平成
27年
度
学位論文
犯罪加害者・加害者家族 に対す る非難感情
―被害者か ら支援者 に「悪魔化」は伝染す るのか
?―
専攻
:人
間発達教育専攻
コース
:臨
床 心理学 コース
学籍番号
:M14073E
氏名 :中 本望友
第
3節
被害者支援 の概要一一―………‐9 第4節
本研 究の 目的………10 第2章
予備調査 1 第 1節 目的……… 13 第2節
方法……… 13 第3節
結果 と考察……… 15 第3章
予備調査 2 第 1節 目的………20 第2節
方法………20 第3節
結果 と考察………22 第4章
本調査 第1節
目的………29 第2節
方法………29 第3節
結果 と考察………31 第5章
総合考察 第1節 結果 の概論………36 第2節
本研 究の結論 と理論的位置づ け………37 第3節
本研究の問題 点 と今後 の課題 ―一一………41 引用文献………43 謝辞 付 表本研究では
,犯
罪被害者 を支援す る人々が加害者や加害者家族 に対 して抱 く非難感情を検討 す る。その際,被
害者に寄 り添つた支援 をす ることが,加
害者や加害者家族の 「悪魔化」にど の ような影響を及ぼすのか とい うことにも注 目す る。 本章ではまず,犯
罪カロ害者に対す る非難 についての概要を述べ (第1節
),加
害者家族に対 す る研究知見を紹介する (第2節
)。 次に被害者支援 (第3節
)に
ついて論 じ,最
後に本研究 の 目的 (第4節)を
まとめる。 第1節
加害者非難の概要 第1項
公正世界観における加害者の「悪魔化」公正世界観 Oust world in Behefsuと は
,「
この世界は人々が彼 らに値す る報いを得 る公 正な場所であ り,た
いていの人々は得るものに値 しているとい う主張」である(Rubin&
Peplau,197D。
近年 この公正世界観の研究において,Enard,Miller,Baumle,&01son(2002)
によって提唱された 「悪魔化 ①emOn・7mυ
」とい う概念が注 目を浴びている。「悪魔化 ①
emO五
zinυ 」 とは,「
凶悪性スキーマC宙
heSs SchemD」
に該当する加害 者 を「悪魔 (Evily」 とラベ リングし,説明不可能な出来事として現実から切 り離す現象である。 「凶悪性スキーマ」は,自
井 (2011め によって①不可解な動機,②
凶悪な行動,③
自責のな さ,の 3側
面で特徴づけられている。 「悪魔化」することは,当
該不正行為を通常の世界の有 様では説明できない稀な (一般化できない)事
象 と解釈することを可能にすると同時に,加
害 者 を苦 しめ CWhite,199め,非
人間化するCandura,underwood,&Fromson,197D。
日本においては1997年
の神戸児童連続殺傷事件をきっかけに,犯
罪加害者の個人情報が漏 えいされ,イ ンターネット上での誹謗中傷が目立つようになった。インターネット掲示板には, 加害者の個人情報の他に,加
害者に対する誹謗中傷 も数多く書きこまれている。早川・桐生 。 中山・西岡・板山0013)は
,一
般市民が加害者をどのように認識 し,イ
ンターネ ット掲示板 を用いて誹謗中傷するのか,その理由を明 らかにした上で,加害者非難尺度を作成 している(表 1‐1)。第
1章
問題 と目的表
1‐1
加害者非難尺度
(早川他
,2019
社会的制裁 因子 1。 この事件の被告人は、社会的な制裁 を受 けるべ きであると思 う。 2。 この事件の被告人は、罰せ られ るべきである と思 う。 3.この事件の被告人は、社会全体で罰せ られ るべ きだ と思 う。4.社
会 の秩序 を守 るた めに、 この事件 の被告人 は社会か ら追放 され るべ きで ある と 思 う。 個 人的制裁 因子 5。 個人が特定 され る危険性 が低 い と、 この事件 の被告人 に対 して嫌 が らせ を したい と 思 う。 6.自分 の名前がバ レなけれ ば、 この事件 の被告人 に嫌 が らせ を したい と思 う。 7。 この事件の被告人のプライバ シーは尊重す るべ きではない と思 う。 8。 この事件の被告人 を自殺 にまで追い込 んでほ しい とは思わない。(逆転項 目) 相手 に対 して感情的 に怒 りをぶつ け,相手 を非難す るこ とは感情的攻撃であ り (木野,2000,
加 害者非難 とは,「
犯罪加 害者 に対 して罰 を与 えるための制裁 と しての攻撃行動」 と定義 され てい る。表 1‐1にあ るよ うに,加
害者 非難尺度 は 「この事件 の被告人 は、社会的 な制裁 を受 け るべ きである と思 う。」な ど4項
目を含む 「社会的制裁 因子 CQ―.7つ 」 と「個人 が特定 され る 危 険性 が低 い と、この事件 の被告人 に対 して嫌 が らせ を したい と思 う。」な ど4項
目を含む「個 人 的制裁 因子(F.60」
以上2因
子8項
目で構成 され てい る。つ ま り,加
害者 に対す る非難 は 社 会的 に罰 を与 えよ うとす るもの,個
人的 に罰 を与 えよ うとす るもの,以
上2種
類 が存在す る とされてい る。 第2項
厳罰志向性2009年
5月 よ り日本 では裁判員制度が導入 されている。裁判員制度 とは,20歳
以上 の国民 か ら無作為に抽 出 された有権者である裁判員が,特
定の刑 事裁判 に参加 し,被
告 人の有罪無罪 の判断や量刑判断を裁判官 と行 うとい うものである。原則 として裁判員6人
と裁判官3人
が, 一緒に刑事裁判 の審理 に出席 し,証
拠調べ手続や弁論手続 に立 ち会 つた上で,評
議 を行 い,判
決 を宣告す る。 この裁判員制度の量刑判断において,個
人 の持つ 「厳罰 志 向性」は大きな影響を持つ。厳罰 に関す る研究は
,「
厳罰 志向性」 「厳罰傾 向」 「厳罰 観」 な ど,様
々な用語が用 い られてい る。厳罰 志向性 とは,「
現状 の裁判 は犯罪者 に甘 く,犯
罪者 をよ り厳 しく罰す るベ きで ある」 とい う考 え方で あ り (板山,2012)本
研 究ではそ の定義 に従 うこととす る。板 山 (2012)は刑罰 に対す る考 え方 が量刑判断 に どの よ うな影 響 を及 ぼすか を検討す るために,1因
子構 造か ら成 る厳罰 志向性 尺度 を作成 してい る (表 1‐2)。 表 1‐2
厳罰志向性尺度 (板山,2012)
1.裁
判所 は犯罪者 に甘す ぎる と思 う。 2.自分 が裁判員 に選 ばれ た ら、今 まで よ りももつ と重い刑 を与 えたい。3.殺
害 したのが1人
だか らとい う理 由で、死刑 にな らなのはおか しい と思 う。4.凶
悪 な事件 の加害者 で も人権 は十分 に尊重 され る必要 があ る。(逆転項 目) 5。 メデ ィアの報道 を見て、なぜ刑罰 があんなに軽いのか と疑 間に思 うことがある。6.犯
罪者へ の刑罰 を精神疾患 がある とい う理 由で軽 くす るのはおか しい と思 う。 7。 た とえ殺人事件 を起 こ した として も、死刑 にす ることには反対である。8.た
とえ刑 に月長した として も、犯罪者 が完全 に更生す るのは無理 だ と思 う。9.裁
判 では、加 害者 の社会復帰 を優先す るべ きだ と思 う。10.裁
判官だ けで裁判 がお こなわれ ていた時の刑罰 は軽す ぎる と思 う。11.罪
の重 さ (例 :万引き と窃ω に関わ らず、犯罪者 には厳罰 を与 えるべ きだ と思 う。 12.刑罰 は、犯罪者 に 「苦痛 を与 えるため」 の ものだ と思 う。13.犯
罪 に対 してはそれ相応 の罰 をもつて償 うべ きだ と思 う(目 には 目を、歯 には歯 を)。 表 1‐2に
あるよ うに,厳
罰 志 向性尺度(F.80)は
