第5学年社会科学習指導案
指導者 1 小単元 「わたしたちのくらしと食料生産 ~豊かな海の国、日本~」 2 指導観 本小単元では、我が国の水産業の概要を捉え、その現状及び従事する人々の工夫や努力を理解し、これからの 食料生産について考えることをねらいとしている。我が国は、世界有数の水産物消費国で、自然環境を生かした 豊かな漁場に恵まれ、昔から水産業との関わりが深い。しかしながら、近年は水産資源の減少や水産業従事者の 減少と高齢化、水産物の消費量の減少など、様々な課題を抱えている。福岡県は三つの海と内水面を有し、それ ぞれの特徴を生かした水産業が行われている。中でも筑前海区は対馬海流の影響を受け、漁船漁業により多種多 様な魚介類が漁獲されるほか、カキや真珠などの養殖も営まれている。そして、県、市町村、漁業協同組合が協 力して、水産物のブランド化や直接販売の促進など、水産業の活性化を目指して、数多くの取組を行っている。 また、福岡県は本年度「第 37 回全国豊かな海づくり大会」の開催地となっている。これは、資源管理型漁業や栽 培漁業に力を入れ、魚食普及や食育推進を行い、漁業者の意欲向上や水産物の消費拡大を図って、水産業とそれ が営まれている地域の発展につなげようとする全国的な取組である。大会開催と同時に、課題解決に向けての機 運が高まっている福岡県の水産業を教材化し、我が国の水産業の将来を考えさせることは、よりよい社会の実現 を目指す公民としての資質や能力を育む上で大変意義深い。 本学年の児童は、「わたしたちのくらしと食料生産~輝け!日本の米~」の学習を通して、我が国の農業(米生 産)の現状と課題について理解している。また、それらの課題解決に向けて自分たちがどのように関わっていく か考え、「生産者と消費者が力を合わせて日本の米を守っていきたい。」という意識をもち、農業と自らの関わり を深めている。しかし、アンケートの結果から、本学年の児童にとって水産業は身近ではなく、関わりを感じる ことは少ないということがわかった。また、社会科学習の実態調査の結果から、知識・技能は概ね身に付いてい るが、思考力や表現力には課題があることが明らかになった。つまり、資料を正しく読み取ることができても、 抽出した情報を基に論理的に考えたり、それをわかりやすく表現して他者と比較し、付加・修正・強化してより よい考えに高めていこうとしたりすることが不十分であるといえる。本小単元では、児童が水産業と生活の関わ りを捉え、その現状や課題、解決方法について関心を高めて、それらを様々な立場から考察できるようにしなけ ればならないと考えた。そして、水産業の恩恵を感受して発展を願い、自分が水産業に関わる一員である自覚を もたせ、関わりを深めることができるようにしたい。 本小単元の指導に当たっては、我が国の水産業を多角的に捉え、発展を目指して自分や社会にできることを主 体的に考えることができるように、小単元を四つの段階で構成し「議論する活動」を位置付ける。まず「つかむ」 段階では、水産物の消費者ニーズを捉えさせるために、自分たちの生活を振り返らせ、調査やインタビュー活動 を基に、消費者の立場でどんな水産物を選んで食べるか「議論する活動A」を行う。そして「おいしい福岡の魚 は、どのようにして食卓まで届けられるのだろう。」という学習問題①を設定し、追究の見通しをもたせる。次に 「さぐる」段階では、豊かな漁場を有する日本の水産業の特色、福岡県でそれに関わる人々の工夫や努力を捉え させ、その意義や価値を理解させる。これによって、児童は水産業の恩恵を今まで以上に感受できると考える。 さらに、「ブランド鰆」の大半を県外輸送している現状と将来について考えさせる「議論する活動B」を行う。生 産者の立場で販売戦略を考えさせることで、水産業従事者の思いや願いに迫らせたい。