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高純度黒鉛中微量不純物の高感度測定法開発

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Academic year: 2021

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新分析技術 新分析装置紹介

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高純度黒鉛中微量不純物の高感度測定法開発

愛媛事業所 森安 崇敬

1  はじめに

高純度黒鉛は,半導体産業を中心にるつぼなど様々な加 熱用途の材料に使用されており,金属不純物を厳密に管理 するために微量不純物の高感度測定が求められています.

特に,複合材料として用いられる黒鉛については,金属不 純物やほう素などのドーパント物質の高感度定量が重要視 されています.本稿では当社で開発した高純度黒鉛中微量 不純物の高感度測定法について紹介します.

2  微量金属類の高感度測定法

黒鉛は難分解性の試料であるため,元素特性により各 種薬液を用いて前処理し,溶液化を行います.従来,大 半の元素測定の場合には,融剤を用いる高温分解処理が 適用されていました.しかし,処理液は融剤が多量に存 在する溶液となり,干渉や装置汚染の原因となるため,

高 感 度 測 定 装 置 で あ る 誘 導 結 合 プ ラ ズ マ 質 量 分 析 計

(ICP-MS)に導入できませんでした.このため測定感度 は,測定可能装置である誘導結合プラズマ発光分析計

(ICP-AES)の感度に依存していました.そこで,新たに 高感度定量法を開発しました.本法は融剤を用いない新 規な前処理法を採用しICP-MSへ試料導入することを可 能にしています.この結果,高濃度融剤の妨害を受ける ことなく多元素測定を実現することができ,従来法と比 べ元素によっては千倍の高感度化を可能としました.本 高感度定量法は,清浄な溶液化と各種不純物元素のICP- MSの適用を可能としたことを特徴としています.

3  ほう素の高感度測定法

ほう素は他の金属元素と異なり,揮発性が高く,適用 可能な前処理法が制限される難分析元素のひとつです.

このことから,ほう素の高感度定量法の開発は多くのお 客様からご要望がありましたが,その実現が非常に困難 でした.一般的には,JIS法に準拠する無機金属塩捕捉法 が適用されます.しかし,捕捉用の無機金属塩が多量に 存在する溶液となるため,ICP-MSに導入することができ ません.今回開発した高感度定量法では,無機金属塩等 の共存元素を除去し,ICP-MSへの導入を可能にして従来 法の数十倍の高感度化に成功しました.

表1に,黒鉛中の微量不純物の定量下限を従来法と高感 度法について比較した結果を示します.また,日間再現 性,前処理の併行精度においても良好な結果が得られて います.

4  おわりに

近年,試料中の微量金属類の定量は,高感度化が必要 とされるとともに高マトリックス試料も増加しています.

当社は,今回の技術を一例として,黒鉛試料はもちろん,

半導体用途から各種工業材料まで,さまざまな試料に対 して幅広く対応しております.お気軽にご用命下さい.

森安 崇敬

(もりやす たかのり)

愛媛事業所

15   SCAS  NEWS  2008-Ⅰ

表1  黒鉛の不純物測定定量下限値        単位:ng/g

成 分 従来法 高感度定量法

Na 50 1

Mg 20 4

Al 80 1

K 100 1

Ca 40 10

Ti 90 1

V 70 1

Cr 70 4

Mn 30 1

Fe 40 2

Ni 100 2

Cu 80 7

Zn 100 2

Ga 1000 1

Sr 30 1

Cd 70 1

Ba 30 1

Pb 200 1

B 100 3

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