「裁判所 は犯罪者 に甘すぎると思 う」「自 分 が裁判員 に選 ばれ た ら今 まで よ りももつ と重い刑 を与 えたい」 な ど1因子13項
目で構成 さ れ てい る。板 山 12012)は,厳
罰 志 向性 が強い者 は加害者 に原 因 と責任 を求 め,情
状酌量の余 地 を低 く判断す ること,さ
らに量刑 を重 く判 断す るこ とを明 らか に した。 また同 じく板 山(2019は
,厳
罰 志 向性 と加害者 に対す る怒 りの感情 が量刑 判断 に及 ぼす影 響 を検討 してい る。その結果,厳罰 志 向性 が高い と被告人 に怒 りの感情 を抱 きやすい とともに, 情状酌量の余地 を低 く判断 し,量
刑判断 を重 く判断す ることが見 出 された。また,厳
罰 志 向性 は量刑判断 に直接的 な影響 も及 ぼ していた。第
1章
問題 と目的第
3項
倫理的非難白井 (2010)は
,厳
罰傾向を 「異なる犯罪に対する処罰ヘー貫 して示 され る個人の態度の指 標」であるとし,
日本語版 Irrational BehefTest OIBつ の下位尺度である倫理的非難 との関 連 について検討 している。Irrational Behefs(不 合理な信念)とは,①
自分 自身,②
相手 。他 者,③
人生一般,に対す る1)日標 を妨げる,2)人 生の事実に即 していない,3)論 理性の乏 しい, の柔軟性のない,断
片的な考え方である (國分,1999。
松村 (1991)によるとIrrational Behefsは,自
己期待,問
題回避,倫
理的非難,内
的無力感,依
存,協
調主義,外
的無力感で構 成 されてお り,倫
理的非難は道徳的,倫
理的な悪行為に対す る非難の信念 を表 している。以下 に倫理的非難の項 目を示す (表10。
表 1‐3 JIBTの
倫理的非難項 目 (松村,1991)
1.重罪 を犯 した人 は厳 しく罰せ られ て 当然 だ。2.泥
棒 は懲 ら しめ られ て当た り前だ。3.殺
人 を犯 した人 は死刑 に処せ られ るべ きである。 4。 一度 とりかかつた仕事 は どんなことがあって も最後までや り遂 げるべ きだ。5.不
道徳 なこ とをす る人 は堕落 した人 間だ。 6。 戦争 が怒 った ら私 の人生 はお しまいだ。7.嘘
をつ くこ とは悪い ことだか ら罰せ られて当然だ。 8。 悪質 な伝染病 に感染 した ら私の人生 はお しまいだ。 9。 私 を不 当に苦 しめる人 は復讐 され て 当然 だ。 10。 人 を裏切 るよ うな人 は罰 を受 けて当然だ。 表1‐3に
あるように,倫
理的非難は犯罪行為や犯罪者に対す る否定的信念 をも含んでいると 考えられる。また,自
井001lb)は
,倫
理的非難は厳罰志向の一部を説明する要因 として考 え られ ることを明 らかにしている。第
4項
被害者感情 諸澤(199Dは
被害者 (遺族 を含む。)が
加害者に対 して抱 く感情を被害者感情 とし,実
際の被害者感情を統計的に分析 している。被害者本人が抱 く感情 として,多
いものか ら順 に、1)相手には立ち直つてほ しい と思 う, 2)相
手 とかかわ りた くない, 3)相
手の刑罰が 軽す ぎる,
の相手がにくい, 5)相
手に恐怖心を持っている,
力`挙げられている。遺族が 抱 く感情 として,多
いものか ら順に,1)相
手の刑罰が軽す ぎる, 2)相
手がにくい, 3)相
手 とかかわ りた くない,0相
手に仕返 しを したい,5)相
手には立ち直つてほ しい と思 う, が挙げ られている。彼 らはカロ害者に対 して立ち直ってもらいたい と思 う反面,
刑罰への不 満,に
くしみな どの感情を多 く抱いていることが明 らかになっている。Ochberg(1980は
,犯
罪被害によつて トラウマを受けた人がもつ症状の一つ として加 害者に対す る病的な憎悪を挙げている。特に,突
然家族 を奪われた事件,事
故遺族のケー スでは加害者に対する怒 りは非常に強い とい う(小西,1990。
さらに加害者への厳罰欲 求は強 く,死
に対 しては死を以て贖ってもらいたい とい う気持ちが存在 し,こ
れは当然な 感情であると説明 している。また,橋
本(2000に
おいて も,被
害者は 「加害者 を許す こ とは出来ない」 とい うネガティブなエネルギーを投入す ることがあることが述べ られてい る。 これ らの先行研究より,被
害者が加害者に対 して強い非難感情を抱いていることは明 らかであると考えられる。 第2節
加害者家族の概要 第1項
「加害者の家族」であること 加害者家族 とは 「事件・事故を起 こした『加害者』 として,責
任 を問われている側の親族」 と定義 されている (阿部,201D。
子 どもが罪を犯 した親,夫
や妻が罪を犯 した配偶者,親
が 罪 を犯 した子 どもなど,犯
罪の数だけ加害者家族は存在する。 望月(1989や
高橋 (201の は加害者家族が三側面を持つ ことを主張 している。第一の側面 は 「犯罪の原因 としての家族」であ り,犯
罪・非行者がいる家族の中で生まれ育つことによつ て,犯
罪者が形成 されるとい うものである。このような考えはこれまでの犯罪研究における家第
1章
問題 と目的 族へのアプローチの主流をな していた。 これに対 して,最
近注 目され るようになった第二の側 面が 「更生の場 としての家族」である。 この側面は,家
族は受刑 中の犯罪者 にとつて心の支え であ り,釈
放時に身元引受の受け皿 となって再犯の抑止力 となると考えるものである。 しか し 第一 と第二の側面は相反す る側面であ り,未
だに多 くの議論が交わ されている。そ して第二の 側面 として,加
害者家族は 「被害者 としての家族」 とい う側面を持つてお り,
日本の場合はこ の側面が重要な意味を持つ とされている。 「被害者 としての家族」 とは,犯
罪者 を生み出 した 家族が,あ
たかも犯罪者 自身であるかのよ うな扱いを社会か らうけ,犯
罪者が出たことによつ てその家族全体 もまた犯罪者であるかのよ うに非難・攻撃 され るとい う考えである。少年非行 の場合は,そ
の保護・ 監督の立場にある親が責任を問われ ることはやむを得ない としても,立
派な成人である犯罪者であつても,そ
の親などが社会的責任 を問われ るのである。左記のこと は青島001の
も指摘 している。 鈴木0010は
自身の著書で上記のよ うな実態を明 らかにしている。彼はこれまであま り光 を当て られ ることのなかった加害者家族の実態に焦点を絞 り,彼
らが,いな らず も背負 つて しま つた十字架の重 さと償いのあ りよ うを探っている。それによると,加
害者家族は社会的に追い 詰 められていく傾向が強い。例えば,職
を失つた り,何
度 も引つ越 した り,子
どもがいる場合 は転校を繰 り返 さなければならないなど,今
まで出来ていた生活を継続することが困難 となる。 さらには四六時中鳴 り止まない無言電話,イ
ンターネ ッ トによる住所や勤務先な どの個人情報 の暴露,自
宅への落書きなど想像 を絶す る誹謗中傷が行なわれている。1997年
2月 から5月 にかけて発生 した神戸児童殺傷事件では,加
害少年の母親が少年の逮 捕以降になされた報道やマスコミの対応,家
庭生活の様子を綴つた手記を発表 している。少年 が逮捕 され ると,家
族に関す る情報が世間に飛び交い,マ
スコミや知 らない人か らの攻撃行動 は後を絶たなかったとい う。また,2008年
に発生 した秋葉原通 り魔事件や2014年
に発生 した 長崎佐世保女子高生殺害事件では,加
害者の家族が 自殺に至っている。 このよ うに,犯
罪が発生すると厳 しい状況にあるのは加害者だけでな く(諸澤,2010,家
