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酸・アルカリとイオン

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Academic year: 2021

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第3学年

理科学習指導案

1 単元名 「酸・アルカリとイオン」 2 指導観 〇 生活の中では、マイナスイオンなどイオンという用語を聞く機会はある。私たちの体の中でもイ オンがさまざまな調整を行っている。食品や洗剤などの中にも酸やアルカリが使われていて、イオ ンが存在している。このようにイオンは私たちの日常生活に非常に深く関わりを持っているが、化 学変化の仕組みやイオンの存在については、普段目にすることは少ない。またそれらを理解してい なくても利用できるため、改めて考えることもない。そこで、本単元では、原子の成り立ちやイオ ンの存在とその移動の学習をもとに、酸、アルカリの特性や中和反応などについてイオンのモデル で思考しながら、微視的な見方や考え方を育てることが主なねらいである。本単元を学習するにあ たり、日常生活に欠かせない酢や食塩水などの水溶液を用いながら、液性やイオンとの関係を探っ ていく。また目に見える物質の性質や反応を、目に見えない原子、分子、イオンの概念を用いて考 察し、「粒子」に対する科学的な概念を構築する。このように微視的な見方や考え方でとらえさせ ることは、生徒にとって大変意義深いものである。また酸性雨などの環境問題、土壌改良や河川の 中和事業などを学習していく中で、地球との関わりを考えさせるうえでも大変意義深いものである。 〇 本学級の生徒たちは、実験・観察を班で協力して安全に行うことができている。観察や実験での 予想や考察の際の自分の考えを作る【言語活動①】では、ただ単に予想を行うことはできているが、 既有の知識や科学的な知識をもとに根拠をもって論理的に考えを作る生徒の割合は少ない。考えを 交流する【言語活動②】では、「自分が気づかなかったことを知れるので役に立った」という意見 が多数であり、その必要性を感じる生徒が多い。ただ活動に於いては、交流が深まる班もあるが班 によっては、間違えたときの恥ずかしさなどから、聞くだけの立場にいて、交流が深まらない状況 も見受けられる。振り返りの【言語活動③】では、「自分の考えに自信がもてない」「書き方が分か らない」など文章にまとめることを苦手としているものもいる。学習事前調査によると、「イオン という言葉を聞いたことがあるか。」に対して、ほとんどの生徒が「ある」と答えた。その内容は、 空気清浄機、ドライヤーなどの電化製品や、森林や滝で発生するといわれているマイナスイオン、 アルカリイオン水などがあげられた。これらのことから「イオンは健康によい」といった概念が形 成されていると読みとることができる。「酸性・アルカリ性の水溶液の正体は何ですか」という問 いに対して、イオンと関連づけて説明できた生徒は少なかった。さらに2学年の「原子・分子」の 内容の化学反応式の正答率が低かった。以上のことから、本学級の生徒たちは、化学変化を粒子の 概念で捉えて理解できていないため、学習した内容の定着が不十分であることが浮き彫りになった。 また表現活動の機会や時間が十分確保できていないため、生徒との交流の中で、自分の考えを科学 的知識やモデルを使って説明する力が十分には育っていないことが明らかになった。 〇 本単元では、酸性やアルカリ性の水溶液の性質や中和反応の仕組みについて調べる活動を通して、 酸性やアルカリ性の特性やイオンとの関係、中和反応の仕組みをイオンのモデルと関連づけ、解決 しながら微視的な見方、考え方を養うことが主なねらいである。そこでまず、身のまわりの水溶液 に液性があることに興味を持たせ、酸性、アルカリ性の性質及びその性質を示す特性を探る活動を 行い、酸とアルカリを混ぜ合わせたとき、BTB液の色が緑色にならなかったり、お互いの性質を 打ち消し合ったりする現象から課題を設定する。次に課題を解決するために、塩酸と水酸化ナトリ ウム水溶液を反応させる実験を通して、中和の仕組みを理解する。さらに新たな中和に関する課題 を提示し、獲得した中和の知識を適用し、中和によって流れる電流値が変化する現象を探究する。 また中和に関する学習が日常生活に関係していることを実感させるため、虫に刺されたとき(酸) の抗消炎剤(アルカリ)や,◯◯温泉の中和事業を紹介する。

