テリボン皮下注用
56.5 μg
テリパラチド酢酸塩
第
2 部(モジュール 2)
2.6 非臨床試験の概要文及び概要表
(3) 毒性
旭化成ファーマ株式会社
略号 省略していない表現
A/G 比 albumin/globulin 比(アルブミン/グロブリン比) ALP alkaline phosphatase(アルカリフォスファターゼ)
ALT alanine aminotransferase(アラニンアミノトランスフェラーゼ)
AST aspartate aminotransferase(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ) AUC area under the plasma concentration-time curve(血漿中濃度-時間曲線下面積) AUCall area under the plasma concentration-time curve from the time of dosing to the time of the
last observation(最終観察時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積)
AUClast area under the plasma concentration-time curve from the time of dosing to the last
measurable concentration(濃度測定が可能な最終時点までの血漿中濃度-時間曲線下 面積)
AUC0-4h area under the plasma concentration-time curve from zero to 4 hours(投与後 4 時間まで
の血漿中濃度−時間曲線下面積) B(a)P benzo(a)pyrene(ベンゾピレン) BUN blood urea nitrogen(血液尿素窒素)
Cmax maximum plasma concentration(最高血漿中濃度)
CPA cyclophosphamide monohydrate(シクロフォスファミド) DMSO dimethyl sulfoxide(ジメチルスルフォキシド)
DNA deoxyribonucleic acid(デオキシリボ核酸)
Eagle’s MEM Eagle’s minimum essential medium(Eagle の最小必須培養液) ELISA enzyme-linked immunosorbent assay(酵素固定化免疫測定) EMS ethyl methanesulfonate(エチルメタンスルホン酸)
GLP good laboratory practice(医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準)
hr hour(時間)
h-PTH(1-34) human-parathyroid hormone (1-34)[ヒト副甲状腺ホルモン(1-34)] im intramuscular(筋肉内投与)
ip intraperitoneal(腹腔内投与)
IRMA immunoradiometric assay(イムノラジオメトリックアッセイ) iv intravenous(静脈内投与)
min minutes(分)
pH power of H+(水素指数)
po per os(経口投与)
PTH parathyroid hormone(副甲状腺ホルモン)
PTH(1-34) parathyroid hormone 1-34 fragment(副甲状腺ホルモン 1-34 フラグメント) sc subcutaneous(皮下投与)
SD Sprague-Dawley(ラットの系統名) TK toxicokinetics(トキシコキネティクス)
2.6(3)項 略号一覧 (2)
略号 省略していない表現 本薬 2.6(3) 項において、テリパラチド酢酸塩を示す場合「本薬」と略した。 本薬の生物活性単位はテリパラチド酢酸塩の生物活性単位であり、比活性によって テリパラチド酢酸塩の質量表示に換算可能である。本薬の200 単位はテリパラチド 酢酸塩として60.6 μg、テリパラチドとして 56.5 μg に相当する。 なお、特記しない限りテリパラチドとしての重量で表記した。[2.6(3)-頁] 2.6.6 毒性試験の概要文 ... 1 2.6.6.1 まとめ ... 1 2.6.6.1.1 一般毒性試験のまとめ ... 4 2.6.6.1.1.1 イヌ単回投与毒性試験 ... 4 2.6.6.1.1.2 ラット反復投与毒性試験 ... 4 2.6.6.1.1.3 イヌ反復投与毒性試験 ... 6 2.6.6.1.2 遺伝毒性試験のまとめ ... 7 2.6.6.1.3 がん原性試験のまとめ ... 8 2.6.6.1.3.1 ラットがん原性試験 ... 8 2.6.6.1.3.2 ラット追加がん原性試験 ... 8 2.6.6.1.3.3 がん原性試験の総括 ... 10 2.6.6.1.4 その他の毒性試験のまとめ ... 10 2.6.6.1.4.1 毒性発現の機序に関する試験 ... 10 2.6.6.1.4.2 その他の試験 ... 11 2.6.6.2 単回投与毒性試験... 11 2.6.6.2.1 イヌ単回投与毒性試験 ... 11 2.6.6.3 反復投与毒性試験... 12 2.6.6.3.1 ラット 3 ヵ月毒性試験 ... 12 2.6.6.3.2 ラット 12 ヵ月毒性試験 ... 13 2.6.6.3.3 イヌ 3 ヵ月毒性試験 ... 15 2.6.6.3.4 イヌ 12 ヵ月毒性試験 ... 16 2.6.6.3.5 イヌ 9 ヵ月毒性試験:連日投与時および週 1 回投与時の毒性比較試験 ... 18 2.6.6.4 遺伝毒性試験 ... 20 2.6.6.4.1 ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験 ... 20 2.6.6.4.2 ほ乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験 ... 20 2.6.6.4.3 ラットを用いた小核試験 ... 20 2.6.6.5 がん原性試験 ... 21 2.6.6.5.1 ラットがん原性本試験 ... 21 2.6.6.5.2 ラットがん原性本試験のレトロ TK 試験 ... 23 2.6.6.5.3 ラット追加がん原性試験-1 ... 23 2.6.6.5.4 ラット追加がん原性試験-2 ... 24 2.6.6.5.5 ラット追加がん原性試験-3 ... 25 2.6.6.6 生殖発生毒性試験... 26 2.6.6.7 局所刺激性試験 ... 26 2.6.6.8 その他の毒性試験... 26 2.6.6.8.1 毒性発現の機序に関する試験 ... 26 2.6.6.8.1.1 イヌにおける血清カルシウム経時推移の検討試験 ... 26 2.6.6.8.2 その他の試験 ... 27 2.6.6.8.2.1 イヌ 12 ヵ月毒性試験における骨の X 線写真観察 ... 27 2.6.6.8.2.2 サル骨粗鬆症モデルを用いた薬効薬理試験における骨の X 線写真観察 ... 27 2.6.6.9 考察および結論 ... 28 2.6.6.9.1 考察 ... 28 2.6.6.9.1.1 ラット反復投与毒性試験でみられた変化について ... 28
2.6.6.9.1.6 補足 ... 45 2.6.6.9.2 結論 ... 46 2.6.6.10 図表 ... 46 2.6.6.11 文献 ... 46 2.6.7 毒性試験の概要表 ... 49 2.6.7.1 毒性試験一覧表 ... 49 2.6.7.2 トキシコキネティクス(試験一覧) ... 50 2.6.7.3 トキシコキネティクス(試験成績一覧) ... 51 2.6.7.4 毒性試験(使用ロット) ... 53 2.6.7.5 単回投与毒性試験... 54 2.6.7.6 反復投与毒性試験(重要な試験以外の試験) ... 55 2.6.7.7 反復投与毒性試験... 58 2.6.7.8 In Vitro 遺伝毒性試験 ... 99 2.6.7.9 In Vivo 遺伝毒性試験 ... 103 2.6.7.10 がん原性試験 ... 104 2.6.7.11 生殖発生毒性試験(重要な試験以外の試験) ... 142 2.6.7.12 生殖発生毒性試験 − 受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験 ... 142 2.6.7.13 生殖発生毒性試験 − 胚・胎児発生に関する試験 ... 142 2.6.7.14 生殖発生毒性試験 − 出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験 ... 142 2.6.7.15 新生児を用いた試験 ... 142 2.6.7.16 局所刺激性試験... 142 2.6.7.17 その他の毒性試験 ... 143
