平成 23 年度海外水産業協力基礎調査委託事業
ネパール連邦民主共和国
調査報告書
平成 24 年 3 月
目 次
はじめに ... 1 概 要 ... 2 地 図 ... 3 写 真 ... 4 略語表 ... 9 ネパール経済指標 ... 10 第1章 水産業の現状 1.水産業の現況 ... 11 1-1.水産業を取り巻く自然環境 ... 11 1-2.水産業を取り巻く社会・経済環境 ... 15 2.漁業 ... 16 3.養殖 ... 17 3-1. 養殖形態... 18 4.水産物加工 ... 19 4-1.加工形態および生産量 ... 19 5.水産物流通 ... 20 5-1.流通形態... 20 5-2.国内需要... 21 5-3.市場 ... 21 6.水産物貿易 ... 21 6-1.水産物輸出入 ... 21 6-2.輸出品目別の量および価格 ... 22 6-3.対日水産物貿易 ... 22 7.水産資源 ... 22 7-1.資源概況... 22 7-2.資源(漁業)管理・監視 ... 23 8.農業他 ... 23 8-1.農業の現状... 23 8-2.灌漑施設... 25 8-3.発電ダム... 25 9.観光 ... 25 9-1.観光業の概要 ... 25 9-2.スポーツフィッシング ... 27 第2章 水産行政・機関と援助受け入れ状況 1.水産行政 ... 28 1-1.水産担当行政機関 ... 28 1-2.水産関連法規・規制 ... 32 1-3.予算 ... 32 2.水産教育・訓練・研究 ... 33 2-1.教育機関... 33 2-2.普及・訓練機関 ... 33 2-3.研究機関... 342-4.地方行政関連 ... 37 3.海外との水産関係 ... 37 3-1.外国からの援助受入状況 ... 37 3-2.国際機関からの援助受入状況 ... 37 4.我が国からの水産関連協力 ... 39 4-1.JICAを通じた水産協力 ... 39 第3章 開発計画と協力の方向性 1.国家開発計画 ... 41 2.水産開発計画 ... 41 2-1.水産開発の現状 ... 41 2-2.水産開発計画の概要 ... 41 2-3.水産開発の問題点 ... 41 3.我が国からの協力 ... 44 3-1.国別援助計画での水産協力の位置づけ ... 44 3-2.JICAの水産関連協力の動向 ... 45 4.中長期的な水産開発計画 ... 45 4-1.水産分野の政府機能の統合 ... 45 4-2.水産関連施設の基盤整備 ... 45 4-3.技術開発... 46 4-4.人材育成... 46 4-5.内水面水産振興の留意点 ... 47 5.水産協力の方向性 ... 47 5-1.生物多様性に配慮した内水面水産振興のミニマムリスクアセスメント手法の研究 ... 47 5-2.エコツーリズム ... 48 5-3.水産資源増殖計画 ... 48 5-4.共同組合の活動促進と水産物流通促進 ... 48 5-5.養殖コストの削減 ... 49 5-6.近年の社会情勢による養殖の可能性 ... 49 6.協力コンポーネントの提言 ... 50 6-1.シルト対策... 50 6-2.染色体操作等を用いた外来種の養殖 ... 50 6-3.温暖化対策(養殖対象種、選抜育種) ... 50 6-4.産卵場造成... 51 6-5.養殖環境自動観測システムの導入 ... 52 第4章 内水面水産振興への提言 1.地域的特徴 ... 53 2.他地域への振興策の導入 ... 55 添付資料 面談者リスト ... 59 収集資料一覧 ... 60
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はじめに
本調査報告は、社団法人マリノフォーラム 21(MF21:Marino-Forum 21)が平成 23 年 度の海外水産業協力基礎調査委託事業の一環として実施した調査について報告するもので ある。 本調査は、本委託事業の「内陸国課題」として平成 23 年 6 月 19 日~21 日及び平成 23 年 11 月 1 日~11 日までネパール連邦民主共和国に調査団を派遣し、水産協力の具体的振 興策立案の前提となる中・長期的な開発計画の策定・提案に必要な、水産業関連、社会経 済、基礎インフラ及び環境等を含む包括的な基礎情報収集及び関連機関の視察を行い、ネ パール連邦民主共和国の政府及び民間の水産関係者との協議を通じ、内陸国特有の課題に 対応した水産協力のほか、過去に実施したラオス人民民主共和国及びブルキナファソの調 査報告と合わせて検討することにより、内陸国や同国の水産振興計画や水産協力のモデル ケースを検討することを目的として実施された。 ここに、ネパール連邦民主共和政府および関係者各位、また「内陸国検討委員会」にて 貴重な助言や情報提供を頂いた委員各位からの温かいご支援とご協力により本調査が円滑 に進められた事に対して深く感謝する。 本報告が、今後の我が国からの開発途上国に対する水産協力やネパール連邦民主共和国 の今後の水産業の発展に寄与すると共に、両国の友好及び親善に役立つことを願うもので ある。 平成 24 年 3 月-2-
概 要
1.調査目的 内陸国から我が国に対し水産分野における協力が多数要請されているものの、モデルと なる協力案件の事例に乏しいだけでなく、水産業に関する協力の具体的な振興策の立案の 前提となる中長期的な振興開発計画が十分整備されていない現状にある。このため、内陸 国に対する水産振興を図るため、これらの課題に対応する協力について検討することを目 的に調査を実施した。 2.調査内容 ネパール連邦共和国において、内水面養殖、漁業、水産加工・流通、農漁村社会、イン フラ、政治・社会・経済、水産施策、農漁村振興施策、自然条件等の現状調査を行うこと により水産業の現状把握を行った。また、政府管理及び県管理による種苗生産場、政府管 理の研究施設、教育施設を訪問し、活動状況を把握した。これらをもとに、政府関係機関、 ドナー等からの聞き取り調査及び協議を通じて、同国の中長期的な水産振興開発計画の策 定を行うとともに提言案を取りまとめた。 3.調査期間 2011 年 6 月 19 日~6 月 21 日 2011 年 11 月 1 日~11 月 11 日 4.調査結果 現地調査によって、水産業の現状とその開発過程における我が国等他ドナーの関わりな ど広い情報を得た。我が国からの長期にわたる協力により、当国の水産業は発展し、過去 には貧困だった住民の生活向上に寄与すると共に、山岳地域の新産業育成に大きく寄与し た。一方、水産業の課題として行政機関の複雑化、重複性やインフラの不足による流通の 阻害、近隣国からの輸入水産物との価格競争などいくつかの問題点が明確となった。これ ら問題点に対応すべき水産振興策について提言すると共に、我が国からの協力可能性につ いて提言を行った。 これらの結果と過去 2 年に実施したラオス、ブルキナファソでの調査結果を検討し、 内陸国における水産振興策を取りまとめた。-3-
