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住宅における熱・空気環境の研究ー快適・健康な省エネ住宅の実現を目指してー

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(1)

住宅における熱・空気環境の研究ー快適・健康な省 エネ住宅の実現を目指してー

著者 吉野 博

(2)

住宅における熱・空気環境の研究

ー快適・健康な省エネ住宅の実現を目指してー

東北大学大学院工学研究科 都市・建築学専攻 教授 吉野 博

2012年3月17日

最終講義

1

(3)

1-略歴

2-年代と研究テーマ

3-東大生研時代の研究'気密性能の測定と評価(

4-室内熱環境の調査と評価'脳卒中と室温(

5-空気環境と健康(シックハウス、ダンプビル(

6-自然エネルギー利用(パッシブソーラ、半地下住宅(

7-中国の都市住宅における環境とエネルギー

8-現在の研究と今後の課題

講義内容

2

(4)

略歴

1948'昭23(東京生まれ 1966'昭41(東京都立小石川高等学校卒業 1971'昭46(横浜国立大学工学部建築学科・卒業 1973'昭48(東京大学大学院工学系研究科修士課程・修了 1974'昭49(東京大学 助手'東大生研(として採用'26才( 1978'昭53(東北大学 助教授(工学部・建築学科) '30才( 6/12 宮城県沖地震発生 1988'昭63(ローレンスバークレー研究所'10か月('40才( 1992'平4( 東北大学 教授(工学部・建築学科) (44才) 「住まいと環境 東北フォーラム」設立 2002'平14(湖南大学顧問教授、同済大学兼担教授 2008'平20(東北大学 ディスティングイシュトプロフェッサー(3年間)'60才( 2012'平24(定年退職 3

(5)

時代と研究テーマ 1/3

20代(1968-) 東大生研 大学院生から助手へ 1(卒論:住宅エネルギー消費量'給湯の同時使用率( 2(卒計:総合病院の設計 3(博論:住宅設備の性能評価に関する研究 ,主としてエネルギー消費と住まい方の観点からー a) 相関網、性能グレード b) 実験住宅における住宅実験 c) エネルギー消費 d) 換気・暖房実験 e) 気密性能測定 4

(6)

時代と研究テーマ 2/3

30代(1978-) 東北大学 助教授 1(住宅熱環境調査 '東北地方都市の温熱環境測定、脳卒中と室温、各種の住 宅性能測定、R2000住宅、結露問題、室温と住環境調査( 2(自然エネルギー利用 'パッシブソーラーシステム評価、クールチューブ、半地下住 居、アースシップ、パッシブソーラ住宅( 40代(1988-) 東北大学 教授(1992) 1(換気システム評価'COMISプログラム開発(LBNL)、換気効率( 2(断熱気密化住宅の評価'室内環境・エネルギー・健康・調湿( 3(省エネルギー手法の効果と分析 4(伝統的民家の熱環境測定 5

(7)

時代と研究テーマ 3/3

50代(1998-) 東北大学大学院 教授 1(シックハウス問題'室内環境と健康、建築材料と室内環境( 2(換気システム評価 '換気実験棟による評価、換気量測定、コミッショニング( 3(住宅エネルギー消費全国調査 4(中国の都市住宅の温熱環境 60代(2008-) 現在 1(アレルギーと住宅環境 2(湿度の調節'調湿建材の評価、デシカント空調( 3(断熱改修'伝統的民家、自宅の断熱改修( 4(蒸暑地域の住宅環境とエネルギー消費量 'ベトナム、マレーシア、パナマ( 5(仮設住宅の室内環境問題 6

(8)

1-略歴

2-年代と研究テーマ

3-東大生研時代の研究'気密性能の測定と評価(

4-室内熱環境の調査と評価'脳卒中と室温(

5-空気環境と健康(シックハウス、ダンプビル(

6-自然エネルギー利用(パッシブソーラ、半地下住宅(

7-中国の都市住宅における環境とエネルギー

8-現在の研究と今後の課題

講義内容

7

(9)

東大生研時代の研究 1/4

住宅設備と関連する住宅の機能要素 ・これらの機能要素を 考慮して住宅設備を評 価することが必要。 ・室内環境の評価やエ ネルギー消費の研究で も同様。 ・室内環境研究の基礎 を学ぶ。 8

(10)

東大生研時代の研究 2/4

・測定項目、調査項目 などの洗い出しを行う 場合にチェックリスト として利用可能 9

(11)

東大生研時代の研究 3/4

KMC実験住宅→

Kodan Modular Coordination 池辺陽委員長のプロジェクト 実験住宅における住宅 実験 ・換気性能、暖房性能、 気密性能などの研究手 法を学ぶ ←KEP実験住宅

Kodan Experimental Projent 部品化住宅の実験住宅として 住宅公団が建設

(12)

東大生研時代の研究 4/4

 システムの位置づけ、今後の方向などを議論するときに有効。

 縦の欄は必ずしも関連は無い。 11

○現状の水準, ◎2~3年後の目標+ ●5年後の目標

(13)
(14)

気密性能の測定と評価 1/3

 送風機で外気を導入し、 そのときの風量と圧力差 から気密性能を測定  断熱性能は設計図書から 計算可能、気密性能は予 測できない 市販の気密 測定器 13 室内と屋外の圧力差 の測定 風量の測定 室内加圧用送風機

(15)

気密性能の測定と評価 2/3

部位別気密性能の測定結果 2本の線の間がその部位の気密性能を表す ビニールシートが ピンと張ったとこ ろ 14

(16)

15

気密性能の測定と評価 3/3

気密性能のグレード'床面積当たりの隙間の 相当開口面積で表示(と実測例の位置づけ

(17)

気密性能の測定・評価に関わる動き

1973 石油危機 1975 気密性能測定 1980 省エネルギー基準策定 1992 新省エネルギー基準告示 '相当隙間面積5以下が初めて規定( 1992 住宅の気密性能評定 1998 気密性能測定技能者養成制度 1998 ISO/TC163/SC1/WG10 気密測定法Convenor 1999 次世代省エネルギー基準告示 '基準強化:相当開口面積2及び5以下が規定( 2003 気密性能測定法のJIS規格 2009 ISO気密測定法改定 2008 改正省エネルギー基準告示'気密性能規定の削除( 欧米ではZEBへの動きの関連で気密化に対する関心が極めて高い 16

(18)

