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c.( )VDT 作 業 に 伴 うドライアイは マイボーム 腺 機 能 異 常 が 原 因 である (VB 眼 :124) 誤 り VDT 作 業 に 伴 うドライアイは 瞬 目 の 減 少 が 原 因 である d.( ) 角 膜 化 学 熱 傷 は 酸 よりアルカリによるものの 方 が 重 症

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※VB=ビジュアルブック Ch=チャプター ユニット8(運動・感覚器) MCQ 問題 眼科 (2011~2012 本試験、2013 再試験)

■眼の構造・機能

●誤っているものを一つ選べ 総論 a.角膜実質、強膜ともに 1 型コラーゲンを豊富に含む b.角膜内皮は 1 層の細胞で、成人の角膜内皮細胞密度は約 3000 個/mm^2 である c.房水は隅角の線維柱帯、シュレム管を経て眼外に出ていく d.硝子体の 99%は水分であり、その他Ⅱ型コラーゲン、ヒアルロン酸などからなる e.錐体は網膜全体で 6,000,000 ほどあり、その分布は赤道部で最も密度が高い 誤りはe。赤道部とは目を冠状断で半分にする線である。錐体は網膜の後極に多く存在する。 ●次の文章で 誤っているものを 1 つ選びなさい。 Ch1 総論 a.( )光受容細胞として杆体と錐体がある 正しい。杆体は光覚を、錐体は色覚をつかさどっている。 b.( )ロドブシンは杆体の視物質である. 正しい。ついでに錐体にはヨードプシンという視物質がある。 c.( )黄斑には錐体が密に存在する 正しい。杆体は周辺に存在している。 d.( )脈絡膜は網膜外層を栄養する。 正しい。機能は網膜外層の栄養と酸素供給、網膜の温度調節(黄斑部の冷却)、光の遮蔽、房水の排出など。 e.(×)硝子体の容積の 80%は水分である。 誤り。99%が水分である、まるでクラゲみたいだ。国試に出るらしい。 ●次の文章で正しいものを1 つ選びなさい。 Ch1:総論 a.( )角膜上皮は 1 層である。 誤り。角膜上皮は重層扁平上皮である。 b.(○)毛様体上皮は房水を産生する。 正しい。毛様体の機能は房水の生産・排出、水晶体の支持・調節などである。 c.( )水晶体上皮細胞は水晶体嚢の外側に存在する。 誤り。水晶体能の内側に存在する。 d.( )杆体は明視に関与する。 誤り。暗視での光覚に関与する。 e.( )視色素は視細胞の内節にある。 誤り。内節にあるのはミトコンドリア、ゴルジ装置、粗面小胞体などである。視色素は外節に存在する。 ●角膜に関する説明のうち正しいものはどれか シラバス5/8 a.( )角膜の知覚は、皮膚の知覚と同程度である 誤り。角膜には三叉神経の第一枝が分布しており、痛みに対する感受性が高い。 b.( )角膜内皮、デスメ膜、角膜実質は、損傷しても再生する。 誤り。角膜上皮は再生する、角膜実質も少しは再生する、内皮は再生しない。

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c.( )VDT 作業に伴うドライアイは、マイボーム腺機能異常が原因である。(VB 眼:124) 誤り。VDT 作業に伴うドライアイは瞬目の減少が原因である。 d.(○)角膜化学熱傷は、酸よりアルカリによるものの方が重症化しやすい。(VB 眼:251) 正しい。アルカリは細胞膜の脂質と結合して細胞を破壊し、組織への浸透性が高く、長期間進行するため重症化 しやすい。酸は組織のタンパク質を変性、凝固させてしまい、変性した組織が薬剤の浸透を抑えるため、傷害が 深部に達しにくく、角膜深層実質への影響は少ない。 e.( )コンタクトレンズ装用によりアカントアメーバ角膜炎が改善する。 誤り。むしろコンタクトレンズ装用者における感染が急増している。 ●角膜の構造で正しいものはどれか シラバス 5/8 中尾 a.角膜内皮細胞は再生可能である 誤り。角膜上皮は再生する、角膜実質も少しは再生する、内皮は再生しない。 b.角膜を覆う涙液は 5 層構造である 誤り。涙液は外側から油層、水層、ムチン層の3 層構造である。 c.リウマチや膠原病による角膜潰瘍は感染性潰瘍である 誤り。非感染性の角膜炎である。 d.角膜上皮が剥離し角膜実質に障害が及ばないものは角膜潰瘍である 誤り。角膜潰瘍は角膜実質まで障害が及んでいる。角膜上皮までで留まっているものは多分角膜びらん。 e.角膜知覚は三叉神経支配である 正しい。三叉神経第Ⅰ枝支配で、痛覚が敏感である。 ●誤っているものを一つ選べ。 a.( )涙液は油層、水(涙液)層、ムチン層からなる。 b.(×)角膜厚はおおよそ 1,500~1,600μm である。×→500〜1000μm c.( )房水は毛様体無色素上皮で産生され分泌される。 d.( )水晶体嚢は水晶体上皮の基底膜で、前方(前嚢)に比べ後方(後嚢)が薄い。 e.( )網膜と網膜色素上皮には機械的接着構造はない。 ●次の文章で正しいものを1 つ選びなさい。 VB 眼:12~14、21~23 Ch1:総論 a.(○)矯正視力 0.1 とは視角 10 分のことである。 視力=1/視角(4/22_3 三根:1) 正しい。視力値は2 点が分離して見分けられる最少視角θの逆数(視力=1/θ)であらわす。つまり視角 10 分 だと視力=1/10 となり 0.1 である。 b.( )小児の視力検査では字づまり視力表を、用いたほうが良い。 誤り。字づまり視力とは眼鏡屋にある視力検査のポスターのような、多数の視標が配列されている視力表で測定 した視力のことである。これに対し視標を一つ一つ見せて測定する視力を字ひとつ視力という。佐賀大学の健康 診断で使われる視力検査の機械がたぶん字ひとつ視力検査である。小児の中枢は未発達な為字づまり検査ではす みわけ困難が起きるので、字ひとつ視力検査の方が適している。 c.( )近視は凸レンズで矯正する。 誤り。凹レンズで矯正する。 d.( )不正乱視は円柱レンズで矯正する。 誤り。不正乱視は角膜の表面が不規則な状態にあり、円柱レンズでも矯正は困難である。 e.( )老視は凹レンズで矯正する。

