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(1)

幼児と人間関係」のシラバス構成に向けた基礎的研 究(1)授業計画の分析

著者 金城 悟

雑誌名 東京家政大学教員養成教育推進室年報

巻 4

ページ 65‑71

発行年 2017‑11‑01

出版者 東京家政大学教員養成教育推進室

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00010130/

(2)

保育者養成課程における「保育内容(人間関係)」

「幼児と人間関係」のシラバス構成に向けた 基礎的研究(1)授業計画の分析

Basic study on syllabus composition of "childcare contents (human relationships)" and "infants and human relationships" in the early

childhood education courses (1 ) Analysis of class planning

保育科 金城 悟

1.はじめに

 幼稚園教育要領、保育所保育指針及び幼保連携型認定子ども園教育・保育要領においては「人間関係」

に関する科目が免許・資格取得要件として設定されている。将来の幼稚園教諭、保育士または保育教諭を めざす者は保育者養成課程における「人間関係」科目を履修する必要がある。

 幼稚園教育要領、保育所保育指針及び幼保連携型認定子ども園教育・保育要領は平成29年3月1日に 同時改訂(定)・告示され、平成30年4月1日から施行される予定となっている。3法令の人間関係の領 域の目的は共通であり「他の人々と親しみ,支え合って生活するために,自立心を育て,人と関わる力を 養う」となっている。3法令の人間関係のねらい、内容、内容の取扱いを表1に示す。表1から、幼稚園 教育要領のねらい、内容、内容の取扱いと、保育所保育指針及び幼保連携型認定子ども園教育・保育要領 の3歳以上のねらい、内容、内容の取扱いはほぼ同じであることがわかる。これは3歳以上の子どもにつ いては教育・保育の内容を共通化し、一定以上の質を保証するという趣旨に基づくものである。保育所保 育指針及び幼保連携型認定子ども園教育・保育要領においては、乳児期と1歳児以上3歳未満児の内容の 充実が図られている。

 今後、保育者養成課程においては平成29年度の3法令改訂(定)の趣旨・内容に従ってカリキュラムを 構成し、授業科目のシラバスを新たに作成する必要がある。既に平成29年3月に幼稚園教諭養成課程の モデルカリキュラムとして「領域に関する専門的事項」の中に<幼児と人間関係>、「保育内容の指導法」

の中に<保育内容「人間関係」の指導法>を配置したカリキュラムが提案されている(保育教諭養成課程 研究会,2017)。そこで、本研究は3法令改訂に伴う人間関係科目に対応したシラバスを作成するための基 礎的資料を得ることを目的とし、 (1)現行シラバスの分析(授業計画)、 (2)現行シラバスの分析(概要、

到達目標、成績評価、授業外学修、履修上の注意)、(3)新しいシラバスの構築、の3つの課題を実施す

る。今回は現行シラバスの分析(授業計画)について報告する。

(3)

表1 幼稚園教育要領、保育所保育指針及び幼保連携型認定子ども園教育・保育要領における領域「人間 関係」の内容の比較(平成29年3月31日公示)

幼稚園教育要領 保育所保育指針 幼保連携型認定子ども園教育・

保育要領 ねらい ⑴ 幼稚園生活を楽しみ,自分の力

で行動することの充実感を味わう。

⑵ 身近な人と親しみ,関わりを深 め,工夫したり,協力したりして 一緒に活動する楽しさを味わい,

愛情や信頼感をもつ。

⑶ 社会生活における望ましい習慣 や態度を身に付ける。

<乳児保育>

① 安心できる関係の下で、身近な 人と共に過ごす喜びを感じる。

② 体の動きや表情、発声等により、

保育士等と気持ちを通わせようと する。 ③ 身近な人と親しみ、関わりを深 め、愛情や信頼感が芽生える。

<1歳以上3歳未満児>

① 保育所での生活を楽しみ、身近 な人と関わる心地よさを感じる。

② 周囲の子ども等への興味や関心 が高まり、関わりをもとうとする。

③ 保育所の生活の仕方に慣れ、き まりの大切さに気付く。

<3歳以上>

① 保育所の生活を楽しみ、自分の 力で行動することの充実感を味わ う。 ② 身近な人と親しみ、関わりを深 め、工夫したり、協力したりして 一緒に活動する楽しさを味わい、