2.6.6 毒性試験の概要文 2.6.6.1 まとめ テリパラチド酢酸塩(以下、本薬)は、昭和62 年に副甲状腺機能低下症鑑別診断 (Ellsworth-Howard 試験)の体内診断薬として承認されている。 既承認時資料に以下の試験を追加した。 一般毒性試験として、臨床投与経路である皮下投与によるイヌ単回投与毒性試験、ラットお よびイヌ反復投与毒性試験を実施した。遺伝毒性試験として、ほ乳類培養細胞を用いた染色体 異常試験、ほ乳類培養細胞を用いた遺伝子突然変異試験およびラット小核試験を実施した。が ん原性試験として、ラットがん原性試験(IRMA 法による TK 試験を含む)を実施した。ラッ トがん原性試験の結果、骨肉腫発現が認められたことから、ラット追加がん原性試験を実施し、 [1] 無発がん量の再確認、[2] 投与時期(投与開始週齢)と骨肉腫発現リスクの関連および [3] 投与期間の短縮と骨肉腫発現リスクの関連について検討した。また、より定量感度の高いラッ ト血漿中本薬濃度測定法(ELISA 法)が確立されたことから、測定系を ELISA 法に変更して レトロスペクティブTK(以下、レトロ TK)試験を実施した。その他の毒性試験として、イヌ 血清カルシウム濃度推移の検討試験、イヌ12 ヵ月毒性試験およびサル骨粗鬆症モデルを用い た薬効薬理試験における骨のX 線写真観察を実施した。用量設定試験以外の全ての毒性試験は GLP を遵守して実施した。一般毒性試験の成績を表 2.6.6-1、遺伝毒性試験の成績を表 2.6.6-2 を、がん原性試験の成績を表 2.6.6-3、その他の毒性試験の成績を表 2.6.6-4 に示した。また、 既承認時の毒性試験の成績を表 2.6.6-5 に記載した。以下、本文中における投与量または処置 濃度はテリパラチドとして表示した。また、TK における血漿中薬物濃度はテリパラチド酢酸 塩として表示した。 表 2.6.6-1 新規実施毒性試験成績のまとめ:一般毒性試験(GLP 適用試験) 試験の種類 試験系 投与経路、 期間、頻度 投与量 (単位/kg/日) 成績あるいは 無毒性量 (単位/kg/日) 一 般 毒 性 単回投与 イヌ 雄 皮下、単回 500、1,000、2,000 概略の致死量 >2,000 反復投与 ラット 雌雄 皮下、3 ヵ月間、 連日 0、3.2、16、80、400 16 皮下、12 ヵ月間、 連日 0、3.2、16、80 3.2 イヌ雌雄 皮下、3 ヵ月間、 連日 0、2.5、10、40 2.5 皮下、12 ヵ月間、 連日 0、0.6、2.5、10 2.5
表 2.6.6-2 新規実施毒性試験成績のまとめ:遺伝毒性試験(GLP 適用試験) 試験の種類 試験系 処置 投与量または処置濃度 成績 遺 伝 毒 性 染色体異常 チャイニーズ ハムスター 由来Don D-6 直接法および 代謝活性化法 0、50、500、5,000 (ng/mL) a) 陰性 遺伝子 突然変異 マウス由来 L5178Y tk+/− 直接法および 代謝活性化法 0、50、500、5,000 (ng/mL) a) 陰性 小核 (TK 含む) ラット 雄 皮下、単回 0、500、1,000、2,000(単位/kg) 陰性 500 単位は 141.2 μg、1,000 単位は 282.4 μg、2,000 単位は 564.9 μg に相当する a) テリパラチド酢酸塩として表示:テリパラチド酢酸塩の 50、500 および 5,000 ng は、それぞれ、 テリパラチドの46.6、466 および 4,660 ng に相当する 表 2.6.6-3 新規実施毒性試験成績のまとめ:がん原性試験(GLP 適用試験) 試験の種類 試験系 投与経路、 期間、頻度 投与量 (単位/kg/日) 成績あるいは 無発がん量 (単位/kg/日) が ん 原 性 本試験 (TK 含む) ラット 雌雄 皮下、2 年間、 連日または 週1 回 0、5.4、16、48(連日) 144(週 1 回) 16 レトロTK ラット 雌雄 皮下、3 ヵ月間、 連日 16、48 曝露を再確認 追加試験-1 ラット 雄 皮下、2 年間、 連日 0、5.4、16、48 16 追加試験-2 皮下、18 ヵ月間、 連日 0、48 投与開始週齢の 違いは、本薬の骨 肉腫発生頻度に は影響しない 追加試験-3 皮下、6 ヵ月間、 連日 0、48 発がん性なし 5.4 単位は 1.5 μg、16 単位は 4.5 μg、48 単位は 13.6 μg、144 単位は 40.7 μg に相当する
表 2.6.6-4 新規実施毒性試験成績のまとめ:その他の毒性試験(GLP 適用試験) 試験の種類 試験系 投与経路、 期間、頻度 投与量 (単位/kg/日) 成績 毒性発現の機序: 血清カルシウム 濃度推移 イヌ 雄 皮下、単回 0、2.5、10、40 血清カルシウム の一過性の増加 その他の試験: 骨X 線写真観察 イヌ 雌雄 皮下、12 ヵ月間、 連日 0、0.6、2.5、10 骨腫瘍なし サル 雌 皮下、18 ヵ月間、 週1 回 0、4、20 骨腫瘍なし 0.6 単位は 0.2 μg、2.5 単位は 0.7 μg、4 単位は 1.1 μg、10 単位は 2.8 μg、20 単位は 5.6 μg、40 単位 は11.3 μg に相当する 表 2.6.6-5 既承認時の毒性試験成績のまとめ 既承認時 資料番号 試験の種類 成績あるいは 無毒性量 (単位/kg/日) ニ-1 マウス、ラット急性毒性試験(iv、sc、im および po) 致死量>3,300 ニ-1 ラット1 ヵ月亜急性毒性試験 (iv) 33 ニ-2 マウス急性毒性試験 (iv) 致死量>330,000 ニ-3 幼若ラット急性毒性試験 (ip) 致死量>330,000 ニ-4 ラット妊娠前および妊娠初期投与試験 (iv) 親動物:200 次世代:200 ニ-5 ラット胎児器官形成期投与試験 (iv) 母動物:200 次世代:40 ニ-6 抗原性試験 陰性 ニ-7 ほ乳類培養細胞における染色体異常と姉妹染色分体交換試験 陰性 ニ-8 マウスにおける精子形態異常試験 陰性 ニ-9 細菌を用いる復帰変異試験 陰性 追加資料-1 a) ラット周産期および授乳期投与試験 (iv) 母動物:200 次世代:200 追加資料-2 a) ウサギ胎児器官形成期投与試験 (iv) 母動物:0.4 次世代:0.4 追加資料-3 b) ウサギ胎児器官形成期投与試験の追加試験 (iv) 0.4 単位は 0.1 μg、33 単位は 9.3 μg、40 単位は 11.3 μg、200 単位は 56.5 μg、3,300 単位は 932.0 μg、 330,000 単位は 93,203.9 μg に相当する a) 本薬は昭和 62 年 3 月 31 日付けで体内診断薬として承認されたが、承認時に実施中であった生殖
本薬の薬理作用に関連すると考えられる骨の変化、一般症状および臨床検査値の変動等の所 見のうち、毒性学的意義が低いと考えられたものは以下のまとめから省略し、それぞれの試験 に関する項目において記述した。 2.6.6.1.1 一般毒性試験のまとめ 2.6.6.1.1.1 イヌ単回投与毒性試験 1 群各 2 匹の雄ビーグルイヌ(約 8 ヵ月齢)に本薬の 141.2、282.4 および 564.9 μg/kg(500、 1,000 および 2,000 単位/kg)を単回皮下投与した。対照群は設置しなかった。 死亡例は認められなかった。投与翌日の検査では、BUN の増加が 141.2 μg/kg(500 単位/kg) 以上の群で、クレアチニンおよび白血球数の増加が564.9 μg/kg(2,000 単位/kg)群でみられた が、投与後13 日目の検査では、回復または回復傾向が認められた。投与後 14 日目の病理組織 学的検査では、尿細管の空胞変性および集合管の石灰沈着が141.2 μg/kg(500 単位/kg)以上の 群で、尿細管の変性、萎縮、好塩基性化、扁平化および石灰沈着が564.9 μg/kg(2,000 単位/kg) 群で認められた。 以上の結果より、本試験における概略の致死量は564.9 μg/kg(2,000 単位/kg)を超える量と 判断された。本薬の大量投与により腎障害が惹起されると考えられた。 2.6.6.1.1.2 ラット反復投与毒性試験 [1] ラット 3 ヵ月毒性試験 1 群雌雄各 10~16 匹の SD 系ラット(5.5~6 週齢)に本薬の 0.9、4.5、22.6 および 113.0 μg/kg (3.2、16、80 および 400 単位/kg)を 1 日 1 回 3 ヵ月間反復皮下投与した。対照群には溶 媒(生理食塩液)を同様に投与した。 本薬投与に起因する死亡例は認められなかった。血液学的検査では、赤血球数、ヘマト クリット、ヘモグロビンおよび血小板数の減少が22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雌雄 で、白血球数の減少が113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雄で認められた。骨髄検査では、赤 芽球系細胞合計比の増加(塩基好性および多染性赤芽球比の増加)およびリンパ球比の減 少が22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雌雄で、骨髄球系細胞総数/赤芽球系細胞総数比 の減少が22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雌で認められた。血液生化学的検査では、ア ルブミンの減少が113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雌雄で、A/G 比の減少が 22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雄および 113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雌で、蛋白分画におけるアル ブミン分画の減少が22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雄で、BUN の増加が 113.0 μg/kg (400 単位/kg)群の雄で、総蛋白の増加が 113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雄で、総蛋白の 減少が113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雌で認められた。113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雄 で腎臓重量の増加が認められた。剖検および病理組織学的検査では、いずれの投与群にお いても毒性変化は認められなかった。骨髄検査でみられた変化を除き、上記の変化は4 週 間の休薬により回復または回復傾向が認められた。本試験でみられた血清アルブミンの減 少、血清総蛋白の変動および腎臓重量の増加は、いずれも毒性学的には軽微な変化と考え られた。 以上の結果より、本試験における無毒性量は、血液学的検査値の変動を指標として
