香 川 大 学 経 済 論 叢 第71巻 第 3号 1998年12月 95-149
RFM
のデータベース・マーケティング活用
原 田
保
I . 緒 言 デ ー タ ベ ー ス ・ マ ー ケ テ ィ ン ダ が 登 場 し て 以 来 , い よ い よ 顧 客 関 連 の 戦 略 や プ ロ グ ラ ム が 科 学 的 な デ ー タ 主 義 に 転 換 し つ つ あ る 。 従 来 で は , こ の 領 域 は や や も す る と 精 神 論 が 全 面 に 出 が ち で は あ っ て , ま さ に 人 間 的 な 側 面 の み が 特 に 突 出 し て 強 調 さ れ て き た 。 し か し な が ら , そ れ に も か か わ ら ず 、 長 い 間 ず っ と 根 本 的 な 進 化 を 見 る こ と は 困 難 で あ っ た 。 と こ ろ が , 昨 今 の 先 進 的 な 情 報 シ ス テ ム の 登 場 に よ っ て , 人 間 系 の リ レ ー シ ョ ン シ ツ プ と 技 術 系 の デ ー タ ベ ー ス と を 統 合 し た 観 点 か ら 追 及 さ れ る こ と に な り , こ の た め に デ ー タ ベ ー ス ・ マ ー ケ テ ィ ン グ の 効 果 性 が 発 揮 で き る よ う に な っ て き た 。 そ し て , こ の デ ー タ ベ ー ス ・ マ ー ケ テ ィ ン グ の 科 学 的 な 特 徴 を 示 す 代 表 的 な 概 念 と し て は , 特 に 別 論 説 で 論 述 し (1) データベース・マーケティング:超並列コンピューターやデータベースソフトを利用 して,ターゲット・マーケティングやダイレクト・マーケティングなどの手法を統合して 展開するパーソナル・マーケティング手法である。昨今の,マーケティングの主たる狙い がコンクエストからリテンションへの転換である。したがって,このデータベース・マー ケティングが顧客とのリレイションシツプを増大させるために有効な手法として現在で はおおいに期待されている。 (2 ) リレーションシツプ:関係性。昨今,関係性を重視した多様な戦略がおおいに注目され ている。それは, 1つの企業が単独でしかも自らの価値観だけで経営を行っても,厳しい 競争状況を勝ち抜くことが困難であるからである。マーケティング戦略の領域でも,関係 性のマーケティングが提唱されており,企業関のリレーションシップが有効なこともす でに証明されている。このような考え方を,企業と願客との関係に持ち込んだマーケティ ングがリレーションシップ・マーケティングであり,そのためには,人間系によるアプ ローチとデータベースによるパックアップが不可欠なのである。た
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:生涯価値)と本論説で論述するRFM(
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直近購入日,F
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::累積購入回数,M
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累積購入金額)が あげられる。 そこで,本論説においては, マーケティング戦略の科学的アプローチによる ノウハウ習f
尋のために, まさにRFM
についての基本的な知識の整理が大切で あるという観点、に立脚して, とりわけ内外における先進的なモデルについての 考察を行う。もちろん,現時点においては,このRFM
については,ほとんど米 国の事例ではあるのだ、が,昨今では次第にヨーロツパなどにおいても多くの成 功事例が散見できる段階になってきた。このような問題意識に立脚して,具体 的には,筆者の経験的視点から第1
にはRFM
の基本的な特性と活用視点を,そ し て 理 論 的 視 点 か ら 第2
にはRFM
分 析 の 基 本 体 系 と 統 計 解 析 と 第3
に はRFM
のマーケティングへの戦略的活用,さらに第4
にはデータベース・マーケ ティングのための戦略ツールというようなRFM
についての総合的な論述の試 みである。1
1
,RFM
の基本的な特性と活用視点 データベース・マーケティングの導入を行うには, まさに前述のように生涯 価値を科学的に計測するLTV
手法と顧客を個客として捉えるRFM
手 法 の 確 立が不可欠である。とりわけ,RFM
は顧客に対するコミュニケーション方法や プロモーション方法に根本的な影響を与えるため, そ れ ら の 構 築 手 法 と オ ペ (3) LTV:顧客価値。顧客とのリレーションシップを高めるために最も大切な価値指標で ある。これは単純化すると人の顧客が一生を通じて使うお金のことを意味している。 また,生涯何をどれだけ購入するかは一人の顧客の製品別ライフタイム・バリューとい う。そして,このライフタイム・バリューから入手できる利益をライフタイム・バリュー・ プロフィットという。 (4) RFM:ノfーソナル・マーケティングを行う際に不可欠な分析指標の一つである。ひと りの顧客,または顧客グループの価値を判断するために連帯的に考慮される測定基準で ある。リーセンシーは最後の購買が行われてからの時間,フリークェンシーはある期間に 行われた購買の回数,マネタリーバリューはある期間に行われた購買の金額,をそれぞれ 意味している。これらの3指標をあるウェイトで点数表示を行って,これらの総合点のラ ンキングによって顧客のロイヤルティを測定する方法である。683 RFMのデータベース・マーケティング活用 -97ー レーション手法の獲得はきわめて重要なのである。このRFMには,データベー スへの理解や統計解析という数学的な能力と,同時に,顧客のニーズへの理解 とコンタクトという感性的な能力を,まさに深くミックスした戦略的な対応が 強力に要請されている。 このような観点、から,ここでは,まずRFMとは一体どんなものなのかを概括 的に理解するために,筆者が実際に行った事例を通じて獲得できたRFMの トータノレイメージについて,まさに経験に根差した実感的な論述を行つもおく。 まず,このRFMの本質とは,データからはじまってデータに終わるという科 学的なマーケティングの分析手法なのである。そして,それらのデータを繋ぐ
i
も 州 ま さ … テ ム と 感 性 の 双 方 出 ら れ た 日 テ イ ン グ 日 レ と 考 えてもよい。したがって,このような観点、から,本節においてはまさに RFMの 基礎的な理解を深めるべく,第1
に動態情報を取り込むデータベース,第2
に RFMを活用した顧客の分析と評価,第3にRFMセノレコードの持つ意義と活 用,第4
にセノレ特性を捉えたメッセージの要点,という4
点に絞り込んだ経験 的な論述を行った。 1. 動態情報を取り込むデータベース 昨今のLTV
のマーケティングへの導入によって,顧客のロイヤノレティを計 測することの重要性が理解されて,また,同時にカスタマーエクイティという 考え方の重要性についても理解が行われはじめている。しかしながら,大切な ことは,顧客のデータを正確に捉えた統計解析の本格的な実践と,これを基軸 にしたマーケティング戦略のダイナミックな展開なのである。そのためには, まず以ってデータベース・システムと超並列コンピューターの導入を前提とす (5 ) カスタマーエクイティ:昨今,注目度を高めている,顧客を企業にとっての資産として 見なした,まさに既存顧客重視の経営手法を展開する上で不可欠な概念なのである。米国 のロパート・プラットノTーグやジョン・デイトンによって提唱されており,現在では,顧 客マーケティングの主流の一つになっている。また,このカスタマー・エクイティとは, 顧客が顧客である期間のもたらしてくれる価値の合計を意味している。もしも,これが最 大になっていれば,企業における新規顧客獲得のための投資と既存顧客維持のためのコ ストがバランスしていることを表している。る先進情報システムの戦略的な構築が不可欠になっている。すなわち,このこ とは,とりもなおさず顧客のリテンションの実現にふさわしい顧客管理の方法 論が不可欠なことを意味している。言い換えれば,特に最上顧客すなわち高ロ イヤルティ顧客に対する,いわば科学的マーケティングの実践に対する要請な のである。 このような問題意識からか,昨今では顧客の特定化の方法論が,従来のクレ ジットカードから,誰もが簡単に入会できる IDカードに転換する企業が増大 しはじめている。このようなパーソナル・マーケティングにおけるパラダイム の転換は,まさに時流ともいえるきわめて根太いデータペース・マーケティン
