得ることもできる。つまり,独自で 直営展開するだけの資本を持たない事業者にとっての有効な事業拡大戦略とい うことができる。飲食届や小売庖,サービス業の多庖舗展開の際には覚えてお あるいは ツ メリ ① h E g e s t a e -s t b t t t t t t d F S E長 ド f t l r f i b -ド 1 4 1 も 1 f も i i i l p l b e i R きたいシステムだ。以下にメリットを具体的に項目化しておく。 比較的少ない資本で大きな 他人資本による事業展開 加盟屈が庖舗や人材への投資を行うため, チェーンを展開することができる。 a b ..短期間での事業拡大 上記メリットの付随的な項目でもあるが,他人資本を有効に活用できるた め,直営の場合よりもはるかにハイスピードで事業拡大が可能となる。 C ω 収入の多角化 事業からの売上だけでなく,加盟金, ロイヤルティーといった収入が得ら れるため収入の多角化を図ることができる。 スケーノレメリットの享受 d 商材の仕入れ,広告宣伝等多くの分野でチェーンとしての強みを得ること デメリット(リスク&コスト)FC
を展開することにより,いくつかのデメリットが生じることになる。以下 ができる。 ② にそれぞれを項目化しておく。 a.本部体制維持コストの発生 加盟庖開発部門,s
v
部門等FC
展開を行うために必要な部門を設置する 必要があり,継続的にコスト発生要因となる。 b ..不振加盟屈の発生による悪影響OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
808 香川大学経済論叢 96 運営力のない加盟庖を抱えてしまうことによりトラブルが発生したり,事 チェーン全体に悪影響を 故を起こす加盟庄が出てくるようなことになれば, 及ぼすことがある。 C内事業運営制約の拡大 加盟屈を抱えることで価格改定やキャンペーンの実施等に調整コストが発 生する場合がある。また,
FC
本部の責任として事業の撤退が容易にできない こともあげられる。FC
本部化の留意点 (3)!
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-一 司 自社事業の優位性判定の視点 自社事業をFC
化する際の優位性判定視点について紹介する。 ず,現在保有しているノウハウや商品が,FC
システムに向いているかどうかの # A 山 ① ここでは, 判断には以下のような基本的な 4つの視点がある。 競争力を持っているか a,その商品やサービスは他社と差別化され, b "その商品やサービスには短期間で多くの加盟庖を獲得できるだけの市場 があるか C,庖舗運営ノウハウの標準化が可能であるか 加盟屈に対し比較的容易にそのノウハウを移転することができるか dFC
事業化の検討視点 ② さらに自社に以下の 上記のような基本となる優位性要件を満たしたうえで, あるいはアウトソーシングするこ ような経営機能を巣たすだけの力があるか, といったことがFC
展開を行う場合の重要な視点となる。 とができるか,a
“当該ビジネスをFC
パッケージ化する開発力b
"
FC
運営に必要な原材料・資材の開発力 他社と差別化できる商品・サービスの継続的開発力 加盟屈に対する教育・指導力 e,統一された宣伝広告や業務支援等の販売促進力 C d 自社の設備投資や,加盟庖に対する資金斡旋等の資金調達力 fOLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-97ー メ 午 ロ ロ 革 C F 809 各種情報を経営に活かせる情報システム管理力 g
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周辺事業としてのFC格付け 1わ3 FC格付け事業誕生の背景 ) 1 ( FCビジネスの成長に伴いFC本部,加盟庖以外に取引業者,金融機関等FC こうした関係者が各 ビジネスに関わりを持つ関係者が非常に多くなっている。 種取引のためFCビジネスについて客観的な情報を必要としていたということ が格付け事業発生のきっかけとなった。 また,一部のFC本部では加盟庖とのトラブルが発生している。こうしたトラ ブルの要因としては,悪質FC本部や事業家としての資質に欠ける加盟屈の存 トラブル発生の大きな原因はFC本部の情報開示の不足に あると見る向きも多い。日本フランチャイズチェーン協会では, FCビジネスの (2) 健全な発展と適切な情報開示を促すことを目的としてザ・フランチャイズとい 在が考えられるが, うHPを開設する等,FC業界の健全化に努力しているものの,情報開示の決め こうした本部の発表による情報だけでは,評価の視点 手には成り得ていない。 こうした状況を受け,いくつかの民間企業が格付 が不足しているからである。 けやランキング情報を提供するに至っている。 格付け手法の事例(
2
)
ここではリンク総研が実施している外食FCに関する格付け事例をベースに これは外食分野に限定したものだが,評価の視点・項目設定等は他 検討する。 分野にも応用が可能なものである。 FC格付けでは2つの視点が必要となる。まず,はじめにそのFCへの加盟を 検討している者に向けた加盟評価の視点がある。もう lつの視点は,そのFC本 部企業に対して投資や融資を検討している者,あるいはFC本部との取引を考 えている者に向けた投融資評価だ。以下ではそれぞれの内容を検討してみる。 (2 ) ザ・フランチャイズ:日本フランチャイズチェーン協会が提供する FC本部情報をまと めたHPである。 (http:j jfmjfa-fcorjpjdefaulthtm)OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
810 香川大学経済論議 98-加盟評価の4つのポイント ① FCへの加盟を検討している企業や個人にとって必要な分析ポイントは以下 の
4
つに集約される。内容の説明とともに,個別項目を図表1-2
としてあげ 人・時売上等の当該業態 さらに,加盟庖の多庖舗展 加盟リスク評価 加盟脂が安心して当該事業を行えるかどうかを検証するためには, FC本 部の企業としての安全性・将来性と, FC事業に関わる契約内容を中心に評価 する必要がある。企業の安全性については,投融資評価で調査する項目や投 資回収に関わる項目を,契約内容については商圏保全や契約解除,損害賠償, 契約年数等の重要項目の内容を評価対象とするのが適切な方法である。 ておくので参考にしてほしい。 a.庖舗収益性評価 外食FCの原点ともいえる庖舗の収益力を検証するためには,直営庖のFL