[2] ラット 12 ヵ月毒性試験 1 群雌雄各 12 匹の SD 系ラット(5~5.5 週齢)に本薬の 0.9、4.5 および 22.6 μg/kg(3.2、 16 および 80 単位/kg)を 1 日 1 回 12 ヵ月間反復皮下投与した。対照群には溶媒(生理食塩 液)を同様に投与した。 本薬投与に起因する死亡例は認められなかった。血液学的検査では、赤血球数および白 血球数の減少が4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雌雄で、ヘマトクリットならびにヘモグ ロビンの減少が4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雄および 22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌 で、血小板数の減少が22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌で認められた。骨髄検査では、赤芽 球系細胞合計比の増加(多染性赤芽球比の増加)およびリンパ球比の減少が4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雌で、前骨髄球比の増加が 22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌雄で、未熟 好酸球比の増加が22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌で認められた。血液生化学的検査では、 蛋白分画におけるアルブミン分画の減少が4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雄および 22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌で、A/G 比の減少が 22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌雄で、 総蛋白およびアルブミンの減少が22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌で認められた。剖検およ び病理組織学的検査では、いずれの投与群においても毒性変化は認められなかった。本試 験でみられた血清アルブミンおよび総蛋白の減少は、毒性学的には軽微な変化と考えられ た。 以上の結果より、本試験における無毒性量は、血液学的検査値の変動を指標として 0.9 μg/kg/日(3.2 単位/kg/日)と判断された。毒性に明らかな雌雄差はないと考えられた。 本試験では程度に若干の差はあるものの、ラット3 ヵ月毒性試験とほぼ同様な変化がみら れ、投与期間が3 ヵ月から 12 ヵ月に延長されたことによる新たな毒性発現は認められな かった。 [3] ラット反復投与毒性試験の総括 ラット3 ヵ月毒性試験では 22.6 μg/kg(80 単位/kg)群、12 ヵ月毒性試験では 4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群で本薬の骨形成作用に伴う骨髄腔減少に起因する二次的な変化である貧 血(赤血球数、ヘマトクリット、ヘモグロビン等の減少)が認められ、無毒性量は、それ ぞれ4.5 μg/kg/日(16 単位/kg/日)および 0.9 μg/kg/日(3.2 単位/kg/日)と判断された。ラッ ト12 ヵ月間連日投与における無毒性量[0.9 μg/kg/日(3.2 単位/kg/日)]は、臨床推奨用量 [1.1 μg/kg/日(4 単位/kg/日)、体重を 50 kg として換算)]を下回った。しかし、ラット でみられた貧血は、骨形成作用の過度な発現に起因するものであり、休薬による回復性が 認められた。臨床では週1 回の投与であること、連日投与に比べて週 1 回の投与では毒性 発現が軽減することが推定されることを考慮すると、ラットでみられた毒性変化が本薬の 臨床使用時に発現する可能性は低いと考えられた。なお、ヒトに臨床推奨用量を投与した 際には貧血に至るほどの骨形成は起こりがたいとする推論は、臨床試験における72 週間投 与後の腰椎骨密度増加率は7%程度であったことに対し、ラットに貧血に至る骨肥厚を誘発 する4.5 および 13.6 μg/kg(16 および 48 単位/kg)を 2 年間連日投与した際の大腿骨の骨密
2.6.6.1.1.3 イヌ反復投与毒性試験 [1] イヌ 3 ヵ月毒性試験 1 群雌雄各 3~5 匹のビーグルイヌ(7.5~8.5 ヵ月齢)に本薬の 0.7、2.8 および 11.3 μg/kg (2.5、10 および 40 単位/kg)を 1 日 1 回 3 ヵ月間反復皮下投与した。対照群には溶媒(生 理食塩液)を同様に投与した。 本薬投与の影響により、11.3 μg/kg(40 単位/kg)群では死亡/切迫屠殺例が認められた。 すなわち、一般状態の悪化に伴い11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雄 1 例が投与 72 日目に死亡 し、また、11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌 2 例を投与 50 および 72 日目にそれぞれ切迫屠 殺した。一般状態の観察において、死亡例では横臥、腹臥、立位不能および不活発が、投 与50 日目切迫屠殺例では不活発、立位不能および呼吸困難が、投与 72 日目切迫屠殺例で は不活発が、それぞれ認められた。11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雄で体重増加抑制傾向、 雌で体重減少傾向が認められた。11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌雄で摂餌量の減少が認め られた。血液生化学的検査では、BUN の増加が 2.8 μg/kg(10 単位/kg)以上の群の雄およ び11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌で、クレアチニンの増加が 11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の 雌雄で認められた。11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌雄で腎臓重量の増加が認められた。剖 検では、甲状腺の白色巣が2.8 μg/kg(10 単位/kg)以上の群の雄および 11.3 μg/kg(40 単位 /kg)群の雌で、腎臓の白色巣が 11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌雄で、心臓の白色巣が 11.3 μg/kg (40 単位/kg)群の雄で、消化管の白色巣が 11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌で認められた。 病理組織学的検査では、腎臓における炎症性細胞浸潤、尿細管腔の拡張および尿細管の萎 縮が2.8 μg/kg(10 単位/kg)以上の群の雌雄で、尿細管の変性/壊死、好塩基性化および石 灰沈着ならびに心臓、胃および胸腺の石灰沈着が11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌雄で、脾 臓の石灰沈着が11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雄で、十二指腸、空・回腸、甲状腺、肺、脳 脈絡叢および胸大動脈の石灰沈着が11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌で認められた。上記の 変化は4 週間の休薬により回復または回復傾向が認められた。 以上の結果より、本試験における無毒性量は腎障害が認められない0.7 μg/kg/日(2.5 単 位/kg/日)と判断された。毒性に明らかな雌雄差はないと考えられた。 [2] イヌ 12 ヵ月毒性試験 1 群雌雄各 4 匹のビーグルイヌ(6~7 ヵ月齢)に本薬の 0.2、0.7 および 2.8 μg/kg(0.6、 2.5 および 10 単位/kg)を 1 日 1 回 12 ヵ月間反復皮下投与した。対照群には溶媒(生理食 塩液)を同様に投与した。 死亡例は認められなかった。血液生化学的検査では、BUN およびクレアチニンの増加が 2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雄で認められた。尿検査では、尿蛋白およびカリウム排泄量の 増加が2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雌雄で、ナトリウム排泄量の増加が 2.8 μg/kg(10 単位/kg) 群の雌で認められた。剖検では、腎臓の表面多結節状および表面に散在性の嚢胞が2.8 μg/kg (10 単位/kg)群の雄で、腎臓表面の不整な陥凹が 2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雌で認めら れた。病理組織学的検査では、腎臓における間質の線維化、尿細管の萎縮、尿細管腔の拡 張および炎症性細胞あるいはリンパ球系細胞の間質への浸潤が2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の 雌雄で認められた。 以上の結果より、本試験における無毒性量は腎障害が認められない0.7 μg/kg/日(2.5 単