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3 目 標 〇 酸性やアルカリ性の水溶液やイオンに関心をもち、それらの事象を日常生活と関連づけて調べよ うとする。 〇 酸性とアルカリ性の水溶液の性質や中和の仕組みについて、イオンの考えを用いて捉え、中和反 応によって、お互いの性質が打ち消され、水と塩ができることを見いだすことができるようにする。 〇 酸性やアルカリ性の水溶液の特性を調べる実験を行い、実験の基本操作や記録の仕方を習得する ことができるようにする。 〇 中和反応をイオンモデルを用いて理解し、主な反応を電離式や化学反応式を用いて説明すること ができるようにする。 4 本 時 平成◯年○月○日(○) 第○校時 (7/8時間) 5 本時の指導観 生徒は前時までに、酸は水溶液で H +を、アルカリは OH -を出すものであり、いずれも水溶液 中にイオンを含んでおり、共通して電気伝導性を示すこと、及びイオンの濃度が高いほど、電気 伝 導性が大きいことを学習している。また、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を混ぜ合わせた場合、H + とOH-が結びつくことでH ₂ O を生成しお互いの性質を打ち消し合うこと、水溶液中の NaCl- が結びついて、NaCl が生成されることも学習している。さらに本時で扱う硫酸と水酸化バリウムに ついての液性と水溶液中の電離のようすをイオンモデルを使って確認している。そこで本時では、ア ルカリ性の水溶液(水酸化バリウム水溶液)に酸性の水溶液(硫酸)を混ぜ合わせたときの流れる電 流の大きさを探っていく活動を通して、流れる電流の大きさの変化と混ぜ合わせた水溶液中のイオン のようすをイオンモデルを使って、関係づけて説明できるようになることをねらいとする。 まず、個人で予想させる【言語活動①】では、水酸化バリウム水溶液と硫酸に電流が流れることを 確認し、水酸化バリウム水溶液に硫酸を混ぜ合わせる。次に、同じ濃度の水酸化バリウム水溶液(20ml) に硫酸(10ml)を加えていく時の電流値の変化を、イオンモデルを使って個人で予想させ、全体で共 有する。その後、各班で検証実験を行い、硫酸を加えていくと電流値が減少し、白色の沈殿物(硫酸 バリウム)が生成されることを全体で確認した後、水溶液中のイオンの種類と個数の変化をイオンモ デルを使って説明し合う活動【言語活動②】を行う。最後に本時での学びの実感、達成感を感じるこ とができるように、更に硫酸を加え続けた時の電流値の変化を考える活動【言語活動③】を設定し、 本時の振り返りを行う。 6 主 眼 ○ 水酸化バリウム水溶液に硫酸を加えていくと電流値が変化する現象について、その原因が中和反 応によるイオン数の変化であることを見いだし、電流値の変化をイオンのモデルを用いて説明する ことができるようにする。

