<論文>消費者行動研究の方向
著者
中山 隆満
著者別名
Nakayama Takamitsu
雑誌名
経営論集
巻
12
ページ
27-58
発行年
1979-06-20
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005855/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja消 費 者 行 動 研 究 の方 向
中 山 隆 満 1. 序 われ われ は, 何故 消費 者行 動に 関心を もつ のであ ろ うか ? 販売業 者が気 にする のは売 上 高であ る。 売 上高 が上昇 す る と, 利益 も上昇 し , また売上 高 が落ち ると,利 益 も減 少す る。そ こで,販 売業 者は広 告 を多 くし よ うとす る。 販 売とはそ れ ほ ど単純 な ことな のであ ろ うか ? 大多 数 のマ ーケ ッタ ーも認 める ように ,そ れ は間違 ってい る。 マ ―ケテ ィン グはそ んな単 純 な世 界に存 在してい るので はない 。 人 が伝 える こと ので きる生 の販 売 デ ー タは,す べて モれ自体 で効果 的 な マ ーケ ティン グの意思 決定 をす るに は,十 分 な イン プ ッ トではない。 機 敏 な マ ーケテ ィン グの意思 決定 者は, そ の意思 決定 が長 期 の 戦略形 成 か, 調整的 戦術 か ,あ るい は 日々 の業 務 かに か かお る かど うか,い ずれの意 思決定 を す る ときに 乱 可 能 なと ころ は どこ で 乱 単 な る販 売 デー タの範囲 を 超え てそ れを なす。 こ の よ うな広い 見 方 がな け れば ,意 思決定 の 結果は,悪 くす る と大変 動 をひ き 起し, また良 くて 亀手 数 のか か る問 題を生 む であろ う。 競争 の激化 ,政 府 の財政 困難 , 消費 者が 次第に 悪賢 くな っ てい るこ となど, 多 くの理 由で マ ーケテ ィン グ開 題 は非常に 複 雑にな っ て きてい るし , またマ ーケテ ィン グ・ マ ネジ ャーが意 思 決定を す るときに, た だ単 に 売上 高 のデ ー タだけ に 頼 るこ とは危 険に さえな って き てい る。 市場 で 競争 に 生 き残 るため に は,意 思決 定 者 は売上 高 のデ ータの範 囲を 超え てそ れを な さ なけ ればな ら ないし , また(現在の,過去の,および潜在的)顧客 と製品( 自社製品と競合製品レ につい て, 次 の6 つ の疑 問 に答 え なけ れ ば ならない。 す な わち, 顧客 とは誰 であ るのか ? 顧客 は何を 必 要 とし てい るの か? 顧客 は どの よ うにし てそ れを手 に 入れた い と思 ってい る のか ? 顧客 はい つ モれ を 買い たい と思って い るのか ? 顧 客 は どこでそ れを 買い たい と思 っ てい る のか ? 顧客 は何故 それを 買い たい と思 ってい る のか ? こ れ らの疑問 に答 え るこ とに よってO み, マ ーケ ッタ ーは有 利 に消費 者 の必 要や 欲求を 正し く予 想し, またそれ らに反応することができるだろ う。売上高のデータだけ では,このような意思 決定に対し て十分な情報を提供し てくれない。 消費者用品 のマーケックーに とっては,上記の6 つ の疑問に解答を与える こ とが必要であり,消費 者行動研究 の知識と理解とを必要とする。次の例は こ のことを よく表わし ている。最 もよく売れていたト ップ・フ ードのあるア メリカの全国的製造業 者は,詳細に消費者分析を行な うことにし た。この製 造業 者は,その時優秀な販売成績をあげ ていたけれど 乱 将来のマーケティ ング努力に対するインプットとし て,人 口統計学的特徴を含むそ の特定の製 品 の購買者について何かを知 りたい と思った。 最初0 調査研究で,次のよう な予想 心し ていなかった事実が 明らかになった。すなわち, 1 頭当犬りのトッ プ・フードの消費は,犬 の頭数が最も少ない地域で最 も多かったこと,さら にそ の製品は比較的高価であったけ れど 乱 購買頻度 は,その年齢水準が比 較的 高いが,その所 得と教育水準が相対的に低い,そ のような市場 セグメン トにおいて最も高かったことである。これは,ある犬が例外的に よく食べて いた のだろ うか,それとも別の理由があったのであろ うか。その会社は,最 終的にそ の製品の購買者は多くの場合そ の製品 のユーザ ーであ ることを知っ た。 この特定のブラン ドのトップ・フードは,高蛋白質の食料を欲し てい る が高価な肉を買 う余裕のない人間であ る消費者に よっ て,大部分消費されて いたのであ る。 以上 の例は,極端なものであ り,効果的な意思決定をするためには販売 デ ータだけ では,しばしば不十分であるとい う大ざっぱな点を説明し たにすぎ ない。上記 の6 つの基本的な疑問に答えるこ とは,販売データだけに よって 与えられるものとは完全に異なった状況 の中辻そ の製品をおくことになる。 販売のデータは,マーケテ ィン グにおける効果的な意思決定に対し て,極め て重要なこれらの6 つ の疑問に答え ることにおい て部分的な援助だけしか与 えることができない。だが,上述の例は次の ような難解な点を示している。 すなわち,単なる顧客または消費者の人 口統計学的特徴につい ての研究は, 多くの場合に必ずし も十分であるとは限らないだろ うとい うことである。 たとえ,ほとんどすべての消費者行動研究 の欠くことのできない部分が年 齢,教育,あ るいは所得などのよ うな変数に関す る標準的な人 口統計学の情 報の収集 と分析であるとし て 乱 それだけでは十分であるとはいえない。製
品 の利用 者 と非利 用 者, また は上 得意 とそ うで ない 人 々につ い て の人 口統 計 学 的特 徴におけ る相違 は,典型 的 に伝 統的 な分 析手法 で 見出 さ 牲 うる。 こ の ような比較 は必 要 であ るけ れ ど 仏 消費 者行動を 理 解す るた め の十 分 な基 礎 とはな らない 。 前述 の 例で は,あ る製 品 の利用 者 は,非 利用 者 よ り年 寄であ り,教育 屯所 得 心低 い とい うこ とを 知 るこ とは,必 要 懲あ っ たが, 十 分で は な か づた。 製 品 の使用 行 動につ い て の“理 訂 ’を知 るこ とは ,意 思決 定 のた め には, より重要 な こ とであ った。 そし て, これは人 口統計 学 の分 析 の範囲 を 乗越 えてい くこ とに よっ ての み確 かめ られ えた のであ る。 前 述 の ト ップ・ フ ードの例 は,そ れ が 消費 者行動 研究 や マ ーケテ ィン グに どの よ うな関 係を もってい るのか を示 し てい る。 し かし かがち , 本稿 の狙い は 消費 者行 動研究 の概説を 試 み るとい うこ と よ り 乱 むし ろ 消費 者行 動研 究 の傾 向を 探 るこ とに あ る。 つ ま り, 消費 者行 動 の研究 に応 用 され てい る概 念, デ ータ, お よび 技法に 現 われっ っ あ る傾向 に 焦 点を し ぼ る。 端的 に いえ ば, 本稿 は 消費者 行動 の理論 的 研究 と応 用 研究 に 重 要なイ ソパ タ トを 与 えてい るか, また は与 えそ うな長 期的傾 向を 探 ろ うと す るもの であ る。 現在, 消費 者行 動 の研究 活 動 は, 広 さ,深 さ, お よび 活気 とい う点 て非常 に 活発であ る。 こ れ までに な く, 非 常に 多 くの関心 が こ の分野 に 集 まっ てい る。 消費 者行 動 は, アプp ーチ と概 念化 におい て大 きな 相違 を伴 った裾 野 の 広 い学問 か ら の実 務家 , 学究 者,お よび研究 者な どの豊 富 な研 究領 域 となっ てい る。 社 会学, 法 律学 ,建 築学 ,歴 史学 な どか ら, た だ サ ン プリ ン グに 触l れ るだけ の もの まで研 究 者た ち は, 現在 それぞ れ 自分 自身 の ユ ニ ー クな背 景 か ら消費 者行動を 研 究 す るこ とに熱 中し てい る。 こ のこ とは, 心 理学 や経 済 学 などの よ うな学問 が そ れ自身 の中 で区 別 で き, また研 究で き る分野 とし て, 消費者行 動 の存在 をや っ と認 めた10 数 年前 の状況 と は, はなはだ し く隔 た っ て いる。 恐ら く,そ の支 配的 傾向 は消費 者行 動研 究が 独立し た 研究 分 野 とし て認め ら れつつ あ る とい うこ とであ ろ う。 そ れ は, まだ成熟 し た もの とは考 え られ え ないけ れ ど 乱 消費 者行 動 の研 究 は, 最早や 独 立した 研 究分 野 とし て の地 位 を無 視 さ れえ ない も のとな ってい る。 そこで, 本稿 では, まず簡 単に 消費 者行動 研究 の歴史 的 考察を し, 次 に選