干の差はあるものの、イヌ3 ヵ月毒性試験とほぼ同様な変化がみられ、投与期間が 3 ヵ月 から12 ヵ月に延長されたことによる新たな毒性発現は認められなかった。 [3] イヌ 9 ヵ月毒性試験:連日投与時および週 1 回投与時の毒性比較試験 連日投与群では、本薬の0.7 および 2.8 μg/kg(2.5 および 10 単位/kg)を 1 群雌雄各 3 匹 のビーグルイヌ(7~8 ヵ月齢)に 1 日 1 回 9 ヵ月間反復皮下投与した。週 1 回投与群では、 本薬の1.2、4.9 および 19.8 μg/kg(4.4、17.5 および 70 単位/kg)を 1 群雌雄各 3~5 匹のビー グルイヌに1 週間に 1 回 9 ヵ月間反復皮下投与した。対照群には溶媒(生理食塩液)を 1 日1 回投与した。 TK 試験では、CmaxおよびAUC0-4hは個体差がみられるものの投与量の増加に伴い増加し た。いずれの投与群においてもCmaxおよびAUC0-4hに顕著な雌雄差は認められなかった。 抗体価の上昇は認められなかった。 死亡例は認められなかった。2.8 μg/kg(10 単位/kg)(連日)群の雄 3 例中 1 例で体重お よび摂餌量の減少がみられ、一般状態の観察では排便少量/無便および削痩が認められた が、これらの変化は投与期間中に回復した。血液生化学的検査では、BUN の増加が 2.8 μg/kg (10 単位/kg)(連日)群の雄で認められた。尿検査では、ナトリウム排泄量の増加が2.8 μg/kg (10 単位/kg)(連日)群の雄および 19.8 μg/kg(70 単位/kg)(週 1 回)群の雌で認められ た。病理組織学的検査では、尿細管腔の拡張が2.8 μg/kg(10 単位/kg)(連日)群の雌雄お よび19.8 μg/kg(70 単位/kg)(週 1 回)群の雌で、尿細管の再生が 2.8 μg/kg(10 単位/kg) (連日)群の雌雄で、腎臓の間質の線維化が2.8 μg/kg(10 単位/kg)(連日)群の雄で認め られた。19.8 μg/kg(70 単位/kg)(週 1 回)群の腎臓でみられた変化は 4 週間の休薬によ り回復傾向が認められた。週1 回投与群の雄では腎障害はみられなかったが、連日投与群 では雌雄共に腎障害がみられていることから、本薬の毒性に明らかな雌雄差はないと考え られた。 以上の結果より、本薬の毒性は連日投与に比べ週1 回の投与では軽減し、本試験におけ る無毒性量は、連日投与では雌雄とも0.7 μg/kg/日(2.5 単位/kg/日)、週 1 回の投与では雄 で19.8 μg/kg/日(70 単位/kg/日)、雌で 4.9 μg/kg/日(17.5 単位/kg/日)と判断された。 [4] イヌ反復投与毒性試験の総括 イヌにおける本薬の毒性学的標的器官は腎臓であった。イヌでみられた毒性変化(腎障 害)は休薬による回復性が認められた。イヌ反復投与毒性試験において得られた連日投与 による無毒性量[0.7 μg/kg/日(2.5 単位/kg/日)]は、臨床推奨用量[1.1 μg/kg/日(4 単位 /kg/日)、体重を 50 kg として換算]を下回った。しかし、週 1 回の投与による無毒性量[雌: 4.9 μg/kg/日(17.5 単位/kg/日)]における曝露量(CmaxおよびAUC0-4h)と臨床推奨用量に
おける曝露量(CmaxおよびAUClast)を比較すると、Cmaxで2.9~3.6 倍、AUC で 2.3~3.2
倍の安全域が認められた。臨床では週1 回の投与であることを考慮した場合、イヌでみら
ラットを用いた皮下投与による小核試験[141.2、282.4 および 564.9 μg/kg(500、1,000 およ び2,000 単位/kg)]において、本薬は小核を誘発しなかった。 2.6.6.1.3 がん原性試験のまとめ 2.6.6.1.3.1 ラットがん原性試験 [1] ラットがん原性本試験 1 群雌雄各 55 匹の SD 系ラット(5 週齢)に本薬の 1.5、4.5 および 13.6 μg/kg(5.4、16 および48 単位/kg)を 1 日 1 回、40.7 μg/kg(144 単位/kg)を 1 週間に 1 回、それぞれ 2 年 間反復皮下投与した。対照群には溶媒(生理食塩液)を1 日 1 回、同様に投与した。 本薬の血漿中濃度(IRMA 法)は、全ての投与群において雌雄とも投与後 15 分に Cmax に達した。CmaxおよびAUC0-4hは、雌雄とも用量の増加に伴い増加した。投与13 週および 52 週における CmaxおよびAUC0-4hは、初回投与時と比較して増加した。投与13 週と 52 週
のCmaxおよびAUC0-4hは、ほぼ同程度であった。雄のAUC0-4hは雌よりも高い傾向が認め
られた。抗体価の上昇は認められなかった。 病理組織学的検査において、骨肉腫が連日投与の1.5 μg/kg(5.4 単位/kg)群の雄 1 例、 13.6 μg/kg(48 単位/kg)群の雄 9 例および雌 2 例に、骨芽細胞腫(良性)が 13.6 μg/kg(48 単位/kg)群の雌雄各 1 例に認められた。骨肉腫の発現部位は、脛骨、大腿骨、頸椎、胸椎、 腰椎、肋骨または肩甲骨であり、13.6 μg/kg(48 単位/kg)群の雄 4 例では複数の骨に認め られた。13.6 μg/kg(48 単位/kg)群の雄 6 例では骨肉腫の浸潤あるいは転移が、骨格筋、 脊髄、肺、腎臓、脾臓、副腎、胸腺または膵臓に認められた。雄の1.5 μg/kg(5.4 単位/kg) 群の1 例でみられた骨肉腫については、本試験で用いた系統のラットでは骨肉腫の自然発 生例が報告されていること、4.5 μg/kg(16 単位/kg)群では雌雄とも骨肉腫が認められなかっ たことから自然発生と考えられた。週1 回投与の 40.7 μg/kg(144 単位/kg)群では骨腫瘍は 認められなかった。 以上の結果より、本試験における発がん量は雌雄とも13.6 μg/kg/日(48 単位/kg/日)(連 日投与)、無発がん量は雌雄とも4.5 μg/kg/日(16 単位/kg/日)(連日投与)と判断された。 [2] ラットがん原性本試験のレトロ TK 試験 ラットがん原性本試験におけるTK 試験は IRMA 法にて実施したが、その後、より定量 感度の高いラット血漿中本薬濃度測定法(ELISA 法)が確立されたことから、測定系を ELISA 法に変更してレトロ TK 試験を実施した。雌雄 SD 系ラット(5 週齢)に本薬の 4.5 μg/kg (16 単位/kg)(無発がん量)および 13.6 μg/kg(48 単位/kg)(発がん量)を 1 日 1 回 3 ヵ 月間反復皮下投与した。 本薬の血漿中濃度(ELISA 法)は、全ての投与群において雌雄とも投与後 15 分に Cmax
に達した。CmaxおよびAUCallは、雌雄とも用量の増加に伴い増加した。投与13 週における
CmaxおよびAUCallは、初回投与時と比較して増加した。いずれの投与群においてもCmaxお
よびAUCallに顕著な雌雄差は認められなかった。抗体価の上昇は認められなかった。
2.6.6.1.3.2 ラット追加がん原性試験
では、がん原性本試験で骨肉腫発現頻度の高かった雄ラットを用いて、[1] 無発がん量の再確 認、[2] 投与時期(投与開始週齢)と骨肉腫発現リスクの関連および [3] 投与期間の短縮と骨 肉腫発現リスクの関連について検討した。 [1] ラット追加がん原性試験-1 本試験は、無発がん量を再確認することを目的として実施した。1 群各 55 匹の雄 SD 系 ラット(4~5 週齢)に本薬の 1.5、4.5 および 13.6 μg/kg(5.4、16 および 48 単位/kg)を 1 日1 回 2 年間反復皮下投与した。対照群には溶媒(生理食塩液)を同様に投与した。 1.5 μg/kg(5.4 単位/kg)群では骨肉腫は認められなかった。4.5 μg/kg(16 単位/kg)群で は脛骨において骨肉腫が1 例認められた。4.5 μg/kg(16 単位/kg)群の 1 例にみられた骨肉 腫は、本試験で用いた系統のラットでは骨肉腫の自然発生例が報告されていること、同時 並行して実施した追加がん原性試験-2 および追加がん原性試験-3 の溶媒対照群においても 骨肉腫が各1 例に認められたことから、自然発生と考えられた。13.6 μg/kg(48 単位/kg) 群では骨肉腫が9 例に認められた。骨肉腫の発現部位は、大腿骨、脛骨、腰椎、寛骨、恥 骨/坐骨、肋骨または胸椎であり、13.6 μg/kg(48 単位/kg)群の 1 例では複数の骨に認め られた。 以上の結果より、ラットにおける無発がん量は4.5 μg/kg/日(16 単位/kg/日)(連日投与) であることが再確認された。 [2] ラット追加がん原性試験-2 本試験は、投与時期(投与開始週齢)と骨肉腫発現リスクの関連を検討することを目的 として実施した。本薬の13.6 μg/kg(48 単位/kg)を 55 匹の雄 SD 系ラットに 4 または 5 週 齢から1 日 1 回 18 ヵ月間反復皮下投与し、6 ヵ月間休薬後に剖検した。また、本薬の 13.6 μg/kg(48 単位/kg)を 55 匹の雄 SD 系ラットに 30 または 31 週齢から 1 日 1 回 18 ヵ月 間反復皮下投与後に剖検した。対照群には溶媒(生理食塩液)を同様に投与した。 本薬の13.6 μg/kg(48 単位/kg)を 4 または 5 週齢から投与した群では 4 例で、30 または 31 週齢から投与した群では 3 例で、それぞれ、脛骨、大腿骨または腰椎において骨肉腫が 認められた。上記の2 群間で骨肉腫の発現頻度に差は認められなかった。溶媒対照群では、 頭蓋骨において骨肉腫が1 例認められた。 以上の結果より、投与開始時の週齢が異なっても骨肉腫の発現頻度は同等であったこと から、若齢時に本薬投与を開始しても骨肉腫発現リスクが増大するものではないと考えら れた。 [3] ラット追加がん原性試験-3 本試験は、本薬の投与期間の短縮が骨肉腫発現リスクを軽減するかどうかを検討するこ とを目的として実施した。本薬の13.6 μg/kg(48 単位/kg)を 55 匹の雄 SD 系ラット(4~5 週齢)に1 日 1 回 6 ヵ月間反復皮下投与し、18 ヵ月間休薬後に剖検した。対照群には溶媒 (生理食塩液)を同様に投与した。 本薬投与群では骨肉腫は認められなかった。なお、溶媒対照群では上腕骨において骨肉
2.6.6.1.3.3 がん原性試験の総括
本薬は、実施した全ての遺伝毒性試験において陰性であり、遺伝毒性物質ではないことから、 本薬投与による骨肉腫発現には閾値(安全域)が存在すると考えられた。安全域の算出に当たっ
ては、骨肉腫が認められたラットの用法(連日投与)と臨床用法(週1 回投与)が異なること
から、1 週間当たりの曝露量を比較した。ラットに無発がん量[4.5 μg/kg/日(16 単位/kg/日)] を投与した際の1 週間当たりの AUCall(ELISA 法、1 日当たりの AUCallの7 倍)は、臨床推奨