ここで水産業従事者の収 益に着眼させ、漁獲量や魚価が不安定である事実を提示し、農業と同様に水産業にも課題があることに気付かせ ることで、児童は学習問題②「日本の水産業にはどんな課題があるのだろう。」を設定できる。「みつめる」段階 では、水産業の課題やその原因を整理させる。そして、課題解決に向けた取組を追究し、どうすれば水産業の課 題を解決できるか「議論する活動C」を行う。水産業の課題を解決し、さらなる発展を目指したいという意欲を 高めた児童に、水産物の消費量減少や海洋汚染の事実を提示して、消費者である自分たちも課題に無関係ではな いことを捉えさせる。そして「水産業を続けられる豊かな海を守るために大切なことは何だろう。」という学習問 題③を設定する。最後に「いかす」段階では、水産業の将来についてパネル・ディスカッション形式で「議論す る活動D」を行って、水産業の発展のためにどのように関わっていくのか表現させる。社会全体で役割を生かし ながらみんなで考えていくべきこと、自分ができること等を考えてまとめることができるようにする。3 小単元の目標 ○ 我が国の水産業に関心をもって意欲的に追究活動に取り組み、水産業の課題解決と発展を目指して、社会や自 分自身にできることを主体的に考えることができる。 【関心・意欲・態度】 ○ 調査やインタビュー活動、統計等の資料活用を通して、水産業が自然条件を生かし、従事者の工夫や努力に よって営まれていること、国民の食料を確保する上で重要な役割を果たしていること、水産業の現状と課題に ついて理解することができる。 【知識・技能】 ○ 「議論する活動」を通して、水産業を消費者や生産者等の立場から多角的に考察し、水産業が国民生活に果 たす役割を考え、さらなる発展を目指して自分や社会にできることをまとめて表現することができる。 【思考・判断・表現】 4 小単元計画(全12時間) 段階 学習活動と内容 手立て 評価規準(評価方法) 配時 つ か む 1 消費者が求めている水産物のニー ズを調べ、学習問題①を設定する。 (1) 自分たちが食べている水産物を調 べる。 ○水産物は私たちの生活に欠かせない もの ○輸入水産物の増加 「議論する活動A」 私たちはどんな水産物を選んで食 べているのだろうか。 ≪視点≫ ◇自分の生活を振り返る。 ◇水産物を選ぶ条件を考える。 ・安心、安全(産地が明確) ・新鮮 ・旬 ・味、食感(好みが違う) ・価格 ・調理しやすさ ○消費者の水産物(魚)に対する多様な ニーズ ○追究の視点(おいしい魚=「新鮮」で 「安全」であり、「好みに合わせて多 様な品揃え」が必要) (2) 学習問題を設定する。 ○ 主な魚介類の実物大画像を提示 し、形や大きさが様々で、多品種 であることを捉えさせる。 ○ 寿司メニュー表(産地表示付) を提示し、水産物は多種多様であ ることを捉えさせ、選んで食べて いる事実に気付かせる。 ○ 食生活アンケートや給食の献立 表を基に、水産物が私たちの生活 に欠かせないものであることに気 付かせる。 ○ 資料(広告)から水産物を選ば せ、議論を通して選んだ理由を比 較し、消費者が求めている水産物 の多様なニーズを捉えさせる。 ○ 議論で GT(栄養教諭)に児童の 発言を称賛したり、問いかけたり してもらい、活発な意見交換がで きるようにする。 ○ 議論の結果を整理して「おいし い魚」を定義付けし、追究の視点 を明確にさせる。 ○ 米生産の学習を基に「新鮮」で 「安全」(生産者がわかる)なのは、 地元の魚が一番であることを確か め、福岡県の漁業に着目させ、追 究の焦点化を図る。 ○ 福岡県の漁港と学校がある〇〇 市を示した地図を提示し、新鮮な まま安全に輸送する方法にも関心 を高め、学習問題を設定すること ができるようにする。 ○ 水産物に関 心をもち、「水 産業について 早 く 調 べ た い。」と追究意 欲を高め、学習 の見通しをも つことができ る。 ○ 保護者への インタビュー や「議論する活 動」を通して、 水産物に対す る消費者の多 様なニーズを 理解し、追究の 視点を捉える ことができる。 (児童の発言、 学習ノート) 1 本 時 A 学習問題① 福岡のおいしい魚は、どのようにして食卓に届けられるのだろうか。