比率や営業利益率,投資回収年数,月・坪売上, の基本的な経営指標数値を評価する必要がある。 開率・契約更新率等,加盟庖の動向も評価対象とするべきだ。 b 一 況 一 印 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 i 一一一倣ケ一 刻 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 伝 一 一 一 備 一 台 一 珂 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ト 一 一 一 一 間 一 一 一 酬 に だ り 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 口 一 一 一 ル 一 や 一 容一一理い一一一一ポ一一修一広↑間一一ア一い一 内一一一管一一一一一一サ一一一研一の一時一一ユ一使一 ト一一一エ一一援一行一一促一い理一土体一和一目七一一 η 一 目 一 一 線 一 一 施 一 一 岡 市 一 文 ↑ 代 一 販 策 一 管 一 口 ↑ 会 一 指 ↑ 項 ↑ マ 一 ル い 項 ポ 一 線 一 連 一 計 一 立 一 採 一 庖 ( 務 い 育 一 舗 ι 対 一 益 一 え ζ 間 一 哨 時 二 何 回 一 7 -導 小 一 附 一 軒 町 一 純 一 役 一 川 一 一 肌 一 朝 一 紡 一 回 一 郎 一 蹴 一 九 二 一 一 則 一 部 一 部 一 U 一 指 部 一 庖 一 金 一 綿 一 社 一 栄 一 規 理 一 時 一 別 一 振 一 次 一 期 ↑ 三 V ↑ V 一 紙 ↑ ニ 一 修 体 一 凶 一 崎 一 暗 一 会 一 崎 一 噺 一 経 ↑ 随 個 一 清 一 週 一 定 一 チ 一 S ↑ s 貯 ↑ マ 一 研 ④ 一 口 ↑ 口 -口 一 口 ↑ 口 口 一 口 一 口 ↑ 口 一 口 一 口 一 口 一 口 一 口 一 口 一 口 一 口 一 口 一 一 一 数 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一一一 7 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 引 一 一 数 一 ツ 一 一 一 一 一 一 数 一 一 一 一 一 蕗 一 定 一 Z Z 間 一 一 一 一 類 一 一 一 ⋮ 一 一 一 一 ⋮ ﹂ I 一 間 一 三 万 数 時 一 率 ↑ 一 啓 一 一 数 一 一 一 一 一 一 一 回一は一一タ一営一象一業一比一率一度一告一一一一一一一一一 目 一 度 一 一 ス 一 巡 一 対 日 目 ↑ 間 一 助 一 狐 一 報 一 位 一 1 一 一 一 一 一 一 一 翼一日明一間一周一時一者一の一時一変一応部一替三一一一一一一 日一難一期一層一ク一業一附一栄一尚一来一本一代一メ⋮一 川 市 一 態 一 修 一 時 一 一 一 引 一 週 一 営 一 上 定 一 間 一 務 一 扱 一 ↑ 一 一 一 町 田 一 様 一 研 一 常 一 ピ 一 取 一 l 一非一克一想一月一業一取一一一 盟 直 山 口 五 百 一 口 一 口 一 口 一 口 一 口 一 口 一 口 一 二 二 二 加 二 比 一 二 二 : ⋮J
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811 F C 業態難易度評価 C 革 ぷ与、ロロ -99-収益性に目を奪われ,忘れられがちな庖舗の運営面について検証するため に,研修期間や研修内容,必要なスタップ数,取扱メニュー数,営業時間等 を対象として評価する必要がある。 ここでの評価は,業態特性から生じる難 易度を示すものである。 d ..本部サポート内容評価 運営面について,業態そのものの難易度と合わせて本部のサポートがどの 程度なのかについて検討する必要がある。 まず, 出底地の確保支援や資金調 達支援,会社設立支援,従業員採用支援等,加盟屈の活動をサポートする具 体的な内容をどれだけ用意しているかを評価する。さらに,研修内容や
s
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の 指導内容, マニュアノレの整備状況等FC
本部として加盟庖が運営しやすい基 本構造をどれだけ準備しているかも評価対象とすることが求められる。 ② 投融資評価の4つのポイントFC
本部企業を投融資の対象と考える投資家や金融機関にとって必要な分析 のポイントは以下の4つに集約される。具体的な項目を図表1-3としてあげ ておく。 a 安定'性評価 自己資本金額, 自己資本比率,流動比率等のいわゆる財務の安定性を中心 図表1-3 投融資評価項目一覧 ①安定性(8項目) ②収益性(5項目) ③成長性(6項目) ④将来性(!7項目) 口自己資本金額 口売上町営業利益率 口売上高増減率 口過去3年の新業態開発数 ロ自己資本比率 口売上日経常利益率 口経常利益増減率 日新高品の比率 口流動比率 口ROA 口過去l年の加盟脂増減率 口加盟庖開発体制 ーー・---ーーーー自由・---ー- -口悶定比率 ロROE 口加盟庖11苫あたりの売上高増減率 口既契約の閥I占待ち庖舗比率 口悶定長期適合率 口前三期の赤字決算回数 口過去I年の直営応増減率 口SVl人あたりの担当庖舗数 口合み損益 口直営庖 I 応あたりの売上高増減l$~ 臼SVの月間指導時間 -・・ー-ーー----圃・---司ーーーー 口口資出金資調企達業力の安定性 ----鴨司---自国・---司ーーーー -岨----司ーー-ーー・---ーーーーーー・ー・・・・・ ロ口SVSV指号事項目数ノウハウ標準化体制 ----ー---ー ---ーーーー---口立地開発"診断体制 ー白骨ー・---_.---.ーー・----ーーーー---司ーーー・・ーー値---・-ー・・---骨・ー 口立地開発"診断体制診断項目実施数 ーー・---.ー・---司ーーーー・ー・---圃齢.-・_._.--・--・・・・ー・---ー・・・---ー 口本部企業紙織体制l ーー・---ー曲・--幽・.--・ーーーーー---ーーー・・・.---自国・・・---ー・ーーーーーーーー・・,・ーーーー 口出庖容易性 ー・・・・・ー._---ーー---ーーーー岨ー・.---ー・ー・・----ー明ーー-ー岨a・・・---口出j吉余地比率 ー・---._----ーーーー----._--_.---ーーー・・.----ーー白幽・・・・---・---峰圃----.---口本部マニュアル盤備状況 -・・・・ーーーーーーー・---ー---・・---ー・ーー----・・・, ー司ーー--_.幽----・・ーーー・自由---ーーーー--口底舗迩営マニュアJレ整備状況 ----_.----・ー・---骨司圃亭 ーーーーーー・・---ーーーー自由---ー ーーーーーー・・・・帽司,ー,ーー・・岨---ーーー自由ー口情報化進展度 -・ーーーーーーーー・・・---ーーー ーーーーー・・・---ー-ー・・・--司 ーーーーー・・・・・・ー"ーーーー曲晶岨---口庖舗収益性-100- 香川大学経済論叢 812 b C d に評価を行う必要がある。 さらに追加担保物件の保有状況や債務保証を受け られる場合の資金調達力,出資企業の安定性,含み損益比率に至るまでを評 価対象とすることで, より正確な評価が可能となる。 過去の収益性評価 売上高営業利益率,売上高経常利益率, ROE, ROA等各種の利益率と前3 期に赤字決算が何度あったかといった視点から過去の収益性を評価する必要 がある。 過去の成長性評価 売上高や経常利益の増減率から過去の成長性を評価する必要がある。なお, この評価にあたっては単純な売上高の増減率だけでなく,当該