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誤り。凸レンズで矯正する。 ●正しいのはどれか シラバス4/22 村田 a.幼児では字づまり視力値はひとつ視力値より良いことが多い 誤り。逆である。 b.視力表の標準照度は 2000lux である 誤り。視力表では500 ルクスで行う。 c.視覚2分に相当する視力は 0.2 である。 誤り。視角2 分ということは視力=1/2(分)=0.5 である。 d.近距離に於ける視力は通常 5m で測定する 誤り。近距離における視力は30cm で測定する。 e.近視は凹レンズで矯正する。 正しい。 ●ペンライトで診察できないのはどれか。 a.( )眼位 b.( )眼球運動 c.( )対光反射 d.( )水晶体 e.(×)眼底 眼底は眼底鏡や眼底カメラで診察する。

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■視力障害・視覚障害

●一側の視放線障害でみられるのはどれか。(VB 眼:9) Ch1:総論 a.( )水平半盲 b.(○)同名半盲 c.( )耳側半盲 d.( )鼻側半盲 e.( )中心暗点 ●下垂体腫瘍で通常見られるのはどれか VB 眼:9 Ch1 a.水平半盲 b.同名半盲 c.耳側半盲 d.鼻息半盲 e.中心暗転 下垂体はちょうど視交叉の上にあるため、視交叉が障害される。よって両耳側半盲が見られる。 ●弱視について正しいものはどれか。 VB:27~28 Ch1:総論 ・器質弱視:眼球や視神経自体に器質疾患があり、治療による視力の改善が見込めない ・機能弱視:正常な視覚刺激が視覚環境の受けやすい期間に一眼あるいは両眼に与えられなかった ・社会的弱視:原因を問わず両眼の矯正視力が0.04~0.3のもの 眼科では機能弱視を単に弱視と表すことが多い。 視力は生後外界の物体を見ることによって発達していく。視力発達には視覚感受性期間内(生後6 週~1 歳がピ ーク、以降低下するが8 歳ごろまで続く)に『両眼』の『網膜中心窩』に『同時』に『鮮明な画像』が結ばれる ことが必要で、この条件が一つでも満たされないと異常をきたし弱視となる。 a.(△)斜視弱視、中毒弱視は治療可能である。

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一応健眼の遮蔽や栄養の補給、原因疾患の除去などの治療法はある。 b.( )強度近視は弱視の原因になるが遠視は弱視の原因にならない。 誤り。近視も遠視も鮮明な画像が結ばれてはいないから弱視の原因となりうる。 c.( )不同視弱視の治療は患眼遮蔽である。 誤り。不同弱視は片眼に強い屈折異常のある疾患である。治療法は健眼遮蔽で、弱視眼に多くの視性刺激を与え るようにする方法である。 d.( )中学生になって発見された弱視でも治療により改善の見込みがある 誤り。視覚感受性期間は8 歳ごろで終わり、それ以降では改善の見込みはほぼない。 e.(○)乱視は弱視の原因になる。(VB 眼:28) 正しい。屈折異常により黄斑中心窩に不鮮明な網膜像しか結ばれなかった場合弱視となる。乱視に限らず遠視、 近視でも起こりうる。 ●斜視について正しいものはどれか VB 眼:24~28 Ch1 a.斜視弱視は視力予後が良好である ヒトの視力機能は視覚感受性期間内(生後6 週~1 歳半ごろがピーク、以降低下するが 8 歳まで続く)に鮮明な 画像を見ることにより獲得される。つまりこの期間内に弱視とわかり治療ができればそれなりに予後は良い。し かしこの期間を超えて斜視弱視となった場合、視力機能回復はほぼ行われない。視力予後の程度は一概に言えな いのでおそらく誤り。 b.間欠性外斜視では両眼視機能が不良なことが多い 誤り。間欠性外斜視の場合恒常性外斜視に移行していなければ、比較的両眼視機能は良好である。 c.間欠性外斜視の治療として健眼遮蔽を行う 誤り。間欠性外斜視は筋肉の問題のため健眼遮蔽を行ったところで改善されない。治療は手術だが、両眼視機能 は良好なことが多く緊急性はない。 d.外転神経麻痺にて回旋斜視を生じる 正しい。外直筋麻痺による外転障害で内斜視を生じる。 e.調節性内斜視は手術の適応とならない 誤り。調節性内斜視は遠視が背景にあるので眼鏡による矯正が治療の基本だが、それでも斜視が改善されない場 合は手術を行うことがある。 ●斜視・弱視の治療として適切な組み合わせはどれか VB 眼:24~28 Ch1:総論 a.( )調節性内斜視- 斜視手術 誤り。調節性内斜視では眼鏡による完全屈折矯正を行う。 b.( )外斜位- 斜視手術 誤り。外斜位はトレーニングで矯正可能である。 c.( )右眼弱視- 右眼遮蔽 誤り。眼遮蔽は健側の眼に行う。この場合左目を遮蔽すべきである。 d.(○)麻痺性斜視- プリズム眼鏡処方 正しい。ほかにボツリヌス毒素を使った治療法がある。 e.( )間欠性外斜視- 眼鏡処方 誤り。間欠性外斜視には手術が行われる。ただし恒常性外斜視に移行していなければ比較的両眼機能が良好な場 合が多く、手術に緊急性はない。

