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29つくば情審第22 号答申(平成29年5月19日) つくば市 | 情報公開・個人情報保護審査会答申一覧

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全文

(1)

2 9 つ く ば 情 審 第 2 2 号 平成29年5月19日

つくば市長 五 十 嵐 立 青 様

つく ば市情報公開 ・個人情報保護 審査会 会長 中 村 紀 一

つくば市 情報公開・個人 情報保護審査会 条例第2条第1 項の規定に基づ く 調査審議 について(答申)

(2)

別紙

答申書

第1 審査会の 結論

平成28年 8月9日付け28つくば市民第966号でつくば市長(以 下「 実施機関」 という。) が行った不開示決 定(以下「本件 処分」という。)は,妥当であ る。

第2 審査請求 の趣旨

1 審 査 請 求 人 ( 以 下 「 請 求 人 」 と い う 。) は , 平 成 2 8 年 7 月 2 6日 に つ く ば 市 個 人 情 報 保 護 条 例 ( 平 成 2 7年 つ く ば 市 条 例 第 28 号 。 以 下 「 条 例 」 と い う 。) 第 14 条第1項の 規定に基づき, 実施機関に対し ,平成25年度か ら開示請求日ま での 間の本人の 戸籍の発行の履 歴が確認できる 文書を旧姓での 請求の場合も含 め, 開示請求( 以下「本件請求 」という。)を行 った。

2 実 施 機 関 は , 本 件 請 求 に 対 し , 平 成 2 8年 8 月 9 日 付 け 2 8つ く ば 市 民 第 9 66号 で,本件請 求に係る行政文 書に含まれる保 有個人情報(以 下「本件情報」 とい う 。) に つ い て は , 第 三 者 で あ る 国 の 機 関 ( 以 下 「 本 件 機 関 」 と い う 。) の 情 報が含まれ ていたため,本 件機関に対し, 任意に開示決定 に当たっての意 見書 の提出の機 会を与え,当該 意見書の回答及 び聴取した理由 を含め,条例第 16条 第6号柱書 に該当するとし て,「 国が行う事 務又は事業に関 する情報であっ て, 開示するこ とにより,当該 事務又は事業の 性質上,当該事 務又は事業の適 正な 遂行に支障 を及ぼすおそれ があるため。」との理由を付して 本件処分を行っ た。 3 請求人は ,本件処分を不 服として,平成 28年11月16日付 けで,本件処分 を取

り消し,本 件情報の開示を するよう,実施 機関に対し審査 請求を行った。

第3 請求人の 主張の要旨

(3)

条第6号は ,次に掲げるお それその他必要 とされるアから オその他の場合 に適 用範囲を制 限しているが, この点について 実施機関は全く 説明しておらず ,重 要な個所を 削除した上で引 用しているため ,本件処分を同 号を理由として 適用 することは 不当である。

2 また,同 号を根拠条文と して本件処分を 行うに当たって ,当該条文に該 当さ せる理由の 確認が不足して いるのなら,実 施機関がした本 件処分は,判断 の根 拠を有して おらず,不当で ある。

第4 実施機関 の主張の要旨 1 請求人の 主張1に対して

条例第16条第6号に掲げ る情報は,同号 アからオに掲げ るおそれがある 情報 と同号柱書 の「その他当該 事務又は事業の 性質上,当該事 務又は事業の適 正な 遂行に支障 を及ぼすおそれ がある情報」で ある。

同号アか らオに掲げるお それは,典型的 な例を示したに すぎず,同号ア から オに掲げる おそれがある情 報以外の情報を 除外する趣旨で はない。同号ア から オに掲げる おそれがある情 報以外の情報に ついては,その 情報が同号柱書 の「そ の他当該事 務又は事業の性 質上,当該事務 又は事業の適正 な遂行に支障を 及ぼ すおそれが あるもの」に該 当するか否か判 断することとな り,本件情報に は, 同号に該当 する情報が含ま れていると判断 したため,本件 処分をしたもの であ る。

2 請求人の 主張2に対して

(4)

