• 検索結果がありません。

音楽

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア " 音楽"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

音楽

探究的活動を取り入れた学習における多様な音楽の仕組みの追求

―様々な見方・考え方を働かせる学習方法の工夫―

森 美幸

本年度の授業研究の視点

現行の学習指導要領における中学校音楽科の目標 の内容は主に4つある。「音楽を愛好する心情」と は,生活に音楽を生かし,生涯にわたって音楽を愛 好しようとする思いである。「音楽に対する感性を 豊かに」とは,音や音楽のよさや美しさなどの質的 な世界を価値あるものとして感じ取るときの心の働 きを意味している。「音楽活動の基礎的な能力」と は,生涯にわたって楽しく豊かな音楽活動ができる ための基になる能力を意味している。「音楽文化の 理解」とは,様々な音楽が持つ固有の価値を尊重し,

その多様性を理解できるようにするとともに,音や 音楽によって,人は自己の心情をどのように表現し てきたか,人と人がどのように感情を伝え合い,共 有しあってきたか,実感できることである。これら をうまく相互作用させることで「豊かな情操を養う」

とされている。情操とは,美しいものや優れたもの に触れたときに感動する心のことである。

しかし,現代の中学生は,まず自分が不得手だと 感じるものへの取り組みに対し,非常に内向的にな り,失敗を恐れ,消極的になる。表現を必要とされ る音楽は,消極的になるとできない内容となるため,

不得手な生徒にとって表現することは,難しい課題 となる。

そこで,不得手な生徒も積極的に音楽活動に取り 組める内容の実施を試みることにした。しかし,誰

にでもできる内容に音楽的要素を盛り込むとなる と,どうしても難易度が高くなってしまい,音楽的 要素を取り入れつつ誰にでも取り組める内容とは,

どうすべきか悩まれるものであった。

また,多様な音楽の仕組みに興味・関心を持ち,

多様な音楽文化に触れさせ,その良さを味わわせる ことにより,音楽に対する感性や情操を豊かにでき ると考えるため,これまであまり重きを置いてこな かった多文化の音楽にも注目させ,深く追求するこ とを実践してみることで,これまでに無い知覚・感 受を持つことで,新たな音楽的な見方・考え方がで きるようになると考え,実践を試みた。

図 本研究テーマの構造 本論の要旨

一昨年度より試行されている新学習指導要領(平成29年告示)における中学校音楽科の目標では,「表 現及び鑑賞の幅広い活動を通して,音楽的な見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の音や音楽,音楽文 化と豊かに関わる資質・能力を育成することを目指す」と示された。

そこで,二つのことに注目して研究を進めたい。一つ目は,音楽的な見方・考え方である。音楽的な見 方・考え方について,様々な角度から課題を与えることで,多様な思考力・判断力・表現力の育成へと つなげ,音楽活動の楽しさを体験させ,豊かな情操を育む。二つ目は,自国はもちろん,多様な音楽文 化に触れ,その良さを味わうことで音楽に対する感性を豊かにし,グローバル社会に生きて働く力を育 む。

具体的な方法として,既習の学習内容や実生活につながるような内容から,新たな学習内容へと持って いくことで,音楽的な見方・考え方を養い,多様な文化を受け入れることで視野を広げ,実生活と密接に つながっている音楽の良さを改めて考える力を育む。

キーワード 多様な音楽文化,音楽的な見方・考え方,つながり,思考ツール

音楽的な見方・考え方 学習活動 学習活動 学習活動

知識

(2)

音楽

探究的活動を取り入れた学習における多様な音楽の仕組みの追求

―様々な見方・考え方を働かせる学習方法の工夫―

森 美幸

本年度の授業研究の視点

現行の学習指導要領における中学校音楽科の目標 の内容は主に4つある。「音楽を愛好する心情」と は,生活に音楽を生かし,生涯にわたって音楽を愛 好しようとする思いである。「音楽に対する感性を 豊かに」とは,音や音楽のよさや美しさなどの質的 な世界を価値あるものとして感じ取るときの心の働 きを意味している。「音楽活動の基礎的な能力」と は,生涯にわたって楽しく豊かな音楽活動ができる ための基になる能力を意味している。「音楽文化の 理解」とは,様々な音楽が持つ固有の価値を尊重し,