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●70 歳、女性。1 週間前より、複視、耳鳴り、右目の充血、及び拍動性眼球突出を訴え来院した。前眼部写真 を図Bに示す。考えられる疾患はどれか。 VB 眼:39、42~45 Ch1:総論 ■複視 複視は物が二重に見える状態であり、単眼視だけで二重に見える単眼性複視と、両眼視でのみ二重に見える両眼 性複視がある。単眼性複視は乱視や白内障、両眼性複視は眼球運動障害で見られる。 ■充血 結膜血管の拡張した状態で、結膜充血と毛様充血に大別される。結膜充血は主に結膜の炎症で見られ、毛様充血 は角膜や眼球内部の炎症など重篤な疾患で見られることがある。 ■眼球突出 眼窩内の出血、炎症、腫瘍などによる眼窩内容の増大が原因となる。鈍的眼球打撲や眼窩蜂窩織炎、甲状腺機能 異常に伴うものや、特に間欠性・拍動性の場合には眼窩静脈瘤や内頚動脈海綿静脈洞婁などがある。 というわけで内頚動脈海綿静脈洞婁が疑われる。この疾患は内頚動脈に瘻孔が開くことにより海綿静脈洞と内頚 動脈がつながってしまう疾患である。症状はⅢ.Ⅳ.Ⅵ神経麻痺、頭痛や耳鳴り(Ⅴ神経)眼圧亢進など。 a.眼窩蜂窩織炎 b.胸膜炎 c.内頚動脈海綿静脈洞婁 d.サルコイドーシス e.側頭動脈炎 ●Duane 症候群について正しいものはどれか VB 眼:39 Ch1 偽眼瞼下垂である。先天性の神経障害による眼球運動障害である。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型の3 つがある。 I 型:片方の目が外転できず、内転は制限される。内転するとき眼球が陥凹し、眼瞼幅が狭くなって眼瞼下垂様 になる。上・下方偏位を伴うことも多い。最も多く認められ(Duane 症候群の約 85%を占める)、目を内 転させる時に、内直筋と外直筋の両者が同時に働いてしまうため、眼球が後退して陥凹する。 II 型:片方の目の内転が不能、外転は制限されて、外斜視になる。 III 型:片方の目の内転と外転が共に制限される。 この3 種類以外のパターンを示すものもある。 a.外眼筋の麻痺が原因である。 誤り。麻痺でなく異常神経支配である。筋肉が動きはする、ただその動きが異常なだけである。 b.健眼の眼球後退を示す。 誤り。眼球後退を起こすのは患眼である。 c.通常は両眼性に起こる 誤り。通常は片眼性に起こる d.眼球内転時に外転も同時に生じる 正しい(Ⅰ型)。内直筋と外直筋が同時に働いてしまうため眼球が後退する。 e.治療は眼鏡装用である 誤り。異常な頭位をとる斜視(Duane 症候群は 1%を占める)のみられる場合は、眼位を矯正する斜視手術を行 うことがある。正面を向いているときに、目の位置がまっすぐであれば、原則として手術はされず、内転時の眼 球後退、瞼裂狭小、眼球の上下偏位が著明なときのみ手術が行われる。

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●MLF 症候群で正しいのはどれか。(VB 眼:40)(5/8_1 中尾:3) Ch1:総論

MLF 症候群は核上性の神経障害で、①側方視時の内転障害 ②輻輳可能 ③反対眼(外転時)の眼振 等が特 徴である。原因は内側縦束の障害や多発性硬化症、血管障害など。