族 に対 しても非難の 目が向けられているのが今の 日本の現状であると言 つても過言ではない。 第2項
加害者家族支援と関心の高ま り 高橋(2010は
,加
害者家族は 「身内が犯罪者になった」 とい う心的危機 に加 え,社
会的制 裁や差別な どにより二重の危機 に晒 されていると主張 している。加害者 にとつて,家
族は抑止力 として機能 し
,更
生するための要素の一つであるとい う側面を上記で紹介 したが,加
害者家 族が加害者本人のよ うな非難 と攻撃に晒 され,ダ
メー ジを受 けてお り,加
害者の構成 に寄与できる状態にない。そのため
,加
害者家族に対す るサポー トが不可欠であると考えられ る。イギ リスでは
,「
受刑者 とその家族のパー トナー」 とい う意味の頭文字をとつたPOPS
Cartners OfP五 soners and Families Support Group)と 呼ばれ る
NGO組
織がある。POPS
は1988年
にファリダ 0ア ンダー ソンによつて設立 された組織であ り,警
察などの行政機関と協力 し
,加
害者家族 に対 して手厚いサポー トを行つている。拠点はマンチェスターにあるが,そのネ ッ トワークはイギ リス全土に広がってお り
,年
間25万
以上の加害者家族 と関わ りを持 つている。POPSは
加害者家族をサポー トす ることが,再
犯防止に繋が り,最
終的には社会の利益 となると主張 し
,加
害者家族 と向き合つている。日本において
,こ
のPOPSを
モデル とし設立 されたのがNPO法
人World Open Heartで あ る。代表の阿部恭子が,社
会差別による自殺防止を目的 とした任意団体World Open Hearを宮城県仙台市で団体を設立 したのを始めとし
,2008年
か ら加害者家族の相談業務を行つてい る。相談件数は2008年
か ら2014年
の6年
間で182件
であ り,支
援内容や期間は相談内容に よって さまざまである。活動を開始 してか らカロ害者家族 とい う状況におかれた人々が,ど
のよ うな問題に直面 し,どのような支援が必要 とされているのかが,徐 々に明 らかにされている (阿 部,2010。
さらに,こ
こ最近では加害者家族 を題材 としたフィクシ ョン作品も注 目を浴びて お り,加
害者家族に対す る社会的関心が徐々に高ま りつつあることが伺える。 このように加害者家族に対する実態調査が活発化 し関心が高まっている中,杉
本 (2011)は 警察官 と加害者家族の関わ りに注 目した調査 を行つた。警察官の 目を通 して見た加害者家族の 境遇や実態を明 らかに し,さ
らに警察が加害者家族 といかに関わつてい くべきか,加
害者家族 が受ける犯罪被害をどのように取 り扱つてい くべきか,こ
れ らの問題 についての示唆を提供 し ている。 さらに今後の課題 として,加
害者家族の問題 を考えるに当たつては,社
会全体の意識 を分析することが必要であると論 じている。 しか し一般人を対象 とし,加
害者家族に焦点を当 てた研究はなされていない。 8第
1章
問題 と目的 第3節
被害者支援の概要 第 1項 被害者支援の高ま り 近年,犯
罪被害者支援に関する動きが加速 してきている (丹治,2008)。2000年
に刑事訴訟 法が改正 され,被
害者の法廷での証言時に,配
慮がなされるようになつた。同 じ年に犯罪被害 者保護法が制定 され,公
判傍聴の配慮,記
録の謄写・閲覧,刑
事和解の手続 きが定められた。 そ して2007年
の刑事訴訟法の改正では,被
害者や遺族が被告や証人に裁判で質問や求刑の意 見 を求められる被害者参加制度が設 けられ,2008年
に施行 された。それまで犯罪被害者は蚊 帳の外に置かれていたことが多 く,そ
のことを踏まえると,被
害者支援に関す る一連の法整備 が前進 していることは間違いない。 司法による支援だけではなく,民
間機 関による被害者支援 も広が りを見せている (安達, 2009)。1998年
5月,全
国8団
体における民間組織 「全国被害者支援ネ ッ トワーク」が設立 され,2009年
には全国47都
道府県すべてに加盟団体が設置 された。犯罪被害者支援は,こ
れ ら民間団体の活動によつて支えられ,多
くの団体は犯罪被害者等早期援助団体の指定を受け, 警察 と連携 して活動 している。ネ ッ トワークは,D犯
罪被害者がいつでもどこでも支援が受け られる全国規模での支援体制の構築 と推進,関
係団体・機関 との連携,2)犯
罪被害者への支援 の充実,犯
罪被害者相談員,犯
罪被害者直接支援員の育成,加
盟団体の組織力の強化,9犯
罪 被害者の実情が広 く理解 され,そ
の権利が守 られ る社会の実現に向けた啓発・広報活動,0犯
罪被害者の権利を守るための施策の実行 と法整備 の促進,以
上4点
を主な取 り組み とし,犯
罪 被害者 と被害者家族・遺族がその尊厳 と権利 を守 られ る社会の実現を目指 している。 第2項
支援者に求め られる姿勢 犯罪被害者支援で大切なのは,被
害者が感情 を吐き出す こと,そ
してそのよ うな場が設けら れていることである。2003年
に行われた犯罪被害実態調査研究によると,事
件の直後には8 割以上の人が不安を感 じた とし,5割
以上の人が 「誰かにそばにいてほしかつた」 と回答 して いた。必要 とする支援 として,事
件直後そ して事件か ら2年
以上経過 した後でも,「
傍で話を 聞いてくれ ること」をあげる人が多 く,被
害者は支えを求めていることが明 らか となった。 丹波0000は
,被
害者が自らのペースで自己表現をし,信
頼できる誰かに受容・共感 して もらう体験が,被害者の心理的支援において何より重要だと主張 している。また橋本0000は
,被害者の感 じ取る時間や空間に共感的な理解 を示 し
,不
安や恐怖,腹
立た しさな どの率直な気 持 ちを被害者が表現できることを何 よりも尊重すべきであると述べている。これ らの先行研究 よ り,支
援者 に求められているのは,被
害者に共感す る姿勢を持 ちなが ら寄 り添つた支援をす ることであることは明 らかである。 しか しそ うした動きと並行 して,支
援者 自身が受ける心身 面の影響 も,議
論 されるよ うになつてきている (福島,2010。
他者の特定の感情を知覚することによつて,自
分 自身 も同 じ感情を経験す る現象は 「情動伝 染 emOtional contagioD」 と呼ばれ る。木村 。余語 。大坊0007)に
よると,わ
れわれはこ の情動伝染 とい う現象を通 じて他者 と感情 を共有す ることが しば しばあ り,情
動伝染は共感性 の基盤であると主張 されているCatield,Cacioppo,&Rapson,1992)。
つま り支援者に対 して共感性が求められている被害者支援の場において,情
動伝染が引き起 こされていることが 推測 される。また第1節において,被
害者が加害者 に非難感情を抱いていることを明 らかにし た。元来,わ
れわれは肯定的な感情 よりも否定的な感情に対 して敏感であるため (山田 0宮本 。 山本 0米 山・ 工藤,2000,支
援者は被害者の非難感情を感 じ取 りやすいのではないか と考え られる。 しか し支援者が被害者か ら受ける影響について,二
次受傷やバーンアウ トを対象にし た調査はあるが,非
難感情の伝染を取 り上げた研究はない。 第4節
本研究の目的 本研究では,ま
ず加害者非難に焦点を置き,そ
の概要を論 じる。先行研究より,一
般人 と被 害者 どちらも加害者 に対する非難感情を抱いていることが明 らか となっている。また裁判員裁 判の始ま りによつて厳罰志向性に注 目が集ま り,不
合理な信念の一つ とされている倫理的非難 との関連が示唆 された。 次に,加
害者家族について取 り上げる。加害者家族は 「被害者 としての家族」 とい う側面を 持 ってお り,外
