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引当金計上規定改正の意味

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(1)

ドイツ新会計法 における 引当金計上規定改正の意味

佐 藤 誠 二

1.は じめに

周知 のように、 ECで は EEC条 約 54条 3号 gに 基づ く域 内諸国にお ける会 社法調和化の一環 として、 EC理 事会発布 の会計関連各指令 の加盟各国 におけ る国内法化 の作業が進 められて きた。 ドイツの場合、 1978年 7月 の第四号指令

「 資本会社 の年度決算書」の制定 を受 けて、 まず、 シユ ミッ ト政権下で連邦法 務省 による「 法律予備草案」を一部修正後、 1982年 2月 に「政府草案」が提起 された。 しか し、 この 「政府草案」は同年 10月 の政権交代 によつて廃案 とな り、

これ にかわ つて コール新政権の もとでの 1983年 6月 の「新政府草案」の公表 を み、その後、 EC第 七号指令「 コンツェル ン決算書」、第八号指令「会計監査人」

の国内法化 と併せて、 1985年 11月 の法務委員会の「最終提案」、連邦議会での 可 決 を 経 て 同 年 12月 19日 付 で「貸 借 対 照 表 指 令 法

(BilanZrichtlinien…

Gesetz)」

として正式 に成立するに至 った。

しか しなが ら、 EEC条 約 はもともと国家の枠 を超越 した一個 の超国家的ない し連邦法的性格 の会社法 を制定する方法 を採 らず、各加盟国の国内法その もの を統一 し、 あ くまで も相互 に異なる加盟国会社法の調整 を目的 としてお り、指 令 の国内法化 に際 して、 その履行の形式お よび方法 については加盟各貝 9国

機関による選択 の権限に委ね られる (EEC条 約 189条 3項 )も のであった。 こ の点 は、 ドイツにおいて も例外ではない。 ドイツでは貸借対照表指令法成立 に あた って この転換選択権 を行使するため次の ような適用原則 を前提 とした。

(1}

会計報告の法形態及 び規模依存性 とそれに伴 う税務上の利益決定 に対する商事

貸借対照表 の基準性 の保持、 (2)重 複規定 の回避、 (3)申 規模経 済への否湧当な負

担の回避、 (4)第 四号指令 の税務 中立的履行、 (5)会 計報告の弾力性の維持。従 つ

(194) 69

(2)

法経研究 39巻 3号

(1990年)

て、 1985年 貸借対照指令 も要するところ、加盟各国に与 えられた立法選択権の 行使 を前提 とした国内会計法の ドイツ流の立法的解決 を具現 した もの とい うこ とがで きる。 この貸借対照表指令法 は新たに創設 された新商法典第二編「商業 帳簿」 に組 み込 まれ 1986年 1月 1日 より発効 している。

ところで、かか る新商法典会計規定 において注 目すべ きもの として引当金計 上規定の改正 を挙 げ得 る。新商法典では 249条

(計

上規定

)、

253条

(評

価規定

)

当び に商法施行法 28条 において弓

1当

金法 (Rickstellungsrecht)の 商法■の具 体化 をな した とされ、とくに 249条 は、それが 1965年 株式法

(以

下、

1自

株式法

)

152条 7項 に比較 して引当金概念一般が よ り包括的且つ限定的 に定義 された こ とで重要な変更点だ といわれている。また、 249条 は EC第 四号指令 20条 を ド イツ法 に転換 した ものだ とされている。 しか し、 1問 題 は この新商法典 にみ られ る引当金の計上規定が、 ECの 「 あ くまで相互 に異 なる会社法の調和化」を前提 として ドイツ国内会計法 に対する立法的解決 をいかにして実現 したのかであろ う。本稿 はかかる観点か ら新商法典 249条 引当金計上規定の内容 と改正点 を立 法資料・ コンメンタールに依拠 しなが ら整理 し、 その上で引当金計上規定の改 正が ドイツ会計制度 にとっていかなる意味 を有するのかについて若干の考察 を 試 み ようとす るものである。

2.新 商法典引当金規定の成立経過 と改正点

新商法典 249条 は引当金の計上 について次 のように規定 している。

「引当金 は不確定債務 (ungewisse Verbindlichkeiten)及 び未決取引から発 生す る恐れのある損失 (drOhende verlust aus schwebenden Ceschaften)に つ き設定 されなければな らない。 さらに引当金 は

1。

当営業年度 に未実施 であ り、次営業年度 の二月以内 に埋 め合わされる維持 補修 (Instandhaltung)も し くは次営業年度 に埋 め合 わ され る廃 石物 除去

(Abraumbeseitigung)に 対す る費用

;

2.法 的義務 を伴わずに提供 され る保証給付 (Gewahrleistung ohne rechtliche Verpflichtung);に つ き

設定 されなければな らない ;引 当金 は未実施 の維持補修 の費用に対 して、 当営 業年度内で 2文 の 1号 に従 う期間の経過後 に埋 め合わされるときに も設定する

ことが許 される。

  (193)

(3)

ドイツ新会計法における 引当金計上規定改正の意味 引当金はそれ以外 に、その属性 に従い正確 に既述 され、当営業年度 もしくは 過去の営業年度 に帰属 されるべ き費用で、決算 日に蓋然的 もしくは確実である が、 その金額 もしくは発生の時点が不確定の ものにつ き設定す ることが許 され る。

1項 及び 2項 に記 される目的以外の目的に対 して引当金 は設定 されてはなら ない。引当金 はそれ に対する根拠が消滅 している限 り、取 り崩す ことが許 され る。」