FC
事業に関 わる直営!吉・加盟屈の増減率,1
庖舗あたりの売上高増減率まで細かく項目 化して分析することが求められる。 将来性評価 当該FC
事業における将来性を検討する意味で,新業態の開発状況,新商品 開発状況,加盟庖開発体制,s
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体制,立地開発・診断体制等過去の実績と本 部組織体制を中心に評価する必要がある。さらに,将来のチェーン拡大にとっ (4) て重要な要素となる庖舗収益性,IT
化への対応の目安となる情報化進展度等 も分析対象となる。 ③ 評価テーブルによる客観評価 格付けにおいては,上記で紹介したような評価項目を評価テーブルに当ては めて得点化していくという定量的な評価を行うことが望ましい。これは,評価 担当者・調査担当者の主観的な判断によるバラツキを避けるためである。たと えば,図表1-4
のように評価項目ごとに一定の配点を行い,項目ごとに得点 を付与する方法が考えられる。 ④ 格付け事例 ここでトは, リンク総研による実際の企業の格付け事例を紹介しておく。今回(
4
)
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化:飲食業においてもPOS
システムの導入は必須となっており,食材の仕入れに EDIを利用するチェーンも多い。OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
813 F C 革 ぷ会均 ロ ロ 図表1-4 格付け評価テーブルイメージ(一部分) :・投資許価(5ω点満点) れJ丘定主主 5 -101ー 自己(株主)資本 3 億円以上 11 倍円以上波円未満|酬'iPltH.l 貯l繍|州市此刷 7 円減 Ilíh~W淵 7 円繍 11 千万円未満 ;自己(株主)資本比率 :流動比率 ω%以1.: 1抽出以上創出未満 │刊目以民的末時 130旬以上刊紙描 110目以上30児締 110%未満 160%以上 11叩旬以上l刷版措 11冊目以上130~ 繍 │帥見以上l開株講 li09以上su児繍 17の6未満 ;固定比率 , __;J;IJ~明特翌一一一一一一一一一一一・一一:13みffi 益比率(有証不動産・ :資金調達力 ;出資企業の安定性 │ ln過去の収益性 ;売上高営業利品市 :売上高経常利益率 i : ROA(1<i'干JI主主 : ROE(純平IJ益 :riii三期の語字決算凶数 │ │口過去の成長性 !売上高増加率 トーー4一一一一一一一一一一一一一一一ーーーー一一ーーー一一ーー ωf o経常利益附加率 │ ;加盟時増加率 │ :加盟庖 1庖舗あたりの売上高伸び率│ i直営府増加率 │ トー--,一一一一一一一一一一一一一一一一一一一ーー一一ー i l町営f占1出初jあたり売1:増 出所:リンク総研編「有力外食フランチャイズ格付」同友館より抜粋 -加盟評価 図表1-5 リンク総研による格付け結果事例 .投融資評価
吉野家
吉野家ディーアンドシー
庖 舗 収 益 性 S 160/200 安 定 性 S 138/150 加 盟 リ ス ク A 67/100 l奴 益 生↑ S 92/100 業 態 難 易 度 A 67/100 成 長 性 B 54/100 本部サポート A 64/100 将 来 性 A 100/150 東加盟評価は展開しているチェ」ンに対する制面です 接投融資新聞は企業そのものに対する翻面です 出所:リンク総研編「有力外食フランチャイズ格付」同友館より抜粋 は外食業界の有力企業である吉野家ディー・アンド・シーの「吉野家」チェー ンを例にあげてみる(図表1-5
)
。なお評価のための格付け記号として用いてi
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814 香川大学経済論叢 -102ー 以下のような条件で表示している。 いるアルファベットは,S"
配点の80%
以上の得点であり,加盟・投融資の対象として非常に優 れているA:
配点の60%
以上80%
未満の得点であり,加盟・投融資対象として優れて いるB:
配点の40%
以上60%
未満の得点であり,加盟・投融資対象として検討に 値する C"配点の20%
以上40%
未満の得点、であり,加盟・投融資対象としては他の 項目を含めた慎重な検討が必要であるi
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寸 D"配点の0%
以上20%
未満の得点であり,加盟・投融資対象としては不適 格である可能性が高い メ ガ フ ラ ン チ ャ イ ジ ー の 隆 盛2
•
景気低迷が続く中,多くの企業では従来のビジネスモデルでの成長が限界を みせ,新たな成長モデルを獲得するべく,新製品の開発,新規顧客の開拓,多 角化等様々な企業努力を行っている。 る企業は限られている。中には, な損失を被っている企業も少なくない。そうした中,FC
ビジネスへの加盟によ り数十億といった売上を実現するメガフランチャイジーと呼ばれる企業が出現 しかしながら,期待した成果をあげてい ノウハウを持たない新規事業に進出し,大き し,上場を果たす例もあることから経営者の注目を集めるようになった。脱サ ラの手段といったイメージの強かったFC
ビジネスにおける,大きな変化の1
つである。本章ではメガフランチャイジーについての基本情報とともに,有力 メガフランチャイジーの事例,メガフランチャイジー化のポイントを検討する。 メガフランチャイジーのビジネスモデル 2“1 かつ庖舗数で30庖 しば メガフランチャ といった定義がなされている。つまり, イジーのメガとは年商や庖舗数の多さを示す意味で用いられているのだ。 メガフランチャイジーは,年商で2
0
億円以上, 舗以上有する加盟庖, 一般に,OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