1-略歴

2-年代と研究テーマ

3-東大生研時代の研究'気密性能の測定と評価(

4-室内熱環境の調査と評価'脳卒中と室温(

5-空気環境と健康(シックハウス、ダンプビル(

6-自然エネルギー利用(パッシブソーラ、半地下住宅(

7-中国の都市住宅における環境とエネルギー

8-現在の研究と今後の課題

講義内容

17

(19)

室内熱環境の調査と評価 1/8

東北地方各地の各種住宅の測定を実施(155戸) A: 東北地方主要8都市の公社分譲住宅 (78戸、1979-1981) B: 山形県の農村部の住宅(30戸、1877-1978) C: 岩手県沢内村の住宅(9戸、1984) D: 仙台市近郊で断熱気密性能の比較的高いストーブ 暖房の住宅(7戸、1985) E: 仙台市近郊で断熱気密性能の比較的高い床暖房の 住宅(6戸、1985) F: 仙台市近郊の鉄筋コンクリートの集合住宅 (9戸、1985-1986) G: 仙台市及び盛岡市の断熱気密化住宅 (16戸、1994) 18

(20)

室内熱環境の調査と評価 2/8

沢内村耐雪住宅 山形県八幡町 仙台市新築住宅 供給公社住 宅'青森( 19

(21)

室内熱環境の調査と評価 3/8

室内温度の測定例 ・暖房停止後の温度効果が急激 ・足元の温度が10℃以下 ・居間以外の温度は0℃前後 打点式記録計を使用 20

(22)

室内熱環境の調査と評価 4/8

上下温度差, o C 室内外温度差, o C E F G A D C B 室内外温度差 上下温度差 r = No.7 No.12 A:東北地方主要8都市の公社分譲住宅 B:山形県の農村部の住宅 C:岩手県沢内村の住宅 D:仙台市近郊で断熱気密性能の比較的高い ストーブ暖房の住宅 E:仙台市近郊で断熱気密性能の比較的高い 床暖房の住宅 F:仙台市近郊の鉄筋コンクリートの集合住宅 G:仙台市及び盛岡市の断熱気密化住宅 室内の上下温度差と内外温度差 大容量の温風機が狭い部屋で 使用されている場合は温度差 が10℃以上にもなる 21

(23)

室内熱環境の調査と評価 5/8

1 2 3 4 5 床上1.1mの温度 12 15 18 21 24 上下温度差*1 10 8 6 3 0 グローブ温度差*2 -3 -2 -1 0 1 2 6 10 14 18 4 8 12 16 20 2 5 8 11 14 グレード 明け方の最低温度*3 寝室の温度(団らん時)*4 便所・廊下温度(団らん時)*4 団 ら ん 時 居 間 温 度 *1 床上1mの温度が20℃,外気温が0℃の時の値. *2 グローブ温度と床上1m温度との差. *3 外気温が0℃の時の値. *4 団らん時に,居間の床上1mの温度が20℃,外気温が0℃の時の値. ※ □(No.7)は断熱気密化住宅16件からはずした. 山形県郡部 断熱気密化住宅16件 高断熱・床暖房 □ 熱環境のグレード表に測定結果を位置づけることで、評価が可能 熱環境のグレード表 22

(24)

室内熱環境の調査と評価 6/8

札幌は東北の都市とは異なるが、青森は札幌に近い 札幌 八戸 青森 盛岡 秋田 宮古 横手 酒田 仙台 山形 福島 会津若松 いわき 府中 統計的な調査によって、地域的な相違を明らかに ・1982年(900)、1992年(400)、2002年(500) ・小学校の生徒の住宅 ・アンケート調査用紙、液晶温度計 23

(25)

室内熱環境の調査と評価 7/8

20年間で温度は上昇。断熱化と暖房の質の向上による。

20年間における温度'明け方の居間(の変化を知る

(26)

室内熱環境の調査と評価 8/8

20年間で札幌のみ消費量が減尐。他の都市は上昇。札幌 では断熱気密化の影響が大きい。 20年間における灯油消費量の変化を知る 0 500 1000 1500 2000 2500 札幌市 青森市 盛岡市 八戸市 横手市 本荘市* 宮古市 山形市 会津若松市 仙台市 酒田市 福島市 いわき 市 府中市 一冬の灯油消費量+㍑ /S ea son 1982年調査(903件) 1992年調査(402件) 2002年調査(514件) *1982年+1992年調査では秋田市を対象とした。 25

(27)

脳卒中の発症と住宅条件 1/6

 山形大学の医学部の眼科の先生と共同で、 衣食住と脳卒中の発症について調査。  対象は、山形県八幡町、朝日町、羽黒町  調査は1982年'八幡町と朝日町の比較(、 1983年'八幡町と羽黒町(に実施  脳卒中の標準化死亡比'男(は、八幡町:196、 朝日町:78.6  建物性能は八幡町がやや劣る。

脳卒中の発症と室内環境の調査

26

(28)

脳卒中の発症と住宅条件 2/6

 脳卒中死亡率の高い八幡町の方が居間の温 度は高い。従って、居間と寝室、便所の温度差 は、八幡町の方が大きい。  八幡町の方が薄着。みそ汁などの塩分摂取量 も八幡町の方が多い。

室内温度の比較

'約100件づつ(

27

(29)

脳卒中の発症と住宅条件 3/6

温度が急激に低下'居間から別の場所に移動(したときに、 血圧が急上昇。実際の居住状態で測定さえたのは初めて。

血圧、脈拍の測定

28 温度 最高血圧 血圧 平均血圧 最低血圧 心拍数 15 16 時刻(h) 17 18 30 25 20 15 10 5 温度 (℃ ) 脈拍数 (-)+血圧 (mmHg ) 250 200 100 50 0 朝日町・女性

(30)

脳卒中の発症と住宅条件 4/6

 環境改善のための啓発活動などを実施、 その効果を見るために4年後に同じ住宅で 室温などを再度、調査。  その結果、改善された住宅は尐ない。

啓発活動の効果

1(調査報告会 2(高血圧学級 3(健康祭 4(広報の配布 29 居間 寝室 便所

(31)

脳卒中の発症と住宅条件 5/6

寝室温度の82年と

86年の調査結果の

比較

 寝室については平 均で6.1℃から7.3℃ に上昇した。  個別にみれば右の 結果のとおり、15% の住宅で温度が高 くなった。 30

(32)