ところで、かか る規定内容 も新商法典制定 に至 る大要三つのⅢ換構想

(Kon‐

zeption ir die Transf∝

"ation)の 変遷 のなかで、幾つかの議論 を経過 して きていることに注 目す る必要がある と思われ る。新商法典

(草

借対照表指令法

)

は 1982年 、 1983年 のふたつの政府草案 と 1985年 の成立 に至 る三つの時期区分 に応 じた構想上の相違 を経て きてお り、 また、 その経過 のなかで引当金規定 も 幾つかの修正が施 されて きている。そこで、この点 に留意 しなが ら、まず、 249 条規定の内容 を各項別 に追 つてみ よう

(付

表参照

)。

l―

1 249条 1項 1文 EC指 20条 1項 に対応するもの といわれている。こ の規定 をもつて不確定債務 に対する引当金

(未

決取引か ら発生する恐れのある 引当金 を含 む )に 関 して消極計上義務が法文上明定 され ることになった。 この 種 の引当金 については旧株式法の もとで もその計上げ義務 づ けられるもの と解 釈 されていたが、法文上「 設定 され ることが許 され る」 とされて いた ことか ら

その不明‐ 瞭 さが指摘 されていた。今次の改正では強制的に設定 されなければな らない ことが明確 に表現 されることになった。なお、 ここで特記 され る べ きは 年金及 び類似 め義務 に対す る引当金

(以

下、年金引当金 )に ついての取 り扱い

で ある。年金引当金 に関 しては従来、 1961年 の連邦財政裁判所の判決 に拠 りな が ら例外的 に計上選択権が付与 されて きた。 1982年 と 1983年 の草案 も同様 に 計上選択権 を規定 していたが新商法典で はこれ を除去 し、年金お よび類似 の義 務 に対 して例外 な く不確定債務 として引 当金計上義務の存す ることが確認 され

[進 但 し L二 塁 Ю 驚 得 馬 舞 翼 恣 翼 舅 義 £ t奨 竜 涎 栂 ::〔 亀 辱 ム 最 串 呈 欝 雲 像 曇 花 :L冤 奮 事 ]言 言 暫 轟 i』ET言 伺 場 禁 F軍 基 酎 雪 量 塀 潜 糧 葬 1握

:重 に 借 T2;[曹 縛 [勢Fし ゝ 言 臀 r晉 分 葦 曇 』 言 量 資 曇 扁 ガ 霧 暑 害 線

,      (192)7」

(4)

法経研究 39巻 3号

(1990年)

去 は旧株式法か ら持 ち越 されてきた計上問題 (計 上義務か選択権か )に 一応の 解決 をみた もの とされるのである。

一方、  1項 2文 では未実施 の維持補修及 び廃石物除去のための費用、法的義 務 を伴 わずに提供 され る保証給付 に対する引当金規定 について も旧株式法 にお ける計上選択権 を排除 して計上義務が存することが明定 された。 この変更は税 法 との調整 を果たすための もの といわれている。この点、 1983年 政府草案理由 書 は「 2文 においては税法上の承認 を危険 に陥れないように従来の選択権が除 去 されている。 その場合、維持補修の際の税務上の実務 に相応 して、埋 め合わ せ期間 は 3カ 月に 1限 定 される。従来範囲ヤ

¬滉 いて残 りの 9カ 月について選択権 が 3項 で容認 されている為 に欠点は存 しない」と述べている。 なお、 1982年 府草案 と同様 1983年 政府草案 において も未実施 の廃石物 1除 去の費用に対する 弓 1詢 金に言及することは、 「 すでにそれギ 1項 1文 において含 まれるので放棄 さ れ る」 としていたが、新商法典確定時点では、 この引当金に対 して計上義務の 存することが明文規定 されることとなった。

0  さて、新商法典引当金規定の最 も基本的変更点のひ とつ とされる 249条 2項 は

EC‐

四号指令 20条 2項 を転換 した もの とされている。この規定 によって 企業状 態 と くに収益状態 の明瞭性保 持 の観 点 か ら、いわゆ る費 用性 引 当金 (Aufwandrickstellungen)一 般が許容 されることとなった。 この費用引当金 については、 1982年 1983年 草案共々、固定資産たる現存 の経済財 の経営能力 を維持する上で必要で且つその高 さのため当該年度への過度の負担が示 される こ

│と

になろう将来の費用 に対 して、すなわち大規模修繕引当金

(Rickstelltm‐

gen mr Gr03reparaturen)に のみ限定 されていた

?lo1985年 3月 の連邦議会法 務委員会で も

1同

じ く大規模修繕引当金 に限定 していたが、確定法文では、 この 限定が削除 され、その結果、 EC四 号指令 20条 2項 に合致 して、費用性引当金 一般が制限な く許容 されることとなった。ところで、この点 に関連 して 1982年 草案 に付 された理 由書の説明は興味深い。すなわち、理 由書 によると、事実関 係のよ りよい表示 のためには費用性引当金 を強制規定すべ きであろうが、それ は見送 られる とい う。 それは費用性引当金に関する実務経験は まだ存在 しない か らであ り、かつて年金引当金 もそのような理由か ら強制規定 は見送 られた。

そして、費用性引当金の計上 を許容するだけに とどめるのが適 当である とする のである。年金引当金が義務規定へ と移行 した経過か らみて、上の理由書の説 明はこの種 の弓 1当 金 の商法上の計上義務化への可能性 を暗示 してお り、今後の

