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土壤浸出液中硫酸根の比色定量法-香川大学学術情報リポジトリ

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境8巻第1尊(1956) 133

土壌浸出液中硫酸根の此色定量法

皇 川 玄 児

Colorimetric determination of sulfatein soilextracts.

GenラiHosFI正久WA(Laboratory ofScienceof SoilandMamlre) (Recei\edSeptember6.1956) 硫酸イオ・ソ窯盈に関する報文は莫大な数にのぼり,例えば1954年S柑0工JL及びY()UyGによって編集された文献実 には3400の報文が採録されている状態で(28),その定盈方法もー厳的な蛋畳,容盈,比色法は勿論,イオy交換樹 脂による密換滴定法√叫,キレート滴定法(19,叫33,86,58凪叩から電位差滴定法(1),電流滴定法(1¢),高周汲滴定法 (4,$7),電導度滴定法(8−52,60)まであらゆる領域にわたっている伸 しかしこのように報宅の多いことは一・南信顕しうる 良法のないことを意味し,少盈の硫酸イオソを迅速に定致しうる方法に至つてほ困難が更に倍加されてくる.従つ て最近迅速化されてきた土艶,植物体の系統的分析に於てもCa,Na,:Kは炎光分析,Fe,Mn,P等は比色分析 で定盈されているに拘らずSは依然として蚕盈法によっている状態である(57)・もつとも硫酸バリウム沈澱に.よる重 畳法も最近最適定盈条件を確立するため顔役鏡による沈澱の結晶の形態学的研究が行われる一・方(104$54),迅速化 のため種種の方法(9p2164)が提案されてはいるが,容盈沫,比色洪等に比較すればやはり所要時間が長く,更に.硫酸 イオソが少盈の場合にはSEUTI柑(61)の指摘している如く結果がかなり低値となる欠点がある.塞盈法に・代るものと して現在までに.j=撰分析に応用されている方法としては(1一)Benzidine−SO4の沈澱をNaOH溶液に溶解後KMnO4 滴定する方法し14),(ノ2)Na−rhodi2;Onateを指示薬としてBaCl2標準液で滴定する方法(31),(−3)BaCrO4・HCl とSO42−を置換反応せしめて遊離するCTO4−を沃度滴定する方法(5),(4)Ba(NO8)2叉ほBaC12溶液で電導度滴 思する■方法(17・88),(’5)比海溝(640),(6)Ba・・aCetate溶液による高岡汲滴窯(4)などがあり,何れも一長一潜の 棟であるが,・一・股的にみて(1)の方法は滴定所要時間がかなり長く,Benzidine−SOlほ水に禰溶けもため硫酸イオソ 低含盈の時ほ正確度が劣るので告験補正を必要と.し,更に溶解度を減少せしめるためにほ多盈の有機溶媒が必要と なるなどの欠点があり(2636),(2)の方法についてはi933年以降の容藍藻が殆んどRhodizonate又はTetrahydIOXy− quiロOne(THQ)を指京菜とする方法になっている穫ではあるが(11),試薬が非常に・不安思であり(3148)(もつと も試験紙としてノ安定化し液外指売薬に使用することも出来るが操作が煩雑(35))且滴定速度が緩慢で終点の判定が 種種の考案にも拘らず($141)かなり難しく(124148),その他THQは最適範囲が狭く(48)硫酸イオy濃度が〃/10以下 では不適当とされ,叉多盈の有椒溶媒を必要とし(48),Rhodi2:Onic acidでは指示薬として信頼出来ないとする報 文さえある(50).(8)の方法は1877年H畑闇1Nが提案しで以来多数の文献があり,BaC工04_−HCl溶液をBaCrO4;・HCl− 04溶液に代えたり(7),沃度滴定の代りに硫酸静一・鉄を倭用するなど(133082495366)改良されてはいるが,一・体に層 盈条件によってバラツキ大きく(5鋸),5′}10%の誤差を伴うとされているが(16),この原因祇ついては瞳種究明さ れてきている(1さ呵.仕)及び(6)の男法は少盈硫酸イオソに.適し誤差も比較的小さく(485=0)良法であるが特殊な機器 を必要とするのが欠点である.(5)の方法は最近迅速洪として広く行われているが均一・な沈澱状態の維持が困難なた め再現性に難があり(12,31),これに・対する改良法もあるが多盈の看機溶媒を必要とするくさ6)などの他,土塊浸出液な どではすべてのコ∵ロイドを除去しない限り好結果を得られないとされている(31)〃 この様に.概観したとき土展浸出液中の少数の硫酸イオソを迅速に眉盈することほ依然として困難な■方法であると いわざるを得ず,問題は今後に残されている訳であるが,土壌分析に於て他成分の窯漁法が此色を主とする方向に向 っている現在ではやはり硫酸イオソも比色に・よって定数すれば種種の利便の伴うことは明らかである∴現在報薯さ れている比色法としては(1)H2SとしてMethylenblue発色法(23),(2)Benzidine−SO集をHClにとかしての比色法(2), (3)Thorium Bolate−amaranthとSO4,2 ̄の反応で遊離したAmaranthを比色する方法(29),@=)BaCrO4=法で遊離 したCrO墾2 ̄を藩政比色する方法(20・25・62),(5)CrO4irをdiphenylcarbazideで発色する1方法(22)などがあるが,筆者 はこのうち多盈の試料を迅速に処理出来る−・あ最近有機試薬の煩用で一分析当りのコストが高くなる傾向にある のでこの点も考慮して特殊試薬を使用しない安価な巧法として佳)を選んで,その基礎条件の再検討並に士壊浸出液 への応用の可否を検討したのでその結果について報貸する. 施米験を行うに当り始終御意喘なる指導を賜った本学玉置憺蕾教授並に文献閲覧に便宜を与えられた川村信一郎