脳卒中の発症と住宅条件 6/6

室温と居住者の

感じ方

 「暖かい」と答え ている居間の平 均温度は14℃。  「やや暖かい」に ついては12℃前 後。  低い温度にも拘 わらず満足して いる。 31 居間の場合

(33)

断熱気密化と室内環境・エネルギー消費 1/7

高断熱・高

気密住宅の

調査'446戸、

1993(

 多くの住宅 で快適に なったことが 報告 0 20 40 60 80 100 1 2 3 4 5 6 7 8 9 北海道(26) 東北地方(311) その他(109) [%] 1 暖房時間が減った 2 朝の起床が楽になった 3 裸足で過ごすようになった 4 子供や高齢者の室内での活動範囲が増えた 5 外出が億劫でなくなった 6 夜のトイレが億劫でなくなった 7 静電気がよく生じるようになった 8 特に変化なし 9 その他

居住者の住まい方の変化

32

(34)

断熱気密化と室内環境・エネルギー消費 2/7

 健康への良 い影響が あった住宅 は40%。  風邪をひか なくなった、 神経痛・腰 痛・肩こりが 無くなったな どの回答。

健康への良い影響

33

(35)

断熱気密化と室内環境・エネルギー消費 3/7

 健康への悪い 影響があった 住宅は15%。  乾燥肌、喉な どの問題が指 摘。

健康への悪い影響

34

(36)

断熱気密化と室内環境・エネルギー消費 4/7

35 10 20 30 40 50 60 70 80 相対湿度, % 2 3 4 5 6 7 *各点は一住戸のデータを示す (r=-0.29) 居間(団らん時) 10 15 20 25 30 温 度, C 2 3 4 5 6 7 湿 度 感 に 対 す る 評 価 , -*各点は一住戸のデータを示す ど ち ら と も い え な い 非 常 に 乾 い て い る (r :相関係数) (r=0.23) 居間(団らん時) 特に被害なし 健康への影響あり 建物の被害あり

(37)

断熱気密化と室内環境・エネルギー消費 5/7

高断熱住宅

の暖房エネル

ギーは減るか

 多くの住宅に おいて既築住 宅の平均値 よりも増加  一室間欠暖 房から全室連 続暖房への 影響が大。

暖房用エネルギー消費量の比較

36

(38)

断熱気密化と室内環境・エネルギー消費 6/7

 一般住宅と 同じ暖房負 荷で全室連 続暖房を行う ためには R2000住宅の レベルが必 要

断熱性能と暖房負荷の計算結果

37

(39)

断熱気密化と室内環境・エネルギー消費 7/7

 仙台市に建設されたカナ ダR2000仕様の住宅'壁の 断熱厚さ20cm(の暖房用 エネルギー消費量は、東 北の平均値よりも尐ない。

R2000住宅のエネルギー消費量

38

(40)

1-略歴

2-年代と研究テーマ

3-東大生研時代の研究'気密性能の測定と評価(

4-室内熱環境の調査と評価'脳卒中と室温(

5-空気環境と健康(シックハウス、ダンプビル(

6-自然エネルギー利用(パッシブソーラ、半地下住宅(

7-中国の都市住宅における環境とエネルギー

8-現在の研究と今後の課題

講義内容

39

(41)

シックハウスの室内環境と改善 1/10

医学・薬学・心理学・疫学の専

門家と10年間の共同研究

調査期間:2000年以降 調査対象: 宮城県内のシックハウスと 疑われた住宅62軒'延べ104軒( 調査項目: 室内化学物質濃度、換気量の測定 アンケート、ヒアリング調査 他覚的臨床検査 浮遊真菌濃度測定'2006~( シックハウスと疑われる住宅 ①医師により化学物質の影響で健康被害が生じたと疑われた者、 ②過去のアンケート調査により化学物質過敏症が疑われた者が居住する住宅 40

(42)

シックハウスの室内環境と改善 2/10

ホルムアルデヒド濃度

の測定結果

ホルムアルデヒド濃度の累積頻度 シックハウス'62戸( 平均値:175.8μ g/m3 最大値:386.1μ g/m3 指針値超過率:82.3% 一般住宅'東北地方59戸( 平均値:114μ g/m3 指針値超過率:32.2% 国土交通省'2000( 平均値:87μ g/m3 指針値超過率:27.3% シックハウスの方が濃度が高い。 41

(43)

シックハウスの室内環境と改善 3/10

「SHS群」と「control群」の濃度比較

SHS群では、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、p-ジクロロベンゼン、TVOCが

有意に高濃度となった。 42

(44)

シックハウスの室内環境と改善 4/10

低年齢群における症状と化学物質濃度比較

粘膜・結膜、皮膚で「重症状」の幼児がいる住宅では、pジクロロベンゼン、ト

(45)

シックハウスの室内環境と改善 5/10

低年齢群の住宅・生活要因とキシレン濃度

キシレン濃度は、壁がビニールクロス仕上げの住宅、ワックス使用の 住宅で高いことが判明

(46)

シックハウスの室内環境と改善 6/10

低築年数とホルムアルデヒド濃度の関係'23軒(

減衰に時間が掛かっている。濃度が増加する例も見られる。 ピンクの線は対策'改装、換気システム変更(を実施した住宅 ←未使用の部屋のため換気不足 45

(47)

シックハウスの室内環境と改善 7/10

低築年数とTVOC濃度の関係'23軒(

減衰はHCHOに比べて早い。 ピンクの線は対策'改装、換気システム変更(を実施した住宅 ←衣類用防虫剤使用による p-ジクロロベンゼン ←衣類用防虫剤使用による p-ジクロロベンゼン 46

(48)

シックハウスの室内環境と改善 8/10

対策の内容と症状の変化

2 1 23 2 8 3 4 3 0 5 10 15 20 25 30 35 リフォーム/建材 リフォーム/換気 換気の励行 掃除の励行 薬品・家具などの除去、 持ち込む際の配慮 空気清浄機 食事療法、薬の服用 対策はしていない 軒数 改善、改善傾向 変化なし、悪化 5 4 3 11 2 29 2 3 症状の変化 29軒中23軒で症状 が改善/改善傾向 防虫剤・殺虫剤・ワックスなどの生活薬 剤用品の使用中止、家具の廃棄、持ち 込む家具への配慮など→11軒中8軒 で症状が改善/改善傾向 47

(49)

シックハウスの室内環境と改善 9/10

0 50 100 150 200 250 300 350 400 1

2-a 3 4-a 5-a 6 7-a 8-a 9-a 10

11-a 12-a 13-b 14 20-a 25 27 28 29 30 32 33 34 36 39 41 46

House ID Exh aus t airfl ow rates [m 3 /h] 0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 Air chan ge rate [1/h ] 2F 1F

Air change rate

Air change rate 0.5[1/h]

*Measurement of airflow rate in House 2, 4, 5, 7, 8, 9, 11, 12 were performed more than once

Exhaust airflow rate

*"1F" means "first floor", and "2F" means "second floor".

