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Title
Comparative study of mandible ramus morphology
using three-dimensional CT in sagittal split ramus
osteotomy
Author(s)
廣田, 雅幸
Journal
, ():
-URL
http://hdl.handle.net/10130/3648
氏名 廣田 雅幸 学位 博士(歯学) 学位記番号 第2111号(甲 第 1324 号) 学位授与年月日 平成27年 3月31日 学位授与の要件 学位規則第4条第1項 論文審査委員 主査 末石 研二 教 授 副査 柴原 孝彦 教 授 副査 阿部 伸一 教 授 副査 和光 衛 准教授
学位論文名 Comparative study of mandible ramus morphology using three-dimensional CT in sagittal split ramus osteotomy
学位論文内容の要旨 1.研究目的 下顎枝矢状分割法は、1957 年、Trauner と Obwegeser らによって発表された下顎骨に対する顎変 形症手術の一つである。本法は下顎枝および下顎体を頬舌的に矢状分割することで下顎の移動を図る 方法で、移動に対する自由度が高く、骨治癒が良いなどの多くの利点を有する術式である。一方、術 野が深部でかつ狭いことに加え、下顎枝は複雑で多様な形態を呈するため、神経損傷や異所骨折、さ らには、広範な軟組織剥離や動静脈損傷による多量の出血、腫脹、気道狭窄などの重篤な併発症も起 こし易い。このようなことから下顎骨形態や内部構造に関する研究が盛んに行われてきたが、顎顔面 変形症パターンと下顎枝形態および内部構造の相違について、3 次元 CT 解析を用いて詳細に比較検 討した報告はきわめて少ない。 本研究ではSkeletal ClassⅠからⅢの異なる顎顔面形態と下顎枝形態および下顎管を含む内部構造 の関連性について、3 次元 CT 解析による比較検討を行った。 2.研究方法 007 年 4 月から 2013 年 3 月までの 7 年間に東京歯科大学千葉病院口腔外科を受診し、下顎枝矢状分 割術を行った顎変形症患者 80 名を対象とした。対照は、骨格的な異常を有さない不正咬合患者 (Skeletal Class Ⅰ)7 名とした。本研究では、これらの患者 87 名に対し撮影した CT データを 3 次 元構築し、下顎孔の位置、下顎管の走行を詳細に計測するために、下顎骨を下顎枝部と下顎体部に分 け、12 基準点を設定し計測を行った。そして、3 次元 X 線 CT 画像の計測値を Skeletal Class Ⅰから
Ⅲの異なる顔面骨格型における2群間比較を行った。また、頭部 X 線規格写真の計測値と 3 次元 X 線 CT 画像の計測値の相関を求めた。
3.研究成績および結論
2群間の比較では、下顎孔部での幅径は ClassⅡは ClassⅢより大きく(p<0.01)、下顎孔と下顎切痕の中 点の位置での幅径は ClassⅡ、ClassⅢは共に ClassⅠより大きくなった(p<0.01)。下顎孔から下顎切痕ま での距離は ClassⅡ、ClassⅢは ClassⅠより小さくなり(p<0.01)、下顎孔から下顎下縁の距離は ClassⅢは ClassⅡより大きくなった(p<0.05)。セファロ分析値と 3 次元 CT 画像の相関は、ClassⅡでは、下顎孔から 下顎下縁の距離は overjet との間に負の相関関係を認めた(p<0.05)。下顎孔から下顎枝前縁の距離は SNA、 overjet との間に正の相関関係を認めた(p<0.05)。下顎枝高径は overjet との間に負の相関関係を認めた (p<0.01)。ClassⅢでは、下顎孔ならびに下顎切痕の中点の幅径と SNB、下顎孔から下顎枝前縁までの距離 と overbite、下顎枝高径と Y axis との間に正の相関関係を認めた(p<0.05)。下顎孔から下顎切痕までの距 離は Facial angle、また下顎枝高径は overbite との間に負の相関関係を認めた(p<0.05)。