さ ぐ る 2 水産業に携わる人々の工夫や努力 を追究する。 (1) 日本(福岡県)の水産業の概要を調 べる。 ○ 豊かな漁場に恵まれた日本(福岡 県)…自然を生かした産業 ○ 魚種によって違う様々な漁の方法 (2) 漁師の仕事を調べる。 ○沖合漁業(マダイ)の様子(工夫や努力) ○養殖漁業(カキ)の様子(工夫や努力) (3) 魚の流通について調べ、学習問題 ②を設定する。 ○魚の輸送方法 (漁港の様子、交通網や冷凍保存技術の発達) ○魚の価格の決め方(生産者の協力関係) ○水産物のブランド化 「議論する活動B」 「ブランド鰆」をどのように売り出 していけばよいだろうか。 ≪視点≫ ◇現状の意図を考える。 ◇将来を考える。 ・ 岡山県では鰆の消費量が多い。高く売れるから 輸送費をかけても、出荷する価値がある。岡山県 では昔から鰆を刺身で食べる風習があるが、福 岡にはないので、必ず売れる岡山県への出荷を 続ける方がよい。 ・ 輸送費のことを考えると、福岡県で食べてもら いたい。だから福岡の人に鰆を知ってもらう必 要がある。もっと宣伝していけば、福岡でも売れ ると思う。 ○全国にあるブランド鰆 ○現状を問い、将来を模索する重要性 ○漁師の収益(漁師の思いや願い) ○ 多くの児童が訪れたことがある 市の漁業を教材化し、関心を高め て意欲的に学習が進められるよう にする。 ○ 連続する問いに対して、資料を 読み取り、自分の考えを書く活動 を毎時間位置付け、論理的にまと めて書く力を高めていくことがで きるようにする。 ○ 水域地図や海流図を用いて、世 界、日本の中の福岡県の漁場を確 かめさせる。 ○ 福岡県で獲れる魚を調べ、魚種 によって様々な漁の方法があるこ とを捉えさせる。 ○ マダイ漁とカキ養殖を行ってい る漁師、〇〇さんの話を基に工夫 や努力を追究させ、仕事の喜びや 苦労に共感することができるよう にする。 ○ 映像資料を取り入れ、漁港の様 子や漁師の仕事をより具体的に理 解できるようにする。 ○ 魚の価格の決め方と漁師の収益 を捉えさせ、漁師の立場で「ブラ ンド鰆」の販売戦略を考えること ができるようにする。 ○ 児童の考えによって意図的にグ ループを編制し、少人数での議論 を取り入れ、全児童が発言しなが ら考えを深めていくことができる ようにする。 ○ GT として漁業協同組合のAさ ん、市役所のBさんを招聘し、児 童に問いかけたり、考えを評価し たりしてもらい、新たな気付きを 与え、漁師の思いや願いに迫らせ ることができるようにする。 ○ 議論を通して消費者のニーズに 応える難しさを理解させ、水産業 の課題に目を向けさせることがで きるようにする。 ○ 学習問題に 沿って問いを 連続させ、見通 しをもって主 体的に学習に 取り組むこと ができる。 ○ 資料を正し く読み取り、水 産業の意味を 理解すること ができる。 ○ 事実を基に、 考えたことを 順序立てて話 したり、他の考 えを聞いて自 分の考えを付 加・修正・強化 したりするこ とができる。 生産者の工夫や 努力を理解して恩 恵を感受し、「自分 だったら…」と考え ながら漁師の思い や願いに共感して、 水産業の課題に関 心を高めている。 (児童の発言、 学習ノート) 5 ① ② ② 学習問題② 水産業には、どんな課題があるのだろうか。 ( ② / ② 本 時 B )