″ (191)

(5)

実務 の進展いかんによって計上義務化への道 を開 くもの と考 えられる。なお、

2項 に基づ く富潮性引当金は EC指 令 の「税務 中立的転換」のため税法上 は計上 禁止 となる とい う。

0 249条 3項 1文 におけるその他の引当金の禁止規定 は旧株式法 (152条

7

項 3号 )を 踏襲 し、かつ また EC 20条 3項 に応 じた もの とされる。 2文 における 引当金の取崩 に関す る規定 は、選択権 を根拠 に設定 され る引当金 もまた適用 さ れる。 この 2文 の規定 は 1982年 及 び 1983年 草案 にみ られ る年金引当♀に羽√

る取崩 に関す る規定 に相応 してお り、最終的に明定 された もの といわれている。

さて、以上見た新商法典引当金計上規定 を旧株式法のそれ と比較すれば次の ような相違点 を挙 げうる。 (1に れ まで選択権の付与 されていた引当金種類につ いて裁量余地 を排除 して消極計上が義務付 けられた こと、 (aこ れ までの税法 と 関連か ら認 め られた特定の費用性引当金 に加 えて、新たに費用性引当金一般 に 対 して も消極計上選択権が与 えられた こと。 この点、新商法典では計上 されな ければな らない (zu bilden sind)弓 1当 金 と計上 され うる (gebildet werden dttfen)弓

1当

金 とを明文規定 し、引当金の計上義務 と計上選択権 を明確 に区分

ねレ神管 lβ 蹄 、 色で轟墨晶│:臭墨範塾薫』註電き亀奪罫醤曇桑電海曇盤 を真 機 としなが らも旧株式法下 に存 していた引当金規定法文上 の不明瞭性 を回避 し 一定の整序枠 を示 した もの とみることがで きよう。前掲の新商法典成立 に至る 引当金計上規定の変遷 はこうした引 当金 の明確な区分へ向 けての展開 を示 して いるむの と思われ る。

3.新 商法典 における引当金計上規定の解釈

既述 の ように新商法典 249条 1項 及 び 2項 において消極計上の認められ る引 当金種類は、不確定債務 に対する引当金、未決取引か ら発生す る恐れのある損 失 に対 す る引当金、未実施 の維持補修及 び廃石物除去の費用 に対する引当金、

法的義務 を伴わない保証給付 に対す る引当金、 2項 に基づ く費用性引当金の五 つである。 しか も 3項 によると、 これ らの引当金め取崩 はそれ を設定す る根拠 の消滅する場合 に限 られ、 また、 これ ら以外の引当金 は禁止 される。

しか し、 249条 は こうした引当金 に対 して計上要件 を提供するものではない。

それでは、引当金計上要件はいかに示 されるのか。 その点、新商法典 は財産対

(190)  7θ

(6)

法経研究39巻 3号

(1990年)

象物、負債概念を規定せず、それらの貸借対照表計上要件に対しても規定を設

i桑 聾繁藁諄瞳ポ⑮響

=鰭

:

依拠す るもの と解釈 されている。そ こで まず次 に、新商法典 に現れ る正規 の簿 記 の諸原則規定 と引当金規定 との関係か ら考察 してみよう。

0  引当金 と正規の簿記の諸原則

新商法典 243条 1項 はすべての商人の「年度決算書は正規の簿記の諸原則に 従い作成しなければならない」と規定し、 264条 2項 1文 は、「資本会社の年度 決算書は正規の簿記の諸原則を遵守して資本社会の財産・財務・収益状態の実 質的諸関係 に合致 した写像 を伝達 しなければな らない」 と規定 している。 キュ テ ィング・ヴェーバー編 コンメンタールによれば、 264条 2項 1文 における正規 の簿記の諸原則 の指示「正規 の簿記の諸原則 を遵守 して」は、 これをもって 243 条 1項 に代立するのでな く並立することが明定 されているのだ とされる。そし て、 これが 264条 2項 において規定 されたのは一般条項 「実質的諸関係 に合致 した写像 J(い わゆる true and fair宙 ew)と の関連 もとでも 高 規の簿記の諸原 則が違反されてはならないことを意味 しているのだ といわれる。

ここで

│「

正規の簿記の諸原則」は、すべての商人

(資

本会社 )の 年度決算書 と結びつ くことによって年度決算書の正規性にとっての上位基準 として法律上 の個別規定に優先するため、243条 1項 (264条 2項 1文 )は 年度決算書作成の 一般規範 とみなすべ きとされる。さらに、こうした一般規範の構成要素たる 「正 規の簿記の諸原則」は法律上の個別規定を具体化 し、個別規定が年度決算書の 作成にとつて考慮すべき一定の事物関係に対 し適応性をもた高 い場合、その個 別規定を補完するうえで決定的意義を有するとされるのである。 このキュテイ ング /ヴ ェーバー編 コンタンタールの説明は 249条 引当金計上規定の解釈が正 規の簿記の諸原則 に委ねられることを意味 している。実際、コンメンタールは かかる解釈 を要する個別規定の典型例 として 249条 を挙げるのである。

ところで、年度決算書の作成原則 としての一般規範は、多 くの個別原則 を法 の上で明定

(法

典化)す ることによつてより大きな法の安定性を確保したとさ

れ てい る。 と くに計上能力 との関 わ りでは計上規 定 (246〜 251条 )の 冒頭 にあ る 246条 1項 が基軸 的原則 として位 置づ け られ る。この 246条 1項 は、 「年度決