ば れたそのときどきの消費者行動研究 の傾向の大筋を とらえ,そして最後に 消費者行動研究におけ る将来の方向を探し 求め ようとす るものである。だが, 本稿では,消費者行動研究の文献に包括的な考察をなそ うとするものではな く,また消費者行動を研究するための統合的な枠組や理論を提案し ようとす 1) ることでもない。そのようなことは,すでになされた ものかお る。本稿の狙 いは,むしろ消費者行動研究における過去,現在,お よび将来の傾向に洞察 を与えることにあり,これらの傾向をつなぎ合せて解すれば, より効果的な マーケティン グの意思決定ができるであろ う。 2. マ ーケ ティン グに おけ る伝 統的 消費 者行 動 研究 消費 者行 動研 究にお け る現在 または将 来 の傾 向 につ い て の一 般的 な評価を 試 み る前に , まず はじ めに この領 域に おけ る若 干 の過 去の “伝 統的研究 ”, とくに マ ー ケテ ィン グ志向を もつ 伝統 的 研究 方 法を 簡 単に 概観 す ることが有 益 であ ろ う。 この よ うな 考察 は,そ の中 で 現在 の 消費 者行 動 の研究 活動 と方 向 を 評 価す る広 い 視野を 与 えて くれ るだ ろ うし, また同 様に 消費 者研 究 の将 来 の方向を 示 唆し て くれ るであ ろ う。 消費 者行動 の研究 につ い て は, これを4 つ の明確 な 時期 また は年 代に識別 す る ことが で きる。 これ らの時 期 は, そ れぞ れそ の時 期に 関連 したあ る1 つ の研 究 の伝統 を もつ ものとして ,漠然 と限定 され うる ものであ る。 これ らの 時 期 は, 集 合的 に消費 者行 動研 究に おけ る過 去 の 傾向 につ い て,そ れを取 り 囲 かお る1 つ の論議を 系 統立 て る枠 組 とし て役 立つ も のであ る。 こ れら4 つ の 時 期 は, 簡 単 明瞭に 初期 の時 代 (1950年以前), 探 究 の時代 (1950年代), 成 長 の時代 (1960年代), お よび 成熟 の時 代 (1970年代)に分け られ るだろ う。 これ ら の年代を10 年 刻 み とい う標 準的 な時 期に お よそ一致 さ せ るこ とは, やや 独断 的 であ るが,そ の 目的 は実 在 的 な も の よりも教育学的 な ものに あ る。 2) ここに採 用 され る枠 組 と消費 者行 動論 の自主 的 考察 にお け る シェ スや ワ ー 3) ド と ロバ ー トソンに よっ て用 い られ た枠 組 との 聞に は ,若干 の一 致し た とこ ろ があ る とはい え,そ の類 似性 は, 同様 に 内容 的 であ る よりも皮相的 であ る。 1) 初 期 の時 代 消費 者行動 のさ まざ まな側 面につ い て の研究 は,古 代 か ら行 なわれ てきた
よ うであ る。 例えば, 古代 の フ ェニキ アの商 人 は, 消費 者選好に 関す る情報 を 得るた めに地 中海 周辺 のさ まざ まな場 所 であ る種 の消 費者調 査を 行 なっ て い たこ とがは っ きり と記 録さ れてい る。 し かし , また ど んな重 要 な研 究 乱20 世紀の初 頭か ら組 織的に , また はっ き り とし た形 で行 なわ れ てこな かった よ うで もあ る。 た とえそ うであっ て 乱1930 年代 までは , 消費 者行 動に 関す る研究 は,比 較的 単純化 さ れた もの であ った よ うに思 わ れ, また ど んな理論’ 的 または概 念的 な基 礎 もなし にた だ ば らば らに 行な われ てい たに すぎ なかっ た。事実 ,“ 消費 者行 動(consumer behavior)” とい う用 語 自身 は, こ の時 ま で はど んな 評価 で きる範囲 に も用 い られて はい なか った 。 もち ろ ん, こ れに 対す る例 外 もあ った。 す なわち ,手 近 な 例 とし て, 1916年 に シ カゴ・ トリビ 4) ユーン に よっ て 出版さ れた 市場研 究 と ス トロン グの研 究 をあげ るこ とがで ぎ る。こ れら の研 究 は, まさに そ の例 外 であ った。 しかし なが ら,世 界大 恐慌 に 引続い て, 需要 が 再び表 面化 し はじめ ると, 消 費者行動研 究に おけ る強い 関心 が 現 わ れ始 めた。 実際 に わ れわれ が 消費者 行 動研 究 と名づ け る もの の多 くが, そ の土 台を築 い た め はこ の期間 中であ っ・ だ。 1930年 代 と40 年代 の消費 者行 動研 究 は, 次 の3 つ の 次元 また は伝 統的思 考に よっ て特 徴づけ ら れ る。 第1 に, 消費 者行 動に 関す る研 究 は経 済学 に偏 っ てい た。 こ の期間 中に 消 費 者行動を 研究 す るため に用い られた 理 論や 用 具 の多 くは, 産業 経済 学や農 業 経済学 か ら借 受け た も のであ った。 この 最初 の経 済学 への依存 は, マ ーヶ テ ィン ダの 多 くの側面を 特 徴づげ , また, こ れ ら2 つ の 学問 間 の強い 最初 の 結びつ きを示 し てい る。 第2 に, 消費 者研 究 は, 典型 的 に “何 故 が とい う理 由に より も,むし ろ “誰 れか とが どこで” とい う人々 場 所 に重 点を お い てマ クpi ・レ ベ ル で 行なわれ てい た。 第3 に, 消費 者研究 は実 用主 義的 であ り, 調査研 究結 果 の応用 に 大 きな関 心 があ った。 こ のこ とは ,一 部 に はな さ れた 消費 者研究 や公 表 され た消費 者 研 究の比較的 大 きな 割合(近年に比較して)が, 学 者 よ り 乱 む しろ マ ーケテ ィングの実 務家 に よって なさ れた とい う事実 に よっ て 亀明 らかであ ろ う。 さらに, 消費 者行動 研究 で 現在一 般 的 に 用い られてい る多 く の方 法や 技法 は,これ ら初期 の時代 に 開 発さ れ, 導 入 され た ものであ った。 消費 者 パネ ル
や 電 話 に よ る 調 査 な ど の よ うな デ ー タ収 集 法 は , 商業 的 に こ の 期 間 中 に導 入 さ れ た も の で あ る。 同 様 に , 要 因 分 析 や 回 帰 分 析 な ど の よ う な 多 変 量 解 析 法 は こ の時 に は じ め て 消 費 者 デ ー タに 応 用 さ れ た 。
要 す る に, 1930年 代 と40 年 代 は , こ の時 代 に 発 表 さ れ た 論 文 が “ 消費 者 の 再 発 見 (The Rediscovery of the ConsumJ か ’とい う表 題 で あ っ た と い う事 実
に もか か わ ら ず , 消 費 者 行 動 研 究 の 起 源 と な っ てい る よ うに 思 わ れ る。 2 ) 調 査 探 究 の 時 代 1950 年 代 は , あ る 研 究 者 た ち に ぱ 静 か な10 年 間 ” と 考 え ら れ て い た か も し れ な6) 消 費 者 行 動 研 究 に か か お り合 っ た 人 た ち に と っ て は 決 し て そ う で は な か っ た 。 消 費 者 行 動 が1 つ の 独 特 な 学 問 とし て 現 わ れ , ま た 個 々の 消 費 者 レ ベ ル で の研 究 の 価 値 が 認 め ら れ た の は , こ の10 年 間 で あ っ た 。 あ る 二 重 の 傾 向 か こ の 出 現 と 関 連 し て い た 。 お そ ら く , よ り有 力 な こ の 傾 向 の 側 面 は ,( 特定 の行 動上 の行為 の先行要因 ま た は原囚を決定し ようとする) 消 費 者 行 動 を 理 解 す る こ と に 重 点 を お く こ と で あ っ た 。 こ の よ りす ぐ れ た 理 解 を 得 た い と い う欲 求 は ,1950 年 代 に おけ る 支 配的 研究 方 法 とし て の“ 動 機調 査(motivation research)" の出 現 で 最高潮 7) に達した。深層面接や同じ ような臨床心理学の方法を通じ て,デ ィクターや ス ミ8) どのような動機づけの研究者たちは,アドラー,ジ ャンタ,フロイ ドなどのような精神分析学者たちによって蓄積 された概念に もとづいて消費 者行動を解釈し ようとし た。そ の後,動機調査は非科学的な 屯のとして評判 を落しだけれど 乱 動機調査の方法は 消費者行動=に対するモの後の研究に強 い イン パクトを与えたことは疑 う余地のないところであるら この傾向 の第2 の側面は, マーヶ ツターに よづて他の学問, とくに行動諸 科学からアイディアや概念を借 り受け, またそれらを 応用し たことであった。 推 測できるように,このアイディアや概念の借用 は, 密接に消費者行動を理 解し ようとす ることに関係があった。この期間中には√論文ぱ マーヶテ ィ 9) ンダC 消費者行動)に対する○○○ の貢献” とい うことに 集中 し た。 残念な が ら,多くの例では, この ような論文は,これらの他 の学問が, どのように して特定 の意思決定状況に有効な情報を提供することができるのかを明らか にするこ とができなかった。これらの論文は,しばし ば一般的な点を説明す るために,ただ逸事的証拠に頼るだけであったが,このような証拠はなんの