み つ め る 3 水産業の課題と解決のための取組 を追究する。 (1) 水産業の課題を整理する。 ○働く人の数の減少と高齢化 (不安定な収入、きつい作業) ○漁獲量の減少 (乱獲による水産資源の減少、 安価な輸入水産物の増加) (2) 課題解決に向けた取組を調べる。 ○機械化(機器の発達、情報活用) ○販売戦略の工夫(ブランド化、直売、輸出) ○水産業の経営化(栽培漁業、共同作業) (3) 課題解決について話し合う。 「議論する活動C」 水産業の課題を解決できるだろう か。 ≪視点≫ ◇課題解決に最も有効なのはどれ か。 ◇長い目で、将来を考える。 ・ 販売戦略の工夫をすればよい。 なぜなら、ブランド化すると消費者も食べて みたくなる。高くても高品質な物を求める消費 者が増えているので、きっと売れる。 そうすれば、漁師の収益が増えて、水産業に 魅力を感じ、働きたい人を増やすことができる。 ○水産物の消費量の減少 ○海洋環境汚染の現状 ○ 客観的な統計資料を提示し、読 み取らせることで水産業の課題を 理解できるようにする。 ○ 農業の際に学習した課題解決の ための取組を想起させ、水産業も 類似した部分が多いことに気付か せ、追究の見通しをもたせる。 ○ 既習内容を基に課題の要因を整 理し、課題解決には要因の改善が 必要であることを確かめさせる。 ○ 漁師、漁業協同組合、市役所や 企業、販売者の取組も取り上げ、 より広い視野をもって課題解決を 考えることができるようにする。 ○ インターネットの活用方法を指 導し、興味をもった取組について 詳しく調べる時間を設定する。 ○ 主張をつくる際、予め文頭語や 接続詞を指定することで、考えを 論理的にまとめやすくする。また、 考えの組み立てを共通させること で、他者と比較しやすくする。 ○ 全体の議論の場では、色カード を用いて自分の考えを示させ、発 言していない時も議論に参加する 意識を高めさせる。 ○ 統計と映像資料によって事実を 提示し、新たな気付きを得て、水 産業の発展への関心をさらに高め させる。 ○ 水産業の課題を解決 したいと考え、どうすれ ば解決できるか意欲的 に調べることができる。 ○ 資料を正しく読み取 り、水産業の課題と解決 のための取組について 理解することができる。 ○ 水産業の課題と従事 者の取組を関連付け、水 産業の課題解決につい て筋道立てて考えるこ とができる。 生産者と消費者の双方の 立場から課題解決のための 取組を客観的に価値判断し て自分の考えを発言し、発 展への関心を高めている。 (児童の発言、 学習ノート) 4 ① ② ① 本 時 C い か す 4 水産業の発展のために大切なこと を考えてまとめる。 「議論する活動D」 水産業を続けられる豊かな海を守 るために、大切なことは何だろう。 ≪視点≫ ◇水産物を食べ続けられるか。 ◇実現可能か、持続可能か。 ・「みんなの海をみんなで守ろう」(パネル) 日本の水産業を発展させるためには、魚がす める豊かな海を守り続けなければならない。そ のために、藻場の再生が重要だ。だから、多く の人に危機を知ってもらい、活動を広げていか なければならない。 ○ 追究したい立場を自己選択させ る。考えをつくった後、同質の考 えの児童同士でグループを編制 し、議論してよりよい結論を導き 出してパネルの作成を行わせる。 ○ 根拠を端的に示した図や表、絵 や写真を活用してわかりやすくま とめさせる。 ○ GT(福岡県水産管理局の〇〇さ ん)を招聘し、児童に問いかけた り、考えを称賛したりしてもらい、 学習の価値を自覚させる。 ○ 全員が発表できるように場の工 夫を行う。 ○ 自分が水産業に関わ る一員であることを自 覚し、発展のために大切 なことを主体的に考え ることができる。 ○ 既習内容を生かし、水 産業の発展のために大 切なことを根拠や論拠 を示して、わかりやすく 発表することができる。 (児童の発表、 学習ノート) 2 学習問題③ 水産業を続けられる豊かな海を守るために、大切なことは何だろう。 ( 2 / 2 本 時 D )