換気量の測定結果

換気回数は0.2から0.9回。基準法の0.5回を満たす住宅は23%。

不十分な換気は空気汚染の原因となる。不足の理由は入口出口 の汚れなどと推察。

(50)

シックハウスの室内環境と改善 10/10

外壁の換気口フィルターに埃 熱交換器のフィルターに虫

ダクトが熱交換器と接続していない ダクトが繋がっていない

(51)

50 『シックハウス症候群を防ぐには 長期に亘る実態調査をふまえて―』 吉野博、石川哲 編著 (東北大学出版会 2011年2月刊行) 《目 次》 1.はじめに 2,化学物質と電磁波の人体への影響ー症状を 中心としてー 3,有害環境化学物質の人体影響に関するしくみ 4.他覚的手段による診断法 5.医学的な治療法と今後の対策・対応 6.日本における行政的対応と国外のVOC規制 7.化学物質による空気汚染状態の測定方法 8.継続観察からみた室内環境・住まい方と症状 の変化 9.シックハウス症候群の病態の変化の追跡 ―室内で使用された化学物質が病態に及 ぼす影響ー 10.シックハウス症候群が疑われた子どもたちの 状況とその支援について 11.子どものシックハウス症候群 12.シックハウス症候群患者の簡単な自己 診断法 13.シックハウス症候群を軽減する方策とその 効果

(52)

51

換気システム性能実験 1/3

換気システム性能評価のための実験家屋

 パッシブソーラー ハウス試験家屋 を改造して2階建 てとし、各種の換 気システムを装 備。  シックハウスの 研究の機会に 1999年に完成。  各種の換気シス テムの性能評価 実験を実施。

(53)

52

換気システム性能実験 2/3

床下給気方式ハイブリッド排気システム

 温度差を利用し て換気するパッ シブ換気と必要 な時に運転する ファンを組み合 わせたハイブ リット換気システ ムの例  パッシブシステ ムとしての地中 埋設チューブと 床下空間を利用

(54)

53

換気システム性能実験 3/3

床下給気方式ハイブリッド排気システムの

場合の外気導入量

 床下を暖房 せずに1階 給気口の面 積を1/6に すると各室 にバランス よく外気が 導入できる 1F/E 1F/W 1F/H

(55)

住環境とアレルギー性疾患との関係 1/7

 アレルギー性疾患は年々増加。ヨーロッパでは、住宅の湿気・ 結露と関係があることが明らかにされている →ダンプビル問題 -> 住環境との関係について全国調査を開始'2007年から(

子どものぜん息の有病率の推移

出典:文部科学省「アレルギー疾患に関する調査研究報告書」'H19.3( 54

(56)

住環境とアレルギー性疾患との関係 2/7

Phase 1 アレルギー性疾患有病率調査 調査時期:2007.7~2010.11 調査規模:配布数 n=約30,300 回収数 n=8,338 対象 :全国の小学4, 5年生 【概要】 アレルギー性疾患の有無と種 類の把握。 Phase2の調査のための母集団 を確保する。 Phase 2 ケース・コントロール研究 調査時期:2008.2~2010.12 調査規模:配布数 n=2,884 回収数 n=1,866 対象 :Phase1の有効回答から選定 【概要】 アレルギー性疾患と居住環境 に関する詳細アンケート調査。 Phase 3 臨床的調査 調査時期:2008.11~2010.11 調査規模:冬期 n=88 梅雨期 n=105 秋期 n=76 対象 :Phase2から選定 【概要】 住宅の化学物質,微生物,温 湿度,換気量を測定。 測定期間中の住まい方や症状 についてのヒアリング調査。 Phase 1 簡易アンケート 児童のアレルギー性疾 患等の状況を把握 Phase 2 詳細アンケート アレルギー性疾患と居 住環境要因との関連性 を分析 Phase 3 実測調査 住宅の詳細な実態調 査を行い、居住環境が 症状へ及ぼす影響に ついて検討 55

(57)

住環境とアレルギー性疾患との関係 3/7

男子 女子 (16.1% ) (10.4% ) (33.9% ) (19.3% ) 男子 女子 (13.0% ) (10.9% ) (34.4% ) (16.0% ) 男子 女子 (12.8% ) (9.7% ) (32.7% ) (15.6% ) 男子 女子 (8.2% ) (8.6% ) (37.2% ) (13.0% ) 男子 女子 (12.1% ) (10.7% ) (31.9% ) (14.5% ) 男子 女子 (10.1% ) (5.6% ) (29.5% ) (14.1% ) 男子 女子 (12.5% ) (9.8% ) (33.3% ) (15.5% ) 九州・沖縄 0  25 50% 0  25 50% 0 25 50% 0  25 50% 項目 性別 ぜん息 結膜炎 鼻炎 アトピー 北海道 東北 関東 中部 関西・中国 全体 )) )) )) ) )) )) )) )) )) )) )) ) ) Phase 1 簡易アンケート調査結果 「アレルギー性鼻炎」の有病率が最も高く、次いで「喘息」や「アトピー性皮膚炎」 の割合が高い。各症状とも男子の方が有病率が有意に高いが、「鼻炎」の有病 率差は約10%で男女差が最も大きい。 56

(58)

住環境とアレルギー性疾患との関係 4/7

壁 N=1846 N=1846 N=1846 床 天井 窓・サッシ 押入れ 発生しない わからない 壁 床 天井 窓・サッシ 押入れ 発生しない わからない 結露(%) カビ(%) 水シミ(%) 度数 度数 度数 17 59 1363 642 260 居間 (複数回答可能) 122 126 78 42 32 41 27 寝室 (複数回答可能) 145 183 111 46 91 71 26 388 901 1225 55 40 28 49 83 21 180 196 380 829 1165 26 173 210 1362 688 293 106 109 51 0 50 100 0 50 100 0 50 100 0 50 100 0 50 100 0 50 100 Phase 2 詳細調査