l
グの流れを現出させている。すなわち,このような段階になると,従来からの 実績客に対する捕捉方法も根本的な転換を与儀なくされはじめてくる。そして, だからこそ,この主に実績客に対するマーケティングこそが,まさにデータベー スに立脚したデータベース・マーケテイングPの中核的な戦略対応になってくる。 そこで,以下においては,特にこのデータベース・マーケティングの前提と なる顧客データについての考察を行ってみる。また,この顧客データについて は,まず以て静態情報データと動態情報データに分類することが大切な業務なの である。 まず,前者の静態情報とは,通常ではデモグラフィックス・データといわれ ているもので,名前,性別,年齢,住所,電話番号,所得,職業,学歴,家族 数などから構成されている情報を意味している。これらのデータは個人を特定 化するための基本的な要素であるのだが,これらを-.eデータ登録を行ってし まうと,その後における内容の変更やメンテナンスは容易でない。また,ショツ (6 ) リテンション:維持。顧客マーケティングにおいては,リテンション・マ}ケティング として使用され,まさに既存顧客の維持を意味している。これは,従来のマス・マーケティ ングが新規顧客の開拓に力点を入れるコンクエストを指向するのと全く正反対の考え方 なのである。 (7) IDカード:アイデンティティを証明するカードである。このIDカードを顧客に持って もらうことで購買履歴のデータベース化を行い,よりパ!ーソナルなアプローチを展開し ようという狙いがある。このように,昨今ではまさにリテンション・マーケティングの ツールとしての期待が大きくなっている。685 RFMのデータベース・マーケティング活用 -99-ピングなどの実際の購買行動についても, このデモグラフィックス・データの みでは簡単に読み込むことは困難である。すなわち, このことは,実は日頃の インタラクティブなセールス活動を通じた購買履歴などのインプットなしに は,有効な顧客データベースの管理やメンテナンスは全く不可能ということの 明示なのである。 また,後者の動態情報とはいわば実際の顧客の購買活動やメディアへのレス ポンスなどを多面的に表す情報なのである。 したカまって, この動態情報におい ては,大きく購買履歴データとメディア・レスポンスデータに分別することが より望ましい。 第
1
の購買履歴データについては,当該購買行動のみならず,前後の購買行 動やその動機までを正確に情報として入力することによって, サイコグラブイ クス・データというような欲求や価値観を明示する要素についてもデータベー ス化が可能になってくる。 第2
のメディア・レスポンス・データとは, どんなアプローチや広告媒体に 対して一体どんな反応が行われるかにかかわるデータである。 また, このデー タについては効率的なメディア戦略を投入するにはきわめて重要なのである。 このように,顧客データベースを基軸としたマーケティングの実践には,戦 略目標にフィットしたデータの継続した蓄積が前提になる。 そのうえで, これ らのデーターベースを駆使しながら,顧客の購買予測やプロモーションのため のターゲット抽出などを行うことが必要になる。その意味では, まず顧客に関 わる情報の確実な入手こそがいわばデータベース・マーケティングのインフラ なのである。 2.. RFMを活用した顧客の分析と評価 このように,顧客の購買履歴の捕捉と統計分析がデータベース・マーケティ ングの要諦ではあるが, そのためには特に最新の科学的な手法の導入が不可欠 である。 このような観点から,現在では最も信頼がおかれている手法が, アー サー・ヒューズが考案したRFMのセlレコードに基づく統計解析の手法なのである。そしてこの手法とは,顧客のロイヤルティの評価づけをRFMという 3指 標を総合的に判断して行う, まさに科学的データ主義に大きく依拠しているの である。 第 1の
R
とは直近の購入日のことであって, これは顧客が最後に購入した日 を意味している。 このRはRFMのなかで最もホットなファクターといわれて おり, データベース・マーケティングの顧客特性を的確に反映した指標である。 このRとは,実は顧客がひいきの企業や庖舗やブランドから明解な理由もなく 離脱した時期を端的に表すからである。例えば,当該顧客が最後に購買したの はいつだ、ったのか, またいつから来庖しなくなったのか, さらにはどのくらい の期間購入が行われていないのか, などについては顧客分析にとって不可欠な 視点である。 第2
のF
とは購入累計回数のことであって, これは顧客が購入する頻度を意 味している。このFはl一定期間における購入回数なのであるが, これは回数が 多ければ多いほど購買のチャンスが大きいと判断することができる。 しかしな カまら, このF
について留意すべき点は,購入累計回数が多い顧客とは, 言い換 えれば,実は自社の案内やカタログに精通した顧客であるということである。 したがって,通り一遍のDM
作戦では全く芸がないことになり,そのためテレ・ マーケテイングでの対応や,来庖時のECB
の活用などによる個別の素早いア プローチが期待される。 このように, Fのランキングが高い顧客に対しては, 過去の購買履歴に基づいたていねいな接客が期待される。 第3
のM
とは購入累計金額のことであって, これは顧客が購入した金額を意 味している。このMは,従来からダイレクト・マーケティングにおいては,RFM の3指標のなかで最も影響力が弱いとされていた指標である。 しかしながら, 主に高額商品を扱う百貨屈においては, このMの影響力が最も強いという実験 結果も出ており,今後において十分に重視すべき指標なのである。 RFM分析においては, RFMの重要度を鑑みながら RFMの各指標をウェイ トづけして総合点の算出を行って, これでカスタマー・ロイヤJレティのランキ ングを示している。 この方法については,後述するベイリ}のモデノレが著名でi n v RFMのデータベース・マーケティング活用 687 はあるが,各企業の戦略特性を捉えた独自の方法を採用することが現実的な対 ここではこの方法について,例えば以下のような考え方に 応である。そこで, 基づいた対応を行うことにした。 3ヶ月以内なら 20点, 4から 6ヶ月以内なら 10点, 9ヶ月なら 5点, 10から 12ヶ月なら 3点, 24ヶ月なら 1点、等というポイントを 付けて,さらに重要度を考慮するならば,例えば5倍したりと行うわけである。 これに例えば重要度を3倍 Fの場合には,購入回数が1回につき4点として, 一定期間における購入回数であ るため,回数が多ければ多いほど購入チャンスが増大することになる。
M
の場 合には,例えば1,000円単位で 1点に設定して重要度は 2倍というような設定 このFは, に設定するなどの対応が行われる。 が想定できる。7
から Rの場合には, このように,RFMのウエイト付けを行ってから総合計を算出して,顧客のロ イヤルティ度合いを確定するわけである。したがって, RFMに基づく顧客の分 このRFMによる評価から 析によって顧客の正確な評価が可能になって,顧客の特定化へ向けたターゲッ ト戦略についての精度が向上する。言い換えれば, マーケティング戦略のアプローチ軸が鮮明に見えはじめてくる。 このRFMを活用した顧客の統計・解析の意義についての考察を行 そこで, まず,影響力がきわめて多大なR
