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胸腔鏡下ドレナージ術を施行した膿胸を伴う降下性壊死性縦隔炎の1例 第75巻07号1824頁

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Academic year: 2021

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受診し扁桃周囲炎の診断で加療を行われたが軽快せず, 6 日後のCTで降下性縦隔炎お よび右膿胸の診断に至り当院へ搬送された.耳鼻咽喉科と合同で緊急手術を行った.頸 部経路上縦隔ドレナージ術・気管切開術の後,右胸腔鏡下に縦隔ドレナージ術および醸 膿胸膜切除術を施行した.術後 1 日目にCTを撮影し非ドレナージ領域がないことを確 認した.敗血症に至ることなく経過し,術後55日目に軽快退院した.速やかで的確なド レナージは降下性壊死性縦隔炎の治療において最も重要であり,術前CTでドレナージ 経路を計画しておくことと,術後CTで非ドレナージ領域の有無を確認することは有用 と考えられた. 索引用語:降下性壊死性縦隔炎,胸腔鏡,膿胸 緒  言  降下性壊死性縦隔炎は,咽頭膿瘍など深頸部の感染 症が筋膜間隙を通り縦隔へ波及する稀な炎症性疾患で ある.初発症状が軽微であることから診断が遅れて重 症化し,敗血症や多臓器不全で致命的となる場合があ る.われわれは,発症から 6 日後に降下性壊死性縦隔 炎の診断に至り膿胸を合併した症例に対し,頸部ドレ ナージ,胸腔鏡下の縦隔ドレナージおよび醸膿胸膜切 除を一期的に行い,良好な経過を得たので報告する. 症  例  患者:70歳台,女性.  主訴:発熱,咽頭痛.  既往歴:気管支喘息,高血圧,脂質異常症,骨粗鬆 症 (すべて他院にて内服加療).  喫煙歴:なし.  現病歴:発熱・咽頭痛を主訴に近医を受診し,抗生 剤点滴を施行され帰宅した.翌日(第 2 病日)より食 事摂取も困難となったため同院再診し,採血検査にて WBC 14,220/μL,CRP 26.8 mg/dLと炎症反応の高 値を認め,扁桃周囲炎の診断で入院となった.入院後, CTRX 2g/日を開始し加療されるも,発熱・咽頭痛が 改善せず,嚥下困難の増悪,血痰が認められるように なったため,第 7 病日に他院の耳鼻咽喉科を紹介受診 した.同院で施行した喉頭内視鏡にて喉頭蓋の広範囲 の壊死,CTにて深頸部および縦隔の膿瘍,右胸水を 認め,降下性壊死性縦隔炎の診断で同日,当院へ救急 搬送された.  搬入時現症:身長150cm,体重54kg.体温37.8℃,血 圧163/95 mmHg, 脈 拍116 bpm,SpO2 89 %(room air)→92%(O2 3L/min,nasal).意識清明,呼吸苦 の自覚あり.  動脈血ガス分析:PaO2 56.3mmHg,PaCO2 38.4 mmHg,pH 7.50,HCO3- 29.1 mmol/L,BE 5.8mmol/ L,Lac 12.3 mg/dLと,低酸素血症および代謝性アル カローシスを認めた.  入院時検査所見:WBC 17,600/μL,CRP 28.15 mg/dL,フィブリノーゲン760mg/dL,FDP 8.4μg/ mL,D-ダイマー4.3μg/mLと,炎症反応の上昇,線 溶系亢進の所見を認めた.アルブミン1.7 g/dLと低ア ルブミン血症を認めた.血糖値109mg/dL,HbA1c  2014年 1 月29日受付 2014年 4 月19日採用  〈所属施設住所〉   〒080-0016 帯広市西六条南 8 丁目 1