愛情や信頼感をもつ。

③ 社会生活における望ましい習慣 や態度を身に付ける。

<乳児期の園児>

⑴ 安心できる関係の下で、身近な 人と共に過ごす喜びを感じる。

⑵ 体の動きや表情、発声等により、

保育教諭等と気持ちを通わせよう とする。 ⑶ 身近な人と親しみ、関わりを深 め、愛情や信頼感が芽生える。

<満1歳以上満3歳未満の園児>

⑴ 幼保連携型認定こども園での生 活を楽しみ、身近な人と関わる心 地よさを感じる。

⑵ 周囲の園児等への興味・関心が 高まり、関わりをもとうとする。

⑶ 幼保連携型認定こども園の生活 の仕方に慣れ、きまりの大切さに 気付く。 <満3歳以上>

⑴ 幼保連携型認定こども園の生活 を楽しみ、自分の力で行動するこ との充実感を味わう。

⑵ 身近な人と親しみ、関わりを深 め、工夫したり、協力したりして 一緒に活動する楽しさを味わい、

愛情や信頼感をもつ。

⑶ 社会生活における望ましい習慣 や態度を身に付ける。

内容 ⑴ 先生や友達と共に過ごすことの 喜びを味わう。

⑵ 自分で考え,自分で行動する。

⑶ 自分でできることは自分でする。

⑷ いろいろな遊びを楽しみながら 物事をやり遂げようとする気持ち をもつ。 ⑸ 友達と積極的に関わりながら喜 びや悲しみを共感し合う。

⑹ 自分の思ったことを相手に伝え,

相手の思っていることに気付く。

⑺ 友達のよさに気付き,一緒に活 動する楽しさを味わう。

⑻ 友達と楽しく活動する中で,共 通の目的を見いだし,工夫したり,

協力したりなどする。

⑼ よいことや悪いことがあること に気付き,考えながら行動する。

⑽ 友達との関わりを深め,思いや りをもつ。

⑾ 友達と楽しく生活する中できま りの大切さに気付き,守ろうとす る。

<乳児保育>

① 子どもからの働きかけを踏まえ た、応答的な触れ合いや言葉がけ によって、欲求が満たされ、安定 感をもって過ごす。

② 体の動きや表情、発声、喃語等 を優しく受け止めてもらい、保育 士等とのやり取りをなん

楽しむ。 ③ 生活や遊びの中で、自分の身近 な人の存在に気付き、親しみの気 持ちを表す。

④ 保育士等による語りかけや歌い かけ、発声や喃語等への応答を通 じて、言葉の理解やなん発語の意 欲が育つ。

⑤ 温かく、受容的な関わりを通じ て、自分を肯定する気持ちが芽生 える。 <1歳以上3歳未満児>

① 保育士等や周囲の子ども等との 安定した関係の中で、共に過ごす 心地よさを感じる。

<乳児期の園児>

⑴ 園児からの働き掛けを踏まえ た、応答的な触れ合いや言葉掛け によって、欲求が満たされ、安定 感をもって過ごす。

⑵ 体の動きや表情、発声、喃語等 を優しく受け止めてもらい、保育 教諭等とのやり取りを楽しむ。

⑶ 生活や遊びの中で、自分の身近 な人の存在に気付き、親しみの気 持ちを表す。

⑷ 保育教諭等による語り掛けや歌 い掛け、発声や喃語等への応答を 通じて、言葉の理解や発語の意欲 が育つ。 ⑸ 温かく、受容的な関わりを通じ て、自分を肯定する気持ちが芽生 える。 <満1歳以上満3歳未満の園児>

⑴ 保育教諭等との信頼関係に支え られて生活を確立するとともに、

自分で何かをしようとする気持ち

が旺盛になる時期であることに鑑

(4)

⑤ 保育所の生活の仕方に慣れ、き まりがあることや、その大切さに 気付く。 ⑥ 生活や遊びの中で、年長児や保 育士等の真似をしたり、ごっこ遊 びを楽しんだりする。