結露・カビ・水シミの発生状況

 結露⇒カビ⇒水シミの順に申告割合が高かった。  全体では「窓・サッシでの結露の発生」が居間、寝室共におよそ70% であり、最も申告割合が高い。  窓・サッシ以外の部位:結露、カビは壁と押入れ、水シミは壁、天井 の申告割合が高めであった。 57

(59)

住環境とアレルギー性疾患との関係 5/7

窓サッシのみ/発生しない 1.54 1.01 一室(窓サッシ以外)発生/発生しない 2.30 1.64 両室(窓サッシ以外)発生/発生しない 7.80 ** 1.37 窓サッシのみ/発生しない 0.94 0.99 一室(窓サッシ以外)発生/発生しない 1.52 1.46 両室(窓サッシ以外)発生/発生しない 3.01 * 1.99 * 窓サッシのみ/発生しない ― 1 . 3 3 一室(窓サッシ以外)発生/発生しない 1.23 1.73 * 両室(窓サッシ以外)発生/発生しない 3.72 ** 2.48 ** 1 / 発生しない 0.62 1.18 2 / 発生しない 1.24 0.96 3 / 発生しない 0.83 1.74 * 1 / 発生しない 0.77 0.89 2 / 発生しない 1.39 1.23 3 / 発生しない 0.91 1.99 * 有意確率:** p<0.01+ * p<0.05 気道過 敏症 要因 持続性 せき Dampness Index (子供寝室) カビ シミ 交絡因子:性別+年齢+父親アレルギー+母親アレルギー+父親喫煙+母親喫煙+ペット+築年数+住宅形式+記 入季節+配布地域+周辺環境+換気設備 ※1:Dampness Indexは結露+カビ+水シミの発生個数を足し算したものであり+‘3’の場合は全て発生している と回答した住宅となる。 結露 Dampness Index※1 (居間) 0 2 4 0 2 4

ロジスティック回帰分析結果①

カビ・シミの「窓サッシ以外の両室(居間と寝室)発生」の ORは高く,症状に与える影響が大きい。 58

(60)

住環境とアレルギー性疾患との関係 6/7

Phase3 実測調査

湿度の測定結果

(61)

住環境とアレルギー性疾患との関係 7/7

60 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 500 1000 1500 2000 パーセン タイル 順位 [% ] ダスト中真菌濃度[CFU/mg] 0 1 10 100 1000 10000 パー センタイル順位 [% ] ダスト中真菌濃度 [CFU/mg] 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 5 10 15 パー センタイル順位 [% ] I/O比 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 20 40 60 80 100 パー センタイル順位 [%] RH70%超過率[%] ケース群 (n= 25) AVG. 1367.4 MED. 156.0 コントロール群 (n= 16) AVG. 675.4 MED. 149.8 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 5 10 15 パー センタイル順位 [% ] I/O比 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0 20 40 60 80 100 パー センタイル順位 [%] RH70%超過率[%] ケース群(n= 16) AVG. 50.3 MED. 314.0 コントロール群(n= 8) AVG. 74.1 MED. 119.7  梅雨期:ケース群>コントロール群 'パーセンタイル値が60%以上の範囲(  秋期:ケース・コントロール間で違いはみられない。

ダスト中真菌の測定結果

梅雨期 秋期

(62)

調湿建材の性能実験 1/4

61 チャンバー実験 でゼオライトパネ ルの調湿性能を 評価 '秋田県立大学( 断熱材 100mm 下地合板4.5mm アルミシート 塩ビ板 '設置の有無より調湿建材 の設置条件を変更させる( 調湿建材5.5mm 壁、天井、床の構成 10.00 10.00 10.00 10.00 1820 1820 2020 排気口 給気口 [mm] 2950 4850 空調試験室外 へ排気 2680 実験チャンバー 容積:4.6m3 内表面積:16.6m2 空調試験室: 20℃+50%RHに設定 電子天秤 サンプルパネル (0.303m×0.303m) 加湿用 トレー

(63)

調湿建材の性能実験 2/4

62

加湿した場合の相対湿度の時間変化

-5 0 5 10 15 20 25 0 1 2 3 4 5 6 7 8 Time (h) R el at ive hum idi ty c ha nge s ( % ) .

Case1 Case2 Case3 Case4 Case5 Case6 Case7 Case1(なし) Case3(天井) Case2(床) Case4(一壁面) Case5(二壁面) Case6(三壁面) Case7(三壁面、天井及び床) 相対湿度の変動 (%) 時間(h) 相対湿度の上昇は 最大1/3まで抑え られた。 相対湿度の上昇は、調湿材の面積が大きいほど抑えられる。

(64)

63

Exhaust Fan

Exhaust Fan

Zeolite Zeolite PanelsPanels Double Glazing (

Double Glazing (G3+A6+G3)G3+A6+G3)

[ mm ]

No.1

No.1 No.2No.2 No.3No.3

N N 1,000 1,000 2,000 2,000 1, 50 0 1, 50 0 Air Outlet Air Outlet

Electronic balances for measuring weight of a sampleElectronic balances for measuring weight of a sample

 

 panel and waterpanel and water

調湿建材の

性能実験

3/4

屋外の模型でゼ オライトパネルの 長期の調湿性能 を評価

(65)

調湿建材の性能実験 4/4

64 0 20 40 60 80 100 Nov. 0 20 40 60 80 0 20 40 60 80 100 F re q u e n c y [% ] No.1 No.2 No.3 Outdoor Sep. 0 20 40 60 80

Relative Hum idity [%]

Oct.

9月、10月、11月における相対湿度の頻度分布

両側にパネルを設置した場合に分布が狭くなり、調湿の効 果がみられる

(66)

1-略歴

2-年代と研究テーマ

3-東大生研時代の研究'気密性能の測定と評価(

4-室内熱環境の調査と評価'脳卒中と室温(

5-空気環境と健康(シックハウス、ダンプビル(

6-自然エネルギー利用(パッシブソーラ、半地下住宅(

7-中国の都市住宅における環境とエネルギー

8-現在の研究と今後の課題

講義内容

65

(67)

パッシブソーラーの性能評価 1/10

試験家屋を建設し、各種の

パッシブソーラーシステムの

性能を二つの部屋を用いて

実'1985-(

66

(68)

パッシブソーラーの性能評価 2/10

 二つの部屋を同一条件にして測定。室内温度

(69)

