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学 位 論 文 題 名

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Academic year: 2021

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博 士 ( 薬 学 ) 黒 住 公 一

学 位 論 文 題 名

Bh/IP 夕イプIa 受容体会合分子の遺伝子クローニング 学位論文内容の要旨

  【 序論】

  TGF‑ロ スー バ ーフ ァミ リ ーに 属す る 因子 の細 胞 内情報伝達にはタ イブIとIIからなる2種類のセリ ン・ スレオニンキナー ゼ型受容体カミ関 わることが知られているが、細胞内への情報伝達には、タイブI 受容 体による細胞内基 質のりン酸化が大 きな役割を果たして いると考えられている.そこでこれまで、

タイ ブI受容 体会合分子のクロー ニングが行われて きた。

  一 方 、 新 規MAPKKKで あ るTGF‑ロactivaued kinasel(TAK1) 、 お よ び そ の 活 性 化 因 子 で あ る TAK|binding proteinl(TAB1)がTGF‑ロ スー′ヾーファミ リーの情報伝速に関与することが明らかと な っ て い る 。TAK1はMKK3.4、6.さ ら にSAPK/JNK. p38を 活 性 化 す る こ と か ら 、 こ れ ら の 新 規 MAPKカスケードが1、GF・ロスー バーファミリーの 情報伝違に関与す ることが示唆されている。現在の と こ ろ、TAB1よ り下 流の 情 報伝 達経 路 につ いて は 明ら かと な って きた が 、受 容体 とTAK1、TAB1の 間の 情報伝達因子は不 明である。そこで 、本研究ではyeast tvro‑bybrid systemを用い、BMPタイブIa 受容 体細胞内ドメイン 会合分子の遺伝子 クローニングを試み た。

  【 結果および考察】

  1. BMPreceptorassociatedmolecule (BRAM) cDNA(Jp:20二三22

    マ ウ スBMPタイ ブIa受 容体 (BMPRIa)の 細胞 内ド メ イン をbaitとし て、 ヒト胎盤cDNA lib rary をyeast tvro‑bybrid syscemによルスク リーニングした。 その結果、新規遺 伝子であるBMP receptor associated molecule2(BRAM2) 、既 知の タ イブI受容 錐会 合 因子FKBP12. NF‑KBの サブ ユ ニッ トで あ るp50の前 駆 体p105ゐi得ら れ た.p105に つい ては 受容 体への結合は認め られろものの、受容 体刺 激 によ る 活性 化が 認 めら れな ぃ こと から 検 討を 止め た .新 規遺f云子 で あるBRAM2は完 全 長cDNAの クロ ーニングを行ったと ころ、少なくとも4種のsplicing variancゐ 得られた。これらは、アデノウイ ル スEIA結合 蛋 白質 であ るBS69の内 部 配列 をコ ー ドし てい た 。こ れら をBRAM2a.b、cと命名し た・

こ の 中 でBRAM2cは 一 番 短 く 、 さ ら にN末 端 の12ア ミ ノ 酸 がBS69や 他 のBRAM2 isoformと 異 な っ てい た.

  2.BRAM2と旦MPRIaゝ:TAB1とQ盤盒Q捻誼 ・

    得 ら れ た 全 て のBRAM2 isoformお よ びBS69に つ い てBMPRIa細 胞 内ド メ イン およ びTABIとの 結 合をcwo‑bybrid systemによ り検討し た。その結果、BS69を除き全てのBRAM2 isoformで結合カi確 認 され た .こ れよ りBRAM2 isoformはBMPRIaとTABIの 間の 情 報I云 遅に 働く 可 能性 が示 さ れた .た だ し 、BRAM2is。formは 核蛋 白 質で あるBS69の 部分 配 列を コー ド して いた . そこ でBS69と最 も構 造 が異 な るこ とか ら 、濺 能も 異 なる 可能 性 が高 いBRAM2cに 絞っ て 以後 の解 析 を行 うこ と にし た.