5 本時の展開 (1) 本時A 平成 年 月 日( 曜日) 第 校時 第5学年教室において ○主眼 ・水産物と自分たちの生活の関わりを捉え、学習問題①を設定して追究の見通しをもつことができる。 ・食生活調査や保護者へのインタビュー活動の結果等を基にして、消費者の立場から「どんな水産物を選ぶ か」について、根拠を明確にして自分の考えを述べたり、他の考えを聞いて比較したりして、多様な消費者 の多様なニーズに気付くことができる。 ○準備 事前課題(※1)、資料(魚の実物大画像、給食献立表、A寿司店のメニュー表、B商店の広告、福岡県の漁 港地図)、ゲストティーチャー(栄養教諭) ○学習の過程(1/12) 学習活動と内容 手立て 配時 導 入 導 入 1 食生活を振り返り、本時学習の見通しをもつ。 ○様々な水産物を食べている食生活 ○産地、魚種の多さ、価格の違いへの気付き ・ちくわや海藻も水産物だ。家庭では あまり食べていない。でも、給食で は思ったよりも食べているな。 ・日本国内だけでなく、外国からも水 産物は輸入されている。 ・たくさんの水産物の中から、選んで 食べているんだな。 ○ 教室内に魚の実物大の画像を掲示し、水産 物(水産業)への興味・関心を高めさせる。 ○ 週末に食べた水産物の調査結果(※1)、給 食献立から、様々な水産物を食べていること に気付かせる。 ○ A寿司店のメニュー表から、「外国を含む 様々な産地の魚を食べていること。」「魚種が 豊富であること。」「魚によって価格が違うこ と。」に気付かせ、水産物を選んで食べている 事実から、本時学習の方向性を捉えさせる。 15 展 開 2 消費者のニーズを追究する。 (1) どんな水産物を選ぶか「議論する活動」を行う。 「議論する活動A」 私たちはどんな水産物を選んで食べているの だろうか。 視 点 ◇自分の生活を振り返る。 ◇水産物を選ぶ条件を考える。 ①自分の考えをノートにまとめる。 ・新鮮さが第一。だから、福岡県産のタイを選ぶ。 ・私はおいしい魚がいい。今が旬のサンマを選ぶ。 ②ペア→全体の場で議論する。 ③自分の考えを見直す。 (2) 水産物に対する消費者のニーズをまとめる。 ○おいしい魚=「新鮮」で「安全」であり、「好みに 合わせて多様な品揃え」が必要 ○ 「新鮮さ」「旬」「価格」「産地」に着目でき る四種類の水産物を示した自作の広告資料を 提示し、どれをどのような理由で選ぶか考え をつくらせる。 ○ 書くことができない児童に穴埋め形式で考 えをつくることができるシートを配付する。 ○ まず、ペアで議論をさせることで「もっと他 の人の意見を聞いてみたい」という意欲を高 めさせ、全体の議論につなぐ。 ○ ゲストティーチャーとして栄養教諭を招聘 し、児童の考えに賛同したり、問いかけて新た な気付きを与えたりして、議論を活性化する ことができるようにする。 ○ 自分の考えを見直した後、板書を活用して 「選ぶ理由」を分類し、「おいしい魚」を定義 付けして、消費者のニーズをまとめさせる。 20 ⑮ ⑤ 終 末 3 本時の学習をまとめ、学習問題①を設定し、追 究の見通しをもつ。 (1) 本時学習をまとめる。 (2) 学習問題①を設定する。 ○ 消費者のニーズは多様であることから、生 産者はそれに応える必要があることを確認 し、次時からの追究の見通しをもたせる。 ○ ニーズの一つ「鮮度」は、地元福岡の魚が一 番であることから追究の焦点化を図る。 ○ 福岡県の漁港と児童の住む市を示した地図 を提示し、運輸についても関心を高めさせる。 10 ⑤ ⑤ めあて どんな水産物を選ぶか議論し、消費者のニーズを調べよう。 まとめ 消費者は、新鮮、安全でおいしい、多種多様な好みに合った魚を求めている。 学習問題① 福岡のおいしい魚は、どのようにして食卓に届けられるのだろうか。