用量[56.5 μg(200 単位)]投与時のヒト AUClastの3.9~11.6 倍であった。 ラットがん原性試験において13.6 μg/kg/日(48 単位/kg/日)では、2 年間(ラットの平均寿 命の約80%)の連日投与で骨肉腫がみられたものの、6 ヵ月間(ラットの平均寿命の約 20%) の連日投与では骨肉腫は認められなかったことから、投与期間の短縮により骨肉腫の発現リス クは低下することが確認された。 ラットがん原性試験で骨肉腫が発現した原因は、大量の本薬[13.6 μg/kg/日(48 単位/kg/日)] を2 年間にわたり連日投与したためと考えられた。加えて、ラットでは骨の生理(骨のリモデ リングおよび骨格の成長期間)がヒトと異なっていることも要因の一つと考えられた。 以上のことから、ラットがん原性試験でみられた骨肉腫は、投与量や投与期間が増加すると 共に発現リスクが増大するものの、本薬の臨床推奨用法用量[56.5 μg(200 単位)、週 1 回、 72 週間]での臨床使用時に骨肉腫が発現する可能性は低いと考えられた。 2.6.6.1.4 その他の毒性試験のまとめ 2.6.6.1.4.1 毒性発現の機序に関する試験 [1] イヌにおける血清カルシウム経時推移の検討試験 溶媒(生理食塩液)ならびに本薬の0.7、2.8 および 11.3 μg/kg(2.5、10 および 40 単位/kg) を4 匹の雄ビーグルイヌ(12~13 ヵ月齢)に 2 週間間隔でラテン方格(同一イヌに 4 回に わたり、4 種類の投与量が重複しないように投与する方法)により単回皮下投与し、経時 的に血清カルシウム濃度を測定した。 0.7 および 2.8 μg/kg(2.5 および 10 単位/kg)の投与では、投与後 2 時間から血清カルシ ウム濃度の増加がみられ、いずれも投与後6 時間に最高濃度となり、投与後 24 時間には投 与前の値ならびに溶媒投与時の値と同等となった。11.3 μg/kg(40 単位/kg)投与では、投 与後4 時間から血清カルシウム濃度の増加がみられ、投与後 12 時間に最高濃度となり、投 与後24 時間には投与前の値ならびに溶媒投与時の値と同等となった。0.7 μg/kg(2.5 単位/kg) 投与時と2.8 μg/kg(10 単位/kg)投与時を比較した場合、血清カルシウム濃度、血清カルシ ウム濃度の増加率およびそれらの推移に顕著な差は認められなかった。一方、11.3 μg/kg(40 単位/kg)投与時の投与後 6、8 および 12 時間の血清カルシウム濃度の増加率は、2.8 μg/kg (10 単位/kg)を投与した場合の 1.1、1.4 および 2.1 倍を示した。また、11.3 μg/kg(40 単 位/kg)投与では高濃度の持続時間が延長した。以上のことから、本薬の薬理作用と考えら れる血清カルシウムの増加が0.7、2.8 および 11.3 μg/kg(2.5、10 および 40 単位/kg)のい ずれの用量でもみられ、増加率および増加時間と用量との関連が確認された。
2.6.6.1.4.2 その他の試験 [1] イヌ 12 ヵ月毒性試験における骨の X 線写真観察 イヌ12 ヵ月毒性試験で得られた全動物の左右大腿骨および腰椎の X 線写真を撮影し、 骨腫瘍の有無を確認した結果、骨腫瘍は認められなかった。 [2] サル骨粗鬆症モデルを用いた薬効薬理試験における骨の X 線写真観察 卵巣摘除した骨粗鬆症モデルのカニクイザルに本薬の1.1 および 5.6 μg/kg(4 および 20 単位/kg)を週 1 回 18 ヵ月間反復皮下投与した薬効薬理試験で得られた脛骨、腰椎、橈骨 および胸骨のX 線写真を撮影して骨腫瘍の有無を確認すると共に、X 線写真で骨の肥厚が みられた個体について病理組織学的検査を実施した。その結果、骨腫瘍は認められなかっ た。 2.6.6.2 単回投与毒性試験 2.6.6.2.1 イヌ単回投与毒性試験 添付資料番号 4.2.3.1-1 本試験の群構成は、臨床推奨用量[1.1 μg/kg/日(4 単位/kg/日)、体重を 50 kg として換算] の500 倍に相当する 564.9 μg/kg(2,000 単位/kg)を高用量とし、以下、公比 2 で 282.4 および 141.2 μg/kg(1,000 および 500 単位/kg)群を設け、計 3 群とした。対照群は設置しなかった。1 群各2 匹の雄ビーグルイヌ(約 8 ヵ月齢)に生理食塩液に溶解した本薬を単回皮下投与した。 動物は投与後14 日目まで観察し、屠殺剖検した。 成績を毒性試験の概要表2.6.7.5 に示した。 死亡例は認められなかった。一般状態の観察では、皮膚の発赤が全例に認められた。この発 赤は、本薬の血管拡張作用に基づくものと考えられた。体重および摂餌量に影響は認められな かった。 投与翌日の血液学的検査では、分節核好中球の増加による白血球数の増加が564.9 μg/kg (2,000 単位/kg)群で認められたが、投与部位に変化はみられず、その発現機序については明 らかでなかった。投与翌日の血液生化学的検査では、BUN の増加が 141.2 μg/kg(500 単位/kg) 以上の群で、クレアチニンの増加が564.9 μg/kg(2,000 単位/kg)群でみられ、腎障害を示唆す る毒性変化と考えられた。また、投与翌日の血液生化学的検査では、カルシウム、リンおよび ALP の増加が 564.9 μg/kg(2,000 単位/kg)群で、投与翌日の尿検査では、尿量の増加、浸透圧 の減少およびカルシウムならびにナトリウム排泄量の増加が141.2 μg/kg(500 単位/kg)以上の 群で、リン、カリウムおよびクロール排泄量の増加が564.9 μg/kg(2,000 単位/kg)群で認めら れた。投与翌日の各検査でみられた上記の変化は、投与後12 あるいは 13 日目の検査において 回復または回復傾向が認められた。 剖検では、異常は認められなかった。腎臓の病理組織学的検査では、尿細管の空胞変性およ び集合管の石灰沈着が141.2 μg/kg(500 単位/kg)以上の群で、尿細管の変性、萎縮、好塩基性
2.6.6.3 反復投与毒性試験 2.6.6.3.1 ラット 3 ヵ月毒性試験 添付資料番号 4.2.3.2-1 本試験の群構成は、臨床推奨用量[1.1 μg/kg/日(4 単位/kg/日)、体重を 50 kg として換算] の100 倍に相当する 113.0 μg/kg(400 単位/kg)を高用量とし、以下、公比 5 で 22.6、4.5 およ び0.9 μg/kg(80、16 および 3.2 単位/kg)群を設け、溶媒対照群を加えて計 5 群とした。0.9、 4.5 および 22.6 μg/kg(3.2、16 および 80 単位/kg)群については 1 群雌雄各 10 匹、113.0 μg/kg (400 単位/kg)群については雌雄各 16 匹の SD 系ラット(5.5~6 週齢)に生理食塩液に溶解し た本薬を1 日 1 回 3 ヵ月間反復皮下投与した。溶媒対照群の雌雄各 16 匹には生理食塩液を同 様に投与した。溶媒対照群と113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の 1 群雌雄各 6 匹については 4 週間 の休薬による回復性も検討した。 成績を毒性試験の概要表2.6.7.7 A に示した。 一般状態の観察では、投与後に一過性の耳介および四肢の発赤が4.5 μg/kg(16 単位/kg)以 上の群の雄ならびに22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雌で認められた。この発赤は、本薬の 血管拡張作用に基づくものと考えられた。 本薬投与に起因する死亡例は認められなかった。113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雄 1 例が投 与59 日目に死亡したが、耳介および四肢の発赤以外の一般状態の異常は認められず、また、 体重、摂餌量および摂水量の推移にも異常はみられず、病理組織学的検査においても死因を推 定するに足る所見は得られなかったことから、本薬投与とは無関係と考えられた(2.6.6.9.1.1 項 [3] (1) )。 体重の増加傾向が113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雌雄で、摂餌量の増加が 113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雄および 22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雌で、摂水量の増加が 113.0 μg/kg (400 単位/kg)群の雌雄で認められた。本試験でみられた体重および摂餌量の増加は、生理的 変動範囲内の変化と考えられた。摂水量の増加は、本薬の利尿作用に基づくものと考えられた。 眼科学的検査では、本薬投与の影響は認められなかった。 血液学的検査では、赤血球数、ヘマトクリット、ヘモグロビンおよび血小板数の減少が 22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雌雄で、白血球数の減少が 113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の 雄で認められた。これらは、本薬の骨形成作用に伴う骨髄腔減少に起因する二次的な変化と考 えられたが、その変化の程度[赤血球数:対照群の値に比べて22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雄 で0.89 倍、雌で 0.87 倍、113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雄で 0.75 倍、雌で 0.82 倍]を踏まえ て毒性変化と判断された。また、末梢血での貧血(赤血球数、ヘマトクリット、ヘモグロビン 等の減少)に対する反応性変化と考えられる網状赤血球の増加が113.0 μg/kg(400 単位/kg)群 の雄および22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雌で認められた。なお、4.5 μg/kg(16 単位/kg) 群の雌でヘモグロビンの統計学的に有意な減少がみられたが、わずかな変化(対照群の値の 0.97 倍)であること、4.5 μg/kg(16 単位/kg)群では赤血球数、ヘマトクリットおよび網状赤 血球に影響が認められていないことから、毒性として重視すべき所見ではないと考えられた。 骨髄検査では、赤芽球系細胞合計比の増加(塩基好性および多染性赤芽球比の増加)および リンパ球比の減少が22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雌雄で、骨髄球系細胞総数/赤芽球系 細胞総数比の減少が22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雌で認められた。