<3歳以上>

① 保育士等や友達と共に過ごすこ との喜びを味わう。

② 自分で考え、自分で行動する。

③ 自分でできることは自分でする。

④ いろいろな遊びを楽しみながら 物事をやり遂げようとする気持ち をもつ。 ⑤ 友達と積極的に関わりながら喜 びや悲しみを共感し合う。

⑥ 自分の思ったことを相手に伝え、

相手の思っていることに気付く。

⑦ 友達のよさに気付き、一緒に活 動する楽しさを味わう。

⑧ 友達と楽しく活動する中で、共 通の目的を見いだし、工夫したり、

協力したりなどする。

⑨ よいことや悪いことがあること に気付き、考えながら行動する。

⑩ 友達との関わりを深め、思いや りをもつ。

⑪ 友達と楽しく生活する中できまり の大切さに気付き、守ろうとする。

⑫ 共同の遊具や用具を大切にし、

皆で使う。

⑬ 高齢者をはじめ地域の人々など の自分の生活に関係の深いいろい ろな人に親しみをもつ。

⑶ この時期は自己と他者との違い の認識がまだ十分ではないことか ら、園児の自我の育ちを見守ると ともに、保育教諭等が仲立ちとなっ て、自分の気持ちを相手に伝える ことや相手の気持ちに気付くこと の大切さなど、友達の気持ちや友 達との関わり方を丁寧に伝えてい くこと。 <満3歳以上の園児>

⑴ 保育教諭等や友達と共に過ごす ことの喜びを味わう。

⑵ 自分で考え、自分で行動する。

⑶ 自分でできることは自分でする。

⑷ いろいろな遊びを楽しみながら 物事をやり遂げようとする気持ち をもつ。 ⑸ 友達と積極的に関わりながら喜 びや悲しみを共感し合う。

⑹ 自分の思ったことを相手に伝え、

相手の思っていることに気付く。

⑺ 友達のよさに気付き、一緒に活 動する楽しさを味わう。

⑻ 友達と楽しく活動する中で、共 通の目的を見いだし、工夫したり、

協力したりなどする。

⑼ よいことや悪いことがあること に気付き、考えながら行動する。

⑽ 友達との関わりを深め、思いや りをもつ。

⑾ 友達と楽しく生活する中できま りの大切さに気付き、守ろうとする。

⑿ 共同の遊具や用具を大切にし、

皆で使う。

⒀ 高齢者をはじめ地域の人々など の自分の生活に関係の深いいろい ろな人に親しみをもつ。

内容の 取扱い ⑴ 教師との信頼関係に支えられて 自分自身の生活を確立していくこ とが人と関わる基盤となることを 考慮し,幼児が自ら周囲に働き掛 けることにより多様な感情を体験 し,試行錯誤しながら諦めずにや り遂げることの達成感や,前向き な見通しをもって自分の力で行う ことの充実感を味わうことができ るよう,幼児の行動を見守りなが ら適切な援助を行うようにするこ と。 ⑵ 一人一人を生かした集団を形成 しながら人と関わる力を育ててい くようにすること。その際,集団 の生活の中で,幼児が自己を発揮 し,教師や他の幼児に認められる 体験をし,自分のよさや特徴に気 付き,自信をもって行動できるよ うにすること。

⑶ 幼児が互いに関わりを深め,協 同して遊ぶようになるため,自ら 行動する力を育てるようにすると ともに,他の幼児と試行錯誤しな がら活動を展開する楽しさや共通 の目的が実現する喜びを味わうこ とができるようにすること。

<乳児保育>

① 保育士等との信頼関係に支えら れて生活を確立していくことが人 と関わる基盤となることを考慮し て、子どもの多様な感情を受け止 め、温かく受容的・応答的に関わ り、一人一人に応じた適切な援助 を行うようにすること。

② 身近な人に親しみをもって接し、

自分の感情などを表し、それに相 手が応答する言葉を聞くことを通 して、次第に言葉が獲得されてい くことを考慮して、楽しい雰囲気 の中での保育士等との関わり合い を大切にし、ゆっくりと優しく話 しかけるなど、積極的に言葉のや り取りを楽しむことができるよう にすること。

<1歳以上3歳未満児>

① 保育士等との信頼関係に支えら れて生活を確立するとともに、自 分で何かをしようとする気持ちが 旺盛になる時期であることに鑑み、

そのような子どもの気持ちを尊重 し、温かく見守るとともに、愛情 豊かに、応答的に関わり、適切な 援助を行うようにすること。

② 思い通りにいかない場合等の子 どもの不安定な感情の表出について は、保育士等が受容的に受け止める とともに、そうした気持ちから立ち

<乳児期の園児>

⑴ 保育教諭等との信頼関係に支え られて生活を確立していくことが 人と関わる基盤となることを考慮 して、園児の多様な感情を受け止 め、温かく受容的・応答的に関わ り、一人一人に応じた適切な援助 を行うようにすること。

