• 検索結果がありません。

第7回日本小児耳鼻咽喉科学会

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "第7回日本小児耳鼻咽喉科学会"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

269  第7回日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会 は,平成24年6月21日(木)∼22日(金)の2日間に わたり岡山コンベンションセンター(岡山市)におい て開催されました.梅雨の季節でもあり,天気予報で は大会開催中は雨で,6月としては稀なことに台風4 号,5号がそれぞれ大会の前日と2日目に岡山に接近 するという最悪の予測でした.大会初日は予想通り雨 になりましたが,2日目は“晴れの国”岡山という名 前に相応しい五月雨(梅雨)の間にみられる晴天とい う五月晴れになりました.  当日の受付者数は493名で,研修医及び学生は15名と 500人を超える参加者を岡山の地に迎えることができ ました.会長として,この学会の前身の日本小児耳鼻 咽喉科学会研究会を2005年に大阪で担当させていただ きましたが,岡山で開催できることは望外の喜びでし た.今回は学会として7年目で,子供でいえば小学1 年生になり,新たな段階を入ります.この時期に学会 として担当できましたことを本学会理事長をはじめ役 員,会員の先生方に心より感謝申し上げます.  本学会のテーマは,「未来ある子どもたちのために」 とさせていただきました.学会ポスターも,明るい未 来に向かって歩んでいく子どもたちを耳鼻咽喉科医が 見守りたいという思いを込めて制作致しました.特別 プログラムとして,特別講演を1つ,シンポジウムを 2つ,手術手技セミナーを2つ企画しました.また, 一般演題は124と多くの申し込みをいただき,2日間2 会場で過密な日程になりました.  特別講演は奈良女子大学保健管理センター教授の高 橋裕子先生が「未来ある子どもたちをたばこから守る ために」というタイトルで美しい和服姿で行われまし た(写真1).司会には自治医科大学耳鼻咽喉科教授の 市村恵一顧問に,先生の理事長時代に高橋先生をご推 薦いただいた縁でお願いしました.小学生・中学生の 喫煙率は最近低下していますが,受動喫煙の問題もあ り,まだまだ対策が必要とのことでした.また,海外 招聘講演では,台湾より Taipei Medical University の Fei-Peng Lee 教授をお招きして,「Congenital aural atresia and stenosis associated with cholesteatoma」 というタイトルでご講演いただきました(写真2).  シンポジウム1は「小児難治症状への対応」という

第7回日本小児耳鼻咽喉科学会

The 7th Annual Meeting of the Japan Society for Pediatric ORL

会長 西

和 則

(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学)

Kazunori Nishizaki (Department of Otolaryngology and Head & Neck Surgery, Okayama University Graduate School of Mediaine, Dentistry and Pharmaceutical Sciences)

岡山医学会雑誌 第124巻 December 2012, pp. 269ン270

平成24年7月受理 〒720-8558 岡山市北区鹿田町2-5-1 電話:086-235-7307 FAX:086-235-7308 Eンmail:nishizak@cc.okayama-u.ac.jp 写真1 写真2

(2)