科 学的 根拠 も持 っ てい なか った。 それ に もかかわ らず, こ の探究 か ら,そ の 後 におけ る消費 者研 究 に豊 富に 応用 され る よ 引こなった 多 くの 有効 な知識 が 生 まれた。 し1950 年代 の後 半 は, また 他 の研究方 法0 出発点 とな り, そ の うち の最 も注 目に値 す る も のは, 消費 者 の場 所的 行動に 中心を お く も のi 旧里学的なマーヶ ティソダ・アプローチ) と リュ ア・ プロ グラ ミン グの よ うな マネジ メン ト ,サ イ エン スの 技法を 利 用し た ものとであ った。後 者 の方法 は1950 年 代に は, ま が そ の利 用 の 初期 であ った が, それ ら もまた, この時代 にお け る 消費 者行 動 研 究の借用 的 な性 格を示 し てい る。 要す るに ,1950 年 代 は √消費 者行動 研究に おけ る調査 探究 の時代 を 表わす ものであ っ た。そ こに は, マ クロ経済学 に基 礎を お く志 向 か ら個 々の 消費 者 に 生 胆 化 かあ った。 こ の期間中 に は, 消費 者行動研 究につ い て ,い くっ か の 概念的 基 礎が形 成 さ れた が,し かし これ らの基 礎が体系 的に , または実 証 的に研 究 さ れる よ うに な る まで は次 の10 年を 待 たなけ れば な らな か った。 3 ) 成 長 の時 代 もし1950 年 代 が 現代 の消 費者行 動研究 の形成 時代 で あ うだ とす るな らば,1960 年代 は 成長 の時代 であ るとい え よう。 こ の期の初 め に, 2つ の有 力な定
期 刊行 の学術 誌 が アy リ カにおい て生 まれた。 す なわ ち, Journal of Ad-vertising Research とJournal of Marketing Research で あ る。 こ れらの
学 術誌 は,共 に 消費者 行動 研究 の報告 にか な りのスペ ー スを さき, また 消費 者 行動研究 の情 報を 交換 す るた めの公 開 の場を 大い に 拡 大し た。 この成 長期 に は, そ の潜 在的 な応用 か ら離れて ,そ れ 自身 の 目的 とし て消 費 者行動 を研 究 す る ことが ,か な り重 視 され る よ うに な った ばか りでなく, ブ ームに さえ な った。 こ の こと は, おそ ら く一 部に は2 つ の はっき りとした タイプの 市場に 関 係 のない 人 々一 行 動科 学 者と マネジ メ ン ト・サ イエ ンス の 学者 を 次第に巻き込 んでい った ことにもよるであろう。これらの行動 科 学者とマネジメント・サイエンスの学者とは,自分たち 自身 の概念や技法 を一つの新しい研究領域に応用し ようと試みたのであ る。彼 らは,共にその 方 向とそ の重点に関しては消費者行動研究に大きなインパクトを与 えてきた し ,またそ の直接的な研究への貢献を通じてばか りではなく,間接的に他の
人 々 の(たとえば,-・−ヶ ツターたちの)研究 努力 に 与え るそ の 影 響力 に よ っ て もこれを 達成 し て きた。 一 般 的に は, 1960年代 は折 衷主 義 の時 代 だ とい わ れ た。研 究 者たち はそ の 豊 富 さに よって特 徴づけ られた。 い わゆ る“ 基礎的 な” 消費 者研究 の多 くは。 実 務家 に よって 乱 また学 者に よって も行 わ れた。 概 念や 技法 は,あ らゆ る 接 近し た学問 か ら無難 に借用 され, 利用 され , また乱 用 され た。 マT ゲ ッタ ーか お る概 念や 技法を 発見 し, あ る限 定 さ れた関 係や 選択 された関 係におい てそ れを 応用 し, また そ れが多 数 の研 究問 題に対 す る解 答 であ ると公表す る こ とは不確実 であ った。 かな りの時 間 と経 験を経 て のみ , これ らの概 念や技 法 の多 くは, 特殊 な問題 に対す る有 効 な研究 の寄せ 算 とし てそ の適 切な釣合 い の とれた関 係 の中にお か れ る ことに な る。 なお ,孤 立し た 概念や 技法, お よび 局部的 に集 中し た 消費 者 の調査 研究に 対 す るあふ れ る熱 意に もか かわ らず,い くっ か の伝 統的 研 究方 法 が1960 年 代 に 表面 に現 わ れ始 め た。 そ の 最 も重 要 な ものは, (1)マネジy ン ト・サ イエ ン ス と多変量 統 計技 法 の利 用増 大,(2)実 験室研 究や 笑 験的 調査 に対 す る関心 , (3)消費 者行動を 包括 的に モデル化 し たい とい う欲求 ,そ し て(4)適応 ・伝播O 過 程に 重点を お くこ と, の4 つ であ る。 これ らを さ らに 説 明す る と, 次 の よ うに な る。 (1)-r ネジ ノン ト・ サイエ ン ス と多 変 量統 計 技法七 は ,研究 者 たちが 消費 者行動を 研究 す るた めの 最 も有力 な分析 手法 を探 し 求め てい た ので, こ の10 年 間に 頻度を 増 して 応用 され た,あ る1 つ0 共 通的 な見 方 は, もし 消費 者研究 の問 題が 多変 量 解析 法か ら接 近 さ れな か ったな らば,そ れ は 余 りに も単純 に分 析さ れた であ る うとい うこ とで あ る。 (2)1960 年代 の中 頃に は, 若 干 の研 究 者た ち は消費 者行 動を研 究 す る場 合 に実 験デ ザイ ン手法を 用い 始 め た。 彼 らの 目的 は ,確信 の もてる因果 推 論を 可能 にす る十分 に制 御 され た条 件 の下 で 消費 者行動を 研究 す るこ と であ った。 (3)1960 年 代を 通 じて, し っか りとし た理 論的 基礎 か ら消費 者行動を 研究 す ることに 関心 が広 ま った。 こ の関心 は,結 局 よ り包括的 にし よ うとす る 消費 者行 動 の多 くの理 論 モ デルを 生 み出し た。 (4) この期 の終 り頃に は, 革新 の領域 新製品の伝播と改良 に おけ
10) るロジ ャーズ の研 究に関 心が 再び向 げ ら れた。 こ の研 究 題 目は,理論 と のか か り合い と同時 に実 践と のかか り合い を もっ てい た か ら,こ の領 域 におけ る研 究 は広 範囲 の朧 々の人 たち に よって 着 手 さ れた。 要す るに , 消費 者行動 の研究 は,1960 年 代 にや りがい のあ るマ ー ケテ ィン グ活動 とし て かな りの信頼を がち 得た ので あ る。 消費 者 の調査研 究 の急速な 発 展は, そ の後 の消費 者行動研 究に対 し て重 要 な基 礎 とな った。 こ の1960 年 代 の後半 に おけ る消費 者行動 の研究 で は,そ れ以 前0 す べ ての時 代におけ る よりも多 くの こ とが なし 遂げ られた。 こ のこ とか ら,1960 年 代 は 消費 者行 動 研 究の成 長 時代 であ った とい え よ う。 4 ) 成 熟 の時 代 消費者 行動 研究 とい う点 て, 明確に1970 年 代 を 特徴 づ け る こ とは余 りに も 早 す ぎるか もし れない が,あ る一 般的 な傾向 か ,す で に 認め られ うる。 た と えば, 消費 者 の調 査研究 の数 におい て は減 少 ぱ みられ ない 。 そし て これらの 傾向 の中 の最先 端 で は,成 熟 に向 って動 き続 け てい る。 消費 者研 究が 現にそ の 頂点に 達し てい るか , また はそ れに近 づ き さえし てい るとい う主張 は, な されえない し , また な され るべ きではない け れ ど 乱 消 費者行 動 研究が成熟 し 続け てい る とい うこ とは, ほ とんど疑 う余 地 が ない 。 換言す れば,そ れは 十 分に一 人 立ち で き る研究 分 野に絶 えず 発展し つ つあ る。 