• 検索結果がありません。

中項目 3-1. シミュレーション 小項目 3-1-9. 糖鎖

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "中項目 3-1. シミュレーション 小項目 3-1-9. 糖鎖 "

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

ディビジョン番号 ディビジョン名

理論化学・情報化学・計算化学

大項目 3. 計算化学

中項目 3-1. シミュレーション 小項目 3-1-9. 糖鎖

概要(200字以内)

NeuAc – NeuAc – Gal – Glc – (Ceramide)

現状と最前線

糖鎖は、細胞中の至る所に糖タンパク質、糖脂質などの複合糖質として存在し、さまざまな 生命維持機能に関与している。例えば、細胞膜においてマイクロドメインを形成する糖脂質が 情報伝達に関与しているという報告や、酵素が糖蛋白質や糖脂質の糖鎖部分を識別しているこ とを示唆する実験結果があり、糖鎖認識機構に糖鎖の立体構造が関与する可能性とその重要性 が認識されつつある。糖鎖が多数の立体配座をもつために、従来、その構造解析は困難であっ た。昨今、NMR や X 線構造解析による構造生物学研究の進展に期待が寄せられているが、糖鎖 の立体構造に関する報告例は、現状では非常に少なく、PDB の結晶構造において部分的に見ら れる程度である。一方、計算化学分野においては、1980 年代の剛体球近似による糖脂質糖鎖の 立体配座解析に始まって、分子力学法による報告が中心であった[1, 2]。最近の計算機能力の 飛躍的発展をもってしても、量子化学的手法によって多様なコンホメーションを自動的網羅的 に解析することは未だ不可能であるが、単結合のまわりの回転ポテンシャルを解析することに より、安定なコンホマーの特徴づけや相互作用の評価が可能になってきた。

最近、細胞膜上のマイクロドメインを形成する糖脂質として、ホスファチジルグルコースが 発見され、注目を集めている。ドメイン形成の要因を明らかにすることを最終目的とする研究 のスタートとして、ホスファチジルグルコースの孤立分子としての幾何学構造の特徴を解析し

細胞膜上のマイクロドメイン形成やタンパ

ク質の糖鎖認識機構を解明するため、糖鎖立

体構造を量子化学計算によって解析する。現

状では、多様なコンホメーションを量子化学

によって自動的網羅的に解析することは不可

能であるが、単結合のまわりの回転ポテンシ

ャルの解析により、安定なコンホマーの特徴

づけや相互作用の評価が可能である。溶媒効

果を考慮した立体配座解析や、蛋白質と糖鎖

のドッキングシミュレーションを高精度で行

うことが今後の課題である。

(2)

た。糖鎖のコンホメーションの網羅的解析は、多数の配座が発生するた めに現実的でない。そこで、単結合まわりの回転エネルギー障壁を順次 調べていく方法により、安定なコンホメーションを探索した。その結果、

グルコース 2 位の水酸基とリン酸基部分の酸素原子との水素結合が分子 の安定化に重要な役割を果していることがわかった。さらに、リン酸基 部分の単結合まわりのコンホメーションがアンチ型およびゴーシュ型で 安定となった。安定なコンホマーの特徴として、ピラノース環を含む糖 鎖部分が脂質鎖に対して斜め上方に伸びるような配向を取ることが明ら かとなった [ 右図 ] 。

NAD 分解酵素が糖脂質糖鎖を誤認識するという、糖脂質による酵素阻害効果の機構に関する モデル計算においては、糖鎖の安定な立体構造を探索し、得られた分子軌道エネルギーから、

HOMO-LUMO 相互作用の大きさと阻害効果の間の相関を示唆する結果を得た[3]。溶媒存在下の計 算結果も、これを支持している。相互作用の詳細な解析のためには、酵素と基質のドッキング シミュレーションを精度よく行う必要がある。

多糖類の立体構造探索へのアプローチの一つとして、 グリコシド結合をもつ2 糖類について、

系統的なセグメントデータベースを構築する動きがある[2]。それぞれのセグメントを組み合 わせることによって、全体構造を得る道へつながっていくと期待される。また、水溶液中での 動力学計算における力学パラメータの決定も、今後の課題の一つである。

[1] A. Imberty, S. Prez (2000) Chem. Rev. , 4567-4588 [2]「未来を拓く糖鎖科学」永井克孝監修、金芳堂 (2005) [3] 鷹野景子、能登香 (2003) 化学工業 , 54, 766-770 将来予測と方向性

・5年後までに解決・実現が望まれる課題

グリコシド結合データベースの完成とデータベース構造を利用した安定配座予測 溶媒効果を考慮した高精度の立体配座解析

糖鎖分子の高精度量子化学計算

・10年後までに解決・実現が望まれる課題

生体膜のマイクロドメイン形成に関する動力学シミュレーション計算 タンパク質と糖鎖のドッキングシミュレーション

高精度分子間相互作用計算

キーワード

糖脂質、糖鎖立体構造、マイクロドメイン、認識機構、分子間相互作用

(執筆者: 鷹野景子 )

参照

関連したドキュメント

わからない その他 がん検診を受けても見落としがあると思っているから がん検診そのものを知らないから

強力粉…150g 無塩バター…10g 砂糖…大さじ1 塩…小さじ1/3 卵…1/2個 牛乳…45mL ドライイースト…3g ぬるま湯…25mL

処理区 果重 糖度 酸度 硬度. g %Brix

この項目の内容と「4環境の把 握」、「6コミュニケーション」等 の区分に示されている項目の

AIDS,高血圧,糖尿病,気管支喘息など長期の治療が必要な 領域で活用されることがある。Morisky Medication Adherence Scale (MMAS-4-Item) 29, 30) の 4

いメタボリックシンドロームや 2 型糖尿病への 有用性も期待される.ペマフィブラートは他の

①血糖 a 空腹時血糖100mg/dl以上 又は b HbA1cの場合 5.2% 以上 又は c 薬剤治療を受けている場合(質問票より). ②脂質 a 中性脂肪150mg/dl以上 又は

2020 Fukuyama Canagliflozin 100 mg 54 F 呼吸困難感 196 過度のダイエット 2020 得津 Canagliflozin 58 M 体重減少,倦怠感,嘔吐,下痢,食思不振 292 急速進行 1 型 DM