⑵ 身近な人に親しみをもって接 し、自分の感情などを表し、それ に相手が応答する言葉を聞くこと を通して、次第に言葉が獲得され ていくことを考慮して、楽しい雰 囲気の中での保育教諭等との関わ り合いを大切にし、ゆっくりと優 しく話し掛けるなど、積極的に言 葉のやり取りを楽しむことができ るようにすること。

<満1歳以上満3歳未満の園児>

⑴ 保育教諭等との信頼関係に支え られて生活を確立するとともに、

自分で何かをしようとする気持ち が旺盛になる時期であることに鑑 み、そのような園児の気持ちを尊 重し、温かく見守るとともに、愛 情豊かに、応答的に関わり、適切 な援助を行うようにすること。

⑵ 思い通りにいかない場合等の園

児の不安定な感情の表出について

は、保育教諭等が受容的に受け止め

るとともに、そうした気持ちから立

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⑷ 道徳性の芽生えを培うに当たっ ては,基本的な生活習慣の形成を 図るとともに,幼児が他の幼児と の関わりの中で他人の存在に気付 き,相手を尊重する気持ちをもっ て行動できるようにし,また,自 然や身近な動植物に親しむことな どを通して豊かな心情が育つよう にすること。特に,人に対する信 頼感や思いやりの気持ちは,葛藤 やつまずきをも体験し,それらを 乗り越えることにより次第に芽生 えてくることに配慮すること。

⑸ 集団の生活を通して,幼児が人 との関わりを深め,規範意識の芽 生えが培われることを考慮し,幼 児が教師との信頼関係に支えられ て自己を発揮する中で,互いに思 いを主張し,折り合いを付ける体 験をし,きまりの必要性などに気 付き,自分の気持ちを調整する力 が育つようにすること。

⑹ 高齢者をはじめ地域の人々など の自分の生活に関係の深いいろいろ な人と触れ合い,自分の感情や意志 を表現しながら共に楽しみ,共感し 合う体験を通して,これらの人々な どに親しみをもち,人と関わること の楽しさや人の役に立つ喜びを味わ うことができるようにすること。ま た,生活を通して親や祖父母などの 家族の愛情に気付き,家族を大切に しようとする気持ちが育つようにす ること。

③ この時期は自己と他者との違い の認識がまだ十分ではないことか ら、子どもの自我の育ちを見守る とともに、保育士等が仲立ちとなっ て、自分の気持ちを相手に伝える ことや相手の気持ちに気付くこと の大切さなど、友達の気持ちや友 達との関わり方を丁寧に伝えてい くこと。 <3歳以上>

① 保育士等との信頼関係に支えら れて自分自身の生活を確立してい くことが人と関わる基盤となるこ とを考慮し、子どもが自ら周囲に 働き掛けることにより多様な感情 を体験し、試行錯誤しながら諦め ずにやり遂げることの達成感や、

前向きな見通しをもって自分の力 で行うことの充実感を味わうこと ができるよう、子どもの行動を見 守りながら適切な援助を行うよう にすること。

② 一人一人を生かした集団を形成 しながら人と関わる力を育ててい くようにすること。その際、集団 の生活の中で、子どもが自己を発 揮し、保育士等や他の子どもに認 められる体験をし、自分のよさや 特徴に気付き、自信をもって行動 できるようにすること。

③ 子どもが互いに関わりを深め、

協同して遊ぶようになるため、自 ら行動する力を育てるとともに、

他の子どもと試行錯誤しながら活 動を展開する楽しさや共通の目的 が実現する喜びを味わうことがで きるようにすること。

④ 道徳性の芽生えを培うに当たっ ては、基本的な生活習慣の形成を 図るとともに、子どもが他の子ど もとの関わりの中で他人の存在に 気付き、相手を尊重する気持ちを もって行動できるようにし、また、

自然や身近な動植物に親しむこと などを通して豊かな心情が育つよ うにすること。特に、人に対する 信頼感や思いやりの気持ちは、葛 藤やつまずきをも体験し、それら を乗り越えることにより次第に芽 生えてくることに配慮すること。

