第4学年 国語科学習指導案
場 所 大会議室
児 童 4年2組 34名 指導者 八重樫 陽子 1 単元名 感想を交流しよう
中心学習材 『一つの花』 作 今西祐行 (光村図書4年上)
補助学習材 『まちんと』 作 松谷みよ子 (偕成社)
『おかあさんの紙びな』 作 長崎源之助 (岩崎書店)
『キャラメルの木』 作 上条さなえ (講談社)
2 単元のねらい
本単元では,学習指導要領の「C 読むこと」第3学年及び第4学年指導事項(1)目標「目的に応 じ,内容の中心をとらえたり段落相互の関係を考えたりしながら読む能力を身に付けさせるとともに,
幅広く読書しようとする態度を育てる。」ことを受けた「文章を読んで考えたことを発表し合い,一人 一人の感じ方について違いのあることに気付くこと。」 「場面の移り変わりに注意しながら,登場人物 の性格や気持ちの変化,情景などについて,叙述を基に想像して読むこと。」を重点として設定してい る。
本単元では,戦争と家族をテーマにした作品を読むことを通して,登場人物の気持ちの変化や情景 などについて自分の読みをもち,一人一人の感じ方の違いを大事にしながら交流を通して読みの世界 を広げたり深めたりする姿を目指していきたい。
3 単元の指導構想 (1) 児童について
児童は, 「読むこと」の学習として, 『白いぼうし』では,シリーズ読書をしながら,不思議だと 思ったところを紹介する学習を行った。この学習から,人物の特徴や構成,描写の仕方などの共通 点について自分の読みをもち,その根拠となる叙述や選んだ理由について一人一人の感じ方には違 いがあることに気付くことができるようになってきている。
そこで,本単元では,作品を読んで学習課題を立てたり,同じテーマの作品を重ねて読んだりし ながら,本や文章の内容に対する自分の読みをもち,互いの読みの違いを大切にしながら交流を通 して自分の読みを広げたり深めたりしていきたい。
(2) 学習材について
中心学習材『一つの花』は,ゆみ子に対する両親の思いが「一つだけ」というキーワードを軸に 人物の行動として表現され,出来事が展開する作品である。テーマ性が強く,時代設定や登場人物 の行動がとらえやすいため,当時の人々の生活や思いに心を寄せ,戦争中における家族の思いや願 いに対して自分の読みをもつことができる作品である。補助学習材としては,戦争と家族がテーマ となっている3作品を選定する。中でも『おかあさんの紙びな』は,登場人物や時代,中心となる 出来事に共通点が多く,子を思う親の心情を重ねて読むことができるなど, 『一つの花』の読みを生 かすことができる作品である。戦争を身近に感じることが難しい今の子どもたちにとって,これら の作品を読むことは,他者の思いや考えを大切にしながら自分の読みを広げたり深めたりする上で 意義深いことと考える。
(3) 指導にあたって
本単元では, 「戦争と家族をテーマにした作品について,自分の読みを交流し合う」言語活動を行
う。本単元における「自分の読み」とは, 「登場人物の気持ちの変化や情景などについて自分の経験
と結び付けて思ったことや考えたこと」ととらえる。そのために,自己と「事象」「友達」「未来」
とのつながりを大切にし,それぞれに関する手立てを位置付けて指導していく。
自己と「事象」とのつながりで大切にすることは, 「学習課題に対する自分の読みをもつこと」で ある。そのための手立てとして,題名と挿絵を手がかりとしながら学習課題をつくり,その課題に ついて考えていくことで自分の読みをもつことができるようにする。また, 『一つの花』と『おかあ さんの紙びな』を重ねて読むことで,子を思う親の気持ちについて自分の読みを広げたり深めたり できるようにする。