に対するマーケティング戦略 上の留意点を整理すると,概ね以下のような3点に要約できる。 Rが現在の日付に近いほど再来庖や再購入を行う確率M
が高いからといってもR
が古ければそ うことにする。 すなわち,第1
には, Fが多いからといってもRが古けれ が高い傾向を示している。第2
には, の分購入する確率は低くなる。第3
には, ばその分購入する確率は低くなるという特徴が見出される。このようなことか ら,例えばRの新しい会員にプロモーションを行えば,確実にレスポンス率はR
が古くならないように可能な限り早期に したカまって, 高くなるわけである。 顧客とのコンタクトを行うことが必要になってくる。F
に対するマーケティング上の留意点は以下の2
点に要約できる。す なわち,第1にはR
の次にFが多ければ多いほど再来庖や再購入する確率は高 次に,くなる,第2にはMが高いからといってFが低ければ購入する確率は低くなる という特徴なのである。すなわち, RとFの組み合わせでは, Rが新しくかっ Fが多いほど再来庖や再購入を行う確率が高くなる。また, RとFを組み合わ せてプロモーションを行うことによって,より高いレスポンス率が獲得できる わけである。 最後に,
M
に対するマーケティング上の留意点は以下の4
点に要約すること ができる。すなわち,第1は, Mの高低は一般的にはレスポンスにそれほど大 きな影響は与えていない。第2
は,M
はまたR
やF
に比較して一般的にはレス ポンスに対する大きな影響度は与えていない。第3は, Mは特定顧客の購買力 (可処分所得)の評価には利用することができる。第4は, Fが多くMが低い 顧客は高額商品を他社で購入している可能性が高い。したがってF
が多くM
の低い顧客には特にクロスセノレ・プロモーションに挑戦することが大切である。 このように,一体RFMをどう読み取るかが課題であり,とりわけRを基軸と した再来庖や購入プロモーションはきわめて有効な手法である。また,顧客を リテンションする観点からは,少なくともRが半年経過するまでに何らかの行 動をとることが不可欠である。3
、RFM
セルコードの持つ意義と活用 RFMによって顧客のロイヤノレティが掌握できるのだが,この活用方法には2
とおりが考えられる。第1
は,特定の売場において,それこそONEt
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マーケティングをECB(
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Customer B
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に基づいて行うノ'¥-(8) ONE to ONEマーケティング:ドン・ペパーズとマーサ・ロジャースが提唱したパー ソナル・マーケティングにおける究極の概念である。すなわち,ONE to ONEマーケティ ングとは,一人ひとりの顧客のニーズへの対応を指向すべく,顧客との対話によって商品 やサービスの提供を行っていくマーケティングである。これは,また顧客とのリレーショ ンシップを通じた顧客維持のための最適なマーケテイングなのでもある。 (9) ECB:電子顧客台帳。従来,売場の販売員がテキストペースで保持していた顧客の台帳 を電子化したものである。これによって,顧客の購買利益など多くの顧客にかかわる情報 が, POSからデータベースにアクセスすることで瞬時に入手できるわけである。また,こ のことによって底頭におけるパーソナルな接客が可能になり,顧客とのコミュニケー ションのレベルが高まることになる。689
RFM
のデータベース・マーケテイング活用 103 ソナノレ・マーケティングである。第2
は,顧客を可能な限りクラスターに細分 化させて,この類似顧客の集団に対してピンポイントのマーケティングを狙お うという,まさにセグメンテーション・マーケティング?段階のパーソナル・マー ケティングの展開である。 そこで,ここでは特にRFMをセルコードで細分化した方法でのセグメン テーション・マーケティングを展開するために必要になるセノレコードの意義に ついての考察を行う。実際このRFMに対してセルコードを導入することで以 下のような5
点のメリットが享受できている。 第1には, RFMの各ポイントをベースとして意味のある顧客へのグルーピ ングが可能になる。第2
は,顧客数が増大してたとえ数十万になっても,すな わち理論的にはどんな多くのグループになったとしても,実は意味ある顧客の 単位を明確にすることが可能なのである。しかしながら,現時点においては, RFMがそれぞれ3段階である 27グ、ループや5段階である 125グループ程度 に集約させることが実務面からの現実的な対応なのである。 このように,RFMのそれぞれの段階別評価を行って,すなわち3次元の顧客 クラスターを設定してプロモーションを展開することで,マーケティングにお ける生産性の圧倒的な改善が図れるわけである。 例えば,RFMを5段階のセルで表現する場合には,最も影響力の大きいRの5
段階ごとに,F
とM
をマトリックスで表現する方法が一般的である(図表1)。 そこで,このRFMのセノレで表現された図表に基づいて,以下において単純化し た形態での幾つかの顧客プロフィールの解析を行ってみる。 ここでは,R
については,1
ヶ月以内ならセルは5
,2
ヶ月以内ならセJレは4
, 3ヶ月以内ならセノレは 3, 6ヶ月以内ならセルは2,12ヶ月以内ならセルは1 という設定を行っている。F
については, 12回以上ならセノレはし 6回以上な らセルは4, 3回以上ならセルは 3, 2固ならセルは 2, 1回ならセ1レは1と いう設定を行う。M
については,3
0
万円以上ならセルは5
,2
0
万以上ならセル は し1
0
万以上ならセノレは3
,5
万以上ならセ1レはし5
万円未満ならセルは 1という設定を行っている(図表2。)図表1 Rを基軸にしたRFMセル方式による顧客のグループ化 R5 R4
Rl
5 4 M 3 2」
例えば,A
さんの場合には,最近1
ヶ月t以内に買い物を行っており, そして この1
年間に1
5
回もの買い物を行っており, またこの1
年間に3
5
万円の買い 物を行っている。 そうなると, Aさんの場合には,R
のセルが5
,Fのセノレが5
,
M
のセノレが5
という具合に全てのセノレが5
であるから,A
さんはr
5
5
5
J
と いうように表現される。 また,B
さんの場合には,最近3
ヶ月以内に買い物を行っており, そしてこ の1
年間に5
回の買い物を行っており, またこの1
年間に2
5
万円の買い物を1
"
f
っている。 そうなると, Bさんの場合には,R
のセノレは4
,F
のセルは3
,M
のセ1レは4
ということになっ、て,B
さんはr
4
3
4
J
というように表現される。 さらに, Cさんの場合には,最近12ヶ月以内には全く買い物を行っておらず, そしてこの1
年間に2
回の買い物を行っており, またこの1年聞に7万円の買 図表2 RFMセルによる顧客プロフィールの解析l
f
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105 RFMのデータベース・マーケティング活用 691 ということになる。 セノレの意味をそれぞれ規定しておげば,顧客ごとにどのセルに 属しているかが明確に特定できる。また, RFMのセル構造の特性やセルごとの したがってCさんのセルは '122J い物を行っている。 このように, 顧客数なども明確になってくる。また,セル方式を導入することで,マス・マー ケティングに比較してきめ細かいマーケティングが実践できるし,特定の個人 への個別のアプローチについても容易に可能になってくる。 これは例えば, 3ヶ月以内ならウォー R グループ別の性格づけが可能になることである。 第3は, 2ヶ月以内ならホット客, が
1
ヶ月以内ならヒート客, ム客という設定である。すなわち, ヒートが最も熱い顧客, ホットが次に熱い ー!
