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プライバシーポリシーへの同意とフォントの関係性分析

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Academic year: 2021

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プライバシーポリシーへの同意とフォントの関係性分析

Analysis of Relations between Consent to

Privacy Policy and Font Styles

高口鉄平

, 土屋望実

Teppei Koguchi, Nozomi Tuchiya

静岡大学 [email protected]

概要

本分析では、インターネットサービス等において個 人情報の収集方法や利用目的を定めたプライバシーポ リシーについて、そのフォントの変化によって、利用者 の信頼感や安心感などの印象に影響を与えるかについ て検討した。分析を通じて、プライバシーポリシーへの 向き合い方や個人意識などの利用者の属性にこだわる ことで、フォントがプライバシーポリシーへの印象に 有効にはたらく場合があるということが明らかになっ た。 キーワード:パーソナルデータ 本分析の目的は、インターネットサービス等におい て個人情報の収集方法や利用目的を定めたプライバシ ーポリシーについて、そのフォントの変化によって、利 用者の信頼感や安心感などの印象に影響を与えるかに ついて明らかにすることにある。 分析では、フォントが広告や商品に与える影響に関 する先行研究を踏まえ、HG 丸ゴシック M-PRO・HG 教 科書体・HG 創英角ポップ体・MS ゴシック・MS 明朝 の5種類のフォントを取り上げ、比較することとした。 分析にあたって、Web アンケート調査を実施した。 調査は NTT コムリサーチによるもので、調査期間は 2019 年 1 月 18 日、1,105 人の回答を得た。調査では、 まず、取り上げたフォントごとに回答者を5 つのセグ メントに割り振りそれぞれのフォントで書かれたプラ イバシーポリシーを見せ、不安感や信頼感といった印 象の程度を調査した。その後、印象の差に独立性がある か検定を行った。 また、回答者にプライバシーポリシーを読ませたの ち、プライバシーポリシーの内容に関する問題を解か せ、その正答率から理解度を調査した。 さらに、プライバシーポリシーから想起される企業 像を調査するため、企業イメージを表現する形容詞を 回答者に提示し、SD 法によりフォントと企業イメージ の関係性を分析した。 分析の結果、プライバシーポリシーとフォントに関 して以下の知見を得た。 Ÿ HG 創英角ポップ体はプライバシーポリシーへの 信頼感を下げる。 Ÿ MS ゴシックは個人情報の利用への抵抗感を増加 させる傾向にある。加えて、女性はHG 丸ゴシッ クM-PRO にも同様の傾向がみられる。 Ÿ プライバシーポリシーを入念に読むような、慎重 な利用者を対象とするサイトは、MS 明朝を使用 しないほうが良い。 Ÿ 個人情報の利用への不安感を小さくするためには、 個人属性ごとに不安感を低減するフォントが異な る。 Ÿ 事業者は、プライバシーポリシーを理解させたい のならば、HG 創英角ポップ体が有効である。ただ し、理解した結果として不信感を抱きサイト利用 をやめる場合もあるので、事業戦略としてあえて 理解させないとするならば、HG 丸ゴシック M-PRO を使用することが望ましい。 分析を通じて、プライバシーポリシーへの向き合い 方や個人意識などの利用者の属性にこだわることで、 フォントがプライバシーポリシーへの印象に有効には たらく場合があるということが明らかになった。利用 者はプライバシーポリシーの内容に関わらずフォント によって印象が変わってしまう可能性があることから、 冷静に自分のパーソナルデータがどう利用されるか確 認してサイト利用を検討する必要性がある。

文献

[1] 池田マイケル(2008)「SD 法を用いた本文用欧文書体の印 象分析」『デザイン学研究』Vol.54, No.5, pp.11-18 [2] 石川重遠・生田目美紀(1999)「日本語フォントのイメージ 調査のための書体分類」『日本デザイン学会研究発表大会 概要集』Vol.46, pp58-59 [3] 高口鉄平(2015)『パーソナルデータの経済分析』勁草書房 [4] 小松文子・高木大資・古関範章・松本勉(2011)「情報セキュ リティ対策を要請する説得メッセージによる態度変容の 調査と実験」『情報処理学会論文誌』Vol.52, No.9, pp.2526-2536 [5] 高崎晴夫(2018)『プライバシーの経済学』勁草書房 [6] 日景奈津子・カールハウザー・村山優子(2007)「情報セキュ 2019年度日本認知科学会第36回大会

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リティ技術に対する安心感の構造に関する統計的検討」 『情報処理学会』Vol.48, No.9, pp.3193-3203 [7] 松永崇秀・山口哲敬・高橋健一・川村尚生・菅原一孔(2016) 「利用者による個人情報保護手法の決定を可能とするフ レームワークの提案」『情報処理学会論文誌』Vol.57, No.9, pp.2058-2063 [8] 向井詩緒子(2013)「和文書体フォントの印象に関する因子 構造の探索的検討と分類」『日本デザイン学会研究発表大 会概要集』Vol.60, p.221 [9] 山本太郎・関良明・高橋克巳(2013)「インターネット利用 における不安の対象とその要因の調査結果に関する一考 察」『マルチメディア, 分散, 協調とモバイルシンポジウ ム2013 論文集』pp.1233-1241 [10] 山本太郎・千葉直子・間形文彦・高橋克巳・関谷直也・中村 功・小笠原盛浩・橋元良明(2009a)「インターネット利用の 安心・不安調査と不安発生モデルの構築」『日本社会情報 学会第24 回全国大会研究発表論文集』pp.54-59 [11] 山本太郎・千葉直子・間形文彦・高橋克巳・関谷直也・中村 功・小笠原盛浩・橋元良明(2009b)「インターネットにおけ る不安発生のモデル化とその検証について」『コンピュー タセキュリティシンポジウム 2009 (CSS2009) 論文集』 pp.1-6 [12] 山本太郎・千葉直子・増田広樹・高橋克巳・平田真一・小笠 原盛浩・関谷直也・中村功・橋元良明(2011)「インターネッ トにおける不安からみた安心の模索」『研究報告コンピュ ータセキュリティ(CSEC)』Vol.54, No.8, pp.1-7 2019年度日本認知科学会第36回大会

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参照

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