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張出し架設による PC 連続箱 桁橋の施工

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Academic year: 2021

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(1)

西松建設技報 VOL.33

1.はじめに

本工事は工期が制約される中で実施した,張出し架設 工法によるPC橋梁の建設工事である.印旛沼橋りょう

(PC6径間連続箱桁橋)L=450 mのうち,当施工区間は P4およびP5橋脚間の閉合部からP7橋脚側径間部のL

=185.5 mの区間であった.

本報文では,工期短縮のためのP5橋脚柱頭部の施工 に関する提案と対策および張出し架設時の上げ越し管理 と緊張管理について報告する.

2.柱頭部の施工

⑴ 施工スパン長の変更

柱頭部は移動作業車(以下,トラベラー)を組立可能 な最小長さとして12〜13 mが必要であり,一般に支保工 により施工される.当初設計ではブラケット式で施工ス パン長が12 mの標準工法であったが,主桁本体施工9ヶ 月の工期を1ヶ月の工期短縮を図るため施工スパンを 30 m(12 m+張出し3 BL)に変更した(図―1参照).支 保形式も杭式と大型化となった.柱頭部完了後はトラベ ラーを組立,張出し施工を行う工程となるため,杭式支 保を撤去することも工程上のポイントになった.張出し 施工に支障する鈑桁をその場で解体せずに,一体のまま クローラクレーンで専用の治具により吊り上げた状態で 橋軸方向に移動させて抜き取った(写真―1参照).

⑵ マスコンクリート対策

柱頭部スパンを30 mにすることにより工程上は有利 になったが,構造がマッシブであること,コンクリート 設計強度が40 N/mm2と富配合であることなどから温 度ひび割れが発生することが懸念された.セメント等,配 合面の変更は緊張強度の発現時間に影響するため行わな かった.また,打設温度を下げるため作業時間を夜間に することは地元との協定により不可能であった.

そこで,方策として温度応力解析を行った上で以下の ひび割れ抑制対策を行った.

・ コンクリート打設は打設時間および打設量から3ブロ ックに分け,1回の打込み高さおよび打設量を低減し た.

・ 必要鉄筋量を解析結果から算出し,それを下回る箇所 は鉄筋径のアップ,または配筋ピッチを密にして補強 した.

図―2に温度応力解析コンター図を示す.

3.張出し架設による施工

⑴ 張出し架設工法の特徴

張出し架設工法は橋体先端に設置したトラベラーで,

短い施工ブロック毎に橋体を構築する.トラベラーは一 施工ブロックの橋体製作に必要な作業空間を確保すると 共に,施工ブロックが自重およびトラベラー重量を支持 できるまで施工ブロック荷重を支持する.また,トラベ ラーに作業足場を備えているため,気象条件や桁下条件

(山間部の深い谷部,河川上および交通量の多い街路等)

関東土木(支)印旛橋梁(出)

張出し架設による PC 連続箱 桁橋の施工

石川 敏宣 小島 一郎 Toshinobu Ishikawa Ichiro Kojima

図 ― 1 標準工法(左)と変更工法(右)の比較

写真 ― 1 鈑桁撤去状況

図 ― 2 温度応力解析コンター図

(1/4 対称モデル)

(2)

張出し架設による PC 連続箱桁橋の施工 西松建設技報 VOL.33

に比較的左右されないこと等の特徴がある1)写真―2に 張出し施工状況,3にP5橋脚張出しブロック割りを 示す.

⑵ 張出しサイクル

張出し施工は,表―1に示すサイクルで行った.張出 し施工においては早強コンクリートを使用し,1サイク ル実作業8日で施工した.

4.緊張管理

主桁コンクリート打設後,PCケーブルごとに全本数,

緊張管理を行った.現場管理に緊張計算に基づき作成し た緊張管理図を使用し,荷重計の示度およびPCケーブ ルの伸び量を確認し緊張管理に反映した.なお,プレス トレス工法の概要(主ケーブル)は以下のとおりである.

・VSL工法 SWPR7 BL 15 S12.7 mm

・引止めEp=195 KN/m2

緊張時には,コンクリート強度がσ=27 N/mm2以上で あることをコンクリート打設時に採取した供試体により 確認(現場中空養生)した.

5.上げ越し管理

⑴ 上げ越し量の設計

張出し施工を行う際,あるブロックのコンクリートを 打設するとその重量により既設ブロックについても垂れ 下がる変形をおこす.また,張出PCケーブルを緊張す ると桁が持ち上がる.さらにコンクリートのクリープ・

乾燥収縮による変形も発生する.こうした部材発生後に 生じる変形量を予測して,型枠セット時にはあらかじめ 設計高さからその後の変形量を考慮して各施工ステップ におけるたわみ量を求める.この値を設計上げ越し量と して設定した.

⑵ 上げ越し管理

各ブロックにおいて,①コンクリート打設後,②PC ケーブル緊張後,③トラベラー移動後にそれぞれレベル 測量を行った.その値と設計上げ越し量と比較し規格許 容値である±10 mmの範囲内に収まっているか確認す る.設計上げ越し量は橋梁供用後に設計高さ(縦断線形)

となるよう設定している.このため施工途中では設計高 さに対して規格許容値を超えるケースもある.実際の施 工においては設計上げ越し量を基準値として管理した.

図―4にP6橋脚9 BLの施工ステップ毎の上げ越し量の 変化を示す.

6.おわりに

本工事は工期が厳しい中,無事に引渡すことができた.

張出しサイクルの工期短縮には限界があったため,柱頭 部の施工で施工日数を短縮できたこと,ならびに柱頭部

コンクリートにおいては0.1 mm以下の微小なひび割れ が発生したものの,品質上の問題はなく,客先へのアピ ールになったと考える.

参考文献

1) カンチレバー技術研究会:カンチレバー工法Q&A,

2007

写真 ― 2  張出し施工状況

図 ― 3 張出しブロック割図 表 ― 1 張出し部施工サイクル

図 ― 4 上げ越し量測量結果(P6 - 9 BL)

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参照

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