l
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-晶i
b
↓ 顧客, ウォームが少し時間が経った顧客, クールがしばらく購入していない顧 コールドが購入しなくなった顧客を表している。 客, また例えば,Fについても,他頻度購入顧客であるアドボケイト,次の他頻度 2回購入顧客であるセカンドタイマー,少頻度 購入顧客であるクライアント, などと1
回購入顧客であるファーストタイマー, 購入顧客であるカス夕、マー, いうようなロイヤノレティに基づいた顧客階梯の設定が可能なのである。 このRとFの的確な組み合わせを行うことで,いわば的確なプロモーション この図表に基づいた具体的な対応の策 が可能になってくる(図表 3)。そして, 定によって,まさに高効率なプロモーションの展開が実現する。この場合には,2
5
種類の対応が考えられるが,もちろん全てが現実的なケースであるとは思え ないので,実際には取捨選択を行った展開になっている。 クール顧客やコールド顧客はまず掘り起こすことに全精力を傾注さ 例えば, この段階にまでいかないウォーム顧客の段階で何 また, せることが望ましい。 らかの手を打つことが大切なのである。また,当然ながらファーストタイマー より上位に引き上げていくことが大切なので やセカンドタイマーについては, ある。 第 4は,顧客の状況に応じたアクションの展開が可能になる。例えば, これらの各セル特性を捉えたアクションプラン を展開することはきわめて有益なことである(図表4
)。例えば,以下のような Rと Fでマトリックスを設定して,図表3 RFで 捉 え た 顧 客 セ ル の 体 系 と 意 味 付 け
¥ ¥
設 定 1最ヶ新月購以入内 最新購入 最新購入 最新購入 9 最ヶ新月購以入上 2~3 ヶ月 3~6 ヶ月 7 ~ 9ヶ月 グループトミ
5 4 3 2 l (Fの階梯) 設定 10購回入以上 5 信奉者ヒート 信 者ホ奉ット ウォーム信奉者 信奉者クール コ信奉者- Jレド グ信ル奉ー者プ 購入 4 ヒート ホ持ット ウォーム クール コ- Jレド グ支ル持ー客プ 4~9 回 支持客 支 客 支持客 支持客 支持客 購入 3 ヒート ホ顧ッ客ト ウ顧ォ客ーム クール コ- Jレド グ顧ル客ープ 3回 顧 客 顧 客 顧 客 購入 2 ヒート ホット ウォーム ク- Jレ コ- Jレド セカンドタイマー 2回 セカンドタイマー セカンドタイマー セカンドタイマー セカンドタイマー セカンドタイマー グループ 購1入回 l ヒート ホット ウォーム クール コ- Jレド 77グールストータイプマ 77 -7-トタイマー 77-7-トタイマ同 77ーストタイマー 77-7-トタイマー 77 ストタイマー フィールド ヒート ホット ウォーム クール コ- Jレド高山町
(Rの階梯) フィールド フィールド フィールド フィールド フィールド 成田顕彦作図を一部修正 対応が,まさにそれらの代表的な事例なのである。 (1) Rが5でFが3以上の場合には購入ごとにサンキュー電話を行う。この層 は安定顧客であるため電話で寸分なのである。 (2) Rが5でFが1から2の場合には,顧客との関係構築ができていないため レターで謝意表明が望ましいわげである。 (3) Rが4の場合には,例えば3ヶ月後には,購入商品によってエンジョイで きているかどうかをレターでフォローアップを行うのはきわめて効果的であ 図表4 RFで 捉 え た セJレ 別 プ ロ モ ー シ ョ ン 体 系てご
設 定 1最ヶ新月購以入内 最新購入 3最新6購ヶ入月 7最新9購ヶ入月 9最ヶ新月購以入上 2~3 ヶ月 アクション・ツウト
¥
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5 3 2 1 (もてなしの程度) 設定 4 購入 5 サ ン キ ュ } アフターフォロ」 ハロー アテンション カムノ{'yク ベストリガード 10回以上 コール コール クーポン レター イベントレター 購入 4 サンキュー アフターフォロ」 ノ¥ロ}幽 アテンション カムノ{'Yク リガード 4~9 回 コール コール クーポン レター イベントレタ} 購入 3 サンキュー 77タ}フォロー ハロー アテンション カムノ ~"y ク フレンドシップ 3回 コール コ'-Jレ クーポン レター クーポンレター 購入 2 サンキュー アフターフォロー ノ¥ロ」ー アテンション カムノてツク プレジャー 2回 レター レター レター レター クーポンレタ」 購入 1 サンキュー アフターフォロー ノ¥ロー アテンション カムノマック エントリー l回 レター レター レター レター クーポンレター アクション・ワン サンキュー アフターフォロー ノ¥ロー アテンション カムノ{yク品点空梯
(挨拶文内容) アクション アクション アクション アクション アクション 成田顕彦作図を一部修正693 RFMのデータベース・マーケティング活用 -107二一 る。原則として,
F
が3
以上の場合には電話,そしてF
が1
と2
の場合には レターでの対応になる。 (4) Rが3の場合には, 3から6ヶ月が経過した段階で再来庖の呼びかけを行 うのが基本的な対応なのである。特に, Fが3以上の場合にはクーポン(日 本では割引券)の同封も検討事項である。(
5
)
R
が2
の場合には,これは前回購入から6
ヶ月以上経過した顧客であるた め,再来庖のためのイベント情報や新設売場,新規商品等の情報の提供によっ て注意を喚起させることが大切で〉ある。 (6) Rが 1の場合には,これはクーノレやコールドに近い顧客であるから,カム ノてック・プログラムの実施が最適な方法である。特に, Fが3から1の場合 には,例えばクーポンの同封を検討すべきでなのである。ι
セル特性を捉えたメッセージの要点 ノTーソナノレ・マーケティングを指向するには,的確なメッセージによって顧 客のリテンションを高めるべく戦略的な対応がきわめて重要な課題になる。そ こで以下において, Rのセ/レ段階ごとにおけるメッセージの種類とその内容の イメージについての考察を行ってみる。 第1
のR
が5
の場合には,サンキューレターや電話によるメッセージが有効 である。このメッセージについての基本イメージは以下のとおりである。「乙の たびは,当庖をご利用いただきましてたいへん有り難うございました。私ども はお客様にお買い物の楽しさを十分味わって頂こうと思っております。いかが で し た か ? また,ご購入された商品を十分にエンジョイしていらっしゃるで しょうか? もし何かご質問やご不満がございましたら,ご遠慮なくお電話し てください。」また,追記として以下のようなメッセージも有効である。「お客様 にご満足いただくことをモットーとしています。是非なんでも御相談くださ し)oJ 第2
のR
が4
の場合には,フォローアップレターや電話によるメッセージが 有効である。このメッセージについての基本イメージは以下のとおりである。「ご満足頂いておりますか? ご購入いただいた商品は今でもエンジョイな さっているでしょうか? 何かお困りでしたら是非ご相談ください。お電話を お待ちしております。」また,追記として,以下のようなメッセージも有効であ る。「お気に召してエンジョイされているという嬉しいお便りをお待ちしており ます。お客様のお声は私たちの大きな励みなのです。」 第3のRが3の場合には,ハローレターが特に有効である。このメッセージ についての基本イメージは以下のとおりである。「こんにちは! いかがお過ご しですか? 久しくお目にかかれておりません。もしかしたら,私がお休みし ていたのかもしれませんね。何か私たちに問題があったのではないかと心配し ております。是非お声をかけてください。一生懸命がんばります。」 第
4
のR
が2