(2) 本時B 平成 年 月 日( 曜日) 第 校時 第5学年教室において ○主眼 ・水産物の流通と生産者の収益について理解し、水産業の課題に気付くことができる。 ・生産者の立場を考えて「ブランド鰆」の販売戦略について議論し、生産者の「消費者のニーズに応えたい」 という思いと「利益を上げたい」という願いに共感することができる。 ○準備 資料(「ブランド鰆」「鰆フェア」のポスター、岡山県に「ブランド鰆」が出荷される理由、全国のブランド 鰆、全国の漁業生産量の変化)、GT(市役所 Aさん、漁業協同組合 Bさん)、主張をつくるヒントカード ○学習の過程(6/12) 学習活動と内容 手立て 配時 導 入 導 入 1 前時までの学習を振り返り、「ブランド鰆」のポ スターを見て、本時学習の見通 しをもつ。 ・流通方法と魚価の決め方 ・魚価と生産者の収益 ・「ブランド鰆」の概要 ○ 学習の流れ図で既習内容を確認させる。 ○ 「ブランド鰆」の条件(一本釣り、活〆等)を 示すポスターを提示し児童の関心を高める。 ○ 「ブランド鰆」を知っている児童がいない事 実から、販売戦略を考える本時学習の見通し をもたせる。 7 展 開 2 「ブランド鰆」の販売戦略を考え、生産者の思 いや願いを理解する。 (1) GT の話を聞く。 ○鰆のブランド化の取組(付加価値向上について) ○鰆の多くは、岡山県に出荷(岡山県の食文化) ○鰆の売価と輸送コスト (2) 鰆の販売戦略について「議論する活動」を行う。 「議論する活動 B」 「ブランド鰆」をどのように売り出していけ ばよいだろうか。 視 点 ◇現状の意図を考える。 ◇漁師の将来を考える。 ① 自分の考えをノートにまとめる。 ・このまま岡山への出荷を続けるべき。なぜなら、岡山県に出荷しているのは、岡山で高く売れるから。福岡県で は売れるかわからない。だから、漁師の安定した収入のためには、岡山に出荷する方がよい。 ・福岡県でのPR活動を行い、福岡県内の販売を増やすべき。なぜなら、岡山県に出荷すると輸送費がとても高い。 だから、長い目で見て、おいしい鰆を福岡県でたくさん食べてもらえるようにする方がよい。 ②グループ→全体の場で議論する。 ③自分の考えを見直す。 (3) GT の話を聞く。 ○全国でブランド化された鰆 ○現状を問い、よりよい将来を考える大切さ ○ GT に「ブランド鰆」の販売戦略について悩 んでいる事実を提示してもらい、学習意欲を 高めることができるようにする。 ○ 鰆を生食する岡山県の食文化を説明し、ブ ランド鰆のニーズがあることを理解させる。 ○ 考えがまとめられない児童に、穴埋め形式 で主張をつくるヒントカードを準備する。 ○ 全員が発言する場を保証するために、少人 数グループでの議論を取り入れる。ペアで議 論をさせることで「もっと他の人の意見を聞 いてみたい」という意欲を高めさせ、全体の議 論につなぐ。 ○ GT のAさんやBさんに、児童の考えに賛同 したり、問いかけて新たな気付きを与えたり してもらい、議論を活性化することができる ようにする。 ○ GT に福岡県で行われている「鰆フェア」の ポスターを提示してもらい、児童の考えが県 の取組になっていることを示し、学習の達成 感を味わうことができるようにする。 ○ ブランド化された鰆が全国にあることを示 し、全国に視野を広げ、現状を問い続けてより よい将来を考えていく大切さに気付くことが できるようにする。 28 ⑤ ⑳ ② 終 末 3 本時の学習をまとめ、学習問題②を設定し、追 究の見通しをもつ。 (1) 本時学習をまとめる。 (2) 岡山県の鰆の漁獲量、全国の漁獲量の推移を調 べ、学習問題②を設定する。 ○漁獲量は不安定(収入の安定は難しい) ○ 児童が漁師の立場や将来を考慮して、販売 戦略を考えることができたことを称賛し、水 産業に対する認識の深まりを自覚させる。 ○ ゲストティーチャーに水産業を広い視野で 見る重要性を述べてもらい、我が国の水産業 の課題に着目することができるようにする。 10 ⑤ ⑤ まとめ 学習問題② 水産業にはどんな課題があるのだろうか。 めあて 生産者の将来を考え、「ブランド鰆」の販売戦略を話し合おう。