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815 F C 革 命 -103 しば,マルチフランチャイジーという言葉が使われる場合があるが,マルチフ ランチャイジーは基本的に複数のFC本部に加盟している加盟庖という意味で ある。つまり, 2種類のFC本部に1庖舗ずつ加盟していてもマルチフランチャ イジーといえるが,この規模ではメガフランチャイジーとはいえない。ただし, メガフランチャイジーはリスク分散やエリア内で重層展開を行うために複数の FC本部に加盟している場合がほとんどであり,結果的にマルチフランチャイ ジーとなるケースが多くなっている。 ところで,メガフランチャイジーのビジネスモデルは,まず,加盟届専業か FC本部を兼営しているかで大きく 2つにわけることができる。そして,その中 でもさらにいくつかのタイプにわけることができる。以下でそのビジネスモデ ルについて詳細に検討してみる。 (1) 加盟庖専業型メガフランチャイジー ① 業態転換型 このパターンは, FC加盟による売上が企業の総売上の80%を超えるような ケースがあてはまる。これは経営資源のほとんどを従来の本業からFC加盟の ビジネスに切り替え,加盟店として生きていくことを選択するものだ。このタ イプの代表的な企業としては,タニザワフーズやメガエフシーシステムズがあ げられる。最近の経営環境を考えると,こうした企業は今後急激に増加すると 考えられる。 ② 戦 略 新 規 事 業 型 このパターンはFC加盟による売上が総売上の30"-'80%程度の場合があて はまる。従来の本業は維持しつつ,FC加盟をもう1
つの柱と位置づけ強力に推 進していくものである。中には本業の庖舗との複合庖舗を開発する等相乗効果 を意識した展開を行う企業もある。代表的な事例には, fBOOK OFFJや fTSUTAYAJを展開している紳士服のゴトーがある。なお,この場合FCビ ジネスの収益性によっては,徐々にその比率を高め,業態転換型に移行するケー スも見られる。816 香川大学経済論叢 104~ 型 業
言
。
③ このパターンはFC加盟による売上が総売上の30%未満の場合があてはま i i l J i l t -i l s i l る。あくまでも事業の柱は従来の本業だが,人や土地といった経営資源の有効 このパターンは不動産や人材資源の 活用を主な目的と考えるパターンである。 たとえば,大手企業が子会社を作るなどして参入して 豊富な企業に見られる。 京急電鉄の子会社の京急フードサービスや いる例が考えられる。具体的には, 奈良交通の子会社の奈交フーズなどがあげられる。 FC本部兼営型メガフランチャイジー (2) メガプランチャイジーの中にはFC本部としても活躍している企業がある。 売上高を切り口とすると前記の加盟庖専業型と同じような区分 このケースは, ここでは以下の2
つの視点から考えてみる。 もできるが, エリアFC本部兼営型 ① このパターンはFC加盟屈としてその事業で成功した企業がFC本部から一 エリアFC本部として事業を展開するという 定地域でのFC展開権を購入し, その事業を加盟庖として成功させた実績が本部とし ての運営に活かせる強みがある。最近の成功例では i炭火焼肉酒家 ケースが多くなっている。 牛角」や 「ふらんす亭」等を展開するプライム・リンクがあげられる。 独自新業態開発型 ② 一方で独自の業態を このパターンは, FC加盟屈として事業を行いながら, FC展開するものである。このケースは,先に FC本部を立ち上げ,その後に多 角化の手法として他のすぐれたFCの加盟庖になる場合であったり,加盟庖に なり FCビジネスの仕組みを理解してから FC本部になる場合もみられる。 いずれにしても, FCビジネスの強みを理解してフルにFCを活用する事例 「かつや」を展開するアークランドサービスや「天ぷ 揚好人一休」を展開するエフアンドエフフードサービスがあげられる。 といえる。事例としては, ら家OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
817 F C 革 命 2 2 有力メガフランチャイジーの事例 (1) タニザワフーズ ① 歴 史 105 タニザワフーズの原点は,先代社長が設立した谷津莫大小工業所にある。そ の後,谷津莫大小工業所は谷津ニット商事となり,さらに 1978年に社名変更し てタニザワフーズが誕生した。 1970年代前半は石油危機や安価な輸入品の流入等によれ繊維業界の経営が 低落傾向となっていた時期であった。当時,大学を卒業して谷津ニット商事に 入社して間もなかった後継ぎの谷津社長は,繊維業界で生き残るべく,優れた ビジネスモデノレを求めて全国の関連業者を調査した。しかし,谷津社長が求め るようなモデルはどこにも存在しなかった。そのため,同担は繊維以外の新し いビジネスで活路を聞くべく,谷津社長が中心となって不動産事業等新規事業 を模索していた。そうした中,不動産事業を通じてステーキ事業で成長著しい あさくまが出庖地を探しているという情報が入ってきた。谷津社長がこの事業 について直接あさくまに話を聞いたり,独自に調査・分析を行った結果,想像 していたよりもはるかに科学的で,収益性の高いことが分かった。そこで,あ さくまと FC契約を行い,繊維製品を作っていた自社工場の跡地に「ステーキの あさくま」の庖舗を出庄したところ,大成功をおさめることができた。これは 同社がメガフランチャイジーとして第二の創業を果たす第一歩となった。 その後, 1976年には隣接地にハンバーガーの「ロッテリア」を出庖したとこ ろ,異なった種類の飲食店を隣接させたことが複合効果を生み,集客力が大幅 に向上した。この成功により,社員の雇用を守りながら,将来への展望を開く ことができることとなった。そこで,思、い切って1977年末には繊維事業から完 全に撤退することを決め, 1978年に谷津ニット商事から現在のタニザワフーズ に社名を変更し,飲食業においてFC加盟庖として事業を行うスタイノレへと業 態転換を行った。その後は業界
N
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1
クラスのFC
本部への加盟と,そのFC
内 でのN
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1
加盟屈を目指すという高い目標を掲げて歩み続げ,現在はスクラッ プ&ピルドを重ねながら87庖舗,売上高 110億円を超えるチェーン展開を実現-106- 香川大学経済論叢 818 している。 ② タニザワフーズの成功要因 タニザワブーズがフランチャイズビジネスに参入したきっかけである「あさ くま」 との出会いは偶然であったが, その後の着実な成長はチェーンストア理 論に裏打ちされた様々な戦略や施策による必然である。以下では,同社の成功 のポイントとなった項目を紹介する。 a b C ドミナント戦略とマルチ戦略の融合 タニザワフーズでは愛知・静岡という東海エリアに集中して庖舗を展開し これは,地理的に詳しいところできめ細かく出庖するドミナント戦 ている。 略を用いることで, 高い集客効果を発揮することができ,効率的な展開が可 能だからである。 さらに,得意なエリアにおいて庖舗を重層的に出庖するこ とで圧倒的な地域シェアを獲得している。つまり,業界トップクラスの