その多様性を理解できるようにするとともに,音や 音楽によって,人は自己の心情をどのように表現し てきたか,人と人がどのように感情を伝え合い,共 有しあってきたか,実感できることである。これら をうまく相互作用させることで「豊かな情操を養う」

とされている。情操とは,美しいものや優れたもの に触れたときに感動する心のことである。

しかし,現代の中学生は,まず自分が不得手だと 感じるものへの取り組みに対し,非常に内向的にな り,失敗を恐れ,消極的になる。表現を必要とされ る音楽は,消極的になるとできない内容となるため,

不得手な生徒にとって表現することは,難しい課題 となる。

そこで,不得手な生徒も積極的に音楽活動に取り 組める内容の実施を試みることにした。しかし,誰

にでもできる内容に音楽的要素を盛り込むとなる と,どうしても難易度が高くなってしまい,音楽的 要素を取り入れつつ誰にでも取り組める内容とは,

どうすべきか悩まれるものであった。

また,多様な音楽の仕組みに興味・関心を持ち,

多様な音楽文化に触れさせ,その良さを味わわせる ことにより,音楽に対する感性や情操を豊かにでき ると考えるため,これまであまり重きを置いてこな かった多文化の音楽にも注目させ,深く追求するこ とを実践してみることで,これまでに無い知覚・感 受を持つことで,新たな音楽的な見方・考え方がで きるようになると考え,実践を試みた。

図 本研究テーマの構造 本論の要旨

一昨年度より試行されている新学習指導要領(平成29年告示)における中学校音楽科の目標では,「表 現及び鑑賞の幅広い活動を通して,音楽的な見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の音や音楽,音楽文 化と豊かに関わる資質・能力を育成することを目指す」と示された。

そこで,二つのことに注目して研究を進めたい。一つ目は,音楽的な見方・考え方である。音楽的な見 方・考え方について,様々な角度から課題を与えることで,多様な思考力・判断力・表現力の育成へと つなげ,音楽活動の楽しさを体験させ,豊かな情操を育む。二つ目は,自国はもちろん,多様な音楽文 化に触れ,その良さを味わうことで音楽に対する感性を豊かにし,グローバル社会に生きて働く力を育 む。

具体的な方法として,既習の学習内容や実生活につながるような内容から,新たな学習内容へと持って いくことで,音楽的な見方・考え方を養い,多様な文化を受け入れることで視野を広げ,実生活と密接に つながっている音楽の良さを改めて考える力を育む。

キーワード 多様な音楽文化,音楽的な見方・考え方,つながり,思考ツール

音楽的な見方・考え方 学習活動 学習活動 学習活動

知識

研究の目的

学習において,音楽の得手不得手関係なく生徒一 人ひとりが意見を活発に交流でき,生徒の誰もが意 欲的に取り組み,達成感を味わわせる学習内容を取 り入れ,思考力・判断力・表現力を高める。音楽活 動はある種の自己表現であるため,自己表現が苦手 な生徒でも,発言や意見交流しやすい雰囲気作りを 心がけ,身近な生活とつなげることで誰もがイメー ジしやすく取り組みやすい表現活動へとつなげる。

研究の具体的方法

音楽的な見方・考え方を取り入れた学習方法の工 夫を手がかりに,探究させる場面を取り入れた探究 的音楽活動をテーマとした研究を軸に試みる。

まず一つ目の方法として,知識として習得させる 場面において,つねに生徒に問いかけながら展開さ せていき,生徒自ら探究していく場面においては更 に考えが広がっていくように声かけをするなど,授 業展開の方法を工夫していく。このように進めるこ とで,主体的に参加する場面が増え,常に参加型の 授業となる。また,音楽の知識が豊富でない生徒で も意欲的に,自信を持って参加できる内容を考える。

二つ目に,三つ目の方法として,思考判断の内容 では思考ツールを用いることで判断場面において視 覚的に整理しながら行うことができるよう工夫を加 え,言葉での表現につなげる。その際の判断材料と なる文言については共通事項の つ音色・リズム・

速度・旋律・テクスチュア・強弱・形式・構成を手がか りに用いる。図

最後に,多様な音楽文化に深く触れさせることに より,視野を広げ音楽の良さを改めて考える力を育 む。

このように常に探究場面を設定する方法で研究を 進め,生徒の音楽的な見方・考え方を高める。

図 鑑賞で活用した思考ツール活用例①

実践事例創作

題材名,対象学年,授業時数

創作「ケチャの特徴や魅力を生かし,ケチャアン サンブルを創作し表現しよう」

第学年 全時間

題材によせて

本題材の創作は,インドネシア(バリ島)の「ケチ ャ」を教材とし,言葉の重なりのみで表現する面白さ や魅力に気づかせるとともに,ケチャのような作品を 創作し表現させる内容である。言葉のみを用いて,リ ズムの重なりや表現方法の違いを創作工夫させたい。