(3) 本時C 平成 年 月 日( 曜日) 第 校時 第5学年教室において ○主眼 ・水産業の課題解決の重要性を理解し、我が国の水産業の発展への関心を高めることができる。 ・水産業の課題とその要因、従事者の新たな取組を関連付け、「水産業の課題を解決できるか」について消費者 と生産者の双方の立場を踏まえ、客観的に考えることができる。 ○準備 学習の流れ図、資料(水産物の消費量の変化、水産業従事者数の変化) ○学習の過程(10/12) 学習活動と内容 手立て 配時 導 入 導 入 1 前時までの学習を振り返り、本時学習の見通し をもつ。 ○課題…漁師・漁獲量の減少、跡継ぎ不足 ○従事者の新たな取組 ○ 学習の流れ図で、水産業の課題と要因、追 究してきた従事者の新たな取組について振り 返らせる。 5 展 開 2 水産業の課題解決の方法を考える。 (1) 水産業の課題の解決方法について議論する活 動を行う。 「議論する活動C」 水産業の課題を解決できるだろうか。 視 点 ◇課題解決に最も有効なのはどれか。 ◇長い目で、将来を考える。 ・【水産業の課題を解決するために、】水産物をブランド化して、 販売戦略の工夫をするとよい。 【なぜなら】水産物が高く売れて収益が増えれば、水産業に魅 力を感じるようになる。【そうすれば】水産業をしたい人が増 えて、課題を解決することができる。 ・【水産業の課題を解決するために、】共同経営にして、多くの漁 師が協力し合うとよい。 【なぜなら、】漁獲量は不安定である。共同経営にすれば、助け 合ったり、補い合ったりすることができる。【そうすれば、】不 安が解消するし、漁獲量も増やすことができる。 ① グループで議論する。 ② 全体の場で議論する。 ③ 自分の考えを見直す。 (2) 漁業協同組合のAさんからの手紙を読む。 ○課題解決の重要性 ○無限の可能性をもつ水産業 ○ 消費者のニーズと生産者の思いや願いを振 り返らせ、課題解決のための取組を客観的に 価値判断できるようにする。 ○ 農業(米生産)の学習を振り返らせ、共通点 があることを確認し、本時の学習に生かすこ とができるようにする。 ○ 文頭語(なぜなら・そうすれば)を指定し、根 拠や論拠を示して、論理的に表現することが できるようにする。議論の時間確保のため、 前時までに主張をつくらせておく。 ○ 考えの組み立て方を同じにすることで、他 の考えと比較しやすくする。 ○ 水産業の課題別に、意図的に少人数集団を 編制する。グループでの議論によって、妥当 性や効果について考えを深めることができる ようにする。 ○ 全体での議論を板書しながら、それぞれの 取組のよさと問題点を整理することができる ようにする。 ○ 主張が同じでも根拠や論拠の違う点に着目 させ、自分の考えを見直し、付加・修正・強 化できるようにする。 ○ Aさんからの手紙によって、水産業の課題 解決と発展の重要性を確かめることができる ようにする。 30 ⑳ ⑩ 終 末 3 本時をまとめて学習問題③を設定し、見通し をもつ。 (1) 本時学習をまとめる。 (2) 統計資料を見て考えたことを発表し、学習問 題③を設定する。 ○水産物の消費量減少 ○海洋汚染の実態 ○消費者の問題への気付き ○ 水産業と自分たちの生活の関わりを振り返 らせ、水産業が日本に欠かせない産業である ことを確かめ、次時からの学習につなぐ。 ○ 統計や写真資料から、消費量の減少や生活 ゴミによる海洋汚染の実態を捉えさせ、課題 解決に向けて、生産者だけでなく、消費者で ある自分たちが考えなければならないことが あることに気付かせる。 10 ⑤ ④ めあて 議論を通して、水産業の課題を解決できるか考えよう。 まとめ 課題を解決しなければ、水産業はなくなってしまう。課題解決をしようと努力を続ける人がいる。