  3.  BRAM2 mRNAQきB獵 公査

    BRAM2cを ブ 口 ー ブ と し て ヒ ト の 各 組 織に お けるBRAM2 mRNAの発 現 を検 討し た .そ の結 果 、 調 べた 全 ての 組織 で4.4 kbお よび1.35 kbのmRNAが 発現 し てい た.1.35 kbのmRNAはBS69をコー ド す る に は 短 す ぎ る こ と か ら BRAM2 isof armを コ ー ド し て い る こ と が 示 唆 さ れ た .

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  4.   BRAM2cQ細 胞 白 壁 蠱吐7屋 在

  BRAM2cの 細 胞 内 で の局 在 を 検 討 し た. そ の 結 果 、対 照 と し たBS69は 骸に 局 在 したの に対し 、 BRAM2cは 細 胞 質 に 局 在 が み ら れ た . こ の 結 果はBRAM2cがBMPRlaとTAB1と の間 の 情 報 伝 達に 働 く と い う可 能 性 を 支 持す る と 思 わ れた 。

  5.Cos ilmaac:おLtるBRAM2cユBMPRIa,̲ TABlQ遣盒

  っ ぎ に 、BMPRlaとBRAM2cのCOS細 胞 に お ける 結 合 をGST puLl down assayに よ り 検討 したと こ ろ 、BRAM2cとBMPRIa細 胞 内 ド メ イ ン の 結 合 が 確認 さ れ た 。 さ らにTAB1とBRAM2cの 結 合 も同 様 に確認された。そこでさらに、   BMPRla.  TABl.  BRAM2cゐ 複合体を形成するかを共沈実験により検 討 し た 。 そ の 結 果 、BMPRla細 胞 内 ド メ イ ン と共 沈 す るTAB1はBRAM2cの共 存 に よ り 増加 し た . TAB1とBMPRla細 胞 内 ド メ イ ン の 直 接 の 結 合 は 認 め ら れ な ぃ こ と か ら 、 こ の 結 果 はBRAM2cが TAB1とBMPRIaの 結 合 の 仲 介 す る 可 能 性 を 示 す . た だ し 、BRAM2c非 存 在 下 で もTAB1のBMPRIa へ の 結 合 が 見 ら れ た が 、 こ の 結 合 に 内 在 のBRAM2が 関 与 す る か 否 か は 不 明 で あ る ,

  6.  BRAM2c overexpress塑!三よ墨工△璽!活性Iヒ仝Q髮饗

  BRAM2cのoverexpressionに よ るTAKl活 性 化 へ の影 響 を 調 べ た。11GF^ロ に よ り 誘 導さ れ る p|恥minogenactiv缸0rinhibitor^1(P糾‐1)のブロモー夕一活性化にn拭1が関与することゐミ明かとなっ て い る 。 そこ で 、P創 ‐1ブ ロ モ ー ター を っな ぃだrePorterブラ スミド 、T´氷1、1.AB1、お よび BRAM2c発 現 ベク タ ー をTGF.ロ 応答性 の細胞 ヘトラ ンスフ ウク トし、 ルシフ ウラー ゼア ッ七イ によ ル ブ 口 モ ータ ー 活 性 を 検討 し て 、BRAM2cのTAK1活性 へ の 影 響 を調 べ た 。 そ の 結果 、BRAM2cの発 現 により1、AK1お よび1丶AB1によ るPAHブロモ ータ一 活性 化が増 強した 。この作用は1丶AK1あるいは TABI単 強 の 場 合 は恕 め ら れ な ぃこ と か ら 、BRAM2cは1,ABlの 活性 化を介 してT AXIの活 性化を 行 うことゐ 示唆された。

【結 諭】

tYeasr,twa‑hybrid systemを 用 い てBMPタ イ ブIa受 容 体 細 胞 内 ド メ イ ン 会 合分 子BRAM2の   cDNAを 単離 し た 。BRAM2は 長さ の 異 な るisof armを も ち 、こ れ ら は ア デノウ イルスEIA結 合   蛋白 であるBS69の部 分配 列をコ ードし ていた 。

2 coS細 胞 に お け る 共 沈 実 験 よ り 、BRAM2cはBMPRIaとTABIの 結 合を 仲 介 す る 可能 性 が 示 さ   れた .