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香川大学盛学部学禰報告 134 教授に厚く感謝の意を表する. 倍本研究の要旨ほ昭和31年7月,日本土壌肥料学会関西支部講演会で報貸した. Ⅰ基 礎 実 験 1試薬及び装置 i試 薬 クロム酸バリウム溶液:クロム酸カリに.塩化バリウム溶液を滴■下してクロム酸バリウムを沈澱せしめ,水洗後稀 蟻酸に溶かして椅アシモエア水で再沈澱する・之を2′一3固くり返した後水洗乾燥したもの20gを5%過塩素鱒1Ⅰノ に.溶かす. 標準硫酸溶液:硫酸カリでSO42−1Ing/ml溶液をつくり必要に応じて稀釈使用した.倫本液は筆立法で標定し た. 1〃酪酸ソーダ溶液 4∧儲酸溶液 4〃アソモエア水 以上の試薬は何れも特級品をそのまゝ使用し,蒸潜水はCO2不含の再溜水を用いた. ii装 思 吸光度の測定には島津光電分光光度計QB・・50塾(1cmセル)を使用した. 2 瞳用波長及び定量濃度範囲の鱒定 加藤等(ヲ5)は水銀燈を光源と.して使用した場合,2cmセルで水銀輝線366m′えで咤SO㌔−として2・∼17γ/mlが, 405m′‘では10∼120√y/mlが夫々BEERの法則に従って定盈可静であるとしているが,RlⅣGBOM(47)及びAYRES(8)によ ると単一成分罪の比色分析でほBEERの法則への従,不従より,むしろ適当な濃度範囲を選択して正確度の評価を 行うことの方が大計であるとしているので,彼等の主張に従って題記条件を選択することに.した.標準硫酸溶液を 定容時0′−150つ′SO塵2−/mlとなる如く50ml定容フラスコにとり,1〃酪酸ソーダ溶液と4∧7酪酸溶液の混液2ml, クロム酸バリウム溶液3mlを加えて(この時のpHl.1′−4.4)2分間振露後,過剰のクロム酸バリウムを沈澱させ るため液が黄色となるまで4∧7アシモエア水を滴下し5分間静置後定容としてろ過する(2さ)一.このろ液に・ついて360′− 420m〃の波長で透過度を測定した.この測定値を片対 数方眼紙を使って縦軸にAbsorptancy%,横軸に・硫 酸イオソ濃度をとってplotするとFi臥1の如くなった. Fig..1に於て360−400m〃の波長のものは370′−405 m〝の間に入ってしまうので一応固から省略した.因 に於てaccuracy最大の洩度範囲は曲線の勾配(dI/ dc/c==dI/dInC==dI/2.303dlogC)最大の部分で,曲線 のiIぱ1ection point附近では殆んど直線となって示さ れている.従ってこの図のみでも最適濃度範囲は決定 出来るが,上武を変形して求めた次式 %relativeanalyticalerror/1%absolutqphoto・ metric error=230/dI/dlogC(=E) から計算によつで正確に.求めることが出来る(Table l). Tablelに於て波長370m〃・では4′−20γ、SO42 ̄/mし Fig。1 %Absorptancy−log SO4−

