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江口修名誉教授記念号の刊行にあたって

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Academic year: 2021

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1 江口修名誉教授記念号の刊行にあたって

江口修名誉教授記念号の刊行にあたって

学長 和 田 健 夫

 江口修先生は,1973年に東北大学文学部をご卒業後,同大学大学院文学研 究科での研究を経て,1978年10月に本学商学部講師として赴任,1980年10月 同助教授,1992年10月同言語センター教授になられ,2014年3月に定年退職 されました。定年後2年間の特任教授期間を含め,37年の長きにわたり,本 学の教育研究や大学運営に多大の貢献をなされました。とりわけ,1993年10 月から2001年9月までの8年間,言語センター長として,さらには2004年2 月から2010年3月までの6年間,国際交流センター長として,両センターの 立ち上げの時期から組織運営にご尽力されたことは特筆に値するものです。

 先生は,フランス文学,16世紀ルネサンス文学がご専門で,そのなかでも ルネサンス期の詩人で「詩人たちの君主」と称されたロンサールの研究者と して知られています。この分野では,たとえば,「マニエリス詩試論?フラ ン ス・ ル ネ サ ン ス 詩 再 読 の た め の 覚 え 書 き 」 人 文 研 究70輯1985年,

L’allégorie de l’imaginaire, Revue des Amis de Ronsard I 1998年,「 ロ ン サール詩集注,その1-3『マリー・スチュアートへのエレジー』」人文研 究82輯1991年,「ロンサールとレアリテ-『フランシアッド』再読」ロンサー ル研究Ⅵ 1993年など,数多くの論文を執筆されました。1986年には,「16世 紀フランスルネサンス期における言語表現の構造的変動についての研究」の ため,1年間フランスで在外研究をされました。フランス文学に関する文献 の翻訳においても,たとえば,マリナ・ヤグェーロ『言語の夢想者-17世紀 普遍言語から現代SFまで』工作舎1990年,J.ドリュモー『罪と罰』新評論 2004年,『フランス・ルネサンス文学集1 学問と信仰』白水社2015年などの 業績を残されています。先生は,また,2000年から2006年の6年間,「日本

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2 人 文 研 究 第 132 輯

フランス語フランス文学会」北海道支部長を努められ,フランス文学研究の 発展に貢献されました。

 先生の研究面でのもう一つの業績は,フランス語とフランス文化の普及に あります。この分野の研究業績として,1922年から1940年までパリに住み,

日仏の文化交流に貢献したジャーナリスト・評論家の松尾邦之助に関する研 究(「松尾邦之助とパリ その1 狂乱の時代」人文研究115輯2008年,「同 その2」同118輯2009年,「狂い始めた世界-パリの松尾邦之助(終章)」同 122輯2011年など)が挙げられます。さらに,現在は,日仏文化の交流・親 睦とアリアンス・フランセーズ学院の支援を目的に1989年に発足した「札幌 日仏協会」の理事長として,社会活動の分野でも活躍されています。

 教育の面では,江口先生は,学部では,「フランス語」,「上級外国語(フ ランス語)」,「外国文学」,「外国語コミュニケーション」の講義と「研究指導」

を,大学院では,「外国語演習b(フランス語)」(現代商学専攻前期課程)

を担当されました。フランス語,とくにその運用能力の養成を重視する講義 をされ,先生のフランス語の授業には,毎年多くの学生が集まりました。

 2016年1月28日に行われた江口先生の最終講義のテーマは,「妄想有理?

-私と文学とのつきあい方-」でした。先生は,講義のなかで,ご自身のフ ランス文学研究の到達点,未だ果たせない文学の奥義,について語られまし た。最終講義にふさわしい内容でした。

 キャンパスで時々お見かけする先生の後ろ姿は力に溢れ,飽くなき研究心 は,退職後も,先生を更なる文学研究に駆り立てていることと思います。一 層のご活躍を期待するとともに,私どもへの変わらぬご指導をお願いする次 第であります。

参照

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