この成熟 に 対 す る傾向 は, 次の 例で説 明で き よ う。 第1 に, そ の研究 の関 連 性に十 分 な 根拠 を示 す 消費 者行動 の研 究 者たち の問 に は,責 任感 が高 まっ てい る。 消費 者行 動 の研究 は, 疑いを もった 驚 きや“ そ れが ど うし たとい う の が とい う段階を 越 え て前 進し て きた。 コ ス トと利 益 の分析 に よって消費 者 行動研 究を 定 量的 に正 しい とす るこ とは ,常 に でき ない だ ろ うけ れど 乱 そ れが当然 マ ーケテ ィン グ実 践や 理論に 有 効で あ り, またそ れ らに関連し て い るとい うこ とは一 般に認 め られ てい るこ とであ る。 第2 に, 研 究 者たち は,進 んで個 々の調 査 の結 論を 額 面 通 りに受け 入れ よ うとはし な い 。 消費 者行動 の研究 者たち は。 次第 に 度を 増し て研 究0 結論 に 到 達す るた め に用い られ る研 究方 法を 議論 す る よ うに な って きた。 このこ と は ,つ ぎ つ ぎに 前 の調査研 究 の批判 やそ の 解答 とな って 現 われ てい るとい う こ とにな る。 こ れ らの解答や 批 判(とくに,JMr井)に発表 されたさまざま な 性質 の態度モデルに関する意見のやりとりなどのようなもの)は, 消費 者行 動研究にお
け る信頼性 とそ の知 識 とを 助 長 させ るの に役立つ。 つ まり, そ れ らは共に成 熟 す る学問の兆 候 であ る。 第3 に,成熟 の内容 を補 足 す る も う1 つ の傾向 は, し っか りとし た 理論 的 基礎を もつ 研究 調 査 と大規 模 な進 行中 の研究 プ ロ グラ ムの一 部 であ る研究 調 査 とを 行な う趨 勢 であ る。 これ ら2 つ の特 徴は, また 成熟 す る学問 の前兆 と な る。つ まり, そ れ ら は,共 に よ りす ぐれ たデ ータ, より多 く の解釈 可能 な 結果,お よび より一般 化 で き る調 査 結果を 生 み出す0 であ る。 要す るに, こ の時代 の新 しい 事 柄 に より, 消費 者行 動研 究に おい て起 りつ っ あ る動 向を少し で も正確 に断 定す るこ とは困難 であ る。 こ のた めに は,多 少異な った関連 で これ らの動 向を 確 かだ と考 えるこ と の方 が 適切 であ ろ う。 これ らの同 じ ような動向 は ,次 節 におい てや や詳 細に 検討 す る こ とにす る。 消費者行 動の研 究 領域 の中 で報告 され る調査 の数は 一様 の 速 さで増 加し続 け てい る。 これ は 消費 者行 動研 究 の ダイ ナ ミザ ム(dynamism )を証 明し てい る。 同時 に,い くつ か の最近 の発展 はこの学 間内 の成 熟 への 傾向を 特 徴づけ
てい る。 この ような2 つ の発展 は,“ 消費 者研究 協会(:Association for ConsumerResearch )" の創 設 どJournal of Consumer Research" の 創 刊 となうた。
後 者は多 くの専 門協 会 が共 同で スポ ンサ ーとなっ てい るイ ン タ ーデ ィス プ リ ナ リー・ジ ャー ナルで あ り, また と くに消費 者行 動研 究 の フ ォラ ムとし て役 立つ よ うに生み 出 され たイ ソ タ ーデ ィス プリ ナV ー・ジ ャーナ ルであ る。 以 上, 消費 者行 動研究 を 類別 し て きた4 つ の時 代の 概観 か らみ る と, この 領域 におけ る研究 は, 現在 消費 者行 動を 実際 に理 解す ることに 関心 を 持 って い る ものに対 し て, ただ 記 述的 であ るにす ぎない ア プ 戸一チか ら発展し て き たこ とは 明らかで あ る。 だ が, も う1 つ の方 法を 説明 すれば , 消費 者行動研 究 は, 経済的方 向づ け か ら行 動的 方 向づけ へ と発展し てきたし , また現在 経 営的 な方向づけ の入 口にあ る とい え よう。 3. 消費者研究 における現在の動向 前節では簡単に 消費者行動研究の歴史的な考察をした が3 消費者行動研 究は成熟し続け てい る”とい う楽観的な結論で終った。しかしなが ら,こ乃 ことはマ¬ケテ ィソダにとぅ てど んな意味を もってい るのだろ うか ? さら に,それはマ ーケティン グ・マネジ ャーにとってなにを意味す るのであろう
か ? 消費 者 行 動 に 関 す る 研 究 は 発 展 し 続 け てい る の で あ る か ら, そ の 関 連 性 に お い て は 一 致 し た 関 心 の 高 ま りか お るだ ろ う。1 つ の 結 果 と し て , そ れ は よ り信頼 され , ま た よ り尊 重 さ れ る よ うに な るだ ろ う。 こ の 信 頼 の 高 ま り は , 次 か ら次 へ と ト ー タ ル ・ マ ー ケ テ ィ ン グ研 究 機 能 の よ り活 力 に 満 ち た 一 部 に な る消 費 者 行 動 研 究 に つ な が っ て い く だ ろ う。 また , こ の こ と は 消 費 者 行 動 研 究に 関 す る 費 用 と 同 様 に 重 み を 増 す こ と に な るだ ろ う。 要 す る に , マ ーヶ テ ィン ダ に 関 す る限 り, す べ て の 兆 候 か ら持 続 的 な 傾 向 が うか が え る 。 つ ま り,多 く の 企業 は , 早 く か ら意 思 決 定 過 程 に お け る 消費 者 研 究 に 多 くの 金 を 支 出し て い る。 しか し , 応 用 マ ー ケ ッ タ ー た ち は ど うし た の か ? こ の 高 ま る成 熟 か ら彼 ら に もた ら さ れ る利 益 は 何 か ? そ の 答 は 簡 単 で あ る。 す な わ ち , そ れ は よ りす ぐ れ た 意 思 決 定 能 力 で あ る。 消費 者 行 動 研 究 が 成 熟 す る にっ れ て , 研 究 者 たち は , コ ス ト と質 の点 か ら 意 思 決 定 に対 す る よ り適 正 な 情 報 を マ ー ケ テ ィ ング ・ マ ネ ジ ャ ー に 提 供 す る た め に , ます ます 洗 練 され た(1)概 念 (基礎理 論,枠組),(2)デ ー タ (基礎的原資料), お よび(3)技 法 ( 研究が それに よって達成 される手段) を 利 用 す る で あ ろ う。 そ こ で , 本 節 で は 消 費 者 行 動 の 分 析 に 現 在 応 用 さ れ て い る 概 念 , デ ー タ , お よび技 法 の 傾 向 を 考 察 し よ う。 こ こ で 取 上 げ る問 題 は , マ ー ケ テ ィ ン グ0 意 思 決定 者 に 対 す る そ の 潜 在 的 な 有 効 性 に 基 づ い て選 ば れ た も の で あ る。 1 ) よ り 高 度 の 知 識 や 経 験 を もつ よ うに だ っ て き て い る が , 実 用 主 義 的 な 傾向 高度 の 知 識 や 経 験 を も っ た 意 思 決 定 者 た ち は , ず っ と 以 前 か らあ る特 定 の 消費 者 行 動 調 査 が , 正 し く行 な わ れ て きた のか , あ る い は厳 密 な 研 究 と い う意味 で “ 有 効 性 (validity)" を 持 っ て い る の か ど うか を た だ 問 題 に し て き た ので は な い 。 む し ろ 現 在 で は , 彼 ら は, そ れ が 前 に役 に 立 っ た よ り も一 層 す ぐれ た 意 思 決 定 の 基 礎 に な るか ど うか とい う よ り広 い 観 点 か ら , 消 費 者 研 究を 評 価 す る 傾 向 か お る。 こ の こ と は 意 思 決 定 者 の 側 で 消 費 者 行 動 研 究 を 利 用す る と き に は , よ り 高 い レ ベ ル の知 識 や 経 験 を 豊 か に も っ て い る こ とを 表 わし て い る。 さ ら に , そ れ は , 消 費 者研 究 が 何 を 達成 す る こ と が で き , ま た 何を 達 成 す る こ と が で き な い の か を 知 る こ と と同 時 に , 消 費 者 行 動 研 究 に