自己と「友達」とのつながりで大切にすることは, 「自分の読みと友達の読みを比較し,似ている ところや違うところを見出す交流をすること」である。そのための手立てとして,登場人物の心情 についての自分の読みや,作品を比べて気が付いたことについての読みを友達と交流し,互いの感 じ方や考えの違いに気付くことができるようにする。
自己と「未来」とのつながりで大切にすることは, 「読みの広がりや深まりを実感すること」であ る。そのための手立てとして,本時の学習で「友達の読みから学んだこと」や「2つの作品を読む ことのよさ」について振り返り,自分の読みの広がりや深まりを自覚することができるようにして いく。
以上の手立てにより,自分の読みを友達と交流し,読みの違いに気付くことができるようになる ものと考える。
4 単元の指導計画 (1) 目標
・ 問いに対する自分の読みを,自分の読みを進んで伝えようとしている。
【国語への関心・意欲・態度】
・ 同一テーマの作品を読んで,登場人物の心情や作品の共通点についての自分の読みをもち,
交流を通して一人一人の感じ方の違いに気付くことができる。 【読むこと オ】
・ 場面の移り変わりに注意しながら,登場人物の心情の変化や情景などについて叙述を基に想像 して読むことができる。 【読むこと ウ】
・ 言葉には,思いや考えを表す働きがあることに気付くことができる。
【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 イ(ア) 】 (2) 評価規準
国語への関心・意欲・態度 読む能力 言語についての 知識・理解・技能 戦争と家族をテーマにした作
品について関心をもって読み,
自分の読みを伝えようとしてい る。
作品について登場人物の心情 や作品の共通点を比較し,一人 一人の感じ方に違いがあること に気付いている。
登場人物の会話や行動,場面 の様子などから,登場人物の心 情の変化や情景などについて叙
述を基に想像して読んでいる。
自分の読みを表す言葉を意識
して,適切な言葉を使って感想
を書いている。
( 本 時
)
(3) 指導計画(全 8時間 本時7/8)
次 時 間
◎ねらい
○学習活動・学習内容 評価規準(評価方法)
一 1 ◎ 『まちんと』の読み聞かせを聞いて,学習へ の見通しをもつことができる。
○ 読み聞かせを聞いて感想を出し合い,学習へ の見通しをもつ。
※並行読書開始
読み聞かせを聞いて,進んで感想を述 べたり,友達の感想を聞いたりして,こ れからの学習への見通しをもっている。
【関】(発言・ノート)
二 1 ◎ 『一つの花』の登場人物や時代,中心の出来 事などの物語の設定を確かめ,感想から学習課 題を設定することができる。
○ 初発の感想を出し合い,学習課題について話 し合う。
『一つの花』を読んでもった感想を伝 えたり,感想から学習課題について考え たりしている。
【読】(ノート・発言)
2 ◎ 叙述を基に登場人物の心情や情景などにつ いて想像して読むことができる。
○ 「一つの花に込めた父の思い」という問いに ついての自分の読みを書きまとめたりする。
叙述を基に,「一つの花に込めた父の 思い」を想像して読んでいる。
【読】(ノート・発言)
3 ◎ 交流を通して, 「一つの花に込めた父の思い」
についての自分の考えと友達の考えの違いに 気付くことができる。
○ 「一つの花」にこめた父の思いについて自分 の考えをもって友達と交流する。
「一つの花」に込めた父の思いについ て自分の読みと友達の読みには違いが あることに気付いている。
【読】(ノート・発言)
三 1 ◎ 『おかあさんの紙びな』の登場人物や時代,
中心の出来事などの物語の設定を確かめ,感想 から問いを設定することができる。
○ 初発の感想を出し合い,学習課題ついて話し 合う。
『おかあさんの紙びな』を読んでもっ た感想を伝えたり,感想をから学習課題 について考えたりしている。
【読】(ノート)
2 ◎ 叙述を基に登場人物の心情や情景などにつ いて想像して読むことができる。