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写 真
Trisuli のレストランのニジマ ス料理、エベレストトラウト と称して販売拡大を図ってい る。 Trisuli 水産センターで飼育し ている在来種のマッシャー 以前はカトマンズの王様に献 上されていた。 民間のニジマス養殖池、斜面 に建築しており、水は上部の 池から下部の池に直流で流れ 込む。-5- 道端で売っていた煙燻品ス クティー、在来のコイ科魚 類と思われる。 水田の引き込み用水で掻掘 りをしていた子供、漁獲物 は晩ご飯のおかずになる。 フェア湖の漁師、殆どが夫婦 協同で漁を行う。漁法は刺し 網が中心である。
-6- 網生け簀養殖で育成したハク レン、生育期間は約 1 年半、 ほぼ無給餌に近い状況の低コ ストで養殖している。 ジャナカプール水産センター、 全国から養殖技術習得の希望 者を募り無料で研修を実施し ている。 民間養殖場の沈殿池、水は自 噴の井戸から引いている。
-7- 民間養魚家の種苗生産施設、 生産した種苗は近隣の養魚家 に販売している。 ジャナカプールの魚市場、イ ンドから安価な淡水魚が輸入 され販売されているが、地元 産の魚の人気が高い。 農家の小規模な池、自家消費 と販売は半々程度である。
-8- コシ川の漁師、一隻に 1 人 ~2 人で操業し主に投網漁 を行っている。 漁獲されたナマズ。小型魚 だけではなく比較的大型の ナマズ類も漁獲される。 コシ川での漁獲物は路上の 魚売り場でも販売する。
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略語表
略語 正式名 和訳等 ACIAR ADB AQD AGDP APP ARSAustralia Center for International Agricultural Research
Asian Development Bank Aquaculture Department
Agricultural Gross Domestic Product Agricultural Perspective Plan
Agricultural Research Station
オーストラリア国際農業研究 センター アジア開発銀行 SEAFDEC 養殖部局 農業総生産額 農業展望計画 農業研究所 CBS CIDA DoFD
Central Bureau of Statistics
Canadian International Development Agency Directorate of Fisheries Development
中央統計局(NPCS) カナダ国際開発庁 水産局(MoAC) EU FAO European Union
Food and Agriculture Organization
欧州共同体 国際連合食糧農業機関 GDP GIS IDRC JICA
Gross Domestic Product
Geographic Information System
The International Development Research Centre Japan International Cooperation Agency
国内総生産
地理情報システム
カナダ国際開発調査センター
国際協力機構 JIRCAS Japan International Research Center for Agricultural
Sciences 国際農林水産業研究センター MAF MF21 MRC MOAC MOE NARC NARSC NASRI NAST NPCS
Ministry of Agriculture and Forestry Marino-Forum21
Mekong River Committee
Ministry of Agriculture and Cooperatives Ministry of Environment
Nepal Agricultural Research Council
National Agriculture Research and Development Center
Nepal Animal Science Research Institute Nepal Academy of Science and Technology National Planning Commission Secretariat
農林省 マリノフォーラム 21 メコン川委員会 農業組合省 環境省 ネパール農業研究評議会 国立農業研究開発センター ネパール動物科学研究所 ネパール科学技術アカデミー 国家計画局 OJT Rs
On the Job Training Rupe
実務訓練
ルピー、(通貨単位)
SEAFDEC Southeast Asian Fisheries Development Center 東南アジア漁業開発センター SIDA Swedish International Development Cooperation
Agency
スウェーデン国際開発協力庁
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