第 学年では全体的に音楽に対して意欲的に取り 組む姿勢を持っている。第学年ではリズムや旋律は 関係なく,言葉のみを用いて自由な発想で言葉の重な りを楽しむアンサンブルの創作に取り組んだ。年次 としては少しレベルアップさせ,共通事項である強弱 リズムテクスチュアの違いを意識させて創作させた い。

本題材では,一人一つの言葉を用いて,インドネシ ア(バリ島)のケチャのような音楽を創作し表現させ る。人グループを活用し,リーダーを中心に進めさ

せ,重奏のアンサンブル曲を創作させた。人のグル

ーピングの中に均等に音楽の得意なリーダーを入れ るよう工夫したグループを意図的に作っておくこと で,互いに学び合える環境を整え,得手不得手関係な く充実したグループ活動へとつなげたいと考えた。ま た,言葉の重なり方(テクスチュア)を構成と関わら せて考えさせ,さらに強弱や音色を変化させることに よる表現の違いの面白さを学ばせた。

題材の学習目標

インドネシア(バリ島)の芸能「ケチャ」について 知り,人の声(言葉)のみで一定のリズムを重ね,強 弱やリズム、テクスチュアの使い方の違いによる雰囲 気の違いを感受し,「ケチャ」のような表現をどう創 るかについて思いや意図を持って創作し表現する。

題材の学習計画

第時 「ケチャ」について知りその特徴と 魅力を見つける。

○「ケチャ」を聴く。

・CDの中でもパターンミュージックが多く用 いられている部分を聴く。

○「ケチャ」についての説明

・歴史や内容の説明を聞く・

○「ケチャ」を歌う

・言葉の発し方や重なり方を確認する。

音 楽

(3)

○「ケチャ」の魅力を探る。

・創作に生かせる魅力や特徴を見つける。

○班を発表し、使用する言葉を決める。

第時 本時

「ケチャ」の特徴や魅力をいかした パターンミュージックのアンサンブ ル作品を創作する。

○各班で決めた言葉を用いて,思考・判断・表 現しながら創作する。

・「ケチャ」の特徴を確認する。

・特徴や魅力を生かした作品になるよう,また,

パターンミュージックを創作する。

・強弱,音色等の工夫を加える。

○できあがったものを,ワークシートに記入し ながら分析し,表現の違いによる記載方法の 工夫を考える。(強弱,表記方法,構成等)

第時 他班の作品を共有することで各自の 班へも他班の良さを生かし表現に必 要な技能を身に付け創作で表す。

○創作作品を表現する。

・思考・判断しながら,表現したい内容を表現 技術につなげる練習をする。

第時 創作作品を発表(表現)し,他作品を 共有・批評する。

○創作作品を表現する。

・思考・判断した部分を発表(表現)し,創作 した作品を各班で表現する。(重奏アンサン ブルの発表)

○他作品を共有する。

・他の生徒の考え方の違いやよさを感受し,批 評文を書く。

○ケチャアンサンブル他作品を鑑賞する。

・今回の学習を踏まえ,他の作品を鑑賞し,創 作したケチャアンサンブルのよさを味わい聴 く。

評価規準

①リズムの特徴及び音の重なり方の特徴について表 したいイメージと関わらせて理解している。(創作)

②創意工夫を生かした表現で音楽をつくるために必 要な課題や条件に沿った音楽の選択や組み合わせな どの技能を身に付け創作で表している。(創作)

③「ケチャ」の音楽の特徴と,その特徴から生まれ る音楽の多様性について理解している。鑑賞 知識・技能

④音色,強弱,テクスチュア(音の重なり方)を知 覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受 しながら,知覚したことと感受したこととの関わり

について考え,どのような音楽をつくるかについて 思いや意図を持っている。(創作)

⑤音色,テクスチュア(音の重なり方)を知覚し,

それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しなが ら,知覚したことと感受したこととの関わりについ て考えるとともに,曲や演奏に対する評価とその根 拠について自分なりに考え,音楽のよさや美しさを 味わって聴いている。(鑑賞)

