貨物ヤードのアスファルト舗装における走行試験 〜その 2〜
東亜道路工業(株)技術開発部 ○正会員 真鍋和則,阿部長門 日本貨物鉄道(株)保全部 正会員 穴沢秀昭,中薗裕
(財)鉄道総合技術研究所 正会員 関根悦夫,桃谷尚嗣
1. はじめに
神戸貨物ターミナル駅構内において,12ftフォーク リフトを基準としたフォークリフトやトラック荷重に よる舗装内部の応力,およびひずみを測定し,設計方 法と層厚に関する検証を行うための試験を行った.
本稿では,走行試験によるひずみの測定と,各層に おける機種別,速度別の横断方向と縦断方向の比較に 関してまとめた.
2. 試験概要
舗装断面と基層下面とアスファルト安定処理路盤下 面に埋設した計測機器に関しては,参考文献 1)を参照 されたい.走行試験は,各機種(12ftフォークリフト,
トップリフター,T-25 トラック)において,コンテナ なしとコンテナありの場合ともに,試験区間内に起点 側から入り,起点から終点間の速度を一定に保ちなが ら走行させた.このとき,前輪軸中心を,基層面での 測定の場合はゲージNo.16,アスファルト安定処理路盤 面での測定の場合はゲージ No.31 を通過目標に走行し ていく.これを 3 回行い,データを収集した.全機種 においてコンテナなしとコンテナありの積載条件で走 行試験を行い,12ft フォークリフトでは,10km/h,
20km/h,トップリフターでは10km/h,15km/h,T-25ト ラックでは10km/h,30km/hの条件で測定を行った.走 行試験のサンプリング周波数は1000Hzである.
3. 試験結果
表-1,図-2 に示したトップリフターを用いて走行試 験を行った結果の一例を図-3に示す.図-3 は,アスフ ァルト安定処理路盤面における10km/hでの横断方向の 結果である.グラフではピーク値が2箇所現れており,
このピーク間の時間差は1.98sである.この走行試験の 速度は10km/h(2.78m/s)であることから,距離を求め ると約5.5mであり,表-1と図-2に示した輪間距離cに 一致し,前輪と後輪が通過したことによるひずみと判
起点
終点 測定区間 約30mくらい
(データ収集:1kHz×10s,1条件で5回走行)
埋設した ひずみゲージ
走行方向 測定速度条件:
1. 0km/h(静止状態,全機種) 2. 10km/h(全機種) 3. 15km/h(トップリフタ) 4. 20km/h(12ftフォークリフト)
5. 30km/h(T-25トラック) 測定車両条件:
1. 12ftフォークリフト 2. トップリフター 3. T-25トラック
7000
図-1 ひずみゲージ番号と埋設配置概略図
表-1 トップリフター諸元値
前輪輪荷重 前輪接地圧 後輪輪荷重 後輪接地圧 輪幅
(tf) (kPa) (tf) (kPa) a b c (mm)
積載時 14.58 833.6 9.35 745.3
空車 9.85 755.1 12.40 804.1
積載時 4.72 751.2 1.99 550.2
空車 2.05 558.0 4.28 708.0
機種 コンテナ 輪間距離(mm)
510
12ftフォークリフト 355 1405 2800 300
トップリフタ 620 2420 5500
a b a
c
輪幅
図-2 トップリフター概略図
図-3 トップリフター10km/h(アス安−横断方向)
キーワード:ひずみ,走行試験
〒300−2622 茨城県つくば市要315−126 TEL029−877−4150 FAX029−877−4151 〒102−0072 東京都千代田区飯田橋3-13-1 TEL03−3239−9164 FAX03−3239−9160 〒185−8540 東京都国分寺市光町2−8−38 TEL042−573−7276 FAX042−573−7413
積載あり
-50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 70
0 2 4 6 8 10 12
Time (S) ひずみ (×10-6)
マーカー ゲージ28 ゲージ29 ゲージ30 ゲージ31 ゲージ32 ゲージ33 ゲージ34 後軸
約2s 前軸
土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)
‑1263‑
5‑633
断できる.また,コンテナの積載状態のため前軸の車 輪時のひずみ量が最も大きい結果となった.