7イ  (189)

(7)

算書 は、法律上別段の定 めのない限 り、すべての財産対象物、負債、計算限定 項 目、費用 お よび収益 を含 めなければな らない」 とい うものであるが、一般 に 完全性原則 (Grundsatz der Vollstandigkeit)と 呼 ばれてお り、貸借対照表 と の関わ りでは積極計上能力ある財産対象物、消極計上能力ある負債、な らびに 許容 され る計算限定項 目について原則的計上義務が存在する。 債務 とともに 「 負 債」の も と に包 括 さ れ る 引 当 金 は この 完 全 性 原 則 に 基 づ き、債 務 性 (Verbindlichkeits‐ Charakter)を 有する限 り消極計上が義務づ けられ る。こう して「法 は債務性 を持つか、 もしくはそれにかな り近い

(例

えば法的義務 を伴 わ 式揚 提供 される保証給付 の場合 )す べての引当金の場合 に消極計上強制 を規 定 した」 とされ るのである。

一方、かかる完全性原則は法が貸借対照表禁止 あるいは貸借対照表計上選択 権 を別 に定 める場合 を例外 として認 めてい るとい う。新商法典 は この適用除外 として費用性引当金 (249条 1項 3文 に基づ く夫実施 の維持補修費用に対す る 引当金及 び 2項 に基づ く費用性引当金 )に 対 して貸借対照表計上選択権 を定 め てい る。キュティング /ヴ ェーバー編、ベ ックの コンメンタール等 はこの費用性 引当金の中に従来の法状態 と比較 して商法上 の引当金概念の拡張 を指摘 してい る。すなわち、 それ らでは第二者に対する債務性 を指標 とす る静的貸借対照表 観 と発生原因主義 を指標 とする動的貸借対照表観 とを対比 し、新商法典 におけ る費用性引当金の選択権の許容 をもつて動的貸借対照表観

{詰

生原因主義 )の

明示的導入 とそれによる引当金概念の拡張 を指摘す るのである。

ところで、キュティング /ヴ ェーバー編 コンメンタールでは、こうした費用性 引当金 を消極計上補助項 目 (Passiviё rungshilfe)と みな してい る。コンメンター ルによると、 この引当金 は将来発生する特別の費用 に対する貸借対照表計上補 助項 目の性格 を持 ち、 また、それは企業 の存在 をよ りよ く保証す るが、利益平

請 Ё :ξ 鐵 響 釉 熙 曇轟喜讐 肥 [具 l獣 凩 :鐵 縣 『 [ の引当金 に関 して消極計上義務 はな く消極計上選択権のみが存す るために税法 上 の利益決定には影響 をもたない。貸借対照表政策 2ぉ 地 はしたが って商人 に とっては事実に則 して要求される範囲にのみ限定されるJと する。また、司法 参事官ビーナーの解説でも動的貸借対照表観の導入による費用性引当金の容認 は「事実に即して要求される範囲 Jに 限定されるべきとした上で、費用性引当 金はあらゆる費用に対して判断されねばならないが

,「

任意の判断は正規の簿記

(188)  7」

(8)

法経研究 39巻 3号

(1990年)

の諸原則、 それ故 243条 1項 の一般条項 とは一致 しない」 としている。 これ ら の指摘か ら費用性引当金の計上選択権 については税務 申立的に税法 との調整が はか られ ると同時 に、 その選択権の行使 は正規の簿記の諸原則 の適用 によって 限定 され ると解 されているといえよう。

か くして、新商法典では引当金 に対 して一方において引当金概念の拡大解釈 を含みなが らも、正規の簿記の諸原則 にその計上の論拠 を求 めている。 その意 味で、従来か ら年度決算書作成 の基礎原則 として位置付 けられて きた正規の簿 記の諸原則 の機能 は、新商法典における引当金計上規定 にういて もかわるとこ ろはないのである。

0  引当金 の計上要件

それでは、新商法典 は引当金 に対 して どのような計上要件が与 えるのだろう か。上述のようにそれは正規の簿記の諸原則 の解釈 を通 じて判断され る。以下、

この正規 の簿記 の諸原則 の解釈 内容 をキュティング /ヴ ェーバー編 の コンメン タールの主張 に依拠 しなが ら考察 してみよう。

(a)不 確定債務 に文す る引当金

不確定債務 に対する引当金の計上要件 は (1)負 債性 (Schuldcharakter)を 有す ること、 (2)発 生及 び債務金額の不確定な こと、侶 )蓋 然性の高い ことが挙 げられ る。 まず (1)の 負債性 とは第二者 に対する義務が問題 となる。 ここでい う義務 に は私法上の義務の他、公法上の義務 (Offentlich‐ rechtliche Verpflichtung)も 含 まれ、 さらに法的 には存在 しないが商人が経営上理由か ら回避 しえない実質 的義務 (tatsachliche verp■ ichtung)ま で もが属する。 またそれ らは法律上の 履行未済債務 たる負債 に止 まらず、経済的にみて後 に法律上作用す る債務の発 生が貸借対照表決算 日以前 に存する