FC
本 部を複数選んで加盟するマルチ加盟庖戦略により,効率的に多庖舗展開を行 うことが成長の支えになっている。 戦略的な出庖地確保 チェーン化された飲食屈が増加してきた状況では,個別の庖舗だけで集客 するという方法は効率的とはいえない。タニザワフーズ、では,庖舗を複合化 させることで,相乗効果を生みだし,強い集客力を実現している。最も特徴 的な事例としては,浜松市に「吉野家」 と「ケンタッキー・フライドチキン」 が同居する底舗を出屈していることがあげられる。 また,出庖地自体も,幹 線道路のポイントとなる立地の確保,有力ショッピングセンター内への出庖 といった,好立地への庖舗が目立つ。効果的な出庖を可能とした立地開発力 の背景には,同社がグループ会社に谷津開発という不動産会社を持っている ことも1
つの要因としてあげられる。 本部と加盟庖の役割分担の徹底 谷津社長はFC
本部と加盟庖の役割を自動車メーカーと自動車ディーラー にたとえている。つまり,加盟底は自動車ディーラーのように販売に徹する ことが必要だ、というのだ。本部がメーカーとして勝てる商品開発と仕組み作OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
819 F C 革 命 -107-りをしてくれれば,加盟届はその仕組みを忠実に守り,エリア内でのシェア 獲得に注力すべきだとしている。こうした役割分担が確実に果たされれば, 自ずと
FC
本部,加盟庖の両者の発展につながることは間違いない。 d ..本物の本部選び 先に述べたような徹底した役割分担は,優れたFC
本部を選択しているか らこそできることである。谷津社長によると,FC
本部選びのポイントは「本 物を選ぶこと」につきるという。つまり,商品の完成度が高いかどうか,オ リジナリティーのある設備やノウハウはあるかといったことを独自の視点、で 慎重に検討するのだ。売上高や利益の推移について十分に検討し,さらにそ れは単なるブームによる好成績ではないかといったことも厳しくチェックし ている。当然のことながら,こうした調査を行うため,情報開示に消極的なFC
本部は加盟の対象からは外されることになる。 e“徹底した人材育成 タニザワフーズが最も力をいれているのが人材育成である。同社はある意 味で社員教育企業とも呼べる存在だといえる。F
C
I
吉舗の運営においては,マ ニュアノレやスーパーパイザ}の指導があるとはいえ,FC
本部のノウハウを 余すところなく吸収・実践するためには, I吉長をはじめとして社内にレベル の高い人材が求められる。中途半端な人材ではせっかくのノウハウを消化す ることができない場合があるからだ。タニザワブーズではレベルの高い人材 を育成するための体系的な教育システムであるタニザワ大学を用意してい る。本社近くに用意された研修センターには視聴覚設備や各種ライブラリー が整備されており,大学の名にふさわしいものとなっている。本部別に行わ れる職能教育はもちろんのこと,社内での等級職能別教育制度,社外留学制 度,人格育成教育制度,さらに合理的で多様な図表2-1
のようなキャリア ステップが流のチェーンストアマンを育てることに寄与している。また, 同社では,社員だけでなく,ノfート・アルバイト従業員の育成にも力を入れ ており,パート・アルバイトを対象とした表彰制度を設ける等の工夫を行っ ている。このように社員,パート・アルバイトに関わらず,人を育てるといl b h ← l H E l i -a -108- 香川大学経済論叢 820 図表2ー 1 タニザワフーズのキャリアステップ 図表2- 2 タニザワフーズの組織図 監 査 役 室 消 費 者 室 ※タニザワフーズ資料より作成 う企業姿勢が現在までの発展の大きな原動力になっていることは間違いな し亙。 fれ時代の要請に合わせた組織体制 タニザワフーズでは,混沌とした時代に対応するため,一つの方針の徹底
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
109 h、 ロ ロ 革 C F 821 に重点をおいた「営業本部制」をとっている。かつては各プランドごとの事 業部制を導入していたが,現在は図 2-2のような形での運営となっている。 事業部制て、培った経営者的感覚を残しつつ,部門を超えた人材の有効活用や ある部門の好調要因をスムーズに他部門へ横展開することができるため, このように状況に応じてきめの細かい組織変 々 C らに経営効率が高まっている。 ロスのない強い企業体質を作っているの 更をタイムリーに実施することが, だ。 メガエフシーシステムズ 史 歴 (2) ① メガエフシーシステムズの前身である中島商事は,小田原で旅館や料理屈に このビジネスでは, 仕入れは現金,支払いの受け取りは 2~3 カ月先の手形取引ということで資金 業務用の鮮魚を卸す個人商屈として先代社長が設立した。 こうした悩みを持ったまま,先代は居酒屋やパ ン屋等の新規事業を試行錯誤していたが,職人の腕や人柄に左右されるため, なかなか効率的な事業とはならなかった。 繰りにはいつも苦労していた。 そんな折り,先代が仕入先の築地で うましりを 当時の吉野家がちょうどFC展開に踏み 出そうとしているところでもあり,業界誌で「吉野家」の加盟庖募集を知った 出会ったのが吉野家であった。職人を使わず,正に「早い,安い, 実践する「吉野家」に強い衝撃をうけ, 先代はすぐに加盟を決意した。現金商売ということに加え,当時まだまだ高い という感覚のあった牛肉を安く消費者に提供できるということが加盟の強い動 機になった。 1973年には「吉野家」のFC1号庖となった小田原庖をオープンしたが,当初 はまだまだFCシステムが完成しておらず,期待した収益をあげるまでには至 しかし,横浜に出庖した2号庖からは庖長や従業員を派遣しても らう業務委託システムという制度を利用することにより業績があがっていっ た。運営する人の面までFC本部に委託できたために,同社は庖舗開発に注力す ることができ,成長の大きな原動力になった。ところが1980年に吉野家本部が らなかった。
-110ー 香川大学経済論叢 822 倒産するという事態が発生し,既存庖の営業はなんとか継続できたものの,新 規出屈が凍結されることとなった。そのため, その後の出庖計画に大きな影響 を受けた。 この吉野家本部倒産により, 今後の事業拡大に向けてのリスク分散 の必要性を強く感じ,新たな