パッシブソーラーの性能評価 3/10

68 N N Room A 廊 下 Room B 5,200 5,660 260 100 2,500 360 910 2,600 7,170 360 220 220 [mm] 発泡ポリスチレン 200 mm 発泡ポリスチレン 100 mm 複層ガラス (G3+A3+G3) 複層ガラス (G5+A6+G5) ガラリ Floor of Room A Brick 300 Vinyl sheet Foam poly. 100 Mortal 20 Concrete 100

Room A Floor of Room B

Plywood 12 Foam poly. 100 Plywood 12 Air gap

(70)

パッシブソーラーの性能評価 4/10

 レンガのある部屋の方が温度の変化ははるか

に小さい。日射のない日でも、レンガのある部屋

(71)

パッシブソーラーの性能評価 5/10

 レンガを1.5倍、2段に重ねて床と壁に設置。三

重のガラス、夜間断熱の設置で、暖房が不要。

(72)

パッシブソーラーの性能評価 6/10

 一方の部屋はレンガ3段積み

 他方の部屋の使用を変えて性能を比較

(73)

72

パッシブソーラの

性能評価 7/10

 レンガのある部屋との 比較で、 外気温との 差を横軸、変動の大き さを縦軸にして、表示  右下にプロットされる仕 様ほどパッシブとして の性能が高い Temp. swing Daily mean temp.

(74)

パッシブソーラーの性能評価 8/10

レンガの厚さと変動の大きさの計算結果

 レンガの厚さは 10cm位までは、 変動が小さくな るが、それ以上 では効果が減 尐する。 73

(75)

パッシブソーラーの性能評価 9/10

窓の大きさと暖房負荷

との関係

 仙台では大きいほど 負荷は減尐、秋田で は、逆に増加。気象 条件によって窓の最 適な大きさがある。 74

(76)

パッシブソーラーの性能評価

10/10

75

レンガの厚さと暖房負荷

 仙台ではレンガが 厚くなるほど負荷は 減尐。  秋田では、厚くなっ ても効果がない。

(77)

半地下室の熱性能評価 1/6

76

←アリゾナの乾燥地帯の 半地下住宅

(78)

半地下室の熱性能評価 2/6

パッシブハウスと同一 平面の半地下室を建 設し、長期実験を開 始 実験条件 1-雨戸を設置し日射なし 2-日射あり 3-連続暖房 4-間欠暖房 5-ドライエリア付き 6-温室付き 77

(79)

半地下室の熱性能評価 3/6

 一方の部屋の周囲には、地 下30cmの位置に厚さ10cm、 幅1.35mの断熱材を設置し、

(80)

半地下室の熱性能評価 4/6

 実験1と2の結果。二つの部屋の温度差は最大2℃。断熱 材のある方が冬は温度が高く、夏は低い。

(81)

80

半地下室の

熱性能評価

5/6

 水平に設置した断 熱材の直下の温度 は、そうでない場所 の温度と比べて、 夏は低く、冬は高い。

地中の温度分布の

測定結果

80 夏期 冬期

(82)

半地下室の熱性能評価 6/6

 数値計算による最 適な断熱形状の 検討  土間床、全地下室 との比較も実施 81

(83)

82

香川県財田町のアースシップ

井山自邸'酒田、設計:井山武司( 石井邸'仙台、設計:二郷精(

(84)

1-略歴

2-年代と研究テーマ

3-東大生研時代の研究'気密性能の測定と評価(

4-室内熱環境の調査と評価'脳卒中と室温(

5-空気環境と健康(シックハウス、ダンプビル(

6-自然エネルギー利用(パッシブソーラ、半地下住宅(

7-中国の都市住宅における環境とエネルギー

8-現在の研究と今後の課題

講義内容

83

(85)

中国の都市住宅における環境とエネルギ

1/10

主要な都市で住宅の

室内環境とエネル

ギーを調査'1990-(

夏暑冬冷地域 温暖地域 夏暑冬 暖地域 厳寒地域 寒冷地域 北京 ハルピン 西安 長沙 上海 香港 重慶 ウルムチ 昆明 84

(86)

中国の都市住宅における環境とエネルギ

2/10

暖房使用率の日変化

 地域暖房が無い都市では、夜間に暖房

0

20

40

60

80

100

0:00

3:00

6:00

9:00 12:00 15:00 18:00 21:00 0:00

暖房使用率

%

ウルムチ 西安 長沙 重慶 上海 昆明 香港 北京 85

(87)

中国の都市住宅における環境とエネルギ

3/10

86

液晶温度計による団らん時の室温測定(冬期)

 地域暖房のある都市では20℃。地域暖房がない都市では 10-15℃と室温が低い

(88)

中国の都市住宅における環境とエネルギ

4/10

87 0 20 40 60 80 100 R a la ti v e H u m id it y (% ) Living room Bed room Outdoor 0 5 10 15 A b so lu te H u m id it y (g /k g ') -20 -15 -10-5 0 5 10 15 20 25 30 T e m p e ra tu re (亷 )

Living room 1.1m Bed room

Living room 0.05m Living room 1.1m Bed room Outdoor Outdoor Living room 0.05m 1/2 1/3 1/4 1/5 1/6 2004

ウルムチの住宅における温湿度変化

 室温は20℃でほぼ安定している。しかし、湿度が20%で低い。

(89)

中国の都市住宅における環境とエネルギ

5/10

88 0 20 40 60 80 100 R e la ti v e H u m id it y (% ) Living room Bedroom Outdoor -5 0 5 10 15 20 25 T e m p e ra tu re (℃ ) Living room1.1m Bedroom Living room0.05m Living room1.1m Bedroom Outdoor

Outdoor Living room0.05m

1/8 1/9 1/10 1/11 1/12 2003 0 5 10 15 A b so lu te H u m id it y (g /k g ')

長沙の住宅における温湿度変化

 室温は大きく変化し、暖房時に15℃に上昇  湿度は、非暖房時に80%まで上昇

(90)

中国の都市住宅における環境とエネルギ

6/10

89 0 20 40 60 80 100 R e la ti v e H u m id it y (% ) Living room Bedroom Outdoor 0 5 10 15 A b so lu te H u m id it y (g /k g ') -5 0 5 10 15 20 25 T e m p e ra tu re (℃ ) Living room1.1m Bedroom Living room0.05m Living room1.1m Bedroom Outdoor

Outdoor Living room0.05m

1/17 1/18 1/19 1/21 1/22

2003

重慶の住宅における温湿度変化

(91)

中国の都市住宅における環境とエネルギ

7/10

90 地域暖房のある都市と無い都市が大きく異なる

(92)