a.( )眼振はみられない。(Medial longitudinal fasciculus:内側縦束) b.( )輻輳は障害される。

c.( )患側の外転障害である。×→内転障害

d.( )瞳孔異常を伴う。

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■眼瞼疾患

●兎眼にならないのはどれか。1 つ選べ。(VB 眼:89) Ch4 シラバス 4/23 兎眼とは種々の原因で閉瞼が不完全となり、角膜が常時露出している状態をいう。原因は顔面神経麻痺、外傷、 熱傷瘢痕、内反術後、眼瞼外反、眼球突出など。 a.( )顔面神経麻痺 b.( )眼瞼熱傷 c.( )眼瞼内反症手術後 d.( )眼瞼外反症 e.(×)動眼神経麻痺 動眼神経は外眼筋の運動にかかわっており、眼瞼の閉鎖には関与していない。 ●次のうち誤った文はどれか。1 つ選べ。(VB 眼:90) Ch4:眼瞼疾患 a.( )麦粒腫 hordeolum は細菌感染に伴い発症する。 正しい。起炎菌の多くは黄色ブドウ球菌であり、皮脂腺(ツァイス腺)、汗腺(モル腺)に生じるものを外麦粒 腫、マイボーム腺に生じるものを内麦粒腫という。 b.( )霰粒腫 chalazion の病態は Meibom 腺の梗塞に起因する慢性肉芽腫性炎症である。(4/24_1 岩切:2) 正しい。麦粒腫と異なりこれに細菌感染は関係ない。 c.( )高齢者の再発性の霰粒腫様病態では、脂腺癌の鑑別が重要である。 正しい。 d.(×)翼状片 pterygium は単純切除手術後も再発の少ない疾患である。(VB 眼:119) 誤り。単純切除のみでは非常に高い再発率を伴うため、初回手術は有茎もしくは遊離結膜弁移植を行う。再発し た場合次回の術後再発率はさらに高くなるため、マイトマイシンCの使用や角膜輪部移植・羊膜移植の併用を行 う。 e.( )小児の先天性鼻涙管閉塞は多くの場合自然開口が期待できる。 正しい。

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■結膜疾患

●次の症例について正しい対応を一つ選べ。 (4/24_1 岩切:7) VB 眼:112~115 Ch6:結膜疾患 45 歳男性。主訴は両眼の充血および眼脂と流涙。3 日前から発症し最初は右服のみであったが昨日より左眼 にも同症状を認める。右側の耳前リンパ節の腫脹を伴う。アデノチェック R は陽性だった。飲食店での接客業 をしている。前眼部写真を図A に示す。 充血・眼脂・流涙から結膜炎疾患が疑われる(充血のみではブドウ膜炎や急性緑内障などの強膜充血も疑われる が、強膜充血では通常流涙はきたさない)。その中でもアデノウイルス抗体価が陽性のため流行性角結膜炎か咽 頭結膜炎が疑われる。さらに耳前リンパ節の腫脹を伴うため流行性角結膜炎が強く疑われる。 a.( )看護師の報告を聞いたうえで軽症そうなので他の予約患者を見てから診察する。 誤り。流行性角結膜炎の場合、発症約 10 日後に点状の上皮下混濁が発生することがあり、それにより羞明や視 力低下を引き起こすこともある。早期に治療すべきである。 b.( )診察時は手先の感覚が重要でありゴム手袋は使用しない。 誤り。ウイルス性結膜炎は他者からの直接的な接触、もしくは他者がふれたものを介して間接的に接触すること により原因ウイルスが眼表面に侵入し感染が成立する。素手で診察したら感染が広まりかねない。 c.( )視力低下の確認は重要なので視力検査の指示を出した。 誤り。早期の段階では視力低下は見られない、診断には問診が最も重要な手掛かりとなる(近くに結膜炎の人は いないか、潜伏期間に沿った最近の外出先など)。 d.(○)仕事は休んで自宅療養を指示する。 正しい。本症は集団感染の原因となるため、不特定多数の人と接触のある学校や仕事は休ませる必要がある。 e.( )病状経過の観察が重要なので明日も再診させて診察する。 誤り。そこまで重要でない。 ●次のうち正しいのはどれか、一つ選べ VB 眼:112~115 Ch6 a.臨床実習中に流行性角結膜炎を発症しても、貴重な臨床実習は休むべきではない 誤り。集団感染の原因となりかねないので不特定多数の人と接触のある臨床実習は休むべきである。 b.流行性角結膜炎は発症早期から角膜混濁をきたすのが特徴である 誤り。角膜混濁は発症後約10 日後から見られる。 c.流行性角結膜炎の診断はアデノウイルスの分離培養が迅速かつ簡便である 誤り。簡便な検査はアデノウイルス抗体価測定である。ついでに言うなら診断において最も重要なのは問診であ る(近くに結膜炎の人はいなかったか、潜伏期間に沿った最近の外出先)。 d.流行性角結膜炎は両眼に発症するのはまれである 誤り。接触により発症するので両眼に触れれば十分起こりうる。 e.流行性角結膜炎の原因であるアデノウイルスに対する治療薬は無い 正しい。本症はウイルス感染であるため有効な特異的療法はない。治療は抗生剤の点眼とステロイド点眼など。

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●次の症例について正しい対応を一つ選べ。 (4/24_1 岩切:7) 48 歳女性。今朝、起床後に家族から眼の赤みを指摘された。視力低下、痛みなどの自覚症状はない。前眼部 写真を図Bに示す。 写真はないが結膜下出血らしいです。突然、結膜(白目)が出血により赤くなる状態。その程度はさまざまで、 結膜全体が真っ赤になるものから、一部がうっすらと赤くなるだけのものまである。原因は高血圧であったり不 明だったり。 自覚症状は何もないししほっとけば治り(10 日~2 週間)後遺症も残らない疾患である。というわけで答えはa。 ただしあまりにも繰り返し起きる場合は原因疾患の検索や止血剤の投与などを行う。 a.(○)無治療で経過観察。 b.( )副腎皮質ステロイド薬点眼の処方。 c.( )抗生物質点眼の処方。 d.( )コンタクトレンズの装用はやめさせる。 e.( )家族への感染予防のため手洗いを徹底させる。 35 歳男性。内服薬を服用後に高熱、全身の多形紅斑を生じ、視力低下が生じた。前眼部写真(E)を別に示す。 ●この疾患の診断名はどれか。 VB 眼:122~123 Ch6:結膜疾患 内服薬を服用後に症状が出ているので、薬疹が強く疑われる。というわけでb。 皮膚や粘膜にびらんと水疱を生じるものが多形紅斑であり、2か所以上の粘膜病変が見られるものをいう。免疫 複合体が関与するⅢ型アレルギーである。慢性期にはドライアイを引き起こし、重症例では角膜混濁や結膜化角 膜に至る場合もある。 a.( )Sjogren 症候群 b.(○)Stevens-Johnson 症候群 c.( )斑状角膜ジストロフィ d.( )匍行性角膜潰瘍 e.( )Leber 病