COnCenhration cu工Ve 405m/ムでは15∼60′y SO42−/ml,410m〃・では20′・■80γ SO・主2 ̄/ml,420mJ↓では30′}γSO42−/mlで夫々accur・aCyが最大となるので,出来るだけ広範囲に亘って窯畳可能 とするためには370,410m世の波長を使用すれば4”80γSO墾2−/mlの範囲で最大のaccu工aCyをもって定温可能 なことがわかる.従って以後の実験では4∼20γSO42 ̄ノmlの低濃度時は370m〃,20∼80γSO42−/rmlの高濃度の時 は410mFLの汲長を夫々使隠することとした.,倍Fig..1に於て曲線のinflectionが63.2%absorptancyでおこつてい

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135 ることくより,改めてabsoTbancy一濃度のグラフを習い て検討するまでもなく,この範囲ではB】∃ERの法則に 従うことは明白である. 3 クロム酸バリウムと硫酸イオンの置換 クロム酸バリウムと硫酸イオ・ソの置換に.ついては従 来も論議されているところであるがし22,馴,■本報では 定温された硫酸イオ・ゾ盈が果して存在する硫酸イオソ 盈をそのまゝ示すものであるか否かについセ検討し たひ 即ち上冨己と同様の操作で370,410m〟での硫酸イオ ソ各畦濃度の透過率(即ち置換遊離したクロム酸イオ ソの透過率)を求めて縦軸に,存在する硫酸イオ・ソが すべて置換したと仮定し七時に.生ずるクロム酸イオソ 濃度の透過率を横軸にとってplotすればFig.2の如く なった. ーu巴鼠dd.hUu空士⊆S焉L↑ 態 ユ 0 3 1 . 42 20′→ 30 30′− 40 E=%Telativeanal、errOr/1%absolute photometでic error =230/dI/dlogC 契際に.硫酸イオソが完全に置換されるならば両軸の対 鱒値を結ぷ線は対角線となる啓であるが,370,41Cm〝共 に存在盈より測定値の男が低値となっている.之は恐ら く置換時に.クロム酸イオソと硫酸イオy間に・Baと対す る競合がおこつて硫酸バリウムが完全に沈澱しないため か,又はクロム酸イオソのクロム酸バリウムへの吸着忙 起因するものと考えられるい しかし両者の間には図の如 き眉線関係が存在するので,既知硫酸イオ・ソ盈について 検盈線を求めておけば実際の定塵には差支えない訳であ る.