部の人間か ら非難の 目が向けられ ることが多い とされている。 しか しこのよう な現状が明 らか とされているのは,加
害者家族 自身の著書や実態調査か らであ り,一
般人か ら 見た加害者家族を学術的に調査 した研究はいまだに見当た らない。 最後に,被
害者支援における現状や支援者に求められている姿勢を紹介す る。支援活動の活 発化に伴い,支
援者のメンタルヘの影響が懸念 されている。 しか し,二
次受傷やバーンアウ ト 10第
1章
問題 と目的 に関する研究が主であ り,被
害者が抱 く非難感情の伝染 を取 り上げた研究はない。以上より, 本研究では加害者や加害者家族,そ
して支援者 に焦点を当て,以
下の2点
を目的 として調査を イ子う。 第一の目的は,一
般人が加害者家族に対 して抱 く感情を明 らかにす ることである。加害者家 族 に対する実態調査が盛んに行われている一方,当
事者以外の人間が加害者家族 に対 してどの よ うな感情を抱いているかについてはこれまで明 らかにされていない。 第二の 目的は,支
援者が加害者や加害者家族に抱 く非難感情を明 らかにす ることである。支 援 の場において,被
害者が加害者への怒 りを表出す ることで,支
援者 に非難感情の伝染が起こ るのかを検討す る。 また,加
害者家族に対 しても非難の 目が向けられているとい う現状から, 彼 らに対す る非難感情の伝染 も調査す る。 ■ ■ ■ ■第
2章
予備調査 1 第1節
目的 第1章
において,先
行研 究で作成 され た加 害者非難尺度 を紹介 した。 同様 に,加
害者 の 家族 に対 して も非難 が生 じるのではないか と考 え られ るが,一
般的 に加 害者家族対 して ど の よ うな感情が向け られているのかを学術 的に調査 した研究はない。 よって本研究では加 害者家族 に対す る一般的感情 を検討す る。 第2節
方法 第1項
調査対象者 関西圏 に住む男女 に対 し,自
由記述式 の質 問紙調査 を実施 した。20名
(男性 10名, 性 10名,29歳
か ら69歳
,平
均年齢 33.5歳,劇
髪13.7)を 有効対象 とした。 第2項
調査時期2014年
12月 か ら2015年
1月 にかけて実施 した。 第3項
調査内容 (1)フェイスシー ト 性別,年
齢の回答を求めた。 (2)事例について 本研究では,3つ
の事例 (ビニエ ッ ト)を
読んだのちに質問項 目への回答を求めた。提示 した事例は一部,青
島 (201の や鈴木(2010を
参考に して作成 した架空のものである。 その事例を読み,その家族についてどのよ うな感情を抱 くか (問1),家
族は今後 どうなる と思 うか (問9,に
ついて 自由記述式の質問紙 を用いて尋ねた。事例は以下の通 りである。 事例1:加
害者は,普
通高校に通 う18歳
少年。ある日,夜
道 を歩いていた女子高生を襲 い強姦 した。女子高生が抵抗せず,顔
も見 られなかったため,
自分が加害者であることが バ レなかつた。そのため味をしめ,3日
後 にかねてか ら面識のあった姉の友人を襲 う。 し 13か し
,友
人が抵抗 し,顔
を見 られ たため,護
身用 に持 っていたナイ フで殺害。死体 をその 場 に遺棄 し,逃走 したが,警察 の捜査 の結果,5日後 に逮捕 に至 る。少年 は両親,姉(20,
弟 (1の との5人
暮 ら し。 両親 は共働 きで姉 は大学生,弟
は公 立 中学校 に通 つていた。家 族 は一連 の事件 について認知 していたが,少
年 の犯行 であるこ とは知 らなかった。姉 は友 人 の葬儀 に も出席 していた。 事例 2:カ ロ害者 は,企
業 に勤 める40代
後 半男性。近所 に住 んでいた女性 (25)に対 し, 以前 か ら一方的な好意 を寄せ ていた。 そのため,女
性 が仕事か ら帰 る時間を見計 らい,偶
然 を装 って 自宅周辺 を うろつ き,話
しか けるな どの行動 を していた。 ある 日,ま
た男性が 自宅周辺 で待 ち伏せ を していたので,女
性 は思い切 つて 「止 めて くだ さい。 これ以上付 き ま とった ら警察に言います よ。」と伝 えた。す ると男性 は逆上 し,そ
のまま女性 の 自宅 に押 し掛 けて首を絞 めて殺害。近隣か らの通報 で現行犯逮捕 され る。男性 は結婚 してお り,妻
にO代
前半)と
息子 (つ との3人
暮 らし。夫・妻の両親 とは別居 している。妻は専業主婦 で,最
近夫の帰 りが遅いことを不審に思っていたが,言
及は していない。 事例 3:カロ害者は,1人
暮 らしをしている70歳
老人。仕事 も退職 し,田
舎でのんび り暮 らしていたが,隣
の家に若い夫婦 と小学生の子 どもの3人
家族が引つ越 してきた。す ると 今 までの静かな生活は一転,大
きな物音や話 し声が聞こえるようにな り,老
人は疎ま しく 感 じていた。 ある日,隣
人 と顔を合わせた ときに騒音の件 を注意 した ら,一
時はマシにな つたものの,
しば らくするとまた物音が聞 こえ始めた。老人はついに我慢できな くな り, 「家がなくなれば引つ越すだろう」 と思い,
日中誰 もいない時間を見計 らい,隣
家に火を つけた。老人は近所の人か らの通報で逮捕 された。老人は妻に先立たれてお り,近
所に息 子夫婦 と孫が住んでいた。息子夫婦が老人を訪れ ることはめったになく,連
絡 もほとんど 取つていなかった。 第4項
倫理的配慮 質問紙の表紙に研究倫理に係わる注意事項を記載 した。その事項を読み同意を得た場合 に,無
記名での回答を求めた。また,質
問紙回答後に何 らかの不調を感 じた場合の連絡先 として研究実施責任者 と研究実施分担者の氏名 。連絡先を記載 した。第
2章
予備調査 1 第3節
結果と考察 アンケー ト回収後,臨
床心理学を専攻す る教員 0大学院生の7名
で,KJ法
0‖喜 田, 196つ を用いてキーワー ド抽出を行なった。問 1の 質問に対 して抽出 されたキー ワー ドは, 非難,同
情,コ
ミュニケーション問題,関
わ り,家
庭事情,愛
情不足,怒
り,悲
しみ,負
担,家
庭環境であった。問2の
質問に対 して抽出されたキー ワー ドは,関
係変化,負
担, 非難,自
責,逃
避,悪
影響,無
関心,援
助要請であつた。 これ らを用いて,質
問項 目を作 成 した。問 1よ り作成 された質問項 目は表2‐1に
,問
2よ
り作成 された質問項 目は表2‐2 に記載 した。 表2‐1
問1より作成 した質問項 目 非難 (8項 目) 家族は被告人をしっか り教育 してお くべきだつた と思 う。 この家族は情けない家族だ と思 う。 家族は被告人の行動・態度の変化を見過 ごしていた と思 う。 家族は被告人を気にかけてお くべきであつたと思 う。 家族は被告人の心の支えになつていなかったと思 う。 私はこの家族に対 して責めたい気持ちが生 じる。 被告人が事件を起 こした責任は家族にあると思 う。 被告人が事件を起 こした原因は家族にあると思 う。 同情 (7項 目) 家族はかわいそ うだ。 私はこの家族に同情する。 家族に起 こる不幸を哀れに思 う。 家族は「犯罪者の家族」 とい うレッテルを貼 られ ると思 う。 家族は被告人に裏切 られたのだ と思 う。 家族は大変な思いをするだろ う。 家族は気の毒だ。 コミュニケーション問題 に項目) 家族 と被告人 の間には交流 がなか つた と思 う。 15家族 と被告人の間には情緒的関わ りがなかつたと思 う。 家族 と被告人の間には会話がなかった と思 う。 家族は被告人の話を聞いていなかつた と思 う。 関わ り(3項目) 家族は被告人に無関心だった と思 う。 家族 と被告人は関わ りが少なかった と思 う。 家族 と被告人の関係は良くなかったと思 う。 家庭事情 (2項 目) 家族は事件が起きる前