と判断した ため,本件処分 をしたものであ る。

第5 当審査会 の判断

1 争 点 1 ( 条 例 第 1 6条 第 6 号 の 情 報 は , 同 号 ア か ら オ に 限 定 さ れ る か 否 か 。) 条例第16条第6号柱書は ,市の機関,国 ,独立行政法人 等,他の地方公 共団 体及び地方 独立行政法人が 行う事務又は事 業に関する情報 であって,開示 する ことにより ,①次に掲げる おそれ,②その 他当該事務又は 事業の性質上, 当該 事務又は事 業の適正な遂行 に支障を及ぼす おそれのあるも のと規定してい る。 「 そ の 他 」 と は , 条 文 解 釈 上 ,「 そ の 他 」 の 前 に あ る 名 詞 等 と 「 そ の 他 」 の 後にある名 詞等が並列の関 係にある場合に 用いる用語であ る。したがって ,① 次に掲げる おそれのある情 報と,②当該事 務又は事業の性 質上,当該事務 又は 事業の適正 な遂行に支障を 及ぼすおそれの ある情報は,並 列の関係にある 。弁 明 書 4 ( 2 )ア の と お り , 条 例 第 1 6条 第 6 号 ア か ら オ に 掲 げ る お そ れ の あ る 情 報 は,典型的 な例を掲げたに 過ぎない。

この点, 請求人は,条例 第16条第6号は ,同号アからオ その他の場合に 限定 される旨を 主張している。

しかしな がら,前記のと おり,①次に掲 げるおそれのあ る情報と,②当 該事 務又は事業 の性質上,当該 事務又は事業の 適正な遂行に支 障を及ぼすおそ れの ある情報は ,並列の関係に あるので,請求 人の主張の意味 するところが, 同号 アからオの いずれかに該当 しない限り同号 に該当しないと いう趣旨である なら ば,これを 採用することは できない。保有 個人情報不開示 決定通知書の「 開示 し な い 理 由 」( 以 下 「 本 件 不 開 示 理 由 」 と い う 。) か ら , 処 分 庁 が 同 号 に 該 当 すると判断 したことは明ら かである。

2 争点2( 実施機関は本件 処分を根拠なく 行ったか否か。)

(5)

「 本 件 調 査 」 と い う 。) の 結 果 に よ れ ば , 実 施 機 関 は , 本 件 機 関 に 対 し , 開 示 についての 意見書を求め, 当該意見書の回 答及び聴取した 理由を含め,市 とし て諸般の事 情を総合的に考 慮し,開示の可 否を判断したの であって,根拠 なく 本件処分を 行ったとは言え ない。

以上に反 する請求人の主 張は採用するこ とができない。 3 争点3( 本件不開示理由 は理由の提示と して適法か否か )

審査請求 書記載の審査請 求の理由からは 必ずしも明らか ではないが,請 求人 は本件不開 示理由の適法性 も争っているよ うである。そこ で,本件不開示 理由 は,理由の 提示(つくば市 行政手続条例( 平成9年つくば 市条例第51号) 第8 条)として 適法か否かにつ いても検討する 。

一般に, 法令が行政処分 に理由を付記す べきものとして いる場合に,ど の程 度の記載を なすべきかは, 処分の性質と理 由付記を命じた 各法令の趣旨・ 目的 に照らして これを決定すべ きである(最高 裁昭和36年(オ)第84号同38年5 月31 日第二小法 廷判決・民集17巻4号617頁等参 照)。

附帯意見 で詳述するが, 本件情報には, 開示しない理由 に具体的内容を 記載 するとすれ ば,それだけで 不開示情報(条 例第16条柱書に 規定する不開示 情報 をいう。以下同じ。)を開示する こととなること になる情報が含 まれている(本 件調査の結 果)。

不開示処 分の性質上,開 示しない理由に 具体的内容を記 載し,それだけ で不 開示情報を 開示したことに なる程度の記載 を求められてい るとすれば,不 開示 処分が無意 味になることか ら,当該程度の 記載を求めてい ると解すること はで きない。し たがって,ある 程度の概括的, 抽象的な記載は 許される。

また,理 由の提示は,行 政庁の判断の慎 重と合理性を担 保してその恣意 を抑 制するとと もに,処分の理 由を名宛人に知 らせて不服の申 立てに便宜を与 える 趣旨に出た ものと解される (前掲最高裁判 決参照)。

(6)

ることによ り,当該事務又 は事業の性質上 ,当該事務又は 事業の適正な遂 行に 支障を及ぼ すおそれがある ため。」というも のである。

本件不開 示理由が概括的 ,抽象的な面が あることは否定 できない。しか し, この程度の 記載でも,実施 機関がおそれが ない場合にまで あえて「おそれ があ る」と記載 すること等は考 えにくく,恣意 抑制の効果はあ る。