の場合には,アテンションレターが有効である。このメッセー ジの基本イメージについては以下のとおりである。「取っておきのお知らせで す。新しい季節の新しい商品で売場をいっぱいにしてみました。新しい季節を 思う存分にエンジョイして頂くように3ヶ月も前から商品探しをしてみまし た。是非,私たちの品選びをどうぞ見学してください。」また,追記として以下 のようなメッセージも有効である。「新しい発見をしていただくことが私たちの 喜びです。是非ご来庖ください。」 第5のRが1の場合にはカムバックレターが有効である。このメッセージの 基本イメージについては以下のとおりである。roo
で買い物されるのでした ら,0 0
カードのご利用が断然お得です! クーポンを同封いたしましたので, 是非一度ご来庖ください。もし,私どもの不手際でお客様の脚が遠のいてしまっ たのであればとても残念なことです。ご不満がございましたらご遠慮なくお電 話くださいりまた,追記として以下のようなメッセージも有効である。roo
カードの分かりやすい説明書があります。是非ご一報ください。」 このように,R
のセル別のメッセージについては,まさにメッセージ媒体の 選択やメッセージのコンテンツによって左右されている。すなわち,今後は, (10) クーポン:一定の優待条件つきのチケットで消費者の購入促進をはかるもの。日本で は米国ようにクーポンは盛んでない。695
RFM
のデ}タベース・マーケティング活用 -109-このようなノウハウの習得に全力を傾注することが大切なのである。もちろん, 同様なことが, FについてもまたMについてもいえるわけである。そして実際 には,これらを総合的に判断してパーソナル・マーケティングが実践されるわ けである。 III. RFM分析の基本体系と統計解析 以上で, RFMの基本特性と活用視点が理解できたと想定できるの、で,本節と 次節においてはこのRFMにかかわる理論的な論述を行うことにする。本節で は,実際にRFMをはじめて導入するにあたって,まず以って理解すべき RFM を使って行う分析についての基本体系と,この RFMを利用した統計解析の手 法についての論述を行っておく。第1
にはデータベース構築の方法であるが, 昨今では多くの米国のコンサルタントが対応しているが,ここではシェパー ド・アソシエイツの方法についての考察を行ってみる。 そして,これをベースにしながら,論説のメインテーマである RFMの分析手 法について理解を深めるべく,現在でも最も権威のあるアーサー・ヒューズの モデルをベースにしながら,特に要点、を絞り込んだ、論述を行ってみる。すなわ ち具体的には,第1はベイヤーが提言した古典的なRFMの分析手法の概要,第 2はヒューズの第1段階の評価モデル,第3はヒューズの第2段階評価モデル であり,まさに計算式の読み取り方も含めた初歩的な統計解析についての論述 と考えてもよい。 1 データベース構築の方法 現在では, RFMに基づいた分析こそがまさにデータベース・マーケティング に最も有効な手法と認知されている。そこで,このRFM分析の効果を発揮させ るためにも,まず以てその前提としてデータベースそのものの構築方法につい て確認を行っておく。もちろん,実際のデータの収集や蓄積の方法は業種・業 態によって異なるのだが,ここでは主にシェパード・アソシエイツの報告から 要約的に考察を行っておく。彼らの報告によれば,データベースの構築段階は以下の15ステップの作業で あると規定されており,これらの業務をいかに的確に展開していくかがデータ ベース・マーケティングを行う際の基本的な条件なのである。 まず,データベースを自社で構築するのか,それとも社外機関に依頼して協 力してもらう方がよいのかについての決定からスタートする。この選択には, メリットとデメリットの双方があるため,結果的には,推奨案としては社内ス タッフと社外機関とのチーム編成での対応が期待される。具体的には,社外機 関には彼らにとって効率のよい業務が期待できる領域のみをまかせることにし て,あとは自社の専任のスタップに担わせるのが現実的な対応方法なのである。 そして,体制が構築できあがったら,このチームによって自社のデータベー スへのニーズの体系表を作成するわけである。こうして,これらのニーズのプ ライオリティと類型化を考慮、して,まさに最適なデータファイル構築のための 準備を行うのである。 そこで,続いて自社のデータベースに採用すべきデータファイルを確定する 段階になってくる。すなわち,この段階においてはデータファイルの取捨選択 の作業が行われる。この際,企業の基本的な方針に準拠することが大切なので あって,また,どの程度の古いデータまでを対象とするのか,また表現方法は 期間にするのか累計にするのかについてもしっかり確認しておくことが大切で ある。 その上で,データファイノレに収納されているデータエレメントの点検を行う のである。そして,いよいよデータエレメントの決定という段取りになる。具 体的には,現在必要なエレメントは当然押さえておくことが前提になるが,問 時に,将来必要になりそうなエレメントについてもあらかじめ用意しておくこ (11) データファイル:データ処理の対象となるデータを整理して記録したもので,磁気 ディスクや磁気テープに格納されていることが多い。 (12) データ・エレメント:データベースのフォーマットを構成する3要素の一つである。こ の3要素とは,データ・エレメント,エレメントの内訳,所要文字数,から構成されてい る。また,このデータエレメントはデータ・フォーマットを切る場合の基本的な要素であ り,いわばフォーマットの基本構造を意味している。
697 RFMのデータベース・マーケテイング活用 -111 とが大切である。この際に最も大切な点は,各ファイルごとにデータエレメン トの数値について,期間値で捉えるのか累計値で捉えるのかを決定することで ある。これは,一般的にはデータベース・マーケティングでは累計値で捉える のが望ましいとされている。 そして,個人のデータを抽出して,新たなデータエレメントを構築する作業 を一体どこで行うかを決定する段階になる。これも,自社で行うのと外部の専 門企業に任せる方法とがあるが,実際にはケース・パイ・ケースでのミックス 運用が現実的な対応なのである。また,この段階では,特にデータベースにエ ンハンスド・デ
-
2
)
の取り込みを行っておくのかどうかという決定が必要に なってくる。もちろん,これは米国における固有の事情であっ、て,我が国にお いては何らかの外部機関を利用したエンハンスド・データについては原則的に は採用されていない。 次に,これは最も大事なことであるが,個々の顧客についての情報をコンソ リデーションさせる方法を決定することである。このコンソリデーションは, 我が国の企業においてはきわめて不得意な領域であって,しかしながら,これ こそデータベース・マーケティングの要諦といってもよい概念である。すなわ ち,コンソリデーションとは多様な部門が持っているデータファイノレのなかか ら必要データを抽出して,そして一つのデータベースにまとめあげる作業なの である。すなわち,この段階においては,実際にデータベース・マーケティン グに使えるような状態にするのである。たとえば,これは顧客属性データと顧 客購買履歴データを連結することなども,まさに想起される作業なのである。 もちろん,技術的には多様な方法があるのだが,何よりも戦略方針の決定を最 優先で行うことが不可欠なのである。 (13) エンハンスド・データ:外部からの情報の入手などによって増強されたデータである。 これは,米国においては,例えば,社外調査機関が保有している個人情報を購入すること で,自社のデータベースの強化を実現してパーソナル・マーケティングを行うことなどを 意味している。 (14) コンソリデーション:データの統合を意味する。社内の多様な部門が保持している各 種データを連結して,一つの統合的なデータベースに集約していくことである。そのまと めるためのアプローチ方法をコンソリデーションというのである。この段階では, この個人情報を世帯情報にコンソリデーションを行うことが 一般的に行われている手法である。 これにも,実際には住所や氏名からコンソ リデーションを行う場合と,捜雑な関係からコンソリデーションを行う場合の 2とおりの方法が想定できる。