,そ
れぞれが 日々の生活を送 るのに精一杯だつた と思 う。 家族はそれぞれが,いに余裕 を持っていなかった と思 う。愛情不足
0項
目
) 家族は被告人に対 して愛情が不足 していた と思 う。 家族にはぬ くもりがなかった と思 う。 怒 り (2項 目) 私 はこの家族に対 して怒 りを感 じる。 家族 と関わ りたくない と思 う。 悲 しみ (2項 目) 私 はこの家族のことを考えると悲 しくなる。 家族はつ らい と思 う。 負担 (2項 目) 家族には負担がかかると思 う。 家族は罪悪感に襲われ ると思 う。 家庭環境 (1項 目) 被 告人が育 ってきた家庭環境 には問題 がある と思 う。 表2‐2
問2よ
り作成 した質問項 目 関係変化 (12項 目) 家族 と被告人の関係は悪 くなるだろ う。第
2章
予備調査1 家族 と被告人は今後、一緒に生活出来なくなると思 う。 家族は今後、バラバラになると思 う。 家族は別の人生をスター トさせると思 う。 家族は今後、被告人を見捨てると思 う。 家族は被告人 との関わ りを断つ と思 う。 家族は被告人が罪 を償 うのを待つていると思 う。 家族は被告人に気 を配 るよ うになると思 う。 家族は被告人の心の支えになると思 う。 家族は被告人の更生を促す と思 う。 家族は今後、出所 した被告人 と一緒に住む と思 う。 家族 と被告人の関係は密になると思 う。 負担 (8項 目) 家族は精神的ショックを受けると思 う。 家族は心に傷を負 うと思 う。 家族は思い詰められると思 う。 家族は生きていることが辛 くなると思 う。 家族は社会的立ち位置が苦 しくなると思 う。 家族は人間関係が上手 くいかなくなると思 う。 家族は金銭的に苦 しむ と思 う。 家族は一生困ると思 う。 非難 (7項 目) 家族の情報はマスコミに嗅 ぎ付けられ ると思 う。 家族は職場や学校などで事件の影響を受けると思 う。 カロ害者家族は世間か らバ ッシングを受けるだろ う。 家族は肩身が狭 くなるだろ う。 家族は社会的に責められ ると思 う。 家族は誹謗中傷を受けると思 う。 家族は軽蔑 されると思 う。 家族は被告人 と共に罪を償 うと思 う。 自責 (5項 目) 17家族は重荷を背負って生きてい くと思 う。 家族は被告人が事件を起 こした理由を考えると思 う。 家族は自分たちを責めると思 う。 家族は被告人が事件 を起 こしたことを悔やむ と思 う。 逃避 (4項 目) 家族は今後、引越 しをす ると思 う。 家族は今後、転居を繰 り返す と思 う。 家族は今後、逃亡生活をす ると思 う。 家族は今後、周囲の 日か ら逃れて生活すると思 う。 悪影響
0項
目) 被告人以外の家族成員 も犯罪に走ると思 う。 家族は被告人以外の家族成員にも注意を向けるようになると思 う。 無関心 (1項 目) 家族は今まで どお りの生活を続けると思 う。 援助要請 (1項 目) 家族は家族以外の他人に相談すると思 う。第1節 目的 予備調査1において
,一
般的な対加害者家族感情を調査 し,質
問項 目を選定 した。そこ か ら加害者家族に対す る非難感情のみを抽出す る必要がある。 よつて本研究では予備調査1で
作成 した質問項 目の因子構造を明 らかに し,信
頼性 と妥当性 を検討する。 第2節
方法 第1項
調査対象者 関西圏に住む男女 に対 し,質
問紙調査 を実施 した。214部
回収 し,1/3以
上無回答であ つた13部
を除き201名
(男性66名
,女
性 135名,平
均年齢 24。2歳
,9髪
10。9を
有効 対象 とした (有効回答率 :93.90/OH。 第2項
調査時期2015年
4月 か ら 7月 にかけて実施 した。 第3項
調査 内容 (1)フェイスシー ト 性別,年
齢 の回答 を求 めた。0)事
例について 本研究では,事
例を読んだのちに質問項 目への回答を求めた。事例は早川他0019
凶悪性スキーマに基づいて作成 したものに,家
族構成の情報を加えたものを提示 した。 例は以下の通 りである。 事例 :加害者 はX(32歳
男性)。Xは
,人
を殺 してみたい とい う理 由で,夏
場 の深 夜1時
に見ず知 らず のA(27歳
女機 の 自宅 に侵入 し,持
参 した包丁で胸部 を数 回突 き刺 した後,首
に包丁 を突 き刺 し殺害 した。 首に包丁 を突 き立てた遺体 をデ ジタルカ メラで撮影 した。逮捕後 も悪びれた様子 もな く,終
始ニヤニヤ してお り,警
察の取 り が 事第
3章
予備調査2 調べ に も動機以外語 つていない。Xに
は両親,妻
,1人
の息子 がい る。事件 を起 こす 前,Xに
変わつた様子はなかつた と家族全員 が証言 してい る。 (3)加害者非難尺度 について 早川他(2013)に
よる8項
目を用いた。それぞれ の項 目について,「あてはまる」「少 しあてはまる」「あま りあてはま らない」「あてはま らない」の4件
法で回答 を求めた。 (の対カロ害者家族感情 について 予備調査1で
作成 した73項
目 (表 2‐1,表
2‐2)に
,「 私 は事件 が起 こる と被告人の 家族 の ことをあれ これ推測す る」 とい う1項
目を付 けカロえ,74項
目を用いた。それぞ れ の項 目について,「 あてはまる」「少 しあてはまる」「あま りあてはま らない」「あて はま らない」の4件
法で回答 を求めた。 (D倫理的非難について 松村 (1991)による ЛBTの
うち倫理的非難項 目10項
目を用いた。それぞれの項 目に つ いて,「 まった くそ う思 う」「だいたいそ う思 う」「どち らで もない」「あま りそ う思 わない」「まった くそ う思わない」の5件
法で回答 を求 めた。 ③ 厳罰 志 向について 板 山(2012に
よる厳罰 志 向性尺度 の うち因子負荷が高かつた7項
目を用いた。そ れ ぞれ の項 目について,「まった くそ う思 う」「だいたいそ う思 う」「どち らで もない」 「あま りそ う思わない」「まった くそ う思わない」の5件
法で回答 を求 めた。 第4項
倫理的配慮 質問紙の表紙に研究倫理に係わる注意事項を記載 した。その事項を読み同意を得た場合 に,無
記名での回答を求めた。また,質
問紙回答後に何 らかの不調 を感 じた場合の連絡先 として研究実施責任者 と研究実施分担者の氏名・連絡先を記載 した。 21第
3節
結果と考察 第1項
対加害者家族感情 について 対加害者家族感情を測定す る74項
目について,「あてはまる」 を4点
,「少 しあては ま る」 を3点
,「 あま りあてはま らない」 を2点
,「 あてはま らない」 を1点
とし,得
点化 した。 因子分析 (主因子法,プ
ロマ ックス回転)を
行 い,解
釈可能性か ら4因
子 を抽 出 した。結果 を表3‐1に
示す。 第1因
子 に負荷の高い項 目は 「家族 にはぬ くも りがなかった と思 う。」「家族 と被告 人 の間には会話がなかつた と思 う。」「家族 と被告人 の間には情緒的かかわ りがなかつ た と思 う。」な ど19項
目であつた。 したがつて この因子 は 「非難 (α=.99」
と命名 した。 第2因
子 に負荷 の高い項 目は 「家族 は肩身が狭 くなるだ ろ う。」「家族 は誹謗 中傷 を 受 ける と思 う。」「家族 は重荷 を背負 つて生 きてい くと思 う。」 な ど17項
目であつた。 したがって この因子 は 「負担 (α=.89」
と命名 した。 第3因
子 に負荷の高い項 目は 「家族は今後、出所 した被告人 と一緒に住む と思 う。」 「家族は被告人の心の支えになると思 う。」 「家族は被告人 と共に罪を償 うと思 う。」な ど8項
目であつた。 したがつてこの因子は 「関係 α=.8D」
