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研究要旨:頚椎後縦靱帯骨化症患者に対して、新しい画像評価法である

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業) 

分担研究報告書   

頚椎後縦靱帯骨化症に対する3Tesla MRIを用いた拡散テンソル投射路撮影の 有効性に関する多施設研究

研究分担者  中村  雅也    所属機関名  慶應義塾大学整形外科教授

研究要旨:頚椎後縦靱帯骨化症患者に対して、新しい画像評価法であるDiffusion Tensor Tractgraphy (DTT)を用いて脊髄圧迫による脊髄の微細な変化の早期診断が 可能であるかを検討する。H28年度は最新の3TeslaMRIを用いて術前のDTT画像 と術前後の麻痺改善度の比較から、DTTが術前の予後予測や手術治療のタイミン グ判定に有用かどうかを多施設研究方法論や画像評価法の統一を行い前向き多施 設研究を開始した。

 

A.研究目的 

頚椎後縦靱帯骨化症では、脊髄圧迫が緩 徐に進行するため、時に高度な脊髄圧迫に もかかわらず麻痺は軽度な症例が存在する。

このような症例に対して、どこまで保存療 法を行い、どのタイミングで手術適応を考 慮するべきかに関してはいまだ意見の一致 を見ていない。従来のMRIでは、脊髄内の 投射路に関する情報は、ほとんど得られな い。拡散テンソル投射路撮影(DTT)は、生体 構造内の水分子の拡散の異方性に着目して 可視化した新しいイメージング法である。

我々は、過去にサル脊髄損傷モデルや、慢 性脊髄圧迫モデルを用いて、脊髄損傷や脊 髄症におけるDTTの有用性を報告してきた (Fujiyoshi et al., J Neurosci 2007, Takano et al., Spine 2012)。即ち、DTTのtract/fiber比(TFR) と残存神経線維数、MRI の狭窄率と運動機 能評価はそれぞれ有意な相関があることを 報告してきた。そこで、頚椎後縦靱帯骨化 症の患者に対して、術前のDTT画像と術前 後の麻痺改善度の比較から、DTTが術前の

予後予測や手術治療のタイミング判定に有 用であるかどうかを検討し、頚椎後縦靱帯 骨化症に対するDTTの臨床的意義を確かめ ることとした。一昨年度までの本研究班に おいて、我々は単一施設での32名の頚椎後 縦靱帯骨化症患者に対する頚椎DTT撮像を 行い、後縦靱帯骨化症に伴う頚髄麻痺にお いて、DTTから得られたTFRは術前患者の 麻痺を表すJOA scoreと正の相関をなし、狭 窄率とも密接に関わっていることを示した。

TFRと術後JOA改善率との間にも正の相関 があることから、術前DTTは術前患者の予 後予測にも有用であると考えられた。

昨年度は慶應義塾大学、千葉大学、東京 医科歯科大学、富山大学の4大学において、

それぞれの MRIを用いて DTT撮像を行い 各施設でのDTT撮像の可否や解析方法を統 一化し、多施設研究でのDTT撮像および解 析を行い比較検討した。1.5TeslaMRIを交え た調整(下図)を行ったが、1.5Tesla MRIでは 頚部胸部移行部での磁場不均一の影響で

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有効な画像を取得しにくく、機種間の差も 大きい問題があることが判明した。

  今年度は、①昨今のDTT研究ではより磁 場強度が強く高解像度の画像が得られる

3Tesla MRIを使用したものが増えてきてい

る点、②各大学でのMRIのアップデートが

進み3Tesla MRIが使用できるようになって

きた点を鑑み、3 Tesla MRIでの調整を行い 撮像方法統一化し、多施設研究でのDTT撮 像および解析を行い、比較検討することが 研究の目的である。

B.研究方法

慶應義塾大学、千葉大学、東京医科歯科 大学、富山大学の4大学において、それぞ れのMRIを用いてDTT 撮像を行う。各施 設でのDTT撮像の可否や解析方法を統一化 し、多施設研究でのDTT撮像および解析を 行い、比較検討する。

(倫理面での配慮)

本研究は、慶應義塾大学医学部倫理委員会 における厳正なる審査を受け、承諾済みと なっている。その後、千葉大学、東京医科 歯科大学、富山大学での倫理申請が承認さ れている。すべての患者に対して、本研究 の意義を充分に説明し、了承された上で行 っている。   

C.研究結果 

  先ず、上図のようにすべての大学での MRI を3 Teslaに統一した。その上で慶大のGE 社 Discovery 750MR 3Teslaを用い、傾斜磁 場(b 値)および撮影領域(FOV)を変え至適な 条件の検討を行った。

    その結果、上図の様にb値700およびFOV 240 という条件にて尾側でも比較的良好な Tract fiberの描出が可能であった。上記条件 にて下図の様に4大学での検討を行った。

   

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慶大および千葉大の GE 社 Discovery 750  MR 3Tesla では、C6/7 まで良好な Tract  Fiber の描出が可能であったが、他機種で は C6/7 にてやや描出不良であった。 

  しかし、上図は 1.5Tesla における同試験の 結果であるが、この様に 1.5Tesla では C3 や C4 レベルですでに Tract fiber の描出が 不良になるが 3 Tesla では、最も OPLL にて 問題となる C2 C6 の広範囲にて Tract Fiber の描出に優れ、今回得られた条件で十分に 多施設研究が施行できると考えられた。 

  下記は慶大の GE 社 Discovery 750MR の 例であるが以下のような条件にて撮影を開 始している。 

Tesla 数 3T 

Coil    HNS Neck  ch 数    10 

sequence  DW‑SE‑EPI  TE  [ms]  63.2  TR [ms]   6500 

# of shot  1  Average   7  Pixel Bandwitdh 1953.12  b 値    700  軸    6  matrix    128 

FOV      240  Resolution[mm]    2  slice thickness[mm]  4  slice gap  [mm]   0  slice 数     40 

Option  parallel imaging factor 2   

D.考察、 

今回の検討により、3 tesla での多施設研 究が可能となった。来年度よりDTT撮像の 多施設研究を実際に開始していく予定であ る。

  E.結論

頚椎後縦靱帯骨化症の麻痺重症度・術前 の予後予測判定にDTTは有用であると考え られる。今回の検討にて多施設共同研究の 開始が可能となった。 

   

F.健康危険情報

  総括研究報告書にまとめて記載  

G.研究発表  1.論文発表  なし  2.学会発表    なし 

  (発表誌名巻号・頁・発行年等も記入) 

 

H.知的財産権の出願・登録状況 

(予定を含む) 

1.特許取得  なし 

2.実用新案登録  なし 

3.その他  なし 

参照

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