○ 「紙びなをおり続けた母の思い」という問い についての自分の読みを書きまとめたりする。
叙述を基に,「一つの花に込めた父の 思い」を想像して読んでいる。
【読】(ノート・発言)
3 ◎ 『おかあさんの紙びな』と『一つの花』を比 べて読み,作品の似ているところについての自 分の読みと友達の読みとの違いに気付くこと ができる。
○ 「紙びなをおりつづけるおかあさんの思い」
を交流し,2つの作品の似ているところについ て話し合う。
2つの作品を比べて,登場人物の心情 など作品の似ているところについて自 分の読みと友達の読みには違いがある ことに気付いている。
【読】(発言)
4 ◎ 単元の学習の振り返りをすることができる。
○ 学習を振り返り, 『キャラメルの木』の読み聞 かせを聞いて,戦争や家族ということについて 考えたことを書きまとめ,振り返りをする。
学習を振り返り,新たに考えることが できるようになったことに気付いてい る。
【関】(ノート)
5 本時の指導計画 (1) 目標
『おかあさんの紙びな』と『一つの花』を比べて読み,作品の似ているところについての自分 の読みと友達の読みとの違いに気付くことができる。 【読むこと オ】
(2) 評価規準
おおむね満足 努力を要する児童への支援
2つの作品の似ているところについて 交流することを通して,自分の読みと友達 の読みの違いに気付いている。
【読むこと オ】
自分の考えと似ている考えを関連付けたり,友達の考 えを聞いて思ったことなどを導き出したりしながら,友 達との感じ方の違いに気付くことができるようにする。
(3) 展開
展開
学習活動 学習内容 指導上の留意点・支援(◇評価)
導 入
3 分
1 本時の学習課題を確認す る。
展 開
32
分
2 学習課題を解決する。
(1) 交流の手順を確かめ
る。
(2) お母さんの思いにつ
い て グ ル ー プ で 交 流 す る。
(3) 全体で交流する。
〈手順〉
1 発表 2 質問・感想
〈交流の観点〉
・紙びなを折り続けた お母さんの思いとそ の理由
・根拠となる叙述
・ 前時に書いた「紙びなをおりつ づけたお母さんの思い」について の個々の読みを事前に把握して分 類をし,同じ観点で記述した児童 と違う観点で記述した児童を組み 合わせてグループを作り,交流を 行う。
『おかあさんの紙びな』のお母さんの思いと『一つ の花』のお父さんの思いを比べて考えを交流しよう。
〈「事象」とのつながり〉
前時までの学習を掲示から振り返り,2つの作品は登場人物や時代,中心の出来事な ど共通点があることを確かめ,子を思う親の気持ちには似ているところがあるのだろう かという課題意識をもたせる。
↓
「紙びなをおりつづけたおかあさんの思い」を友達と交流したいという思いをもつこ とができるようにする。
〈「友達」とのつながり〉
グループで交流して気付いたことを発言から広げ,価値付ける。
↓
友達の読みと自分の読みを比べることにより,読みを広げたり深めたりすることが
できるようにする。
展 開
32
分
(4) 交流を通して,自分の読みを再構成して書きま とめる。
〈お母さんの思い〉
・途方に暮れていた
・悲しませたくない
・悲しむ顔を見たくな い
・わたしの幸せを願っ ている
〈2つの作品の登場人 物の心情の共通点〉
・何もしてあげられな いくやしさ
・子どものことを思う やさしさ
・平和な世の中への願 い
・戦争に対する怒り
〈自分の読み〉
・2つの作品の似てい るところ
・友達の読みから学ん だこと
・ 全体交流では, 「紙びなを折り続 けたお母さんの思い」と『一つの 花』のお父さんの思いを比べられ るように構造的に板書を整理する ことで,共通点を見つけることが できるようにする。
◇ 2つの作品の似ているところに ついて交流することを通して,自 分の読みと友達の読みの違いに気 付いている。 【読】 (ノート・発言)
終 末
10