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●この疾患の原因となりにくい薬剤はどれか。 a.( )総合感冒薬 b.(×)副腎皮質ステロイド薬 c.( )抗生物質 d.( )解熱鎮痛薬 e.( )抗うつ薬 基本的に薬疹はあらゆる薬で起こりうる。しかし、副腎皮質ステロイドはSJS の治療に使われるので少なくとも この疾患の原因とはなりにくいだろう。 ●ドライアイについて正しいものはどれか VB 眼;122~127 Ch6 ドライアイは涙液が量的もしくは質的バランスを崩すことによって、眼表面を覆うことができなくなった状態で あり、角膜上皮の障害や様々な症状を引き起こす。病因から3 つに分類できる。 ・油層の異常:蒸発更新型ドライアイである。油層が減少すると通常よりも蒸発速度が速くなってしまう。もし くは十分な瞬目ができていないため涙液を角膜上に分配できない状態である。 ・水層の異常:涙液減少型ドライアイである。さまざまな疾患により涙腺からの涙液の分泌が低下している状態。 ・ムチン層の異常:さまざまな疾患によりムチン層に異常が起きドライアイを生じる。 a.マイボーム腺分泌過剰によりドライアイが生じる 誤り。マイボーム腺機能不全(油層の異常)によってドライアイは生じる。その他眼瞼縁炎でも油層の異常は起 きる。 b.シェーグレン症候群によるドライアイの原因はムチン産生低下である 誤り。シェーグレン症候群は涙液分泌低下が原因によってドライアイが生じる。 c.スティーヴンス-ジョンソン症候群によるドライアイの原因は涙腺機能低下である 誤り。SJS はムチン層の異常が原因である。ほかに眼類天疱瘡やビタミンA 欠乏症でもムチン層に異常は起きる。 d.VDT 作業でドライアイが生じる

正しい。VDT 作業とは、ディスプレイ、キーボード等により構成される VDT (Visual Display Terminals) を使 用した作業を言い、一般的にはコンピュータを用いた作業を指す。VDT 作業に集中すると瞬きの回数が減少す るためドライアイを生じる。休憩の目安は、1 時間 VDT 作業を行ったら 10-15 分休憩である。理論上ゲームは 1 日20 時間までなら VDT 症候群を起こすことなく快適に遊ぶことができる(弊害が出ないとは言っていない)。 e.ドライアイにより角膜実質細胞にびまん性障害が生じる

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■水晶体疾患

●白内障の原因とならない疾患はどれか VB 眼:149~154 Ch6:白内障 シラバス 4/23 a.( )筋緊張性ジストロフィ b.( )風疹 c.( )アトピー性皮膚炎 d.(×)Wagner 病 e.( )糖尿病 ●図Cは眼科手術に使う器材である。どの組織の代替物として使用するか。一つ選べ。 a.( )角膜 b.( )虹彩 c.(○)水晶体 d.( )硝子体 e.( )網膜 画像がないので想像で書くと、おそらく手術は白内障手術である。白内障手術ではスリットナイフで水晶体を破 壊し吸引、無くなった水晶体の代わりに眼内レンズ(IOL)を入れて手術完了である。

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■緑内障

●正しいものはどれか。(VB 眼:164) Ch10:緑内障 a.( )ゴールドマン圧平式眼圧計は空気を用いて、眼圧を測定する。 誤り。空気ではなく、実際に測定器を眼球(黒目・角膜)に押しつけて測定する。 b.( )線維柱帯切開術(トラベクロトミー)後は結膜濾過胞(ブレブ)形成が眼圧下降に必要である。 誤り。たぶん必要ない。 c.( )日本人で最も多い緑内障の病型は閉塞隅角緑内障である。 誤り。日本人では開放隅角緑内障が約8 割である。 d.(○)視野異常が生じる前から、視神経乳頭の緑内障性変化は認められる。 正しい。 e.( )ゴールドマン視野検査は静的視野検査である。 誤り。ゴールドマン視野検査は動的検査で、ハンフリー視野検査が静的視野検査である。 ☆覚え方:ゴールドマンは どうてい(動的) かく言う私も○○でね。 ●次の緑内障に関する記載で正しいものはどれか。(VB 眼:157) Ch10:緑内障 a.( )ステロイド緑内障の発症頻度は 4%程度である。 b.( )2011 年現在、本邦における中途失明の原因として緑内障は 2 位である。 誤り。緑内障が1位である。2 位は糖尿病網膜症である。 c.( )糖尿病放置例における血管新生緑内障は、点眼治療による眼圧コントロールが容易である。 誤り。続発緑内障は原発緑内障に比べ急激な眼圧上昇をきたす場合が多く、原発緑内障と同様の眼圧下行薬のみ では良好なコントロールは得難い。 d.( )先天緑内障は角膜径の縮小が特徴である。 誤り。拡大が特徴である。 e.(○)本邦における緑内障の有病率は 5%程度である。