Fig..2Relationship between actualandapparent

Sulfate content 4,過剰のクロム酸バリウム沈澱時のアンモニア水添加量と沈澱尭成のための放置時間 加藤等(25)はアソモエア水は0..5〃までは影響なく改野時尚は5分間で充分としているが,MAyO\「及びEIRE(叫は アyそ・=ア水中茨顧イオソがBaCrO生+CO8→BaCO8+CrO仝の置換反応をおこし,5分間放置と30分間放置では 後者が琶験のクロム酸盈に於て約5倍の増加を来すとしているので,市販特級アソそエア水(サロコ印)を使用し て5−120分間放置時の影響をみたが,5∼60分間では全く変化なく120分で僅かに透埠率が波少した一乏はクp今 酸バリウムと茨靡イオソの反応の平衡恒数K=CI・04/CO8=0.126(1000c)(朗)であり,且アシ・モごニア使用盈が少盈 なので特級アン㌧モニア水中の炭酸イオソ盈では恐らく影響が出なかったものと患われる..倍5”120分間静置の間に 透過率の増大が認められノよ1、つたことよりみて,沈澱完成のための放置時間ほ5分間で充分であることが確認され た一土壌分析では多数の試料を同時に併行して分析することがしばしばあるが,上記の如く放置時間に広い巾があ れば操作の上に澱て甚だ便利であることは言をまたない 5 妨害イオンの影響 之についても加藤等(25):C)研究があるので特町土壁浸出液に関係のあるCa2+,Mg2+,Fe3十,A13+,Mn2+,NOs ̄ PO43一についてのみ追試の結果之を確認した.即ちPO43−・以外のイオソは普通の士族浸出液申に含有される程度 では妨害しないと考えられるが,ただPO4さ−−は5†mlで既に高値の原因となるので除去する必要がある‖ PO45丁

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香川大学兵学部学術報薯 136 /ml,SO410r/ml,PO45γ/ml及びSO410γ/ml,PO45つ′/ml及びSO410′y/miにFeCl3溶液50γ/ml添加のもの(P O4はNa2HPO4として)について上記と同様の操作で吸光度を測定したところ,過剰のクロム酸バリウムを沈澱 させるため4Ⅳアソモ・エア水を加えてアルカリ性としたときりん酸イオyとクロム酸イオyの置換がおこって高値 の原因となる様であり,叉予め除去しなくても土盛浸出液中に.普通食有される5p.p..m.以下程度のりん酸イオソ(叫 は50γ/ml極度のFe3+添加によってその影響をさけうること.を認めた.倍塩酸浸出液使用の時はアソ・モエア水に よる中和の瞭に感化アyモソが出来るのでこの影響も併せてみたが,370m〃(SO42 ̄10つ′/ml)では1gまで,410m〃 (SO42−50γ/ml)でほ5gまでは診響がなかった.これ以上の盈でほ添加急に比例して高値となった..之は塩祭典 存による灘溶性クロム酸バリウムの溶解度の増加に.よるものと考えられる.叉還元性物質はクロム酸イオソを還元 して低値の原因となるので存在するとき時はCl水に.よって酸化した

