青森県教育庁
西北教育事務所
平 成 30 年 度
十
年
度
西
北
の
教
育
青
森
県
教
育
庁
西
北
教
育
事
務
西 北 の 教 育
西北教育事務所長
青森県教育委員会では、一人一人の子どもが高い志をもって努力し、確かな学力と豊か
な人間性を身に付け、新しい時代を主体的に切り拓く人間に成長するよう、「教育は人づ
くり」という視点に立ち、教育施策の充実に努めているところです。
西北管内の各校においては、学習指導要領の着実な実施に向けて、学校運営に創意工夫
をこらし、生きる力の育成に積極的に取り組んでいます。また、社会教育においては、人
と人とのつながりを大切にし、個人の充実した生活と豊かで住みよい地域社会の実現及び
家庭と地域の教育力を高める社会教育の推進に向けた環境づくりが行われています。
さて、管内の状況を概観しますと、確かな学力については、昨年の全国及び県の学習状
況調査等の結果は、基礎的・基本的な知識や技能は多くの教科でおおむね良好ですが、思
考力・判断力・表現力は依然として克服すべき課題があります。今後、一層の学力の向上
を図るには、知識及び技能の習得と思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視
し、知識の理解の質を高め、確かな学力の育成に努めることが必要です。新しい学習指導
要領で明示された「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を日常的に行う
ことが大切です。
心の教育については、その柱である道徳教育の一層の充実を図るため、教科化による
「考え、議論する道徳」 への転換が求められているところです。小学校においては今年度
から、中学校においては来年度から「特別の教科 道徳」が完全実施となります。検定教
科書を使用し、指導方法の工夫及び評価を着実に行い、心の教育の充実に意を用いた取組
をお願いします。また、児童生徒指導状況報告によりますと、管内では問題行動や不登校
が依然として発生しており、それらの解消に向けた指導は今後も継続する必要がありま
す。そのため、規範意識の醸成、命を大切にする心、思いやりの心、主体的に判断し適切
に行動する力等を育成するため、道徳教育や生徒指導の充実を図ることが大切です。さら
に、昨年10月に「青森県いじめ防止基本方針」が改定され、今後、各教育委員会でも「い
じめ防止基本方針」の見直しが行われます。それを受けて、各校で策定した「いじめ防止
基本方針」について改善し、取組の実施状況を学校評価に位置付け評価するなど、適切な
運用に努めることが大切です。各校においては、生徒指導体制の点検を行い、児童生徒の
「いのちのSOS」を受け止めることができるよう、保護者、地域住民、関係機関等と連
携した取組をお願いします。
社会教育については、学校・家庭・地域の三者が教育におけるそれぞれの役割と責任を
自覚し協働して、地域全体で子どもを育む環境づくりを推進していくことが重要です。ま
た、様々な活動の中から地域活動推進のための人財を発掘・育成し、地域住民が主体的に
地域づくりに向けた実践ができるように支援することも求められています。さらに、一人
一人が充実した人生を送ることができるよう、生涯のいつでも、自由に学習機会を選択し
学ぶことができ、学習の成果を地域社会等で生かせるような仕組みづくりが大切です。
西北教育事務所では、県教育委員会の方針及び重点、西北管内の状況を踏まえ、西北の
学校教育指導や社会教育行政の方針・課題・重点、課題解決のために特に推進すべき事項
を示しました。各校並びに各市町教育委員会、関係機関においては、その趣旨を十分御理
解いただくとともに、学校や地域の特色を生かした具体的な取組を通して、学校教育と社
会教育の一層の充実を図るようお願いします。
西 北 の 教 育
巻頭言 西北教育事務所長 1 青森県教育施策の方針 4 平成30年度 青森県教育委員会「施策の柱」 5 平成30年度 学校教育指導の方針と重点 6 平成30年度 社会教育行政の方針と重点 8 平成30年度 文化財保護行政の方針と重点 9 平成30年度 保健体育行政の方針と重点 10
学 校 教 育
1 学校教育指導の方針と重点 11 〔重点1〕 授業の充実 19 〔重点2〕 道徳教育の充実 20 〔重点3〕 特別活動の充実 21 〔重点4〕 体育、健康教育の充実 22 〔重点5〕 生徒指導の充実 23 〔重点6〕 キャリア教育の充実 24 〔重点7〕 特別支援教育の充実 25 〔重点8〕 環境教育の推進 26 〔重点9〕 国際化に対応する教育の推進 27 〔重点10〕 情報化に対応する教育の推進 28 〔重点11〕 研修の充実 29 〔重点12〕 複式教育の充実 30 2 指導上の参考資料
〔1〕 学習状況調査結果について 31 〔2〕 特別な支援を必要とする児童生徒への対応 34 〔3〕 生徒指導提要より 37 〔4〕 いじめの防止等について 42 3 教育支援委員会について 46 4 各種手続き等
〔重点1〕 学校・家庭・地域の協働による未来を担う人財の育成 65 〔重点2〕 活力ある地域コミュニティの形成に向けた人財の育成 66 〔重点3〕 一人一人の主体的な学習と社会参加の推進 66 〔重点4〕 社会教育推進のための基盤整備 67 〔重点5〕 伝統芸能の継承と文化財の保護 67 〔重点6〕 スポーツの推進 68 2 社会教育関係教育委員会訪問 72 3 講師、助言者等の派遣 74
総 務 課
○ 総 務 課 関 係〔1〕 平成30年度学級編制について 75 〔2〕 平成30年度小・中学校教職員配置基準 77 〔3〕 教員加配等について 80 〔4〕 学校に配置されている非常勤職員について 81 〔5〕 総務課関係教育事務所提出書類一覧 82
資 料
青森県教育施策の方針
青森県教育委員会は、郷土に誇りを持ち、多様性を
尊重し、創造力豊かで、新しい時代を主体的に切り拓
ひらく人づくりを目指します。
このため、
夢や志の実現に向け、知・徳・体を育む学校教育
学びを生かし、つながりをつくり出す社会教育
次代へ伝える、かけがえのない文化財の保存・活用
活力、健康、感動を生み出すスポーツ
を、市町村教育委員会、家庭や地域社会との連携を図
りながら推進します。
平成30年度 青森県教育委員会の「施策の柱」
将来の予測が難しい社会の中でも、伝統や文化に立脚した広い視野を持ち、志高く未来を創り出して
いくために必要な資質・能力を身に付けた子どもたちを育むことが求められる。
このため、よりきめ細かな教育環境を整備しつつ、基礎的な知識・技能の習得とともに、主体的・対 話的で深い学びの実践をとおして、意欲的に学ぶ姿勢や、自ら課題を発見し、その解決に向けて主体的 に探究する力、発信する力の向上等に取り組む。