と命名 した。 第4因
子に負荷の高い項 目は 「家族は気の毒だ。」 「私はこの家族に同情す る。」 「家 族 はかわいそ うだ。」など5項
目であつた。 したがつてこの因子は 「同情 (α=.70」
と 命名 した。 このよ うに対加害者家族感情は 「非難」 「負担」 「関係」 「同情」か ら構成 されている ことが明 らかになつた。また本研究は加害者家族に対する非難感情に焦点を当てたもので あるため,以
降の分析では第 1因子の 「非難」因子を 「加害者家族非難」尺度 として用い ることとした。 表3‐1
対加害者家族感情の因子分析結果 (主因子法・ プロマックス回輔N=201
項 目 ″ ″ ″ ″ 第 1因子Kct=。99
家族にはぬくもりがなかった と思 う。 家族 と被告人の間には会話がなかつた と思 う。 .815 ‐.063 .006 .046 .802 ‐.050 ‐.076 .108第
3章
予備調査 2 家族 と被告人の間には情緒的関わ りがなかつた と思 う。 家族は被告人の話を聞いていなかった と思 う。 家族 と被告人は関わ りが少なかつた と思 う。 家族 と被告人の関係は良くなかった と思 う。 家族は被告人に対 して愛情が不足 していた と思 う。 家族はそれぞれが′きに余裕 を持っていなかった と思 う。 家族は被告人を気にかけてお くべきであつた と思 う。 家族は被告人の行動・態度の変化 を見過 ごしていた と思 う。 家族 と被告人の間には交流がなかつた と思 う。 家族は被告人の心の支えになっていなかった と思 う。 被告人が育ってきた家庭環境 には問題があると思 う。 家族は被告人を しつか り教育 してお くべきだつた と思 う。 被告人が事件 を起 こした責任は家族にあると思 う。 家族は被告人に無関心だった と思 う。 被告人が事件 を起 こした原因は家族にあると思 う。 この家族は情けない家族だ と思 う。 家族は事件が起きる前、それぞれが 日々の生活を送るのに 精一杯だつた と思 う。 .793 ‐.064 .758 .043 .718 .009 .708 .044 .705 ‐.075 .649 ‐。025 。624
‐.074 .615 .048 .598 .078 .595 .043 .564 .065 。551 .013 .547 ‐.015 。524
‐.046 .488 .029 。455
‐.026 ‐.097 .027 ‐.012 .009 ‐.040 ‐.025 ‐.101 ‐.047 .032 .029 .068 。119 .124 .005 。104 .100 ‐.126 .006 .081 ‐.036 ‐。102 .007 .021 ‐.048 。193
‐。281 ‐。139
‐.047 .250 ‐。200 ‐.046 ‐.068 .427 .059 .176 。173 第2因
子に=.89) 家族は肩身が狭 くなるだろ う。 家族は誹謗中傷を受けると思 う。 家族は重荷 を背負 って生きていくと思 う。 家族は大変な思いをす るだろ う。 家族は社会的に責められると思 う。 家族は社会的立ち位置が苦 しくなると思 う。 家族は 「犯罪者の家族」 とい うレッテルを貼 られ ると思 う。 家族は職場や学校などで事件の影響を受けると思 う。 家族は今後、周囲の 日か ら逃れて生活すると思 う。 家族は世間か らバ ッシングを受けるだろ う。 家族は一生困ると思 う。 ‐.059 。711 .003 .689 .118 .683 ‐。150 .676 ‐。102 .671 ‐.076 .656 ‐.031 .645 ‐.054 .621 .087 .617 ‐.012 .605 .077 .535 .036 .043 ‐.119 ‐。123 .028 .032 .052 .083 .045 ‐。127 .018 .017 .023 ‐.034 ‐.053 ‐.035 ‐.087 ‐.032 .014 ‐.092 ‐.032 .078家族は心に傷 を負 うと思 う。 家族は生きていることが辛 くなると思 う。 家族は軽蔑 されると思 う。 家族の情報はマスコミに嗅ぎ付けられると思 う。 家族は金銭的に苦 しむ と思 う。 家族は今後、転居 を繰 り返す と思 う。 ‐.089 。530 .147 .526 .068 .516 ‐.018 .442 .028 .436 .117 .423 .100 .190 ‐.032 .060 .011 ‐.277 .071 .022 .134 .037 ‐。200 .098 第
3因
子(奸.81) 家族は今後、出所 した被告人 と一緒に住む と思 う。 家族は被告人の心の支えになると思 う。 家族は被告人 と共に罪を償 うと思 う。 家族は被告人の更正を促す と思 う。 家族は被告人に気 を配 るようになると思 う。 家族は被告人 との関わ りを断つ と思 う。 家族は被告人が罪 を償 うのを待つていると思 う。 家族 と被告人の関係は密になると思 う。 .001 ‐。018 ‐.037 ‐。094
.119 。144 .036 .055 .011 .015 .288 .123 ‐.070 .088 .107 ‐.036 .726 ‐。141 .663 .067 .596 .004 .593 .190 .566 .110 ‐.561 .097 .550 .085 .516 ‐。125 第4因
子∈ 。70
家族は気の毒だ。 私はこの家族 に同情す る。 家族はかわいそ うだ。 家族に起こる不幸を哀れに思 う。 私 はこの家族のことを考えると悲 しくなる。 ‐.093 .152 .047 .649 ‐.016 ‐.049 ‐.019 .627 ‐。104
‐.096 ‐.020 .622 .129 .014 .026 .618 。104
‐.055 .097 .572 因子相 関係 数 一。149 。
149
-.234 ‐.036 .029 .337 。234 .029 ‐.036 .337-
‐。025 ‐.025
-第2項
加害者家族非難尺度 について 第1項で示 した加害者家族非難尺度19項
目について2次
因子分析 (主因子法,プ
ロマ ックス回転)を
行 い,解
釈可能性か ら2因
子 を抽 出 した。その結果を表3‐2に
示す。第
3章
予備調査2 第1因
子 に負荷の高い項 目は「家族 と被告人の間には交流がなかった と思 う。」「家族 は被告人に無関心だった と思 う。」「家族 と被告人の間には情緒的関わ りがなかった と思 う。」な ど8項
目であつた。 したがつて この因子 は 「家庭環境非難 (α=.86)」 と命名 した。 第2因
子 に負荷 の高い項 目は 「被告人が事件 を起 こした責任は家族 にあると思 う。」 「被告人が事件を起こした原因は家族にあると思 う。」「家族は被告人を気にかけてお く べ きであつたと思 う。」な ど7項
目であつた。したがつて この因子は「家族成員非難 (Q =.87)」 と命名 した。 以上 よ り,加害者家族非難尺度 は2因子15項
目か ら成 り立つ ことが明 らか となつた。 α係数 の値 よ り,十
分 な信頼性 が確認 されたため,臨
床心理学 を専攻す る教員,大
学 院生7名
で内容的妥 当性お よび最終的な項 目の整理 を行 つた。 その結果,作
成 した尺 度 は,実
態調査を含む先行研 究で挙 げ られていた非難 を網羅 していたため,内
容的妥 当性があると判断 した。 表3‐2
加害者家族非難の因子分析結果 (主因子法・ プロマ ックス回輸N=201
項 目 Л 第1因子(α=.86) 家族 と被告人の間には交流がなかった と思 う。 家族は被告人に無関心だつた と思 う。 家族 と被告人の間には情緒的関わ りがなかつた と思 う。 家族 と被告人は関わ りが少なかったと思 う。 家族は被告人に対 して愛情が不足 していたと思 う。 家族 と被告人の関係は良くなかった と思 う。 家族 と被告人の間には会話がなかった と思 う。 被告人が育ってきた家庭環境には問題があると思 う。 .898 .679 。668 .668 .660 .571 .543 .540 ‐。292 ‐。151 .138 .089 .088 .175 .295 。015 第2因