雄で、A/G 比の減少が 22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雄および 113.0 μg/kg(400 単位/kg) 群の雌で、BUN の増加が 113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雄で、蛋白分画におけるアルブミン 分画の減少が22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雄で認められ、軽微な毒性変化と考えられた。 その他、ALP の増加が 4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雌で、リンの減少が 0.9 および 22.6 μg/kg (3.2 および 80 単位/kg)群の雄で、カルシウムの減少が 0.9 μg/kg(3.2 単位/kg)以上の群の雌 で認められた。これらは、本薬の薬理作用に関連する変化(2.6.6.9.1.1 項 [2] )と考えられた。 なお、ナトリウムの減少(対照群の値の0.99 倍)が 22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雄お よび113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雌で、クロールの減少(対照群の値の 0.98~0.99 倍)が 4.5 および 113.0 μg/kg(16 および 400 単位/kg)群の雄でみられたが、わずかな変動であり、生 理的変動範囲内の変化と考えられた。 尿検査では、尿量の増加傾向が0.9 μg/kg(3.2 単位/kg)以上の群の雄および 4.5 μg/kg(16 単 位/kg)以上の群の雌で認められた。これは本薬の利尿作用に基づく変化と考えられた。また、 カルシウム排泄量の増加が113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雄で認められた。これは、本薬の薬 理作用に関連する変化(2.6.6.9.1.1 項 [2] )と考えられた。なお、ナトリウム排泄量の増加(対 照群の値の1.2~1.3 倍)が 0.9 μg/kg(3.2 単位/kg)以上の群の雄および 113.0 μg/kg(400 単位 /kg)群の雌で、カリウム排泄量の増加(対照群の値の 1.3 倍)が 113.0 μg/kg(400 単位/kg)群 の雌でみられたが、わずかな変動であり、生理的変動範囲内の変化と考えられた。 器官重量では、113.0 μg/kg(400 単位/kg)群の雄で腎臓絶対および相対重量の増加が認めら れた。また、末梢血での貧血に対する反応性変化と考えられる脾臓重量の増加が113.0 μg/kg (400 単位/kg)群の雌雄で認められた。 剖検では、いずれの投与群においても毒性変化は認められなかった。 病理組織学的検査では、いずれの投与群においても毒性変化は認められなかったが、本薬の 骨形成作用に関連する変化として、腰椎(骨髄を含む)における骨梁肥厚、骨髄腔減少および 骨髄脂肪減少が22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雄および 4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群 の雌で、骨芽細胞活性化が22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雄で認められた。また、末梢血 での貧血あるいは貧血傾向に対する反応性変化と考えられる脾臓における髄外造血亢進が 4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雄および 22.6 μg/kg(80 単位/kg)以上の群の雌で認められ た。なお、投与部位における組織学的変化については、溶媒対照群と本薬投与群に差は認めら れず、本薬の刺激性は示されなかった。 骨髄検査でみられた変化を除き、上記の変化は4 週間の休薬により回復または回復傾向が認 められた。 以上の結果より、本試験における無毒性量は、血液学的検査値の変動を指標として4.5 μg/kg/ 日(16 単位/kg/日)と判断された。毒性に明らかな雌雄差はないと考えられた。 2.6.6.3.2 ラット 12 ヵ月毒性試験 添付資料番号 4.2.3.2-2
成績を毒性試験の概要表2.6.7.7 B に示した。 一般状態の観察では、投与後に一過性の耳介および四肢の発赤が4.5 μg/kg(16 単位/kg)以 上の群の雌雄で認められた。この発赤は、本薬の血管拡張作用に基づくものと考えられた。 本薬投与に起因する死亡/切迫屠殺例は認められなかった。著しい体重減少がみられた対照 群および0.9 μg/kg(3.2 単位/kg)群の雄各 1 例を投与 301 日目に切迫屠殺した。いずれの切迫 屠殺例も病理組織学的には著しい体重減少の原因を推定するに足る所見は認められず、偶発例 と考えられた(2.6.6.9.1.1 項 [3] (2) )。また、4.5 μg/kg(16 単位/kg)群(中間用量群)の雄 1 例が、わずかな体重減少、自発運動抑制および衰弱を呈した後、投与 266 日目に死亡した。 その剖検では、腎臓の表面顆粒状、腎臓の嚢胞、脾臓の腫大および胸腺の萎縮が認められた。 病理組織学的検査では、全身の器官・組織に変性、壊死および石灰沈着が認められ、これが死 因と考えられた。同群の生存例、22.6 μg/kg(80 単位/kg)群(高用量群)の全例およびラット 3 ヵ月毒性試験(2.6.6.3.1 項)において、このような変化は認められなかったことから、本薬 投与とは無関係と考えられた(2.6.6.9.1.1 項 [3] (2) )。 死亡/切迫屠殺例以外の個体では、体重および摂餌量に明らかな変化は認められなかった。 22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雄で摂水量の増加が認められた。摂水量の増加は、本薬の利尿作 用に基づくものと考えられた。 眼科学的検査では、本薬投与の影響は認められなかった。 血液学的検査では、赤血球数の減少が4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雌雄で、ヘマトク リットならびにヘモグロビンの減少が4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雄および 22.6 μg/kg (80 単位/kg)群の雌で、血小板数の減少が 22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌で、白血球数の減 少が4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雌雄で認められた。これらは、本薬の骨形成作用に伴 う骨髄腔減少に起因する二次的な変化と考えられたが、その変化の程度[赤血球数:対照群の 値に比べて4.5 μg/kg(16 単位/kg)群の雄で 0.93 倍、雌で 0.95 倍、22.6 μg/kg(80 単位/kg)群 の雄で0.84 倍、雌で 0.86 倍]を踏まえて毒性変化と判断された。また、末梢血での貧血に対 する反応性変化と考えられる網状赤血球の増加が22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌雄で認められ た。 骨髄検査では、赤芽球系細胞合計比の増加(多染性赤芽球比の増加)およびリンパ球比の減 少が4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雌で、前骨髄球比の増加が 22.6 μg/kg(80 単位/kg)群 の雌雄で、未熟好酸球比の増加が22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌で認められた。 血液生化学的検査では、総蛋白およびアルブミンの減少が22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌で、 A/G 比の減少が 22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌雄で、蛋白分画におけるアルブミンの減少が 4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雄および 22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌で認められ、軽微 な毒性変化と考えられた。その他、ALP の増加が 22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雄で認められた。 これは、本薬の薬理作用に関連する変化(2.6.6.9.1.1 項 [2] )と考えられた。なお、ナトリウ ムの減少(対照群の値の0.98~0.99 倍)が 0.9 μg/kg(3.2 単位/kg)以上の群の雌で、ナトリウ ムの増加(対照群の値の1.01~1.03 倍)が 4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雄で、クロール の増加(対照群の値の1.02~1.03 倍)が 4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雄でみられたが、 わずかな変動であり、生理的変動範囲内の変化と考えられた。 尿検査では、尿量の増加および浸透圧の減少が22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雄で認められた。 これらは本薬の利尿作用に基づく変化と考えられた。なお、ナトリウムおよびカリウム排泄量