‡土壌漂出液に関する実験

1.土壌中硫酸イオンの水浸出とル′10DO塩酸浸出の比較 両者では浸出硫酸イオ・y急に殆んど差がなく且後者の方がより透明な液が得られる($1)ので本法に於ても〃/′1000 塩酸浸出を行った.浸出時間は2時間,使用浸出液盈は土展10gに対して25mlとした..倍こめ痙度の塩酸淡渡でほ 後のアソモニア水深加で生じる塩伯アゾモy畳も問題とならない.RA相即・SEAVA(64)によると0.2〃蟻酸又は∧囁 安で浸出する万がよいと.して1、るが一・股にほこの必要はないものと思われる. 2.着色有機物の除去 着色有機物については翼盈法,比色法,比濁法ともに問題となるところで之についてはLIでrLE($1)の詳細な研究 がある.聾者は過マシガソ酸カリ等による破壊には不備な点があり,アシモエア・アルカリ性下での過酸化水素処 理は操作が複雑(4予)なところより,YuEN及びPoLLARDのactivatedcharcoalに・よる吸潜除去法(63)を険討した. iCbarcoalの精製 メルク製charcoalに.10倍塵の濃塩酸を加えて3時間煮沸する操作を2回繰返した後CIT反応がなくなるまで水 洗,ついで200ml〃NaCl溶液で処理,ついで95%アルコールでCl/反応がなくなるまで洗碓後乾燥した.(以 下単に.charcoalと呼ぶのはこの活性化した精製charcoalである). iiCharcoalによる硫酸イオy吸着の有無 C壬Ia工COalの無機イオソの吸着はNH4−N,NO$・・ N,P206,Ⅸ,Ca,Mg,Mnについては報償が あるが(68),SO4については実験されていない. 10γSO4/ml,50つ′SO4/mlのものに.chaICOalを添 加して時時鋳造しつゝ10分間放置後ろ過したもの について吸光度を測定した結果はTable2(1)のご とくで0.1′−0。3g/25ml棲度のCha工COalでは.SO4 の吸着ほ殆んど起らない. iiiCba工COalによる着包腐磯物吸着能力 土壌のル/1000塩酸浸出液は・一・肢に黄色で360” 420m/の汲長では長政長側ほど吸光 Table2(1)Absorptionof sulぬteionby purified/aCtivated charcoal Table2(2)Decolorization of soilextracts _\卜ヾt一汗収ⅢT I 一一山ヽ 一■■−−−′\−−− I II III 1−−−−<■−■−−■・ヽ 370m〃・410m匹 370mJん 410m〝 370m/ム 410mJム 度が淑少してゆく.今三種士族の〃 /1000塩酸浸出液に.ついて原液の吸 光度を測定す−ると共に.前記と同様の CbaI・COal処理に..よって吸収が如何 に淑少するかをみた(Table2(2)). 即ち浸出液25mlを脱色するに.は C‡1aT・COalO..1gあれば充分であると 患われる. iv 土恕浸Ⅲ液のcha工・COal処理 Originalextracts Decolo工ization by c壬】aICOal (0.1g/25ml二) †/ (0.2g/25ml) 〝 (0.3g/25ml) 0.052 0.018 0“140 0.063 0.074 0.0:32 0.000 0.000 0.009 0.007 0.003 0.000 0.、000 0..000 0.001 0”000 0“000 0.000 0.000 0.000 0.004 0‖000 0.000 0り000

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第8巻第1骨(1956)

Table2(3)Comparisonof sulfate valuesin が硫酸イオン測定値に及ぼす影響

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soil extracts treated by activated charcoalwith not treated

以上の結果に基いて土壌の凡/1COO:塩酸浸出液をc王1− aICOalO.1g/浸出液25mlで処理したものとしないも のとについて上冨己の■方法で硫酸イオソを定盈したが (Table2(3)),未処理の測憧値は処理の場合より明ら かに高値忙出て処理の必要を荒している

∬ 定 量 法

以上の結果より次の定免法を決定し鞍 土壌20gに.ル/1000塩酸50mlを添加して2時間坂泡 TIeatment

(cha工COal O.1g/25ml)

Absorbancy ′■−−■・■−−、′ヽ −、

370mJム 410Il ml of extr′aCtS tル 25.0 25.0 0‖534 0.469 0小831 0。824 0..398 0り387 ︻hJ5 00 つん2 ︻〇5 11 ︵∠つ︼ 後ろ過する..ろ液にcharcoalを25mlに0.1gの割で加えて10分間時間振起しつゝ放置してろ過する・ろ液25mlを50 ml定容・フラスコに.と.って軽く煮沸,〃酎酸ソーダ及4Ⅳ酷酸の混合液並濫クロム酸バリウム溶液3mlを加える(こ の時のpHl.1∼4.4.)2分間携歯後4∧rアソモニア水を揖塗しつゝ時下して完全に黄色ならしめる■ 5分間静置鎮定 容と.してろ過し,そのろ液の吸光度を1cmセルを使用して370又は410m〃の班長で測定し,別に檻準酢酸搭液につ いて上記方法で求めた険盈線から濃度を求める. 野田(39)によると日本各地の水田,畑29ケ駅の土壌水浸出液中SO8含盈ほ平均0.004′→0.0126%の範囲にあるの で,上記方法によって求めると.SO4として9.5【一30い0γ/mlとなり同一一・操作で充分測定可能な敢囲にある.倍80√y SO4/miをご・こえる土壌でほ浸出液盈を半分に凝らすかユ00ml定容フラスコを使用すれば殆んどの土盈につシ、て支障 がないものと思われる.