思考力・判断力・表現力

⑥強弱,リズム,テクスチュア(音の重なり)の違い による音楽が生み出す雰囲気や表現などの変化に関心 を持ち,音楽活動を楽しみながら主体的・協働的に創 作と鑑賞の学習活動に取り組もうとしている。(創作・

鑑賞) 主体的に学習に取り組む態度

本時の目標

「ケチャ」の表現を生かし,パターンミュージック の作品を創ろう【評価規準④⑥】

図 グループ活動の様子第時

本時の展開

学習内容・活動

導 入

前時の復習

○「ケチャ」を聴き,特徴と魅力を確認す る。「ケチャ」を歌う。

展 開

学習課題を知る。

学習課題 「ケチャ」の表現を生かし,

パターンミュージックの作品を創ろう

各班で「チャッ」や「プン」の言葉 を用いて,「ケチャ」のようなパターン ミュージックの表現方法を考え,思考・

判断・表現しながら創作する。

・「プン」のリズムの刻みを中心に,3

(4)

○「ケチャ」の魅力を探る。

・創作に生かせる魅力や特徴を見つける。

○班を発表し、使用する言葉を決める。

第時 本時

「ケチャ」の特徴や魅力をいかした パターンミュージックのアンサンブ ル作品を創作する。

○各班で決めた言葉を用いて,思考・判断・表 現しながら創作する。

・「ケチャ」の特徴を確認する。

・特徴や魅力を生かした作品になるよう,また,

パターンミュージックを創作する。

・強弱,音色等の工夫を加える。

○できあがったものを,ワークシートに記入し ながら分析し,表現の違いによる記載方法の 工夫を考える。(強弱,表記方法,構成等)

第時 他班の作品を共有することで各自の 班へも他班の良さを生かし表現に必 要な技能を身に付け創作で表す。

○創作作品を表現する。

・思考・判断しながら,表現したい内容を表現 技術につなげる練習をする。

第時 創作作品を発表(表現)し,他作品を 共有・批評する。

○創作作品を表現する。

・思考・判断した部分を発表(表現)し,創作 した作品を各班で表現する。(重奏アンサン ブルの発表)

○他作品を共有する。

・他の生徒の考え方の違いやよさを感受し,批 評文を書く。

○ケチャアンサンブル他作品を鑑賞する。

・今回の学習を踏まえ,他の作品を鑑賞し,創 作したケチャアンサンブルのよさを味わい聴 く。

評価規準

①リズムの特徴及び音の重なり方の特徴について表 したいイメージと関わらせて理解している。(創作)

②創意工夫を生かした表現で音楽をつくるために必 要な課題や条件に沿った音楽の選択や組み合わせな どの技能を身に付け創作で表している。(創作)

③「ケチャ」の音楽の特徴と,その特徴から生まれ る音楽の多様性について理解している。鑑賞 知識・技能

④音色,強弱,テクスチュア(音の重なり方)を知 覚し,それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受 しながら,知覚したことと感受したこととの関わり

について考え,どのような音楽をつくるかについて 思いや意図を持っている。(創作)

⑤音色,テクスチュア(音の重なり方)を知覚し,

それらの働きが生み出す特質や雰囲気を感受しなが ら,知覚したことと感受したこととの関わりについ て考えるとともに,曲や演奏に対する評価とその根 拠について自分なりに考え,音楽のよさや美しさを 味わって聴いている。(鑑賞)

思考力・判断力・表現力

⑥強弱,リズム,テクスチュア(音の重なり)の違い による音楽が生み出す雰囲気や表現などの変化に関心 を持ち,音楽活動を楽しみながら主体的・協働的に創 作と鑑賞の学習活動に取り組もうとしている。(創作・