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5.4%と糖尿病を示唆する所見は認めなかった.  胸部単純X線写真(Fig. 1a) :右肺野全体に広範な 透過性低下領域を認めた.  頸胸部CT所見(Fig. 2):左中下咽頭,上縦隔,後 縦隔に連続する液体貯留を認め膿瘍と判断した.膿瘍 壁は造影効果を認めた.また,右胸腔に隔壁を伴う多 量の液体貯留を認め膿胸の所見.右無気肺も認めた.  以上より,深頸部膿瘍(咽後膿瘍)・降下性壊死性 縦隔炎・縦隔膿瘍・右膿胸と診断され,搬入から 4 時 間後に当院耳鼻咽喉科より当科へ紹介された.右胸腔 に#24Frトロッカーカテーテルを留置したところ,多 量の白色膿汁の排液を認め,胸部単純X線写真にて右 肺野透過性の改善を認めた(Fig. 1b).一旦ICUへ入 室し,耳鼻咽喉科と合同で緊急手術の方針となった. 手術開始(当院搬入から 8 時間,胸腔ドレーン挿入か ら 4 時間,ICU入室から 3 時間半)までに右胸腔ドレ Fig. 1 胸部単純X線写真:a)胸腔ドレーン挿入前:右肺野に広範な透過性低 下領域を認めた.b)胸腔ドレーン挿入後:#24Frトロッカーカテーテルを留 置したところ,多量の白色膿汁排液を認め,右肺野透過性の改善を認めた. Fig. 2 頸胸部造影CT所見:左中下咽頭(線矢印),上縦隔・後縦隔(矢頭)に連続する液体貯 留を認めた.また右胸腔に多量の液体貯留(ブロック矢印),および無気肺を認めた.

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ーンから650mLの排液を認めた.術前CTの所見から, 頸部と上縦隔の膿瘍には頸部からのアプローチを行 い,上縦隔から下位縦隔の膿瘍は連続性があるため, 上部縦隔胸膜切開により胸腔鏡下に経胸腔アプローチ を行う方針とした.  手術所見:咽頭腫大のため,分離肺換気用のダブル ルーメンチューブの挿管が不可能であったがチューブ サイズ5.0mmの挿管は可能であったため,耳鼻咽喉 科手術を先行した.全身麻酔・仰臥位・挿管にて,深 頸部膿瘍切開排膿術・頸部経路上縦隔ドレナージを開 始した.左頸部に皮膚切開を加え,咽後部に到達し大 量の膿汁排出を確認した.咽後部と上縦隔を洗浄し, それぞれにペンローズドレーンを留置した.次に気管 切開手術を行い,気管切開孔よりダブルルーメンチュ ーブを挿管し,分離肺換気を可能にした.ダブルルー メンチューブは下顎と傍気管切開孔の 2 カ所に絹糸で 皮膚固定し逸脱を予防した.次に外科へ術者交代し, 分離肺換気,左側臥位とし,右胸腔鏡下の縦隔ドレナ ージ・醸膿胸膜切除術を開始した.第 5 肋間前腋窩線 と第 7 肋間前腋窩腺にそれぞれ 5 cm・ 3 cmの皮膚切 開を置き操作孔とし,第 5 肋間後腋窩線に 5 mmトロ ッカーを挿入しカメラポートとした.胸腔内には混濁 した胸水を多量に認め,醸膿胸膜を可及的に掻爬・切 除した.上縦隔の胸膜を切開し開放すると膿汁の流出 が認められ,耳鼻咽喉科手術で留置したペンローズド レーンが確認できた.奇静脈を自動縫合器で切除して 縦隔胸膜の切開を追加し,後縦隔へつながる膿瘍腔も 開放した.ネラトンカテーテルを用いて生理食塩水で 上縦隔・後縦隔を洗浄したのち,上縦隔を介して後縦 隔の右側・左側へそれぞれネラトンカテーテルを 1 本 ずつ留置した.胸腔内の洗浄を行い,ダブルルーメン の胸腔ドレーンを 2 本留置し手術終了した.手術時間 は耳鼻咽喉科50分,外科 5 時間10分,出血量(胸水含 む)は615mLであった.  培養検査:胸腔ドレーン留置時の胸水培養検査よ り,Prevotella species(口腔内常在菌,嫌気性菌, グラム陰性菌)およびStreptococcus milleri group(口 腔・上気道常在菌,グラム陽性菌)が検出され,起炎 菌と判断した.  術後経過(Fig. 3):術後はダブルルーメン挿管チ ューブを通常の気管カニューレに交換しICUへ入室 した.抗生剤(MEPM,AMK)加療を行い,留置し たドレーンより胸腔内の洗浄を行った.呼吸・循環状 態が安定していたため,術後 1 日目に頸部・胸部の造 影CTを撮影し,縦隔・胸腔に留置したドレーンがそ れぞれ有効な位置にあること,非ドレナージ領域がな Fig. 3 術後経過:術後 3 日目に人工呼吸器を離脱,術後 9 日目にICU退室した. 術後の胸水培養は陰性であった.20日目までにすべてのドレーンを抜去した. 敗血症やDICに至ることなく経過し,術後55日目に退院した.  WBC,白血球;MEPM,メロペネム;AMK,アミカシン;IPM/CS,イミペネム/ シラスタチン;MCFG,ミカファンギン;CLDM,クリンダマイシン;TAZ/ PIPC,タゾバクタム/ピペラシリン;CFPM,セファロスポリン;LVFX,レボフ ロキサシン;POD, post operative day.

