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振動ローラを用いたアスファルト舗装内の空洞探査試験 

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Academic year: 2022

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振動ローラを用いたアスファルト舗装内の空洞探査試験 

国土交通省国土技術政策総合研究所 正会員 ○ 坪川  将丈 国土交通省国土技術政策総合研究所 伊豆  太  国土交通省国土技術政策総合研究所 森永  真朗  東亜道路工業(株)技術部    フェロー会員  阿部  長門  東亜道路工業(株)技術部        金重  俊弘

1.はじめに 

平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により,仙台空港の平行誘導路(アスファルト舗装)と地下構造 物(ボックスカルバート)の交差部付近で液状化が発生し,舗装表面に局所的な沈下が発生した1).このような場合に舗 装の支持力を確認する手法としてはFWDを用いた評価が一般的であるが,地震発生直後にFWDを速やかに確保するこ とが困難な場合も想定される.本研究では,液状化に起因して空洞が生じたアスファルト舗装の支持力を評価する手法と して,調達が容易な舗装用振動ローラ(以下,振動ローラ)を用いた評価手法について検討した.

 

2.試験概要 

空洞を設けた空港アスファルト舗装上において,加速度計を装着した振動ローラを走行させ,走行中の鉛直加速度を計 測し分析することにより,空洞の有無による加速度波形の違いを検証した.

試験に使用したアスファルト試験舗装の平面図と断面図を図‑1に示す.空洞1は,路床整正時に水を入れたゴムバッ グを路床上面に設置した後,下層路盤より上層の施工を行い,施工完了後に路床上面のゴムバッグを鋭利な金属棒で破り 水を排出させることにより空洞を製作した.空洞2及び空洞3は,路床整正時に直径400mm及び250mmの工業用紙管を 路床上面に設置した後,下層路盤より上層を施工することで空洞を製作した.

 

3.試験結果 

試験舗装の標準部(空洞無し)及び空洞の直上においてFWD試験を実施した.結果を図‑2に示す.紙管による空洞2,

空洞3のD0は標準部のD0の1.2〜1.3倍程度であるが,ゴムバッグにより製作した空洞1のD0は,標準部のD0の3倍以 上となっている.このため,紙管により製作した空洞2及び空洞3よりも,ゴムバッグにより製作した空洞1において支 持力が大幅に低下していると考えられる.

気温20℃,振動ローラの自重4t,走行速度2km/hの条件で,図‑1の右側から左側へ振動ローラを走行させた際に振動

ローラ前軸で計測された鉛直加速度時刻歴波形を図‑3に示す.サンプリング間隔は0.002sである.図の縦線は,振動し ている前軸が図‑1 に示した標準部及び空洞の直上をそれぞれ通過した時間を示しているが,空洞1の直上を通過する際 に加速度が若干小さくなっていることがわかる.

次に,気温20℃,走行速度2km/hの条件で,標準部及び空洞1の直上をそれぞれ通過する際の鉛直加速度時刻歴波形 のフーリエスペクトルを図‑4及び図‑5に示す.スペクトルの計算に使用したデータ数は512(時間:1.024sec,距離:0.57m)

である.これによると,空洞1の直上を走行する場合は,振動ローラの起振周波数に相当する周波数f0の2倍の周波数f1, 3倍の周波数の f2における成分が非常に小さくなり,標準部を走行する場合とはスペクトルの傾向が明確に異なることが わかる.振動ローラによる地盤の転圧締固め時の地盤剛性評価に関する既往の研究2)においても,地盤剛性が低い場合に は高い振動数成分が極めて小さくなることが示されており,今回実施した舗装上からの試験においても同様の傾向が確認 できた.周波数f0における成分S0により,その他の周波数における成分を正規化した結果を図‑6に示す.周波数f1及び f2 の正規化された成分比は,空洞がある場合には空洞が無い場合の半分以下であることから,振動ローラの鉛直加速度のス ペクトルに着眼し分析することで空洞の有無を判別できる可能性がある. 

  キーワード:  アスファルト舗装,空洞,液状化,振動ローラ,FWD,空港 

  連絡先:      〒239-0826  神奈川県横須賀市長瀬3-1-1  E-mail:[email protected] 土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)

‑895‑

Ⅴ‑448

(2)

17000

2500

4500 2500 2500 7500

平面図

表層・基層・アスファルト安定処理路盤 310 粒状路盤 640

路床

断面図

空洞1 空洞2 空洞3

1200 400 250

200 400 250

2500

標準部

3 2

1

図‑1  試験舗装の平面図・断面図(単位:mm)

0 500 1000 1500

3000 2500 2000 1500 1000 500 0

わみ (μm)

載荷板中心からの距離 (mm)

標準部(空洞無し)

空洞3(紙管φ=250mm)

空洞2(紙管φ=400mm)

空洞1(ゴムバッグ)

図‑2  FWD試験結果

0 5 10 15

-400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400

空洞2 空洞1 空洞3 標準部

鉛直加速度 (m/s2 )

時間 (s)

図‑3  鉛直加速度時刻歴波形

0 25 50 75 100 125 150 175 200 225 250 0

20 40 60 80 100

(f2, S2) (f1, S1)

(f0, S0)

直加速(m/s2)

周波数 (Hz)

自重4t振動ローラ 標準部

1回目 2回目 3回目 4回目 6回目

0 25 50 75 100 125 150 175 200 225 250 0

20 40 60 80 100

(f1, S1) (f0, S0)

鉛直加速度 (m/s2)

周波数 (Hz)

自重7t振動ローラ 標準部

1回目 2回目 3回目 4回目 5回目

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

.

f2 f1

f0 正規化成分比, Sx/S0

自重4t振動ローラ 標準部 空洞1(ゴムバッグ)

(a)  標準部走行時      (a)  標準部走行時      (a)  自重4t振動ローラ 

0 25 50 75 100 125 150 175 200 225 250 0

20 40 60 80 100

(f2, S2) (f1, S1)

(f0, S0)

直加速度 (m/s2)

周波数 (Hz)

自重4t振動ローラ 空洞1(ゴムバッグ)

1回目 2回目 3回目 4回目 6回目

0 25 50 75 100 125 150 175 200 225 250 0

20 40 60 80 100

(f1, S1) (f0, S0)

直加速度 (m/s2)

周波数 (Hz)

自重7t振動ローラ 空洞1(ゴムバッグ)

1回目 2回目 3回目 4回目 5回目

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

.

f1 f0

正規化成分比, Sx/S0

自重7t振動ローラ 標準部 空洞1(ゴムバッグ)

(b)  空洞1走行時      (b)  空洞1走行時      (b)  自重7t振動ローラ  図‑4  スペクトル(自重4t)      図‑5  スペクトル(自重7t)      図‑6  正規化成分比

参考文献

1) 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震による仙台空港の舗装に関する被害報告,国土技術政策総合研究所資料,No.680,2012.

2) 藤山哲雄,建山和由:振動ローラの加速度応答を利用した転圧地盤の剛性評価手法,土木学会論文集,No. 652/III-51,pp. 115-123,

2000.

土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月)

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参照

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