(経

済的帰属性、経済的原因発生 )場 合 も 属するもの とされ る。

(2)の

不確実性の要件 は次のように区分 される。ひ とつは 債務 の不確定性への根拠の存否の場合 である。 この場合、商人 は「 慎重性の原 則」 に従い、理性 ある商人 の判断 に基づ いて債務 が存在 す るか、 もし くは今 後生ずる可能性がある と認 め られ る具体 的手掛 か りが存在 しなけれ ばな らな い とい う。ふたつは債務 の金額 の不確実性 の場合 で、 これは商人 に生ず る負 担が正確 に確定 され るのではな く貸借対照表作成時点 にまさに見積 もり可能 だ とい うことを意味す る とされ る。

(鋤

の要件 は貸借対 照表 日に存 す る状況 に

  (187)

(9)

従い、商人が請求 (Inanspruchnttme)を まさに予想しなければならない場合 にのみ商法上、引当金が命令されるということである。この発生する恐れのあ る請求 は税法上の承認の前提で も

れ易 請求発生 に否定す る以上 の根拠がのべ ら れなければな らない とされ るのである。

(b)未 決取引か ら発生す る恐れのある損失 に対する引当金

ここで「未決取引」 とは商人が契約 を締結 しその契約が双方 により未だ履行 されない ときに生ずる取引 を意味する。 この未決取引その ものは記帳能力 はな いが、同一の取引か ら給付 と反対給付 の相殺 され ることを前提 にこの均衡が与 えられない、つ まり債務超過が生ずる場合 に予想 されるべ き損失が引 きあて ら れなければな らな

tヽ

とい う。 また、 この種の引当金は不確定債務 に特殊 に属す るもの とされ るが、 それは この損失が未回収 の収益 と相殺 され るべ き差額のみ が例外的に消極計上 されるために、債務総額 の計上 されねばな らない不確定債 務 とは別 に規定 されているのだ とされ る。 その場合、損失は各営業年度 に帰属 する額でな く未決取引か ら生ずる不足総額であ り、損失が発生する恐れがなけ ればな らない とい う要件が備わっていなければな らない。後者の場合、発生す る恐れ とは純粋 に理論的可能性ではな く、過去の判断か らまさに生ずる兆候が 存 していなければな らない ことを意味するが、契約者双方の判断が問題 となる ため損失が具体的 に発生 1漁 のか否か、 その範囲はどの程度かは標準的な状態 において予想すべ きとされる。

(C)未 実施 の維持補修及 び廃石物除去の費用 に対する引当金

この二つの引当金 は費用性引当金 に属すると解 されている。 この種 の引当金

の計上するにあたっての要件 は次のようである。 まず、 「 維持補修

Jと

は経営財

産対象物 の機能 を保持する上での監督・ 検査・ 修繕か ら一般点検 に至 るすべて

の措置 をい う。 「 未実施」 とい う事実は商人の慣行・製造 の指図・利用 の範囲等

の客観的根拠 に基づ くとされ るが、 これについてはすでに開始 しているが未だ

終了 していない もの も貸借対照表決算 日に未だ着手 していない もの も問題 とさ

れる とい う。 こうした未実施 の維持補修の費用については、 それが貸借対照表

決算 日以降三 カ月以内に実施 されることが消極計上義務に とって も税法上の承

認 に とって も要件 となる。なお、 この期間は短期であ り、貸借対照表作成 につ

いて も若千の時間を要す るため、実際の判断 には実質的動向が拠 り所 になると

(186)  77

(10)

法経研究 39巻 3号

(1990年)

され る。一方、維持補修が三カ月以内に埋 め合わされな くとも次営業年度内に 実施 され る場合、選択権が付与 される。 なお、理性 ある商人の判断に従い、貸 借対照表作成 に際 して、 この期間

(次

営業年度 内 )が 保証 されない場合であつ て も、新商法典 における費用性引当金の容認 によって この種 の引当金 は許容 さ れるとい う。次 に「廃石物除去」 とは廃石残留の除去すなわちすでに構築 した 実体 の周辺 もしくは接続点 にある実体 の構造 との関連で取 り払われていなかっ た被覆岩石 の除去 をい うが、未実施 の廃石物除去の費用 については公法上 もし くは契約上 の義務が存する場合、不確定債務 に属する。そうした義務が存在 し ない場合 に も 249条 1項 2文 によって消極計上義務が生ずるが、 ここで選択権 でな く強制 としたのは税法 との関係か らとい う。 また、 ここで廃石物除去が次 事 業年度 中 に埋 め合わ され ることが前

候 ふ なるが、 それが満たされなければ費 用性引当金への選択権が考 えられるとい う。

(d)法 的義務 を伴わない保証給付 に対する引当金

法的義務 を伴わない保証給付 は商人が営業上のメ リッ トをあてにして完全 に 任意 に引 き受 ける法的義務 を根拠 としないサー ビス給付 (KulaFIZleistung)を い う。 この法的義務 を伴わない保証給付 に引当金 を設定すべ きか否かの問題 に対 しては過去の営業年度の「 実質的諸関係 (tatsachlichen verhaltnisse)」 が基準 になる。なお、法効果 をもつ もし くは保証契約か ら生ずる保証給付請求権の履 行 あるい は事実上の債務 に基づ く保証債務 は これに属 さず不確定債務 とみなさ れるとい う。但 し、 こうした区分 は新商法典 の 294条 を適用 した場合 ともに消 極計上が強制 され、区分表示の必要 もないので実質的意味 はもたない ともいう。