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いことを確認した(Fig. 4b).術後 3 日目に人工呼吸 器を離脱,術後 9 日目にICUを退室した.術後ドレー ン排液を複数回培養検査へ提出したが細菌や真菌は同 定されなかった.20日目までにすべてのドレーンを抜 去した.最後の胸腔ドレーン抜去後に再度炎症反応の 上昇を認めたが,抗生物質の投与により軽快した.敗 血症や播種性血管内凝固症候群に至ることなく経過 し,術後22日目に気管切開管理目的で耳鼻咽喉科へ転 科,35日目に嚥下食を開始した.嚥下障害や肺炎は認 めず,術後47日目に気管カニューレ抜去,55日目に自宅 退院となった.術前・術後の頸胸部CTの経過をFig. 4に示す.術前に認められた咽頭,縦隔および胸腔の 膿瘍は術後22日目のCTでほぼすべて消失していた (Fig. 4c). 考  察

 降下性壊死性縦隔炎(descending necrotizing me-diastinitis,DNM)は,口腔頸部領域の深頸部の感染 症が筋膜間隙を通り縦隔に至る,比較的稀な炎症性疾 患である1).炎症の下行には重力や胸腔内陰圧が関与 している2).頸部は深頸部筋膜によって主に三つのコ ンパートメントに分かれ,それぞれが縦隔と連絡を持 つが,DNMの波及経路として最も多いのは後内蔵間 隙から後縦隔へ至る経路で約70%を占める3).原因疾 患は歯原性膿瘍・扁桃周囲膿瘍・後咽頭膿瘍・喉頭蓋 炎・耳下腺炎などで1),糖尿病や肝硬変,アルコール 依存症,AIDSなどの易感染性の基礎疾患が素因とな るとされる2)が,健常者においても発症することが知ら れている4) .また,起炎菌はStreptococcus属・Staph- ylococcus属・Bacteroides属・Prevotella属・Pseudo-monas属などが報告され好気性菌・嫌気性菌ともに起 因菌となり,これらの混合感染が多い1)2).初発症状 が発熱と咽頭痛など軽微であること,また急速に病状 が進行することから診断が遅れやすく,縦隔炎を介し て心膜炎・心タンポナーデ・胸膜炎・膿胸へ進行し, 敗血症,播種性血管内凝固症候群,多臓器不全で死亡 する1).これまでのメタアナリシス(Table 1)におい て,死亡率はかつて30-40%と報告されていたが,最 近(1999-2008年)の報告では15.5%まで改善してい Fig. 4 頸胸部CTの術後経過:a)術前,b)術後 1 日目,c)術後22日目.術前に認められた咽後膿瘍,縦隔膿瘍およ び胸水は術後22日目のCTではほぼすべて消失していた.