の増加(それぞれ、対照群の値の1.2 倍)が 22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雄でみられたが、わ ずかな変動であり、生理的変動範囲内の変化と考えられた。 器官重量では、末梢血での貧血(赤血球数、ヘマトクリットおよびヘモグロビン等の減少) に対する反応性変化と考えられる脾臓重量の増加が22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌雄で認めら れた。 剖検では、いずれの投与群においても毒性変化は認められなかった。 病理組織学的検査では、いずれの投与群においても毒性変化は認められなかったが、本薬の 骨形成作用に関連する変化として、腰椎(骨髄を含む)における骨梁肥厚、骨髄腔減少および 骨髄脂肪減少が4.5 μg/kg(16 単位/kg)以上の群の雌雄で認められた。また、末梢血での貧血 に対する反応性変化と考えられる脾臓における髄外造血亢進が22.6 μg/kg(80 単位/kg)群の雌 雄で認められた。なお、投与部位における組織学的変化については、溶媒対照群と本薬投与群 に差は認められず、本薬の刺激性は示されなかった。 以上の結果より、本試験における無毒性量は、血液学的検査値の変動を指標として0.9 μg/kg/ 日(3.2 単位/kg/日)と判断された。毒性に明らかな雌雄差はないと考えられた。本試験では程 度に若干の差はあるものの、ラット3 ヵ月毒性試験(2.6.6.3.1 項)とほぼ同様な変化がみられ、 投与期間が3 ヵ月から 12 ヵ月に延長されたことによる新たな毒性発現は認められなかった。 2.6.6.3.3 イヌ 3 ヵ月毒性試験 添付資料番号 4.2.3.2-3 本薬の7.1、28.2 および 113.0 μg/kg(25、100 および 400 単位/kg)を 1 群雌雄各 2 匹のビー グルイヌに1 日 1 回 2 週間反復皮下投与した予備試験(2.6.7.6 B 項)において、7.1 μg/kg(25 単位/kg)以上の群で腎障害(BUN およびクレアチニンの増加、尿細管の拡張、萎縮および石 灰沈着)、28.2 μg/kg(100 単位/kg)群で体重増加抑制傾向、113.0 μg/kg(400 単位/kg)群で死 亡/切迫屠殺例(投与6 日目に死亡:雄 1 例および雌 2 例、投与 8 日目に切迫屠殺:雄 1 例) がみられたことから、本試験の群構成は、7.1 μg/kg(25 単位/kg)と 28.2 μg/kg(100 単位/kg) のほぼ中間である11.3 μg/kg(40 単位/kg)を高用量とし、以下、公比 4 で 2.8 および 0.7 μg/kg (10 および 2.5 単位/kg)群を設け、溶媒対照群を加えて計 4 群とした。0.7 μg/kg(2.5 単位/kg) 群については雌雄各3 匹、2.8 および 11.3 μg/kg(10 および 40 単位/kg)群については 1 群雌雄 各5 匹のビーグルイヌ(7.5~8.5 ヵ月齢)に生理食塩液に溶解した本薬を 1 日 1 回 3 ヵ月間反 復皮下投与した。溶媒対照群の雌雄各5 匹には生理食塩液を同様に投与した。溶媒対照群と 2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の 1 群雌雄各 2 匹ならびに 11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雄 2 匹およ び雌1 匹については 4 週間の休薬による回復性も検討した。 成績を毒性試験の概要表2.6.7.7 C に示した。 一般状態の観察では、投与後に一過性の皮膚の発赤が0.7 μg/kg(2.5 単位/kg)以上の群の雌 雄で認められた。この発赤は、本薬の血管拡張作用に基づくものと考えられた。 11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雄で体重増加抑制傾向、雌で体重減少傾向が認められた。
位不能および呼吸困難が、投与72 日目の切迫屠殺例では不活発が、それぞれ認められた。死 亡/切迫屠殺例では残餌が頻繁にみられ、それに伴う体重減少が認められた。 体温、心拍数、心電図検査、眼科学的検査、血液学的検査および骨髄検査では、本薬投与の 影響は認められなかった。 血液生化学的検査では、BUN の増加が 2.8 μg/kg(10 単位/kg)以上の群の雄および 11.3 μg/kg (40 単位/kg)群の雌で、クレアチニンの増加が 11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌雄で認められ、 腎障害を示唆する毒性変化と考えられた。その他、ALP の増加およびリンの減少または減少傾 向が0.7 μg/kg(2.5 単位/kg)以上の群の雌雄で認められた。これらは、本薬の薬理作用に関連 する変化(2.6.6.9.1.2 項 [2] )と考えられた。なお、クロールの減少(対照群の値の 0.96 倍) が11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌でみられたが、わずかな変動であり、生理的変動範囲内の変 化と考えられた。 尿検査では、尿量の増加または増加傾向および浸透圧の減少が0.7 μg/kg(2.5 単位/kg)以上 の群の雌雄で認められた。これらは、本薬の利尿作用に基づく変化と考えられた。なお、 11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌で投与 4 週にカリウムおよびクロール排泄量の減少または減少 傾向がみられたが、投与13 週の検査では明らかな変化が認められないことから、偶発的な変 動と考えられた。 器官重量では、11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌雄で腎臓絶対および相対重量の増加が認めら れた。 剖検では、腎臓の白色巣が11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雄 1 例および雌 4 例で、甲状腺の白 色巣が2.8 μg/kg(10 単位/kg)以上の群の雄各 1 例および 11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌 2 例 で、心臓の白色巣が11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雄 1 例で、消化管の白色巣が 11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌 2 例で認められた。 病理組織学的検査では、腎臓における炎症性細胞浸潤が2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雌雄お よび11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雄で、尿細管腔の拡張および尿細管の萎縮が 2.8 μg/kg(10 単位/kg)以上の群の雌雄で、尿細管の変性/壊死、好塩基性化および石灰沈着ならびに心臓、 胃および胸腺の石灰沈着が11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌雄で、脾臓の石灰沈着が 11.3 μg/kg (40 単位/kg)群の雄で、十二指腸、空・回腸、甲状腺、肺、脳脈絡叢および胸大動脈の石灰 沈着が11.3 μg/kg(40 単位/kg)群の雌で認められ、毒性変化と考えられた。その他、本薬の骨 形成作用に関連する変化として、胸骨(骨髄を含む)において骨芽細胞活性化が0.7 μg/kg(2.5 単位/kg)以上の群の雌雄で、骨梁肥厚が 0.7 μg/kg(2.5 単位/kg)以上の群の雄および 2.8 μg/kg (10 単位/kg)以上の群の雌で、骨髄脂肪減少が 2.8 μg/kg(10 単位/kg)以上の群の雌雄で認め られた。なお、投与部位における組織学的変化については、溶媒対照群と本薬投与群に差は認 められず、本薬の刺激性は示されなかった。 上記の変化は4 週間の休薬により回復または回復傾向が認められた。 以上の結果より、本試験における無毒性量は腎臓への影響を指標として0.7 μg/kg/日(2.5 単 位/kg/日)と判断された。毒性に明らかな雌雄差はないと考えられた。 2.6.6.3.4 イヌ 12 ヵ月毒性試験 添付資料番号 4.2.3.2-4
とから、確実中毒量と推定された2.8 μg/kg(10 単位/kg)を高用量とし、以下、公比 4 で 0.7 および0.2 μg/kg(2.5 および 0.6 単位/kg)群を設け、溶媒対照群を加えて計 4 群とした。1 群 雌雄各4 匹のビーグルイヌ(6~7 ヵ月齢)に生理食塩液に溶解した本薬を 1 日 1 回 12 ヵ月間 反復皮下投与した。溶媒対照群の雌雄各4 匹には生理食塩液を同様に投与した。 成績を毒性試験の概要表2.6.7.7 D に示した。 死亡例は認められなかった。一般状態の観察では、投与後に一過性の皮膚の発赤が0.7 μg/kg (2.5 単位/kg)群の雌および 2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雌雄で認められた。この発赤は、本 薬の血管拡張作用に基づくものと考えられた。投与後の一過性の心音強勢が0.7 μg/kg(2.5 単 位/kg)群の雌 1 例および 2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雌雄全例で投与初期に認められた。投与 後の一過性の心拍数の増加が2.8 μg/kg(10 単位/kg)群において投与 1 日目に雄 3 例、投与 8 日目に雌1 例で認められた。これらは、本薬の血管拡張作用に基づく血圧低下作用を代償した 反射性の変化と考えられた。 体重および摂餌量に本薬投与の影響は認められなかった。2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雌雄 で摂水量の増加が認められた。摂水量の増加は、本薬の利尿作用に基づくものと考えられた。 体温に本薬投与の影響は認められなかった。 心電図検査における心拍数(投与開始前、投与26 週および 52 週に心電図から心拍数を得た) に本薬投与の影響は認められなかった。心電図検査におけるその他の検査項目についても、本 薬投与の影響は認められなかった。 