子G=.87)
被告人が事件を起 こした責任は家族にあると思 う。 被告人が事件を起こした原因は家族にあると思 う。 家族は被告人を気にかけてお くべきであつたと思 う。 2 4 1 8 0 4 1 2 0 .815 。801 .674 25家族は被告人の心の支えになつていなかつた と思 う。 家族は被告人の話を聞いていなかつた と思 う。 家族 にはぬくもりがなかつた と思 う。 家族は被告人の行動・態度の変化 を見過 ごしていた と思 う。 .014 .342 .381 .253 。656 .486 .484 .450 因子相 関係数 第
3項
尺度間の相 関係数 について 加 害者への非難感情 を測定す る8項
目と,加
害者家族へ の非難感情 を測定す る15項
目 について,「あてはま る」 を4点
,「少 しあてはまる」 を3点
,「あま りあてはま らない」 を2点
,「あてはま らない」を1点とし,得
点化 した。また倫理的非難 を測定す る10項
目 と,厳
罰志 向性 を測定す る7項
目について,「まつた くそ う思 う」を5点
,「だいたいそ う 思 う」 を4点
,「どち らで もない」を3点
,「あま りそ う思わない」 を2点
,「まつた くそ う思わない」 を1点とし,得
点化 した。 それぞれ の尺度 について相 関係数 を算 出 した ところ,表
3‐3に
示す結果が得 られた。加 害者家族非難尺度 は,他
の尺度 とほ とん ど相 関がみ られ なかった。加害者非難尺度 は倫理 的非難尺度 と低い正の相 関が,厳
罰志 向性 尺度 と正 の相 関が認 め られ た。 また,倫
理的非 難 尺度 は厳罰 志 向性尺度 と正 の相 関が認 め られ た。 表3‐3
尺度間の相関係数 .746 . 46 7 尺 度 加害者家族非難 加 害者非難 倫理的非難 厳罰志 向性 加 害者家族非難 加 害者非難 倫理的非難 厳罰志 向性 * * 8 6 5 一 1 1 0 .30士* .54 .43・*注
:'す〆
.01,壕κ
05第
3章
予備調査2 第4項
男女における比較検討結 果について 性別で2群
に分 け,そ
れぞれ の尺度得点について平均値 の差の検定 を行 つた。結果 を表 3‐4に
スト│卜。 倫理的非難尺度 について,5%水
準で有意差が見 られ た (″2.012,″
■99,メ
.05)。 し たがつて倫理的な悪行為 に対す る非難感情 は,女
性 よ りも男性 の方 が強い と言 えた。その 他 の尺度 では,有
意差 は認 め られ なか った。 表3‐4
男女別における尺度得点の平均値n
平均標 準偏差
F値
(“
ι値(“
加 害者非難 男 女 66 2.61 0.44 135 2.58 0。 39 0.53305,13の
0。373(199
加 害者非難 (社会的制裁) 66 ・35 男 女 3.43 3.41 0.48 0。45 0.870 (65,1341 0.275(199
加 害者非難 (個人的制劫 男 女 66 135 1.78 1.75 0.61 0.52 1.163 ●5,1341 0。322 (199) 加害者家族非難 男 女 66 135 2.57 2.48 0.58 0.57 0.022 (65,13の 0。373
(199) 加害者家族非難 (家庭環境非輸 男 女 66 135 2.61 2.53 0.61 0.63 0.459 (65,1341 0.830(199
加害者家族非難 (家族成員非難) 男 女 66 135 2.53 2.43 0.64 0.60 1。167●5,130
1.132(199
倫理的非難 男 女 66 135 3.62 3.46 0.55 0.50 0.706 ●5,1341 2.012・(199
厳 罰 志 向性 男 女 66 135 3.29 3.16 0。79
0.68 2.63505,1341
1.441(199
注
:しく
05 27第
4章
本調査 第1節
目的 予備調査1,予
備調査2に
おいて,加
害者家族 に対 して抱 く非難感情を抽出 し,助
日害者 家族非難」尺度 を作成 した。そこか ら犯罪被害者 を支援する人々の非難感情の高ま りを明 らかにす るためには,非
支援者 との比較をする必要がある。 よつて本調査では,支
援者 と 非支援者 における,加
害者や加害者家族に対す る非難感情の相違を検討する。 第2節
方法 第1項
調査対象者 全 国の犯罪被害者支援団体に依頼 し,支
援者 と してボ ランテ ィア活動 を してい る男女 に 対 して質 問紙調査 を実施 した。480部
送付 した うちの315部
を回収 し,1/3以
上無回答で あつた10部を除き305名 (男性83名,女性218名,不明4名,平均年齢 59.7歳,9髪
11.09 を有効対象 とした (回収率:65。6%,有
効回答率:96.80/OH。 また,非
支援者 に関 しては予 備調査2の
回答を用いた。 第2項
調査時期2015年
9月 か ら 11月 にかけて実施 した。 第3項
調査内容 (1)フェイスシー ト 性別,年
齢,支
援年数,直
接支援経験の有無 とその内容について回答 を求めた。なお, 直接支援 とは面接相 談 を経 て,支
援 セ ンター の支援員 が被 害者 の方 々に直接 寄 り添 つて支 え る活動 で あ り,具
体 的 には,警
察や裁 判所 、病 院や弁護 士事務所 な どへ の 付 き添い,裁
判 の代理傍聴,各
種手続 き等 で あ る。 (2)事例について 本研究では,事
例を読んだのちに質問項 目への回答を求めた。事例は予備調査2で
用 いたものを再度使用 した。(Э加害者家族非難尺度 について 予備調査1・
2よ
り作成 した19項
目を用いた。 それぞれ の項 目について,「あては ま る」「少 しあてはまる」「あま りあてはま らない」「あてはま らない」の4件
法で回答 を求 めた。(0加
害者非難尺度 について 早川他(2013)に
よる8項
目を用いた。それぞれの項 目について,「あてはまる」「少 しあてはまる」「あま りあてはま らない」「あてはま らない」の4件
法で回答 を求めた。 (5)倫理的非難について 松村 (1991)による ЛBTの
うち倫理的非難項 目10項
目を用いた。それぞれの項 目に ついて,「 まった くそ う思 う」「だいたいそ う思 う」「どち らで もない」「あま りそ う思 わない」「まった くそ う思わない」の5件
法で回答 を求 めた。(0厳
罰 志 向について 板 山(2012)に
よる厳罰 志向尺度7項
目を用 いた。それぞれ の項 目について,「まっ た くそ う思 う」「だいたいそ う思 う」「どち らで もない」「あま りそ う思わない」「まっ た くそ う思わない」の5件
法で回答 を求 めた。 (つ精神的健康度 について 古川他(2003)に
よるK6を
用いた。 それぞれ の項 目について,「全 くない」「少 し だ け」「とき どき」「たいてい」「いつ も」の6件
法で回答 を求 めた。 第4項
倫理的配慮 質問紙の表紙に研究倫理に係わる注意事項を記載 した。その事項を読み同意を得た場合 に,無
記名での回答を求めた。また,質
問紙回答後に何 らかの不調を感 じた場合の連絡先 として研究実施責任者 と研究実施分担者の氏名・連絡先を記載 した。 なお,本
研究は兵庫教育大学研究倫理審査委員会の承認 を得て実施 した。第
4章
本調査第
3節
結果と考察第 1項 支援者の基本属性について
支援者の平均年齢は 59.7歳
(9>11.09で
,年