また,こ の程度の記載で も,本件情報が 国が行う事務に 関する情報か, 開示 により支障 を及ぼすおそれ があるか等を争 うことは可能で あって,争訟便 宜の 機能もある 。

したがっ て,本件処分の 具体的な事情の もとでは,本件 不開示理由は, 理由 の提示とし て適法である。

4 なお,前 記1から3の点 に関し,実施機 関は審査庁に対 し本件処分に係 る弁 明 書 を 提 出 し ( 28 つ く ば 市 民 第 1 88 0号 ), 審 査 庁 は 当 該 弁 明 書 の 副 本 を 請 求 人 に 対 し 送 付 す る と と も に 反 論 書 の 提 出 に つ い て 通 知 し ( 2 8 つ く ば 市 民 第 1 8 8 6 号 ), 当 該 通 知 の 期 限 ま で に 反 論 書 の 提 出 が な か っ た た め に 再 度 , 反 論 書 の 提 出 に つ い て 通 知 し た ( 2 8つ く ば 市 民 第 20 73 号 )。 し か し , 請 求 人 か ら は 反 論 書 が提出され ておらず,処分 庁の弁明に反論 していない(本 件調査の結果)。

そこで, 当審査会は,審 査請求書,弁明 書及び本件調査 の結果に基づき 前記 1から3の ように判断した 。

5 以上のと おり,本件情報 を不開示とした 本件処分は,妥 当である。

第6 当審査会 の附帯意見

当審査会 は,本件請求に 係る諮問事項に ついて,調査審 議した過程で感 じた ことを附帯 意見として述べ る。

1 本件情報 が条例第16条第 6号に該当する か否か (1) 前記第 5のとおり,本 件請求には理由 がない。

(7)

な問題は ,本件情報が条 例第16条第6号 に該当するか否 かである。

そこで ,当審査会では ,本件情報の条 例第16条第6号 該当性について ,慎 重に検討 を行った。

(2) 条例第 16条柱書は,実 施機関は,開示 請求に係る保有 個人情報に不開 示情 報が含ま れている場合を 除き,開示請求 者に対し,当該 保有個人情報を 開示 しなけれ ばならない旨を 定めており,同 条は,開示請求 に係る保有個人 情報 を原則と して開示すべき ことを前提とし た上で,例外的 に不開示にすべ き情 報として ,同条各号に不 開示情報を限定 的に列挙してい る。

このよ うに,同条各号 は,同条柱書の 定める原則開示 義務に対する例 外で ある。

以上か らすれば,同条 第6号柱書の① 「当該事務又は 事業の性質上, 当該 事務又は 事業の適正な遂 行に支障を及ぼ す」とは,市の 機関等が行う事 務又 は事業の 性質に照らし, 当該事務又は事 業に関する情報 を開示すること によ り,当該 情報を開示する ことによる利益 を踏まえても看 過し得ないよう な実 質的な支 障が当該事務又 は事業に生じる 場合をいい,② 「支障を及ぼす おそ れ」があ るというために は,事務又は事 業の適正な遂行 について支障が 生じ る抽象的 な可能性がある というだけでは なく,当該事務 又は事業の適正 な遂 行につい て実質的な支障 が生じる蓋然性 が認められるこ とを要すると解 すべ きである 。

(3) 前記(2)を踏まえ,本件情報が同 号に該当する か否かについて 検討すると, 本件情報 は,本件機関が 法律に基づいて 行う事務に関す る情報が含まれ てお り,同号 の定める国の事 務に関する情報 に該当する(本 件調査の結果)。 (4) 実施機 関は,本件不開 示理由を「国が 行う事務又は事 業に関する情報 であ

(8)

る弊害及 び②本件機関が 他機関等へ協力 を要請すること を委縮する弊害 が生 じる可能 性が考えられる ことから,上記 ①及び②につい て検討する。

ア 事務 内容が判明する 弊害について

(ア) 本 件機関は,本件 機関に係る法律 に基づく事務( 以下「本件事務 」と いう。)を行っている (本件調査の結 果)。

(イ) 特 定個人に本件事 務を認識された 場合には,本件 事務そのものに 対す る当 該特定個人の対 抗措置が行われ る可能性は否定 できず,その結 果, 本件 事務に関して適 切な情報が収集 し得なくなるな ど,実効性のあ る本 件事 務が実施できな くなる事態を招 くおそれがある 。