また、法的義務 を伴わない保証給付 に対 して引当金が 協割 され る場合、 294条 に 基づ く費用性引当金一般 とは区別 されなければな らない。

(e)2項 に基づ く費用性引当金

^  ここでは将来の費用が区画 される とい う意味で典型的費用性引当金が問題 と なる。 この引当金 に対 して立法者が限定 した可能性 は F商 人がその事業 を変わ りな く継続 しようとす る ときに回避 しえない」 F具 体 的将来の費用 に対す る準 備 (Vorsorge mr konkrete kmftige Aufwendungen)」 をお こなう目標設定 だ とされ る 6コ ンメンタールによれば、 この種 の引当金 には (1)正 確 に表現 され る費用、 121当 営業年度への帰属性、 (3)請 求の蓋然性 もし くは確実性、 )発 生金

7∂  (185)

(11)

ドイツ新会計法における引当金計上規定改正の意味 額 もしくは時点に関する不確定性の計上要件が与えられている。ま■ 1)の 要件

は積立金の設定を通 じて行われる一般的なリスク保証 と具体的将来の費用 とを 区別する前提だ とされる。 ここでの理解は引当金にとつての目的 と内容が正確 に確定される、つまり引当金を具体的に識別する事業関係が根拠になければな らない とされる。

(2)の

要件は具体的将来の費用が当営業年度 もしくは過去営業 年度 と関連づけられなければならないことである。 ここで基準 となるのは過去 の収益 との関係つまり因果 1関 係である。 というのは費用性引当金を許容するこ とによつて収益状態がより明確 に記述 されなければならないからである。なお、

ここでの「関連づけ」とは「経済的帰属性 (wirtschaftliche Zugehё rigke■

)」

と理解 しなければならない という。椰

)の

要件の請求の蓋然性の場合、商人それ 自身の債務が指向される点で不確定債務のそれ とは区分される。 ここで請求の 発生があたかも内から生 じそうであるときには費用は蓋然的であり、理性ある 商人の判断に基づき通常生じない ときには費用は蓋然的ではないという。また、

費用が確実 というのは商人が既に当該の取引を締結 した場合だ という。

(4)の

金 額の不確定性 とは将来の金額がたしかに見積 もられるはするが、その正確な額 が未知の ときに存 し、発生時点の不鳴感性 とは費用はたしかに予期し得るが時 期が確定されないときに存するとされる。

さて、以上のキユテイング /ヴ ェーバー編 コンメンタールの主張において特徴 的であるのは、税法の解釈論理である経済的観察法に模 した経済実質観に基づ く論拠が債務性ある引当金や費用性引当金に採用されていることであろう。税 法では連邦財政裁判所判決に依拠 しなが ら、引当金の計上要件 として (1)第 二者 に対する債務の存在、 (2)債 務の貸借対照表 日での存在 もしくは経済的発生、 0) 請求め発生の蓋然性を挙げるが、それらは不確定債務に対する引当金 (し たがら てまた、未決取引から発生する恐れのある損失に対する引当金 )の 計上要件に

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金 は税法上承認 されず、税法 はその要件 を示す ものではないが、 コンメンター ル にお ける商人 自身の回避 し得ない債務、収益 との経済的帰属性の計上要件 は 税法 に似 た経済的実質観 に基づ くものに他 な らない。 それ らは、先 にみた新商 法典 にお ける引当金計上能力規定の税法規定 との調整化 を裏打 ちする税法への 解釈論理の接近 を示唆 している。 しか も、 コンメンタールでは負債性や期間帰

(184)  7θ

(12)

法経研究 39巻 3号 (1990年

)

属 の判断基準 としてかかる経済的実質 に即 した論拠 を示す とともに極 めて多岐 にわた る各種引当金の適用例 を列挙 している

(不

確定債務引当金 42項 目、未決 取引か ら発生す る恐れのある損失 に対する引当金 11項 目、 2項 に基づ く費用性 引当金 14項

)。

それ らと旧株式法下 に列挙 されるもの とを比較すれば、新た に許容 された費用性引当金

(機

械設備・ 建物の取壊原価、機械設備・ 発電所の 大規模修繕等 )は もとよ り、経済的・ 実質的 な債務の発生 の見込 まれ る多数の 引当金項 目 (公 法上の義務 の存する労働者 に対する社会保障債務、公法上の義

奪 TE皐 量縛 ?混 各易講曇曇 ]:彗 r緊 繁競 治逼鳥言場習倉凍』 2露 警児 [ふ か る経済的実質論理に依拠 して計上能力の実質的な解釈の拡大のなされている

ことをも意味 している と思われ る。

むすびにかえて

さて、 これ までの考察 を改 めて纏 めれば次の とお りであろう。

第一 に、新商法典 にお ける 249条 引当金規定 は EC第 四号指令 20条 に対応 し た もの とされ るが、 その法規定内容か らすれば旧株式法下 に存 していた法規定 の不備 を改善することにこそ、 その内的誘因があったろうとい うことである。

それは、引当金の計上義務 と計上選択権 との区分 を法文 に明定することによっ て引当金の計上 は強制か任意か とい う旧株式の法文上の不明瞭 さを回避 し、そ して また、 とくに幾つかの引当金種類が示す ように税法規定 との調和 をはかる ことによつて、商法 と税法 との制度的一体性の補強 し「 税務上の利益 に対する 商事貸借対照表の基準性」の形式的保持 そしてその意味での「 EC指 令 の税務中

立的履行」 を果た した点 に窺 うことがで きよう。       '

第二 に、上の ような引当金規定 にみ られる各種引当金の計上能力が正規の簿 記の諸原則 を通 じて判断 されるとい う解釈の上では従来 と変わる ところはない とい うことである。ただ し、新商法典では法典化 された個別原則