⑤ 集団の生活を通して、子どもが 人との関わりを深め、規範意識の 芽生えが培われることを考慮し、

子どもが保育士等との信頼関係に 支えられて自己を発揮する中で、

互いに思いを主張し、折り合いを

⑶ この時期は自己と他者との違い の認識がまだ十分ではないことか ら、園児の自我の育ちを見守ると ともに、保育教諭等が仲立ちとなっ て、自分の気持ちを相手に伝える ことや相手の気持ちに気付くこと の大切さなど、友達の気持ちや友 達との関わり方を丁寧に伝えてい くこと。 <満3歳以上の園児>

⑴ 保育教諭等との信頼関係に支え られて自分自身の生活を確立して いくことが人と関わる基盤となる ことを考慮し、園児が自ら周囲に 働き掛けることにより多様な感情 を体験し、試行錯誤しながら諦め ずにやり遂げることの達成感や、

前向きな見通しをもって自分の力 で行うことの充実感を味わうこと ができるよう、園児の行動を見守 りながら適切な援助を行うように すること。

⑵ 一人一人を生かした集団を形成 しながら人と関わる力を育ててい くようにすること。その際、集団 の生活の中で、園児が自己を発揮 し、保育教諭等や他の園児に認め られる体験をし、自分のよさや特 徴に気付き、自信をもって行動で きるようにすること。

⑶ 園児が互いに関わりを深め、協 同して遊ぶようになるため、自ら 行動する力を育てるようにすると ともに、他の園児と試行錯誤しな がら活動を展開する楽しさや共通 の目的が実現する喜びを味わうこ とができるようにすること。

⑷ 道徳性の芽生えを培うに当たっ ては、基本的な生活習慣の形成を 図るとともに、園児が他の園児と の関わりの中で他人の存在に気付 き、相手を尊重する気持ちをもっ て行動できるようにし、また、自 然や身近な動植物に親しむことな どを通して豊かな心情が育つよう にすること。特に、人に対する信 頼感や思いやりの気持ちは、葛藤 やつまずきをも体験し、それらを 乗り越えることにより次第に芽生 えてくることに配慮すること。

⑸ 集団の生活を通して、園児が人

との関わりを深め、規範意識の芽

生えが培われることを考慮し、園

児が保育教諭等との信頼関係に支

えられて自己を発揮する中で、互

いに思いを主張し、折り合いを付

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2.方法

(1)現行シラバスの選定

 保育者養成課程を有する東京都に位置する大学のうち、幼稚園教諭一種免許状を取得できる大学39校、

49学科のうち、30学科のシラバスを任意に抽出しシラバス分析の対象とした。シラバスはweb上で公開 されている大学・学科を対象とした。

(2)分析方法

 30学科のシラバスの授業計画(第1回~第15回)に含まれる内容を授業回ごとに集計し、類似した授 業テーマをカテゴリーとしてまとめ、カテゴリーに含まれる授業テーマの項目数(学科数)を算出した。

3.結果と考察

 シラバスの授業計画(第1回~第15回)を分析した結果を表2に示す。第1回は最初の授業というこ ともあり、<領域「人間関係」>の概説や人間関係とは何かという授業テーマが最も多く見られた。つぎ に<オリエンテーション・ガイダンス>という授業の全体像を説明するテーマであった。10 項目のうち 9項目がオリエンテーションという用語をテーマの頭文字に用いていた。第2回は第1回と同様に<領域

「人間関係」>が最も多く、全体の約半数の学科がこのテーマを配置していた。第3回は<乳幼児期の人 間関係の発達>が最も多く、つぎに<領域「人間関係」>であった。第4回は<乳幼児期の人間関係の発 達>が最も多く30学科の半数を占めた。第5回は<乳幼児期の人間関係の発達>が最も多かった。第5 回までの<乳幼児期の人間関係の発達>における対象年齢は3歳児未満の人間関係の特徴と保育に関する 特徴が中心であった。第6回も<乳幼児期の人間関係の発達>が最も多かったが3歳児を対象とした人間 関係の発達に関する授業が出現した。第7回~第9回にかけても<乳幼児期の人間関係の発達>が最も多 かった。第7回からは4歳児~5歳児を対象とした授業が増え、第10回までに0歳から就学前の乳幼児 の人間関係の発達に関する授業をほとんどの大学で完了していることがわかった。第10回からは多様な テーマが出現する。第 10 回も<乳幼児期の人間関係の発達>が最も多かったが、<個と集団の育ち>、