眼科学的検査、血液学的検査および骨髄検査では、本薬投与の影響は認められなかった。 血液生化学的検査では、BUN およびクレアチニンの増加が 2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雄で 認められ、腎障害を示唆する毒性変化と考えられた。なお、0.7 μg/kg(2.5 単位/kg)群の雄で は投与39 週の検査においてクレアチニンの統計学的に有意な増加(対照群の 1.1 倍)が認めら れた。しかし、投与13、26 および 52 週の検査においてはクレアチニンの有意な増加は認めら れず、さらに、後述する病理組織学的検査において腎臓に顕著な変化が認められなかったこと から、毒性として重視すべき所見ではないと考えられた。その他、ALP の増加または増加傾向 が0.2 μg/kg(0.6 単位/kg)以上の群の雌雄で、リンの減少または減少傾向が 2.8 μg/kg(10 単位 /kg)群の雌雄で認められた。これらは、本薬の薬理作用に関連する変化(2.6.6.9.1.2 項 [2] ) と考えられた。 尿検査では、尿蛋白の増加が2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雌雄で認められ、腎障害を示唆す る毒性変化と考えられた。また、カリウム排泄量の増加が2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雌雄で、 ナトリウム排泄量の増加が2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雌で認められた。これらは、増加の程 度(カリウム:対照群の値の2.2~2.8 倍、ナトリウム:対照群の値の 6.5 倍)を踏まえて腎障 害と関連する変化と考えられた。その他、尿量の増加が2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雌雄で、 浸透圧および比重の減少が2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雌で認められた。これらは、本薬の利 尿作用に基づく変化と考えられた。また、カルシウム排泄量の増加が0.2 μg/kg(0.6 単位/kg) 以上の群の雌および0.7 μg/kg(2.5 単位/kg)以上の群の雄で、リン排泄量の増加が 2.8 μg/kg(10
病理組織学的検査では、2.8 μg/kg(10 単位/kg)群において腎臓における間質の線維化が雌 雄各2 例、尿細管の萎縮が雄 1 例および雌 2 例、尿細管腔の拡張が雄 3 例および雌 2 例、炎症 性細胞あるいはリンパ球系細胞の間質への浸潤が雄4 例および雌 3 例で認められ、毒性変化と 考えられた。なお、0.7 μg/kg(2.5 単位/kg)群の雄 2 例でも炎症性細胞あるいはリンパ球系細 胞の間質への浸潤がみられたが、2.8 μg/kg(10 単位/kg)群でみられた尿細管の変化や間質の 線維化は認められなかったことから、0.7 μg/kg(2.5 単位/kg)群の雄 2 例でみられた上記の変 化は毒性として重視すべき所見ではないと考えられた。その他、本薬の骨形成作用に関連する 変化として、胸骨における骨梁肥厚および骨芽細胞肥大が0.2 μg/kg(0.6 単位/kg)以上の群の 雄および2.8 μg/kg(10 単位/kg)群の雌、大腿骨における皮質骨肥厚、骨梁肥厚および骨芽細 胞数増加が0.2 μg/kg(0.6 単位/kg)以上の群の雌雄、大腿骨における骨芽細胞肥大が 0.7 μg/kg (2.5 単位/kg)以上の群の雌雄で認められた。なお、投与部位における組織学的変化について は、溶媒対照群と本薬投与群に差は認められず、本薬の刺激性は示されなかった。 以上の結果より、本試験における無毒性量は腎臓への影響を指標として0.7 μg/kg/日(2.5 単 位/kg/日)と判断された。毒性に明らかな雌雄差はないと考えられた。本試験では程度に若干 の差はあるものの、イヌ3 ヵ月毒性試験(2.6.6.3.3 項)とほぼ同様な変化がみられ、投与期間 が3 ヵ月から 12 ヵ月に延長されたことによる新たな毒性発現は認められなかった。 2.6.6.3.5 イヌ 9 ヵ月毒性試験:連日投与時および週 1 回投与時の毒性比較試験 添付資料番号 4.2.3.2-5 連日投与時と週1 回投与時の毒性の比較を目的として 9 ヵ月間の反復投与毒性試験を TK 試 験を含めて実施した。溶媒対照群、連日投与群および週1 回投与群を設定した。連日投与群の 群構成は、イヌ3 ヵ月毒性試験(2.6.6.3.3 項)およびイヌ 12 ヵ月毒性試験(2.6.6.3.4 項)で 腎障害がみられた2.8 μg/kg(10 単位/kg)と無毒性量であった 0.7 μg/kg(2.5 単位/kg)の計 2 群とした。週1 回投与群の群構成は、連日投与群の高用量である 2.8 μg/kg(10 単位/kg)の 7 倍の19.8 μg/kg(70 単位/kg)を高用量とし、以下、公比 4 で 4.9 および 1.2 μg/kg(17.5 および 4.4 単位/kg)群を設け、計 3 群とした。連日投与群では、生理食塩液に溶解した本薬の 0.7 お よび2.8 μg/kg(2.5 および 10 単位/kg)を 1 群雌雄各 3 匹のビーグルイヌ(7~8 ヵ月齢)に 1 日1 回 9 ヵ月間反復皮下投与した。週 1 回投与群では、1.2 および 4.9 μg/kg(4.4 および 17.5 単位/kg)群については 1 群雌雄各 3 匹、19.8 μg/kg(70 単位/kg)群については雌雄各 5 匹のビー グルイヌに生理食塩液に溶解した本薬を1 週間に 1 回 9 ヵ月間反復皮下投与した。溶媒対照群 の雌雄各5 匹には生理食塩液を 1 日 1 回 9 ヵ月間反復皮下投与した。溶媒対照群と 19.8 μg/kg (70 単位/kg)群(週 1 回)の 1 群雌雄各 2 匹については 4 週間の休薬による回復性も検討し た。 成績を毒性試験の概要表2.6.7.7 E に示した。 TK 試験では、CmaxおよびAUC0-4hは個体差がみられるものの投与量の増加に伴い増加した。 2.8 μg/kg(10 単位/kg)(連日)群では、反復投与により CmaxおよびAUC0-4hが増加する個体が 認められたが、その機序については明らかではなかった。いずれの投与群においてもCmaxおよ びAUC0-4hに顕著な雌雄差は認められなかった。抗体価の上昇は認められなかった。 死亡例は認められなかった。一般状態の観察では、投与後に一過性の皮膚の発赤が4.9 およ
2.8 μg/kg(10 単位/kg)(連日)群の雄 3 例中 1 例で体重および摂餌量の減少がみられ、一 般状態の観察では排便少量/無便および削痩が認められたが、これらの変化は投与期間中に回 復した。 心電図検査(心拍数を含む)、眼科学的検査および血液学的検査では、本薬投与の影響は認 められなかった。 血液生化学的検査では、BUN の増加が 2.8 μg/kg(10 単位/kg)(連日)群の雄 3 例中 2 例で 認められ、腎障害を示唆する毒性変化と考えられた。その他、ALP の増加が 2.8 μg/kg(10 単 位/kg)(連日)群の雄で、リンの減少が 2.8 μg/kg(10 単位/kg)(連日)群の雌で、カルシウ ムの減少が0.7 および 2.8 μg/kg(2.5 および 10 単位/kg)(連日)群ならびに 1.2 および 4.9 μg/kg (4.4 および 17.5 単位/kg)(週 1 回)群の雌で認められた。これらは、本薬の薬理作用に関連 する変化(2.6.6.9.1.2 項 [2] )と考えられた。 尿検査では、ナトリウム排泄量の増加が2.8 μg/kg(10 単位/kg)(連日)群の雄および19.8 μg/kg (70 単位/kg)(週 1 回)群の雌で認められた。これらは、増加の程度(対照群の値の 2.3 倍お よび2.1 倍)および同様な変化がイヌ 12 ヵ月毒性試験(2.6.6.3.4 項)で認められたことを踏ま えて、腎障害と関連する変化と考えられた。本薬の利尿作用に基づく変化と考えられる尿量の 増加傾向が2.8 μg/kg(10 単位/kg)(連日)群の雄で認められた。また、カルシウム排泄量の 増加または増加傾向が0.7 および 2.8 μg/kg(2.5 および 10 単位/kg)(連日)群の雌雄、1.2 な らびに4.9 μg/kg(4.4 ならびに 17.5 単位/kg)(週 1 回)群の雌および 19.8 μg/kg(70 単位/kg) (週1 回)群の雌雄で認められた。これは、本薬の薬理作用に関連する変化(2.6.6.9.1.2 項 [2] ) と考えられた。 器官重量、剖検および骨のX 線写真観察では、いずれの投与群においても毒性変化は認めら れなかった。 病理組織学的検査では、尿細管/集合管腔の拡張が2.8 μg/kg(10 単位/kg)(連日)群の雄 2 例および雌 1 例ならびに 19.8 μg/kg(70 単位/kg)(週 1 回)群の雌 1 例で、尿細管の再生が 2.8 μg/kg(10 単位/kg)(連日)群の雄 2 例および雌 1 例で、腎臓の間質の線維化が 2.8 μg/kg (10 単位/kg)(連日)群の雄 2 例で認められた。その他、本薬の骨形成作用に関連する変化 として、全ての本薬投与群の雌雄で胸骨または大腿骨における骨芽細胞肥大、骨芽細胞数増加 あるいは骨梁肥厚が認められた。なお、投与部位における組織学的変化については、溶媒対照 群と本薬投与群に差は認められず、本薬の刺激性は示されなかった。 19.8 μg/kg(70 単位/kg)(週 1 回)群でみられた変化は 4 週間の休薬により回復または回復 傾向が認められた。本薬のイヌにおける毒性学的標的器官は腎臓であった。週1 回投与群の雄 では腎障害はみられなかったが、連日投与群では雌雄共に腎障害がみられていることから、本 薬の毒性に明らかな雌雄差はないと考えられた。 以上の結果より、本薬の毒性は連日投与に比べ週1 回の投与では軽減し、本試験における無 毒性量は、腎臓への影響を指標として、連日投与では雌雄とも0.7 μg/kg/日(2.5 単位/kg/日)、 週1 回の投与では雄で 19.8 μg/kg/日(70 単位/kg/日)、雌で 4.9 μg/kg/日(17.5 単位/kg/日)と