経済的な事情などに関わらず、学ぶ意思のある子どもたちが必要な教育の機会を得ることができる環
境づくりを進めるとともに、いじめや不登校など問題行動への対策、特別な教育的ニーズのある児童生 徒の学びと就労への支援の充実を通じて、子どもを守り支え安心できる教育環境を整備する必要がある。 このため、高校生に対する修学支援、小・中・高等学校におけるいじめ等の対策、特別支援教育の充 実等に取り組む。
少子高齢化と人口減少の進展に伴い地域活力の衰退が懸念される中、個性豊かで魅力と活力ある地域 を創出し維持していくためには、学校・家庭・地域の連携・協働した仕組みの下で多様な教育資源を戦 略的に活用し、ふるさと青森の地で活躍する人財の育成や、幼少期からの生活習慣の好循環とスポーツ
による「健康長寿県」づくりの推進、かけがえのない文化財の保存・活用による次代への着実な継承が 求められる。
このため、児童生徒の将来の県内定着を図るための学校と地域企業等のネットワークの強化や、高等 学校におけるキャリア教育の充実に取り組むとともに、高校生が中心となって地域の魅力を発信する取
組や、学校・家庭・地域の連携による教育活動等を推進する。
また、子どもの運動・栄養・休養を総合的に捉えた生活習慣の改善や、国民体育大会の本県開催に向 けた取組等を進める。
さらに、三内丸山遺跡の適切な保存と積極的な活用・情報発信とともに、郷土を知り、魅力を発信で
1 方 針
郷土に誇りを持ち、多様性を尊重し、創造力豊かで、新しい時代を主体的に切り拓く幼児児童生徒を 育成するため、教育は人づくりという視点に立って、学校運営に創意工夫をこらし、夢や志の実現に向 け、知・徳・体を育む学校教育の推進に努める。
2 重 点
⑴ 授 業 の 充 実一人一人の子どもが、各教科及び総合的な学習の時間等において、主体的・対話的で深い学びを通し て確かな学力を身に付けることができるよう、言語活動の充実を図りながら、一人一人の能力・適性に 応じた指導と学習習慣の育成に努める。
ア 基礎的・基本的内容に即した教材の工夫と教材研究の深化 イ 個に応じた学習過程と評価を重視した指導の工夫
ウ 各教科等の特質に応じた体験活動や問題解決的な学習を重視した指導の工夫 エ 学校図書館やICTなどを活用した子どもの学びを支援する学習環境の充実 ⑵ 道徳教育の充実
一人一人の子どもが、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具 体的な生活の中に生かし、豊かな心をもつことができるよう、全教育活動を通じて道徳性の育成に努め る。
ア 道徳教育を推進する指導体制の整備・充実
イ 道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる指導の工夫 ウ 郷土を愛する心を育む指導の充実
⑶ 特別活動の充実
一人一人の子どもが、様々な集団活動に自主的、実践的に取り組み、集団や自己の生活上の課題を解 決することを通して、集団や社会における生活及び人間関係をよりよく築いていくことができるよう、 必要な資質・能力の育成に努める。
ア 自主的な態度を育てる学級活動・ホームルーム活動の工夫 イ 自治的な意識を高める児童会活動・生徒会活動の工夫 ウ 児童の個性の伸長と触れ合いを深めるクラブ活動の工夫 エ 感動や連帯感を高める学校行事の工夫
⑷ 体育、健康教育の充実
一人一人の子どもが、生涯にわたって自ら進んで運動に親しみ、健康・安全で活力のある生活を送る ことができるよう、家庭や地域社会との連携を図りながら、心と体を一体として捉え、健やかな体を育 む教育の推進に努める。
ア 運動に親しむ資質や能力の育成及び体力の向上を図る指導の充実
イ 健康に関する知識を身に付け、積極的に健康な生活を実践できる指導の充実 ウ 食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができる指導の充実 エ 安全に関する情報を正しく判断し、安全を確保することができる指導の充実 ⑸ 生徒指導の充実
一人一人の子どもが、豊かな生活を送ることができるよう、家庭や地域社会及び関係機関等との連携 を図りながら、心の結びつきを基調とした指導を行うとともに、問題行動・不登校等の未然防止、早期 発見・早期対応に努める。
ア 基本的な生活習慣や自己指導能力を育成する協働的な指導体制の充実 イ 生徒指導の機能を生かした学年・学級・ホームルーム経営の充実 ウ 児童理解・生徒理解に基づいた教育相談の充実
エ いじめの積極的な認知と組織的な対応の徹底
平成30年度 学校教育指導の方針と重点
⑹ キャリア教育の充実
一人一人の子どもが、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立がで きるよう、必要な基盤となる資質・能力の育成に努める。
ア キャリア教育指導体制の整備・充実
イ 現在及び将来の生き方を考える指導・進路指導の充実 ウ 児童生徒の発達の段階に応じた勤労観・職業観の育成 ⑺ 特別支援教育の充実
発達障害を含む障害のある子どもが、障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服する とともに、そのもてる力を最大限に発揮して自立や社会参加ができるよう、一人一人の教育的ニーズを 把握し、適切な指導及び必要な支援に努める。
ア 校内支援体制の充実
イ 個別の指導計画の作成と活用による指導の充実
ウ 個別の教育支援計画の作成と活用による関係機関と連携した支援の充実 エ 交流及び共同学習による相互理解の促進
⑻ 環境教育の推進
一人一人の子どもが、環境と人間とのかかわりについて関心と理解を深め、環境に対する豊かな感受 性を養うことができるよう、環境保全に主体的に取り組む態度の育成に努める。
ア 教科等間の関連を踏まえた指導の工夫 イ 地域の環境の実態に即した指導の工夫 ウ 環境にかかわる体験学習の充実 ⑼ 国際化に対応する教育の推進
一人一人の子どもが、我が国や諸外国の文化と伝統について関心と理解を深めるとともに、国際社会 に貢献できるよう、国際理解教育の推進に努める。
ア 郷土に対する愛着と誇りを涵養する教育の推進
イ 外国語指導助手等の活用や言語活動の工夫・充実による、外国語を通じたコミュニケーション能力 の育成
ウ 異なった文化や習慣をもつ人々との交流の推進 ⑽ 情報化に対応する教育の推進
一人一人の子どもが、情報活用能力を身に付けることができるよう、情報モラルにかかわる指導の充 実を図り、系統的・体系的な情報教育の推進に努める。
ア 情報教育を推進する指導体制の整備・充実 イ 学習指導におけるICTの適切な活用の推進
ウ 情報通信ネットワーク等を適切に活用した教育の推進 エ 家庭や地域社会と連携した情報モラルに関する指導の推進 ⑾ 研 修 の 充 実