数種土壌窟出液の本法と重畳法の比較

Table3 Comparisonof proposedmethod with gravimetIic metbod Ⅳ 土壌浸出液中少盈の硫酸イオソを 常法の盈盈港で窯鼓した結果ほ必 ずしも当を得たものでないことば Llr工LR(31)の示す通りであり今度の 場合も霊堂法の結果を存在盈として 本法の結果との差をもって誤差とす ることほ疑問と思われるので,一応 両値の差をとって参考と.するに.止め た.倫署盈法の値は浸出液盈を試料 の許す限り多盈にとり更に濃度を増 すため標準硫酸溶液一層盈を加えて 2固定盈したものの平均値であり, 本法の値は3回の平均値である. (Table3). Tbis met王10d SO4 % Dニfference % GraVime短−y SO4 % Sample 十0,0003 ・−0..0002 ・−0.00C8 1十0.0003 ±0.、0000 十0.0004 −0.0010 十0.0031 −0.0005 0.0049 0.0082 0.0918 0.0195 0一.0116 0.0083 0.0530 0.0603 0.0425

† 結論並に要約

以上∧ソ1000塩酸土捷浸出液申少蕊の硫酸イオソを比較的簡単に且迅速に.定盈しうる方法としてクロム酸バリウ ムで置換遊離したクロム酸イオソを直接比色する方法を試みたが,本法は感度が稗劣るが嚢盈可能範囲が割合広く, 又発色に.よる比色洪の如く処理後測定までの時間が可成り短いのと異なり,放置時間が長くとも全く影響をうけな いので,多数の試料を一・度に同一操作で処理することが出来,土壌分析には便利であると考えられる.得られた結 果の大更は次の如ぐである. 1)RIyG月0旺並びにAYRESの方法に従って使用波長並に最適濃度範囲を求めたところ,1cmセルを使用して370 mILでほ.4∼20つ′SO4/ml,410mJLでは20∼80γSO4/mlが最大のaccuTaCyをもって定盈可能であった. 2)クロム酸バリウムと硫酸イオソの置換は完全にはおこらず存在盈より測定値が常に低値であったが両者間に

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香川大学農学部学術報賃 138 ほ比例的関係があるので定数に.は差箕えなかったサ 3)浸出液申潜色有機物はYtⅧN及びPoLLARDのactivated charcoalによって硫酸イオyを吸着されることなく 除去可能であった..使用盈は浸出臍25ml喧対して0.1gで充分であった. 4)本法によって得られた結果は概ね重畳法と一致した.

文 献

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参 考

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(7)