(正

規 の簿記 の諸原則 )た る完全性原則 を拠 り所 にその原則適用

(計

上義務)と 適用除外

(計

上選択権 )を 包括 しなが ら引当金の計上論拠 を示 している。 この ことは新商法 典 において伝統 1的 基礎原則 たる正規 の簿記の諸原則 に対 して計上規定面での整 序がなされ、引当金規定 もそうした能力規定 の中での安定的地位が付与 されて い ることを意味 しているといえよう。

∂θ  (183)

(13)

ドイツ新会計法における引当金計上規定改正の意味 第二 に、新商法典 ではそうした計上規定の整序 を通 じて引当金計上要件 (引

当金概念 )の 実質的な解釈の拡大が はか られている点である。 これは端的には 費用性引当金一般の容認 にみることがで きるが、 コンメンタールでは、債務性 ある引当金の能力 について も拡大解釈がなされているのである。 しか も、注 目 すべ きは、 こうした引当金の計上 の論拠 として経済的実質論理の強調が されて いることである。 この経済的実質論理 は税法の基本解釈論理 として も採用 され てお り、 ここで もまた税法への安定的連携 に向けての解釈論理の接近化 を読み 取 る ことがで きる。

ところで考察結果 に関連 して、ナウマ ンの次の立言は興味深い。 「 引当金 の将 来関連性 は、貸借対照表作成者が将来の支出を成果作用的 にどの程度見積 もる かを決定せ ざるをえないために、 その特別の操作余地 を招いている。貸借対照 表項 目 `

引当金 ″

は貸借対照表 において、数値的にも大 きな意義 を有 して きて いる。 1986年 の年度決算書 において引当金 は平均で貸借対照表総額の 17.6%に 及 んでいる。た しかに貸借対照表項 目 `

引 当金 ″ を 49%増 カロさせ ることによっ て平均での獲得 された年度余剰 を税引 き後でゼロにまで減少せ しめてるか、 も しくは損失 に逆転せ しめることが可能 となろう。立法者は引当金の この操作余 地 を計上問題 の領

鳩 5お いて引当金能力々る事実関係の限定的に規制すること

f爵 基薦泉嘉量 [,力 粗』軌単響看坂 IT畠 肇を求計ナ零写曇雰 :哲 稽指帽景

か る実務 の進展 に即応 して引当金規定の整備 をはかることが まさに立法当局の 焦眉の課題であった ことを物語 っているといえよう。

か くして、域内諸‐ 国の会計基準の調和化 とそれによる財務情報の上ヒ較性の確 保 を標榜する EC理 事会会計指令 の国内法化 を契機 に成立・ 改正 をみた といわ れ る新商法典 における引当金計上規定 については、 ドイツ国内に拡大進行する 引当金会計実務 を前 にして旧株式法下 に存 していた引当金 をめ ぐる法的不安定 状況 を規定面での形式的整備 と計上能力の実質的解釈の拡大 によって解消する

ことにこそ、その内的規定要因があった とみることが肝要 と考 える。

(182)"

(14)

法経研究39巻 3号

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(180) 

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(16)

法経研究39巻 3号

(1990年)

(1)山 口幸五郎編『 EC会 社法指令』同文館、1984年 、 5‑9頁 を参照。

(2)Vgl.Bundestages‐ Drucksache 10/317,in:Biener,H/Benleke,W.,Bilanz‐

FiChtlinien‐Gesetz;rrextgabe des Bilanzrichtlinien―

Gesetz vom 19.12.1985 mit Bericht des Rechtsausschusses des Deutschen Bundestages,Regierungs‐

entwirfe mit BegFindung,Entstehung und Erlaute̲g des Gesetzes,1986, S.20‑22.

(3)Nallmann,K―

P。

,Die Bewertung von Rtkstellungen,1989,S.58.

(4)Bundestages― Drucksache 10/4268,in:Biener,H/Berneke,W.,a.a.0。

,S.

82.: Helmrich, H。

, Bilanzrichtlinien― Gesetz;Texte,Stellungsnahen, Protokolle,1986,S.54.

(5)Busse v.Colbe,W/Chmieiewitz,K.,Das Neue Bilallzrichtlinien―

Gesetz,

in:Die Betriebswirtschaft,1986,S.296.

(6)Ahrend,P/Fё

rster,W。

,Die Auswirkungen des B■ anzrichtlinien―

setz auf die betriebliche Alterversorgung,in:Der Betrieb,1986,S.7。 なお、年金 引当金の新商法典規定 における取 り扱いについては、拙稿「 企業年金 とドイツ 新商法」

(『

法経研究』静岡大学、 39巻 1号 )を 参照。

(7)(8)(9)Bllndestages― Dnlcksache 10/317,in:Biener,H/Berllleke,W。

,

a.a.0。

,S。

83.:Hellllrich,H。

,ao a.0。 ,S.55‑56,510,511.

(10)Vgl.Deutscher Bundestag,Rechtsausschu3,Unterausschu3

Bilanzricht‐

Inien―

Gesetz''。

in: Institut der Wirtschaftsprifer in Deutschland e.V。

(HrSg。),WirtSChaftsprifer―

Handbuch 1985/1986,Band I,1985,S.1906.