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■眼窩疾患

●眼窩蜂窩織炎についてまちがっているものはどれか。 VB 眼:168 Ch11:眼窩疾患 a.(?)敗血症に伴うものが多い。 この問題文からすると順序が敗血症→眼蜂とよみとれるけど、普通眼蜂→敗血症とかだよね。敗血症を合併する にしても、「恐れがあるとかそのぐらいの頻度だし。 b.( )眼球運動障害を生じる。 正しい。症状は眼球突出、眼球運動障害、眼瞼主徴、疼痛、充血、時に視力障害、そしてしばしば開瞼障害が見 られる。全身症状としては感染に伴う発熱、頭痛、悪心など。 c.( )黄色ブドウ球菌感染が原因となる。 正しい。蜂窩織炎は黄色ブドウ球菌が主な起炎菌でそのほかA 群β溶連菌やインフルエンザ菌なども原因となる。 d.(△)準緊急的に治療が必要である。 治療は緊急に行う必要がある(敗血症にならないため)。準緊急と緊急の違いって何? e.( )眼球突出を伴う。 正しい。 ●Basedow 病について誤っているものを選べ。 VB 眼:171~172 Ch11:眼窩疾患 本症は自己免疫疾患であり、その原因は不明である。甲状腺に対する自己抗体(TSH 受容体抗体)の産生によ り甲状腺機能が亢進する疾患である。 a.( )上眼瞼が眼球下転に伴って下がらない 正しい。上眼瞼挙筋の過度の緊張により下方視の際に上眼瞼の下降に遅れが見られる。これをグレーフェ徴候と いう。また同様の原因から正面視により上眼瞼が後退する(ダルリンプル徴候)。 b.(×)放射線治療が頻用される 誤り。治療法は抗甲状腺薬や甲状腺摘出などである。 c.( )眼球突出を認める 正しい。外眼筋および眼窩脂肪組織に炎症性腫脹が起きた結果、眼窩内が狭くなり、眼球が全欧に押し出される ためと考えられる。 d.( )輻輳不全が見られる バセドウ病での直筋の障害頻度は下直筋が最も多く次いで内直筋である。内直筋に傷害が見られると輻輳(より 目みたいなもの)不全は起こりうる。 e.( )青壮年の女性に多い 正しい。これに限らず甲状腺疾患は女性に多い。

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■ブドウ膜疾患

●20 歳男性。1 年前から網膜出血と網膜滲出斑、非肉芽腫性前部ぶどう膜炎による右眼の視力低下を繰返して いる。下腿に結節性紅斑が時々出現する。治療に用いる薬剤はどれか。 ベーチェット病 VB 眼:181~191 Ch12:後眼部疾患・ぶどう膜炎 まずブドウ膜炎とわかったらサルコイドーシス、Vogt-小柳-原田病、ベーチェット病の三つを頭に浮かべよう。 あとは患者の症状からどれであるかを診断する。 ・サルコイドーシス:非乾酪性類上皮肉芽腫、両側肺門部リンパ節腫脹など ・Vogt-小柳-原田病:眼症状に先行する頭痛、耳鳴り、難聴、頭髪の違和感など、眼症状とともに起こる虹彩結 節、角膜後面沈着物、回復期における夕焼け状眼底、皮膚白斑、白髪、脱毛など ・ベーチェット病:口腔粘膜アフタ性潰瘍、結節性紅斑、陰部潰瘍など この三つ以外にも感染性ぶどう膜炎がある。今回は結節性紅斑があるのでベーチェット病である。 a.( )アシクロビル b.(○)インフリキシマブ(み 6:94) c.( )リツキシマブ d.( )ズンシクロビル e.( )ラニビズマブ ぶどう膜炎の治療には副腎皮質ステロイド薬や非ステロイド性抗炎症薬が使われる。それで治療が難航する場合 は免疫抑制薬(Vogt-小柳-原田病)やTNF-α拮抗薬[インフリキシマブ](ベーチェット病)などが使われる。 ●正しいものはどれか。 VB:眼:175~191 Ch12:ブドウ膜炎 a.( )急性網膜壊死の原因は主としてサイトメガロウイルス感染である。 誤り。ヘルペスウイルス(単純ウイルス1型、2 型、帯状水痘ウイルス)の眼内感染が原因と考えられている b.( )サルコイドーシスの診断には両側肺門リンパ節腫脹が必須項目である。 誤り。サルコイドーシスの診断は組織診断と臨床診断に分かれ、どちらかで診断項目を満たせばサルコイドーシ スと診断される。両側肺門リンパ節腫脹は臨床診断の項目に含まれてはいるが必須項目ではない。 c.( )前房蓄膿がみられる疾患はベーチェット病だけである。 誤り。そのほかブドウ膜炎、感染性角膜潰瘍、眼内の感染・腫瘍などでも見られる。 d.( )副腎皮質ステロイド薬に反応しないサルコイドーシスのぶどう膜炎にはインフリキシマブを投与する。 誤り。インフリキシマブを使うのはベーチェット病のブドウ膜炎である。 e.(○)Vogt-小柳-原田病は両眼性の疾患である。 正しい。脈絡膜炎を主体とした両眼性の汎ぶどう膜炎である。 ●Vogt-小柳-原田病について正しいものはどれか VB 眼:181~183 Ch12 :後眼部疾患・ぶどう膜炎 Vogt-小柳-原田病は脈絡膜炎を主体とした両眼性の汎ぶどう膜炎である。全身のメラノサイトに対する自己免疫 反応によって生じる。 おもな眼症状は視力低下、変視、歪視で臨床所見は3 つの病期(前駆期、眼活動期、回復期)に分類される。 a.眼症状が発症するころに頭痛を伴うことが多い 誤り。頭痛は前駆期で出る。前駆期ではほかに感冒様症状、耳鳴り、難聴、めまい、吐き気、髄膜刺激症状など をきたす。 b.眼症状が発症するころに伝音性難聴を伴うことがある