FC
加盟を模索している時に出会ったのが「モス パーガー」の加盟募集広告であった。「モスパーガー」について調査をしてみる と,日本人向げの味付けで人気が高く,FC
本部の経営理念も共鳴できるもので あった。 こうしたことから 1981年に「モスパーガー」への加盟が決まった。 ヲ 」ー れは,複数業態への加盟というマルチ加盟庖化への第一歩であり,同社にとっ て非常に大きな意味のあるものだった。 その後は, 1996年に「ベーカリーレストラン サンマルク (以下サンマノレ ク)J, 1997年に「北前そば 高田屋J,2
0
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年に「炭火焼肉酒家 牛角」 と, 特徴あるFC
本部への加盟を進めた。 このようにマルチ加盟庖化を推進した理由の1
つは,入手した不動産物件情 報を有効に活用することにある。つまり,吉野家には適していないけれども, 他の業態には使える立地を活かすのである。 また, もう1
つの理由は, それぞ れの強みを持ったFC
を展開することで業績の安定化を図ることである。経営 環境の変化によりあるFC
が苦しくなった時でも,他のFC
の業績によってそ の落ち込みを支えるといったことが可能になる。環境に左右されにくい複数の 業態のFC
をミックスして選択することで変化に対応し安定した経営を目指 す, という戦略がここにみられる。 ② メガエフシーシステムズの成功要因 メガエフシーシステムズが, これまで着実に成長してきた要因は「吉野家」 に加盟した先代社長の先見性,後継ぎである中島社長の吉野家本部での勤務経 験等様々なベースが考えられる。a
フランチャイズシステムの徹底活用 加盟庖としての戦略のポイントは,FC
本部のオペレーションシステムを そっくり活用し, 高効率な事業展開を行うことである。 こうすることが,最 も有効な形で経営資源を調達・運用することにつながる。FC
加盟の魅力につOLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
b ' f i b 司b ト t t t b w 毎 ヂ K 与 p ; ' -111-b 、 ロ ロ 革 C F 823 いて,中島社長は経営資源の観点から以下のようにまとめている。 -人については本部がオペレーションの教育をしてくれる。 -物は商品開発から物流まで本部が行ってくれる。 -金は本部のデータのおかげで精度の高い事業収支計画が立てられ資金調 達がしやすくなる。 -情報は業界動向から他の庖舗情報まできめ細かく入手することができ -なにより有限な資源である時聞を節約できる
FC
本部での豊富なスタッフ経験を持つ中島社長は,本部の機能を十分理 る。 解したうえで余すところ無くその機能を有効に活用している。アウトソーシ ングによるフランチャイズシステムを徹底的に活用する戦略が高効率な事業 展開に結びついているのである。 業務委託システム活用による立地開発への注力 業務委託システJ
L
は 1980年以前に展開した「舌野家」の届舗で実施され b, この業務委託システムを活用することでメガエフシーシステ ムズは庖長・従業員を吉野家本部から派遣してもらうことが可能になり,同 社は立地開発に注力することで一気に成長を図ることができた。このシステ ムを利用すると,飲食業の大きな固定費である人件費を変動費化することが ているものだ。 可台E
になる。 ある意味で投資家的なFC
の活用である業務委託システムの活用が,急成 長の原動力となった。 C,本質を捉えた本部選択 「吉野家」での成功以降, メガエフシーシステムズでは,顧客から支持され つまり米・パン・麺の主食といったものを重視し るオーソドックスな分野, ている。その分野の中で,独自の強みや特徴を持ったFC
本部を選ぶのだ。た とえば「吉野家」であれば「早い・安い・うまいJ,rモスパーガー」であれ (5 ) 業務委託システム:加盟庖が庖舗を用意すれば, FC本部が庖長や従業員を派遣し,運 営の責任を負うというシステム。OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-112 香川大学経済論叢 824 ば「おいしさと健康へのこだわりj,,-ベーカリーレストラン サンマルク」 は「高級な雰囲気とリーズナブルなメニューj,,-北前そば 高田屋」は「ビ ジネスマンの憩いの場」と「二毛作業態j,「炭火焼肉酒家 牛角」は「おしゃ れでカジュアノレな雰囲気の焼肉屈」 といったものである。 さらに,表面には出てこないFC本部のシステムも重要な検討対象になる。 たとえば日時決算システムや従業員ローテーションシステムといった居舗運 営上の仕組みの完成度にも厳しい日が注がれる。 これはFC本部のスタッフ として 10年以上勤務した中島社長ならではのチェックポイントということ ができる。 dリ本部とのパートナ一関係の構築 中島社長は,本当に良い本部と巡り会ったら, FC本部と加盟店はパート ナーとしてやっていく姿勢が必要になる, ということを強調している。企業 規模では加盟庖よりも FC本部が大きい場合が多いが,上下関係で捉えたり, 一方的に頼ったりといった関係であってはならないという。中島社長は,加 盟屈でもいい知恵があったら積極的に提案する等,運命共同体と考えること が必要だ,という考えを持っている。また, FC本部に対して疑問点があれば きちんと指摘できる, そして本部側もそれに対して真撃に応えてくれる, と いった関係が重要としている。 e"独自の柾員教育 人材育成の重要性はどんな企業にも共通するところだが, メガエフシーシ ステムズでは,中島社長自らが中心となって「中島塾」という社員教育の場 を設けている。優れた企業において,社長が教育に携わる例は少なくないが, 毎回社長が講師をつとめるというのは並大抵のことではない。毎月
1
回, I クール10カ月の中島塾では,全社員が共通のテキストを用いて,実務におけ る問題解決の方法,具体的なスキルアップ, 原価や計数管理の仕方等の学習 を行っている。現場でのOJT
に加え,こうした教育により,一人ひとりの個 性と能力をより高いレベルで引き出し,企業家としての視点でビジネスを捉 えることのできる人材を育成し企業体質を高めている。 ここから優れた庖長OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