(11)費 用性引当金の消極計上義務化の可能性 を論ずるもの としては、注 (3)の

文献及び Borstell,T"Aufwandrickstellllngen nach neuem Bilanzrecht,

1988。

がある。

(12)(13)Vgl.Bundestages― Dnlcksache 10/317,in:Biener,H/Berneke,W。

,

a.a.0。,S,83‑84.:Hellnrich,H。 ,ao a.0。 ,S.55‑56.

(14)Kiting,K/Weber,C.P.,:Handbuch der Rechnungslegung.Kolrlmentar zur Bllanzierung und P■ fung,1986。

S.514.

(15)「 法は財産対象物 と負債 についての貸借対照表計上能力及びその商人財産ヘ の帰属可能性の一般規定 を含んでいない。この問題の判断は依然 として正規の 簿記の諸原則 に委ね られた ままである。」 (司 法参事官 ビーナーの解説

)。Biener,

H/Bemeke,w。

,a.ao O.,S.69。

なお、同様の趣 旨は 1983年 政府草案理由書に もある。Vgl.Bundestages― Drucksach 10/317,in:Biener,H/Berneke,W。

,a.

∂ィ  (179)

(17)

a.0。 ,S.71.;Hehrich,H。 ,a.a.0.,S.49.

(16)「 商法典 266条 3項 の資本会社 に関する貸借対照表の消極側の分類 シェーマ か らは負債が引当金 と債務 に よって構成 され るのが見て取れ る。」

(同

解説

)

ebenda,S.65.

(17)K乱 ing,K/Weber,Co P。 ,a.a.0。,S,797.な お、 この点の詳細 については、

拙稿「西 ドイツ新会計法 における一般条項 について」

(『

法経研究』 36巻 1号

)

を参照。

(18)ebenda,S.400.

(19)ebenda,S.514.

(20)ё

benda, S.513‑514.; Budde,WoD。 /Cle―

, H。

/Pankow, M./Sarx, M.

(HrSg。):BeCk′ SCher B■anz一

Komlnentar,Die Jahresabschlu3 nach Handels

 und Steuerrecht,1986,S.241.

(21)ebenda,S.216 und 529‑530。

(22)Btlndestages― Drucksache 10/4268,in:Biener,H/Bemeke,W。 ,a.a.0。

,

S.83;Helmrich,H。 ,ao a.0.,S.55.

(23)Biener,H/Bemeke,W。 ,a.a.0。 ,S.81‑82.

(24)Vgl.Ktting,K/Weber,Co P.,a.a.0。

,S.518‑520。

(25)Vgl.ebenda,S.522‑524.

(26)Vgl.ebenda,S.525‑528.

(27)Vgl.ebenda,S.528‑529.

(28)Vgl.ebenda,S.529‑535.

(29)公 法上 の義務 とい う概 念 は公共 もし くは企 業 と契 約 関係 にない人格 に対 す る義務 を意味す るが、1980年 3月 20日 の連邦財政裁判所の年度決算書原価 に 関す る判決、 その後 の年度決算書 の法定監査 の原価 (1980年 7月 23日 )等 、 の 判決 にお いて債務性 引 当金 の設定 の根拠 として容 認 され た もの とされ る。 ま た、実質的義務 は税務上、事 実上 の義務 とも呼 ばれ、貸借対照表作成者が経済 上 の理 由か ら回避 す る ことので きない義務 を意味 す るが、 これ について は法的 義務 が存在 しな くともそれが貸 借対 照表作 成者 の財 産 の減 少 を もた らす た め に不確定債務 に属 す る とされ る。税法 の立場 か らは既 にこの種 の義務 について は 1954年 5月 31日 、同年 9月 28日 、1955年 7月 19日 付等 の判決 によって法 的義務 の存在 しない道 義 的義務 もし くは事 実上 の義務 をい わ ゆ る「経 済 的負 担」とみな して引 当金能 力 を容認 してい る もの といわれ る。(Grade,A.,:Rech・

nungsleg即 電 und P■ fung nach dem Bilanzrichtlinien― Gesetz,Systemati‐

sche Darstellung und KoIIlmentar,1986,S.495。 ;Naumarm,K―

P.,ao a.0。,

(178)   θ」

(18)

法経研究39巻 3号

(1990年)

S.90.)な お、ボルシュテルは「公法上の義務に基礎 を置 く費用性引当金 を不確 定債務引当金に加 える 1980年 以降の税務判決の展開 を商事貸借対照表 に反映

させた」 としている。

(Borstell,T.,ao a.0。

,S。

79。 )

(30)Vglo Adler,H./Dtting,W./Schmalts,K.,:ReChnungslegung und Prifung

´ der Untemehmen,Handkornlnentar,4.aufl。 ,Band I,1968,キ ュティング /ヴ ェーバー編 コンメンタールの掲示す る具体 的引 当金項 目について は拙稿

「 ドイツ新商法引当金規定 とその解釈論理」

(『

法経研究』 38巻 304号

)、

82〜

86

頁 を参照。

(31)Nalmann,K―

P.,a.ao O.,S.5。

(32)例 えば、西 ドイツ統計年鑑 1968〜 1988年 版 のデータか らは株式会社の貸借 対照表総額 に

1占

める引当金計上額割合の顕著 な増大傾向 (1965年度

14.3%、

1984年 度 25。 8%)と 表示年度利益割合 の相対的停滞状況 (1965年 度

2.1%、

1984年 度 1.5%)を 算定 しうる。詳細 については前掲「 ドイツ新商法引当金規 定 とその解釈論理」97〜 98頁 を参照。

θδ  (177)

参照

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