教員等の資質を高め、教育活動の充実を図るため、計画的・実践的な研修の充実に努める。 ア 教員等の資質の向上に関する指標を踏まえた研修の推進
イ 互いに学び合い、指導力を高め合う校内研修体制の整備・充実 ウ 学校の教育課題解決のための実践的研究の充実
平成30年度 社会教育行政の方針と重点
青森県教育委員会
1 方 針
県民が、自己の向上を目指して生きがいのある充実した生活を送るとともに、豊かで住みよい地域社 会を形成することができるよう、学びを生かしつながりをつくり出す社会教育の推進に努める。
2 重 点
⑴ 学校・家庭・地域の協働による未来を担う人財の育成
ア 青少年の体験活動の充実
イ 地域が支えるキャリア教育の充実 ウ 子どもの読書活動の充実
エ 地域全体で子どもを育む活動の充実 オ 家庭教育支援の充実
⑵ 活力ある地域コミュニティの形成に向けた人財の育成
ア 地域活動の実践者の育成
イ 地域活動の指導者、コーディネーターの養成 ウ 地域活動に関わる人財のネットワーク形成の支援 ⑶ 一人一人の主体的な学習と社会参加の推進
ア 関係機関との連携による多様な学習活動の支援 イ 学習成果を生かした社会参加活動の支援 ⑷ 社会教育推進のための基盤整備
ア 社会教育推進体制の充実
平成30年度 文化財保護行政の方針と重点
青森県教育委員会
1 方 針
郷土への愛着と誇りを培い、うるおいと活力のある県民生活を実現するため、次代へ伝える、 かけ がえのない文化財の保存・活用に努める。
2 重 点
⑴ 文化財の保護・保存
かけがえのない文化財を次代に伝えるため、適切に管理し、保護・保存に努める。 ア 文化財を大切にし、守り伝えようとする意識の啓発
イ 文化財の調査や記録作成の実施 ウ 国や県の文化財指定の推進 エ 指定文化財の保存・修理等の支援
オ 「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録に向けた取組との連携協力 ⑵ 文化財の公開・活用
県民が文化財に興味・関心を持ち、親しめるよう、公開・活用と情報発信に努める。 ア 文化財の公開・活用の促進と情報発信
イ 史跡等の公有化や整備の支援
ウ 特別史跡三内丸山遺跡の調査研究活動と多様な活用の推進 ⑶ 伝統芸能・技術の継承
地域で育まれ、保存・伝承されてきた伝統芸能や技術の継承に努める。 ア 伝統芸能・技術の後継者の育成支援と発表機会の充実
イ こどもの伝統芸能伝承活動の推進 ⑷ 博物館等施設の機能の充実
県民が文化財に触れ、体験・体感できる機会の充実と情報発信に努める。 ア 県立郷土館の展示・教育普及・調査研究活動の充実と情報発信
平成30年度 保健体育行政の方針と重点
青森県教育委員会
1 方 針
県民一人一人が、生涯にわたり健やかで活力に満ちた生活を送ることができるよう、学校における体育・ スポーツ及び健康教育の充実並びにスポーツの推進に努める。
2 重 点
⑴ 学校体育・スポーツの充実
児童生徒が、自ら進んで運動に親しむ資質や能力を身に付け、健康の保持増進と体力の向上を図るこ とができるよう、学校体育・スポーツの充実に努める。
ア 教科体育(保健体育)における学習指導の充実 イ 体力の向上を図る指導の充実
ウ 体育(保健体育)担当教員等の研修の充実 エ 運動部活動の指導の充実
⑵ 健康教育の充実
児童生徒が、心身ともに健康で安全な生活について理解し実践できるよう、学校、家庭、地域社会の 連携を図り、学校保健、学校における食育及び学校安全を総合的に推進し、健康教育の充実に努める。 ア 学校保健の充実
イ 学校における食育の充実 ウ 学校安全の充実
エ 健康教育担当教員等の研修の充実 ⑶ スポーツの推進
県民が生涯にわたり豊かなスポーツライフを実現できるよう、スポーツに親しむ環境づくりと競技力 を向上させる環境づくりの充実を図り、スポーツの推進に努める。
ア ライフステージに応じたスポーツ活動の推進 イ 学校や地域における子どものスポーツ機会の充実 ウ 地域のスポーツ環境の整備・充実
エ 競技スポーツの推進
オ スポーツによる地域の活性化 ⑷ 第80回国民体育大会の開催準備
1 学校教育指導の方針と重点
方 針
郷土に誇りを持ち、多様性を尊重し、創造力豊かで、新しい時
代を主体的に切り拓く幼児児童生徒を育成するため、教育は人づ
くりという視点に立って、学校運営に創意工夫をこらし、夢や志
の実現に向け、知・徳・体を育む学校教育の推進に努める。
課 題 確かな学力の育成と心の教育の充実
重 点
1 授業の充実 2 道徳教育の充実
3 特別活動の充実 4 体育、健康教育の充実
5 生徒指導の充実 6 キャリア教育の充実
7 特別支援教育の充実 8 環境教育の推進
9 国際化に対応する教育の推進 10 情報化に対応する教育の推進
11 研修の充実 12 複式教育の充実
特に推進すべき事項
確かな学力を身に付ける授業づくり
・学力の実態把握と組織的対応 ・ 主体的・対話的で深い学びを
実現する授業改善
・学ぶ意欲と学習習慣の確立
豊かな心と健やかな体の育成
・ 心の教育の充実と命を守る体 制の強化
・健康・体力の保持増進
・ 自己の生き方を考える機会の 充実
教職員としての資質・能力の向上
・ 個 々 の 意 識 改 革 と 組 織 力 の 向上
・校内研修の充実と活性化 ・ 研修への積極的参加と研修成
方 針 に つ い て
青森県教育委員会では、学校・家庭・地域社会が一体となって、「郷土に誇りを持ち、多様性を尊重し、 創造力豊かで、新しい時代を主体的に切り拓く人づくり」を目指しています。その中で、学校教育では、知 (確かな学力)・徳(豊かな心)・体(健やかな体)の育成を重要な教育課題としています。
そこで、青森県教育施策の方針や青森県教育委員会の「施策の柱」(平成30年度)、さらに管内の状況等を 踏まえて、平成30年度西北の学校教育指導の方針を、「郷土に誇りを持ち、多様性を尊重し、創造力豊かで、 新しい時代を主体的に切り拓く幼児児童生徒を育成するため、教育は人づくりという視点に立って、学校運 営に創意工夫をこらし、夢や志の実現に向け、知・徳・体を育む学校教育の推進に努める。」としました。 児童生徒が、新しい時代を切り拓く人財として成長するためには、児童生徒の向上心や学ぶ意欲の源とな る夢や志を抱くことができるような教育が大切です。また、一人一人の特性等を十分理解し、それぞれのよ さや可能性を伸ばして、自ら学び、課題を解決できる確かな学力や他人を思いやる心などの豊かな人間性、 たくましく生きるための健康や体力など、「知・徳・体」をバランスよく身に付ける教育が必要です。 このような教育の実現に向けて、幼児期から小・中・高等学校までを見通した「継ぎ目のない教育」の一 層の推進が重要です。教育は人づくりという視点に立って、一人一人の児童生徒の今と未来を見据え、学校 運営に工夫をこらし、「縦」の連携と「横」の連携を大切にしながら、計画的、組織的、継続的に取り組む ことが大切です。