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る5)  本症例では経過と画像所見から,扁桃炎から深頸部 膿瘍(咽後膿瘍)を併発し,後内蔵間隙を通って上縦 隔および前縦隔・後縦隔へ膿瘍が下行し,縦隔胸膜を 介して右膿胸へと波及したものと考えられた.糖尿病 など素因となる基礎疾患はなく,生活衛生環境も良好 な健常者であり,低アルブミン血症は咽頭痛や嚥下障 害に伴う摂食障害が原因と考えた.起炎菌は嫌気性菌 と好気性菌の混合感染で,初回胸腔ドレナージの排液 から検出されたことから,胸水は反応性の胸水ではな く縦隔炎から波及した膿胸と判断した.  DNM治療の基本は,( 1 )呼吸・循環管理,( 2 ) 広域スペクトルを持つ抗生物質の投与,( 3 )外科的 ドレナージ,( 4 )膿胸や心膜炎などの合併症対策,( 5 ) 原因疾患や素因となる基礎疾患の治療である2).病状 が急激に進行することから,早期の診断とすみやかな 外科的ドレナージが重要である.外科的ドレナージの アプローチ方法は,Endoら6)の分類に基づいて行われ る.膿瘍が気管分岐部から頭側に限局するtype I,下 位前縦隔まで広がったtype IIA,下位前縦隔・後縦隔 まで広範に広がったものはtype IIBとし,type Iに対 しては頸部アプローチのみを行い,type IIAには剣状 突起下アプローチ,type IIBには開胸または胸腔鏡下 の経胸腔アプローチを追加する.本症例のように type IIBに膿胸を合併している場合,経胸腔アプロー チにより縦隔ドレナージと膿胸の一期的手術が可能で あり,また,胸腔鏡下に行うことで低侵襲に行うこと ができる.両側膿胸を合併している場合は,一側はド レナージのみ行い二期的な手術とする方法があるが, 全身状態不良例では二期的手術が困難となるので注意 を要する7)  DNMに対する胸腔鏡下の縦隔ドレナージは1997年 にRobertsら8)が初めて報告し,以後本邦でも報告が 散見される.Robertsらは胸腔鏡下ドレナージの利点 として縦隔の完全なドレナージ,心膜周囲のドレナー ジも可能であること,疼痛の軽減を挙げた.開胸手術 と比較した最大の利点はやはり低侵襲性にあり,胸郭 破壊の回避と創感染予防,手術時間の短縮が期待でき る1).平見ら9)は正確な位置へのドレーン留置が開胸 と比べて困難としているが,術前CTで膿瘍の範囲を 正確に把握できれば,開胸手術に遜色なく有効なドレ ナージが可能と考える.ただし,膿胸を合併し醸膿胸 膜の掻爬が必要な場合や,複雑な膿瘍腔へのアプロー チが困難な場合,胸腔鏡下のドレナージは手術が長時 間になる可能性がある.本症例では全身状態が安定し ていたため長時間手術の不利益は少なかったが,全身 状態不良の場合は通常開胸に切り替え短時間に確実な ドレナージを行うことが望ましいと考えられる.  また,DNMは 1 回の手術ではドレナージが不十分 で,再手術を必要とすることも多く,Freemanら10) は初回のドレナージ手術から48~72時間後にCT検査 を行い非ドレナージ領域の有無を確認することを推奨 している.本症例は手術 1 日後にCTを撮影し,非ド レナージ領域がないことを確認できたが,非ドレナー ジ領域があれば再手術の予定であった.術後 1 日目の CTによる評価は有用であったと考える.ただし,本 症例と異なり術後の呼吸・循環状態が安定していない 場合はCTの撮影も困難と思われ,予め術前CTをよ く吟味し,ドレナージ経路を事前に計画しておくこと が望ましいと考える.  本症例は易感染性の基礎疾患を持たない健常者に発 症したDNMであったが,比較的急速に膿胸にまで波