:対す る理解を ますます深めることを表わしてい る。 同様に,研究設計の着手から最終の結果の解釈まであらゆる側面 の消費者 研 究に関して,消費者行動の研究者たち自身の間にも知識を増す傾向かお る。 この知識や経験を豊かにもってい ることの一部は教育・訓練からきている。 す なわち,諸大学では消費者行動研究におけ る特別な コースや科目を設け て い るだけ ではなく,専門セミナーも至 る所で開かれてい る。 この結果の1 つは。消費者行動研究に応用 されてい る高度に進歩した統計 ‘学的・。方法論的技法の数やタイプの急増となって現われたことである。 タロ ス・ズ クトル分析,間接要因分析,お よび正常相関などのような技法は, しばしば極めて有益な,興味をそそ りさえす る結果を 伴った消費者行動の研: 究で日常的 に用いられている。 だが,同時にこの ような表面的には難解な技法の応用を通じて貫かれてい る1 つ の実用主義の流れかお る。これらの技法は,これまで以上に注意深く 応 用 されてい る。その基礎をなす仮定は,それらの技法が適用される以前に 慎 重に考え られているばか りではな く,“ 同じ ように よい結果を生is, より 預 単なアプローチがあ るのであろ うか?” とい う疑問 が,しばしば探究され て い る。あ る例では,実際に検証を受け た古い 技法に戻ってし まった ものも あ り,それらの技法は,新しい技法ほ どの活力を持っていないかもしれない が ,表現し解読するこ とができ, また最も重要なことは理解でき実行できる 結果を生 みだすことである。 実質的には,消費者研究は次第に洗練され, またより実用主義的にたりつ っ あ る。多くの研究者たちは,現在強力な調査研究を 行な う技術的能力を持 っ てい るけ れど 乱 最も適切な手段を通じて1 つの課 題をなし遂げ ることを 促 進す るあ る程度の実用主義的な考えを もってい る。“あ る問題を探る技法” の アプロ ―チは少なく,まだ その技法は最 も洗 練さ れたものではないだろ うが,最 も適した ものであ る” とい うアプ=r −チは多い。 さらに,この次第に知識や経験を豊かに もつ ように だってきてはいるか, 実用主義 との結合は,結果とし て消費者研究の諸問題を考察するよりバラン スのとれた方法となってきた。研究者たちは,あ る特 定のマーケティング管 理 者の質問に対する可否の回答が,しばしば不十分な ものであるばかりでは たく,その質問自体が適切にたずねられていないこと 屯含んでいることに気
づ く ように なって きた。 次の 例は, 積 極的 な 消費者行 動 の情 報を 求 めて, 正 七い 質問をす るこ との重 要性 を示 し てい る。 価格 で見分け られ る品 質。 多 くの マ ーケ ッ ターたち は, 消費 者が 市 場 で 売買 され る製 品 の価格 とそ の製 品 の品 質 との間 の関 連 性を つ か んでい るの か ど うかについ て, 一度 は自問 自答 し た こ とか お るだ ろ う。し かし なが ら, モ の疑問 は,“価格 で と らえ られ る品 質に は関 連性 はあ るのか ツ ’ とい うこ と で はなく,むし ろ“ 価 格 と価格 で と らえ られ る品質と の関者 陸につ い て の本 質 とは何 か ?” とい うこ とで なけ れば な らない。 この よ うな立場 に おい て は, “ 可” またぱ 否” に よる回答を 求め る質問 は, 効果 的 な意思 決定 をす るた め には十 分に 役立 た ない だ ろ う。 比較 的一 般的 な3 つ の価格 で と らえ られ る品質 との 関 者 度は図1 に示 さ れ る。“ 可” また ぱ 否” の関 法 度に だけ 関心 を もって い るマ ーケテ ィン グ管 理 者は, 図1 に示 され てい る関 連性 のそれ ぞ れに対し で あ る”一 価格 で とらえ られ る品質 との関 連 性 かお る と答 え るだろ う。さ らに ,そ の管 理 者 は,お そ らく直 観的 に関 斎【生A に よっ ての み考 えて い るだ ろ う。す なわ ち, 価格が上 昇す るにっ れて, と らえ られ る品 質 はあ る一 定 の割合 で増大 す る。 しかし , もしそ の関 連性 が 実際 に はB かC であ ったな らば,そ の質問 に対 す る可否 の回答 をえ た後 に研 究を 終了 す るこ とはレ モ れ が意思 決定 を 誤 らせ る ことに な るか もし れ ない とい うこ とにおい て 被害が大 きくな るだろ う。 図1 3 つの潜在的な“価格とそれによって 知覚される品質との関連性” \ 1 価 格 に よ っ て 知 覚 さ れ た 品 質 価 格 → B
特価提供の効果。同様に,小売業 者や製造業 者によってなされる一般的な 質問は,小売店 のチラシ広告や新聞広告のクーポン,あ るいは特価品などの ような特別価格提供の利用に関係する。 この場合,そ の研究問題は,何個O 特価提供が利用され(買受けられ)たのか, また何世帯がそれ らを 利用 し た のかではない。むしろ,その問題は消費者の行動に及ぼす特価提供の効果と 関係づけなければならない。表1 のデータは,3 つの商品の特価提供一 小 表1 小売店のチラシ広告による特価提供 商 品 特 価 提 供 品 の 購 買 割 合 ブ ラ ン ド 変 更 の 確 率 コ ー ヒ ー パ ソ 砂 糖 21.6 %14.6 6.1 0.193 0.250 0.135 売店のチラシ広告に よる特価提供- の効果を判断するために必要な情報を 示し てい る。 例えば,ある特定のサンプルの うちコ ―ヒ ーを購入した全体 の 数の21.6%とい う数字は,小売店のチラシ広告による特価提供を利用して, 購買 がなされたことを示している。マーケテ ィングの全体的展望にだってみ ると, より重要なことは,これらの特価品の購入のうち の19.3%がいつ もの ブ ランドではなかったとい うことである。この後者の数字は,前者の数字 よ りもずっと役立つ。つ まり,それは,その提供がブランドの切替えを誘発す るのに,どの位の効果があったのかとい う指標を与えてくれる。この指標は, 売上 高対 コスト分析に結びつけ られるとぎに,そ の特価 提供の本当の価値ま たは収益力に関し て明確な結論に達するから,利用され た特価提供の数をた だ知 るだげ より 乱 ずっと意味かおる。 現実的なリサ ーチの疑問。要するに,実用主 義に鍛え られてます ます知識 や経験を豊かに もつ傾向は,マーケティング管理 者によって提出されている より現実的な リサーチの疑問 となってい る。この傾向に関連し て, またこの 傾向の結果とし て,消費者に質問がなされる方法に関し ては類似した傾向か 現われてきた。2 ) リサーチとし て消費者により適し か質問をする傾向 前述の例は,マーケックーが不正確な質問 またはただ 部分的な質問だけを す るときに,突き当 たる捕えにくい欠点を説明し ている。その結果,すなわ ち本当に効果的な意思決定をなすためには不十分な情報 または誤解さえさせ
る情報に な る6 し かし ,同 じ結果 は, マ ー ケテ ィン グ管 理者 が正し い意思 決 定 の質問 を し て 乱 これ らの質 間が正 確 に適 切 な リサ ーチの質問 に変 えられ ない場 合に も起 り うる。あ る1 つ の調査研 究 中に 消費 者たち に提 出 されてい る より適し た質問 に対 す る傾向 につい ての例 は以 下に 示 され る。 新しい アプp ーチ。 あ る マ ーケ ッタ ーカs 消費 者た ち はあ る新製 品に何 を 望 んでい る のかを 発見し たい と思 っ た と仮 定し よう。 過 去に おい てはサ ン プ リングな どに 目を 通し てか ら,お そ ら くリ サ ーチの手 順 は図2 に示 され てい る一般的 な 線に 沿っ て進め て きたであ ろ う。 そ こで は意 思決定 者の要望を 知 るために 彼 と協議し た後 に, 質問 が 作成 され, また研 究 者の主 要 な関心は 。 図2 消費者への質問 1 全般的な質問領域を決定する 2 特別な質問を開発する ↓ 3 質問をする ↓ 4 結論を引き出す 次 のような技術 的 な ものであ ったであ ろ う。 (1) 消費 者 たち はそ の質問 に答 え る ことが でき るで あろ うか ? (2) そ の質 問は簡 潔 さ,客 観性 ,関 連性 , 明快 さ, お よび特 質 などの基 準 を満 たし てい るか ? 厳格 な質 問 の手 続は ,おそ らく次 の よ うに卒 直 な も のであ った であ ろ う。 “○○を 買 う場 合に, あ な たに とっ ては ど んな 特 徴が 最 も望 まし い も の で すか ツ ’とか , “最 も望 まし い ものを'1' と し , また 最 も望 まし くない ものを ‘5 ’ と し て,そ の望 まし さに従 っ て次 の製 品 特徴 に ラ ン クを つけ よ” とか , “望ましい ものか ら望 まし くない もの まで7 点 法 で, 次 の製 品 特徴 のそ れ ぞ れを評 価 せ よ”。 これ らの ア プロ ーチのそ れぞ れ はあ る一定 の 利点を もっ てい る とはい え, そ れらの限 界を十 分に 認識 す る までに は長い 間 かか っ た。 これ らの限 界を 克 服し よ うとす る試 み の多 くは, 方法 論的 改 良や 工 夫を 加え て きた。 し かし な が ら, 最近 研 究 者たち は アプa ―チの 適切 さ自体 に 疑 問を 抱 き始 め た。 この よ うな 研究 の結果 の1 つ が, リサ ーチ の質 問を 構成 す る消費 者志 向の アプp ―チの 出現 とな った。 上 述の 例に暗示 され てい・る よ うに,研 究 され る