139 (5勃 滝山・一一・苔,水深英二∴分析化学,3,291(1954)・ (56)TAMIYA,N∴差J卸α邦βZβCゐβ沼..助C.,22,59; C.A.,45,1189(1951). 醐 To叩,S・J・・PRINCE,A・L・・WALLACE・A・, MIXE凪SEy,D・C・:50£J釦f・,66,459(1948)・ 68)lJEyO,Ⅸ..‥A”α′・C血紬吼,24・1363(1952)・ 朗)上野景平,山口婦人:分析化学,S,331(1954)・ ㈹ VoROBEV,乱丁・:G吉加肋研・肋fβγgαJッ・Aか 。d.肋〝ゐぴ.5.5.見け2l,121(1953);C・A・,鳩・ 10963(1954). 帖 WrLSON,H.凡,P鮎RSOy,R・M・,FILrZ住民RAI一っ, D.M.‥八月%J.Cゐβ吼,4,488(1954)・ 旧2)YpsIIANmG.,GRVBE,R.M・‥且4ル言cα邦 J如才.Cゐβ研fsf.,228(1954);C.A.,49,5207 (1955一). 恰瑚 YuRy,S.札,PoHJARp,A.G・‥差5最・動∂d Agγれ,4,503(1953). 錮 ZoMBORY,L.,ⅤェG王Ⅰ−SoM:0(}YI,A.,PユyrER,T・‥ AdαC撤細孔∠k那.敦豆。肋押g.,8,519(1953);C・ A.,48,7493(1954). 第8巻簾1専(1956) 1481(1955). 幽 岡好良,松尾茂樹:日化,74.618(1953). 個 P工一丁C8,M..L:5擁gふf..,33,213(1932). ㈱ RASI柑VSXAVA,Ⅰ.M.:ア♂Cゐぴ∂ぴβd♂乃査♂,柑54, No.9,72;C.A.,49,5745(1955). 脚 RIy¢BOM:,A小:Z.α粕扇.Cゐβ椚.,115,332(1939). ㈱ 桝田雄三:ケミカルタイムズ,No.さ,131(1952). ㈱ 佐藤孝一・郎,三川礼,高崎千鶴子:エ化,54, 717(1951). 佃 ScヨRO】∃DER,W.C.:劫d一.助g」C加恢.,A〝αJ. 丘ん5,403(1933). 飢)SEUでごE,A.:Aγ励.戯Sβ〝ゐ諒≠如βゞり1l,345 (19:37/38);三井三郎:最新の分析化学,No.‡,35 (1952). (52)S王〉m工一NER,F.,Yo一位T,U.:助郷机Cノ套β研.,66, 198(1954);C.A.,48,6915(1954). ㈹ SzYPOWSEI,W.:励髄液鮎ア読ざ如〃紺βgoZα払 αd〟月盲g.,1,87(1950);C.A.,45,6779(1951). 錮 高木克己:静岡大工,5,136,140,143(1954). R 畠S u m 畠

Classicalmethodsfor・Sulfatedeterminationarenot,ingenearl,Suitablefor determini−1g readily

solublesulfatesinsoils..Thisinvestigationwasmadetofinda simpleand rapid method fo= the

determinationo董sulfate extracted by O.001N frCIsolution. The generalpTOCedureis asfo1lows:

Add50mlof O.001NHClto20てgofair・driedsoil(passing a2−mm Sieve),Shakeona‘to and

・† fro・shakerfortwohour$,andfilter.Thenadd O.1gofNaCl・treated=Cl−purifiedactivated chaI・

coal(YuENandPoLLARD,1953)fordecolori2:ing25mioffiltrate.Afteroccationally shaking forlO

minutes,filteroffthe charcoal・SOlutionmixture.Transfer25mlof filtrateinto50・・mlvolumetric

flask,boilgentlyforafew二minutes,addacetatebufferand3miof2%BaCrO4−HCIO4SOlution(pH

l.1−4.4atthis time),Shakefor2minutes,and add4NNH4−OHuntilthe solution turns to ye1low・

Afterstandingfor5minutes,fillup,filter,andmeasure with spectIDphotometer(1cm・Cell)at370

mJム(4・−20γSO4/ml)0工410m〃(20−−・80γSO4/ml).

参照

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1991 年 10 月  桃山学院大学経営学部専任講師 1997 年  4 月  桃山学院大学経営学部助教授 2003 年  4 月  桃山学院大学経営学部教授(〜現在) 2008 年  4

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司会 森本 郁代(関西学院大学法学部教授/手話言語研究センター副長). 第二部「手話言語に楽しく触れ合ってみましょう」

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3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7