(4) 本時D 平成 年 月 日( 曜日) 第 校時 第5学年教室において ○主眼 ・我が国の将来を担う国民の一人である自覚をもって、これからの水産業と自分にできることを意欲的に考え ることができる。 ・「水産業を続けられる豊かな海を守るために大切なこと」について、立場を選び、根拠を明確にして自分の考 えを述べたり、他の考えを聞いて見直したりして、産業への関わり方を意思決定することができる。 ○準備 学習の流れ図、ゲストティーチャー(福岡県水産管理局 Cさん) ○学習の過程(12/12) 学習活動と内容 手立て 配時 導 入 導 入 1 前時までの学習を振り返り、本時学習の見通し をもつ。 ○ 学習の流れ図でこれまでの学習をふり返 り、本時が単元を通した学習のまとめとなる ことを確認し、学習意欲を高めさせる。 5 展 開 2 水産業の発展に向けて、社会や自分たちがす べきことについて考えをまとめる。 (1) 社会や自分たちがすべきことをパネル・ディス カッションする。 「議論する活動D」 水産業を続けられる豊かな海を守るために、 大切なことは何だろう。 視 点 ◇水産物を食べ続けられるか。 ◇実現可能か、持続可能か。 ・「地産地消で水産業を守ろう!」 日本の水産業の発展のために、漁師が漁を続けられるようにしなければならな い。社会全体で地産地消を心がけて、「売る:買う」のバランスを保ち、水産業 を続けられるように支えていけばよいと思う。(立場:消費者) ・「水産業の魅力を伝えるPR大作戦!」 日本の水産業の発展のために、水産業の魅力を消費者や働きたい若者に知っても らう必要がある。漁体験や直売を行って水産業のよさ、魚の素晴らしさを伝えて いくことが大切だ。(立場:生産者) (2) GT の話を聞く。 ○水産業は日本に欠かせない産業 ○みんなで海を守っていく必要性 (3) 自分の考えを見直す。 ・やっぱり~すべきだ。 ・水産業の発展のために、~しなければならない。 ○ 水産業を国や県の立場から支えているゲス トティーチャーを紹介し、追究してきたこと を発表したいという意欲を高めさせる。 ○ 前時までに同質の考えの子供同士でグルー プを編制し、協力して一言PRを考え、発表 者を決めておく。本時はわかりやすく説明し たり質疑したりする時間を確保し、議論を深 められるようにする。 ○ 主張は根拠となる図表資料を用いたり、絵 や写真を示したりしてわかりやすく伝える工 夫を行うことができるように、前時までに準 備をさせる。 ○ 多目的ホールにパネル・ディスカッション する場を二つつくり、時間を区切って全児童 が発表したり、意見を述べ合ったりすること ができるようにする。 ○ 議論中、GT にも意見を求め、児童が考えを 客観的に見直したり、実現可能性を探り、自 分にできること、社会全体で取り組むべきこ とを考えたりすることができるようにする。 ○ GT と事前に打ち合わせを行い、議論(発 表)の評価者になってもらうことで、児童に 学習の達成感を味わわせる。また、児童だけで は不十分な部分を補ってもらい、考えを深め ることができるようにする。 ○ 議論や GT の話を通して、認識を深めた後 に、現段階での産業への関わり方を意思決定 し、学習ノートに記入することができるよう にする。 30 ⑳ ⑤ ⑤ 終 末 3 本時とこれまでの学習をまとめる。 ○ 学習の流れ図を用いたり、自分の考えを発 表させたりして、これまでの学習を振り返 り、児童に水産業と自らの関わりの深まりを 意識づける。 5 めあて 豊かな海を守るために大切なことを議論し、自分にできることを考えよう。 まとめ 水産業は日本で欠かすことができない産業だ。一人一人が考え、みんなで力を合わせて海を守っていかなければならない。