特定の製品特性または属性は,たいていマーケッターや研究者によって単独 で決定されてきた。つ まり,直接的な消費者のインプ ットはほとんどなかっ た。この手続は,径営管理 のコントp ―ルを受けるそ れらの製品特性だけが 調査されるべきであるとい う根拠で擁護されてきた。だが,それは,しばし ば このようにし て決定された特性が,消費者の購買 の意思決定において消費 者に最も適切なものではないか もし れないとい うヶ−スになる。 このようにして,多くの研究者たち,とくに新製品を設計し たり,テスト したりすることにかかわっている人 々は,製品属性を調査す るときに消費者 に 源を発する質問を利用し始めている。この ようなアプローチの価値は,正 当だと理由づける必要はないだろ う。その一種の人気は,消費者研究の質問 を開発すること に お け る レパートリー・ブ リット・ テスト(repertory grid te坊 や集団面接などのような消費者中心のアプローチ の出現の増加 か ら も 明 らか で あ ろ う。 さ らに , 間 違 っ た 質 問 が 消 費 者 に つ い て な さ れ て い る とい う認 識 が 高 ま っ て い る。 消 費 者 た ち は , 常 に 自分 た ち が あ る1 つ の製 品 に 何 を 求 め て い る の か を 知 ら な い 。 し か し 消 費 者 た ち は , 自分 た ち が 求 め てい な い もの は 何 か を 伝 え る こ とが で き る。 こ れ は 一 見 し て つ じ つ ま の 合 わ な い 話 の よ うに 思 わ れ るか もし れ な い が , そ う で は な い 。 現 実 的 に は , 消 費 者 た ち は 一 般 的 に 新 製 品 を 考 察 す る の に 直 接 援 助 で き る ほ ど 創 造 的 で は な い 。 こ れ は , マ ー ケ テ ィ ン グ ・ コ ン セ プ ト が 効 果 を 表 わ す に は 非 常 に む ず か し い1 つ の理 由 で あ り, また 実際 問 題 とし て マ ー ケ テ ィ ン グ ・ コ ン セ プ トに 従 か な い で , 口先 だ け の 厚 意 を 示 す1 つ の 理 由 で もあ る。 企業 は , 消 費 者 た ち が 自 分 自 身 の こ と さ え も わ が ら な い で い る と き に , ど の よ うに し て 消費 者た ち が 必 要 と し , また 求 め てい る も のを 彼 ら に 与 え よ う とし てい る の か ? し か し そ れ で 乱 利 益 で そ うす る の か ? 1 つ の ア プ ロ ー チ は ,“ 問 題 解 決型 リ サ ーチ (problem-solving researc1か’と 名 づ け ら れ て い る。 こ の ア プ ロ ー チ で は , 消費 者 た ち は , 彼 ら が 使 用 し て い る製 品 に 現 在 ど ん な 問 題 か お る のか に 関 し て質 問 さ れ る 。 研 究 者 た ち は , 心 理 的 に 得 る も の( このコ ートは私を肥満に見せる) と 同 様 に , 肉 体 的 に 得 る も の (鋭い 味覚)を も 求 め る だ ろ う。 消 費 者 た ち は , 一 度 彼 ら が 使 用 す る 製 品 に 関 連 し た 問 題 を は っ き り さ せ てし ま う と, こ れ ら の 苦 情 を 取 除 く 新 製 品 が
開発さ れ うる。 さ らに もう1 つ の アプpt ーチに は ,交 換分 析(:trade-off analysis)と呼ば れ る概念が含 まれ てい る。 この アプ ロ ーチは次 の よ うな仮 説に 基礎を おい てい る。すな わち, 消費者たち は,あ る特定 の製 品 特性 の望 まし さを表 わ すただ1 つの項 目を 明確にい うこ とは で きない とはい え, 彼 ら があ る他 の特 性を 獲 得(保持)す るために ,どの特 性を 快 く放 棄(交換)す る のかを 指摘 す るこ と はできる。 例 えば, 消費 者た ち は,1 か ら7 まで の尺 度 で便 利な 包装 の望 ま し さを十 分 に指 摘 す るこ とはで き ない か もし れ ない とはい っ て 乱" あ なた は50 円価 格を 引 き 下げ るた めに, 便 利 な包装 を 放棄し ますか ?” とい う質問 には答え る ことが でき るだろ う。 交 換分 析 で用い られる デ ー タ収集 方 法は, し ばし ば組 合わ さ れた共 通 の比較 尺 度 で用い ら れる方 法 に類 似し てい る とは いえレ これ ら2 つ の方法 は概 念的 に 非 常に 異な ってい る 。 より適し た質 問を す る こ と。 要す るに, 消費 者たちに つい て よ り適し た質 問 をする こ とに 対す る1 つ の傾向 か お る。 実 際 の質 問 自 体が問 題 とさ れ てい るばか りで はな く, 質問 の基 礎 とな っ てい る概 念 もまた ,厳 密に 吟味 さ れて い る。そ の結果 は, もっぱ ら意思 決定 者に利益 を与 え る こ とが で きる。 すな あ 亀 最初に よ り有 効で信 頼 で き るデ ー タが生 み出 され れば, 最 終的 に は よ り適切な デ ータにな る。 3 ) 消費 者を 実 在 者とし てみ る傾 向 おそ ら く, 現在 の 消費 者行動 研究 に おけ る最 も重 要な 傾向 は, 消費 者が人 人 ,す なわち 実在 者 であ る とい う認識 が 高 ま りつつあ る ことであ ろ う。 だ れ も純粋 な論理 的 根拠に もとづ い た こ の説を 疑 うものは, ほと んどい ない だろ うが, この認 識 は,た とえ こ の正し い 見方 の重 要性 が50 年代 におい て十 分に 説 明され てい た とし て 乱 これ まで の多 くの研 究努 力で は忘 れ られた り,無 視 されが ちであ った。従 っ て, これ まで の消費 者研 究に 基 礎を お く結論 の多 くは,1 つ の結果 とし て, もし 完 全に正 しけ れ ば, 少な くと も薄 弱な ものに な るだろ う。 1 つの変 数 だけ では十 分 で はない 。 か な り最近 まで, 消費 者研 究に おけ る1 つの共 通的 な 戦略 は,あ る従 属変 数一 製品 の使用 法 , ブ ラン ド認 識,そ の他同種類 の もの を 限 定し , 次 にそ れに関 係 のあ る独立 変数 を捜し 出 す ことであ った 。 例えば , 住宅 の価 格 は, 一貫し て年 間所 得 に関 係か お るとみ
ら れ てきたし , また 最初 の購買 行動 は, 革新的 な もの(:innovativeness)と名 づ け ら れる パ ーソ ナリテ ィ要 因に よっ て説 明さ れ てきた 。 この研 究 戦略 の1 つ の帰 結は, ただ1 つ の独 立変数 と従 属変数 との間 に は,し ばし ば重 要な 関 連 性 が見 匿され ない とい うこ とであっ たし ,あ るい は重 要な 関 者 匠が見出さ れ た ときに 乱 そ れ ら の関法│生は,し ばし ばそ の実 際 の 有用 性に 関し ては全 く釣 合っ てい ない こ とが証 明され た。 単 一変 数 の研 究は 特性 の研究 であ る。つ まり, 独立 し た 特性 が研 究され る。 こ の 種の リ サ ーチは, 多 くの理 由か ら非常に 誤 解さ れ てい るこ とを 立証す る こ とがで き る。 単一 の独立変 数 と1 つ の従属変 数 と0 間に は ,な んの関連 性 右存 在し かい か もし れない とはい え, 1 つ の独立変 数 群 と1 つ の 従 属変 数 (群) との聞 に は,あ る関 連性が 存在 す るだろ う。 以 上 の ように, 消費 者たち は1 つ1 つ 切 り離 さ れた 諸特 性か ら たっ てい な い か ら, この ような 方法 で 消費 者た ちを 研究 す るこ と は,研 究 資 金 と研究努 力 とを 有 効に 役立 て てい ない こ とに な る。 これを 実 現 す るこ とは ,結果 とし て より範 囲 の広い変 数 の タイ プと同時 に, より適 切な 分 析技 法を 用い るこ と に 対 す る2 つ の 部分 か らな る傾向 となっ てきた 。 