h l i l t L f L t b t i i f -113 A>. ロ ロ 革 C F 825 さらにその庖長が底舗で後進を育てることにつながっている。 が生まれ, [ 物 件 確 保 ネ ッ ト ワ ー ク の 構 築 加盟庖として成長していくという戦略を用いる企業にとって,庖舗の物件 メガエフシーシステムズでは,先 確保はある意味で生命線といってもよい。 代社長が20数年来,神奈川・東京をこつこつと歩いて築きあげたネットワー そのネットワークは,不動 クが庖舗物件確保の大きな原動力になってきた。 メ岳、 寸 産業者はもちろんのこと,金融機関,建設業者,街の商屈までに広がり, こうした情報が今後の庖舗開 でも多様な情報を入手することができている。 発の強力な武器であることは間違いない。どんなに良いFCと契約できても, どんなに良い人材を育成していても,出庖できなければ収益を生み出すこと はできないからだ。 メガフランチャイジーへの道 2..3 メガフランチャイジーへの成長ステップ ) 1 ( 先に紹介した
2
社のメガフランチャイジー企業だけでなく,他のメガフラン もともとはFCビジネスとはかかわりのない会社 こうした企業が成長してきた道はそれぞれだが,今後メガフランチャ イジーを目指す企業のために簡単なステップを紹介しておく。 チャイジー企業の場合も, だ、った。 ① まず,既存事業を含め今後のビジネスの方向性を十分に検討することが必要 となる。既存事業を伸ばすのか,新規事業に取り組むのかといった将来のビジ ネスモデルについて経営者・経営幹部が徹底して検討する時期である。新規事 事業検討期 この段階でFC事業を活用 この段 業を検討するための考え方については後述するが, することが決定すれば次の導入期に移ることになる。企業によっては, 階からメガフランチャイジー育成に実績のあるコンサノレティング会社を導入す る場合もある。 期 この段階では, 1~2 業態の FC 本部に加盟して,FC
事業の基盤を構築する 入 導 ②OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-114- 香川大学経済論叢 826 ことになる。ここでの主要な課題は,まず優れたFC本部を選択して加盟するこ とだ。そのうえで, 円滑な資金調達ルートの確保と将来のマネージャー候補と なる人材の採用・内部登用,立地開拓lレートの確保などが必要となる。なお, この時期の運営面については,徹底的にFCビジネスの神髄を学ぶ,という姿勢 が求められる。 ③ 急速成長期 この段階では,収益・成長見通しのできたブランドを集中して展開していく ことになる。 ここでの最大の課題は庖舗網の拡大に対応できる人材の採用と育 成である。特に育成面については,庖長クラスの人材を業態マネージャーに育 て,次の庖長を育成できるような教育の仕組み作りが不可欠になる。 こうした 教育やキャリアステップが従業員のモチベーションアップにもつながることに なる。なお,既存事業とは異なる人事制度の策定や分社化といったこともこの 段階で解決しておくべきである。また,多庖舗化にともない立地開発体制を整 え,本格的なネットワークを構築することが必要となってくる。 ④ 安定成長期 この段階では,第二・第三のブランドを発掘して,経営環境の変化に対応で きる業態ミックスを構築することが課題となる。業態数と庖舗数の増加に合わ せて,本社組織体制,底舗間ローテーション体制なども構築する必要がある。 ⑤ ー 』 女 A乙F 晶 , 期 この段階では組織体制を強固なものとすると同時に,陳腐化あるいは競争力 を失いつつある業態からより成長性のある業態へとスクラップ・アンド・ビノレ ドを図ることが課題となる。 こうしたスクラップ・アンド・ビルドを進めるこ とで,安定してプラス成長を維持することができる。 さらに,この段階では株式上場を視野に入れ,内部体制を強化するとともに, 新たな成長方策を見いだす革新期への移行準備を図ることが求められる。 ⑥ 革 新 期 この段階の課題は,新たな成長ステージを発見することである。従来とは異 なる分野, たとえば外食分野だけの状況からサービス業, リサイクノレ業など異
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115-メ 』 ロp 革 C F 827 分野のFC加盟を図ったり,あるいは,エリアフランチャイザーとして成長する という方策もあるだろう。他にも,独自業態を開発して, FC本部を兼営すると いう道もある。いずれにしても,従業員とともに夢を持てる事業展開計画を打 l i -t i l t -} ι f l i a t -1 1 ゎ -1 ; ち出すことで第二の成長期に入ることができる。 ステップ別メガフランチャイジー化のポイント (2) メガフランチャイジーとして大きく FC事業を発展させるための ここでは, 特に重要なポイントについて検討してみる。 事業検討期のポイント ① l i e -a } t ? b F l f i p i 寸 外部スタッフの活用 企業の方向性を決める事業検討期がある意味でもっとも重要になるかもしれ この段階で行う既存事業と新規事業の評価やFC事業導入の是非につい ては,客観的な視点を持てる外部スタッフを利用することも考えられる。日本 ない。 ヱノレ・シー・エーのようにメガフランチャイジーイじをサポートするプログラム を開発しているコンサルティング会社も存在する。 導入期のポイント ② 優れたFC本部の選択 メガフランチャイジー化に向けて,第一に求められるのは本物のFC本部の 選択ということだ。最近はFC本部も増加し,同じ事業分野に複数のFC本部が 存在することも珍しくない。数多くのFC本部の中から,優れたFC本部を選択 できなければFCビジネスでの成功はありえない。そこで自社で選択のための チェックポイントを用意しておくことが必要になる。 FC選 択 の 基 本 的 な チェックポイントとしては本部企業の健全性,庖舗の収益性,加盟リスク,業 こうした基本ポイントに加え, 態の難易度,本部サポートなどがあげられる。 自社の状況をふまえて独自チェックポイントを用意しておくことが望ましい。 こうしたチェックポイントを持ったうえで,徹底的にそのFC本部を吟味し,加 リンク総研では同友館より書籍「有力外食フ 盟を決定すべきであろう。なお, FC本部選択の視点の詳細を紹介している。 ランチャイズ格付」を出版し,