課 題 に つ い て
各種の調査結果から、管内の児童生徒の学力は、基礎的・基本的な知識及び技能については、多くの教科 でおおむね良好ですが、思考力・判断力・表現力等については、依然として克服すべき課題があります。こ のことから、学習指導要領の趣旨を踏まえ、基礎的・基本的な知識及び技能の習得と思考力・判断力・表現 力等の育成のバランスを重視し、知識の理解の質をさらに高め、学習意欲の向上や学習習慣の確立を図りな がら、「確かな学力」を育成することが望まれます。そのためには、主体的・対話的で深い学びを実現する 授業の質的改善に日常的に取り組み、地域や児童生徒の実態に即した特色ある取組を充実させていくことが 大切です。
また、コミュニケーション能力の不足、基本的な生活習慣の乱れや規範意識の低下、学習不適応等の課題 が指摘され、暴力行為やいじめ等の問題行動、不登校、インターネットやSNSを介したトラブルの発生な どが依然として憂慮される状況にあり、全教育活動を通じて道徳教育や生徒指導の一層の充実を図ることが 今後も重要です。
このような現状を踏まえ、今年度も西北の課題を「確かな学力の育成と心の教育の充実」とし、学校運 営に創意工夫をこらし、教職員一人一人が教育への情熱と強い使命感をもち、「夢や志の実現に向け、知・ 徳・体を育む学校教育」の推進に努めることとしました。
重 点 に つ い て
西北の課題である「確かな学力の育成と心の教育の充実」を解決するため、学習指導要領の趣旨、青森県 教育委員会の「学校教育指導の方針と重点」、西北の現状等を踏まえ、今年度も12の重点を設定しました。 自校の実態を踏まえて指導の改善を図るに当たっては、各重点における指導項目と留意すべき内容をご確認 ください。
1 授業の充実は、各教科及び総合的な学習の時間等において、基礎的・基本的な知識・技能の定着を図り つつ、主体的・対話的で深い学びを通して「確かな学力」を身に付けることができるよう、指導計画の作 成、教材の工夫と教材研究の深化、個に応じたきめ細かな指導による学習意欲の向上、言語能力、情報活 用能力、問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力の育成などが必要なことから設定したもの です。
ア 基礎的・基本的内容に即した教材の工夫と教材研究の深化 イ 個に応じた学習過程と評価を重視した指導の工夫
ウ 各教科等の特質に応じた体験活動や問題解決的な学習を重視した指導の工夫 エ 学校図書館やICTなどを活用した子どもの学びを支援する学習環境の充実
一人一人の児童生徒が、各教科及び総合的な学習の時間等において、主体的・対話的で深い学びを通し て確かな学力を身に付けることができるよう、言語活動の充実を図りながら、一人一人の能力・適性に応 じた指導と学習習慣の育成に努めることが重要です。
2 道徳教育の充実は、道徳性の育成を図るため、全教育活動を通じて、学校段階ごとに取り組むべき事項 を明確にし、効果的な指導に努める必要があることから設定したものです。小学校においては今年度か ら、中学校においては来年度から「特別の教科 道徳」が完全実施となります。道徳の時間(道徳科)を 要として、児童生徒の道徳性を育てるため、これまでの成果を生かしつつ、道徳教育の実質化、質的転換 を図る改善が求められます。
ア 道徳教育を推進する指導体制の整備・充実
イ 道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる指導の工夫 ウ 郷土を愛する心を育む指導の充実
一人一人の児童生徒が、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭、学校、その他社会における具 体的な生活の中に生かし、豊かな心をもつことができるよう、道徳性の育成に努めることが重要です。
3 特別活動の充実は、様々な集団活動に自主的・実践的に取り組ませ、よりよく問題を解決する能力やよ りよい人間関係を築く能力の育成を一層充実させていく必要があることから設定したものです。
ア 自主的な態度を育てる学級活動の工夫
イ 自治的な意識を高める児童会活動・生徒会活動の工夫 ウ 児童の個性の伸長と触れ合いを深めるクラブ活動の工夫 エ 感動や連帯感を高める学校行事の工夫
一人一人の児童生徒が、様々な集団活動に、自主的、実践的に取り組み、集団や生活上の課題を解決す ることを通して、集団や社会における生活及び人間関係をよりよく築いていくことができるよう、必要な 資質・能力の育成に努めることが重要です。
4 体育、健康教育の充実は、一人一人の児童生徒が、生涯にわたって自ら進んで運動に親しみ、運動の楽 しさや喜びを味わわせるための基礎的な運動技能や知識等をしっかり身に付けるとともに、自らの健康と 体力の保持増進に努めることが必要であることから設定したものです。
ア 運動に親しむ資質や能力の育成及び体力の向上を図る指導の充実
イ 健康に関する知識を身に付け、積極的に健康な生活を実践できる指導の充実 ウ 食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができる指導の充実 エ 安全に関する情報を正しく判断し、安全を確保することができる指導の充実
5 生徒指導の充実は、自発的で自主的な活動を促進し、一人一人の児童生徒の望ましい社会的自己実現を 目指すことが重要であることから設定したものです。とりわけ、「いじめは、どの子どもにも、どこの学 校でも起こりうる」との前提で、いじめを積極的に認知し、解消を図る必要があります。法に基づくいじ めの積極的な認知と組織的な対応の徹底が求められます。
ア 基本的な生活習慣や自己指導能力を育成する協働的な指導体制の充実 イ 生徒指導の機能を生かした学年・学級経営の充実
ウ 児童理解・生徒理解に基づいた教育相談の充実 エ いじめの積極的な認知と組織的な対応の徹底
オ 家庭や地域社会及び関係機関・団体等との連携の充実
一人一人の児童生徒が、豊かな生活を送ることができるよう、家庭や地域社会及び関係機関等との連携 を図りながら、心の結びつきを基調とした指導を行うとともに、問題行動・不登校等の未然防止、早期発 見・早期対応に努めることが重要です。
6 キャリア教育の充実は、進路指導が中学校・高等学校における重要な教育活動であることは変わらない ものの、小学校段階からの継続的な「将来の生き方指導」という広い視点に立ったキャリア教育が求めら れていることや学習指導要領に自己の生き方に関する内容が盛り込まれるなど、キャリア教育への取組が ますます重要になっていることから設定したものです。
ア キャリア教育指導体制の整備・充実