3  BRAM2cの 発 現 によ りTAKI活 性 の 増 強 カt見 ら れ た 。こ の 作 用 はTAB1が共 存する 場合 のみ認   めら れたこ とか ら、BRAM2cは1、AB1の活性 化を介 して1一AKlを活 性化 するこ とが示唆された。

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学位論文審査の要旨

主 査    教 授    徳 光 幸 子 副 査    教 授    横 沢 英 良 副 査    助 教 授    沢 田    均 副 査    助 教 授    澁 谷 浩 司

学位論文題名

Bh/IP .夕イプIa 受容体会合分子の遺伝子クローニング

  TGF‑p ス ー バ ー フ ん ミ リ ー に 属 す る 因 子 の 細 胞 内 情 報 伝 達 に は タ イ プ I と II か ら な る 2 種 類 の セ リ ン ・ ス レ オ ニ ン キ ナ ー ゼ 型 受 容 体 が 関 わ る こ と が 知 ら れ て い る が 、 細 胞 内 へ の 情 報 伝 達 に は 、 夕 イ プ I 受 容 体 に よ る 細 胞 内基 質 の り ン 酸 化 が 大 き な 役 割 を 果 た し て い る 。 一 方 、 新 規 MAPKKK で あ る TGF ‑ pactivated kinasel(TAKI) お よ び そ の 活 性 化 因 子 で あ る TAKl binding proteinl(TABl) が TGF‑p ス ー パ ー フ ァ ミ リ ー の 情 報 伝 達 に 関 与 す る こ と が 明 ら か と な っ て い る 。 し か し 、 受 容 体 と TAK1 、 TAB1 の 間 の 情 報 伝 達 因 子 は 不明 で あ る。

   本 論 分 提 出 者 は 、 yeast two‑hybrid system を 用 い 、 BMP タ イ プ Ia 受 容 体 細 胞 内 ド メ イ ン 会 合 分 子 の 遺 伝 子 ク ロ ー ニ ン グ を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 BMP 夕 イ プ Ia 受 容 体 細 胞 内 ド メ イ ン 会 合 分 子 BMPre.ceptor associated molecule2 (BRAM2) の cDNA の 単 離 に 成 功 し 、 そ の isoform の 1 つ で あ る BR AM2c の 情 報 伝 達 因 子 と し て の 役 割 を 追 求 し て 、 以 下 の よ う な 成 果 を お さ め た 。 1 . マ ウ ス BMP 夕 イ プ Ia 受 容 体 の 細 胞 内 ド メ イ ン を bait と し て 、 ヒ ト 胎 盤 cDNA library を yeast two‑hybrid system に よ ル ス ク リ ー ニ ン グ し た 。そ の 結 果 、 新 規 遺 伝 子 で あ る BRAM2 、 既 知 の タ イ プ I 受 容 体 会 合因 子 FKBP12 、 NF ‑ KB の サ ブ ユ ニ ッ ト で あ る p50 の 前 駆 体 p105 が 得 ら れ た 。 新 規 遺 伝 子 で あ る BRAM2 は 完 全 長 cDNA の ク ロ ー ニ ン グ を 行 っ た と こ ろ 、 4 種 の splicingvariant が 得 ら れ た 。 こ れ ら は 、 ア デ ノ ウ イ ル ス EIA 結 合 蛋 白 質 で あ る BS69 と BS69 の 内 部 配 列 を コ ー ド し て い る 新 規 物 質 で あ り 、 BRAM2a , b , c と 命 名し た 。 この 中 で BRAM2c は 一 番 短 く 、 さ ら に N 末 端 の 12 ア ミ ノ 酸 が BS69 や 他 の BRAM2 isoform と 異 なっ て い た。