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7 展 開 学習活動・内容 活動を促す手立て 形態 配時 つ 1 水酸化バリウム水溶液と硫酸の性質(伝導性、液性) 全 5 か や電離のようすを復習し、本時のめあてを確認する。 体 む (1)硫酸・水酸化バリウム水溶液に存在するイオンをモデル 〇それぞれの水溶液の液性及び導電性は、 で表し、それぞれの水溶液の液性及び電流が流れるか流 イオンが関係していることを認識できる れないかを確認する。 よう、イオンモデルを提示する。 (2)混ぜ合わせた水溶液を確認する。 水酸化バリウム水溶液に、水酸化バリウム水溶液と同じ濃度の硫酸を、水酸化バリウム水溶液の 半分の量加えたときの電流値の変化を、水溶液中のイオンモデルで説明しよう。 2 水酸化バリウム水溶液に硫酸を半分だけ加えた時の電 個 5 流値の変化について予想する。 発問:「水酸化バリウムに硫酸を半分だけ加え 人 (1)自分の考えをつくる。 【言語活動①】 たときの水溶液の様子と電流値の変化 について予想しなさい。」 ひ 【予想される生徒の反応】 ○①混ぜ合わせる前、②半分混ぜ合わせた ろ ・大きくなる~新たにH+とSO42⁻が加わり、イオンの数が ときで考えさせる。 げ 増えたから。 〇自分の考えを作りやすくできるように、 ↓ る 個人でホワイトボードとイオンモデルを ・変わらない~H+ とOH- が結びついて水になりイオンの数 使って考えさせる。 が減るが、新たにBa2+ が増えるから。 ・小さくなる~H+とOH-が結びついて水になり、Ba2⁺と SO42⁻が結びついてBaSO4 ができ、イオン H⁺ の数が減るから。 (2)考えを交流する。 OH⁻ Ba2+ OH⁻ SO₄² ⁻ 全 体 OH⁻ Ba2+ OH⁻ H⁺ 3 水酸化バリウム水溶液に硫酸を半分の量加えたときの 〇同濃度のものを半分加えたとき、電流値 班 10 水溶液の変化のようすと電流値を調べる実験を行う。 が小さくなることと水溶液の変化に着目 させる。 4 実験結果を考察する。 〇白い沈殿物を把握するため、硫酸イオン 25 (1)実験結果を確認する。 とバリウムイオンで硫酸バリウムができ ・硫酸を加えていくと、電流値は減少した。 ることをモデルで提示し、全体で共有さ ・白い沈殿物ができた(硫酸バリウムが生じた)。 せる。 発問:「硫酸を加えていったとき、電流値が小さ (2)硫酸を半分加えると電流値が小さくなった現象について くなる理由を、水溶液中のイオンの個数 水溶液中のイオンの種類と個数の変化で説明する。 の変化に着目して考えよう。」 【言語活動②】 〇自分の考えを作り出すことができるよう ①自分の考えをまとめる。 に、個人でホワイトボード上で、イオン 【予想される生徒の反応】 モデルを操作して考えさせる。 個 ・電流値が小さくなったのは、H+ とOH- が結びついて水 発問:「班で話し合い、イオンの個数が変化した 人 になり、白い沈殿物ができたことからBa2⁺とSO 42⁻が と考えられる根拠を明確にして、考えを ↓ 結びついてBaSO4 ができ、イオンの数が減るから。 1つにまとめなさい。」 班 ②考えを交流する。 〇科学的知識をもとに根拠をもった考えを ↓ 作り出せるように、視点を与えた交流と 個 ③自分の考えを再構成する。 する。 人 (3)結論を導き出す。 ま 水酸化バリウム水溶液に、水酸化バリウム水溶液と同じ濃度の硫酸を、水酸化バリウム水溶液の と 半分の量を加える実験で、電流値が小さくなったのは、H+ とOH- が結びついて水ができ、同時 め にBa2+ とSO4 2- が結びつき水に溶けにくいBaSO4 ができるので、水溶液中のイオンの数が る 少なくなったから。 5 本時の学習を振り返る。 【言語活動③】 発問:「混ぜ合わせて電流が小さくなったもの 個 5 (1)電流が小さくなったものにさらに硫酸を加えると、電流 に、さらに硫酸を混ぜると、電流値はど 人 値はどのように変化するか考える。 のように変化するか。」 【予想される生徒の反応】 ・硫酸を加えると、イオンがなくなり、電流値は0にな る。さらに硫酸を加え続けると、H+とSO4 2⁻ が増え続け るので、電流値が大きくなる。

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