図-4は,12ft フォークリフトを用いて行った基層面 でのコンテナの有無と速度別(0,10,20km/h)のひず みと距離の関係である.距離は着発4番線から最も離 れたひずみゲージNo.1を0mmとし,最も近いひずみ ゲージNo.10を6000mmとした.従って,目標停止位
置は3000mmである.各条件において,目標走行位置
である3000mm付近において大きなひずみの値が測定
された.測定条件によってピーク値が現れた距離にず れが生じているのは,目標とした走行位置から多少離 れて通過してしまったことが要因として挙げられる.
静止状態でコンテナありの場合が最も大きなひずみ を示し,次に静止状態のコンテナなしのひずみが大き いという結果となった.走行状態においては走行速度 が上がると,ひずみ量が小さくなる結果であった.相 対的には走行状態(10,20km/h)に比べて静止状態の ほうがコンテナの有無にかかわらず,ひずみが大きく なる.
4. 静止状態と走行状態の比較
図-5には,アスファルト安定処理路盤面での全機種 による横断方向の静止状態におけるひずみの結果を示 す.図-6 には,アスファルト安定処理路盤での全機種 による横断方向の走行状態(10km/h)でのひずみの結 果を示す.
図-5,6ともにピーク値が2箇所現れている.これは,
車輪の走行によるものと考えられる.荷重の大きいト ップリフターが静止,走行ともに他の機種より大きな ひずみの値が測定された.全体的に走行状態でのひず み量が小さく,静止状態ではピーク値が顕著に見られ た12ftフォークリフトとT-25トラックのひずみが,走 行状態ではあまり見られず,目標走行位置から離れた 距離のひずみ量とそれほど変わらない結果となった.
図-7にはアスファルト安定処理下面の横断方向にお ける累積ひずみを示した.静止状態では荷重の大きな トップリフターのひずみが大きく,走行状態において も同様であるが,ひずみ量は静止状態に比べ小さい.
走行状態(10km/h)では,コンテナの有無におけるひ ずみ量の違いは見られなかった.
[参考文献]1)三浦康夫ほか:貨物ヤードのアスファルト舗装 における走行試験〜その1〜,土木学会第59回年次学術講演会,
第Ⅴ部門,2004.9.
12ftフォークリフト 基層面
-10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 距離(mm)
ひずみ(×10-6)
静的コンテナなし 静的コンテナあり 10km/hコンテナなし 10km/hコンテナあり 20km/hコンテナなし 20km/hコンテナあり
図-4 12ftフォークリフトでの試験結果(横断方向)
アスファルト安定処理路盤面 静的
-20 0 20 40 60 80 100
0 250 500 750 1000 1250 1500 距離(mm)
ひずみ(×10-6)
トラックコンテナなし トラックコンテナあり
12ftフォークリフトコンテナなし 12ftフォークリフトコンテナあり トップリフタコンテナなし トップリフタコンテナあり
図-5 静止状態ひずみ結果(横断方向)
アスファルト安定処理路盤面 10km/h
-20 0 20 40 60 80 100
0 250 500 750 1000 1250 1500 距離(mm)
ひずみ(×10-6)
トラックコンテナなし トラックコンテナあり
12ftフォークリフトコンテナなし 12ftフォークリフトコンテナあり トップリフタコンテナなし トップリフタコンテナあり
図-6 走行状態ひずみ結果(横断方向)
図-7 アスファルト安定処理下面の累積ひずみ
0 100 200 300 400 500 600 700
静的コンテナなし 静的コンテナあり 10km/hコンテナなし 10km/hコンテナあり 静的コンテナなし 静的コンテナあり 10km/hコンテナなし 10km/hコンテナあり 静的コンテナなし 静的コンテナあり 10km/hコンテナなし 10km/hコンテナあり
累積ひずみ(×10-6)
T-25トラック 12ftフォークリフト トップリフタ
静止コンテナなし 静止コンテナあり 静止コンテナなし 静止コンテナあり 静止コンテナなし 静止コンテナあり
土木学会第59回年次学術講演会(平成16年9月)
‑1264‑
5‑633