本研究では、ClassⅡは ClassⅢに比べ、下顎枝幅径、下顎孔から下顎下縁の距離は大きくなる傾向を示 し、下顎孔から下顎切痕までの距離は小さくなる傾向を示した。また、頭部 X 線規格写真の計測値と下顎 骨形態の相関は、ClassⅡでは、下顎枝部の項目において相関を認め、ClassⅢでは、下顎枝部の項目、下 顎体部の項目ともに相関を認めた。特に下顎体部の項目で強い相関を認めた。以上のことから、顔面骨格 型の相違は下顎枝形態だけではなく下顎管を含む内部構造にも相違があることが明らかになり、本研究結 果は併発症回避のための一指標となりうる可能性が示唆された。
最終試験の結果の要旨および担当者
報 告 番 号 甲 第1324号 氏 名 廣田 雅幸 最終試験担当者 主 査 末石 研二 教 授 副 査 柴原 孝彦 教 授 阿部 伸一 教 授 和光 衛 教 授 最終試験施行日 平成27年 2月19日 試 験 科 目 口腔外科学 試 験 方 法 口頭試問 試 験 問 題 主題ならびに関連問題 結 果 の 要 旨 本審査委員会は主題ならびに関連問題について最終試験を行った結果、十分な学識を 有することを認め、合格と判定した。学位論文審査の要旨 下顎枝矢状分割法は下顎骨に対する顎変形症手術の一つである。多くの利点を有する術式である一方、 術野が深部でかつ狭いことに加え、下顎枝は複雑で多様な形態を呈するため、神経損傷や異所骨折、多量 の出血、腫脹、気道狭窄などの重篤な併発症も起こし易い。 本論文では Skeletal ClassⅠからⅢの異なる顔面骨格形態と下顎枝形態および下顎管を含む内部構造の 関連性について、3 次元 CT を用いて詳細に計測し比較を行った。その結果、ClassⅡは ClassⅢに比べ、下 顎枝幅径、下顎孔から下顎下縁の距離は大きくなる傾向を示し、下顎孔から下顎切痕までの距離は小さく なる傾向を示した。また、セファロ計測値と下顎骨形態の相関は、ClassⅡでは、下顎枝部の項目において 相関を認め、ClassⅢでは、下顎枝部の項目、下顎体部の項目ともに相関を認めた。以上のことから、顔面 骨格形態の相違は下顎枝形態だけではなく下顎管を含む内部構造にも相違があることが明らかになり、本 研究結果は下顎枝矢状分割法の併発症回避のための一指標となりうる可能性が示唆された。 本審査委員会では1)基準点の設定方法、2)下顎枝部は頬舌的幅径を計測しているが下顎体部では頬 舌的幅径を計測していない理由、3)セファロ分析値と 3 次元計測値で相関を認めた理由、4)セファロ 分析の結果から下顎骨形態を予想することが可能となり、CT 撮影は不要なのか、などが質疑としてあげら れた。これらに対して1)基準平面は下顎第一大臼歯遠心隣接面と下顎中切歯近心偶角の中点を結んだ咬 合平面とし、咬合平面から各基準点を設定した、2)本研究では下顎枝矢状分割術の骨切り部位の下顎骨 形態を計測するため下顎体部の幅径は計測しなかった、3)顎変形症患者の下顎骨は下顎頭部の軟骨内骨 形成だけではなく、膜内骨形成も活発であると考えられる、4)セファロ分析から下顎骨の形態を予想す ることは可能であるが、詳細な骨形態を把握するためには CT の撮影は必要である、との回答があった。そ の他、本文上の表現、略語の使用、図・表について改善の指摘があり修正がなされた。 以上の結果から本研究で得られた結果は今後の歯学(口腔外科学)の進歩、発展に寄与するところが大 であり、学位授与に値するものと判定した。