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はじめに(pdf)

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Academic year: 2021

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はじめに

 環境問題・資源問題は 21 世紀に生きる人類に課せられた最重要課題である.環 境問題のなかでも特に地球温暖化は深刻な問題であるが,地球温暖化も元をたどれ ば 46 億年かけて地球が育んできた化石資源に起因する.すなわち,初期地球の大 気中に多く存在した二酸化炭素は,石炭,石油,天然ガス,石灰岩として地殻中に 固定された.長い地球の歴史において固定された二酸化炭素は,近年,人類がこれ らの資源を使用することにより急速かつ多量に大気中に排出され,地球に影響を 及ぼすに至った.地球は定常状態を保ちつつ 46 億年かけて徐々に進化してきたが, 人間活動の肥大化により今まさにそのバランスが崩れ,地球温暖化といった深刻な 問題が生じているのである.  他方,高度に発達した現代社会を支えるためには,エネルギー資源ばかりでなく, 金属資源も必要不可欠である.金属・エネルギー資源は,地球の進化過程で生成さ れ,人間の時間スケールでは再生不能なものである.近年における科学・技術の発 達,人口の急激な増加,発展途上国の急速な成長により,これら資源は枯渇の危機 を迎えつつある.  今まさに人類に迫り来るこれら環境問題・資源問題を理解するうえで,46 億年 にわたる地球・生命の誕生とその進化の歴史を知るとともに,今現在の地球の姿を 知ることは,大変重要なプロセスである.また,私たちが住んでいる日本列島には 全世界のおよそ 1 割の地震と活火山が集中している.このような自然災害の多い環 境下で安全に暮らすためには,国民の教養としてこれら自然の営みを理解し,防災 の指針をたてる必要がある.  本書は,大学 1 ・ 2 年の理系ならびに文系の学生を対象に,私たちが暮らしてい る地球のことを知ってもらうとともに,環境問題・資源問題を地球科学の立場か ら理解し,地球と人類が永遠に共生できる「宇宙船地球号」を創成する上での足が かりとなることを目指した教科書である.よく「地球にやさしい」とか,「自然保 護」という標語を目にするが,むしろ私たち人類が地球にどれだけ守られてきたか, ということを理解することこそ,環境問題・資源問題に取り組む上で重要な出発点 ではなかろうか.折しも本書が発刊される 2008 年は,ユネスコと国際地質科学連 合(IUGS)が中心となって取り組んでいる国際惑星地球年(IYPE)の中核の年で あり,また洞爺湖で開催されたサミットの最大のテーマは,地球温暖化と CO2の 削減であった.いま,国を越えたグローバルな視点でものごとを考え,行動するこ とが求められている.地球のことを良く理解するために本書が少しでも役に立てば 幸いである.   

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 はじめに  本書の執筆者は,早稲田大学大学院創造理工学研究科地球・環境資源理工学専攻 に属する地球科学,資源科学,環境学を専門とする 9 名の研究者から構成されてい る.本書のタイトル「地球・環境・資源」は,執筆者の属するこの専攻名に由来す るものである.これまでの地球科学関係の教科書と異なり,「環境」と「資源」の 章を充実させて広い領域をカバーしているのが本書の特徴である.  本書を取りまとめるにあたり,粗稿に目を通していただいた新井宏嘉氏,太田 亨氏,図の一部を作成いただいた本郷照久氏,関口寿史氏,清家一馬氏,尾林 充 氏,佐藤公信氏,田才 雄氏,編集の過程でお世話になった共立出版の横田穂波氏 に厚くお礼申し上げる.     2008 年 8 月   

内田悦生・高木秀雄

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