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828 香川大学経済論叢 116ー 急速成長期・安定成長期のポイント ③ 人材育成と有効活用 同じFC本部に加盟しでも,加盟屈によって業績に大きな差が生じることが i l l t J h i l i l i -i i s l l i l そこで 1つには立地環境もあるかもしれないが, これはなぜだろうか。 ある。 働く人材育成の巧拙がこの差を生みだしているのではないだろうか。部下を育 成できる庖長をどのように作りだすか,従業員のモチベーションをどのように 高めるか,各庖舗のノウハウをどのように共有化するか, など人材育成や人材 また,成功しているメガフランチャイジーでは,新卒・ 活用の課題は数多い。 中途にかかわらず採用にも真剣に取り組んでいたり,独自の教育システムを有 こうした人材にかかわる点での企業努力がメガフラン している場合が多い。 チャイジー化の成否を決めることになる。 立地開発力の確保 中には立地開発をFC本部まかせにする加盟屈もあるようだが,少なくとも メガフランチャイジーを志向するならば,独自の立地開発力が求められる。一 そのためには地域内の物 件情報が自社に集まってくる仕組みを構築しておくことが必要となる。地域内 である程度実績を積めば,-あそこに借りてもらおう」といった状況になれ 定エリア内での重層展開は庖舗網拡大の決め手だが, 自 然に情報が集まってくることもあるかもしれないが,有力メガフランチャイ ジーの「まずは,地道に足を使って物件情報を得る仕組みを作ることが必要だ」 という声を紹介しておく。 本部との良好な関係の構築 「良好な関係」とは単になれ合うことではない。 FC本部と加盟庖がお互いに レベルアップを図れるようなコラボレーションの関係を築くことを指してい お互いがお互いの役割を誠実に 果たすことが必要になる。つまり,加盟庖としては, FC本部の指導に従って庖 舗を運営し,業績を高める努力を行うことだ。一方,FC本部はノウハウを磨き, まず, こうした関係を
f
帯築するためには, る。 絶えず業態革新を続けることが求められる。OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
829 F C 革 命 ④ 安 定 期 の ポ イ ン ト 戦略的な業態ミックス -117ー 先に有力
FC
本部の選択の重要性について述べたが,有力なFC
本部を戦略 的に組み合わせて加盟することがメガフランチャイジー化には必要となる。い くつかの事例をみると,優れた 1つの業態で成長することも不可能ではない。 しかし,環境変化の激しい状況においては,優れた業態が急速に陳腐化すると いうリスクも存在するためスクラップ・アンド・ビルドの発想、が欠かせない。 また,複数業態の複合出庖により,業態の強みが増すという事例もみられる。 環境に合わせてフランチャイズビジネスのポートフォリオを組み直すという, 戦略的な業態ミックスを行うことが求められる。 ⑥ 革 新 期 の ポ イ ン トFC
本部としての道 あくまでも加盟屈として成長していくという選択肢もあるが,加盟屈として の経験を活かしてFC
本部となる事例も少なくない。エリアフランチャイザー としての道や独自業態を開発するという手段もある。現在はFC
本部支援事業 者も増えており,こうした外部企業とのコラボレーションによりFC
本部とな ることも念頭にいれておくとよいだろう。3
.
コラボレーションシステムとしての
FC
ビジネス
企業が激しい競争環境の中で勝ち残っていくためには,外部の経営資源を調 達し,さらに有効に活用することが必要となる。コラボレーションとは参加者 がお互いの持っている強みを活かして,個々の取り組みでは作り出せない新し い価値を協力して作り出すことである。コラボレーションを成功させるために は,参加者がそれぞれ自らのコアとなる強みを明確にし,お互い貢献しあう姿 勢を持つことが前提となる。こうした点を考えると,フランチャイズビジネス は,正にコラボレーションにより生まれたビジネスシステムということができ る。1
章で見たように,そもそもFC
ビジネスは本部と加盟庖のコラボレーショ ンによって成り立つものであるが,最近はFC
本部同士のコラボレーション,支830 香川大学経済論叢 118 援業者と
FC
本部のコラボレーションなどFC
ビジネスを核とした複合的コラ コラボレーションビジネスとしての切り ここでは, ボレーションも見られる。 口からFC
を検討する。 加盟庖とFC
本部のコラボレーション 3..1 2段階のコラボレーション関係 第1
章でも説明したように,FC
システムにおいて加盟庖とFC
本部の関係 がコラボレーション関係であることは明らかである。加盟庖は自らの資本と人 材という経営資源を投入し,FC
本部は成功実績と革新力に裏打ちされたノウ ハウという経営資源を投入することでFC
ビジネスが成立している。つまり,加 盟屈がFC
本部の提供するノウハウに基づいて,庖舗を運営することで第一段 階のコラボレーションは成立しているのである。 ただし,FC
が継続的に繁栄するためにはさらに深い第二段階のコラボレー ションによるノウハウ革新の仕組みが必要になる。FC
のノウハウは当初FC
本部で完成されるものだが,厳しい競争環境の中を勝ち抜くためには常にノウ ハウの革新が必要となる。その意味ではノウハウが完成することはないと考え ) 1 ( るべきである。つまり,FC
においては継続的なノウハウ革新のためにFC
本部 と加盟屈のコラボレーションが求められるのである。ノウハウ革新のためには 現場での経験を積んだ、運営者である多くの加盟庖の知恵や問題意識が欠かせな い。そうした問題意識や知恵をFC
本部が吸い上げ,直営庖や本部スタッフがブ ラッシュアップしたうえで標準化し,全ての加盟庖にフィードパックすること で強いFC
本部が生まれる。つまり,FC
本部と加盟庖は事業体としては独立し ナレッジマネジメントという観点からは1
つのグループとして ているのだが, このように,勝ち残るための継続的な の経営が必要なのである(図表3-
1)。 ナレッジマネジメントコラボレーションともい うべき第二段階のコラボレーションが必要なのである。 ノウハウ革新を行うためには,OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
11少ー ぷ色、 ロ ロ 革 C F 831 FCに見られる2段階のコラボレーション関係 図表3ー 1 第二段階:ノウハウが双方向 ....砂 第一段階:ノウハウが一方通行 t b t f f ト i i i ; i z -i f l } t t i t i } l J I l t -f t i コラボレーターとしてのスーパーパイザー (SV) さて,先に述べた
FC
本部と加盟庖聞のノウハウ革新に向けた第二段階のコ ラボレーションを実現するためにはコラボレーターとしてのs
v
の役割が非常(
2
)
に重要なものとなる。s
v
に求められる機能は5CIRであるといわれる。それぞ れの内容を解説すると,以下のようになる。 コンサルテーション ① 店舗運営指導に加え各種経営相談を行うことで,s
v
の中核業務と言え るものである。 カウンセリング ② オーナーからのよろず相談を受 庖舗運営や経営面にだけにかかわらず, けるというものである。 コーディネーション (6 ) コラボレーター:コラボレーション関係を生みだす触媒のような役割を果たす人や企 業。 ③832 香川大学経済論叢 -120ー