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難聴がおきはするがそれは前駆期だし、感音性難聴だし、微妙だが『ことがある』ってことは一例でもこの世に 存在したら正解になるから多分これが正解。 c.眼症状が発症するころに皮膚白斑が出現することが多い 誤り。皮膚白斑は回復期で出現する。 d.原因は帯状疱疹ウイルス感染である 誤り。原因不明の自己免疫疾患である。 e.髄液検査は診断に有用ではない 誤り。髄液検査にて髄液細胞の増多を認める。

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■網膜疾患

●インドシアニングリーン蛍光眼底造影法が診断に有用である疾患を一つ選べ VB 眼:192~227 Ch13 蛍光眼底造影検査とは造影剤を注射し、網膜・脈絡膜の血管循環を撮影し記録する検査である。造影にはインド シアニングリーン蛍光(IA)とフルオレセイン蛍光(FA)がある。IA は脈絡膜血管の病変の検査に、FA は網 膜病変の検査に用いられる。 a.加齢黄斑変性 b.糖尿病網膜症 c.網膜中心動脈閉塞症 d.網膜静脈分枝閉塞症 e.特発性黄斑円孔 答えはa。本邦における加齢性黄斑変性の約半数はポリープ状脈絡膜血管症という脈絡膜血管に病変のある疾患 である。なので脈絡膜病変を見るIA 蛍光眼底造影法が診断に有用。でも FA もする。

a~d の疾患では蛍光眼底造影を行うが、e ではそれは行わない。OCT が診断に有用である(a~d の疾患でも OCT はされる)。 ● 正しいものを一つ選べ VB 眼:192~229 Ch13 a.裂孔原生網膜剥離の発生頻度は若年者と中高年者の二峰性を分布する 正しい。20 歳代の主な原因は高度近視や外傷、アトピー性皮膚炎である。50 歳代の主な原因は加齢性変化であ る。 b.糖尿病発症後 5 年以内に発症する網膜症を増殖糖尿病網膜症という 誤り。糖尿病網膜症は数年~10 年かけて単純網膜症になり、それから増殖前糖尿病網膜症→増殖糖尿病網膜症と なる。 c.中心性漿液性脈絡網膜症の自然寛解例はほとんど再発しない 誤り。中心性漿液性脈絡網膜症は自然治癒する傾向が強いが、再発を繰り返し網膜下液が遷延する慢性型もある。 d.加齢黄斑変性は飲酒との関連がある 誤り。加齢性黄斑の原因は加齢変化を基礎とする慢性炎症や酸化ストレスであり、関連するのは喫煙と高血圧で ある。 e.特発性黄斑円孔は後部硝子体剥離例に多い 正しい、はず。特発性黄斑円孔は後部硝子体剥離が主な原因である。 ●正しいものを一つ選べ。 VB 眼:192~229 Ch13:網膜・眼底疾患 a.(○)中高年の網膜裂孔形成は後部硝子体剥離に起因する。 VB 眼 218~222 正しい。網膜剥離は液化硝子体、硝子体牽引、網膜裂孔が3 要素となっている。発症年齢は 20 歳と 50 歳にピー クが見られるが、それぞれの年代でこの3 要素の関わりが異なる。中高年では液化硝子体が多く、硝子体牽引も 強いため硝子体の可動性が亢進し、後部硝子体剥離が起きやすくなる。

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b.( )中心性漿液性脈絡網膜症は黄斑下出血を生じる。 VB 眼:212~214 誤り。中心性漿液性脈絡網膜症で見られるのは脈絡膜血管の透過性亢進による黄斑部の網膜下液の貯留や漿液性 網膜剥離など。 c.( )糖尿病網膜症は糖尿病発症後 2-3 年で出現する。 病気が見える vol.3:68~71 誤り。数年~10 年で発症する。 d.( )非増殖(単純)糖尿病網膜症は網膜光凝固の適応である。 病気が見える vol.3:68~71 誤り。単純網膜症は網膜の浮腫・出血が起きている状態で、主な治療は血糖コントロールである。光凝固法の適 応となるのは増殖前網膜症や増殖網膜症。 e.( )増殖糖尿病網膜症には脈絡膜新生血管が見られる。 誤り。硝子体への血管新生が見られる。脈絡膜新生血管(CNV)が発生するのは加齢黄斑変性(VB:眼 215) ●硝子体手術の適応とならない疾患は以下のどれか1 つ選べ。 VB 眼:192~229 Ch13:網膜疾患 a.( )糖尿病網膜症(VB 眼:201) 増殖網膜症では硝子体への血管新生、出血が起き牽引性網膜剥離を生じることがある。遷延する硝子体出血や黄 斑部に掛かる牽引性網膜剥離は硝子体手術の適応となる。 b.( )黄斑円孔 macular hole(VB 眼:205) 黄斑円孔は加齢による後部硝子体剥離(特発性)や眼外傷・黄斑上膜の牽引・黄斑浮腫(続発性)などにより黄 斑に円孔が生じ視力低下、変視症をきたす疾患である。初期には自然寛解もあるが、多くは進行性で硝子体手術 が適応となる。 c.( )網膜上膜 macular epispore(VB 眼:209) 黄斑の表面に膜様の組織が形成され、視力低下や変視床をきたす疾患である。眼底疾患による続発性変化や加齢 変化による後部硝子体剥離が原因となる。視力低下が進行する場合は硝子体手術を行う。 d.(×)黄斑ジストロフィ (VB 眼:226) おもに杆体が遺伝性、進行性に変性することで夜盲症、錐体機能低下などをきたす疾患。現状有効な治療法がな いため、硝子体手術は行われない。 e.( )増殖硝子体網膜症 網膜色素上皮細胞から神経網膜が剥がれている網膜剥離や、高血糖により網膜の血管に異常が起きている糖尿病 網膜症が悪化して起きる病態。ただちに硝子体手術を行う必要がある。