2. 得 ら れ た 全 て の BRAM2isoform お よ び BS69 に つ い て BMP タ イ プ Ia 受 容 体 の 細 胞 内 ド メ イ ン お よ ぴ <TAB1 と の 結 合 を two‑hybridystem によ り 検 討し た 。 そ の 結 果 、 BS69 を 除 き 全 て の BRAM2 isoform で 結 合 が 確 認 さ れ た 。 こ れ より BRAM2isoform は BMP 夕 イ プ Ia 受 容 体 と TAB1 の 間 の 情 報 伝 達 に 働 く 可 能 性 が 示 さ れ た 。 そ こ で BS69 に 最 も 構 造 が 異 な る こ と か ら 、 機 能 も 異 な る 可 能 性 が 高い BRAM2c につ い て 解析 を 行 っ た。

3 .   BRAM2c を ブ 口 ー ブ と し て ヒ ト の 各 組 織 に お け る BRAM2mRNA の 発 現 を 検 討 した 。 そ の結 果 、 調べ た 全 ての 組 織で 4 . 4  kb およ び1 . 35  kb のmRNA が発 現

562 ‑

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して いた 。1 .  35kb のmRNA はBS69 をコードするには短すぎることからBRAM2 isoform をコードしていることが示唆された。

4. BRAM2c の細 胞内 での 局在 を調 べた とこ ろ、 BS69 は核 に局 在した のに 対 し、BRAM2c は細胞質に局在カごみられ、BRAM2c カ'BMP 夕イプIa 受容体とTAB1 と の間の情報伝達に働くとぃう可能性を示した。

5. BMP タ イ プ Ia 受 容体 と BRAM2c の COS 細胞 にお ける 結合 をGST pull down assay に より検 討し たと ころ 、BRAM2c とBMP 夕イ ブIa 受容体の細胞内ドメイ ンと の結 合、 さら にTAB1 とBRAM2c の結合も確認された。そこで、BMP 夕イブ Ia 受容体、TAB1 、BRAY12c が複合体を形成するかを共沈実験により検討した。

その 結果 、BMP タイ ブIa 受容体細胞内ドメインと共沈するTAB1 はBRAM2c の共 存に より 増加 した 。TAB1 とBMP タイブIa 受容体細胞内ドメインの直接の結合 は認 めら れな いこ とから、この結果はBRAM2c がTAB1 とBMP タイブIa 受容体の 結合を仲介している可能性を示している。

6 .   BRAM2c の overexpression に よる TAK1 活性 化への影響を調べた。TGF‑p により誘導されるplasminogen activator inhibitor‑l  (PAI‑1) のブロモー 夕一 活性 化に TAK1 が関与することが明かとなっている。そこで、PAI‑1 プロ モ一 夕ー をっ ない だreporter プ ラス ミド、 TAK1 、TAB1 、およびBRAM2c 発現 ベクターをTGF ‑ ロ応答陸の細胞ヘトランスフi クトし、ルシフェラーゼアッ セイ によ ルプ ロモ ータ ー活 性を 検討 して、 BRAM2c のTAK1 活性への影響を調 べた。その結果、BRAM2c の発現によりTAK1 および'TAB1 によるPAI .1 プロモー ター 活性 化が 増強 した 。こ の作 用は TAK1 あ るい はTAB1 単独の場合は認めら れな いこ とか ら、 BRAM2c は TAB1 の活 性化を 介し てTAK1 を活性化しているこ とが示唆された。

  Yeast two‑hybrid system を用 いて BMP 夕 イプ Ia 受容体細胞内ドメイン会 合 分 子 BRAM9 の cDNA を 3 種 単 離 し 、 そ の中 の1 つ であ るBRAM2c はBMP タイ プ Ia 受 容体 とTAB1 の 結合 を仲 介し て、 TAB1 を 活性 化することにより、TAK1 を 活性化していることが示された。

     以上 の新 知見 およ びこ れら の成 果を得 るに 用いた新しい研究方法は、

BMP タイ プIa 受 容体 とクローニングに成功したBRAM2c の情報伝達の解析に大

きく 貢献 した もの であ る。 審査 員一 同これ らの 研究を高く評価し、本論文

提出 者が 博士 (薬 学) の称 号を 受け るにふ さわ しいものと一致して判断し

た。

参照

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