我が国においても,新郵便番号が策定されたた めやっと米国並みの水準での展開が可能な状態が現出している。 ここにいたっ て, やっと仮のデータベースを作成する段階になるわけである。 この方法につ いては,現在では多様な選択肢があるため, ストな決定が期待されている。 これは実際には現実を踏まえたベ そして続いて,いよいよこのデータベースの更新頻度の決定を行うのである。 これも,実際のマーケティング戦略の展開サイクルなどを考慮して,現実的に 決定すればよいのである。 この際,特にデータベースの更新時において, ア ー タベースに入っている既存の記録を更新するだけなのか, データベース自体を 定期的に更新するのか,についても決定しておくことが必要である。言い換え れば, これは,今後は表の中のデータだけを更新するのか, または表の枠組み をも組み替えるのかという課題でもある。 これも,現実にはケース・パイ・ケー スであるが実際は,双方のミックスで柔軟な対応ができるような担保を行うこ とが望まれている。 このように, データやコンソリデーションが当初設定した目的と合致してい るかを十分検討を行い,そして,修正すべき点があったら対応するわけである。 このようなプロセスを踏むことで, やっと実効のあるデータベース・システム が構築されてくる。 2. 古典的な RFM分析手法の概要 このように, データベースが構築できてデータの収集や更新が容易に展開さ れるようになってくると,いよいよこのデータベースを活用したマーケティン グの展開が行われてくる。 そして, そのための代表的な分析統計手法が前節で これも現在では情報技術の進展もあって も述べたRFMの活用なのであるが, 高度な段階へと進化しつつある。そこで, このRFMの原則を理解するために
699
RFM
のデータベース・マーケテイング活用 -113ー も,ここではまず古典的なRFMについて論述を行うことにする。 この古典的なアプローチは,そもそも顧客個人のRFMスコアによるター ゲット顧客の選定ということに特徴がある。また,この古典的なアプローチに おいては,井尻弘による米国からの紹介を契機にして,昨今では多くの研究家 がRFMスコアについて考え方の提示を行っている。 これらの中で最も有名なものが,以下に紹介するベイヤーによる計算式なの である。これは, RFMのそれぞれに彼の判断に基づくウェイトづけを行って, その上で,顧客1人ひとりの RFMのスコアを掌握する方法なのである。 まず, Rについては,例えば以下のような5段階でのウェイトづけが行われ ている。すわわち,3
ヶ月以内の購入ならば2
0
点,6
ヶ月以内の購入ならば1
0
点, 9ヶ月以内の購入ならば5点,1
2
ヶ月以内の購入ならば3点,2
4
ヶ月以内 の購入ならば1
点,というような設定である。 次のFについては,例えば以下のような5段階でのウェイトづけが行われて いる。すなわち, 5回以上の購入ならば16点, 4回の購入ならば16点, 3回の 購入ならば1
2
点,2
回の購入ならば8点,1
回の購入ならば4
点,というよう な設定である。 またM
については,例えば以下のような5
段階のウェイトづけが行われてい る。すなわち,金額の多寡によって上限を2
0
点に下限を 1点にして,全体を5 段階に均等に分類を行う方法が想定されている。これらの3
つの指標に基づく 総合スコアを参考にして,例えばプロモーションの投入などのマーケティング 戦略が展開されている。 そこで,このベイヤーの計算式に基づいてRFMのスコアについての計算を 行ってみる。まず,顧客がA,B, Cの3人いて,それぞれ購入実態が異なって いると想定する(図表5)。これらの3人のスコアについては, Aは2
0
2
点, B は7
9
点,C
は2
8
0
点と計算されてくる。このスコアをベースにして顧客のロイ ヤルティの度合いを判断することが可能になる。もちろん,この場合にはC
,A
,B
の順ということになる(図表6
)。このようにして,まさに顧客のロイヤルティ についてのランキングの確定がf
すえるわけである。図表5 顧客別で捉えた購入行動の比較 購入時点 購入回数(回) 購入金額($) 顧 客A 15ヵ月前 50 8ヵ月前 1 100 2ヵ月前 1 30 顧 客B 10ヵ月前 2 500 顧 客C 16ヵ月前 l 20 11ヵ月前 2 70 5ヵ月前 1 60 1ヵ月前 100 M Baier, Elemenお
0
/
Direa Marketingより 図表6 顧客別で捉えたRFMスコアの計算事例 リーセンシィ ブリクエンシィ マネタリーバリュー 顧客 購入 合 計 累 積 回数 購入 加重点購入 加重点購入 加重点点 合計点 時点 評点 (x5)回数評点 (x3) 金額 評点 (x 2) A l回目 15ヵ月前 12 $ 50 10 27 27 2回目 8ヵ月前 5 25 12 $100 10 20 57 84 3回目 2ヵ月前 20 100 4 12 $ 30 3 118 202 B 1回目 10ヵ月前 3 15 8 24 $500 20 40 79 79 C 1回目 16ヵ月前 12 $ 20 21 21 2回目 11ヵ月前 3 15 24 $ 70 14 53 74 3回目 5ヵ月前 10 50 12 $ 60 12 74 148 4回目 1ヵ月前 20 100 12 $100 10 20 132 280 M. Baier, Ele押2ents0
/
Direa Marketingより 3“ ヒューズの第 1段階評価モデル このような方法を,データベース・マーケティングに戦略的に適合させるべ く発展させたのがアーサー・ヒューズであり,この彼の2
段階のアプロ}チが ヒューズモデルというべきものである。ここでは,彼の主著である『戦略的デー タベース・マーケッティング』より,この2段階アプローチの概要についての 紹介を行っておく。 (15) ロイヤルティ:忠誠心とか忠誠度を意味している。ブレデリック・ライコールドがLoy -alty Effectで提唱して以来,企業の業績に対するロイヤJレティの影響が注目されてい る。このロイヤルティには,従業員のロイヤルティ,顧客のロイヤルティ,株主のロイヤ ルティがあり,昨今では,まず以って従業員のロイヤルティを高めることがロイヤルティ 経営の先決事項とされている。701 RFMのデータベース・マーケテイング活用 115-そこで, まずヒューズのいうところの
2
段階アプローチについての確認を 行っておく。 これは,具体的にはテスト・マ}ケティングの実施段階と,本格 的マーケティングの実施段階の 2段階からなる, まさに採算可能顧客について の選定モデノレである。 第1段階では,以下のような6ステップを踏んだ対応が,少数の顧客(ヒュー ズモデルでは3万人)を対象にして展開される。第1ステップでは,テストター ゲットのRFM
の5
分位によるマーケット・セグメンテーションが行われる。第 2ステップは, テストターゲットのマーケット・セグメンテーションごとのレ スポンス率の実査段階である。第3ステップは, テスト・マーケティングの損 益分析の試算を行う段階である。第4
ステップは,修正レスポンス率を設定す る段階である。第5
ステップは,修正レスポンス率に基づいて,本格的マーケ ティングを展開する際の損益分析の試算を行う段階である。 第2段階では,以下のような5ステップを踏んだ対応が,多数の顧客(ヒコー ズモデルでは1
0
0
万人) を対象にして展開される。第1
ステップでは,全体顧 客のRFM
の5
分位によるマーケット・セグメンテーションが行われる段階で ある。第2ステップは,全体顧客のマーケット・セグメンテーションごとの修 正レスポンス率の確認段階である。第3
ステップは,損益分岐点レスポンス率 を超えるセグメンテーションの絞り込みを行う段階である。第 4段階は,採算 可能顧客のターゲット化における損益分析の試算を行う段階である。第5