92 0 20 40 60 80 100 -60 -40 -20 0 20 40 0 50 100 150 200 250 300 -20 -10 0 10 20 30 40 照明 照明 12月 その他 暖冷房 ガス 冷蔵庫 娯楽&情報 上海:住宅2 外気温 居間温度 暖房および給湯のエネルギー消費量を含まず 温度 [℃ ] 居間温度 外気温 ガス 冷蔵庫 娯楽&情報 その他 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 2006年 2007年 エネルギー消費量 [M J/ 日 ] ハルビン:住宅5

上海の住宅における年間エネルギー消費量と室温

 用途別のエネルギー消費が明らかに。省エネ対策も可能。

中国の都市住宅における環境とエネルギ

8/10

(93)

中国の都市住宅における環境とエネルギ

9/10

93

各都市の暖房冷房負荷の計算結果

(94)

中国の都市住宅における環境とエネルギ

10/10

94

省エネルギー対策を施した場合の効果

 暖房負荷の大幅な削減が可能 2重LowE ガラス

(95)

1-略歴

2-年代と研究テーマ

3-東大生研時代の研究'気密性能の測定と評価(

4-室内熱環境の調査と評価'脳卒中と室温(

5-空気環境と健康(シックハウス、ダンプビル(

6-自然エネルギー利用(パッシブソーラ、半地下住宅(

7-中国の都市住宅における環境とエネルギー

8-現在の研究と今後の課題

講義内容

95

(96)

サステナブルな住宅に向けて 1/7

96

サステナブル実験住宅における長期測定

(サステナブルハウスプログラム研究会でのプロジェクト) 延床面積:240㎡、所在地:仙台市北部 デザイン:古民家(曲家)をイメージ

(97)

・熱損失係数:0.86W/㎡K ・給湯方式: ソーラー温水器 ・気密性能:0.94cm2/m2 HP式電気温水器 ・換気方式:第1種24h熱交換換気 '深夜電力利用( ・暖房方式:1F蓄熱床暖房 ・冷房方式:エアコン (深夜電力利用)

サステナブルな住宅に向けて 2/7

屋外側 室内側 断熱材(GW) 384mm ヒーター 断熱材(EPS) 100mm 普通板ガラス3mm×3 +6mmガラス 木製サッシ+ プラスチックサッシ 空気層:クリプトンガス 熱貫流率0.68W/㎡K 97

(98)

サステナブルな住宅に向けて 3/7

98 0 10 20 30 40 50 60 70 年積算エ ネ ルギ ー 消費量・ 発電電力量 [G J /y e a r] 消費量 発電量 東北地方 統計値 0 100 200 300 400 500 600 床面積当たりの年積算エ ネルギ ー消費 量 [MJ/m 2 y ear] 暖房 冷房 給湯 厨房 娯楽情報 家事衛生 照明・その他 娯楽情報, 家事衛生, 照明を含む 消費量 東北地方 統計値 暖房:47% 厨房:22% 冷房:1% 娯楽情報:3% 給湯:3% 家事衛生:6% その他:17% 発電量/消費量:37% <用途別割合>

年積算エネルギー消費量

床面積当たり 住宅全体

(99)

サステナブルな住宅に向けて 4/7

99 デシカント空調機 上水 空調対象室 外気 排気 '高温・高湿( 床冷房パネル ヒートポンプ 温水(40℃) 不凍液(70℃) デシカントロータ 除湿 温水(65℃) '機械熱源( 集熱器 'パネル( 蓄熱槽 'タンク( 間接 気化式 冷却器 熱交換器 太陽熱を用いたデシカント空調機を設置し、一年を通して太陽 熱を利用し、省エネを図る。環境省補助金で本年度開始。

(100)

サステナブルな住宅に向けて 5/7

100  自宅を断熱改修した上 で、太陽光発電とガス コジェネを設置  「住まいと環境東北 フォーラム」のプロジェ クトとして測定中 買電 <電力不足時> 給水 照明など ガス 発電機 熱交換 貯湯槽 補助熱源 'ボイラー( 給湯 買電 <電力不足時> 買電 <電力不足時> 給水 照明など ガス 発電機 熱交換 貯湯槽 補助熱源 'ボイラー( 給湯 電力供給 排熱 ガスエンジン式 コージェネレーションシステム ⇒発電時の排熱を給湯熱源に利 用し、エネルギーのロスを低減 21.9m2 の太陽光発電パネル ⇒ 定格発電出力:3.04kW

(101)

サステナブルな住宅に向けて 6/7

101 0 5 10 15 20 25 30 35 40 エ ネ ルギ ー 消費量[k W ] -10 -5 0 5 10 15 20 25 30 室内外温度[℃] 電力 都市ガス 外気 居間 寝室 0 0.5 1 1.5 2 2.5 電力消費量[k W ] 照明他 給湯制御 家事衛生 娯楽情報 調理 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 発電量[k W ] CGS発電量 太陽光発電量 2010.2/22 2/23 2/24  天気が良ければ、電気は太陽エネルギーとコジェネで間に合う  暖房消費量は減尐したがゼロには程遠い。

(102)

サステナブルな住宅に向けて 7/7

102 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100 120 140 160 年間1次エ ネ ルギ ー 消費量[ G J /年] 電力 CGS発電用ガス 厨房用ガス 給湯用ガス 暖房用ガス CGS発電量 太陽光発電量 改修前 改修後 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100 120 140 160 年間2次エ ネ ルギ ー 消費量[ G J /年] 断熱改修後 断熱改修前 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 100 120 140 160 年間1次エ ネ ルギ ー 消費量[ G J /年] 断熱改修後 断熱改修前 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 年間C O2 排出量[ t-C O2 /年] 断熱改修後 断熱改修前 PV導入・断熱改修により、  CGS・PVにより、電力消費量の76%を発電  2次・1次エネルギー、 CO2排出量でそれぞれ 35%、38% 、38%と大きな削減

年間エネルギ消費量・

CO

2

排出量の断熱改

修前後の比較

2次エネルギー 1次エネルギー CO2排出量

(103)

仮設住宅の室内環境調査 1/6

原発避難区域 岩手県 13,984 13,984 319 13,984 100% 宮城県 22,095 22,095 406 22,095 100% 福島県 16,660 16,266 173 15,797 95% 茨城県 10 10 2 10 100% 千葉県 230 230 3 230 100% 栃木県 20 20 1 20 100% 長野県 55 55 2 55 100% 計 53,054 52,660 906 52,191 98% 現時点での 必要戸数(戸) 着工戸数 '戸( 建設団地数 '団地( 完成戸数 '戸( 完成率 原発避難区域を除いた沿岸部に 多く配置 仮設住宅は約5万戸、福島を除い て100%建設済 103