鑑賞) 主体的に学習に取り組む態度

本時の目標

「ケチャ」の表現を生かし,パターンミュージック の作品を創ろう【評価規準④⑥】

図 グループ活動の様子第時

本時の展開

学習内容・活動

導 入

前時の復習

○「ケチャ」を聴き,特徴と魅力を確認す る。「ケチャ」を歌う。

展 開

学習課題を知る。

学習課題 「ケチャ」の表現を生かし,

パターンミュージックの作品を創ろう

各班で「チャッ」や「プン」の言葉 を用いて,「ケチャ」のようなパターン ミュージックの表現方法を考え,思考・

判断・表現しながら創作する。

・「プン」のリズムの刻みを中心に,3

種類のリズムパターンを考える。

・強弱・リズム・テクスチュア(音の重 なり)の表現工夫を加える。

○グループリーダーを中心に活動させる。

○人組とすることで,班員のアイデア を共有し,思考・判断のゆさぶりを促す。

○人で考えたリズムパターンを重ね合わせ 重奏のアンサンブル曲を創作させる。

4.創作したものを,ワークシートに記 入しながらパターンミュージックを分 析し,表現の工夫を可視化する。

・時系列で記入する。

・記入方法は自由とし,視覚でわかる表 現方法を工夫し再現できるものにする。

・枚のワークシートに,リズムパターンの 重なりや表現方法の工夫を全て記入さる。

・時系列で記入する。

・記入方法は自由とし,視覚でもわかる表記 とする。

ま と め

.各班の作品を紹介する。

○様々な感情の変化につながる表現方法の工 夫を発表させる。

○活動途中に良い作品を紹介し,他の生徒の 考え方の違いやよさを感受し創作思考のゆさ ぶりを行う。

本時における研究の具体的方法

昨年度の創作では言葉によるアンサンブルとし,

自由な発想で創作活動を行った。本題材では,年目 としてインドネシアのバリ島に伝わる伝統文化であ る「ケチャ」を題材とし,昨年と同様に誰もが積極 的に取り組める内容を工夫すること,また,「ケチ ャ」の特徴や魅力を創作に入れることとした。

活動の全体の動きとして,グループは人グルー プとし,事前に行ったアンケート結果をもとに教員 が人ずつ組み合わせ,リーダーを決め,グループ リーダーを中心に活動させた。ワークシートは各グ ループに 枚とすることで記入者は一人となるた め,記入者以外の名が創作のみに集中できるよう にした。

まず,大変インパクトのある「ケチャ」の鑑賞を 行うことで,その面白さから魅力を発見し,特徴を つかむことでパターンミュージックについて学ばせ た。

まず,できるだけ自由な発想で創作できるように 取り組んだことは,第1時において,「ケチャ」を

鑑賞教材として学ばせ,様々な「ケチャ」を聴かせ たり,映像で見せたりすることによりその魅力や特 徴を感じ取りやすくし,興味を持たせた。

次に,生徒が聴き取った特徴より,「ケチャ」は パターンミュージックであることに触れ,パターン ミュージックの構成を学習し,創作の中心となるこ とを学ばせた。また,昨年度に「くいしんぼうのラ ップ」を用いて学習した構成も復習し,創作に生か せるようにした。

最後に,いよいよ創作に入るのだが,今年度もこ だわった手順として,細かいルールや順番を指示せ ず,再度「ケチャ」を聴かせるのみにとどめ,「『ケ チャ』のような作品を,思いつくままに作りなさい」

とだけ伝えることで,より自由な発想へとつながるだ ろうと考え行った。

このように,とても特徴的な要素を持つインドネシ アの伝統音楽である「ケチャ」を題材にし,創作活動 を行った。

本時における生徒の学び

振り返りの「工夫したところ」より 作成時

・一つ,一定のリズムを決め,それに合わせて 創っていった。

・全員のリズム,音をバラバラにする。

・短調にならないようにしたいと思い,重なり をつくった。

・簡単なリズムと複雑なリズムを混ぜて,単純 ではないリズムにした。

・シンプルにして一体感を出した。

発表時

・声にメリハリをつけられるようにする。

・「プン」の基本のリズムを聴いてしっかり声 を出す。

・はきはき言うことを工夫しました。

・まとまるところとばらけるところのメリハ リがつくように意識した。

・簡単な形では特徴がないので,声の出し方、

強弱で印象に残るようにした。

「工夫したところ」によると,作成していく過程 において,パターンミュージックの特徴を生かし,

基本となるリズムを決めた上で作成を進め,また,

その中でも全くの同じリズムで進めるのではなく,

各グループなりの工夫を盛り込んでいた様子をうか がうことができる。

音 楽

(5)