多変 量 技 法。 実在 者 とし て の消費 者を十 分に 理 解す る こと は,い くっ か の 変 数 の同時的 効果を 分析 す るこ とに よって のみ獲 得 さ れ うる。 この実感 は回 帰分 析, 識 別分 析, 標 準相関 な どの ような多変 量 技 法 の利用 増 加とな って現 わ れた。 こ れらの 技法 は,独 立変数 と従属変 数 の両 方 のい くつ かの変数を 同 時 に, 消費 者行動 の どんな統 計的 分析 に も結合 させ る こ とがで き る とい う利 点 を もっ てい る。そ れ故 に ,これ ら の技法 は単 一変 数 の研究 の 誤 りを 正す こ とにづ 消 費 者の 諸変 数 乱 なお分 析 の単位 とし て残 る とい う共 通 の限 界を 持っ てい る ことが , 最近認 識 され てき た。 回 帰分 析, 識別 分析 , 標準相関 な どの ような統 計的 技法 は, 諸変数 に影 響 を 及 ぼす 補正 的 技法 と呼 ばれ てい る。 これ らの 技法 の それ ぞ れに は,合成変 数 また は 合成変 量 が構 成 され る。 調 査され る独 立変 数 のそ れぞ れに 適 切な ウ ェイ トを 決定し , これ らの ウェイ トを 与 え られた変 数 を一 緒に 加え ることに よっ て, 単一 の 合成 変 数(変量)が形 成 され る。 次 に , この 合成変 数 は観察 さ れ る従 属(諸)変数 を 予測 す るのに 役立つ 。 この ウ ェイ トを 与え , そ れ を
加 える方 法を と るために , 消費 者たち は, た とえそ の個 々 の特性 が完全に 異 な ってい るとし て 乱 最後に は同 一 の合成変 数 値を もつ ことにな る。 これは, あ る1 つ の独 立変 数につ い ての低 い値力乱 説 明で き ない変 量 の値を 生む もう1 つの 独立変 数に つい て の高い 値 に よっ て補 正 され るだ ろ うか ら, これら技 法 は数 学的性 質に 基づい てい る。 そ れ故 に, 補 正的(compensatory )とい う 用 語が用 い られ る。次 の例 は,個 々の消費 者の予 測 に対 す る この問 題を 説 明 す るものであ る。 あ る オー トバイ の小 売業 者は ,有 望な購 買 客を 予 測す るた めに3 変数 回帰 モ デルを 開発し た。 従 属変数(進んで購買しようとする意思)と3 つ の 独立変 数(年齢,所得,危険度)と の間の関 光 吐は , 統 計的 に全 体 のサ ンプ ルに とっ て非常に重 要 であ った。 すな わち ,予 測 された変 量 値が 高け れば 高い ほど, ます ます 消費 者たち ぱ購買 者に な る見込 が 強 くな る。 し かし なが ら,多 くの 個 々の予 測は ,表2 が一 見し て示 し てい る よ うに ,意 味 がな かった。 各 消費 者(A とB )のそ れぞ れの ウ ェイ トと変 数 値 とを乗 じて , そ の 結果を 加 え る と,洛 消 費 者は297 とい う同一 の予測点 とな る。 特定 の 値を ざ っと調べ てみ て も明らか な よ うに, この2 人 の個人 は ,等し く有望 な 顧 客では ない。し か し あ る変 数 の 小さ な値がそ の他 の変 数 の大 きな値 に よって相 殺され るか も し れない 統 計的 アプ ロ ―チ あ るい は個人 差を “除 ぐ 状況 の“い ずれか , 表2 回 帰 分 析 の 例 独立変数 回 帰 ウ ェ イ ト 独立変数値 消費者A 消費者B 年 齢 年間所得 危 険 点 −0.5 十〇.1 十7.5 81 6.570万円 6 18 120万円50 または両方 ”- のた めに , これら の技 法は ,し ばし ば 消費 者行 動 の研 究で は 不適当 であ るこ とが わか っ て きた 。 従って, 多変量 技法 のご く最 近 の表 現傾 向は ,補正 的 では ない技 法か , ま た は消費 者を 基本的 な分析 の単 位 とし て用い る技 法かを 利用 す るこ とであ る。 次 の2 つ の例は , これ らの技 法を説 明す るの に役 立つ で あろ う。
自動的 相 互作用 検 出法(Automatic Interaction Detection : AID)は,補正 的 で はない統 計的 技 法 であ り, また 個 々の 消費 者を 分 析 の単 位 とし て利 用す る
(14)1 つの統計的技法であ る。図3 は,新しい 消費者金融 サービ スを 求める潜在 的顧客を捜し 出す ことにAID を応用した結果を示し ている。 この図で14 の・ 番号をつけた長方形のそれぞれは,新しい銀行の金融 サービスに対する同じ ような選好を含 んだ,同じ ような特性をもつ消費者たち の1 つ の特定のグル ープまたはセブ ノソトである。最も有望な見込客( グループ12の人々)は, 高 校卒の教育か,多少大学 教育を受け,また低いレベルの職業 につい ている18 図3 金融サービスを一括したAID 例 最良の顧客は,グループ12の中にある。 ・18歳から24歳までの人々 ・高卒か多少大学教育を受けた人々 ・低いレベルの職業の人A 歳 か ら24歳 まで の人 々であ る。 これ ら3 つ の特 性は ,す べ て最 も有 望 な見込 客 グル ープに 包 含 され てい るこ とが必 要であ る。 従 っ て, こ の方法 は ,そ れ がX またはY では な く,X とY を必 要 とす るとい うこ とにお い て非 補正的 で あ る。 分 析 の単位 とし て 消費 者を 利用 す る第2 の統計的 技 法 は, クラ ス ター分 析 (cluster analysis) であ る。 AID か お る1 つ の独 立変 数 群か ら1 つ の 従 属変 数を 予 測す るた めに 用い られ るのに 対し て, クラスタ ー分 析は ,お そ ら く従 属変 数を 予測 す る より前に用 い られ るだろ う。 クラス ター分析 は ,実 際に は 包括的 な用語 であ る。 つ ま りそ れは, そ の結 果が でき るだ けそ の内部 では同 質であ り, またそ の 相互 間で は 異質 であ る多 くの集団 にな る よ う, 一 緒にし て集 団対象(消費者たち)に用い られ る一種 の統計的 技 法に 属 す る も の で あ る。 等質 の消 費者 集 団を形 成 す る こ とに 加え て, クラ ス ター分析 は,変数 間 の 相互 関連 比につ い て多 くの 情報を 明らかにす る こと がで き る。
クラ スタ ー分析 の1 つ の有 効な方式 は ,“シ ク ェソ シ ャル ・ クラス タリソ ダ(sequential clusteri心レ と呼 ばれ る ものであ る。 こ の ア プ= −チ におい て は ,消費 者た ち は, 最初 にあ る変数 ,通 常あ る一定 の タイ プの変 数を 基礎 と し て(その内部では等質的な)い くっ か の集団 に 群を なし て集 め られ る。 次 に,・ そ れぞ れ の群 の 内部 で は,引 き続い て 消費者 の集団 が , 他 の タイプ の変 数を 基 礎とし て形 成 さ れ る。 シ ク ェンシ ャル・ クラス クリ ンプ の最 終結 果は,そ れらの集 団か お る従 属変 数 とのは っき り とした 関 連性 に 少し も基づ い てい な い とい う1 つ の 例外を 伴 った, AID を 通じ て見 られた 形 に 類 似 し た集団 の 階 層的 な形 また は木 の枝 の ような形 にな る。 図4 は, 人 口統計的 変 数 と態 度 変 数 とを用 い てい るあ る分 析か らの結果 を示し てい る 。 図4 シクェンシャル・クラスタリングの例 全体市場 人 口統 計 学的 グ ル ー プ 態度的 一人口統 計学的グループ (D i) (D2) (D3)
(Ais )(A 12)(A13 )(A 21) (A 22) (A 31 ) (A 3り
従って,本質的には実在とし 七の消費者の認識は,研究者たちがどんな調 査にも適切な多くの変数を取 り入れようとして,多変 数統計技法を利用する こ とになった。そ れに加えて,最近分析の基本的な単 位とし て,変数により もむしろ消費者を利用するこれらの技法に特別な注意 が向け られ るようにた った。 変数のタイプ。消費者を実在者とし て考察するとい う第2 の直接的結果は, より広範囲 の変数を利用するようになってきた。基本的には,初期の消費者 行動研究は社会経済的変数, または人 口統計学的変数 に限られてト だのに反 して,その傾向は現在, より行動的に関連した変数や経営的に処置できる変 数を用いることの方に向ってい る。種々さまざまな変数を用い ることに,よっ て,すべての行動と個人それ自体に関し て,消費者を正しい関係に置くこと