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■外傷

●草刈り機を使用中に突然、右目に痛みを自覚したことを主訴に、救急外来を受診した。外傷によると想定すべ き眼所見でないものはどれか VB 眼:244~249 Ch16 ■鈍的外傷 ・眼周囲組織:眼窩底骨折、頭蓋底骨折、視神経損傷 ・前眼部:強角膜破裂、水晶体やチン小帯の損傷、虹彩損傷、隅角損傷やそれに伴う前房出血、緑内障 ・後眼部:網膜振盪、網膜裂孔、網膜剥離、黄斑円孔、硝子体出血、脈絡膜破裂 ■裂傷 結膜・角膜・強膜の損傷、水晶体・網膜の損傷、前房水・硝子体液の漏出、眼内組織の脱出 a.結膜裂傷 b.硝子体出血 c.眼窩蜂窩織炎 d.黄斑浮腫 e.網膜剥離 dが間違い。黄斑浮腫は網膜の黄斑部に液状の成分がたまってはれている状態で、網膜血管の透過性亢進や、加 齢に伴う硝子体の牽引、構成成分の変化などが原因である。 ●問48 の症例を検査したが、異物は明らかではなかった。次に行うべき検査はどれか VB 眼:244~249 Ch16 a.Goldmann 視野検査 Goldmann 視野検査は目に直接検査機を接触させるため、外傷がある患者に行うべきではない。 b.光干渉断層検査 OCT は網膜、網膜色素上皮や脈絡膜、視神経乳頭部などの後眼部を画像化する画像診断装置である。これでは 見えない場所の異物や外傷の程度を確かめることはできない。 c.核磁気共鳴画像検査 誤り。見えない部分に磁性異物があった場合、MRI の磁力に引っ張られ重篤な傷害を及ぼす可能性がある。しか もこの症例はおそらく小石や砂が原因となっているのでその可能性は十分にある。 d.X 線画像検査 正しい。単純X線撮影やCT で異物の存在を確かめる必要がある。 e.眼内視鏡検査 ●硬式野球ボールで練習中に、眼にボールが当たったと救急外来を受診した。 外傷によると想定すべき眼所見でないものはどれか。 a.( )眼球破裂 b.(×)後部ぶどう腫 c.( )虹彩根部離開 d.( )眼球陥凹 e.( )網膜剥離 後部ブドウ腫は主に近眼が原因となる。外傷も一応原因の一つではあるが。

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●上の症例が受診した結果、前房に出血と炎症のみを認めた。 患者対応のうち不適切なものはどれか。 a.(○)慢性期に大きな合併症の心配はないことを説明する。 b.( )副腎皮質ステロイド薬点眼が必要であることを説明する。 c.( )距離感が掴みにくいので、事故に注意が必要であることを説明する。 d.( )眼圧が不安定になる可能性を説明する。 e.( )激しい運動は控えることを説明する。 外傷を受けた後に起きる大きな合併症に交感性眼炎がある。これは、片方の目のブドウ膜などを傷つけたときに、 外傷を受けていない健側の目にも炎症が起きるという疾患である。自己免疫反応が原因であるとされている。症 状や診断などは原田病と同様であり、治療も原田病と同じくステロイドの大量点滴やパルス療法がおこなわれる。

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■腫瘍

●眼窩内腫瘍において診断に関係が薄い検査はどれか a.HESS 検査 b.コントラスト視力検査 c.Hertel 眼球突出計検査 d.Goldmann 視野検査 e.超音波検査 ヘルテル眼球突出計検査と超音波検査は関連がある。あとはわかんね。

■英語

●次の組み合わせで不適切なものはどれか a.眼瞼内反:blepharoptosis b.結膜炎:conjunctivitis c.角膜潰瘍:cornealulcer d.外斜視:exotropia e.眼窩:orbit a が誤り、英語は眼瞼下垂である。正しくはentropion 。 ●次の組合せで不適切なものはどれか。

a.( )bullous keratopathy - 水疱性角膜症 b.( )optic neuropathy - 視神経症

c.(×)rod 杆体細胞- 錐体×→cone

d.( )scleritis - 強膜炎 e.( )vitreous body - 硝子体

●次の組合せで不適切なものはどれか a.( )blepharitis 眼瞼炎 b.( )ciliary injection 毛様充血 c.( )keratoplasty 角膜移植 d.( )lens luxation 水晶体脱臼 e.(×)retianl detachment 網膜分離症×→網膜剥離

参照

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