段階 は,採算可能顧客をターゲットとする本格的マーケティングの実施段階である。 この様な段階を踏んでデータベース・マーケティングが展開されるのだが, 以下において, このヒューズモデルに基づいて顧客の評価方法についての理解 を深めるための論述を行うことにする。 まず,最初に最終購入時点からの経過月数にしたがって,該当の顧客を集計 化して顧客の総合計を求めている。 これを,5
で割って5
分のl
の数値を決定 するわけである。 こうして全顧客を5
つのグループに分別することになる。 ヲ < -のような方法で,同様にF
についても,M
についても5
分位化するわけである。 こうして,RFM
で表される5
分位での顧客のセグメンテーションが可能になるわけである。例えば, Rで第5分位, Fで第5分位, Mで第5分位である 顧客は'555Jで表され, Rが第5分位, Fが第5分位, Mが第4分位である顧 客は'554Jで表せる。そして,最後のセグメンテーションであるRが第1分位,
F
が第1
分位,M
が第1
分位である顧客が'
l
1
1
J
で表される。 こうして, Rの視点、での5分位, Fの視点での5分位, Mの視点での5分位, による合計で125とおりのセグメンテーションが行われる。仮に, 3万人位で のテストマーケティングを実践しようと思うならば,全体のなかから 3万人を 抽出してレスポンスについての実査を行うならば,テスト・マーケティングに ついての結果が入手できる(図表7)。 そして,このような結果が入手できたら,いよいよ続いて損益分析の試算の 段階に進むことになる。前述した図表7に基づいて損益分析を行ってみると, 注文獲得数量は474,商品単価は35ドル,売上高は16,590 (35x474)ドル, カタログ発送量は30,000,カタログ経費単価はO
“55,経費は 16,500(0" 55 x 30, 000)ドル,利益は90(16,590-16,500)ドルということになり,ほとんど利益 の獲得は困難な状態である。 しかしながら,本格的マーケティングに入るためにはリスクへツジが必要で あり,それには15%程度のへツジを賭けた修正レスポンス率の設定が必要にな る(図表8)。そして,この修正レスポンス率を前提にして全顧客である 100万 人をターゲットにした本格的なマ}ケティングの実践が行われる。この結果で は,売上高は470,120(35 x 13,432)ドル,経費は550,000 (0" 55 x 1 , 000, 000) ドノレ,損失が79,000ドルという損害が生じることが明らかになった。このよう な数値では,当然ながらこのようなマーケティングは行われないことは明白で ある。このように,テスト・マーケティングの結果と本格的な展開のシミュレー ションでは場合によっては異なった回答がでるため,まさに十分な注意が必要 なのである。 そこで,続いて以下において損益分岐点の算出方法を検討してみる。この損 益分岐点とは,売上収入とカタログ原価がパラレルになる点を意味している。 売上収入は商品単価 x(カタログ発送数量×レスポンス率),カタログ発送費は703 RFMのデータベース・マーケティング活用 117-ー 図表7 3万人を捉えたテスト・マーケティングの結果 セノレ RFM 顧客 セノレ別 レスポンス レスポンス ナンノ守一 セJレ 構成比 顧客数 数 率 555 0..79% 238 19 7..98% 2 554 0..81% 244 12 4.92% 3 553 0..83% 250 12 4.80% 4 552 0.77% 231 8 3..46% 5 551 0..81% 244 5 205% 6 545 0..80% 240 9 3.75% 7 544 0.74% 221 12 543% 8 543 0.81% 243 7 2..88% 9 542 0.89% 267 10 375% 10 541 0..96% 287 7 2..44% 39 432 0.84% 253 5 1.98% 40 431
。
..77% 230 2 0.87% 41 425 0..63% 189 4 2.12% 42 424 0..64% 192 3 156% 43 423 0.84% 253 3 1 19% 44 422 0.81% 243 2 0.82% 45 421 0..75% 224 4 1.79% 46 415 0..84% 253 3 1 19% 87 234 0.89% 267 2 0.75% 88 233 0..96% 287。
0.00% 89 232o
66% 199 3 151% 90 231 0..78% 234 3 128% 91 225 0.84% 253 2 0.79% 121 115 084% 253。
0..00% 122 114 0.81% 243 1 041% 123 113。
..78% 234。
0.00% 124 112 0..84% 253 1 0..40% 125 111 092% 277。
0..00% 合計 125 100..00% 30,000 474 1 58% Arthur M. Hughes, STRATEGIC DATABASE MARKETINGよりカタログ経費×カタログ発送数量であるから,この良識から損益分岐点のレス ポンス率はカタログ経費÷商品単価となって,結果的には0..0157(055-';-35)
になる。すなわち, 1.57%が損益分岐点のレスポンス率なのである。そうなる
図表8 テスト・マーケティングによるスコアのf彦正結果 セル RFM 顧客 セJレ別累計セル別当初レス修正レス修正レス ナンバー セル 構成比 顧客数 顧客数 ポンス率ポンス率ポンス数 1 555
o
79% 7,933 7,933 7.98% 6.78% 538 2 554o
81% 8,133 16,066 4..92% 4..18% 340 3 553o
83% 8,333 24,399 4.80% 4.08% 340 4 552o
77% 7,700 32,099 346% 294% 226 5 551o
81% 8,133 40,232 2..05% L74% 142 6 545o
80% 8,000 48,232 3.75% 3.19% 255 7 544o
74% 7,367 55,599 5.43% 4..62% 340 8 543 081% 8,100 63,699 2 88% 245% 198 9 542 0..89% 8,900 72,599 375% 3 19% 284 10 541 0..96% 9,567 82,166 244% 2 07% 198 39 432 084% 8,433 313,097 1..98% 168% 142 40 431 0.77% 7,667 320,764 087% 074% 57 41 425 0.63% 6,300 327,064 2 12% 1.80% 113 42 424 0..64% 6,400 333,464 1.56% 133% 85 43 423 084% 8,433 341,897 1..19% 101% 85 44 422 0.81% 8,100 349,997。
.82% 0.70% 57 120 121 0..64% 6,400 957,992 104% 0..88% 56 121 115 084% 8,433 966,425o
00%o
00%。
122 114 081% 8,100 974,525o
41%o
35% 28 123 113。
78% 7,800 982,325 0..00%。
..00%。
124 112o
84% 8,433 990,758o
40%o
34% 29 125 111o
92% 9,233 999,991o
00% 000%。
合計 125 100 00% 999,991 999,991 1 58% 134% 13,432ArthurM..Hugh巴s,STRATEGIC DATABASE MARKETINGより
を発送すればよいことになる。 4“ ヒューズの第2段階評価モデル そこで,ヒューズはこれらの成果をベースにして,続いて第2段階の本格的 マーケティングの段階へと発展させたのである。まず,全顧客のRFMを125と おりのクラスター分類する(図表