(ウ) 本 件処分について は,実施機関に おいて本件機関 へ開示について の意 見書 を求めたところ ,本件機関から 本件情報が行政 機関個人情報保 護法 第14条第1項第7号 柱書に該当する 旨の回答があっ た。また,本件 機関 と実 施機関とのやり 取りの中で,本 件情報の開示に より本件事務の 妨げ とな る旨の説明もあ った(本件調査 の結果)。

(エ) 以 上によれば,本 件情報を開示す ることによって ,現在及び将来 の国 の事 務において,当 該事務の執行に 弊害が生じる蓋 然性を客観的に 認め るこ とができる。

イ 本件 機関が他機関等 へ協力を要請す ることを委縮す る弊害について (ア) 前 記ア(イ) の観点 等から,本件機 関に対し本件請 求と同趣旨の個 人情

報開 示請求をしても ,不開示処分又 は存否応答拒否 処分が行われる 可能 性が 高い(本件調査 の結果)。

(9)

以 上のとおり,条 例においても国 の事務又は事業 の遂行について 保有 個人 情報を提供する ことは予定して おり,本件事務 が法律に規定さ れて いる ことからも,本 件機関が他機関 等へ個人情報を 照会することは ,基 礎的 かつ有力な手段 である。

こ のように基礎的 かつ有力な手段 である個人情報 の照会において ,仮 に本 件機関に対し個 人情報開示請求 があったならば ,本件事務が判 明す る弊 害等から不開示 処分又は存否応 答拒否処分の対 象となる情報が 本件 機関 以外の国の機関 その他の団体等 において開示さ れてしまうこと にな ると ,本件機関にお いて当該弊害防 止の必要から照 会を控える委縮 効果 が生 じ,ひいては照 会の有効性は著 しく減ずること になる。このよ うな 事態 は条例の容認す るところでもな い。

(ウ) 以 上によれば,本 件情報を開示す ることによって ,現在及び将来 の国 の事 務において,本 件機関が他機関 等へ協力を要請 することを委縮 する 弊害 が生じる蓋然性 が高い。

(5) 以上 の検討によれば ,本件情報を開 示することによ って,国の事務 の適 正な遂 行について実質 的な支障を及ぼ す蓋然性を客観 的に認めること がで きる以 上,本件情報は ,不開示情報に 該当する。

2 つくば市 に対する要望

(1) 近年の プライバシー概 念は,自己情報 をコントロール する権利として 積極 的な概念 になっている。 条例も,このよ うな意味でのプ ライバシーを保 障す ることに より,総合的な 個人の権利利益 を保護すること を目的にしてい ると 考えられ る。このような 観点から,本件 処分について, 個人情報を広く 捉え て検討を 行った。しかし ながら,個人情 報の範囲を必要 以上に拡大解釈 する ことは, かえって他者の 権利侵害を招く おそれがある。

(10)

て詳述す ることはできな い理由は,具体 的内容や不開示 の理由を詳述す るこ とが結果 として不開示情 報を開示するこ とになってしま うからであって ,こ れらの記 載が本件情報の 外形的事実等に 基づくものとな らざるを得ない 。

しかし ,そうであると しても,条例が 「個人の権利利 益を保護するこ と」 を目的と している以上( 条例第1条),国の機 関名を明らかに しないことは, 違法とは 言えないまでも ,自己情報のコ ントロールを困 難にする点で望 まし いもので はない。

本件調 査において,明 らかになった具 体的事情に基づ いて,厳正なる 検討 を経た上 で国の事務の適 正な遂行につい て実質的な支障 を及ぼす客観的 蓋然 性を認め た事案である。 事務又は事業の 適正な遂行につ いて支障が生じ る抽 象的な可 能性があるとい うだけで条例第 16条第6号該当 性を認める趣旨 では ない。

(3) つくば 市においては, 上記(1),(2)を 踏まえ,個人情 報の開示,不開 示の 決定に当 たっては,個人 の権利利益を保 護するという条 例の目的に沿っ て, 今後とも 慎重な運用をさ れることを望む 。

参照

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