イ 現在及び将来の生き方を考える指導・進路指導の充実 ウ 児童生徒の発達の段階に応じた勤労観・職業観の育成
一人一人の児童生徒が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立がで きるよう、必要な基盤となる資質、能力、態度の育成に努めることが重要です。
7 特別支援教育の充実は、発達障害を含む障害のある児童生徒の自立や社会参加に向け、一人一人の教育 的ニーズに応じて、校内支援体制の整備と学校間及び関係機関との一層の連携による計画的、組織的な支 援の充実に努めることが必要であることから設定したものです。
ア 校内支援体制の充実
イ 個別の指導計画の作成と活用による指導の充実
ウ 個別の教育支援計画の作成と活用による関係機関と連携した支援の充実 エ 交流及び共同学習による相互理解の促進
発達障害を含む障害のある児童生徒が、障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善、克服する とともに、そのもてる力を最大限に発揮して自立や社会参加ができるよう、一人一人の教育的ニーズを把 握し、適切な指導及び必要な支援に努めることが重要です。そのためには、インクルーシブ教育システム の構築を見据え、授業のユニバーサルデザイン化を一層進めるとともに、合理的配慮に基づく適切な指導 によって、通常の学級における個別に支援を要する児童生徒が学びやすい学習環境を整えることが大切で す。
8 環境教育の推進は、環境保全が人類共通の地球的な課題となっており、「青森県基本計画未来を変える 挑戦」において、子どもの頃からの環境教育を重視していることを受け、環境に対する豊かな感受性や見 識をもって行動できる人間の育成が急務であり、環境教育を一層推進していく必要があることから設定し たものです。
ア 教科等間の関連を踏まえた指導の工夫 イ 地域の環境の実態に即した指導の工夫 ウ 環境にかかわる体験学習の充実
9 国際化に対応する教育の推進は、広い視野で異なる文化や習慣をもった人々を理解し、積極的に外国語 を通じたコミュニケーションを図ろうとする態度や能力の育成が求められていることから設定したもので す。
ア 郷土に対する愛着と誇りを涵養する教育の推進
イ 外国語指導助手等の活用や言語活動の工夫・充実による、外国語を通じたコミュニケーション能力 の育成
ウ 異なった文化や習慣をもつ人々との交流の推進
一人一人の児童生徒が、我が国や諸外国の文化と伝統について関心と理解を深めるとともに、国際社会 に貢献できるよう、国際理解教育の推進に努めることが重要です。
10 情報化に対応する教育の推進は、情報化の進展が著しいこれからの時代を生きていく児童生徒に必要 な、情報の理解、選択、創造、発信などの基礎的な能力の育成を図るとともに、情報を活用する様々な場 面で、ネットワーク上のルールやマナー、人権侵害や著作権の侵害などに対する対応等といった情報モラ ルを身に付けさせる指導の充実が求められていることから設定したものです。
ア 情報教育を推進する指導体制の整備・充実 イ 学習指導におけるICTの適切な活用の推進
ウ 情報通信ネットワーク等を適切に活用した教育の推進 エ 家庭や地域社会と連携した情報モラルに関する指導の推進
一人一人の児童生徒が、情報活用能力を身に付けることができるよう、情報モラルに関わる指導の充実 を図り、系統的・体系的な情報教育の推進に努めることが重要です。そのためには、家庭や地域社会と連 携した取組も求められます。
11 研修の充実は、学校の組織力を高めながら創意工夫ある教育活動を展開するためには、教員等の資質の 向上が重要な課題であることから設定したものです。
ア 教員等の資質の向上に関する指標を踏まえた研修の推進 イ 互いに学び合い、指導力を高め合う校内研修体制の整備・充実 ウ 学校の教育課題解決のための実践的研究の充実
エ 学習指導要領に基づく実践的研究の充実
オ 家庭や地域社会と連携した特色ある教育活動の研究・推進
教員等の資質を高め、教育活動の充実を図るため、計画的・実践的な研修の充実に努めることが重要で す。
12 複式教育の充実は、管内に複式学級があり、複式学級においても確かな学力を育成し、生きる力を育む 指導の充実を図る必要があることから設定したものです。
ア 指導体制の整備・充実
イ 少人数や地域社会の特性を生かした教育活動の充実 ウ 効果的な学習指導の推進
エ 研修の充実
特に推進すべき事項について
各学校が課題解決のために特に推進すべき事項として、「確かな学力を身に付ける授業づくり」、「豊かな 心と健やかな体の育成」、「教職員としての資質・能力の向上」の3つを掲げました。
1 確かな学力を身に付ける授業づくり ⑴ 学力の実態把握と組織的対応
基礎・基本の確実な定着を図るためには、自校の学力の実態を的確に把握することが不可欠です。そ のため、標準学力検査及び県の学習状況調査等の結果分析により、指導上の課題を明らかにすることが 大切です。その上で、対策の明確化を図り、全教職員が共通理解して指導に当たることが重要です。 基礎的・基本的な知識及び技能の習得も含め、学習内容を確実に身に付けることができるよう、児童
生徒や学校の実態に応じ、個別学習やグループ別学習、繰り返し学習、学習内容の習熟の程度に応じた 学習、児童生徒の興味・関心等に応じた課題学習、補充的な学習や発展的な学習などの学習活動を取り 入れることや、教師間の協力による指導体制を確保することなど、指導方法や指導体制の工夫改善によ り、個に応じた指導の充実を図ることが大切です。
⑵ 主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善
教育活動の中核は日常の授業実践にあり、基礎・基本の確実な定着を図るためには日常の授業の質的 改善が必要です。改善の方向は「主体的・対話的で深い学びの実現」であり、確かな学力を児童生徒に 身に付けさせる授業づくりそのものです。そのため、本時のねらいを明確にするとともに、解決の見通 しをもたせ、児童生徒の協働的な学習活動を通して「分かる」喜びと「できる」達成感・成就感を味わ わせる工夫が大切です。その際、言語活動を多様に取り入れ、思考力・判断力・表現力を養う場や学習 内容の定着を図る場を設定するとともに、身に付けた知識や技能を活用する学習活動を充実することも 大切です。
評価に当たっては、ねらいに即した評価の場面や方法を設定するとともに、その時間や単元の学習を 児童生徒自身が振り返る活動を通して、次の学習や生活に役立つようにすることが重要です。