9
)。そして,これから修正レスポンス率がL
57%を超えるセグメンテーションのみをターゲットとした本格的マーケティン グを行うことになる(図表10)。この場合には,マーケテイングのターゲットと705 RFMのデータベース・マーケティング活用 -11少ー なる顧客数は29万763名ということにな・る。 このような方法によって,採算可能性のある顧客にのみに対してマーケティ ングを展開した場合の採算性を試算すると,これは以下のとおりなのである。 すなわち,注文獲得顧客数は7,394名,ターゲット顧客は290,763名,商品単価 は35ドlレ,カタログ経費は0..55ドルということである。したがって,売上高 は258,790 (35
x
7,394)ドル,経費は159,920 (0..55x
290,763)ド ム 利 益 は 98,870ドルになる(図表11)。 図表9 全顧客の採算可能顧客と採算不能顧客への分別 セノレ RFM セlレ別 修正レス セル RFM セノレ別レスポンス ナンバー セル 顧 客 数 ポ ン ス 率 ナ ン バ ー セ1レ 顧客数 率 1 555 7,933 6 78% 64 332 7,800 L45% 2 554 8,133 418% 65 331 8,433 0 67% 3 553 8,333 408% 66 325 7,667 L48% 4 552 7,700 294% 67 324 6,300 2.25% 5 551 8,133 174% 68 323 6,400 133% 6 545 8,000 3.19% 69 322 8,433 201% 7 544 7,367 462% 70 321 8,100 L40% 8 543 8,100 245% 71 315 7,467 L90% 9 542 8,900 319% 72 314 8,433 101% 10 541 9,567 207% 73 313 9,233 L22% 11 535 6,633 213% 74 312 7,033 081% 12 534 7,800 218% 75 311 7,700 1 11% 13 533 8,433 269% 76 255 9,600 L18% 14 532 7,667 1 84% 77 254 8,467 L33% 15 531 6,300 360% 78 253 8,200 L39% 56 345 7,700 111% 119 122 6,633 000% 57 344 8,133 174% 120 121 6,400 088% 58 343 8,000 071% 121 115 8,433 0.00% 59 342 7,367 116% 122 114 8,100 0.35% 60 341 8,100 0.35% 123 113 7,800 0..00% 61 335 8,900 128% 124 112 8,433 0 34% 62 334 9,567 0 60% 125 111 9,233 0 00% 63 333 6,633 L28% 合計 125 1,000,000 L34% Arthur M. Hughes, STRATEGIC DATABASE MARKETINGより図表10 採算可能顧客の採算可能獲得レスポンス数 セノレ
RFM
セル別 修正レス 採算 獲得レス ナンバー セル 顧客数 ポンス率 可能セル ポンス数 1 555 7.933 6.78% 7,933 538 2 554 8,133 4..18% 8,133 340 3 553 8.333 4..08% 8,333 340 4 552 7.700 2.94% 7,700 226 5 551 8.133 1.74% 8,133 142 6 545 8,000 3..19% 8,000 255 7 544 7,367 4..62% 7,367 340 8 543 8.100 2..45% 8,100 198 9 542 8.900 3..19% 8,900 284 10 541 9.567 2.07% 9,567 198 11 535 6,633 2..13% 6,633 141 12 534 7.800 2..18% 7,800 170 13 533 8,433 2..69% 8,433 227 14 532 7.667 184% 7,667 141 15 531 6.300 3.60% 6,300 227 16 525 6,400 5..31% 6,400 340 17 524 8,433 3..36% 8,433 283 18 523 8,100 2..10% 8,100 170 19 522 7.467 1.90% 7,467 142 20 521 8.433 2“01% 8,433 170 21 515 9,233 184% 9,233 170 22 514 7,033 2..01% 7,033 141 23 513 7,700 147%。 。
24 512 9.600 2..36% 9,600 227 25 511 8.467 1..67% 8,467 141 26 455 8.200 139%。 。
27 454 7.933 0..00%。 。
28 453 8,133 105%。 。
29 452 8,333 170% 8,333 142 30 451 7.700 147%。 。
31 445 8.133 174% 8,133 142 125 111 9,233。
。 。
合計 125 1,000,000 134% 290,763 7,394707 RFMのデータベース・マーケティング活用 -121ー 図表11 テスト・マーケティングと本格的マーケティングとの比較 テスト・ 百万人の本格的 採算顧客数での マーケティング マーケティング マーケティング 収 入 レスポンス率 1 58% 1 34% 254% 売上数量 474 13,432 7,394 売上高 $16,590 $ 470,120 $ 258, 790 経 費 発送カタログ数 30,000 1,000,000 290,763 カタログ経費単価 $16,500 $ 550,000 $159,920 利 益 $ 90 $ 79,880 $ 98,870 このように,テスト・マーケティング,全顧客
1
0
0
万}人への予想損益,採算 可能顧客に対する予想総益の3
とおりの損益が入手できるが,これらを比較す ると,いかに採算可能性の確認業務が大切であるかを理解することができる。 この採算可能性のあるセグメンテーション対してのみカタログを送付すれば, 本当に効率のよいマーケティングが展開できる。 以上のことから,採算性とリンクしてRFMを利用することが大切であり,そ のためには不採算顧客を切り捨てることが必要であることが理解できる。この いわば顧客をファイヤーできることこそが米国企業の最も優れた点であり,今 後においては我が国の企業にも十分参考にできる点なのである。 また,この RFM分析に貫かれる戦略思想、とは,たとえ売上高が減少したとし ても利益を獲得していくという利益ベースの経営を支えるパックボーンなので ある。言い換えれば,顧客データベ}スを持ってRFM分析に立脚したマーケ ティングを展開するならば,企業にとってはまさに継続的な利益の保証が可能 になる。 IV. RFMのマーケティングへの戦略的活用 RFMのシステム設計ができ統計解析の手法が確立すれば,いよいよ実際の マーケテイング戦略への活用段階になる。ここでも,前節と同様にヒコーズモ デルを基軸としながらも,同時にこれを発展させた荒川モデルも含めて,以下において顧客をリテンションするためのマーケティングの実践方法についての 言及を行う。そこで具体的には,まず顧客のセグメントするツーJレである RFM のそれぞれの意義についての理解からはじめてとして, についての理解と対応についての方法について考察を行った。 また,これらのRFMのマーケティング戦略への多面的な活用に向けて,同時 に多様な分析方法についての考察も行なっている。具体的には,第1はRFM分 その後にこれらの変化 析による関連商品分析,第