質問への答え
・速い、書き込みが追い付かない、空欄を開いたことを言ってほしい
なるべくゆっくりやります。ただし、生化学をできるだけ網羅し、 「こんなの聞いたことない」
というところをなるべく残さないようにと思っています。通常の講義よりは速いでしょう。試験で
は細かいことは聞きません。
・レーザーポインターが見にくい
・アンカータンパク質の内側、外側とは?細胞内と細胞外です。
・動画の場所
Youtubeで「Harvard Cell Animation_mp4」を検索してください
・ゴルジ体の機能
糖鎖の付加。そのための酵素がたくさん詰まってます。
・共役を持つと共鳴して安定ではないか?なぜ、脂質の共鳴は良くないか?
Π電子は共鳴するとエネルギー的に安定。しかし、ラジカルの付加体も安定化するので、付加反応
が起こりやすくなる。
・液晶状態とは?
液体(無秩序)と結晶(3次元の秩序)の間。1次元もしくは2次元(細胞膜)の秩序がある。詳
しくはインターネットで調べてください。
・フォスファチジルセリンが細胞の生死にかかわっている。細胞の生と死とはなにか?
液晶 液体
細胞外
細胞内
小胞と膜の融合
・小胞上のSNAREが、膜上のSNAREを認識し、融合させる
(通常、膜は融合できない)。
・HIVの感染は類似のメカニズムで起こる。
動画(8:00)
http://www.youtu
be.com/watch?v=
GigxU1UXZXo
膜輸送とは
・細胞膜の透過性の低い物質(イオン、水、糖など)を細胞内・外へ運ぶ
・受動輸送と能動輸送に分類される
受動輸送:濃度勾配に従う輸送
能動輸送:濃度勾配に逆らう輸送(外部エネルギーを利用:ATP加水分解、膜電位)
・膜輸送タンパク質の分類
チャネル:受動輸送する。自由拡散速度に匹敵する高速で通過させる。
キャリア:能動輸送する。膜の片側で溶質と結合し、立体構造を変化させて、
反対側で解離。通過速度は遅い。
チャネルタンパク質 キャリアタンパク質
イオンチャネルと膜電位
・イオンチャネルは、各イオンを選択的に透過さ
せ、細胞内外のイオン濃度を適切に調節。
・イオンの電気化学勾配によって膜電位ができる。
細胞は-200~-20 mVの静止電位を維持
(細胞の内側がマイナス)。
ネルンストの式で算出される:
z:イオン価数、F:ファラデー定数
[X]
0, [X]
1:細胞外・内濃度
・イオンチャネルの開閉のメカニズム
電位依存性:膜電位の変化
リガンド依存性: Ca2+
、神経伝達物質など
機械刺激受容性:接触、浸透圧など
K
+
チャネル
・K+
を細胞質から細胞外へ送り出す
・ホモ4量体であり、 2TM/1P型と6TM/1P型がある。
・選択フィルターの構造は進化の過程で保存。
・ Thr-X-Gly-Tyr-Glyのカルボニル基が並び、K+
に配位。このとき、K+は脱水和。
・K +
がNa +
より1万倍透過する(イオン半径はNa+
< K+
だが、選択フィルターの
直径3ÅがK +
にフィットするから)。
・K +
の透過速度は、108
個/秒(拡散律速に近い)
・K +
間の静電反発で順次外に押し出される。
K
+
チャネル
・膜電位がしきい値(-50 mV)に達する
と開閉
・ 2TM/1P型では、αーへリックスM2が、
Gly部で屈曲して、開閉
・ 6TM/1P型では、正電荷を持つαーへ
リックスS4が、膜電位を知覚する。
・知覚のメカニズムは不明。いくつかのモ
デルが提唱されている。図はS4が膜電位を
知覚すると、上にスライドして、チャネル
が開くモデル。
Na
+
チャネル
・Na+
を細胞外から細胞質へ送り込む
(Na+/K+-ATPaseによって、細胞質側でのNa+の低濃度が維持)
・1つのサブユニットからなり、構造は6TM/1P型のK+チャネルと類似
・選択フィルターの構造はK+
チャネルと類似
・ Na+
の透過速度は、108
個/秒(拡散律速に近い)