<気になるこども、特別な支援>、<遊びと人間関係>、<保護者とのかかわり>、<異年齢>など多様 なテーマが出現した。第11回は<人とのかかわり>が最も多く、第12回は<個と集団>が最も多く見ら れた。第13回は<領域「人間関係」>、<保護者とのかかわり>が同数で出現した。第12回では新たに

<地域とのかかわり>、第13回では<保育者同士の人間関係、大人同士の人間関係>、<多文化保育>、

<子どもの自律>、<小学校との連携>が出現した。第14回も多様な授業テーマで構成されていた。第 14回は<地域とのかかわり>が最も多く、新たに<人間関係に関する現代的課題>というテーマが出現 した。第15回は授業の最終回であり、授業全体を振り返りまとめを行う授業テーマが約7割を占めた。

東京都の保育者養成課程(幼稚園一種免許状)30 学科から得られた授業計画の内容分析に基づき、保育 者養成課程における「人間関係」授業計画のモデルを試案した(図1)。授業計画モデルは全15回の授業 から成り立ち、導入、展開Ⅰ(乳幼児期の人間関係)、展開Ⅱ(子どもを取り巻く多様な人間関係と環境)、

まとめの3ステップで構成される。導入は領域「人間関係」のねらいと内容、幼稚園教育要領、保育所保 育指針、幼保連携型認定子ども園教育・保育要領について概説し、幼児教育、保育における人間関係の意 義・重要性を理解するものである。受講生は導入段階で授業の目的や内容、到達目標などの全体をイメー ジすることができる。展開Ⅰは乳幼児期の子どもの人間関係に関する発達を理解する段階である。0歳児 から5歳児までの人との関わりや幼稚園、保育園で生じる子ども同士の人間関係について学修する。展開

Ⅱは子どもを取り巻くさまざまな人間関係と人間関係に影響を及ぼす環境について学修する。まとめはこ

れまでの授業を振り返り、子どもの人間関係に関する理解の深化を図ることをめざす授業の最終段階である。

(7)