振り返りの「難しかったところ」より 作成時

・どうしたら複雑な聴きごたえのあるものが できるのか考えることが難しかった。

・少ない言葉からどうやって多様性を生み出 すか。

・同じリズムをどう変化させるのかを考えた ところ。

・相手に印象づけるために工夫をすること。

・どれくらい単純な組み合わせでよいかとい うこと。

発表時

・言葉を一定に保つために息を切らずに強さ や高さを一定にすること。

・発音の仕方やどういう風にしたら声が遠く まで届くのか。

・声の音量のバランスをとること。

・休符のタイミングを全員で合わせて,メリハ リをつけること。

・そろえるところをきれいに聴かせること。

「難しかったところ」によると,作成時では,「ケ チャ」のような印象的な表現にするにはどうすべき か,また,発表時には「ケチャ」に近づけるような 表現の工夫に苦労した様子がうかがえる。

創作過程について

図の作品は,音符を用いた記譜方法ではなく,

言葉のみでの記譜方法となっている。そのため,音 譜が読める読めないにかかわらず,誰でもワークシ ートを読むことができる。この作品の構成は,まず それぞれ基本となるリズムを決めており,リズムパ ターンも種類と少なく,覚えることも容易である。

工夫している点は,二人についてはつのリズムパ ターンを作り,追いかけ合いとなっている。他の二 人は「プン,プン」を中心に全体を支える役割とな っている。このように,大変シンプルな創りである が,重なり方の工夫やメリハリを効かせる,強弱の 変化によって,複雑に聴こえる作品となっている。

図 ワークシート③

図 の作品は,人のリズムパターンをそれぞれ 決め、そのリズムパターンの重ね方を表で表したワ ークシートとなっている。下には強弱も書かれてお り,大変見やすいワークシートとなっている。それ ぞれのリズムパターンも拍分となっているため,

容易に覚えることができる。このように,記入方法 に工夫が見られる作品が他にも多数見られた。見や すさの工夫は,第学時でも同様のワークシートを 使用していることや,普段から思考ツールを活用し ている生徒にとっては自然に行われることであると 考えられる。

その他の作品においても,パターンミュージック のためシンプルな創りではあるが繰り返しに強弱変 化をつけることで工夫を凝らした作品が多い。

図 ワークシート②

(6)

振り返りの「難しかったところ」より 作成時

・どうしたら複雑な聴きごたえのあるものが できるのか考えることが難しかった。

・少ない言葉からどうやって多様性を生み出 すか。

・同じリズムをどう変化させるのかを考えた ところ。

・相手に印象づけるために工夫をすること。

・どれくらい単純な組み合わせでよいかとい うこと。

発表時

・言葉を一定に保つために息を切らずに強さ や高さを一定にすること。

・発音の仕方やどういう風にしたら声が遠く まで届くのか。

・声の音量のバランスをとること。

・休符のタイミングを全員で合わせて,メリハ リをつけること。

・そろえるところをきれいに聴かせること。

「難しかったところ」によると,作成時では,「ケ チャ」のような印象的な表現にするにはどうすべき か,また,発表時には「ケチャ」に近づけるような 表現の工夫に苦労した様子がうかがえる。

創作過程について

図の作品は,音符を用いた記譜方法ではなく,

言葉のみでの記譜方法となっている。そのため,音 譜が読める読めないにかかわらず,誰でもワークシ ートを読むことができる。この作品の構成は,まず それぞれ基本となるリズムを決めており,リズムパ ターンも種類と少なく,覚えることも容易である。

工夫している点は,二人についてはつのリズムパ ターンを作り,追いかけ合いとなっている。他の二 人は「プン,プン」を中心に全体を支える役割とな っている。このように,大変シンプルな創りである が,重なり方の工夫やメリハリを効かせる,強弱の 変化によって,複雑に聴こえる作品となっている。

図 ワークシート③

図 の作品は,人のリズムパターンをそれぞれ 決め、そのリズムパターンの重ね方を表で表したワ ークシートとなっている。下には強弱も書かれてお り,大変見やすいワークシートとなっている。それ ぞれのリズムパターンも拍分となっているため,

容易に覚えることができる。このように,記入方法 に工夫が見られる作品が他にも多数見られた。見や すさの工夫は,第学時でも同様のワークシートを 使用していることや,普段から思考ツールを活用し ている生徒にとっては自然に行われることであると 考えられる。