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及した.DNMの致死率は時代とともに低下している が,未だ急激に進行し不幸な転帰をたどった症例も報 告されており,いかに速やかで的確なドレナージを行 えるかが重要である. 結  語  発症から 6 日目で診断され膿胸へと進展した降下性 壊死性縦隔炎(type IIB)に対して,胸腔鏡下に膿胸 と縦隔膿瘍に対して一期的手術を行い,良好な経過を 得た.降下性縦隔炎の手術に際し,術前CTで膿瘍の ドレナージ経路を計画しておくこと,および術後 1 日 目のCTによる評価は重要であると考えられる. 文  献  1) 加賀基知三,樋田泰浩,平野 聡:胸部外科診療 に役立つ疾患別最新データ II 呼吸器領域 降下 性壊死性縦隔炎.胸部外科 2011; 64:752- 757  2) 峠 正義,瀬川正孝,草島義徳他:降下性壊死性 縦隔炎.呼吸 2010; 29:1007-1010

 3) Pearse HE : Mediastinitis following cervical sup-puration. Ann Surg 1938 ; 108 : 588-611  4) 岡 壮一,花桐武志,竹中 賢他:降下性壊死性

縦隔炎に対する外科治療.胸部外科 2010;63: 1022-1025

 5) Ridder GJ, Maier W, Kinzer S, et al : Descending necrotizing mediastinitis ; contemporary trends in etiology, diagnosis, management, and out-come. Ann Surg 2010 ; 251 : 528-534

 6) Endo S, Murayama F, Hasegawa T, et al : Guide-line of surgical management based on diffusion of descending necrotizing mediastinitis. Jpn J Thorac Cardiovasc Surg 1999 ; 47 : 14-19  7) 前田 亮,住友伸一,松岡勝成他:急速かつ重篤

な経過をたどった降下性壊死性縦隔炎の 1 例.日 呼外会誌 2006;20:645-648

 8) Roberts JR, Smythe WR, Weber RW, et al : Tho-racoscopic management of descending necrotiz-ing mediastinitis. Chest 1997 ; 112 : 850-854  9) 平見有二,中田昌男,清水克彦他:降下性壊死性

縦隔炎に対して胸腔鏡下縦隔ドレナージを施行し た 2 例.川崎医会誌 2007;33:313-319 10) Freeman R, Vallières E, Verrier ED, et al :

De-scending necrotizing mediastinitis : an analysis of the effects of serial surgical debridement on patient mortality. J Thorac Cardiovasc Surg 2000 ; 119 : 260-267

 

A CASE OF DESCENDING NECROTIZING MEDIASTINITIS WITH EMPYEMA TREATED BY THORACOSCOPIC MEDIASTINAL DRAINAGE

 

Aki KURODA, Jun MUTO, Yoshiyuki YAMAMURA, Katsuhiko MURAKAWA, Setsuyuki OTAKE and Koichi ONO

Department of Surgery, Obihiro-Kosei General Hospital

 

  Descending necrotizing mediastinitis (DNM) is a rare and fatal infection arising from the deep neck tissue and spreading downwards into the mediastinum. We report a case of successful treatment of DNM with empyema. A woman in her seventies visited a neighboring hospital because of fever and a sore throat. The therapy conducted with a diagnosis of acute adenoiditis was ineffective. Six days later, she was transferred to our hospital with a diagnosis of DNM with empyema that was made based on CT find-ings. We performed emergency operation in partnership with the department of otolaryngology in our hospital. After drainage of the superior mediastinum and tracheostomy, thoracoscopic mediastinal drain-age and decortication were performed. Chest CT-scan on the next day revealed effective draindrain-age. She was discharged from our hospital 55 days after the surgery. Preoperative planning of a drainage route and postoperative checking of un-drained area by CT scanning are useful for the prompt and accurate drainage that is of most important in treating DNM.

Key words:descending necrotizing mediastinitis,thoracoscopic surgery,empyema

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