・不活性サイトのIle-Phe-Met (IFM)が、孔を閉じる。
参考)6TM/1P型のK+チャネル
Cl
-
チャネル
・Cl-を細胞外から細胞質へ送り込む。
・Cl-に対する選択性は高くないが、生体に多いCl-が主
に通過。
・ホモ2量体。それぞれのサブユニットに孔をもつ。
A~Iと、J~Rは構造的に類似。
・4つのαーヘリックスD, F, N, Rが選択フィルターを
形成。D, F, Nが正に荷電したN末端を孔の中央に向け、
また、特定のアミノ酸がCl-と水素結合を作ることで、ア
ニオンに対して選択性がある。
・148番目のGluにより開閉している。
アクアポリン(水チャネル)
・浸透圧に従って水を通過させる。
・ホモ4量体。それぞれのサブユニットに孔をもつ。
・水の透過速度は、3 x 109
個/秒
・Asn-Pro-Ala (NPA)が選択フィルターの一部となる。
・プロトン(H
3O+
)が通過しないよう工夫あり。
サイズ制限(2.8 Å)
静電反発(アルギニンの正電荷による)
NPAの2つのAspが1つの水分子と水素結合
・尿から血液への水の再吸収(180 Lの腎臓ろ液を、わずか
1.5 Lの尿に濃縮する)などを行う。
活動電位
・膜電位の急速で一過的な変化のこと。電気シグナルに変換される。
神経細胞、筋肉細胞などで起こる。脳波、心電図、筋電図として計測される。
・3つのイオンチャネル(Na+, K+, Ca2+
)と、Na+/K+-ATPaseが関与
・膜内外の局所的なイオン濃度変化によるもので、細胞全体のイオン濃度はほとんど
変わらない。
筋肉の収縮
①膜の脱分極により、 Ca2+
チャネルが開
く。
② Ca2+
が刺激となり、小胞体上のCa2+
チャネル(RyR)から小胞体内のCa2+
を細
胞質に放出し、数μMまで上げる。
(小胞体内は数mM、細胞質は10-7
M)
③ Ca2+
により、トロポニンCが活性化し、
筋繊維を収縮させる。
④ Ca2+
-ATPaseポンプにより、小胞体
にCa2+
を送り込む(小胞体から出てきた
Ca2+
のほぼすべてを送り込む)。
Na+/Ca2+
交換体により、Ca2+
を汲み出し
て、細胞外のCa2+
濃度を元に戻す。
グルコース輸送体
・グルコースを濃度勾配に従って、両方向に輸送する。
・グルコースが結合すると、コンフォメーション変化して、反対側が開き、グルコース
がタンパク質から解離する。
・食後、筋肉細胞や脂肪細胞で発現量が増え、血液から細胞内にグルコースを取り込む。
・脳では、アストロサイトへグルコースを輸送。
Na+/K+-ATPase
・一分子のATPを加水分解することで、3分子のNa+
を細胞外に、
2分子のK+
を細胞内に輸送する。
・Nドメイン(ATP結合部位)、Pドメイン(リン酸化部位)あり。
・反応の回数は100回/秒(チャネルよりずっと遅い)
輸送のメカニズム
①E1に細胞内のATPとNa+が結合
②ATPのγ位のリン酸が、活性中心
のアスパラギン酸に転移(リン酸
化)し、E1からE2へコンフォメー
ション変化。
③E2ではNa+に対する結合が弱ま
るので、細胞外に放出する。
④細胞外のK+が結合。
⑤脱リン酸化。
⑥ATPが結合すると、E1へコン
フォメーションが変化し、K+を細胞
F
1F
0-ATPase
・ミトコンドリアの内膜に存在し、H+の濃度
勾配を使って、ATPを合成もしくは加水分解。
・F
0(H+の膜輸送部)、F
1(ATP合成部)か
らなる
・100分子/秒の速度で合成
・プロトンの移動で生じる回転運動エネル
ギーをほぼ100%の効率で化学エネルギーに
変換
①H+が、F
0のaおよびcサブユニットの間を通
過すると、回転子(10~14個のcからなる)
が回転する。ゆえに、1回転でH+10~14個を
輸送。
②cサブユニットとF
1のγサブユニットが同時
に回転。
③ F
1の回転エネルギーを使って、ADPとリン