拠した新しいシラバスの構築、の2つの研究課題について検証する必要がある。

表2 授業計画(第1回~第15回)のカテゴリーと項目数 表2 授業計画(第 1 回~第 15 回)のカテゴリーと項目数

カテゴリー

項目数

カテゴリー

項目数

領域「人間関係」 13 乳幼児期の人間関係の発達 5

オリエンテーション・ガイダンス 10 保育者のかかわり 4

幼児教育・保育の基本 5 個と集団の育ち 4

幼稚園教育要領・保育所保育指針 1 人とのかかわり 3

現代社会における子どもの人間関係 1 気になる子ども、特別な支援 3

領域「人間関係」 15 遊びと人間関係 3

幼児教育、保育の基本 4 第10回 領域「人間関係」 2

子どもを取り巻く人的・社会的環境 3 保護者とのかかわり 2

幼稚園教育要領・保育所保育指針 3 異年齢 2

その他 3 その他 2

乳幼児期の人間関係の発達 2 人とのかかわり 6

乳幼児期の人間関係の発達 11 第11回 個と集団 5

領域「人間関係」 6 乳幼児期の人間関係の発達 5

人とのかかわり 4 気になる子ども、特別な支援 4

保育者のかかわり 3 保育者のかかわり 4

幼稚園教育要領、保育所保育指針 3 領域「人間関係」 2

その他 3 保護者とのかかわり 2

乳幼児期の人間関係の発達 15 けんか、いざこざ、トラブル 1

保育者のかかわり 4 小学校 1

子ども同士の人間関係 4 個と集団 6

領域「人間関係」 4 気になる子ども、特別な支援 5

人間関係の重要性 2 人とのかかわり 5

気になる子ども 1 保育者同士の人間関係 4

乳幼児期の人間関係の発達 12 遊びと人間関係 4

人とのかかわり 5 第12回 地域とのかかわり 2

保育者のかかわり 3 領域「人間関係」 2

遊びと人間関係 3 子育て支援 1

領域「人間関係」 3 保育者のかかわり 1

子ども同士の人間関係 2 領域「人間関係」 4

気になる子ども 1 保護者とのかかわり 4

保育記録の観察 1 第13回 保育者のかかわり 3

乳幼児期の人間関係の発達 12 人とのかかわり 3

保育者のかかわり 7 遊びと人間関係 3

遊びと人間関係 5

保育者同士の人間関係、大人同士の人間関係

3

人とのかかわり 3 気になる子ども、特別な支援 2

子ども同士の人間関係 2 個と集団 2

愛着形成・自我の芽生え 1 その他 2

乳幼児期の人間関係の発達 11 多文化保育 1

遊びと人間関係 7 子どもの自律 1

けんか、いざこざ 6 小学校との連携 1

子ども同士の人間関係 4 乳幼児期の人間関係の発達 1

領域「人間関係」 1 地域とのかかわり 6

特別な支援 1 領域「人間関係」 4

乳幼児期の人間関係の発達 10 遊びと人間関係 3

遊びと人間関係 6 保育者のかかわり 3

けんか、いざこざ 4 保護者とのかかわり 2

子ども同士の人間関係 2 第14回 小学校連携 2

保育者のかかわり 2 多文化保育 2

領域「人間関係」 2

保育者同士の人間関係、大人同士の人間関係

2

人とのかかわり 2 人間関係に関する現代的課題 2

領域「人間関係」 1 その他 2

特別な支援 1 気になる子ども、特別な支援 1

乳幼児期の人間関係の発達 9 乳幼児期の人間関係の発達 1

人とのかかわり 8 まとめ 11

第7回

第8回 第1回

第2回

第3回

第4回

第5回

第6回

(8)

図1 保育者養成課程における「人間関係」授業計画のモデル

引用文献

保育教諭養成課程研究会(2017):平成28年度幼稚園教諭の養成課程のモデルカリキュラムの開発に向け た調査研究-幼稚園教諭の資質能力の視点から養成課程の質保証を考える-.一般社団法人保育教諭養成 課程研究会.

厚生労働省(2017):保育所保育指針(平成29年告示).フレーベル館.

文部科学省(2017):幼稚園教育要領(平成29年告示).フレーベル館.

内閣府(2017):幼保連携型認定子ども園教育・保育要領(平成29年告示).フレーベル館.

図 1 保育者養成課程における「人間関係」授業計画のモデル

引用文献

保育教諭養成課程研究会(2017):平成 28 年度幼稚園教諭の養成課程のモデルカリキュラムの開発に向け た調査研究-幼稚園教諭の資質能力の視点から養成課程の質保証を考える-.一般社団法人保育教諭養成 課程研究会.

厚生労働省(2017):保育所保育指針(平成 29 年告示).フレーベル館.

文部科学省(2017):幼稚園教育要領(平成 29 年告示) .フレーベル館.

内閣府(2017):幼保連携型認定子ども園教育・保育要領(平成 29 年告示).フレーベル館.

授業回 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15

プロセス まとめ

内容

・授業の 振り返り と理解

・領域「人 間関係」

のねらい と内容の 再確認 導入 展開Ⅰ(乳幼児期の人間関係) 展開Ⅱ(子どもを取り巻く

多様な人間関係と環境)

・領域「人間 関係」のねら いと内容

・幼児教育、

保育における 人間関係と は

・幼稚園教育 要領、保育所 保育指針、幼 保連携型認 定子ども園教 育・保育要領

・その他

・乳幼児期の人間関係の発達

・愛着の形成と分離行動

・0歳児~5歳児の発達と人とのかかわり

・0歳児~5歳児の遊びの発達(遊びを 通した人間関係の発達)

・けんか、いざこざ、トラブル

・共感性(共感能力)の発達

・自我の発達(自己主張と自己抑制の 発達)

・個と集団の育ち(・子どもの仲間づくり、

協調・協同・協働)

・その他

・異年齢の子どもとのかかわり

・保育者と子どものかかわり

・保育者同士の人間関係、

 大人同士の人間関係

・保護者とのかかわり

・地域とのかかわり

・多文化保育(異文化理解)

・気になる子、特別な支援を 必要とする子

・小学校との連携

・子どもの人間関係に関する 現代的課題

 (多様な家族、インターネット、

SNS、子どもをターゲットにした ビジネスなど)

・その他

参照

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