が 可 能とな る。 1 つ の共通し た変 数 タイ プは , サ イ コ ダラ ツィ ック(psychographic) と呼 ば れ る もので, psycho-logical (心理学的) と demo-graphic (人口統計学的) 丿とい う用語を 結 合す るこ とに よっ て造 り出され た言葉 であ る。 実 際に サイ コ ダラ フ ィ ック変 数を 構成 す る ものに 関し ては,多 少0 意 見 の相違 があ ると は い え, こ の ような広い 基礎に も とづい た全 体論的 な関 係 で 消費者を 研究す る こ とから引 き出 され る利 点に 関し ては ,事 実上 の コン セ ンサ スがあ る。 また ,消費 者行 動に 及ぼ す状況 的 変数 の影響 に大 きな 注意 が与 え られてい る。 研究 者たち は, 消費 者行 動 の生 ず る情況 が, こ0 ような 行動を 理 解す る 16) た めに 有効な 鍵を 提供す る こ とを 次 第に 認 識しつ つあ る。 この情 況的変数 の 概 念 は,実在 者 とし て の 消費者 の概 念と非 常に 密接 に 結びつ け られ てい るか ら,将来 の研究 におい ては これ ら の変 数 に重 点 が大 き く与 えら れる であ ろ う。 より よき理解 。 消費者 たちを “実 在す る人A" とし て,あ るい は 単一 の 諸 現 象 とし て取 扱 う傾 向は, 多 数 の小 区 分 とそ れ らのか らみ合い とを 持っ てい る。上 述の傾向 につい て の2 つ の側面 は , この認 識 の結 果 とし て起 る進 歩を 示 し てい る。 個 々の意 思決定 の研 究(意思決定過程をモデル化することや選択行 動に対する確率論的アプロ ―チ)お よび 集中 集 団面接 法に おけ る再び 喚起 さ れ た 関心 な どを含 む ような , この 概 念に 基づ いた そ の他 の研究 を 考察し てみ る と よいだ ろ う。 これ らの努力 は ,す べ て個 々 の消費 者に つい てた だ 統計的 に 作 られた も のを 研究 す る こと よ力 乱 むしろ 適 切 な研 究 単位 とし て 消費 者を 概 念化 す るこ とに対す る傾向 の 高 ま りを 反映 し てい る。 そ の論理的 結論 に向 っ て この研究 方 向を 追 求す るこ とに よって, 最終的 に はそ の結果 とし て, 消費 者行動 に つい て の より優 れた 理 解 が得 られなけ れば な らない。 こ のこ とは, 順 々に 経 営 の意 思決 定を 改 善す る ことに な るであ ろ う。 結び とし て,以上 述 べて きた すべ て の傾向 は ,研 究者 だち と意 思決定 者た ち が同じ よ うに高度 の知 識や 経 験を 豊 かに 持 ってい る こ とか ら出 て きた もの と 考 えられ る。 確か に, 消費 者行 動 研究 におい て 現わ れた 上述 の傾向 とは別 の 傾向 屯あ る。・ これ らの傾向に つ い て も述 べなけ れば な らない だ ろ うが, も っ と重 要な こ とは,将 来の 傾向 につい て は ど うな るだ ろ うか, 消費 者行 動研 究 は 将来 どの よ うな方 向を た ど るのだ ろ うか, とい う ことであ る。 将来 の消
費 者行 動 の研 究におい て現わ れ て く るであろ う頬 向を正 確に予 測す る方 法が ないとはいえ ,以下 消費 者行 動研 究 で数 年先 に期 待 され る傾 向に関 し て若干 の洞 察を与 え よ う。 4. 消費者行動研究における将来の傾向 水晶占いの ように未来を予言す ることは,その特色 としてや りがいがある というよりも望みや意志を無にすることもあるとはいえ,時には未来を熟視 す ることは,有益であると同時に興 味のあ ることでもあ る。そこで, どんな 将来の傾向か消費者行動研究に現われてきてい るのだろ うか, とい うことに 関して若干の推測をし てみ よう。 これらの推測のい くつ かは,現在の傾向を 調べて投影図を描くことに よって推究された ものであ り,そ の他は,選ばれ た消費者行動の研究者たちがこの領域の将来 の傾向となるであろ うと信ずる ものを,彼らに予想し てもら うことに よって得られたものであ る。 これらの 推測のうちのあ るものには論議があ るかもし れないが,このような論争は, もしそれが思考や行動に刺激を与 えるのに役立つならば,快 く受げ入れられ るであろう。 1 ) 推測される将来 の傾向 傾向1 :健全な論理的推論法 17) 一般に,ニコシアが非常に適切に指摘し てきた ように ,おそらく必然的に 18) なる七あろ う1 つ の傾向かお る。 消費者研究は,時計の振子のよう に次の2 つの試みの間を 行きつ戻 りつし 続けるであろ う。すなわち, 1 つは消費者行 動 とい う“モザイ ク のばらば らな小片を組合せて,消費者行動の広範な正 しいとらえ方を得 ようとする試 みであ り, もう1 つは個別的にまた非常に詳 細に,このモザイ クの1 つ1 つの小片を慎重に研究し よ うとする 試 み で あ る。 これらの本質的に異なった研究方向は,表面的には相反しているとはいえ, 互いに資料を供給し合い,最終的には関連し てい るすべてのものに対し て有 益 な知識になるであろ う。従って,これは健全な傾向であ り,また評価され るべきものであ る。 傾向2 :評価と改善 第2 の同時発生的傾向 よく進化的な ものとして述べられるであろ う煩
一5向 は,消費者研究で用い られている概念,データ, お よび技法につい て 継続 的に 評 価 と再評 価を す る ことであ ろ う。 消費 者行 動 の研究 に 対す る優れ た ア プp ーチ は,評 価 され 続け るであ ろ うし , また もし 必 要 であ れば ,改 良 され た り,除 去さ れた りす るであ ろ う。 研究 の改 善 は ,な さ れ続げ るであ ろ うが, そ の数 は ふえ るだろ う。 例えば ,研 究 者たち は 消費 者 の デ ータを 集 め るこ とにお い て は広 範囲 にわ たっ て,い ろいろ な評 価 尺 度を 利用 し 続げ るで あ ろ うが, これ ら の尺度を 応用 す ると とではさ まざ ま な進 歩を もた らすであ・ ろ う。1 つ の進歩 は ,車輪 の形を し た スポ ー クの ような尺 度を 使 ケこ とであ る。 こ の よ うな新し い 方法を 発表し て最初 に利用 す る こ とは ,熱 心 な回答者 の協 力, 回 答 者の混 乱 が少 ない こ と, お よびあ まり回 答 の パ タ ーン化をし か い こ とな どを 必 要 とす る よ うに 思わ れ る。要 す るに , 多数 の研究 アプrニ2 チ が 提 案 され るだ ろ うが , これ らの新しい アプ= − チ は ,綿 密 に吟 味 されるで あ ろ うし , またそ れ らの批 判的 採用や 一時 的流行 に よ る利 用 もあ るだろ う。 傾 向3 : 高 まる有 効 性 さ らに , 消費 者行 動研究 そ れ 自体 は,そ の経 営的 関 連 につ い て は より厳し い吟 味を 受 げ るであろ う。1 つ の結 果 とし て, 消費 者 の調 査研 究 の結果は, 実行 でき る意 思決 定 の 基礎を 供給す るために, 多 すぎ た り少な すぎ た りもし ない , またあ ま り抽 象的 に もな らない ,意思 決定 の 目的 に より多 く関連す る よ うにな る 傾向 に なけ れば な らない 。 より密 接 な関 連 性。 こ の関連 が強 め られる1 つ の現 れ は, 消費 者研究 のプ9 セ スと経 営 者の 意思 決定 プ ロ セ入と の間の より綿密 なつ な が りであ ろ う。 効 果 的 な意 思 決定 のた めに 必要 なわず か な情報だ けし か供 給し ない 消費者研 究 の 例は , 次第 に少 な くな るであろ う。 あ る小 売業 が 最 も効果的 に そ の顧客に 伝達す る1 つ の広告 媒体 を 選びたい と望 んでい ると仮 定し よう。あ る調 査研 究を 行 な うこ とに よっ て, こ の小売 業 は ,そ の 顧客 の プ1==1フ ィールが 次 の ような もの であ る ことを 知 るこ とが で きた 。 す なわ ち , ①58 % が 男性であ る, ③平均 年 収が294 万 円 であ る, ③大 学 卒 の教 育を受 げ た 者であ る, とい うこ とであ っ た。 おそ ら く, こ の小売業 は, 次に 最 も適し た媒 体を 決 定す るため に, このプ ロ フ ィ ールをい ろ い ろな 媒体 の もの と比較す るだ ろ う。 もしJML とい う媒, 体 が, 61% が 男性 であ り, 平均 年収 が320 万 円 であ り,そし て大 学教 育を 受