授業改善を進めるに当たっては、学校全体で取り組むことが何よりも重要です。児童生徒がどの教科 の学習においても、主体的で協働的な学習活動に取り組むことができるよう、教科の垣根を越えた授業 設計が必要です。また、各教科等の年間指導計画を、児童生徒の学力の実態を反映したものにするため 毎年見直して修正したり、昨年度の指導の反省を今年度の指導改善の視点として生かしたりすることが 大切です。さらに、適切なカリキュラムマネジメントによって、学習と体験を結び付けたり、学び直し が必要な内容に関して手厚く授業時数を設定したりするなど、実態に即した柔軟で実効性ある計画の作 成と実施が求められるところです。
⑶ 学ぶ意欲と学習習慣の確立
基礎・基本の確実な定着を図るためには、児童生徒一人一人の向上心や学ぶ意欲を育み、日常の授業 で成就感を味わえるように授業づくりを工夫するとともに、学習習慣の確立について家庭と連携するこ とが必要です。
2 豊かな心と健やかな体の育成
⑴ 心の教育の充実と命を守る体制の強化
知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童生徒を育成するため、自校の心の教育について学校とし て共通理解を図りながら取り組むことが必要です。また、児童生徒が安心して学校生活を送るため、学 級経営及び学年経営が充実していることが求められます。
豊かな人間性を育み、心の教育を充実させるためには、「道徳の時間」(道徳科)を要として学校の定 める道徳教育の重点目標と関連させながら教育活動全体を通じた道徳教育を推進することが大切です。 具体的には、指導計画の別葉を作成して各教科等や学校行事との関連を明確にした道徳教育の実現を図 ることが重要です。その際、道徳教育推進教師を中心とした協力体制を整備し、児童生徒の発達の段階 や実態に応じた指導内容の重点化や体験活動の推進などにより、心に響く道徳教育の一層の充実を図る 必要があります。そのことを通して、他者との関係を調整する力やコミュニケーション能力の育成、基 本的生活習慣の定着、自制心や規範意識の醸成、他を思いやる心や多様性を尊重する心の育成を図るこ とが重要です。
また、日頃から児童生徒との共感的な触れ合いを通して、悩みや不安を早期に把握できるよう教育相 談を充実させることが必要です。その際、9年間を見通して小・中学校の連携のもと児童生徒にかかわ る情報を共有し、問題行動・不登校等の未然防止、早期発見・早期対応ができるよう、家庭や地域社会 及び関係機関等との連携を密にしながら、心の結び付きを基調とした指導を行い、機動的な指導体制を 確立しておくことが必要です。
とりわけ、児童生徒の「いのちのSOS」を受け止めることができるよう、悩みを抱える児童生徒に 対する日常的な対応を継続するとともに、長期休業明けに直面しているプレッシャーや精神的動揺を的 確に把握し対策を講じたり、自殺予防教育を適切に実施したりする等、保護者、地域住民、関係機関等 と連携した協働的な指導体制の強化と自校の生徒指導体制の日常的な点検が重要です。
⑵ 健康・体力の保持増進
多様化している子どもの心身の健康問題に対応し、生涯にわたって健康で安全な生活を送るための基 礎を培うことが大切です。そのため、新体力テストや各種健康調査等を定期的に実施するなどして、自 校における児童生徒の実態を把握するとともに、課題改善への取組を見直し、全校で継続的に実践して いくことが大切です。
また、健康的な生活習慣や運動習慣の確立に向け、体育科・保健体育科の充実や体育的行事等の工夫 はもとより、他教科・領域等との関連を図りながら、学校における教育活動全体で取り組むことが求め られます。
さらに、家庭や地域の関係機関等と連携しながら、児童生徒の発達の段階に応じた食育の推進や安全 に関する指導の工夫に努めることも大切です。
⑶ 自己の生き方を考える機会の充実
児童生徒が自分自身を見つめ、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、自分の特徴に気 付き、自分らしい生き方を実現していこうとする態度を育成していくことが求められています。 このような能力や態度を育てるためには、全教職員がキャリア教育の意義や目的などについて共通理
解を図り、キャリア教育の全体計画や年間指導計画を基に全教育活動を通じて計画的、継続的な指導を 行っていくことが大切です。特に、小学校においては、「将来の生き方指導」という広い視点に立った キャリア教育の充実、中学校においては、キャリア教育指導体制の整備・充実が必要です。
3 教職員としての資質・能力の向上 ⑴ 個々の意識改革と組織力の向上
学校教育の充実は、その直接の担い手である教員の資質・能力に負うところが極めて大きく、一人一 人の児童生徒が自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動していくことのできる自立した個人とし て、心豊かに、たくましく生き抜いていく基礎を培う教育を行うことが期待されています。教職員に対 する期待が高まる中、家庭や地域から信頼され、期待に応える学校づくりを推進するためには、教職員 一人一人の意識改革が求められます。
また、活力ある学校づくり及び充実した教育活動を展開するためには、全教職員が自校の教育課題を 共通理解し、一人一人が学校運営に積極的に参画することが求められており、校長を中心とした運営体 制を確立し、学校の組織力を高めることは、極めて重要です。
⑵ 校内研修の充実と活性化
校内研修が教職員の資質・能力を高める上で基盤となるものであることを、一人一人が十分認識する 必要があります。校内研修の充実のためには、校内研修体制の整備に努め、時代の要請に迅速、的確に 対応するため、学習指導要領の趣旨等の理解や児童生徒理解、特別支援教育や環境教育、キャリア教 育、いじめ・不登校等の今日的な教育課題に対応した研修を深め、その成果を日常の教育活動に十分活 用するよう努めることが大切です。
特に、校内研究においては、学校の教育課題解決に向けた実践的研究を充実させるため、授業の見直 しと改善に努め、校内研究の日常化を図ることが大切です。
また、法令遵守(コンプライアンス)に係る研修、教職員のメンタルヘルスの向上に係る研修、パ ワーハラスメント防止の研修等を実施する機会を適切に設け、教育公務員としての基本的資質を高め、 良好な勤務環境のもとで教育活動の活性化を図ることが求められます。
⑶ 研修への積極的参加と研修成果の共有
これからの社会で求められる教員は、社会からの尊敬・信頼を受ける教員、思考力・判断力・表現力 等を育成する実践的指導力を有する教員、同僚と協働し、地域と連携して困難な課題に対応する教員で あると言われています。このため、教職生活全体を通じて、実践的指導力等を高めるとともに、教員自 身が探究力をもち、学び続ける存在であることが大切です。
ア 基礎的・基本的内容に即した教材の工夫と教材研究の深化
