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Title
いかに活かすか再チャレンジ!‐社会人大学院生に求められるもの
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Author(s)
室谷, 雅美; 柳井, 妙子
Citation
大学院生の自主企画による研究セミナー : 奈良女子大学大学院人間
文化研究科「魅力ある大学院教育」イニシアティブ生活環境の課題
発見・解決型女性研究者養成(文部科学省採択教育プログラム), 平成
19年度, pp.87-90
Issue Date
2008-03-25
Description
2007年12月21日(金) 13:30∼15:30 奈良女子大学A棟2階・生
活環境学部会議室にて開催
URL
http://hdl.handle.net/10935/1121
Textversion
publisher
Nara Women's University Digital Information Repository
奈良女子大学大学院人間文化研究科平成19年度「魅力ある大学院教育」イニシアティブ 生活環境の課題発見・解決型女性研究者養成(平成17年度文部科学省採択教育プログラム)
大学院生の自主企画による研究セミナー
いかに活かすか再チャレンジ!
平成19年度「魅力ある大学院教育」イニシアティブ支援プロジェクト
大学院生の自主企画による研究セミナー実施報告書
1.企画内容 (1)セミナーの名称 「いかに活かすか再チャレンジ!一社会人大学院生に求められるもの一」 (2)開催日時・会場2007年12.月21日(金) 13:30∼15:30A棟2階・生活環境学部会議室
(3)講演者 国広 陽子(武蔵大学社会学部教授) (4)企画者 室谷 雅美(大学院人間文化研究科博士後期課程社会生活環境学専攻生活環境計画学講座) 柳井 妙子(大学院人間文化研究科博士前期課程社会生活環境学専攻生活環智計画学講座) (5)支援教員 中山 徹(大学院人間文化研究科准教授) (6)参加人数 13名(内訳:[学内]教職員2名,大学院生8名,[学外]3名) *講i師を含め14名 (7)セミナー概要 社会人大学院生に入学という門戸は開かれ、また、本学大学院では、職業を有している等 のために年間に習得できる単位数や研究活動・・学習活動への時間数が限られるため、標準 の修業年限を超えて在籍し修了することを希望する学生を対象とした長期履修制度が導入 されていることは、社会人大学院生にとっては、研究に専念できる一つである。しかし、 年齢に関係なく研究を続けていくなかで研究に対する助成金などは、本学でも「若手女性 研究者支援」として、助成を受けるには年齢制限があり、35∼40歳以下を対象とするもの である。40歳以上の大学院生にとっては、納得のいかないものであり、他の助成金におい てもやはり年齢制限があるなど、受け入れ態勢に不十分な点があるのではないかという思 いからこのセミナーを開催した。 一87一武蔵大学の国広陽子先生は、自ら20年前社会人として大学院に入学され修士・博士課 程を終えられており、そのときの体験を通して感じられたことをお伺いしながら、本学の 社会人大学院の声を聞くこととなった。 仕事をしながらの通学や研究は、思いのままにならず、なかなか大学に顔を出すことが できず、ゼミの仲間たちと接する機会も減り、仲間づくりがしにくいなど通常の学生さん には考えられない悩みも抱えている。長距離通学で、なかなか大学に来ることができず、 メールや集中講義などで勉学に励んでいるのが実状で、ゼミ室で仲間とゆっくり語り合う こともできず、集中講義や指導教官からの指導が終われば、電車やバスの時間を気にしな がら慌しく大学を飛び出していくというのが現状である。 このように、社会人大学院生の生の声を聞き、このセミナーを機会に、社会人大学院生 のネットワークづくりのきっかけができた。
∬.実施報告 社会人大学院生を「歓迎」する一方で、奨学金制度には年齢制限があるなど、受け入れ態勢は 不十分なのではないか、20年前に社会人大学院生をされていたときの体験談や、その後、大学に 勤務され、現在教鞭をとられているなかでの経験を通して感じられている問題点や課題について お話をお伺いするとともに、参加者のみなさんからの意見をお聞きしながらセミナーを進めるこ ととなった。 奈良女子大学にはすでに長期履修制度があるだけでなく、セミナー当日の参加者の中に北海道 や岐阜から通学している院生さんも在籍していることがわかり、遠い地から長時間にわたる通学 時間を克服し研究を続けている方もいらっしゃることもわかった。北海道から通う院生さんは、 教授の指導はメールと集中講義で受講するなど多様な方法で講義を受講されているようです。 仕事を続けながら博士論文が書くことができる時代になったことは、先生が院生をされていた 頃には考えられないことであったのではないだろうか。これもインターネットの威力というべき でしょう。ただ、便利になり利点もあるが、指導教官と1対1の指導になり、いわゆるゼミ仲間 ができにくいという問題が生じてくる。実際、参加者の方からもそのような声があり寂しさを感 じたりしている。 先生が、社会人大学院生であった頃は、すでに40代であったことから、二十歳そこそこの友人 たちとの話題についていけなかったり、けっこう孤独であったということだ。だからといって、 ご近所の子育て中の仲間などとは勉強の中身についてや研究の話などはあまりできず、学生でな いご主人とも話題がずれ、大学外でも孤独感があったようだ。20年を経て、本学でそのときの思 いをお話ししてくださったことで、社会人大学院生のネットワークづくりのきっかけにこのセミ ナーの開催が生かされたことに先生は、喜びを感じてくださっている。 セミナーという堅苦しいものではなく、少人数のなかで、参加者がざっくばらんに日頃胸に潜 めていた思いを声に出すことができた。今後、社会人大学院生のネットワークを広げていきたい。 結び 社会人に門戸が開かれ、社会人大学院生が増える一方で、助成金の申請には年齢制限があるな ど、研究費を得るのは困難であり、社会人が仕事を持ちながら学業に専念することには、さまざ まな問題点もあることから、20年前に社会人大学院生を経験された武蔵大学の国広陽子先生をお 招きし、「いかに活かすか再チャレンジ!一社会人大学院生に求められるもの一」と題して、先生 が社会人大学院生として学ばれたときの体験や大学に勤務されている日々の経験のなかから感じ られたことや問題点・課題などをお話していただきました。 このセミナーを機会に、社会人大学院生のネットワークづくりのきっかけができました。 (文責:室谷 雅美) 一89一