(104)

室内環境の課題 2/6

104 1-温熱環境 ・断熱材は付加されているが、窓は一枚ガラスの場合もあり ・鉄骨造では鉄骨が室内側に露出 2-結露・カビの発生 ・天井裏で発生した結露による水の滴り ・熱橋部、隅角部における結露とカビの発生 3-室内空気環境 ・建材、家具、開放型燃焼器具などからの汚染発生の可能性 4-隙間風・通風障害 ・冬季の隙間風、夏の通風障害 5-音環境 ・長屋形式のため、隣戸からの騒音 6-害虫の侵入

(105)

仮設住宅の室内環境調査 3/6

(106)

仮設住宅の室内環境調査 4/6

106 106

鉄骨造では鉄骨が

熱橋となり、室内温

熱環境に影響

断熱不足に

よる結露

(107)

仮設住宅の室内環境調査 5/6

107 107 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 2 3 4 6 8 9 21 22 25 26 29 36 44 45 53 58 64 81 83 91 102103111115117122127 測定対象住宅ID 二酸化炭素濃度 [p p m ] 換気量の目安 1000ppm 毒性指標 5000ppm  総じて二酸化炭素濃度が高い  中央値と75%タイル値が1000ppmを上回ったのは それぞれ7件(26%)と20件(74 %)  最大値が5000ppmを超えたのは17件(63%)

CO

2

濃度の測定結果

(108)

仮設住宅の室内環境調査 6/6

108 108 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 0 :0 2 3 :0 2 6 :0 2 9 :0 2 1 2 :0 2 1 5 :0 2 1 8 :0 2 2 1 :0 2 0 :0 2 3 :0 2 6 :0 2 9 :0 2 1 2 :0 2 1 5 :0 2 1 8 :0 2 2 1 :0 2 0 :0 2 3 :0 2 6 :0 2 9 :0 2 1 2 :0 2 1 5 :0 2 1 8 :0 2 2 1 :0 2 二酸化炭素濃度 [p p m ] 11月6日 11月7日 11月8日 0 5 10 15 20 25 30 0 :0 2 3 :0 2 6 :0 2 9 :0 2 1 2 :0 2 1 5 :0 2 1 8 :0 2 2 1 :0 2 0 :0 2 3 :0 2 6 :0 2 9 :0 2 1 2 :0 2 1 5 :0 2 1 8 :0 2 2 1 :0 2 0 :0 2 3 :0 2 6 :0 2 9 :0 2 1 2 :0 2 1 5 :0 2 1 8 :0 2 2 1 :0 2 温度 [℃ ] 0.000 0.002 0.004 0.006 0.008 0.010 0.012 0.014 0 :0 2 3 :0 2 6 :0 2 9 :0 2 1 2 :0 2 1 5 :0 2 1 8 :0 2 2 1 :0 2 0 :0 2 3 :0 2 6 :0 2 9 :0 2 1 2 :0 2 1 5 :0 2 1 8 :0 2 2 1 :0 2 0 :0 2 3 :0 2 6 :0 2 9 :0 2 1 2 :0 2 1 5 :0 2 1 8 :0 2 2 1 :0 2 絶対湿度 [k g /k g (D A )]

CO

2

濃度、温度、

湿度の測定例

 CO2濃度は 10,000ppmを超え る。  高い理由は開放 型燃焼器具の使 用

(109)

復興住宅の環境設計

(110)

はじめに

,配慮すべき内容・検討事項, 地域の特性を生かした省CO2型復興住宅を考えるにあたって 経済性に配慮しつつ環境・省ネルギーの観点から 最低限必要な条件および設計の考え方について整備する。 次世代省エネルギーを基準。それよりも一つ上のラ ンクを推奨。健康・快適性からも重要。長期に利用で きる性能を有するものとする。 代えじせ 1.高断熱・高気密と長寿命 地域の地形によって影響を受ける微気象に十分考 慮し、また、それを生かす。 5.微気象の考慮と利用 建築当初は小規模でも、“後から拡張できる”設計や スケルトン住宅も視野に入れる。シェルター性能に十 分配慮する。 3.成長できる住宅 高齢者が多いことから、安全・安心なデザイン、バリ アフリーデザインやシックハウス対策にも配慮。 2.安全・安心 パッシブシステムの積極的導入。太陽光発電などの エネルギー供給設備の検討'将来的に設置が可能 な設計(。住宅のゼロエネルギー化を目指す。 4.自然エネルギー利用の導入 暖冷房給湯の設置については最新の高効率機器を 導入する。 6.最適な住宅設備の導入 110 地域の特性を生かした省CO2型復興住宅の環境設計

(111)

【宮城】

111

東北地方の建築気候特性区分,2 市町村別特性区分と熱環境設計の要点

(112)

環境計画設計の手法一覧

112

地域の特性を生かした省CO2型復興住宅の環境設計

(113)

冬・夏のパッシブ手法

113

(114)

地域の特性を生かした省CO2型復興住宅の環境設計 114 ①基本温熱性能の確保 ②パッシブ手法の活用 ③効率的な換気暖冷房設備 ④自然エネルギー利用設備の導入 参考 ゼロエネルギー住宅について 1) 部分間欠暖冷房時のエネルギー消費と太陽光発電によるゼロエネルギー化の試算'自立循環型住宅の設計ガイドラインに基づく( 2) Ⅳ-4超*PV4kW*手法は、上記の手法①~④を最大限利用した場合、 Ⅳ-4*PV8kWは、基本温熱性能を等級4にしたのみの場合。 3) エネルギー基準値は、 2000年頃の標準的な4人家族2階建て住宅のエネルギー消費の概算値

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今後の課題

1(仮設住宅の環境改善手法

2(復興住宅環境計画'健康・快適な住宅(

3(ゼロエネルギー住宅の実証研究

4(居住者行動とエネルギー消費

5(住宅用デシカントシステムの開発

6(蒸暑地域における室内環境問題

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(116)

多くの方々からの、これまでの多大なる

ご教示、ご支援、ご鞭撻に対しまして、

心より感謝いたします。

ありがとうございました!

おわりに

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参照

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