代別に見ると20代
が8人 (2.6%),30
代が9人 (3.00/On,40代が24人 (7.90/Oy,50代が
69人
02.60/Oy,60代 が134人 (43.9%),70代
が43人
(14.10/Onであった。50代
以上が約80%を
占めてお り,支
援者の年齢層は高 い ことが明 らか となった。また,支援者 としての経験年数は5年
未満が136人
(44.6%),5年
か を)10年
未満力`98人
(32.10/Oy , 10年か た)15年
未満が47人
(15.40/On , 15年か ら20年
未満が8人
(2.60/On,20年 以上が1人
(0.30/OHで あった。直接支援経験者は212人
(69.5%),未
経験者は87人
(28.40/Onでぁ り,支
援内容 としては,裁
判所や警察署,検
察 庁 など各所への付 き添い支援,代
理傍聴支援が多かった。 第2項
尺度間の相関係数について 尺度の得点化は予備調査 2と 同様である。加害者家族非難尺度について,再
度他の尺度 との相関係数を算出 した ところ,表
4‐1に示す結果が得 られた。加害者家族非難尺度は, 倫理的非難尺度 と低い相関が見 られたが,加
害者非難尺度 と厳罰 志向性尺度 とはほとん ど 相関が見 られなかった。その他の結果は予備調査2の
結果 と一致 していた。 また,K6は
他の全尺度 とほとん ど相関が見 られなかった。 表4‐1
尺度間の相 関係数 加害者家族非難 加害者非難 倫理 的非難厳罰 志 向性 カロ害者家族非難 カロ害者非難 倫理的非難 厳罰 志 向性
K6
.16■■ .20・・ 。14■彙 。059 。44・・ .49*士 .048 。42士士 。115 ‐.020 注 :・│〆。01 31第
3項
支援者 と非支援者 における比較検 討結 果について 支援者 と非支援者 において,そ
れぞれ の尺度得点 について平均値 の差 の検 定 を行 つた。 結果 を表4‐2に
示す。 カロ害者非難尺度 について,5%水
準で有意傾 向が見 られ た (卜2.343,″ 契68.117,メ。05)。 さらに因子 ご とに平均値の差 を検定 した ところ,「個人的制裁」 因子 において5%水
準で有 意傾 向が見 られ た (″2.233,泌執97,メ
.OD。 したがって加害者 に対 して個人的に罰 を与 えたい とい う感情 は,支
援者 よ りも非支援者 の方が強い と言 えた。 倫理的非難尺度 について,1%水
準で有意差が見 られ た (″6.288,″
489,メ
.01)。 し たがって倫理的な悪行為 に対す る非難感情 は,支援者 よ りも非支援者 の方 が強い と言 えた。 厳罰 志 向性 尺度 について,5%水
準で有意差が見 られた (″2.195,″
493,メ
.05)。 し たが って厳罰 志向性 は,非
支援者 よ りも支援者 の方 が強い と言 えた。 加 害者家族非難尺度 については有意差が認 め られなかつた。 したがって加害者家族 に対 す る非難感情 は,支
援者 と非支援者 の間で差がない と言 えた。 表4‐2
支援者 と非支援者 における尺度得点の平均値 平均標 準偏差
F値
(“
′値(“
加 害者非難 支293
非201
2.50 0。47 4.876 2.60 0.40 (292,200) 2.343★ ●68) 加 害者非難 (社会的制裁) 8 6 5 4 0 0 支 非 297 201 3.35 3.42 4.877(296,200
1.518(490
加 害者非難 (個人的制劫 支 非 298 201 1.65 1.76 0.58 0.55 0。387 (297,200) 2.233★ (497) 加 害者家族非難 支 非285
201
2.55 2.51 0.62 0.57 2.530(284,200
0。757
(480
加害者家族非難 (家庭環境非輸 支 非286
201
2.66 2.56 0。69
0.62 5.088(285,200
1.667(450
加害者家族非難 (家族成員非輸 支 非289
201
2.45 2.46 0.61 0.61 0。140(288,200
0.301(480
倫 理的非難 支 非
290
201
3.20 3.51 0.54 0.52 0.102(289,200
第4章
本調査 6。288'・(489
厳罰志 向性 支 非294
201
3.35 3.20 0.64 0.72 2.195 (293,200) 2.406・ (493) 注 :サK05, *1〆
.01 第4項
支援者 内での比較検討結果について 性別 で支援者 を2群
に分 け,そ
れ ぞれ の尺度得点について平均値 の差の検定 を行 つた。 結果 を表4‐3に
示す。 加 害者非難尺度 について,1%水
準で有意差が見 られ た (″3.270,″
つ65,メ
.01)。 さ らに さらに第 1因子 の 「社会的制裁 」因子,第
2因
子 の 「個人的」因子 もそれ ぞれ5%水
準 で有意差が見 られた (社会的制裁 因子 :″2.341,泌
域67,メ
.05,個人的制裁 因子 : ″2.586,泌
■05.652,メ
.05)。 したがって加 害者への非難感情は,女
性 よ り男性 の方 が 強 い と言 えた。 加 害者家族非難尺度 について,1%水
準で有意差が見 られ た (″3.359,泌域56,メ
.01)。 さらに第 1因子 の 「家庭環境非難」因子,第
2因
子 の 「家族成員非難」因子 もそれぞれ1%
水 準で有意差 が見 られた(家
庭環境非難 因子 :″3.346,泌
域57,メ
.01,家
族成員非難 因子 :″3.012,d260,メ
.01)。 したが って加 害者家族への非難感情 は,女
性 よ りも男 性 の方が強い と言 えた。 倫理的非難尺度 について,1%水
準で有意差 が見 られ た (″2.686,″
つ60,メ
.01)。 し たがつて倫理的な悪行為に対す る非難感情 は,女
性 よ りも男性 の方 が強い と言 えた。 厳罰志 向性尺度 について,1%水
準で有意差 が見 られ た(″2.615,泌
265,メ
.01)。 した が つて厳罰 志 向性 は,女
性 よ りも男性 の方 が強い と言 えた。 33表4‐
3
男女別 における尺度得 点の平均値n
平均標準偏差
F値
(“
ι値(“
加 害者非難 男 女 74 193 2.64 2.43 0。52 0。44 3.039 (73,192) 3。270・・ (265) 加 害者非難 (社会 的制裁) 男 女 74 195 3.47 3.28 0。65 0.54 1.327(73,190
2.341*06つ
加 害者非難 (個人 的制裁) 男 女 74 198 1.81 1.58 0.69 0。52 10.154 (73,197) 2.586カ(100
加害者家族非難 男 女 71 187 2.73 2.45 0.65 0.59 0.328(70,180
3.359・'(250
加害者家族非難 (家庭環境非輸 男 女 71 188 2.86 2.54 0。71 0.67 0。162 (70,187) 3.346・・ (25つ 加害者家族非難 (家族成員非輸 男 女 73 189 2.60 2.35 0.66 0.58 0。217
(72,180
3.012・・(260
倫 理 的非難 男 女 71 191 3.34 3.14 0.57 0.53 0.012(70,190
2.686彙*(260
厳罰 志向性 男 女 73 194 3.50 3.27 0.68 0.62 0。941
(72,193) 2.615'・ (265) 注:シ
く。05, サκ01 また,上
記 以外 に直接 支援 経 験 の有 無や 支援 年 数 の長 短 な ど,様
々 な群分 けを行 つて平 均 値 の差 の検 定 を行 つたが,有
意 差 は見 られ なか った。本研 究ではまず