270 タイトルで,岡山大学小児科教授の森島恒雄先生と国 立成育医療研究センター耳鼻咽喉科の守本倫子先生に 司会をお願いしました.各分野における難治症状とし て,耳漏は富士市の上出洋介先生が,鼻閉は獨協医科 大学越谷病院の吉村剛先生が,睡眠時無呼吸は新潟大 学の相澤直孝先生が,摂食・嚥下障害は鈴鹿市の森正 博先生が,咳は岡山医療センター小児科の久保先生が シンポジストを務められました.司会を小児科医であ る森島先生にお願いした意図通り,小児科医と耳鼻咽 喉科医の認識の違いが明らかになり,活発な討論が司 会者とシンポジストの間で繰り広げられました.特に 脳性麻痺児に対する森先生の嚥下障害に対するリハビ リの取り組みは,小児科医にとっては非常に新鮮な取 り組みであるとの森島先生のお言葉が印象的でした. もちろん耳鼻咽喉科医にとっても斬新な内容で,より よい QOL を障害児に対して考えていく森先生の真摯 な姿勢には感銘を受けました.会場に詰め掛けた満員 の先生方に満足のいく内容であったのではないかと思 います(写真3).  シンポジウム2は「発達評価から読み解く難聴児の 現状」というタイトルで,札幌医科大学耳鼻咽喉科教 授で当学会の理事長の氷見徹夫先生と福岡大学耳鼻咽 喉科教授の中川尚志先生に司会を担当していただきま した.新生児聴覚スクリーニングがわが国の行政レベ ルで初めて岡山県において開始されて既に10年が過ぎ ました.新生児聴覚スクリーニングによる難聴の早期 発見・早期療育が難聴児の言語発達に与える影響の評 価とともに難聴児の現状と問題点を周知していただく よい機会になったと思います.さらに難聴児の言語発 達 の 評 価 方 法 と し て ALADJIN(Assessment of LAnguage Development for Japanese chIldreN)が紹 介されました.シンポジウムの最後に司会の氷見先生 が述べられましたが,小児難聴は一般耳鼻咽喉科医か らみると,馴染みの薄い領域です.この学会のテーマ は「未来ある子どもたちのために」ですが,難聴児の 未来が希望溢れるものとなる世界を願望するシンポジ スト,名古屋市立大学の高橋真理子先生,札幌市の新 谷朋子先生,秋田県立リハビリテーションの中澤操先 生,岡山大学の片岡祐子先生と追加発言の岡山大学病 院の藤吉昭江先生との篤い思いが伝わってきました. くしくもシンポジストおよび追加発言者が全員女性 で,女性の社会進出を経て,時は今,女性の時代に歴 史は動いていることを予感させる意義深い五月(旧暦) のシンポジウムになりました(写真4).  手術手技セミナーは,宮崎大学耳鼻咽喉科教授の東 野哲也先生の司会で 「小児の人工内耳困難症例への対 処」を岡山大学の福島邦博先生に,川崎医科大学耳鼻 咽喉科教授の原田保先生の司会で「乳幼児の呼吸障害 に対する対応 ― 喉頭軟弱症,睡眠時無呼吸から気管狭 窄まで外科的対応を中心に」を兵庫県立こども病院の 阪本浩一先生に豊富な動画とともに講演していただき ました.その他,モーニングセミナー1つ,ランチョン セミナー4つ(このうち海外演者2人)を行いました.  学会テーマである「未来ある子どもたちのために」 に,今学会が小児耳鼻咽喉科医療の発展を通して少し でも貢献できたのではないかと考えております.来年 の第8回日本小児耳鼻咽喉科学会は群馬大学小児科教 授の荒川浩一先生が会長で,前橋市の前橋テルサで 2013年6月20日,21日の両日に開催予定です.研究会 から学会になって初めて小児科の会長で開催されます ので,従来とかなり違った内容になることが期待され ます.日本小児耳鼻咽喉科鼻科学会が,小児科医と耳 鼻咽喉科医のさらなる交流の場となることを祈念して おります. 写真3 写真4

参照

関連したドキュメント

2)医用画像診断及び臨床事例担当 松井 修 大学院医学系研究科教授 利波 紀久 大学院医学系研究科教授 分校 久志 医学部附属病院助教授 小島 一彦 医学部教授.

 尿路結石症のうち小児期に発生するものは比較的少

工学部の川西琢也助教授が「米 国におけるファカルティディベ ロップメントと遠隔地 学習の実 態」について,また医学系研究科

東医療センター 新生児科部長   長谷川 久弥 先生.. 二酸化炭素

The results showed that Burow’s solution had larger average zones of inhibition than the other antibacte- rial agents (gentian violet). No difference was found in the

講師:首都大学東京 システムデザイン学部 知能機械システムコース 准教授 三好 洋美先生 芝浦工業大学 システム理工学部 生命科学科 助教 中村

Photo Library キャンパスの夏 ひと 人 ひと 私たちの先生 文学部  米山直樹ゼミ SKY SEMINAR 文学部総合心理科学科教授・博士(心理学). 中島定彦

山本 雅代(関西学院大学国際学部教授/手話言語研究センター長)