⑴ 基礎的・基本的内容を確実に身に付けさせるため、児童生徒の実態を踏まえ、指導内容の重点化を図 り、各種の統計資料や新聞、視聴覚教材や教育機器などの教材等の工夫に努める。
⑵ 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善のため、単元や題材など内容や時間のまとまりを 見通し、各教科の特質に応じて、学習を見通し振り返る場面や対話する場面などを授業のどこに設定す るかや、児童生徒が考える場面と教師が教える場面をどのように組み立てるか等を視点とした教材研究 の深化に努める。
⑶ 各教科等においては、その目標を達成するため、学年の系統性や発展性を考慮し、弾力的な指導が十 分行われるように、指導時数及び教材の配列を工夫した年間指導計画を作成する。
⑷ 年間指導計画は、指導上の課題を踏まえ、言語活動の充実や他教科等との関連を考慮し、重点的な指 導事項を明記するなどして、日常の授業に活用するとともに、指導後の反省等を基に見直しや改善に努 める。
イ 個に応じた学習過程と評価を重視した指導の工夫
⑴ 本時の学習に見通しをもたせ、つまずきへの具体的な手立てを工夫するとともに、児童生徒の考えを 生かしながらまとめ、自分の成長や変容を振り返るなど、学ぶことの楽しさや成就感を味わわせる授業 づくりに努める。
⑵ 基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させるため、学習の目標や内容、児童生徒の実態に応じて 学習形態を工夫し、少人数学習やティーム・ティーチング、繰り返し学習など、個に応じたきめ細かな 指導の充実を図り、指導方法や指導体制の工夫・改善に努める。
⑶ 評価に当たっては、評価規準を設定し、単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の 場面や方法を工夫し、学習の過程における評価を一層重視して、指導と評価の一体化に努める。 ⑷ 自己評価や相互評価等を取り入れ、児童生徒一人一人の学習意欲の向上を図り、よさや可能性を伸ば
すことができるよう多面的な評価に努める。
ウ 各教科等の特質に応じた体験活動や問題解決的な学習を重視した指導の工夫
⑴ 児童生徒が主体的に自分の生活体験や興味・関心をもとに課題を見つけ、自分なりに方法を選択して 解決に取り組むことができるよう、指導の工夫に努める。
⑵ 観察や実験、見学や調査、スピーチや討論、自ら調べ、まとめ、発表する活動、自然体験やボラン ティアなどの社会体験、ものづくりや生産活動などの各教科の特質に応じた体験活動を継続的に授業へ 取り入れるための工夫をする。
⑶ 問題解決的な学習を重視し、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識・技能 を相互に関連付けてより深く理解する等の「深い学び」の実現に向けた指導の工夫に努める。
⑷ 児童生徒自身が自分の成長や変容を自覚し、学びの達成感やさらなる課題意識などをもつことができ るよう、1単位時間や単元ごとに振り返る場面を設定する。
⑸ 学習習慣に関わる児童生徒の実態を把握し、学び方の指導を継続的に行うとともに、家庭との連携を 図り、授業と家庭学習の関連に配慮しながら学習習慣の確立に努める。
エ 学校図書館やICTなどを活用した子どもの学びを支援する学習環境の充実
⑴ 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善のため、学校図書館やICTなどを日常的・効果 的に活用できる環境の整備・充実に努める。
⑵ 学校図書館の利用指導・読書指導・情報活用に関する各種指導計画等に基づき、計画的・継続的に学 校図書館の利活用が図られるよう努める。
⑶ 情報収集、レポートや発表資料の作成等、ICTを活用した学習活動の充実に努める。 * 参考となる資料
・言語活動の充実に関する指導事例集~思考力、判断力、表現力等の育成に向けて~(小学校)(中学校)
平成23年5月 文部科学省
・全国学力・学習状況調査 授業アイディア例(平成21年度~平成29年度) 平成29年9月 国立教育政策研究所 ・評価規準の作成、評価方法等の工夫改善のための参考資料(中学校) 平成23年7月 国立教育政策研究所 ・評価規準の作成、評価方法等の工夫改善のための参考資料(小学校) 平成23年11月 国立教育政策研究所 ・平成29年度学習状況調査 報告書 平成29年12月 青森県教育委員会 ・主体的に学ぶ力を育む授業改善ハンドブック 平成28年3月 青森県教育委員会
ア 道徳教育を推進する指導体制の整備・充実
⑴ 学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の推進のために、校長の方針のもと、道徳教育推進教師を 中心とした協力体制を整備するとともに、学校の道徳教育の重点や推進すべき方向について全教員で共 通理解する。
⑵ 道徳教育の全体計画は、児童生徒の実態に応じ、学校の道徳教育の重点目標を明確にし、各教育活動 との関連のほかに、道徳の時間(道徳科)の協力体制、家庭や地域社会との連携などについても配慮し、 全教員の参加と協力により作成するとともに、PDCAサイクルを生かし、改善・充実を図る。
⑶ 全体計画には各教科等における道徳教育に関わる指導内容及び時期を整理したもの、道徳教育に関す る体験活動や実践活動の時期等が一覧できるもの等を別葉にして加えるなどして、年間を通して具体的 に活用しやすいものとする。
⑷ 道徳の時間(道徳科)の年間指導計画を活用しやすいものとし指導の効果を高めるために、主題の設 定と配列を工夫したり、計画的、発展的指導及び重点的な指導ができるように工夫したり、各教科等や 体験活動等との関連的指導を工夫したりする。また、複数時間の関連を図った指導を取り入れたり、計 画の弾力的な取扱いについて配慮したりするなど、各学校において創意工夫する。
イ 道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を育てる指導の工夫
⑴ 道徳の時間(道徳科)の指導に当たっては、児童生徒が道徳的価値についての自覚を深められるよう、 道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度などのうち何をねらいとするのかを検討し、指導観を明確にする。 ⑵ 児童生徒が課題意識をもって自己の(人間としての)生き方について考えを深められるよう、児童生
徒一人一人との心のふれあいを大切にしながら、共感的な人間関係を基調とした指導に努める。 ⑶ 児童生徒が道徳的価値に向き合い、自分との関わりの中で多面的・多角的に考えることができるよ
う、指導のねらいに即して、問題解決的な学習や道徳的行為に関する体験的な活動を適切に取り入れる など、多様な指導方法を工夫する。