その他の作品においても,パターンミュージック のためシンプルな創りではあるが繰り返しに強弱変 化をつけることで工夫を凝らした作品が多い。

図 ワークシート②

図 発表練習の様子 研究を通してのまとめ

昨年度からの取り組みにおいて,誰もが取り組み やすい授業内容を工夫し,探究的音楽活動を常に念 頭に置き進めてきた。誰もが取り組みやすい内容で 生徒が探究しながら行う活動とは,音楽に対する得 手不得手の思いは関係なく,一人ひとりが自分なり の考えを持ち,その考えに自信を持って発言し,お 互いの考えを交差させながら進めていく活動だと考 える。その活動から音楽の内容に結び付けられる時 に育まれるものが,音楽の見方・考え方である。そ の活動に含まれる内容は,生徒にとっては意図的で なくても実社会と結びつけて考えられる内容が望ま しい。

本年度は誰もが取り組める内容に加え,多様な音 楽文化に触れさせることも念頭に置いていたため,

実践事例においては,これまでは深く扱ったことの 無いインドネシアの伝統音楽である「ケチャ」を取 り扱った。インパクトのある題材であったことと,

作りに特徴があることにより生徒も興味を持ち,そ の後の創作活動に生かせることができた。

また, 年生では鑑賞教材として「ポピュラー音 楽」を扱い,「ジャズ・ブルース・ロック・ボサノヴ ァ・シャンソン」を紹介した。最後にその種類か ら種類を選び,その良さを書かせた。聴きなじみ のあるロックを選ぶ生徒が番多かったが,ボサノ ヴァを選ぶ生徒も一定数いた。選んだジャンルの曲 がふさわしい場面や気分を書かせたのだが,ボサノ

図 発表の様子

ヴァに関して,「カフェや落ち着いた雰囲気に合う」

と感じている生徒が多く,聴き慣れないジャンルの 音楽に対してもその良さを感じ取ることができてい る。

このように,クラシックの分野のみではなく多様 な音楽文化に触れさせることにより,知識理解が定 着するだけにとどまらず,幅広い音楽がそれぞれに 持つ特徴や面白さに気づき,音楽がその後の生活に 影響を与えるものとなることへとつなげたいと考え る。

課題

多様な音楽文化に触れさせるには,鑑賞教材が主 となる場合が多く,そこからの発展を考えて行かな ければならないと感じた。

音楽の分野は大きく分けて,歌唱・器楽・鑑賞・

創作の種類ある。本年度の実践事例のように,鑑 賞から創作へと複数の分野をつなげる取り組みを多 く取り入れることで,多様な音楽文化を知り,知覚・

感受したことを表現へと生かせる内容となるため,

今後はこのように複数分野の組み合わせを考えて実 践していくことで,思考力・判断力を養い,表現力 の向上へと導くことが大きな課題となる。

例えば,本年度年生の鑑賞で「クラシック音楽 の名曲」でギター協奏曲を,同じく鑑賞で「ポピュ ラー音楽」でジャズやロック等を学習した。その後,

器楽のギターに入ったのだが,その際,前時で学習 した内容に少し触れた程度にとどまっていたため,

関連付けにもっと深みを持たせることにより,興味 関心や探究心の向上につなげることができたのでは ないかと考える。

今後の研究に向けて

「」の今後の課題でも述べたように,複数分野 の組み合わせを上手く活用できるようになりたいと 考える。そのためには,今一度,年間計画の見直し をはかり,つながりを持たせた題材の並びとなるよ うに順序立てる必要があるため,各学年の年間計画 を組み直し,さらに,学年を超えたつながりも整理 しておく必要があると考える。

また,実際に授業実践する際の内容もつながりを 意識させたものとないよう,見直しを図りたいと考 える。

このように,今後もますます生徒が自国はもちろ ん,他国の音楽文化に触れ,興味・関心を持ち,音 楽を愛好する心を育てていきたい。

音 楽

参照

関連したドキュメント

はありますが、これまでの 40 人から 35

等に出資を行っているか? ・株式の保有については、公開株式については5%以上、未公開株

巣造りから雛が生まれるころの大事な時 期は、深い雪に被われて人が入っていけ

賠償請求が認められている︒ 強姦罪の改正をめぐる状況について顕著な変化はない︒

この点について結果︵法益︶標準説は一致した見解を示している︒

遮音壁の色については工夫する余地 があると思うが、一般的な工業製品

下山にはいり、ABさんの名案でロープでつ ながれた子供たちには笑ってしまいました。つ

大村 その場合に、なぜ成り立たなくなったのか ということ、つまりあの図式でいうと基本的には S1 という 場