⑷ ねらいを達成するためには、児童生徒の実態、教材や指導過程等に応じて、興味や関心を高める教材 の提示、考える必然性や切実感のある発問、話合いや書く活動、役割演技や動作化、心情に訴える説話 などを工夫して取り入れる。
⑸ 道徳の時間(道徳科)の評価に当たっては、指導のねらいとの関わりにおいて児童生徒の学習状況や 道徳性に係る成長の様子を様々な方法でとらえ、それによって自らの指導を評価するとともに、指導方 法などの改善に努める。
⑹ 現実のいじめの問題に対応できる資質・能力を育むために、授業の中でいじめに関する具体的な事例 を取り上げて、児童生徒が考え、議論するような授業の実践に努める。
ウ 郷土を愛する心を育む指導の充実
⑴ 各教科や総合的な学習の時間及び特別活動等で関わった地域の人々や郷土を題材とした地域教材を道 徳の時間(道徳科)にも活用することに努める。
⑵ 年間指導計画の中に地域教材の活用を位置付け、道徳の時間(道徳科)の指導において先人の伝記や 逸話等を用いた教材を積極的に取り入れる。
⑶ 地域の文化や出来事等の取材、実話、ボランティア活動や自然体験活動等の体験活動などを題材とし た児童生徒の心に響く魅力的な地域教材の開発と活用に努める。
⑷ 児童生徒が道徳の時間(道徳科)に培った道徳性を基に、日常生活において適切な行為を主体的に選 択し実践できるよう、家庭や地域社会との連携による体験活動を工夫する。
⑸ 家庭や地域社会との連携を深めるに当たっては、学校で行われる体験活動への保護者や地域の人々の 参加や協力が得られるよう、道徳の時間(道徳科)の授業公開や道徳教育について意見交換の場を設定 するとともに、地域の諸行事への参加や協力に努める。
* 参考となる資料
・いじめに正面から向き合う「考え、議論する道徳」への転換に向けて 平成28年11月 文部科学省 (文部科学大臣メッセージ)
・「特別の教科道徳」の指導方法・評価等について(報告) 平成28年7月 文部科学省 ・「私たちの道徳」活用のための指導資料(小学校)(中学校) 平成27年3月 文部科学省 ・改訂版「心のノート」を生かした道徳教育の展開-「心のノート」活用事例集- 平成25年3月 文部科学省 ・中学校道徳読み物資料集 平成24年3月 文部科学省 ・小学校道徳読み物資料集 平成23年3月 文部科学省 ・平成24年度道徳教育指導資料郷土資料にかかわる実践事例集(小学校編)(中学校編) 平成25年3月 青森県教育委員会
ア 自主的な態度を育てる学級活動の工夫
⑴ 学級活動がキャリア教育の要としての役割を担うことから、小・中・高等学校のつながりを意識し、 系統的・発展的に取り組んでいくよう、児童生徒の実態を踏まえ、育てたい資質・能力を明らかにし、 特別活動の全体計画に基づいた学級ごとの指導計画を作成し、その改善と活用に努める。
⑵ 様々な集団活動を通して、よりよい生活や人間関係を築いていくため、児童生徒一人一人が集団の一 員として互いに尊重し合い、協力して活動できるよう、教師と児童生徒、児童生徒相互の温かい人間関 係づくりに努める。
⑶ 児童生徒が自発的、自治的な学級や学校の生活づくりを実感できるよう、話合い活動の充実と必要な 情報や資料を提供するなど、教師の適切な指導のもと、児童生徒の自主的、実践的な取組が展開される よう努める。
⑷ 学級の実態、学級集団の育成上の課題、発達の段階ごとの課題を踏まえて、各学年段階において取り 上げる指導内容の重点化を図るとともに、道徳教育の内容との関連や学校の重点目標に配慮して指導に 当たるよう努める。特に中学校においては、学校生活への適応や人間関係の形成、進路選択などの指導 に当たって、ガイダンスの機能を一層充実するよう努める。
イ 自治的な意識を高める児童会活動・生徒会活動の工夫
⑴ 特別活動の他の内容、各教科、道徳の時間(道徳科)及び総合的な学習の時間等との関連を図りなが ら、指導のねらいを明確にした活動内容を設定し、教師が共通理解して適切な指導に当たる。
⑵ 児童生徒の発想や活動計画を生かし、学校生活に関する諸問題についての話合いを通して、自発的、 自治的な活動が展開されるよう努める。
⑶ 児童生徒の自発的、自治的な活動を展開するために、全教職員が役割と責任を分担し、協力し合える 指導体制を確立するとともに、指導に当たっては活動の過程を適切に評価し、支援するよう努める。 ⑷ 生徒会活動においては、地域のボランティア活動への参加、地域の人々との幅広い交流など社会貢献
や社会参加に関する活動の充実にも努める。
ウ 児童の個性の伸長と触れ合いを深めるクラブ活動の工夫
⑴ 指導計画の作成に当たっては、指導のねらいを明確にするとともに、必要な時数を学校の実態に応じ て適切に配当する。
⑵ 指導教員の人数、学校や地域の施設設備、外部講師の活用等を考慮するとともに、児童が希望するク ラブの設置に努め、その計画と運営においては、児童による話合いが生かされた活動になるよう、適切 な指導、支援をする。
⑶ 児童の活動意欲が高められるよう、様々な機会を生かして、展示や映像、実演などによるクラブの成 果の発表の場を設定する。
エ 感動や連帯感を高める学校行事の工夫
⑴ 個々の行事の教育的価値を検討し内容の精選や重点化を図るとともに、適切な時数を配当し、教育活 動全体を見通した調和のとれた学校行事の指導計画を作成し、その改善と活用に努める。
⑵ 児童生徒が個性や能力を発揮しつつ積極的に行事に参加できるよう、事前・事後の指導を適切に行 い、特別活動の他の内容との関連を十分に図りながら、全教職員による協同指導体制で運営に当たる。 ⑶ 体験的な活動を効果的に展開するために、家庭や地域の人々の協力を得たり、社会教育施設等の活用
を考慮したりするなど、地域の特性を生かした内容の工夫に努める。
⑷ 事前・事後の活動において学級活動等との関連を図り、児童生徒に行事のねらいや意義を理解させ、 具体的な目標をもって取り組ませるとともに、反省や評価が日常の学校生活に生かされるよう、振り返 りやまとめの活動を充実させる。
⑸ 一人一人の児童生徒の活動状況について情報交換を密にするなど、評価に必要な資料の収集方法を工 夫するとともに、その活用に努め、学校行事の充実と改善を図る。
* 参考となる資料
・学級・学校文化をつくる特別活動 中学校編(指導資料) 平成28年3月 国立教育政策研究所 ・楽しく豊かな学級・学校生活をつくる特別活動 小学校編(指導資料) 平成26年6月 国立教育政策研究所 ・学級・学校文化をつくる特別活動 中学校編(リーフレット) 平成26年6月 国立教育政策研究所 ・楽しく豊かな学級・学校生活をつくる特別活動 小学校編(リーフレット) 平成25年7月 国立教育政策研究所 ・評価規準の作成、評価方法等の工夫改善のための参考資料 平成23年7月 国立教育政策研究所